(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6709939
(24)【登録日】2020年5月28日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】家具用パネル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A47B 96/18 20060101AFI20200608BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20200608BHJP
A47B 96/20 20060101ALI20200608BHJP
A47B 13/08 20060101ALI20200608BHJP
【FI】
A47B96/18 D
E04B2/74 561H
A47B96/20 F
A47B13/08 A
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-108955(P2016-108955)
(22)【出願日】2016年5月31日
(65)【公開番号】特開2017-213173(P2017-213173A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2019年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】391029406
【氏名又は名称】カリモク家具株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101535
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 好道
(74)【代理人】
【識別番号】100161104
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 浩康
(72)【発明者】
【氏名】鷹見 猛
(72)【発明者】
【氏名】延時 文雄
【審査官】
津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−081957(JP,A)
【文献】
特開2000−201747(JP,A)
【文献】
特開平01−201207(JP,A)
【文献】
特開平01−040303(JP,A)
【文献】
実開昭62−015239(JP,U)
【文献】
特開2001−128752(JP,A)
【文献】
特開2006−247992(JP,A)
【文献】
特開2016−086915(JP,A)
【文献】
特開2005−131966(JP,A)
【文献】
特開2002−000357(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01095592(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 96/18
A47B 13/08
A47B 96/20
E04B 2/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の構成ユニットを所定方向に当接するように配設して本体部を構成し、
前記構成ユニットは、無垢材で形成された表面材及び裏面材を有し、
この表面材と裏面材間で、かつ、構成ユニットの配設方向の両側部には、表面材及び裏面材の反りを抑止する第1反り抑止材を設け、
表面材と裏面材間で、かつ、前記第1反り抑止材間に芯材を設け、
前記第1反り抑止材と前記芯材には、その前記配設方向全体に亘って挿入空間が形成され、この挿入空間は、前記配設方向と直交する方向に適宜間隔を有して複数形成され、
前記本体部において、前記配設方向に連通する全ての挿入空間に亘って、表面材及び裏面材の反りを抑止する第2反り抑止材を挿入したことを特徴とする家具用パネル。
【請求項2】
前記第2反り抑止材は、前記挿入空間内に遊嵌して設けられていることを特徴とする請求項1記載の家具用パネル。
【請求項3】
前記第1反り抑止材と第2反り抑止材は、単板積層材で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の家具用パネル。
【請求項4】
前記家具用パネルは、テーブル又は机の天板であることを特徴とする請求項1又は2又は3記載の家具用パネル。
【請求項5】
無垢材で形成され、かつ、長方形状に形成された表面材及び裏面材と、
この表面材と裏面材間で、かつ、表面材の短手方向の両側部に設けられ、表面材及び裏面材の反りを抑止する第1反り抑止材と、
表面材と裏面材間で、かつ、該第1反り抑止材間に設けた芯材とを備え、
前記第1反り抑止材と前記芯材には、前記短手方向全体に亘って挿入空間が、長手方向に適宜間隔を有して複数形成された、構成パネルを複数形成した後に、
この複数の構成パネルを前記短手方向に当接するように配設して本体部を形成し、
前記本体部において、前記配設方向に連通する全ての挿入空間に亘って、表面材及び裏面材の反りを抑止する第2反り抑止材を挿入することを特徴とする家具用パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルや机の天板、扉、パーテイション等に用いることができる家具用パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テーブルや机の天板などを軽量化するために、天板の内部に芯材を設け、この芯材の表面に化粧板を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の天板の美感や質感を向上させるために、化粧板として1枚板からなる無垢材を使用しようとしても、1枚の無垢材の奥行幅方向の長さは、天板で必要とされる奥行き(妻手方向)の長さより短いことが多いために使用することが難しい。
【0005】
そのため、従来技術の化粧板の代わりに合板や繊維板を用い、その表面に、突板や木目模様を印刷したものを張り、無垢材様の天板とすることが行われている。
【0006】
しかし、突板や木目を印刷したものでは、無垢材のみで形成された天板と比較すると、美観や質感が劣るという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点を解決した、テーブルや机の天板等として使用する家具用パネル及びその製造方法を提案することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、複数の構成ユニットを所定方向に当接するように配設して本体部を構成し、
前記構成ユニットは、無垢材で形成された表面材及び裏面材を有し、
この表面材と裏面材間で、かつ、構成ユニットの配設方向の両側部には、表面材及び裏面材の反りを抑止する第1反り抑止材を設け、
表面材と裏面材間で、かつ、前記第1反り抑止材間に芯材を設け、
前記第1反り抑止材と前記芯材には、その前記配設方向全体に亘って挿入空間が形成され、この挿入空間は、前記配設方向と直交する方向に適宜間隔を有して複数形成され、
前記本体部において、前記配設方向に連通する全ての挿入空間に亘って、表面材及び裏面材の反りを抑止する第2反り抑止材を挿入したことを特徴とする家具用パネルである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第2反り抑止材は、前記挿入空間内に遊嵌して設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記第1反り抑止材と第2反り抑止材は、単板積層材で構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2又は3記載の発明において、前記家具用パネルは、テーブル又は机の天板であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5記載の発明は、無垢材で形成され、かつ、長方形状に形成された表面材及び裏面材と、
この表面材と裏面材間で、かつ、表面材の短手方向の両側部に設けられ、表面材及び裏面材の反りを抑止する第1反り抑止材と、
表面材と裏面材間で、かつ、該第1反り抑止材間に設けた芯材とを備え、
前記第1反り抑止材と前記芯材には、前記短手方向全体に亘って挿入空間が、長手方向に適宜間隔を有して複数形成された、構成パネルを複数形成した後に、
この複数の構成パネルを前記短手方向に当接するように配設して本体部を形成し、
前記本体部において、前記配設方向に連通する全ての挿入空間に亘って、表面材及び裏面材の反りを抑止する第2反り抑止材を挿入することを特徴とする家具用パネルの製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の構成ユニットを所定方向に配設して本体部を構成し、構成ユニットは、無垢材で形成された表面材及び裏面材を有し、配設方向の両側部に、表面材及び裏面材の反りを抑止する第1反り抑止材を設け、該第1反り抑止材間に芯材を設け、この第1反り抑止材と前記芯材に、その配設方向全体に亘って挿入空間を、配設方向と直交する方向に適宜間隔を有して複数形成し、本体部において、配設方向に連通する全ての挿入空間に亘って、表面材及び裏面材の反りを抑止する第2反り抑止材を挿入したことにより、表面材又は裏面材等として使用する無垢材の反りを抑制することができるために、隣接する表面材又は裏面材間に隙間等が生じにくく、家具用パネルの美観や質感が、上記従来技術の家具用パネルより向上し、無垢材のみを使用したものに近づけることができるとともに、家具用パネルを軽量化できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】本発明の実施例に用いる天板の部分断面斜視図。
【
図6】本発明の実施例に用いる構成ユニットの横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0016】
本発明の家具用パネルは、テーブルや机の天板、扉、パーテイション等に用いることができるもので、以下において、本発明の家具用パネルを
図1に示すようなテーブルの天板に適用した実施例を基にして説明する。
【0017】
図1,
図2は、実施例に係るテーブルを示すもので、このテーブル1は家具用パネルである天板2と、天板2の下部に固設された一対の脚3,3で構成されている。
【0018】
天板2は、
図6に示すように、上面視が長方形の直方体状に形成された3つの構成ユニット4A,4B,4Cを有し、構成ユニット4A,4B,4Cは、
図7に示すように、その短手方向(X−X方向)に配設されている。
【0019】
夫々の構成ユニット4A〜4Cは、ナラ(オーク材)、ウォールナット、チェリー等の木材を挽き割等して形成した無垢材で構成された板からなる表面材5及び裏面材6を有し、表面材5と裏面材6との間で、かつ、構成ユニットの短手方向、すなわち、構成ユニットの配設方向(X−X方向)の両側部には、表面材5及び裏面材6の反りを抑止する第1反り抑止材7が設けられている。
【0020】
第1反り抑止材7は、天板2における長手方向の表裏方向への曲げに対する強度が強くなるように形成されていることで表面材5及び裏面材6の反りを抑止するようになっている。本実施例では、第1反り抑止材7として、ラワン等の南洋材、ポプラ、カラマツ、スギ等の単板を複数枚、その繊維方向が同一となるように積層し接着した木質軸材料である単板積層材を用い、その単板の側端面が構成ユニットの表裏方向、すなわち、立設した単板を横方向に重合した状態となるように配設した。
【0021】
表面材5と裏面材6との間で、かつ、第1反り抑止材7,7間には芯材8が設けられている。この芯材8としては、任意の構造のものを用いることができるが、紙、樹脂、アルミニウム等の素材で構成されるとともに、六角形の集合体であるハチの巣状、円柱状の筒を連接したもの、波状に形成したものを連接したものなどのハニカム形状のものを用いることが好ましい。本実施例では、中芯原紙、強化中芯原紙、耐水中芯原紙を波形に連続成形したものを用いた。
【0022】
第1反り抑止材7及び芯材8における構成ユニットの短手方向(X−X方向)全体に亘って、
図4,
図6に示すように挿入空間11が形成され、この挿入空間11は、長手方向、すなわち、構成ユニットの配設方向と直交する方向(Y−Y方向)に、適宜間隔を有して複数形成されている。構成ユニット4A,4B,4Cにおける挿入空間11の位置は、ほぼ同じ位置に形成されている。また、挿入空間11の数は、任意設定することができるが、本実施例では構成ユニット4A,4B,4Cに夫々3カ所、対応する位置に形成した。
【0023】
すなわち、芯材8と第1反り抑止材7は、構成ユニットの長手方向(Y−Y方向)において、所定間隔を有して複数配設され、芯材8と第1反り抑止材7の長手方向(Y−Y方向)における両端の位置は同じになるようになっている。
【0024】
図7に示すように、3つの構成ユニット4A,4B,4Cを、構成される天板2の短手方向(X−X方向)に重合して本体部13が形成されている。本体部13において、隣接する構成ユニット4A〜4Cの挿入空間11は相互に連通し、3つの構成用ユニット4A〜4Cの挿入空間11、11,11の略全体、すなわち、本体部13において、配設方向(X−X方向)に連通する全ての挿入空間11,11,11に亘って、表面材5及び裏面材6の反りを抑止する第2反り抑止材17が1本挿通されている。この第2反り抑止材17は、表面材5、裏面材6等の他の部材に対して固着されておらず、挿入空間11に対して遊嵌して設けられている。
【0025】
第2反り抑止材17は、天板2における短手方向の表裏方向への曲げに対する強度が強くなるように形成されていることで表面材5及び裏面材6の反りを抑止するようになっている。本実施例では、第2反り抑止材17として、ラワン等の南洋材、ポプラ、カラマツ、スギ等の単板を複数枚、その繊維方向が同一となるように積層し接着した木質軸材料である単板積層材を用い、その単板の側端面が構成ユニットの表裏方向、すなわち、立設した単板を横方向に重合した状態となるように配設した。第1反り抑止材7と第2反り抑止材17とは、直交するように配設されている。
【0026】
各構成ユニット4A〜4Cにおける長手方向の両端部に位置する芯材8は、
図6に示すように、短手方向に2分割し、かつ相互に離間して設けられ、その芯材8と8の間には、脚3を取付けることができる強度を有する板状部材で構成された取付部12が設けられている。取付部12には、脚3を取付けるための取付け穴12aが所定の位置に複数設けられている。
【0027】
夫々の構成ユニット4A〜4Cの長手方向の両端部で、かつ、表面材5と裏面材6との間には、
図3〜
図5に示すように、無垢材で形成されるとともに、その木口面14aが本体部13の外側面側から視認できるように配置された木口側部材14が固設されている。
【0028】
本体部13の短手方向の両側部で、かつ、表面材5と裏面材6との間には、
図3〜
図5に示すように、本体部13の長手方向(Y−Y方向)全体に亘って、無垢材で形成されるとともに、外側から木端面が視認できるように形成された木端側部材18が配設されている。なお、第2反り抑止材17以外の部品は、接着剤等により相互に固定されている。
【0029】
次に、天板2の製造方法について説明する。
【0030】
先ず、
図6に示すように、3つの構成ユニット4A,4B,4Cを、夫々形成する。
【0031】
次に、
図7に示すように、構成ユニット4Bの短手方向の両側部に構成ユニット4Aと4Cを当接するように配設し、隣接する相互の構成ユニットを接着剤等により固着して、本体部13を形成する。これにより、構成ユニット4A〜4Cの配設方向において、隣接する挿入空間11,11,11が相互に連通する。
【0032】
次に、
図7に示すように、本体部13の短手方向において、3つの構成ユニット4A〜4Cに亘って連通している挿入空間11の略全体に亘って、第2反り抑止材17を、本実施例においては3カ所の連通する挿入空間に夫々1本ずつ挿通する。この際、第2反り抑止材17は他の部材に対して固着されず、挿入空間11において遊嵌している。
【0033】
次に、本体部13の短手方向(X−X方向)の両側部に、夫々、長手方向(Y−Y方向)の全長に亘る長さを有する木端側部材18をそれぞれ固着し、天板2となる。
【0034】
次に、この天板2における取付部12の取付け穴12aを用いて、脚3,3を天板2の下部に固設してテーブル1となる。
【0035】
上記の構成により、天板2の外面は、無垢材で構成された、表面材5、裏面材6、木口側部材14、木端側部材18で覆われ、無垢材以外の芯材や反り抑制部材等は、外部から視認されず、天板2を、無垢材のみで形成された天板の美観や質感に近づけることができるとともに、内部に芯材8を配設したことにより、無垢材のみで構成した天板と比較して軽量化を図り、使用する無垢材の量を減らすことで資源保護、天板2の形状の安定化を図ることができる。
【0036】
更に、第1反り抑止材7と第2反り抑止材17を、直交する二方向に配設したことにより、表面材5及び裏面材6の反りをより確実に抑止し、天板2の形状安定化を図ることができる。
【0037】
更に、第2反り抑止材17が、挿入空間11に対して遊嵌されていることにより、表面材5と裏面材6の伸縮等に左右されにくく、表面材5及び裏面材6の反りをより確実に抑止することができる。
【0038】
更に、天板2内にハニカム状の芯材8を設けたことにより、太鼓のような響き音が生じることを抑制し、重厚感を出すことができる。
【0039】
更に、1枚の無垢材で構成できる最大幅をこえる幅を有する任意の大きさの天板2の外側を無垢材で形成することができる。
【符号の説明】
【0040】
2 天板(家具用パネル)
4A〜4C 構成ユニット
5 表面材
6 裏面材
7 第1反り抑止材
8 芯材
11 挿入空間
13 本体部
17 第2反り抑止材