【文献】
HTC,On Small Cell Enhancement for Improved Spectral Efficiency,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #72 R1-130311,2013年 2月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えば第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)で標準化されたユニバーサル移動体通信システム(UMTS)などの第3世代(3G)移動無線システムは、広域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))無線アクセス技術に基づいている。今日、3Gシステムは世界中で大規模に展開されている。この技術が高速ダウンリンクパケット接続(HSDPA)および高速アップリンクパケット接続(HSUPA)とも呼ばれる強化アップリンクを導入することで強化された後、UMTS標準の進化における次の主要なステップにより、ダウンリンクの直交周波数分割多重(OFDM)およびアップリンクのシングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)の組み合わせが実現された。このシステムは将来の技術的進化に取り組むことを目的としているため、ロングタームエボリューション(LTE)と名付けられた。
【0003】
LTEシステムは、完全なIPベースの機能を低遅延かつ低コストで提供する、効率的なパケットベースの無線アクセスおよび無線アクセスネットワークを特徴としている。物理データチャネル送信について、ダウンリンクはQPSK、16QAMおよび64QAMのデータ変調方式をサポートし、アップリンクはQPSK、16QAM、および少なくともいくつかの装置に対して64QAMをサポートする。「ダウンリンク」という用語は、ネットワークから端末への方向を意味する。「アップリンク」という用語は、端末からネットワークへの方向を意味する。
【0004】
LTEのネットワークアクセスは、1.4〜20MHzの間の多くの定義済みチャネル帯域幅を使用するため、5MHzチャネルに固定されたUMTS地上波無線接続(UTRA)に比べて極めて柔軟である。スペクトル効率はUTRAと比較して最大4倍に向上し、アーキテクチャとシグナリングの改善により往復遅延は減少する。多入力/多出力(MIMO)アンテナ技術は、3GPPの元のWCDMA無線アクセス技術に比べて、セルごとのユーザ数を10倍に増加させることができる。できる限り多くの周波数帯域配分を可能にするため、対帯域動作(周波数分割複信FDD)と不対帯域動作(時分割複信TDD)の両方がサポートされる。隣接チャネルにおいてでさえ、LTEは以前の3GPP無線技術と共存することができ、呼び出しはすべての3GPPの以前の無線アクセス技術との間でハンドオーバーすることができる。
【0005】
LTEネットワーク全体のアーキテクチャは
図1に示されており、E−UTRANアーキテクチャのより詳細な表現は
図2に示されている。
【0006】
図1から分かるように、LTEアーキテクチャは、サービングGPRSサポートノード(SGSN)を介してEPCに接続されているUTRANやGERAN(GSM(登録商標) EDGE無線アクセスネットワーク)などの異なる無線アクセスネットワーク(RAN)の相互接続をサポートする。3GPP移動ネットワークでは、移動端末110(ユーザ装置、UEまたは装置と呼ばれる)はUTRANではNode B(NB)を介して、E−UTRAN接続ではevolved Node B(eNB)を介してアクセスネットワークに接続される。他の移動ネットワークでは、エンティティNBおよびeNB120は基地局として知られる。UEの移動性をサポートするため、サービングゲートウェイ(SGW)130およびパケットデータネットワークゲートウェイ160(PDN−GWまたは簡潔にPGW)の、2つのデータパケットゲートウェイがEPSに配置される。E−UTRANアクセスを考えると、eNBエンティティ120はS1−Uインタフェース(Uは「user plane」を表している)を介して有線回線により1つまたは複数のSGWに、S1−MMMEインタフェースを介して移動性管理エンティティ140(MME)に接続し得る。SGSN150およびMME140は、サービングコアネットワーク(CN)ノードと呼ばれることもある。
【0007】
上記で予想され、
図2に示されているように、E−UTRANはeNodeB120から構成され、E−UTRAユーザプレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)および制御プレーン(RRC)プロトコル終端をユーザ装置(UE)に提供する。eNodeB120は、ユーザプレーンヘッダ圧縮と暗号化の機能を含む、物理(PHY)、媒体アクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)およびパケットデータ制御プロトコル(PDCP)層をホストする。また、eNodeB120は、制御プレーンに対応する無線リソース制御(RRC)機能を提供する。eNodeB120は、無線リソース管理、受付制御、スケジューリング、ネゴシエーション済みアップリンクサービス品質(QoS)の施行、セル情報ブロードキャスト、ユーザおよび制御プレーンデータの暗号化/解読、ならびにダウンリンク/アップリンクユーザプレーンパケットヘッダの圧縮/解凍を含む多くの機能を実施する。eNodeBは、X2インタフェースにより相互接続される。
【0008】
また、eNodeB120は、S1インタフェースによりEPC(進化型パケットコア)に、より具体的にはS1−MMEによりMME(移動性管理エンティティ)に、およびS1−Uによりサービングゲートウェイ(SGW)に接続される。S1インタフェースはMME/サービングゲートウェイとeNodeB120との間で多対多の関係をサポートする。SGWはユーザデータパケットをルートし転送すると同時に、eNodeB間ハンドオーバー中にユーザプレーンに対して移動性アンカーとして動作し、LTEと他の3GPP技術との間の移動性に対してアンカーとして動作する(S4インタフェースを終端し、2G/3GシステムとPDN GWとの間のトラフィックをリレーする)。アイドル状態のユーザ装置に対して、SGWはダウンリンクデータパスを終端し、ユーザ装置へのダウンリンクデータが到着するとページングをトリガする。SGWはユーザ装置のコンテクスト、例えばIPベアラサービスのパラメータ、ネットワーク内ルーティング情報などを管理し、保存する。また、SGWは、合法的傍受の場合にユーザトラフィックの複製を実行する。
【0009】
MME140はLTEアクセスネットワークの重要な制御ノードである。MME140は、アイドルモードユーザ装置の追跡および再送信を含むページング手続きを担う。MME140はベアラ有効化/無効化処理に関与しており、初期接続の際およびコアネットワーク(CN)ノード再配置が関わるLTE内ハンドオーバーの際のユーザ装置のためのSGWの選択も担う。MME140は、ユーザの認証を担う(HSSとの相互作用により)。非アクセス層(NAS)シグナリングはMMEで終端し、ユーザ装置への一時的な識別子の生成と配分も担う。非アクセス層はサービスプロバイダの公衆陸上移動通信ネットワーク(PLMN)にとどまるためのユーザ装置の認証を確認し、ユーザ装置のローミング制限を施行する。MMEはNASシグナリングの暗号化/完全性保護のためのネットワークの終端点であり、セキュリティ鍵管理を担当する。また、シグナリングの合法的傍受は、MMEによりサポートされている。また、MMEは、SGSNからのMMEで終端するS3インタフェースにより、LTEと2G/3Gアクセスネットワークとの間の移動性に制御プレーン機能を提供する。また、MMEは、ユーザ装置をローミングするためのホームHSS方向のS6aインタフェースを終端する。
【0010】
図3および
図4は、LTE Release 8でのコンポーネントキャリアの構造を示す。3GPP LTE Release 8のダウンリンクコンポーネントキャリアは、それぞれが
図3に示されているように2つのダウンリンクスロットに分割されている、いわゆるサブフレーム内で時間周波数ドメインに細かく分割される。時間周期T
slotに対応するダウンリンクスロットの詳細が、参照番号320により
図3および
図4で示されている。サブフレームの第1のダウリンクスロットは、第1のOFDMシンボル内の制御チャネル領域(PDCCH領域)を含む。各サブフレームは、時間ドメイン内のOFDMシンボルの所与の番号(3GPP LTE(Release 8)の12または14OFDMシンボル)から構成され、各OFDMシンボルはコンポーネントキャリアの帯域幅全体に広がる。
【0011】
特に、スケジューラから割り当てられ得るリソースの最小単位は、物理リソースブロック(PRB)とも呼ばれるリソースブロックである。
図4を参照すると、PRB330は時間ドメインではN
symbDL個の連続するOFDMシンボルとして、周波数ドメインではN
scRB個の連続するサブキャリアとして定義される。実際には、ダウンリンクリソースはリソースブロックペアに割り当てられる。リソースブロックペアは2つのリソースブロックから構成される。リソースブロックペアは、周波数ドメインではN
scRB個の連続するサブキャリアにまたがり、時間ドメインではサブフレームの2・N
symbDL個の変調シンボル全体にまたがる。N
symbDLは6か7のどちらかであり、結果として合計で12か14OFDMシンボルになる。その結果、物理リソースブロック330は時間ドメインでは1つのスロットに、周波数ドメインでは180kHzに対応するN
symbDL×N
scRB個のリソース要素を含む(ダウンリンクリソースグリッドについてのさらなる詳細は、例として非特許文献1にあり、3GPPのウェブサイトから自由に利用でき、参照として本明細書に組み込まれている)。リソースブロックまたはリソースブロックペアのいくつかのリソース要素が、スケジュールされていたとしても使用されないということが起こり得るが、使用される専門用語を分かりやすくするため、リソースブロック全体またはリソースブロックペアが割り当てられる。スケジューラに実際に割り当てられないリソース要素の例は、参照信号、ブロードキャスト信号、同期信号、および様々な制御信号またはチャネル送信に使用されるリソース要素を含む。
【0012】
ダウンリンクの物理リソースブロックN
RBDLの数は、セル内で構成されるダウンリンク送信帯域幅に依存し、現在のところLTEでは6〜110(P)RBの間隔から定義される。LTEでは、帯域幅をHz(例えば、10MHz)の単位またはリソースブロック単位のどちらかで表示するのが慣習である(例えば、ダウンリンクの場合、同等のセル帯域幅は、例として10MHzまたはN
RBDL=50RBと表現することができる)。
【0013】
チャネルリソースは、
図3に例示的に示されているように、「リソースブロック」として定義され得る。
図3では、例として3GPPのLTEワークアイテムで議論されたように、例えばOFDMを採用するマルチキャリア通信システムが想定されている。より一般的には、リソースブロックは、スケジューラが割り当てることのできる最小のリソース単位を、移動通信の無線インタフェースに対して指定することが想定され得る。リソースブロックの次元は、移動通信システムにおいて使用されるアクセス方式によって、時間(例えば、時間分割多重方式(TDM)の時間スロット、サブフレーム、フレームなど)、周波数(例えば、周波数分割多重方式(FDM)のサブバンド、キャリア周波数など)、コード(例えば、コード分割多重方式(CDM)の拡散コード)、アンテナ(例えば、多入力多出力(MIMO))などの何らかの組み合わせであり得る。
【0014】
データは、仮想リソースブロックのペアにより、物理リソースブロックにマッピングされる。仮想リソースブロックのペアは物理リソースブロックのペアにマッピングされる。以下の2種類の仮想リソースブロックは、LTEダウンリンクの物理リソースブロックに対するそれらのマッピングに従って定義される:局所仮想リソースブロック(LVRB)および分散仮想リソースブロック(DVRB)。局所VRBを使用した局所送信モードでは、eNBはどのリソースブロックがどのくらい使用されるかを完全に制御し、通常は大きなスペクトル効率につながるリソースブロックを選ぶためにこの制御を使用するはずである。ほとんどの移動通信システムでは、このことは結果として単一のユーザ装置への送信に対して隣接する物理リソースブロックまたは隣接する物理リソースブロックの複数クラスタとなる。周波数ドメインでは無線チャネルはコヒーレントであり、1つの物理リソースブロックが大きなスペクトル効率を提供する場合、隣接する物理リソースブロックが同じように大きなスペクトル効率を提供する可能性が非常に高いからである。分散VRBを使用した分散送信モードでは、同じUEにデータを伝達する物理リソースブロックは、十分に大きなスペクトル効率を提供する少なくともいくつかの物理リソースブロックを打って周波数ダイバーシティを得るために、周波数帯全体に分散される。
【0015】
3GPP LTE Release 8では、ダウンリンク制御シグナリングは基本的に、以下の3つの物理チャネルにより伝達される。
− サブフレームの制御シグナリングに使用されるOFDMシンボルの数(すなわち、制御チャネル領域のサイズ)を示す、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)
− アップリンクデータ送信に関連するダウンリンクACK/NACKを伝達するための物理ハイブリッドARQ指示チャネル(PHICH)
− ダウンロードスケジューリング割り当ておよびアップリンクスケジューリング割り当てを伝達するための、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)
【0016】
PCFICHは、既知の事前定義された変調・符号化方式を使用して、ダウンリンクサブフレームの制御シグナリング領域内の既知の位置から送信される。ユーザ装置は、サブフレームの制御シグナリング領域のサイズ、例えばOFDMシンボルの数についての情報を取得するためにPCFICHを復号する。ユーザ装置(UE)がPCFICHを復号できないか、誤ったPCFICH値を取得する場合、ユーザ装置は制御シグナリング領域に含まれるL1/L2制御シグナリング(PDCCH)を正しく復号することができず、結果としてそこに含まれるすべてのリソース割り当てが失われることがある。
【0017】
PDCCHは、例えばリソースのダウンリンクまたはアップリンクデータ送信への配置に対するスケジューリング許可などの制御情報を伝達する。ユーザ装置へのPDCCHは、サブフレーム内のPCFICHに従って2つまたは3つのOFDMシンボルのうちのいずれか1つの最初のもので送信される。
【0018】
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)は、ユーザデータを伝送するために使用される。PDSCHは、PDCCHの1つ後のサブフレーム内の残りのOFDMシンボルにマッピングされる。1つのUEに配置されるPDSCHリソースは、各サブフレームに対するリソースブロックの単位で表される。
【0019】
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)は、ユーザデータを伝達する。物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)は、スケジューリングリクエスト、PDSCH上のデータパケットに応じてHARQ肯定応答および否定応答、チャネル状態情報(CSI)などのシグナリングをアップリンク方向に伝達する。
【0020】
IMT−Advancedの周波数スペクトルは、世界無線通信会議2007(WRC−07)で決定された。IMT−Advancedの全体的な周波数スペクトルが決定されたとはいえ、実際に利用可能な周波数帯域幅は各地域または国によって異なる。とはいえ、利用可能な周波数スペクトルの概要に関する決定に続いて、無線インタフェースの標準化が第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)で開始された。3GPP TSG RAN #39会議において、「Further Advancements for E−UTRA(LTE−Advanced)」についての検討事項の説明が承認された。この検討事項は、IMT−Advancedの要件を満たすことなど、E−UTRAの進化に関して検討されるべき技術要素を網羅している。
【0021】
LTE−Advancedシステムがサポートできる帯域幅は100MHzであり、LTEシステムがサポートできるのは20MHzのみである。最近では無線スペクトルの不足が無線ネットワーク開発のボトルネックになっており、結果としてLTE−Advancedシステムにとって十分広いスペクトル帯を発見するのは困難である。結果として、より広い無線スペクトル帯を取得する方法の発見が急務であり、解決策として可能性のあるものはキャリアアグリゲーション機能である。キャリアアグリゲーションでは、2つ以上のコンポーネントキャリアが、最大100MHzのより広い送信帯域幅をサポートするために束ねられる。「コンポーネントキャリア」という用語は、複数のリソースブロックの組み合わせを意味している。LTEの将来のリリースでは、「コンポーネントキャリア」という用語は使用されない。代わりに、この専門用語はダウンリンクリソースおよび任意でアップリンクリソースの組み合わせを意味する「セル」に変更される。ダウンリンクリソースのキャリア周波数とアップリンクリソースのキャリア周波数との間のリンクは、ダウンリンクリソースで送信されるシステム情報に示されている。LTEシステムの複数のセルは、LTEのこれらのセルが異なる周波数帯にある場合でも、100MHzにとって十分広い、LTE−Advancedシステムのより広い1つのチャネルに束ねられる。少なくともアップリンクおよびダウンリンクのコンポーネントキャリアの束ねられた数が同じ場合、すべてのコンポーネントキャリアはLTE Rel.8/9と互換性を持つように構成される。ユーザ装置によって束ねられるすべてのコンポーネントキャリアは、必ずしもRel.8/9と互換性を持つ必要はない。既存の仕組み(例えば、バーリング)は、コンポーネントキャリアにとどまるため、Rel−8/9のユーザ装置を避けるために使用され得る。ユーザ装置は、その能力に応じて1つまたは複数のコンポーネントキャリア(複数のサービングセルに対応)を、同時に受信または送信し得る。キャリアアグリゲーションの受信および/または送信の能力を持つLTE−Rel.10のユーザ装置は、複数のサービングセルで同時に受信および/または送信ができるが、LTE Rel.8/9のユーザ装置は、コンポーネントキャリアの構造がRel.8/9の仕様に従っている限り、1つのサービングセルのみで受信および送信することができる。
【0022】
リンクアダプテーションの原則は、無線インタフェースの設計にとって必須であり、パケット交換によるデータトラフィックにとって効率的である。ほぼ一定のデータレートによる回線変換サービスをサポートするために高速クローズドループ電力制御を使用するUMTS(ユニバーサル移動体通信システム)の初期バージョンとは異なり、LTEのリンクアダプテーションは各ユーザの優勢な無線チャネル容量に適応するため、送信データレート(変調方式およびチャネル符号化レート)を動的に調整する。
【0023】
LTEでのダウンリンクデータ送信では、eNodeBは、通常、ダウンリンクチャネル状態の予想に応じて変調方式および符号レート(MCS)を選択する。この選択処理にとって重要な入力は、eNodeBへのアップリンクでユーザ装置(UE)から送信されるチャネル状態情報(CSI)フィードバックである。
【0024】
チャネル状態情報は、例として3GPP LTEが1人または複数のユーザのチャネルリソースの品質を判定するためなどに、複数ユーザ通信システムにおいて使用される。一般的に、CSIフィードバックに応じて、eNodeBはQPSK、16QAMおよび64QAM方式から、ならびに幅広い符号レートから選択できる。このCSI情報は、異なるユーザにチャネルリソースを割り当てるために複数ユーザスケジューリングアルゴリズムで活用するため、または割り当てられたチャネルリソースの可能性を最大限に活用するために変調方式、符号化レートまたは送信電力などのリンクパラメータを適応するために使用され得る。
【0025】
CSIは各コンポーネントキャリアに報告され、また、報告モードおよび帯域幅によっては、コンポーネントキャリアのサブバンドの異なるセットに報告される。チャネルリソースは、
図4に例示的に示されているように、「リソースブロック」として定義され得る。
図4では、例として3GPPのLTEワークアイテムで議論されたように、例えばOFDMを採用するマルチキャリア通信システムが想定されている。より一般的には、リソースブロックは、スケジューラが割り当てることのできる最小のリソース単位を、移動通信の無線インタフェースに対して指定することが想定され得る。リソースブロックの次元は、移動通信システムにおいて使用されるアクセス方式によって、時間(例えば、時間分割多重方式(TDM)の時間スロット、サブフレーム、フレームなど)、周波数(例えば、周波数分割多重方式(FDM)のサブバンド、キャリア周波数など)、コード(例えば、コード分割多重方式(CDM)の拡散コード)、アンテナ(例えば、多入力多出力(MIMO))などの何らかの組み合わせであり得る。
【0026】
最小の割り当て可能なリソース単位がリソースブロックだと想定すると、理想的な状況では、各およびすべてのリソースブロックならびに各およびすべてのユーザに対するチャネル品質情報は常に利用可能であるべきである。しかしながら、フィードバックチャネルの制限された容量のゆえに、ほとんどの場合実行可能でないか、不可能である。したがって、例えばチャネル品質情報を所与のユーザのリソースブロックのサブセットにのみ送信することによる、チャネル品質フィードバックシグナリングのオーバーヘッドを減少させるための縮小または圧縮技術が必要とされる。
【0027】
3GPP LTEでは、チャネル品質が報告される最小単位は、複数周波数隣接リソースブロックから構成されるサブバンドと呼ばれる。
【0028】
したがって、リソース許可が、ダウンリンク制御情報(DCI)でPDCCHを介してeNodeBからUEに送信される。ダウンリンク制御情報は、必要なシグナリング情報に応じて、異なる形式で送信され得る。一般的には、DCIは以下を含む。
− リソースブロック割り当て(RBA)
− 変調・符号化方式(MCS)
【0029】
DCIは、必要なシグナリング情報に応じてさらなる情報を含み得る。このことは、参照として本明細書に組み込まれている、非特許文献2でも説明されている。例えば、DCIはさらにHARQ関連の情報、例としてリダンダンシバージョン(RV)、HARQプロセス数または新データインジケータ(NDI)、事前符号化などのMIMO関連情報、電力制御関連情報などを含み得る。他のチャネル品質の要素は、事前符号化行列インジケータ(PMI)およびランクインジケータ(RI)であり得る。関連する報告および送信の仕組みについての詳細は、参考文献として参照されている以下の仕様書で説明されている(すべてのドキュメントは3GPPのウェブサイトで利用可能であり、参照として本明細書に組み込まれている)。
− 非特許文献3
− 非特許文献4
− 非特許文献5
【0030】
リソースブロックの割り当ては、アップリンクまたはダウンリンクの送信に使用される物理リソースブロックを指定する。
【0031】
変調・符号化方式は、QPSK、16QAMまたは64QAMなどの、送信に使用される変調方式を定義する。変調の次数が低ければ低いほど、送信のロバスト性は向上する。したがって、64QAMなどの高次変調は、通常、チャネル状態が優れている場合に使用される。変調・符号化方式はまた、所与の変調の符号レート、すなわち定義済みリソースで伝達される情報ビットの数を定義する。符号レートは、無線リンクの状態に応じて選択される。すなわち、低符号レートは悪いチャネル状態で使用され、高符号レートは良いチャネル状態の場合に使用され得る。ここで「良い」および「悪い」という用語は、信号対干渉雑音比(SINR)の観点から用いられている。符号レートのより細かな適応は、エラー修正符号器の種類に応じて汎用レートのパンクチャリングまたは繰り返しにより実現される。
【0032】
図6は、物理ダウンリンク共有チャネル内で使用される変調次数(Q
m)を決定するために、LTE Release 11で使用されるMCSテーブルの例である。ダウンリンクの0から9までのレベルは、通常、ロバスト性の高いQPSK変調を採用することを意味している。アップリンクでは、LTE Release 11は本質的にダウンリンクチャネルのMCSテーブルと同じ構造を持つMCSテーブルを予測する。ダウンリンクでは、QPSK変調方式は0から9までのMCSレベルで表される(詳細については、非特許文献6を参照)。それ以外のレベルは、高次変調方式による構成を指定する。大きなインデックス(17〜28)に対応するMCSテーブルのレベルは、64QAM変調方式を表す。また、QPSKおよび16QAM変調方式は、64QAM変調方式と比較して低次変調方式として示される。一般的には、「低次変調方式」という用語はサポートされる最高次数の変調よりも低い変調次数と理解される。
【0033】
MCSテーブルの第1列は、例えばDCI内で変調・符号化方式に設定を提供するために、実際にシグナリングされるインデックスを定義している。MCSテーブルの第2列は、インデックスと関連付けられた変調の次数を提供し、それによると次数2はQPSK、次数4は16QAM、次数6は64QAMを意味している。テーブルの第3列は、事前定義されたトランスポートブロックのサイズ、ひいては符号化レート(データに追加されるリダンダンシの量)を参照するトランスポートブロックサイズインデックスを含む。MCSテーブルの第3列内のトランスポートブロックサイズ(TBS)インデックスは、TBSテーブルを参照している(例えば、上記の非特許文献6のTable 7.1.7.2.1−1と比較)。この表は、DCIおよび特にそのリソースブロック配分(RBA)部分でシグナリングされ、TBSインデックスの数に対応した第1列と、それぞれのリソースブロックの数に対するトランスポートブロックサイズを指定する続く列を持つ行を含む。
【0034】
トランスポートブロックは、送信されるデータを含み、上位層による送信に提供される、つまりスケジューリング情報を含む制御情報に従って、および/または上位層による設定に従って物理リソースにマッピングされる、データ単位である。トランスポートブロックはそれぞれのリソースブロックに対して、つまり一般的には固定サイズの時間スロット(時間ドメイン部分)に対してマッピングされる。
【0035】
これから数年間にわたって、オペレータはヘテロジニアスネットワーク(HetNet)と呼ばれる新しいネットワークアーキテクチャを展開し始めるだろう。現在3GPPで議論されている典型的なHetNetの展開は、マクロおよびピコセルから構成される。ピコセルは、トラフィックをマクロセルからオフロードするためにトラフィックホットスポットに有利に配置される、低電力eNBによって形成される。マクロおよびピコeNBは、互いに独立してスケジューリングを実装する。高電力マクロセルおよび低電力ピコセルの組み合わせは、付加的な容量と改善されたサービスエリアを提供できる。
【0036】
一般的にユーザ装置(UE)などの端末は、最強のダウンリンク信号によりノードに接続する。
図5Aでは、低電力eNBを囲み実線の境界で区切られた領域が、低電力eNBのダウンリンク信号が最大である領域である。この領域内のユーザ装置は適切な低電力eNBに接続する。
【0037】
送信電力を増加させずに低電力eNBの取り込み領域を拡張するために、セル選択の仕組みに受信したダウンリンク信号強度にオフセットが追加される。このようにして、低電力eNBはより大きな取り込み領域をカバーできる。言い換えれば、ピコセルはセル領域拡張(CRE)を備えている。CREは、このような展開でスループットパフォーマンスを増加させる手段である。UEは、受信した電力が、信号が最大のピコeNBから受信した電力よりも少なくともG dB大きい時にのみ、マクロeNBに接続する。ここでGは、半静的に構成されたCREバイアスである。典型的な値の範囲は0〜20dBと予想される。
【0038】
図5Aは、様々なピコセルが1つのマクロセルの領域内に提供されるようなHetNetのシナリオを示す。
図5Aでは、領域拡張ゾーン(CRE)は破線の境界(edge)で区切られている。CREのないピコセルエッジは、実線の境界で区切られている。様々なUEが様々なセル内に配置されている様子が示されている。
図5Bは、自分のサービスエリアに配置された複数のUEにそれぞれサービスを提供するマクロeNBおよび複数のピコeNBを含む、HetNetのシナリオの概念を概略的に示す。
【0039】
3〜4dBの領域拡張を伴うヘテロジニアスの展開は、すでにLTE Releae 8で検討されている。それにも関わらず、最大9dBのセル選択オフセットを伴うCREの適用性が、現在RAN1で検討されている。しかしながら、小さなセルが提供する付加的な容量は、ピコセル内のUEが経験する信号干渉が原因で、失われ得る。マクロeNBは、ピコUE、つまりピコeNBに接続されているUEにとって単一の支配的干渉である。このことは、CREを使用している際のセルエッジにあるピコUEに特に当てはまる。
【0040】
セルエッジにいる、ピコeNodeBがサービスを提供しているユーザは、通常、受信する信号強度が相対的に弱い。CREを使用しているピコセルの境界に位置し、強力なセル間干渉を受けている場合は特にそうである。主要な干渉は、通常はサブフレームを高送信電力で送信する、ヘテロジニアスネットワーク内のマクロセルにサービスを提供しているeNodeBである。
【0041】
セルエッジにある移動端末のスループットパフォーマンスを改善するために、移動端末がダウンリンク送信のためにスケジュールされているリソースに対する干渉の影響を低減しなければならない。セル間干渉調整(ICIC)の目的は、電力制限、セル間シグナリング制限、公平性目標、最小ビットレート要件などの影響を受ける、複数セルスループットを最大化することである。
【0042】
図7は、2つのUEがeNBからサービスを提供される、例示的なダウンリンク送信のシナリオである。送信リソースでのSINRレベルに応じて、高次または低次の変調方式がデータ送信に使用され得る。LTEで現在サポートされている変調方式の組は、QPSK、16QAMおよび64QAMから構成される。
【0043】
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)送信に使用される変調・符号化方式(MCS)は、ダウンリンク制御情報(DCI)内のMCSフィールドによって示される。現在のRel−11 MCSフィールドは、5ビットの固定長を持つ。結果として、変調方式およびチャネル符号器の符号レートの32の組み合わせを示すために使用される、32の符号ポイントとなる。符号レートは、配置されるリソースブロック(RB)のセットにマッピングされるトランスポートブロックサイズによって決定される。
【0044】
MCSフィールドの符号ポイントの解釈は、特定のMCSテーブルによってなされる。テーブルは、MCSインデックスとして表される各符号ポイントを、変調次数およびトランスポートブロックサイズ(TBS)インデックスの組み合わせにマッピングする。変調次数は、単一の変調シンボルにマッピングされるビットの数を表す。現在のRelease−11テーブルは、QPSK、16QAMおよび64QAMに対応する変調次数2、4および6をサポートしている。TBSインデックスは、配置されたRBの数に依存するトランスポートブロックサイズを含むTBSテーブルのエントリにリンクされている。したがって各TBSインデックスは、RBごとに送信されるビットに関連して、特定のスペクトル効率に対応する。
【0045】
現在のRelease−11 MCSテーブルが、
図6に示されている。テーブルは、TBSインデックスを持つ3つのエントリを含むことが分かる。これらのMCSインデックスは、誤りのあるトランスポートブロックの再送信に使用される。サイズは最初の送信から分かるので、この場合トランスポートブロックサイズの指標は必要ではない。各MCSインデックスは、トランスポートブロックサイズに決定される変調方式および符号レートの組み合わせが特定のブロックエラー確率を超えない仕方で使用され得る、特定のSINRレベルに対応する。ブロックエラー確率を0.1と想定すると、現在のRelease−11テーブルはおおよそ−7dBから20dBのSINR範囲を網羅している。MCSテーブルは、27のTBSインデックスをサポートし、TBSインデックスを1増加させることは、おおよそ1dBのSINRレベルの差に相当する。
【0046】
図8は、Release−11のパフォーマンス研究の際に評価された、ヘテロジニアスネットワーク展開内の2つの典型的なUEの、RB SINRレベルの分布を示している。結果はシステムレベルの分布によって達成され、SINRレベルの平均が非常に高い曲線はセル中心のUE、SINRレベルの平均が非常に低い曲線はセル境界のUEに対応する。
図8からは、セル中心のUEのSINRサンプルの大部分は、現在のRel−11MCSテーブルに網羅されていないことが分かる。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下の段落では、本発明の様々な実施形態を説明する。例示のみを目的として、一部は上述の背景技術のセクションで説明された実施形態の概略が、3GPP LTE(Release 8/9)およびLTE−A(Release 10/11)移動通信システムに係る無線アクセス方式と関連して説明される。本発明は、例として背景技術のセクションで説明されたように3GPP LTE−A(Release 11)通信システムなどの移動通信システムにおいて使用され得るが、本発明はこれら特定の例示的な通信ネットワークでの使用に限られるものではないことに留意されたい。本発明は、例として、WIMAXなどの非3GPPシステムで使用され得る。
【0072】
本発明は、LTEシステムでのデータ送信に対する変調・符号化方式(MCS)を示す方策として有利に適用され得る。Rlease 11で現在サポートされている変調方式の組は、QPSK、16QAMおよび64QAMから構成される。しかしながら、特に端末が高SINRレベルに関して非常に安定していて良いチャネル状態を経験する可能性が高いシナリオでは、高い変調次数が高スペクトル効率の実現のために望ましい場合があり得る。特に、256QAMは、構成可能なスペクトル効率の範囲をさらに拡張するために適用され得る。最初のパフォーマンス評価では、少なくとも20dBのSINRレベルでは、256QAMの使用が妥当であると予期されることが示された。PDSCHおよびPUSCH送信に使用されるMCSは、今までダウンリンク制御情報(DCI)内のMCSフィールドで示されてきた。この既存の仕組みを考慮すると、後方互換性のため、現在のシグナリング方式を確実に再利用できるようにすることが望ましい。さらに、送信エラーに関連するシグナリングのロバスト性は、可能な限り維持すべきである。本発明のいくつかの有利な実施形態によれば、Release−11 MCSフィールドの符号ポイントの、256QAMを含む変調・符号化方式へのマッピングの概念は、低次変調方式の符号ポイントを再解釈することにより提供される。
【0073】
達成可能なスペクトル効率を拡張する1つの可能性は、異なるTBSインデックスを持つ256QAMに対するエントリの特定の組により、MCSテーブルを拡張することである。変調・符号化方式の結果として得られる増加した組を網羅するため、DCI内のMCSフィールドもそれに応じて拡張されなければならない。最小のMCSフィールド拡張は、MCSフィールドの符号ポイントの数を2倍にする1つの付加的なビットから構成される。現在のRelease−11 MCSフィールドは5ビットの長さを持つため、符号ポイントの数は32から64に拡張される。したがって変調・符号化方式の組は、256QAMに対して32の新しいエントリにより拡張される。
【0074】
現在のRelease−11 TBSテーブルは、8ビットを1つの256QAM変調シンボルにマッピングすることで得られる非常に高いスペクトル効率をサポートする256QAMを効率的に使用するのに十分な大きさのトランスポートブロックサイズをサポートしない。したがって、TBSテーブルも、現在サポートされているブロックよりも大きいトランスポートブロックのための付加的な行により、有利に拡張されるべきである。このことは、高SINRレベルのサポートと対応する。
【0075】
MCSインデックスの数が2倍になり、約1dBステップの等距離SINR定量化が保たれると仮定すると、上記の手法は結果として、SINR範囲は現在Release−11で網羅されている27dBから54dBに拡張される。高平均SINRレベルを持つセル中心UEに対する効果が
図9に示されている。UEのすべてのSINRサンプルが、新しいMCSテーブルに網羅されている。しかしながら、拡張されたMCSテーブルの大部分は、使用されない可能性が非常に高いSINRレベルを網羅している。
【0076】
さらに、MCSインジケータを伝達するDCIは、1組の固定サイズのリソースにマッピングされる。したがって、DCIのサイズは、DCIおよびそれに含まれるMCSインジケータの送信にどれほどのリダンダンシが使用されるかを決定するので、DCIのサイズはそれにより伝達されるシグナリングのロバスト性を決定する。特定のリソースにマッピングされるDCIが小さければ小さいほど、リダンダンシは大きくなり、したがってロバスト性も大きくなる。したがって、DCIサイズは通常は、できる限り小さく保つべきである。
【0077】
付加的なビットによりMCSインデックスを拡張するという上記で説明した手法の他の問題は、32個の新しいMCSインデックスの数は、現在サポートされている符号レート、および、よって256QAMにサポートされ得るトランスポートブロックサイズの組よりもずっと大きいということである。変調次数の拡張はさらに、TBSインデックスの付加的な符号ポイントの組を必要とする。
【0078】
本発明の根本的な問題は、室内のアプリケーションの場合にも想定されるように、位置およびパスロス、ならびにシャドウイング状況が著しく変化しないならば、UEが50dBよりも大きいSINRの振動を経験する可能性は低いという観察に基づく。したがって、目的は主に、異なるUEの予想されるSINRレベルの分布を適切なMCSテーブルの設計により網羅することである。
【0079】
上記の解決法および問題がLTEに対して説明されている場合でも、適応変調・符号化方式を採用するあらゆる通信システムは、本発明を有利に採用し得ることに留意されたい。適応変調・符号化をサポートするために、通信システムにおいて他の装置(ネットワークノードなど)からデータを受信可能な装置(例えば、端末)は、データが送信されるリソースを指定しかつ変調・符号化方式インジケータを含むスケジューリング情報を受信する制御情報受信ユニット、および変調・符号化方式インジケータにより示される変調・符号化方式を使用して、スケジュールされたリソースでデータを送信するデータ送信ユニットを含み得る。一般に、データ受信装置は必ずしも端末である必要はないことに留意されたい。データ受信装置は、リレーもしくは基地局(例えば、アップリンクの)、または他のネットワークノードであり得る。
【0080】
さらに、付加的なビットによる変調・符号化インジケータの拡張を避けるため、本発明における通信システムのデータを受信する装置はまた、変調・符号化インジケータに従って、1組の所定の変調・符号化方式から変調・符号化を選択可能である変調・符号化選択ユニット、ならびに、少なくとも2つの所定の組、つまり、第1の組および第2の組から、前記1組の所定の変調・符号化方式を選択する組選択ユニットであって、前記第1の組および前記第2の組は、共通して複数の変調・符号化方式を有するも、前記第2の組が前記第1の組のどの変調よりも高い次数を有する付加的な変調をさらに含む点で異なり、前記第1の組および前記第2の組は同じサイズを有する、組選択ユニット選択ユニットを含む。
【0081】
上記の装置は、データおよびスケジューリング情報を受信する装置である。しかしながら、本発明はまた、通信システムにおいてデータを送信し、以下のユニットを含む、対応する装置に関する。当該装置は、端末がネットワークノードにデータを送信するリソースを指定しかつ変調・符号化インジケータを含む端末スケジューリング情報を送信する制御情報送信ユニットと、変調・符号化インジケータに従って、1組の所定の変調・符号化方式から変調・符号化を選択可能である変調・符号化選択ユニットと、少なくとも2つの所定の組、つまり、第1の組および第2の組から、前記1組の所定の変調・符号化方式を選択する組選択ユニットであって、前記第1の組および前記第2の組は、共通して複数の変調・符号化方式を有するも、前記第2の組が前記第1の組のどの変調よりも高い次数を有する付加的な変調をさらに含む点で異なり、前記第1の組および前記第2の組は同じサイズを有する、組選択ユニットと、前記選択された変調・符号化を使用して、スケジュールされたリソースで前記データを受信するデータ受信ユニットとを含む。
【0082】
上述したようなPDSCHを介したLTE通信の例示的な状況では、受信装置は端末であることができ、一方で送信装置はeNodeBまたはリレーであり得る。しかしながら、受信装置はまたリレーノードであることができ、送信装置はeNodeBであり得る。一般に、本発明はアップリンク/ダウンリンクの特定の方向に限定されず、特定の種類のネットワークノードにも限定されない。
【0083】
より具体的には、各組(第1の組および第2の組)の変調・符号化方式は、変調・符号化インジケータの値と関連付けられており、複数の変調・符号化インジケータの値は第1の組および第2の組における同じ変調・符号化方式をそれぞれ参照し、残りの変調・符号化インジケータの値は、第2の組では最高次変調を参照し、第1の組では最低次変調を参照する。参照される最低次変調は、必ずしも1つのみである必要はないことに留意されたい。
図10Bから分かるように、残りの変調・符号化インジケータの値は、第2の組では最高次変調を参照し、第1の組では1つ以上の最低次数の変調を参照する。例として
図10Bは、変調次数8(256QAM)を使用した変調・符号化方式が、
図6の表から、変調次数2(QPSK)の方式だけではなく、変調次数4(16QAM)のいくつかの方式も置き換えた場合を示している。
【0084】
変調・符号化方式の組がテーブルにより上記で説明されている場合でも、組の実際の実装は本発明にとって重要ではないことに留意されたい。テーブル形式は単に値の組を視覚化するのみであり、現在のLTE仕様書でも使用されている。
【0085】
本発明の手法は、LTE Release−11の上記で説明した状況に例示的に適用される時、付加的なビットによりDCI内のMCSフィールドを拡張することなく、PDSCH送信の256QAMなどの新しい変調方式をサポートするために、現在のMCSインデックスの再解釈を可能にする。このことは、低次変調のいくつかのエントリを新しい、高次変調のエントリで置き換えることにより、有利に実現される。論理的根拠は、高次変調方式のPDSCH送信の候補であるUEが、低次変調方式の送信と同時に使用される可能性は低い、ということである。このことは、例えば基地局(eNB)の近くに位置する移動性が制限された室内のUEの場合に当てはまる。現在のLTEシステムを考慮すると、256QAMへの拡張は有利であることに留意されたい。しかしながら、本発明はそれに限定されない。特に、将来は高次変調が適用可能であり得る。さらに、送信に対して選択可能な変調方式は、一般に、直交振幅変調に限定されず、他の周波数、位相、振幅変調、またはトレリスおよびコセット符号化変調を含む、それらの組み合わせを含み得る。
【0086】
LTEの例の場合、第1の組はQPSK、16QAMおよび64QAMを含む変調・符号化方式を含むことができ、第2の組はそれらの同じ変調に加えて、256QAMを含む変調・符号化方式を含むことができる。この例では、QPSKなどの最低次の変調をまったく含まない第2の組を構築することも可能である。
【0087】
さらに、本発明は変調・符号化方式の2つの代替の組に限定されるものではないことに留意されたい。複数の組が採用され得る。選択可能な付加的な代替のMCSテーブルは、端末チャネル状態に網羅されるSINR範囲の細かい適応および/または一般的に高いSINRの範囲のサポートを可能にする。これは特に、結果としてヘテロジニアスセルラーおよび/または移動ネットワークなどの異なるチャネル状態となる、様々な種類の展開シナリオを持つ通信システムにとって有利である。
【0088】
図10Aおよび
図10Bは、本発明の実施形態におけるMCSテーブルの例を示している。この実施形態によれば、変調・符号化方式インジケータのM個の最小値(Mは整数)は、以下を参照する。
− 第1の組における最低次変調を有する変調・符号化方式
− 第2の組における最高次変調を有する変調・符号化方式
【0089】
より具体的には、
図10Bから分かるように、第2の組は第1の組に含まれる最低次数の変調を含まない。しかしながら、これは例にすぎず、
図10Aから明らかなように、最低次変調を持つ方式をも含む、他の配置も有利であり得る。特に、
図10Aは配置を示しており、それによれば最低次変調を持つ変調・符号化方式のいくらか(すべてではなく)は、最高次変調に置き換えられる。
【0090】
特に、
図6に示されているテーブルのM個の最小MCSインデックスの変調次数は、256QAM(QPSKではなく)に対応する8(元は2)に設定されている。
図10Aは、M=6の例を示しており、
図10Bは、M=18の例を示している。しかしながら、一般に、本発明はこれに限定されず、いかなるMも選択し得る。したがって、第1のテーブル(
図6のテーブルなど)の最初のM個のインデックスは、第2のテーブルで再解釈される。両方のテーブルの残りのインデックスは、同じ変調・符号化方式を参照する。
図6のテーブルでは、最初のM個のインデックスは最低の変調次数に対応し、特に、最小のスペクトル効率に対応する。
【0091】
この例では、上書きされた変調次数を持つMCSインデックスに対するTBSインデックス(256QAMに対応するテーブルのエントリ)は、64QAMに対応する最大6の変調次数に対して現在サポートされているサイズよりも大きいトランスポートブロックサイズにリンクされている値(例示的なMCSテーブルの26よりも大きい値)に設定されている。Release−11の最大TBSインデックスは、26である。それで、TBSテーブルは、26よりも大きいTBSインデックスのエントリによって拡張されなければならない。第1の適応されたMCSテーブル(
図10A)の適応されたエントリの範囲のTBSインデックスは26〜31で、第2の適応されたMCSテーブル(
図10B)では、26〜43である。256QAMの最小TBSインデックス(26)は、64QAMの最大と同じである。このことは、特定のスペクトル効率は高符号レートを持つ64QAMまたは低符号レートを持つ256QAMのどちらを使用しても、実現できることを意味する。データ送信にどちらが使用されるかは、チャネル状態ならびに送信機および受信機の特性に依存する。Release−11では、同じ手法がQPSKと16QAMとの間の、および16QAMと64QAMとの間の遷移に使用される。しかしながら、これは例にすぎず、一般に、この「繰り返し」は本発明には適用される必要はないことを意味する。
【0092】
TBSテーブルの拡張は、本発明では重要ではない。ここで、新しい256QAMを含む変調・符号化方式に必要な符号レートの組をサポートするために、TBSテーブルは十分な数のエントリにより拡張されることが想定され得る。さらに、本発明はLTEで適用されるシグナリングの形式に限定されないことに留意されたい。変調・符号化方式の組は、LTEで定義されているようなMCSテーブルに対応し得るが、必ずしもその必要があるわけではない。したがって、本発明は、変調次数(変調の種類は不変のため)および配分されるリソースブロックの数に基づいて特定のトランスポートブロックサイズを参照するトランスポートブロックサイズインデックス(スケジューリング情報内でシグナリングされる)に定められる変調・符号化方式をサポートすることができる。しかしながら、一般に、本発明はまた、異なる変調の種類および/または次数を持つ変調・符号化方式に適用し得る。「符号化」は、トランスポートブロックサイズにより、または適用される符号化の種類もしくは他の何らかの手段により示され得る。さらに、変調・符号化方式は変調・符号化のみを含むことに限定されず、さらにリダンダンシバージョン(LTEのアップリンクの場合)または他のパラメータなどのデータ形式に関連する指標を含み得る。
【0093】
Release−11 MCSテーブルのMCSインデックスとスペクトル効率との間の関係が、
図11上部のグラフに概略的に示されている。TBSに決定されるスペクトル効率は、基本的にMCSインデックスと共に線形的に増加する現在のMCSテーブル(
図6に示されている)にある。異なる変調次数間のスイッチングポイントでの特定のスペクトル効率の繰り返しは、簡潔さのため
図11の表示では無視されている。
【0094】
図11下部のグラフは、スペクトル効率が、現在256QAMをサポートしている
図10Aおよび
図10Bに示されているMCSテーブルの低いMCSインデックスに対して、どのように変更されるかを示している。各スペクトル効率の値は特定のSINRレベルに対応するので、各MCSテーブルに網羅されるSINRの範囲は、低SINRレベルから高SINRレベルへシフトされることが分かる。
図11の左側のグラフは、最高次変調、つまり256QAMのエントリによって置き換えられる第1のMCSテーブル(
図6のテーブル)の最初のM個の値がある通常の場合を示す。
図11の右側のグラフは、M=6(これらの例のインデックスの番号付けは、0から始まる)の場合を示す。
【0095】
各UEは、その位置(基地局に対する位置)および特に小規模フェージングの観点からのマルチパスチャネル属性により決定される特定のSINRの範囲内で運用されることが予想される。本発明の根本的な考え方は、MCSインデックスを再解釈することにより、SINRの範囲を拡張するのではなくMCSテーブルに網羅されるSINRの範囲をシフトさせることである。約27dBのLTEの現在のSINRの範囲は、すべてのUEに対して十分であると予想される。当技術分野の技術者が理解しているように、適切なシフトは、通信システムのセル内のUEが経験する現実のSINRレベルを網羅するために適用されるべきである。
【0096】
本発明は、異なるSINRの範囲を網羅する2つ以上の異なるMCSテーブルがLTE仕様書などの通信標準で定義され、各端末はPDSCH送信に使用されるMCSテーブルについての情報を提供される状況に有利に採用され得る。端末がMCSテーブルに関する情報を取得する例示的な方法は、後で説明される。
【0097】
異なるMCSテーブルは異なるSINRの範囲を網羅するので、無線リソースの異なるサブフレームの組で異なる干渉状況をサポートするために、これらの組またはサブバンドに対する異なるMCSテーブルをサポートできるようにすることも有益である。例えば、異なるMCSテーブルは、通常のサブフレームに対してではなく低電力のサブフレームに対してサポートされ得る。したがって、端末は自動的に、低電力サブフレームでの送信に第1のテーブルを選択し、残りのサブフレームでの送信に第2のテーブルを選択し得る。特に、低電力サブフレームでの送信は、ロバスト性を高めるためにさらに低次数の変調を持つMCSテーブルを採用し得るが、一方で残りのサブフレームでの送信は、本発明のいずれかの実施形態による高次変調を含む他のMCSテーブルを使用し得る。低電力サブフレームは特に、無線送信の分野で、とりわけヘテロジニアスネットワークに対して採用される。したがって、いくつかのサブフレームは、一般に残りの(通常の)フレームの送信電力よりも低く保たれる、少ない電力で送信される。電力は、閾値により制限され得る。制限された電力フレームは、ピコセル受信機の信号および大きなセル受信機の信号が干渉し得る、ピコセルの境界において特に有用である。これらにより、端末はマクロセルの基地局がより強力である(
図5Aおよび
図5B、ならびに上記の関連する説明と比較して)場合でも、ピコセルからデータを受信することができる。
【0098】
さらに、異なるコンポーネントキャリアは異なるMCSテーブルを採用でき、このことは、MCSテーブルは異なるコンポーネントキャリアに対して異なるように端末によって選択され得ることを意味する。
【0099】
図12は、典型的なセル中心UEのRB SINRレベル分布、およびほとんどすべてのSINRサンプルを網羅する、対応する適切なMCSテーブルのシフトを例示的に示している。
図8と比較すると分かるように、SINRの範囲の幅は変更されていないが、SINRの範囲は高SINRの方向にシフトされている。したがって、上記で説明した実施形態では、MCSテーブルに網羅されるSINRの範囲の線形シフトが実施される。
【0100】
それに応じて、
図10の例のテーブルでは、最もロバスト性の高い(低次変調、小さいトランスポートブロックサイズ)変調・符号化方式は、最もスペクトル効率の高い(高次変調、大きなトランスポートブロックサイズ)方式に置き換えられている。このことは、変調・符号化方式の非常にロバスト性の高い組み合わせは、256QAMのMCSテーブルエントリがサポートされている場合、もはや利用可能ではないことを意味している。
【0101】
しかしながら、チャネル状態の平均が非常に良い場合、すなわち平均が高いSINRレベルである場合であっても、変調・符号化の非常にロバスト性の高い組み合わせの特定の組をサポートするのが望ましい場合が時にあり得る。
【0102】
したがって、本発明の他の実施形態によれば、変調・符号化インジケータのK個の値(Kは整数)は、第1の組と第2の組の両方における最低次変調と同じ変調・符号化方式を参照し、L個の値(Lは整数)は第1の組における最低次変調を有する変調・符号化方式、および第2の組における最高次変調を有する変調・符号化方式を参照し、変調・符号化インジケータの残りの値は、その最高次変調よりも低い同じ変調・符号化方式を参照する。
【0103】
有利な実装によれば、K個の値は変調・符号化インジケータのK個の最小値であり、L個の値はK個の値に続くL個の値であることに留意されたい。
【0104】
このような有利な実装によって可能なMCSテーブルの例が、
図13Aおよび
図13Bに示されている。テーブルは、異なる平均チャネル状態を持つ2つの異なるUEに対してそれぞれ有利であり得る。
図13Aおよび
図13BのどちらのMCSテーブルにおいても、K=2の最小のエントリは、非常にロバスト性の高いデータ送信をサポートするために、上書きされない。値K=2は、例示のために選択されていることに留意されたい。あるいは、単一の最もロバスト性の高い変調・符号化方式(K=1)が残っていることもあり得る(例えば、MCSテーブルの第1の位置においても、すなわち組の中で最小のインデックス値を持つ)。しかしながら、Kはより大きい場合もある。
図13AではL=4であり、
図13BではL=16である。
【0105】
上記の実施形態でのM、K、Lの特定の選択は、適応変調・符号化を使用して通信に参加する通信システムの装置が典型的に運用されるシナリオに応じて実施される。当該技術分野の技術者にとって明らかなように、M、K、Lを決定するために、望ましい展開シナリオのSINRの測定/評価が実施され、それに基づいてどのSINRの範囲が変調・符号化方式のそれぞれの組により網羅されるかを決定されるべきである。
【0106】
図13のこれらの例示的なMCSテーブル、および
図10のテーブルは、個別のテーブルを表していることに留意されたい。通信システムノード(端末、リレーおよび/または基地局、eNodeB)は、
図6のテーブルを第1の組として使用し、
図10Aのテーブル(または代替として10B、または代替として13Aもしくは13B)を第2の組として使用するように構成され得る。このことは、選択可能な組は2つしかないことを意味している。このシナリオは、組の選択がデータの送信機からデータの受信機にシグナリングされる場合、シグナリングのオーバーヘッドが少ないという利点を持つ。とはいえ、2つの組の変調・符号化方式があることは、例えば基地局(またはリレー)までの見通し線を持つ室内環境のピコセル、および/またはセルの中心近くに位置するピコセルといった展開シナリオのために、標準のSINRよりも低い範囲で運用する装置(端末、リレー)と高いSINRの範囲で運用する装置とを区別するのに十分である。
【0107】
しかしながら、本発明はそれに限定されない。選択可能な変調・符号化方式の3つ以上の組があり得る。例えば、
図6の組、ならびに
図10Aおよび
図10Bそれぞれの2つの他の組、または
図10Aおよび
図13Bの組、または他のいずれかの組み合わせがあり得る。選択可能な4つ以上の組があることは有用であり得る。これは、特にSINRの範囲(およびそれに応じてスペクトル効率の範囲)に関して、装置が運用可能な別個のシナリオの数に依存する。
【0108】
例として
図13のMCSインデックスとスペクトル効率との間の結果として生じる関連は、
図14のグラフに概略的に示されている。特に、
図14の左側では、通常の場合のLおよびKが示されており、K=2およびL=16である
図13Bに示されているテーブルにおおよそ対応する。
図14の右側では、グラフはK=2で、
図13Aに示されているテーブルに対応する(MCSインデックスが0から始まる場合、L=4)。
【0109】
図15は、典型的なセル中心のUE(高いSINRの範囲で運用するUE)のSINRサンプルが
図13Aに示されているMCSテーブルにどのように網羅されるかを示している。低SINR値に対するMCSインデックスは、高SINRレベルを持つリソースブロックでのデータ送信に常に使用され得る。しかしながら、低SINRに対して、チャネル品質は低く、結果としてエラーレートが高すぎてデータを復号できないので、この逆は不可能である。最初のK個のインデックスなどの非常にロバスト性の高いデータ送信に対するMCSインデックスは、再送信が実行可能ではない、特に遅延に敏感なサービスであり得る、エラーロバスト性の観点から非常に高いサービス品質(QoS)要件を持つ制御メッセージまたはユーザデータ送信など、非常にエラーに敏感なメッセージの送信に有用である。これは例えば、リアルタイムの会話的(および/またはストリーミング)アプリケーションであり得る。
【0110】
非常にロバスト性の高いデータ送信に対する特定のMCSインデックスをサポートするためのコストは、非常に高いスペクトル効率のためにサポートされ得るMCSレベルが少ないことである。このトレードオフは、適切なMCSテーブルを定義する際に考慮に入れなければならない。非常にロバスト性の高いデータ送信に対するそのような高い要件の可能性は、
図15から分かるように高平均SINRレベルの場合は非常に低いと予想されるので、QPSKの非常にロバスト性の高いデータ送信に対する単一のMCSインデックスは十分であるはずである。
【0111】
上記で説明した図が示すように、変調・符号化方式インジケータは、変調次数、ならびに、(i)物理リソースにマッピングされるトランスポートブロックのビット数および(ii)トランスポートブロックサイズがはっきりしない再送信、のうち少なくとも1つを示すサイズインジケータ、を含む特定の変調・符号化方式と関連付けられている。例えば、
図6、
図10および
図13では、それぞれのテーブルの最初の29のエントリは、0〜28のMCSインデックスを変調次数およびTBSインデックスのそれぞれの組み合わせと関連付ける。しかしながら、最後の3つのインデックス29〜31は「予約された」3つのそれぞれの変調次数2、4および6を示す。「予約された」とは、これらの値が示された変調次数により実施されるHARQ再送信のために予約されていることを意味している。サイズは最初の送信に使用されたTBSから事前定義された方法により決定されるので、トランスポートブロックの特定のサイズ/数がシグナリングされる必要はない。
【0112】
上記で説明した実施形態のいずれかと組み合わせ可能な本発明の実施形態によれば、変調・符号化方式の第2の組の最高次変調に対して、トランスポートブロックサイズおよびトランスポートブロックの数を明示的に特定しない再送信を示すエントリも追加される。これはTBSインデックスによって実施される。特に、256QAMによるHARQの再送信のための特定のMCSインデックスの予約は、第1のインデックス(変調・符号化インジケータの最小値)を予約することにより実施される。これには、受信ノードと送信ノードとの間で組選択の不一致があった場合でも、多くの場合エラーが発生しないように、両方の(またはすべての)組の高次変調エントリの品質を維持できるという利点がある。トランスポートブロックサイズは最初の送信から分かるので、他の変調方式に対してなされるのと同じように、このエントリに対して特定のTBSインデックスを指定する必要はない。
【0113】
最高次変調、すなわち256QAMの再送信を示す、MCSインデックス0が使用される例が、
図16Aおよび
図16Bに示されている。
図16Aでは、第1のインデックス(値は0)に続くMCSインデックスの5つのインデックスは、最高次変調(次数8、256QAMに対応)を持つ変調・符号化方式専用であり、インデックスの値が6〜31については、
図6の方式と同じ方式が続く。
図16Bは、第1のMCSインデックス(値は0)に、最高次変調を採用する17の方式が続く例を示している。この場合も、インデックスの値が18〜31の残りの方式は、
図6と同じ方式である。
【0114】
HARQ再送信のためのMCSインデックスの予約は、最低次変調のいくつかのエントリを維持しつつ適用することもできる(
図13と関連して説明されている)ことに留意されたい。どちらの変形も可能である。再送信インデックスは、テーブルの第1のものであることができ、またはM個の最低次変調方式に続くこともできる。HARQの予約されたインデックスを提供することと、最もロバスト性の高い変調・符号化方式のいくつかを維持することとを組み合わせることは、高度な柔軟性を提供する。256QAMによるHARQ再送信は可能であり、少なくとも1つのMCSインデックスはQPSKを使用する非常にロバスト性の高いデータ送信のために保たれる。
【0115】
以下では、所定の複数の組から1組の変調・符号化方式を選択することに関して、例示的な実施形態が提供される。以下の例示的な実施形態のいずれも、すでに説明された実施形態のいずれかと組み合わせることが可能であることに留意されたい。
【0116】
本発明の一実施形態によれば、組の選択はネットワークノードにより行われ、端末にシグナリングされ、また、これに応じて端末での組の選択も行われる。シグナリングは、変調・符号化方式インジケータのシグナリングよりも頻度が少ない上位層シグナリングである。
【0117】
LTEの専門用語の観点からは、MCSテーブルは上位層シグナリングによって示される。組(MCSテーブル)の指標は、ダウンリンク方向(eNBからUE、またはeNBからリレーもしくはリレーからUE)で送信されるMACまたはRRCメッセージのいずれかにより伝達される。この手法は、上位層情報の要素により、使用されるMCSテーブルの半静的構成を生成する。半静的という用語は、動的スケジューリング、配分およびMCS制御と比較して、MCSテーブルの選択が少ない頻度で実施されることを暗示している。頻度は要件に従って選択され得る。すなわち、MCSテーブルの変更が有利であり得るようにチャネル状態が変化すれば、新しいテーブルが示される。データ送信ノードはこのようにしてMCSテーブルを選択し、組インジケータによりデータ受信ノードにその選択をシグナリングし、そして、データ受信ノードは、受信した組インジケータに従って組(MCSテーブル)を選択する。
【0118】
この実施形態は、簡単でロバスト性の高い実装の利点を提供する。4つのMCSテーブルの切り替えが必要とするのは高レベルシグナリングでの2つの付加的なビットのみであり、2つのMCSテーブルの(例として、
図6に示されている標準のRelease−11のテーブルおよび256QAMの適応されたテーブル)切り替えが必要とするのは、1つのビットのみである。
【0119】
しかしながら、本発明は、上位層シグナリング内の組選択インジケータのシグナリングに限定されない。あるいは、本発明の他の実施形態によれば、組の選択はネットワークノードによって行われ、端末にシグナリングされ、また、これに応じて端末での組の選択も行われる。シグナリングは、変調・符号化インジケータのシグナリングと同じ層で伝達されるが、頻度は少ない。
【0120】
特にLTEのコンテクストにおいては、指標はDCIの符号ポイントを再利用することで有利に伝達され得る。この手法は、サブフレームからサブフレームに変更されることができるが、必ずしも変更される必要はない、動的MCSテーブル適応を生成する。一般に、組選択指標がスケジューリング情報に含められ得る。
【0121】
LTEでは、256QAMがトランスポートブロックの最初の送信に主に使用されることが予想され得る。理由は、256QAMによる最初の送信が失敗すると、失敗の原因はおそらく不完全なチャネル評価または品質低下を招いたチャネルのフェージングだからである。どちらの場合でも、持続する復号の失敗の可能性を減少させるために、すべての再送信に対してよりロバスト性の高い変調方式を使用することが有用である。この動作は、256QAMの拡張をトランスポートブロックの最初の送信に対するMCSテーブルに結合することで活用することができる。
【0122】
これはNDIインジケータに基づいて実施され得る。NDIインジケータは、データの最初の送信とデータの再送信を見分けるためのインジケータである。したがって、通常は1ビットフラグである。LTEにおいても同じである。
【0123】
特に、シグナリングの以下の解釈は、半静的構成、例えばRRCやMACなどの上位層プロトコルにより有効化または無効化され得る。
− トグルされたNDIが検出されると、MCSテーブルの256QAMバージョンを5ビットのMCSフィールドの解釈に適用し、一方で
− トグルされていないNDIが検出されると、Release−11 MCSテーブルを5ビットMCSフィールドの解釈に適用する。
【0124】
ここで、「トグルされた」とは、新しいデータ、すなわちデータの最初の送信を示すような設定を意味する。それに対応して「トグルされていない」とは、データの再送信を示すような設定を意味する。
【0125】
しかしながら、解釈は必須と特定することもでき、高レベルシグナリングによって制御される必要はないことに留意されたい。上位層シグナリングによる制御は後方互換性という利点を提供する。
【0126】
一般的に説明すると、変調・符号化方式の組の選択は、変調される/符号化されるデータが初めて送信されるデータ(新しいデータ)なのか、再送信されるデータなのかに基づいて実施される。この選択は送信機および受信機において同じ方法で実施され、特に受信機では新データインジケータに基づいて実施される。上記の例は、最初の送信では良いチャネル状態が予想でき、したがって最高次変調を含む変調・符号化方式の第2の組を使用することができるという観察に基づいている。送信が成功せず、再送信が必要な場合、チャネル状態が劣っており、したがって最高次変調を含まない第1の組が選択されることを示し得る。
【0127】
しかしながら、解釈はNDI(のみ)に基づいている必要はない。代わりに、または加えて、リダンダンシバージョン(RV)がこの目的のために使用され得る。
【0128】
特に、シグナリングの以下の解釈は、半静的構成、例えばRRCやMACなどの上位層プロトコルにより有効化または無効化され得る。
− RV=0が検出されると、MCSテーブルの256QAMバージョンを5ビットのMCSフィールドの解釈に適用する。
− RV=1/2/3が検出されると、Release 11 MCSテーブルを5ビットMCSフィールドの解釈に適用する。
【0129】
上記の値の代入は、単に例にすぎないことに留意されたい。あるいは、0の代わりに他のRV値を、256QAMの使用を示すために使用することができる。5ビットMCSフィールドは、
図6に示されているような32個のエントリのMCSテーブルサイズおよび本発明の有利な実施形態を参照している。これによれば、第1の組は
図6に示されている現在のLTEテーブルであり、第2の組は同じ数のエントリを持つが、最低次変調のいくつかのエントリの代わりに、第1の組のどの変調よりも高い次数を伴う変調を持つ新しいエントリを含むテーブルである。
【0130】
解釈は必須と特定することもでき、高レベルシグナリングによって制御される必要はないことに留意されたい。上位層シグナリングによる制御は後方互換性という利点を提供する。
【0131】
一般的に述べると、リダンダンシバージョンインジケータ(制御情報のフィールドと対応し得る)は、データを再送信する際に適用されるリダンダンシのバージョンを指定する。つまり、ハイブリッドARQ方式は、高ダイバーシティを実現し、正確な復号の可能性を高めるために、異なるリダンダンシ方式を使用することにより再送信を実施する。したがって、リダンダンシバージョンもまた再送信の指標であり、加えて、それまでに実施された再送信の回数の指標でもある。したがって、この情報はまた、変調・符号化方式の組を切り替えるために使用され得る。リダンダンシバージョン0は、再送信が行われていない場合に使用され、したがって最高次変調(256QAM)を含む変調・符号化方式の第2の組の選択を示すために有利に使用され得る。RVの残りの値は、最高次変調のない第1の組を選択するために使用され得る。あるいは、異なるリダンダンシバージョンの値が、異なる組を選択するのに使用され得る(すなわち、3つ以上のMCSテーブルからの選択)。再送信の回数が増えれば増えるほど、よりロバスト性の高い変調・符号化方式が好適に選択される。
【0132】
上記の例は、組選択インジケータの明示的なシグナリングに依存する。他の手法は、暗示的なMCSテーブルの指標である。
【0133】
本発明の他の実施形態によれば、組の選択は、端末からネットワークノードに報告される端末のチャネル状態に基づいて、端末とネットワークノードの両方によって行われる。したがって、変調・符号化方式の組を選択するために、明示的な指標の交換は必要ではない。
【0134】
LTEのコンテクストでは、MCSテーブルは、UEからeNBに報告される広域帯CQIが捕捉するUEの平均チャネル品質に決定され得る。この手法は付加的なシグナリングを何も必要とせず、MCSテーブルを優勢なチャネル状態に自動的に適応する。切り替え(その時点で採用されているMCSテーブルとは違うMCSテーブルの選択)がeNodeBおよびUEなどの送信機および受信機(またはリレー、eNodeBおよび端末の他の組み合わせ)と同じ方法で実施されるように、どの広域帯CQI値がMCSテーブルの切り替えを生成するかが特定されなければならない。
【0135】
報告された広域帯CQIに基づく例示的なMCSテーブル選択の方策が、
図17に示されている。したがって、異なるMCSテーブルの切り替えを可能にするために、2つのCQI閾値T1およびT2>T1が定義される。低SINRレベルを持つ悪いチャネル状態にはMCSテーブルAが使用され、中SINRレベルにはMCSテーブルB、高SINRレベルにはMCSテーブルCが使用される。
【0136】
処理は、採用されたチャネル品質測定が第1の閾値T1を超えているかどうかの判断1710から開始する。超えていなければ、変調・符号化方式の第1の組が選択される(1720、MCSテーブルA)。超えていれば、チャネル品質測定が第2の閾値T2を超えているかどうかがさらに判断される(1730)。該当しなければ、変調・符号化方式の第2の組(MCSテーブルB)が選択される(1740)。超えていれば、変調・符号化方式の第3の組(MCSテーブルC)が選択される(1750)。この例は、本発明を限定するものではないことに留意されたい。あるいは、2つの組の間の選択は、1つの閾値に基づいて実施され得る。これは
図17のステップ1730〜1750およびMCSテーブルBとCとの間の選択に対応している。さらに、判断は対応する閾値の数値に基づいて(P個のテーブル、P−1個の閾値)、4つ以上の組(MCSテーブル)に対して実施され得る。
【0137】
さらに他の実施形態では、特定のMCSテーブルの使用は、特定のDCI形式、すなわち変調・符号化インジケータを含む(動的)スケジューリング情報をも含む制御情報の使用にリンクされている。LTE実施形態の観点からは、全体としてDCI形式1Aがロバスト性の高いデータ送信に使用されるので、対応するデータ送信に対して256QAMをサポートする必要はない。したがって、この実施形態によれば、標準のRelease−11 MCSテーブルはDCI形式1Aと組み合わせて使用される。他のDCI形式に対しては、どのMCSテーブルが使用されるかは、半静的または動的な仕方で示される。LTEのDCI形式を含むダウンリンク制御情報形式は、例えば参照として本明細書に組み込まれている仕様書、非特許文献7にある。
【0138】
全体として、変調・符号化方式を含むスケジューリング情報は、制御情報の一部である(ダウンリンク制御情報など)。制御情報には異なる形式があり得る。この実施形態によれば、変調・符号化方式の各組は、制御情報形式に基づいてどの組が選択されるかを決定できるような仕方で、制御情報の特定の形式(または複数の形式)と明確に関連付けられている。例として、第1の組と関連付けられている第1の制御情報形式、および第2の組に関連付けられている第2の制御情報形式がある。しかしながら、第1の組および第2の組それぞれに関連付けられている制御情報形式がさらにあり得る。
【0139】
上記の説明は主にダウンリンクのMCSテーブルに言及してはいるが、アップリンクのMCSテーブルにも同じ概念が同様に適用できる。
【0140】
図18は、本発明における装置の例を示す。特に、
図18は2つの端末1810、1820を示している。端末1810は、制御情報の一部としてスケジューリング情報内で示される変調・符号化方式により、データを送信することができる端末である。端末1810、1820は、異なるチャネル状態を経験するので、変調・符号化方式の異なる組を使用し得る。この例では、端末1810はダウンリンクで動作し、端末1820はアップリンクで動作する。アップリンクおよびダウンリンク両方向においてバンドリングを適用できる1つの端末が提供され得る。そして、そのような端末は、両方の端末1810、1820の機能ブロックを含む。
図18はさらに、スケジューリングノード1890を示している。スケジューリングノード1890は、端末によるデータの送信と受信をスケジュールする。スケジューリングノードは、基地局または無線ネットワークコントローラなど、および特にeNodeBなどのネットワークノードであり得る。例えば、LTEではeNodeBはダウンリンクおよびアップリンクの共有チャネル(PDSCHおよびPUSCH)のための動的スケジューリングを実施する。しかしながら、一般に、LTEまたは他のシステムにおいてスケジューリングは、異なるノードにより、または他のダウンリンクもしくはアップリンクチャネルのために実施され得ることに留意されたい。このようなシステムにおいても本発明の採用には問題がない。
【0141】
本発明の実施形態によれば、端末1820は、データの送信が送信時間間隔ごとに実施されるマルチキャリア通信システムにおいてデータを送信するために提供される。端末1820は、端末がデータを送信するようにスケジュールされているリソースを示し、データが送信される際に従う変調方式およびデータのサイズを示す変調・符号化インジケータの組を含むスケジューリング情報を受信する、制御情報受信ユニット1825を含む。さらに、端末は、スケジュールされたリソースで、受信した変調・符号化インジケータに従って、および送信されるデータの送信パラメータに従ってデータを送信するデータ送信ユニット1827を含む。特に、送信パラメータは、送信されるデータを符号化するために使用される変調・符号化方式を選択するために使用される。
【0142】
本発明の他の実施形態によれば、端末1810は、データの受信が送信時間間隔ごとに実施されるマルチキャリア通信システムにおいてデータを受信するために提供される。そのような端末1810は、端末1820と同様に、端末がデータを送信するようにスケジュールされているリソースを示し、データが送信される際に従う変調方式およびデータのサイズを示す変調・符号化インジケータの組を含むスケジューリング情報を受信する。さらに、端末は、スケジュールされたリソースで、受信した変調・符号化インジケータに従って、および送信されるデータの送信パラメータに従ってデータを送信するデータ送信ユニット1827を含む。特に、送信パラメータは、送信されるデータを符号化するために使用される変調・符号化方式を選択するために使用される。
【0143】
送信パラメータは例えば、データが送信される送信電力であり得る。あるいは、送信パラメータは特定のサブフレームの組を対応する変調・符号化方式インジケータにリンクできるリンク情報であり得る。
【0144】
変調・符号化インジケータの組、例えば1つまたは複数のMCSテーブルは、スケジューリング情報に含まれ得る。変調次数フィールドおよびTBSインデックスは、変調・符号化インジケータ内の個別のフィールドまたはビットであり得る。あるいは、変調次数フィールドおよびTBSインデックスは1つのフィールドとして実装され得る。
【0145】
変調・符号化インジケータは、選択ユニット1813または1823でデータが受信または送信される電力レベルを比較することにより、受信した変調・符号化インジケータの組から半静的に選択され得る。これは
図17と関連して説明されるステップに従って実施される。しかしながら、これは本発明を限定しない。特に、選択ユニット1813または1823は、変調・符号化インジケータに基づき、シグナリングされた組選択指標とその指標からの変調・符号化方式に従って、変調・符号化方式の組を選択し得る。あるいは、比較は受信ユニット1815または1825で実施され得る。選択ユニット1813または1823は上記で説明した変調・符号化選択ユニットおよび組選択ユニットを含み得る。加えて、または代わりに、受信ユニット1815または1825はさらに、本発明の方法の1つに従って適切な変調・符号化インジケータを選択するように適応され得る。
【0146】
あるいは、変調・符号化インジケータは、RRCやMAC構成などの半静的構成により、端末1810または1820にシグナリングされ得る。特に、使用される適切なMCSテーブルは直接eNBにより示され得る。しかしながら、これは本発明を限定しない。他の実施形態では、リンクインジケータは必ずしもRRCにより構成される必要はない。他のいずれかの種類のシグナリングが使用され得る。ここで半静的という用語は、シグナリングされた値は2つ以上のスケジュールされた送信および/または受信に適用されるという事実を意味している。
【0147】
端末は、移動端末または静的端末であり得る。しかしながら、端末はまた、通常のユーザ端末またはリレーノードであり得る。マルチキャリア通信システムは、LTEなどの直交周波数分割多重(OFDM)をサポートする無線通信システムであり得る。しかしながら、本発明はこれに限定されず、本発明の変調・符号化方式は、共有データまたは制御チャネルへの動的スケジューリングをサポートする何らかの通信システムに適用され得る。ここで、送信時間間隔は、データがサブフレームでの送信のために物理層に提供される、事前定義された処理時間間隔を意味している(無線インタフェースで事前定義された期間)。例えば、LTEにおけるTTIの長さは、1ミリ秒であり、1TTIは、背景技術のセクションですでに説明したように、1つのサブフレームの物理リソースにマッピングされる。これらの値は、現在のLTE仕様書に適用されることに留意されたい。しかしながら、本発明は無線インタフェースのいずれのタイミングにも適用可能である。
【0148】
本発明はさらに、データの送信および受信の方法を提供する。そのような方法の1つが
図19に示されている。
【0149】
特に、データの送信および/または受信が送信時間間隔で実施される、マルチキャリア通信システムにおいてデータを送信および/または受信するための方法が提供される。方法は、スケジューリングノードで実施され、端末がデータを送信または受信するようにスケジュールされているリソースを示し、端末がデータを送信するようにスケジュールされているリソースを示すスケジューリング情報を含み、変調方式ならびに場合により組選択インジケータおよびどのデータが送信されるかに応じてデータのサイズを示す変調・符号化インジケータの組を含む、スケジューリング情報を送信するステップ1920を含む。方法はさらに、送信された変調・符号化インジケータ、ならびに送信/受信される(1910、1915)データの送信パラメータに従って、端末との間でスケジュールされたリソースで(チャネル1901を介して)データを送信(1280)および/または受信するステップ(1960)を含む。
図19は、端末のデータ送信または受信を構成するステップ1910、1915を示している(スケジューリングノードをデータの受信および送信それぞれのために構成するステップに対応している)ことに留意されたい。このステップは、スケジューリングノードが実施するスケジューリングの一部であることができ、リソースの選択と、変調・符号化インジケータの組からどの変調および次数インジケータが選択されなければならないかを判断することと、変調・符号化方式の組の選択を含み得る。構成ステップは結果(構成)を送信により端末に提供する。一方で、スケジューリングノードはまた、この構成1960、1980に従って処理する、すなわち構成されたリソースでデータを送信または受信する。
【0150】
とはいえ、上記で考慮した実施形態では、MCSテーブルはサブフレームと関連して説明されている。上記の概念および本発明の原則はまた、サブバンドに適用され得ることが理解されるはずである。特に、例えば様々な送信電力を考慮に入れるように適応された複数のMCSテーブルが設計され、異なる対応するサブバンドに関連付けられ得ることが理解されるはずである。
【0151】
さらに、上記で説明された原則は、マルチキャリア通信システムなど、何らかの通信システムに適用することができる。
【0152】
上記の背景技術のセクションでなされた説明は、本明細書で説明される特定の例示的な実施形態をより良く理解することを目的としており、本発明を3GPP標準に準拠したネットワークなどの移動通信ネットワークでの処理および機能の説明された特定の実装に限定するものと理解されるべきではない。それにもかかわらず、本明細書で提起された改善は、背景技術のセクションで説明されたアーキテクチャ/システムに容易に適用することができ、本発明のいくつかの実施形態ではこれらのアーキテクチャ/システムの標準および改善された手順を活用することもできる。当技術分野の技術者なら、多数の変形形態および/または変更形態が、特定の実施形態に示されるように、広く説明されている本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明に対してなされ得ることを理解するであろう。
【0153】
発明の他の実施形態は、上記で説明されたハードウェアおよびソフトウェアを使用する様々な実施形態の実装に関連する。本発明の様々な実施形態は、計算装置(プロセッサ)を使用して実装または実施されることが認識される。計算装置またはプロセッサは、例として汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルロジック装置などであり得る。本発明の様々な実施形態はまた、これらの装置の組み合わせにより実施または実装され得る。
【0154】
さらに、本発明の様々な実施形態はまた、プロセッサによりまたは直接ハードウェアで実行される、ソフトウェアモジュールにより実装され得る。ソフトウェアモジュールおよびハードウェア実装の組み合わせも可能である。ソフトウェアモジュールは、例としてRAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどの、何らかの種類のコンピュータ可読記憶媒体に保存され得る。
【0155】
要約すると、本発明は、適応変調・符号化方式の選択および通信システムにおけるシグナリングに関連する。特に、データの送信に使用される変調・符号化方式が、1組の所定の変調・符号化方式から選択される。その組の事前決定は、複数の所定の組から当該組を選択することによって行われる。当該複数の組は同じサイズを有するため、変調・符号化方式を選択するためにシグナリングされる変調・符号化選択インジケータは、選択された組のいずれにも有利に適用され得る。さらに、第2の組は、第1の組の方式によってカバーされていない変調であって第1の組のどの変調よりも高次の変調を有する方式を含む。