特許第6710273号(P6710273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6710273
(24)【登録日】2020年5月28日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】環状アミン化合物および有害生物防除剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/06 20060101AFI20200608BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20200608BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200608BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20200608BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20200608BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20200608BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20200608BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20200608BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20200608BHJP
   C07D 491/107 20060101ALI20200608BHJP
   C07D 451/06 20060101ALI20200608BHJP
   A61K 31/46 20060101ALI20200608BHJP
   A61K 31/439 20060101ALI20200608BHJP
   C07D 491/056 20060101ALI20200608BHJP
   A01P 7/02 20060101ALI20200608BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/40 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/52 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/54 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 47/02 20060101ALI20200608BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/56 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/78 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/653 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/76 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/824 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/74 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/836 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/58 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/713 20060101ALI20200608BHJP
   A01N 43/90 20060101ALI20200608BHJP
【FI】
   C07D401/06CSP
   A61P33/00
   A61P43/00 111
   A61K31/4545
   C07D413/14
   A61K31/506
   C07D417/14
   C07D409/14
   C07D405/14
   C07D491/107
   C07D451/06
   A61K31/46
   A61K31/439
   C07D491/056
   A01P7/02
   A01P7/04
   A01N43/40 101P
   A01N43/52
   A01N43/54 B
   A01N47/02
   C07D401/14
   A01N43/56 B
   A01N43/78 B
   A01N43/653 A
   A01N43/76
   A01N43/824 E
   A01N43/74
   A01N43/78 101
   A01N43/836
   A01N43/80 101
   A01N43/58
   A01N43/713
   A01N43/90 102
【請求項の数】5
【全頁数】91
(21)【出願番号】特願2018-516986(P2018-516986)
(86)(22)【出願日】2017年5月2日
(86)【国際出願番号】JP2017017241
(87)【国際公開番号】WO2017195703
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2018年9月4日
(31)【優先権主張番号】特願2016-94063(P2016-94063)
(32)【優先日】2016年5月9日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2016-219103(P2016-219103)
(32)【優先日】2016年11月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004307
【氏名又は名称】日本曹達株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100194250
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 直志
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】岩田 淳
(72)【発明者】
【氏名】西尾 史也
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 孝男
(72)【発明者】
【氏名】牧野 聖
(72)【発明者】
【氏名】平田 晃一
【審査官】 三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/153569(WO,A1)
【文献】 特表2007−514638(JP,A)
【文献】 特表2012−520270(JP,A)
【文献】 特表2010−535733(JP,A)
【文献】 特表2012−512877(JP,A)
【文献】 特表2011−527677(JP,A)
【文献】 特開2010−090075(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/126886(WO,A1)
【文献】 特表2007−515468(JP,A)
【文献】 特表2003−531193(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/150457(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/032280(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/123206(WO,A1)
【文献】 MOSS Neil, et al.,A new class of 5-HT2B antagonists possesses favorable potency, selectivity, and rat pharmacokinetic,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2009年,Vol.19(8),p.2206-2210
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(III)で表される化合物、またはその塩。
【化1】
式(III)中、R〜R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、水酸基、またはハロゲノ基である。R1とR9は一緒になってC2〜6アルキレン基を形成してもよく、R3とR6は一緒になってC2〜6アルキレン基を形成してもよく、R2とR3は一緒になってC3〜6アルキレン基を形成してもよい。
5水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のフェニル基、水酸基、ハロゲノ基、またはシアノ基である。また、RとRは一緒になってC1〜6アルキレンジオキシ基を形成してもよい。
は、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、ホルミル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6〜10アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ペンタフルオロスルファニル基、または式:「RO−N=CR−」で表される基(式中、Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。)である。
nは、0〜5のいずれかの整数を示す。X1が2個以上のときX1は互いに同じでも異なってもよい。2つのXが一緒になって、C3〜6アルキレン基、C1〜6アルキレンジオキシ基、またはC1〜6ハロアルキレンジオキシ基を形成してもよい。
2aおよび2bは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニルオキシ基、置換若しくは無置換のC2〜6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、ホルミル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基、チオカルバモイル基、イミノ(置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ)メチル基、置換若しくは無置換のC3〜8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、シアノ基、または式:「RO−N=CR−」で表される基(式中、Rは、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基である。Rは、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、またはアミノ基である。)を示す。
2cは、シアノ基、カルバモイル基、またはチオカルバモイル基を示す。
上記「C1〜6アルキル基」、「C2〜6アルケニル基」、「C2〜6アルケニルオキシ基」、「C2〜6アルキニル基」、「C1〜6アルコキシ基」、「C1〜6アルキルカルボニル基」、「C1〜6アルコキシカルボニル基」、「C1〜6アルキルアミノカルボニル基」、「C1〜6アルキルカルボニルオキシ基」、「C1〜6アルキルチオ基」、「C1〜6アルキルスルフィニル基」、「C1〜6アルキルスルホニル基」、「C1〜6アルコキシスルホニル基」、「C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基」上の置換基は、ハロゲノ基;C1〜6アルコキシ基;C1〜6ハロアルコキシ基;またはシアノ基である。
上記「C3〜8シクロアルキル基」、「C6〜10アリール基」、「ヘテロアリール基」、「C6〜10アリールオキシ基」上の置換基は、ハロゲノ基;C1〜6アルキル基;C1〜6ハロアルキル基;C1〜6アルコキシ基;C1〜6ハロアルコキシ基;またはシアノ基である。
Arは、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基または置換若しくは無置換のヘテロアリール基であり、「C6〜10アリール基」および「ヘテロアリール基」上の置換基は、ハロゲノ基、ハロゲノ置換、C1〜6アルコキシ置換、若しくは無置換のC1〜6アルキル基、ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、無置換のC3〜8シクロアルキル基、シアノ基である。
【請求項2】
式(III)中、
、R、R、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子であり;
は、水素原子、または、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基であり;
1とR9は一緒になってC2〜6アルキレン基を形成してもよく、R3とR6は一緒になってC2〜6アルキレン基を形成してもよく;
5は、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、水酸基、ハロゲノ基、またはシアノ基であり;
とRは一緒になってC1〜6アルキレンジオキシ基を形成してもよく;
は、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、シアノ基、ペンタフルオロスルファニル基、または式:「RO−N=CR−」で表される基(式中、Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。)であり;
nは、0〜5のいずれかの整数を示し;X1が2個以上のときX1は互いに同じでも異なってもよく;2つのXが一緒になって、C1〜6ハロアルキレンジオキシ基を形成してもよく;
2aは水素原子であり;
2bは、水素原子、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC3〜8シクロアルキル基、または置換若しくは無置換のC6〜10アリール基を示し;
2cは、シアノ基、またはチオカルバモイル基であり;
前記「置換若しくは無置換」の各置換基は、請求項1で定義したものと同様である、
請求項1に記載の化合物、またはその塩。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物、およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する有害生物防除剤。
【請求項4】
請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物、およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する殺虫若しくは殺ダニ剤。
【請求項5】
請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物、およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する外部寄生虫防除または駆除剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状アミン化合物および有害生物防除剤に関する。より詳細に、本発明は、優れた殺虫活性および/または殺ダニ活性を有し、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成できる環状アミン化合物、ならびにこれを有効成分として含有する有害生物防除剤に関する。
本願は、2016年5月9日に、日本に出願された特願2016−94063号、及び2016年11月9日、日本に出願された特願2016−219103号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
本発明の環状アミン化合物に構造上関連する化合物として、特許文献1は、式(A)、(B)などで表される化合物を開示している。前記化合物を殺虫殺ダニ剤に用いることが示されている。
【化1】
【化2】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2015/032280A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、有害生物防除活性、その中でも特に殺虫活性および/または殺ダニ活性に優れ、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成できる環状アミン化合物、ならびにこれを有効成分として含有する有害生物防除剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
【0006】
〔1〕 式(I)で表される化合物、またはその塩。
【化3】
式(I)中、
Ar1は、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基または置換若しくは無置換の5〜6員ヘテロアリール基である。
Zは、単結合、硫黄原子、または酸素原子である。
Aは、窒素原子または炭素原子である。
2は、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニルオキシ基、置換若しくは無置換のC2〜6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、アミノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノ基、ホルミル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルアミノ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、メルカプト基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシスルホニル基、チオカルバモイル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノチオカルボニル基、イミノ(置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ)メチル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のC3〜8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6〜10アリールオキシ基、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基、または式:「RO−N=CR−」で表される基(式中、Rは、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基である。Rは、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、またはアミノ基である。)である。X2が2個以上のときX2は互いに同じでも異なってもよい。
mは、Aが窒素原子のとき0〜2のいずれかの整数であり、Aが炭素原子のとき0〜3のいずれかの整数である。
1〜R4およびR6〜R9は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、水酸基、またはハロゲノ基である。R1とR9は一緒になってC2〜6アルキレン基を形成してもよく、R3とR6は一緒になってC2〜6アルキレン基を形成してもよく、R2とR3は一緒になってC3〜6アルキレン基を形成してもよい。
5は、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のフェニル基、水酸基、ハロゲノ基、またはシアノ基である。R5を構成する原子の一つとArを構成する原子の一つとが結合して、R5およびArが結合する炭素原子と伴に環を形成してもよい。また、RとRは一緒になってC1〜6アルキレンジオキシ基を形成してもよい。
kは、括弧内のCR67の数を表し、0または1である。
hは、括弧内のCR34の数を表し、0または1である。
Arは、ジヒドロオキサゾリル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基または置換若しくは無置換のヘテロアリール基である。
【0007】
〔2〕式(II)で表される前記〔1〕に記載の化合物、またはその塩。
【化4】
【0008】
式(II)中、Ar、R〜R、R〜R、R、及びArは、式(I)中のそれらと同様の意味を示す。
2aは、水素原子、及び式(I)中のXと同様の意味を示す。
2bは、水素原子、及び式(I)中のXと同様の意味を示す。
2cは、式(I)中のXと同様の意味を示す。
【0009】
〔3〕Ar1におけるC6〜10アリール基または5〜6員ヘテロアリール基上に置換し得る基(置換し得る基を「X」と言う。X1の数は5個以下であり、X1が2個以上のときX1は互いに同じでも異なってもよい。2つのXが一緒になって2価の有機基を形成してもよい。)が、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニルオキシ基、置換若しくは無置換のC2〜6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、アミノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノ基、ホルミル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルアミノ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、メルカプト基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシスルホニル基、チオカルバモイル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノチオカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のC3〜8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6〜10アリールオキシ基、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ペンタフルオロスルファニル基、または式:「RO−N=CR−」で表される基(式中、Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。)である〔1〕若しくは〔2〕に記載の化合物またはその塩。
【0010】
〔4〕式(III)で表される前記〔1〕に記載の化合物、またはその塩。
【化5】
【0011】
式(III)中、R〜R、R〜R、R、及びArは、式(I)中のそれらと同様の意味を示す。
は、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニルオキシ基、置換若しくは無置換のC2〜6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、アミノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノ基、ホルミル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルアミノ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、メルカプト基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシスルホニル基、チオカルバモイル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノチオカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のC3〜8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6〜10アリールオキシ基、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ペンタフルオロスルファニル基、または式:「RO−N=CR−」で表される基(式中、Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。)である。
nは、0〜5のいずれかの整数を示す。X1が2個以上のときX1は互いに同じでも異なってもよい。2つのXが一緒になって2価の有機基を形成してもよい。
2aは、水素原子、及び式(I)中のXと同様の意味を示す。
2bは、水素原子、及び式(I)中のXと同様の意味を示す。
2cは、式(I)中のXと同様の意味を示す。
【0012】
〔5〕 前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化合物、およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する有害生物防除剤。
【0013】
〔6〕 前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化合物、およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する殺虫若しくは殺ダニ剤。
【0014】
〔7〕 前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化合物、およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する外部寄生虫防除または駆除剤。
【0015】
〔8〕 前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化合物、およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する、ナトリウムチャネル阻害剤が適用される疾患又は状態を治療するための医薬品。
【発明の効果】
【0016】
本発明の環状アミン化合物は、農作物や衛生面で問題となる有害生物を防除することができる。特に農業害虫およびダニ類をより低濃度で効果的に防除することができる。さらに、人畜を害する外部寄生虫を効果的に防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔式(I)で表される化合物〕
本発明の環状アミン化合物は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と表記することがある。)または化合物(I)の塩である。
【化6】
【0018】
本発明において、用語「無置換(unsubstituted)」は、母核となる基のみであることを意味する。母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換」の意味である。
一方、用語「置換(substituted)」は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と同一または異なる構造の基で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に結合した他の基である。置換基は1個であってもよいし、2個以上であってもよい。2個以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
【0019】
「置換基」は化学的に許容され、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されない。
「置換基」となり得る基の具体例としては、以下の基を挙げることができる。
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基;
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基;
ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などのC2〜6アルケニル基;
【0020】
エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基などのC2〜6アルキニル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、キュバニル基などのC3〜8シクロアルキル基;
2−シクロプロペニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基、4−シクロオクテニル基などのC3〜8シクロアルケニル基;
フェニル基、ナフチル基などのC6〜10アリール基;
ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などの5員環のヘテロアリール基;
ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などの6員環のヘテロアリール基;
インドリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基などの縮合環のヘテロアリール基;
オキシラニル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、ジオキラニル基などの環状エーテル基;
アジリジニル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基などの環状アミノ基;
【0021】
水酸基; オキソ基;
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基;
ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基などのC2〜6アルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基などのC2〜6アルキニルオキシ基;
フェノキシ基、ナフトキシ基などのC6〜10アリールオキシ基;
チアゾリルオキシ基、ピリジルオキシ基などの5〜6員環のヘテロアリールオキシ基;
ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などのヒドロキシC1〜6アルキル基;
メトキシメチル基、エトキシメチル基などのC1〜6アルコキシアルキル基;
メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基などのC1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基;
【0022】
カルボキシル基;
ホルミル基; アセチル基、プロピオニル基などのC1〜6アルキルカルボニル基;
ホルミルオキシ基; アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、i−プロピルカルボニルオキシ基などのC1〜6アルキルカルボニルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのC1〜6アルコキシカルボニル基;
【0023】
クロロメチル基、クロロエチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、パーフルオロプロパン−2−イル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基などのC1〜6ハロアルキル基;
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル基などのC1〜6アルコキシC1〜6ハロアルキル基;
2−クロロ−1−プロペニル基、2−フルオロ−1−ブテニル基などのC2〜6ハロアルケニル基;
4,4−ジクロロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ペンチニル基、5−ブロモ−2−ペンチニル基などのC2〜6ハロアルキニル基;
3,3−ジフルオロシクロブチル基などのC3〜6ハロシクロアルキル基;
2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ基、4,4,4−トリフルオロブトキシ基、(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル)オキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基;
2−クロロプロペニルオキシ基、3−ブロモブテニルオキシ基などのC2〜6ハロアルケニルオキシ基;
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基などのC1〜6ハロアルキルカルボニル基;
【0024】
シアノ基; ニトロ基; アミノ基;
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのC1〜6アルキルアミノ基;
アニリノ基、ナフチルアミノ基などのC6〜10アリールアミノ基;
ホルミルアミノ基; アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i−プロピルカルボニルアミノ基などのC1〜6アルキルカルボニルアミノ基;
メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基などのC1〜6アルコキシカルボニルアミノ基;
S,S−ジメチルスルホキシイミノ基などのC1〜6アルキルスルホキシイミノ基;
【0025】
カルバモイル基;N’−ヒドロキシカルバムイミドイル基;
メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、i−プロピルアミノカルボニル基などのC1〜6アルキルアミノカルボニル基;
イミノメチル基、(1−イミノ)エチル基、(1−イミノ)−n−プロピル基などのイミノC1〜6アルキル基;
ヒドロキシイミノメチル基、(1−ヒドロキシイミノ)エチル基、(1−ヒドロキシイミノ)プロピル基などのヒドロキシイミノC1〜6アルキル基;
メトキシイミノメチル基、(1−メトキシイミノ)エチル基などの(ハロゲノ基で置換されていてもよいC1〜6アルコキシイミノ)C1〜6アルキル基;
アセトキシイミノメチル基などのC1〜6アルキルカルボニルオキシイミノC1〜6アルキル基;
【0026】
メルカプト基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1〜6アルキルチオ基;
トリフルオロメチルチオ基、2,2,2−トリフルオロエチルチオ基などのC1〜6ハロアルキルチオ基;
ビニルチオ基、アリルチオ基などのC2〜6アルケニルチオ基;
エチニルチオ基、プロパルギルチオ基などのC2〜6アルキニルチオ基;
メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基などのC1〜6アルキルスルフィニル基;
トリフルオロメチルスルフィニル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル基などのC1〜6ハロアルキルスルフィニル基;
アリルスルフィニル基などのC2〜6アルケニルスルフィニル基;
プロパルギルスルフィニル基などのC2〜6アルキニルスルフィニル基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などのC1〜6アルキルスルホニル基;
トリフルオロメチルスルホニル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニル基などのC1〜6ハロアルキルスルホニル基;
アリルスルホニル基などのC2〜6アルケニルスルホニル基;
プロパルギルスルホニル基などのC2〜6アルキニルスルホニル基;
チオカルバモイル基;
イミノ(メチルチオ)メチル基などのイミノ(C1〜6アルキルチオ)メチル基;
ペンタフルオロスルファニル基;
【0027】
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリC1〜6アルキルシリル基;
トリフェニルシリル基などのトリC6〜10アリールシリル基;
また、これらの「置換基」は、前記置換基中のいずれかの水素原子が、異なる構造の基で置換されていてもよい。
【0028】
「C1〜6」などの用語は、母核となる基の炭素原子数が1〜6個などであることを表している。この炭素原子数には、置換基の中に在る炭素原子の数を含まない。例えば、エトキシブチル基は、母核となる基がブチル基であり、置換基がエトキシ基であるので、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
【0029】
式(I)中、Ar1は、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基または置換若しくは無置換の5〜6員ヘテロアリール基である。
C6〜10アリール基は、単環若しくは多環の芳香族炭化水素の環上の水素が一つ抜けて形成される基である。C6〜10アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。
5〜6員ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などの5員環のヘテロアリール基;ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などの6員環のヘテロアリール基を挙げることができる。
Arは、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基が好ましい。
【0030】
式(I)中、Zは、単結合、硫黄原子、または酸素原子である。
Zは、単結合が好ましい。
【0031】
式(I)中、Aは、窒素原子または炭素原子である。
Aは、炭素原子が好ましい。
【0032】
式(I)中、X2は、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニルオキシ基、置換若しくは無置換のC2〜6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、アミノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノ基、ホルミル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルアミノ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、メルカプト基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシスルホニル基、チオカルバモイル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノチオカルボニル基、イミノ(置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ)メチル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のC3〜8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6〜10アリールオキシ基、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基、または式:「RO−N=CR−」で表される基(式中、Rは、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基である。Rは、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、またはアミノ基である。)である。X2が2個以上のときX2は互いに同じでも異なってもよい。
【0033】
2における「ハロゲノ基」としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などを挙げることができる。
【0034】
2における「C1〜6アルキル基」は、直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、i−ヘキシル基などを挙げることができる。
【0035】
2における「C2〜6アルケニル基」としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などを挙げることができる。
【0036】
2における「C2〜6アルケニルオキシ基」としては、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基などを挙げることができる。
【0037】
2における「C2〜6アルキニル基」としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基などを挙げることができる。
【0038】
2における「C1〜6アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、i−プロポキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、i−ヘキシルオキシ基などを挙げることができる。
【0039】
2における「C1〜6アルキルアミノ基」としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などを挙げることができる。
【0040】
2における「C1〜6アルキルカルボニル基」としては、アセチル基、プロピオニル基などを挙げることができる。
【0041】
2における「C1〜6アルキルカルボニルアミノ基」としては、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基などを挙げることができる。
【0042】
2における「C1〜6アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などを挙げることができる。
【0043】
2における「C1〜6アルキルアミノカルボニル基」としては、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、i−プロピルアミノカルボニル基などを挙げることができる。
【0044】
2における「C1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ基」としては、メチルアミノカルボニルオキシ基、ジメチルアミノカルボニルオキシ基、エチルアミノカルボニルオキシ基、ジエチルアミノカルボニルオキシ基、i−プロピルアミノカルボニルオキシ基などを挙げることができる
【0045】
2における「C1〜6アルキルカルボニルオキシ基」としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、n-ブチリルオキシ基、i-ブチリルオキシ基などを挙げることができる。
【0046】
2における「C1〜6アルキルチオ基」は、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、i−プロピルチオ基などを挙げることができる。
【0047】
2における「C1〜6アルキルスルフィニル基」としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基などを挙げることができる。
【0048】
2における「C1〜6アルキルスルホニル基」としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などを挙げることができる。
【0049】
2における「C1〜6アルコキシスルホニル基」としては、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、t−ブトキシスルホニル基などを挙げることができる。
2における「C1〜6アルキルアミノチオカルボニル基」としては、メチルアミノチオカルボニル基、ジメチルアミノチオカルボニル基、エチルアミノチオカルボニル基、ジエチルアミノチオカルボニル基、i−プロピルアミノチオカルボニル基などを挙げることができる。
【0050】
2における「イミノ(C1〜6アルキルチオ)メチル基」としては、イミノ(メチルチオ)メチル基、イミノ(エチルチオ)メチル基などを挙げることができる。
【0051】
2における「C1〜6アルキルアミノスルホニル基」としては、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、エチルアミノスルホニル基、ジエチルアミノスルホニル基、i−プロピルアミノスルホニル基などを挙げることができる。
【0052】
2における「C1〜6アルキル基」、「C2〜6アルケニル基」、「C2〜6アルケニルオキシ基」、「C2〜6アルキニル基」、「C1〜6アルコキシ基」、「C1〜6アルキルアミノ基」、「C1〜6アルキルカルボニル基」、「C1〜6アルキルカルボニルアミノ基」、「C1〜6アルコキシカルボニル基」、「C1〜6アルキルアミノカルボニル基」、「C1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ基」、「C1〜6アルキルカルボニルオキシ基」、「C1〜6アルキルチオ基」、「C1〜6アルキルスルフィニル基」、「C1〜6アルキルスルホニル基」、「C1〜6アルコキシスルホニル基」、「C1〜6アルキルアミノチオカルボニル基」、「イミノ(C1〜6アルキルチオ)メチル基」、「C1〜6アルキルアミノスルホニル基」上の置換基として、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; シアノ基; を挙げることができる。
【0053】
2における「C3〜8シクロアルキル基」としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などを挙げることができる。
【0054】
2における「C6〜10アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。
【0055】
2における「ヘテロアリール基」としては、 ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などの5員環のヘテロアリール基;ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などの6員環のヘテロアリール基;インドリル基、ベンゾフリル基、ベンゾ[1,3]ジオキソリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基などの縮合環のヘテロアリール基などを挙げることができる。
【0056】
2における「C6〜10アリールオキシ基」としては、フェノキシ基、ナフトキシ基などを挙げることができる。
【0057】
2における「ヘテロアリールオキシ基」としては、チアゾリルオキシ基、ピリジルオキシ基などの5〜6員環のヘテロアリールオキシ基を挙げることができる。
【0058】
2における「C3〜8シクロアルキル基」、「C6〜10アリール基」、「ヘテロアリール基」、「C6〜10アリールオキシ基」、および「ヘテロアリールオキシ基」上の置換基として、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基; クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基などのC1〜6ハロアルキル基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; シアノ基; を挙げることができる。
【0059】
置換基X2のひとつは、「式:「RcO−N=CRd−」で表される基」である。
式中、Rcは、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基である。Rは、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、またはアミノ基である。
式中のRc及びRdにおける「C1〜6アルキル基」は、直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、i−ヘキシル基などを挙げることができる。
式中のRcにおける「C1〜6アルキルカルボニル基」としては、アセチル基、プロピオニル基などを挙げることができる。
「C1〜6アルキル基」、「C1〜6アルキルカルボニル基」上の置換基として、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; シアノ基; を挙げることができる。
【0060】
2は、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニルオキシ基、置換若しくは無置換のC2〜6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、ホルミル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基、チオカルボニル基、イミノ(置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ)メチル基、置換若しくは無置換のC3〜8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、シアノ基、式:「RO−N=CR−」で表される基(式中、Rは、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基である。Rは、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、またはアミノ基である。)が好ましい。
【0061】
「置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基」としては、ハロゲノ置換、C1〜6アルコキシ置換、若しくは無置換のC1〜6アルキル基が好ましい。
「置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基」としては、ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基が好ましい。
「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基」としては、ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基が好ましい。
「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基」としては、ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基が好ましい。
「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基」としては、ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基が好ましい。
「イミノ(置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ)メチル基」としては、イミノ(ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ)メチル基が好ましい。
「式:「RO−N=CR−」で表される基」としては、Rが、ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基であり、Rが、水素原子である基が好ましい。
【0062】
式(I)中、mは、X2の置換数を示し、Aが窒素原子のとき0〜2のいずれかの整数であり、Aが炭素原子のとき0〜3のいずれかの整数である。mが2以上のときX2は互いに同じでも異なってもよい。
【0063】
式(I)中、R1〜R4およびR6〜R9は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、水酸基、またはハロゲノ基である。
1とR9は一緒になってC2〜6アルキレン基を形成してもよく、R3とR6は一緒になってC2〜6アルキレン基を形成してもよく、R2とR3は一緒になってC3〜6アルキレン基を形成してもよい。
1〜R4およびR6〜R9における「置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基」、および「ハロゲノ基」としては、X2において具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。
「C2〜6アルキレン基」としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基などを挙げることができる。
「C3〜6アルキレン基」としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基などを挙げることができる。
【0064】
式(I)中、R5は、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のフェニル基、水酸基、ハロゲノ基、またはシアノ基である。R5を構成する原子の一つとArを構成する原子の一つとが結合して、R5およびArが結合する炭素原子と伴に環を形成してもよい。また、RとRは一緒になってC1〜6アルキレンジオキシ基を形成してもよい。
5における「置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基」、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基」および「ハロゲノ基」としては、X2において具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。
5における「C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基」としては、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
5における「C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基」上の置換基として、好ましくはハロゲノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシ基、シアノ基を挙げることができる。
とRが一緒になって形成する「C1〜6アルキレンジオキシ基」としては、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基などを挙げることができる。
【0065】
式(I)中、kは、括弧内のCR67の数を表し、0または1である。
式(I)中、hは、括弧内のCR34の数を表し、0または1である。
【0066】
式(I)中、Arは、ジヒドロオキサゾリル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基または置換若しくは無置換のヘテロアリール基である。
「C6〜10アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。
「ヘテロアリール基」としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などの5員環のヘテロアリール基;ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などの6員環のヘテロアリール基を挙げることができる。
「ヘテロアリール基」としては、さらに、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサオゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基などの9員ヘテロアリール基;キノリニル基、イソキノリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサニル基などの10員ヘテロアリール基;などを挙げることができる。
【0067】
Arにおける「C6〜10アリール基」、および「ヘテロアリール基」上の置換基としては、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニルオキシ基、置換若しくは無置換のC2〜6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、アミノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルアミノ基、ホルミル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、メルカプト基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシスルホニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノチオカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のC3〜8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6〜10アリールオキシ基、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシ基、ニトロ基、またはシアノ基を挙げることができる。
これらの置換基の具体例としてはX2において例示したそれらと同じものを挙げることができる。
置換基の数は5個以下であり、置換基が2個以上のときそれぞれの置換基は互いに同じでも異なってもよい。また、2つの置換基が一緒になって2価の有機基を形成してもよい。2つの置換基が一緒になって形成する2価の有機基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基などのC3〜6アルキレン基;メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基などのC1〜6アルキレンジオキシ基;ジフルオロメチレンジオキシ基、テトラフルオロエチレンジオキシ基などのC1〜6ハロアルキレンジオキシ基;などが挙げられる。
【0068】
Arにおける「C6〜10アリール基」、および「ヘテロアリール基」上の置換基としては、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC3〜8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基、シアノ基、オキシC1〜6ハロアルキレンオキシ基が好ましい。
【0069】
「置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基」としては、ハロゲノ置換、C1〜6アルコキシ置換、若しくは無置換のC1〜6アルキル基が好ましい。
「置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基」としては、ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基が好ましい。
【0070】
化合物(I)の塩は、農園芸学的に許容される塩であれば、特に制限されない。例えば、塩酸、硫酸などの無機酸の塩;酢酸、乳酸などの有機酸の塩;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩;鉄、銅などの遷移金属の塩;アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ヒドラジンなどの有機塩基の塩などを挙げることができる。
【0071】
化合物(I)または化合物(I)の塩は、その製造方法によって特に限定されない。また、化合物(I)の塩は、化合物(I)から公知の手法によって得ることができる。例えば、本発明の化合物(I)または化合物(I)の塩は、実施例等に記載した公知の製造方法によって得ることができる。
【0072】
〔式(II)で表される化合物〕
本発明の環状化合物は、式(II)で表される化合物であることが好ましい。
【化7】
【0073】
式(II)中、Ar、R〜R、R〜R、R、及びArは、式(I)中のそれらと同様の意味を示す。X2aは、水素原子、及び式(I)中のXと同様の意味を示す。X2bは、水素原子、及び式(I)中のXと同様の意味を示す。X2cは、式(I)中のXと同様の意味を示す。
2bは、Xであることが好ましい。
【0074】
〔X
Ar1におけるC6〜10アリール基または5〜6員ヘテロアリール基上に置換し得る基をXと言う。X1の数は5個以下であり、X1が2個以上のときX1は互いに同じでも異なってもよい。また、2つのXが一緒になって2価の有機基を形成してもよい。
1は、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2〜6アルケニルオキシ基、置換若しくは無置換のC2〜6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、アミノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノ基、ホルミル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルアミノ基、カルボキシル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、メルカプト基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシスルホニル基、チオカルバモイル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノチオカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノスルホニル基、置換若しくは無置換のC3〜8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6〜10アリールオキシ基、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ペンタフルオロスルファニル基、または式:「RO−N=CR−」で表される基(式中、Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。)である。
【0075】
における、「ハロゲノ基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基」、「置換若しくは無置換のC2〜6アルケニル基」、「置換若しくは無置換のC2〜6アルケニルオキシ基」、「置換若しくは無置換のC2〜6アルキニル基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノ基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニル基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルアミノ基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニル基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルカルボニルオキシ基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシスルホニル基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノチオカルボニル基」、「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルアミノスルホニル基」、「置換若しくは無置換のC3〜8シクロアルキル基」、「置換若しくは無置換のC6〜10アリール基」、「置換若しくは無置換のヘテロアリール基」、「置換若しくは無置換のC6〜10アリールオキシ基」、および「置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシ基」としては、X2において具体的に例示したそれらと同じものを挙げることができる。
【0076】
置換基X1のひとつは、「式:「RO−N=CR−」で表される基」である。
式中、Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。
式中のR及びRにおける「C1〜6アルキル基」は、直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、i−ヘキシル基などを挙げることができる。「C1〜6アルキル基」上の置換基として、好ましくはフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基; シアノ基; を挙げることができる。
【0077】
は、ハロゲノ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基、ホルミル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC6〜10アリール基、置換若しくは無置換のヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6〜10アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ペンタフルオロスルファニル、式:「RO−N=CR−」で表される基(式中、Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。Rは、水素原子、または置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基である。)が好ましい。
【0078】
「置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基」としては、ハロゲノ置換、C1〜6アルコキシ置換、若しくは無置換のC1〜6アルキル基が好ましい。
「置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基」としては、ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルコキシ基が好ましい。
「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基」としては、ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルキルチオ基が好ましい。
「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基」としては、ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルフィニル基が好ましい。
「置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基」としては、ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルキルスルホニル基が好ましい。
「式:「RO−N=CR−」で表される基」としては、Rが、ハロゲノ置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基であり、Rが、水素原子である基が好ましい。
【0079】
2つのXが一緒になって形成する2価の有機基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基などのC3〜6アルキレン基;メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基などのC1〜6アルキレンジオキシ基;ジフルオロメチレンジオキシ基、テトラフルオロエチレンジオキシ基などのC1〜6ハロアルキレンジオキシ基;などが挙げられる。
【0080】
〔式(III)で表される化合物〕
本発明の環状化合物は、式(III)で表される化合物であることがさらに好ましい。
【化8】
【0081】
式(III)中、R〜R、R〜R、R、及びArは、式(I)中のそれらと同様の意味を示す。
は、上記と同様の意味を示す。nは、0〜5のいずれかの整数を示す。X1が2個以上のときX1は互いに同じでも異なってもよい。
2aは、水素原子、及び式(I)中のXと同様の意味を示す。X2bは、水素原子、及び式(I)中のXと同様の意味を示す。X2cは、式(I)中のXと同様の意味を示す。
2bは、Xであることが好ましい。
【0082】
本発明の環状アミン化合物は、植物の生育に影響する各種の農業害虫およびダニ類などの有害生物の防除効果に優れている。
また、本発明の環状アミン化合物は、作物に対する薬害がなく、魚類や温血動物への毒性が低いため、安全性の高い化合物である。そのため、殺虫剤または殺ダニ剤の有効成分として有用である。
【0083】
さらに、近年、コナガ、ウンカ、ヨコバイ、アブラムシなど多くの害虫において各種既存薬剤に対する抵抗性が発達し、それら薬剤の効力不足問題を生じており、抵抗性系統の害虫にも有効な薬剤が望まれている。本発明の環状アミン化合物は、感受性系統のみならず、各種抵抗性系統の害虫や、さらに殺ダニ剤抵抗性系統のダニ類にも優れた防除効果を示す。
【0084】
本発明の環状アミン化合物は、人獣に害を及ぼす外部寄生虫の防除効果に優れている。また、魚類や温血動物への毒性が低いため、安全性の高い化合物である。そのため、外部寄生虫の防除剤の有効成分として有用である。
【0085】
また、本発明の環状アミン化合物は、防除の対象となる生物のすべての発育ステージにおいて効力を示し、例えば、ダニ、昆虫などの卵、若虫、幼虫、蛹、成虫に対して優れた防除効果を示す。
【0086】
〔有害生物防除剤、殺虫若しくは殺ダニ剤〕
本発明の有害生物防除剤、または殺虫若しくは殺ダニ剤は、本発明の環状アミン化合物から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有する。本発明の有害生物防除剤または殺虫若しくは殺ダニ剤に含まれる本発明の環状アミン化合物の量は有害生物の防除効果を示す限りにおいて特に制限されない。
【0087】
本発明の有害生物防除剤または殺虫若しくは殺ダニ剤は、穀物類;野菜類;根菜類;イモ類;花卉類;果樹類、観葉植物、茶、コーヒー、カカオなどの樹木類;牧草類;芝類;ワタなどの植物に対して用いることが好ましい。
植物への施用において、本発明の有害生物防除剤または殺虫若しくは殺ダニ剤は、葉、茎、柄、花、蕾、果実、種子、スプラウト、根、塊茎、塊根、苗条、挿し木などのいずれの部位に用いてもよい。また、本発明の有害生物防除剤または殺虫若しくは殺ダニ剤は、施用される植物の種によって特に制限されない、植物の種としては、例えば、原種、変種、改良品種、栽培品種、突然変異体、ハイブリッド体、遺伝子組み換え体(GMO)などが挙げられる。
【0088】
本発明の有害生物防除剤は、各種の農業害虫およびダニ類を防除するために、種子処理、茎葉散布、土壌施用、水面施用などに使用することができる。
【0089】
本発明の有害生物防除剤によって防除可能な各種の農業害虫およびダニ類の具体例を以下に示す。
【0090】
(1)鱗翅目(Lepidoptera)のチョウまたは蛾
(a)ヒトリガ科(Arctiidae)のガ、例えば、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、クワゴマダラヒトリ(Lemyra imparilis);
(b)チビガ科(Bucculatricidae)のガ、例えば、ナシチビガ(Bucculatrix pyrivorella);
(c)シンクイガ科(Carposinidae)、例えば、モモシンクイガ(Carposina sasakii);
(d)ツトガ科(Crambidae)のガ、例えば、ジアファニア属種(Diaphania spp.)の、ワタヘリクロノメイガ(Diaphania indica)、アメリカウリノメイガ(Diaphania nitidalis);例えば、オストリニア属種(Ostrinia spp.)の、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilalis)、アズキノメイガ(Ostrinia scapulalis);その他、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、モモノゴマダラノメイガ(Conogethes punctiferalis)、サウスウエスタンコンボーラー(Diatraea grandiosella)、クワノメイガ(Glyphodes pyloalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Parapediasia teterrella);
(e)キバガ科(Gelechiidae)のガ、例えば、イモキバガ(Helcystogramma triannulella)、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、ジャガイモキバガ(Phthorimaea operculella)、バクガ(Sitotroga cerealella);
(f)シャクガ科(Geometridae)のガ、例えば、ヨモギエダシャク(Ascotis selenaria);
(g)ホソガ科(Gracillariidae)のガ、例えば、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella);
(h)セセリチョウ科(Hesperiidae)のチョウ、例えば、イチモンジセセリ(Parnara guttata);
(i)カレハガ科(Lasiocampidae)のガ、例えば、オビカレハ(Malacosoma neustria);
(j)ドクガ科(Lymantriidae)のガ、例えば、リマントリア属種(Lymantria spp.)の、マイマイガ(Lymantria dispar)、ノンネマイマイ(Lymantria monacha);その他の、チャドクガ(Euproctis pseudoconspersa)、ヒメシロモンドクガ(Orgyia thyellina);
【0091】
(k)モグリガ科(Lyonetiidae )のガ、例えば、リオネチア属種(Lyonetia spp.)の、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)、ギンモンハモグリガ(Lyonetia prunifoliella malinella);
(l)ヤガ科(Noctuidae)のガ、例えば、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)の、スジキリヨトウ(Spodoptera depravata)、サザンアーミーワーム(Spodoptera eridania)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)、アフリカヨトウ(Spodoptera littoralis)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura);例えば、オートグラファ属種(Autographa spp.)の、ガマキンウワバ(Autographa gamma)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna);例えば、アグロチス属種(Agrotis spp.)の、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、カブラヤガ(Agrotis segetum);例えば、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)の、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、タバコガ(Helicoverpaassulta)、コットンボールワーム(Helicoverpa zea);例えば、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)の、ワタキバガ(Heliothis armigera)、ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens);その他の、ナカジロシタバ(Aedia leucomelas)、ミツモンキンウワバ(Ctenoplusia agnata)、アケビコノハ(Eudocima tyrannus)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、アワヨトウ(Mythimna separata)、フタオビコヤガ(Naranga aenescens)、マツキリガ(Panolis japonica)、ニセタマナヤガ(Peridroma saucia)、ソイビーンルーパー(Pseudoplusia includens)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni);
(m)コブガ科(Nolidae) のガ、例えば、ミスジアオリンガ(Earias insulana);
(n)シロチョウ科(Pieridae)のチョウ、例えば、モンシロチョウ属種(Pieris spp.)のオオモンシロチョウ(Pieris brassicae)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora);
(o)コナガ科(Plutellidae)のガ、例えば、アクロレピオプシス属種(Acrolepiopsis spp.)の、ネギコガ(Acrolepiopsis sapporensis)、ヤマノイモコガ(Acrolepiopsis suzukiella);その他、コナガ(Plutella xylostella);
(p)メイガ科(Pyralidae)のガ、例えば、スジマダラメイガ(Cadra cautella)、モロコシマダラメイガ(Elasmopalpus lignosellus)、シロイチモジマダラメイガ(Etiella zinckenella)、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella);
(q)スズメガ科(Sphingidae)のガ、例えば、マンジュカ属種(Manduca spp.)の、トマトホーンワーム(Manduca quinquemaculata)、タバコホーンワーム(Manduca sexta);
【0092】
(r)ニセマイコガ科(Stathmopodidae)のガ、例えば、カキノヘタムシガ(Stathmopoda masinissa);
(s)ヒロズコガ科(Tineidae)のガ、例えば、イガ(Tinea translucens);
(t)ハマキガ科(Tortricidae)のガ、例えば、アドキソフィエス属種(Adoxophyes spp.)の、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana);例えば、アルチプス属種(Archips spp.)の、リンゴモンハマキ(Archips breviplicanus)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus);その他の、トウヒノシントメハマキ(Choristoneura fumiferana)、コドリンガ(Cydia pomonella)、ブドウホソハマキ (Eupoecilia ambiguella)、ナシヒメシンクイ(Grapholitha molesta)、チャハマキ(Homona magnanima)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、ホソバヒメハマキ(Lobesia botrana)、マメヒメサヤムシガ(Matsumuraeses phaseoli)、トビハマキ(Pandemis heparana)、テングハマキ(Sparganothis pilleriana);
(u)スガ科(Yponomeutidae)のガ、例えば、リンゴヒメシンクイ(Argyresthia conjugella)。
【0093】
(2)アザミウマ目(Thysanoptera)害虫
(a)クダアザミウマ科(Phlaeothripidae)の、例えば、カキクダアザミウマ(Ponticulothrips diospyrosi);
(b)アザミウマ科(Thripidae)の、例えば、フランクリニェラ属種(Frankliniella spp.)の、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis);例えば、トリプス属種(Thrips spp.)の、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci);その他の、クロトンアザミウマ(Heliothrips haemorrhoidalis)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)。
【0094】
(3)カメムシ目(Hemiptera)の害虫
(A)頸吻亜目(Archaeorrhyncha)
(a)ウンカ科(Delphacidae)の、例えば、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatella)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、クロフツノウンカ(Perkinsiella saccharicida)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)。
【0095】
(B)頸吻亜目(Clypeorrhyncha)
(a)ヨコバイ科(Cicadellidae)の、例えば、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)の、ジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae)、カキノヒメヨコバイ(Empoasca nipponica)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)、マメノミドリヒメヨコバイ(Empoasca sakaii)、;その他の、フタテンヒメヨコバイ(Arboridia apicalis)、ミドリナガヨコバイ(Balclutha saltuella)、フタテンオオヨコバイ(Epiacanthus stramineus)、ヒメフタテンヨコバイ(Macrosteles striifrons)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cinctinceps)。
【0096】
(C)カメムシ亜目(Heteroptera)
(a)ホソヘリカメムシ科(Alydidae)の、例えば、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus);
(b)ヘリカメムシ科(Coreidae)の、例えば、ホソハリカメムシ(Cletus punctiger)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis);
(c)ナガカメムシ科(Lygaeidae)の、例えば、アメリカコバネナガカメムシ(Blissus leucopterus)、カンシャコバネナガカメムシ(Cavelerius saccharivorus)、コバネヒョウタンナガカメムシ(Togo hemipterus);
(d)カスミカメムシ科(Miridae)の、例えば、クロトビカスミカメ(Halticus insularis)、サビイロカスミカメ(Lygus lineolaris)、コットンフリーホッパー(Psuedatomoscelis seriatus)、ナガムギカスミカメ(Stenodema sibiricum)、アカスジカスミカメ(Stenotus rubrovittatus)、イネホソミドリカスミカメ(Trigonotylus caelestialium);
【0097】
(e)カメムシ科(Pentatomidae)の、例えば、ネザラ属種(Nezara spp.)の、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula);例えば、シラホシカメムシ属種(Eysarcoris spp.)の、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris aeneus)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi)、シラホシカメムシ(Eysarcoris ventralis)、その他の、ブチヒゲカメムシ(Dolycoris baccarum)、ナガメ(Eurydema rugosum)、ツヤアオカメムシ(Glaucias subpunctatus)、サギカメムシ(Halyomorpha halys)、クイチモンジカメムシ(Piezodorus hybneri)、チャバネアオカメムシ(Plautia crossota)、イネクロカメムシ(Scotinophora lurida);
(f)ホシカメムシ科(Pyrrhocoridae)の、例えば、アカホシカメムシ(Dysdercus cingulatus);
(g)ヒメヘリカメムシ科(Rhopalidae)の、例えば、アカヒメヘリカメムシ(Rhopalus msculatus);
(h)キンカメムシ科(Scutelleridae)の、例えば、ムギチャイロカメムシ(Eurygaster
integriceps);
(i)グンバイムシ科(Tingidae)の、例えば、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)。
【0098】
(D)腹吻亜目(Sternorrhyncha)
(a)カサアブラムシ科(Adelgidae)の、例えば、カラマツカサアブラムシ(Adelges laricis);
(b)コナジラミ科(Aleyrodidae)例えば、ベミシア属種(Bemisia spp.)の、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci);その他の、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum);
(c)アブラムシ科(Aphididae)、例えば、アフィス属種(Aphis spp.)の、マメアブラムシ(Aphis craccivora)、マメクロアブラムシ(Aphis fabae)、イチゴネアブラムシ(Aphis forbesi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ヨーロッパリンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ニワトコアブラムシ(Aphis sambuci)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola);例えば、ロパロシフム属種(Rhopalosiphum spp.)の、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi);例えば、ジサフィス属種(Dysaphis spp.)の、オオバコアブラムシ(Dysaphis plantaginea)、ギシギシネアブラムシ(Dysaphis radicola);例えば、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)の、ムギヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum avenae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae);例えば、ミズス属種(Myzus spp.)の、ニワウメクロコブアブラムシ(Myzus cerasi)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、カワリコブアブラムシ(Myzus varians);その他の、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helichrysi)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、イチゴケナガアブラムシ(Chaetosiphon fragaefolii)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、チシャミドリアブラムシ(Hyperomyzus lactucae)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、ソラマメヒゲナガアブラムシ(Megoura viciae)、ムギウスイロアブラムシ(Metopolophium dirhodum)、レタスアブラムシ(Nasonovia ribis-nigri)、ホップイボアブラムシ(Phorodonhumuli)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)、ムギヒゲナガアブラムシ(Sitobion avenae)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii);
【0099】
(d)カタカイガラムシ科(Coccidae)の、例えば、セロプラスター属種(Ceroplastes spp.)の、ツノロウムシ(Ceroplastes ceriferus)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens);
(e)マルカイガラムシ科(Diaspididae)の、シューダウラカスピス属種(Pseudaulacaspis spp.)の、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)、ウメシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis prunicola);例えば、ウナスピス属種(Unaspis spp.)の、マサキナガカイガラムシ(Unaspis euonymi)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis);その他の、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、ナシマルカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、チャコノハカイガラムシ(Fiorinia theae)、チャノマルカイガラムシ(Pseudaonidia paeoniae);
(f)ワタフキカイガラムシ科(Margarodidae)の、例えば、オオワラジカイガラムシ(Drosicha corpulenta)、イセリアカイガラムシ(Icerya purchasi);
(g)ネアブラムシ科(Phylloxeridae)の、例えば、ブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii);
(h)コナカイガラムシ科(Pseudococcidae )の、例えば、プラノコッカス属種(Planococcus spp.)の、ミカンコナカイガラムシ(Planococcus citri)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kuraunhiae);その他の、ナスコナカイガラムシ(Phenacoccus solani)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki);
(i)キジラミ科(Psyllidae)の、例えば、プスルラ属種(Psylla spp.)の、リンゴキジラミ(Psylla mali)、ナシキジラミ(Psylla pyrisuga);その他の、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)。
【0100】
(4)カブトムシ亜目(Polyphaga)の害虫
(a)シバンムシ科(Anobiidae)の、例えば、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne);
(b)オトシブミ科(Attelabidae)の、例えば、ドロハマキチョッキリ(Byctiscus betulae)、モモチョッキリゾウムシ(Rhynchites heros);
(c)ナガシンクイムシ科(Bostrichidae)の、例えば、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus);
(d)ミツギリゾウムシ科(Brentidae)の、例えば、アリモドキゾウムシ(Cylas formicarius);
(e)タマムシ科(Buprestidae )の、例えば、アカバナガタマムシ(Agrilus sinuatus);
(f)カミキリムシ科(Cerambycidae)の、例えば、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)、キボシカミキリ(Psacothea hilaris)、ブドウトラカミキリ(Xylotrechus pyrrhoderus);
(g)ハムシ科(Chrysomelidae)の、例えば、ブルクス属種(Bruchus spp.)の、エンドウマメゾウムシ(Bruchus pisorum)、ソラマメゾウムシ(Bruchus rufimanus);例えば、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)の、ノーザンコーンルートワーム(Diabrotica barberi)、サザンコーンルートワーム(Diabrotica undecimpunctata)、ウエスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera);例えば、フィロトレタ属種(Phyllotreta spp.)の、ノミトビヨロイムシ(Phyllotreta nemorum)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata);その他の、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、アズキゾウムシ(Callosobruchuschinensis)、カメノコハムシ(Cassida nebulosa)、テンサイトビハムシ(Chaetocnema concinna)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、イネクビホソハムシ(Oulema oryzae)、ナスナガスネトビハムシ(Psylliodes angusticollis);
【0101】
(h)テントウムシ科(Coccinellidae)の、例えば、エピラクナ属種(Epilachna spp.)の、インゲンテントウ(Epilachna varivestis)、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata);
(i)ゾウムシ科(Curculionidae)の、例えば、アントノムス属種(Anthonomus spp.)の、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、ナシハナゾウムシ(Anthonomus pomorum);例えば、シトフィルスコクゾウムシ属種(Sitophilus spp.)の、グラナリーウィービル(Sitophilus granarius)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais);その他の、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イモゾウムシ(Euscepes postfasciatus)、マツアナアキゾウムシ(Hylobius abietis)、アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica)、イネミズゾウムシ(Lissohoptrus oryzophilus)、キンケクチブトゾウムシ(Otiorhynchus sulcatus)、アカアシチビコフキゾウムシ(Sitona lineatus)、シバオサゾウムシ(Sphenophorus venatus);
(j)コメツキムシ科(Elateridae)の、例えば、メラノツス属種(Melanotus spp.)の、マルクビクシコメツキ(Melanotus fortnumi)、カンシャクシコメツキ(Melanotus tamsuyensis);
(k)ケシキスイ科(Nitidulidae)の、例えば、ヒメヒラタケシキスイ(Epuraea domina);
(l)コガネムシ科(Scarabaeidae)の、例えば、アノマラ属種(Anomala spp.)の、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea);その他の、キンイロハナムグリ(Cetonia aurata)、コアオハナムグリ(Gametis jucunda)、ナガチャコガネ(Heptophylla picea)、ヨーロッパコフキコガネ(Melolontha melolontha)、マメコガネ(Popillia japonica);
(m)キクイムシ科(Scolytidae)の、例えば、ヤツバキクイ (Ips typographus);
(n)ハネカクシ科(Staphylinidae)の、例えば、アオバアリガタハネカクシ(Paederus
fuscipes);
(o)ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)の、例えば、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum);
(p)コクヌスト科(Trogossitidae)の、例えば、コクヌスト(Tenebroides mauritanicus)。
【0102】
(5)ハエ目(Diptera)の害虫
(A)ハエ亜目(Brachycera)
(a)ハモグリバエ科(Agromyzidae)の、例えば、リリオマイザ属種(Liriomyza spp.)の、ナスハモグリバエ(Liriomyza bryoniae)、ネギハモグリバエ(Liriomyza chinensis)、トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii);その他の、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae);
(b)ハナバエ科(Anthomyiidae)の、例えば、デリア属種(Delia spp.)の、タネバエ(Delia platura)、キャベツハナバエ (Delia radicum);その他の、テンサイモグリハナバエ(Pegomya cunicularia);
(c)ショウジョウバエ科(Drosophilidae)の、例えば、ショウジョウバエ属種(Drosophila spp.)の、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)、オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii);
(d)ミギワバエ科(Ephydridae)の、例えば、イネヒメハモグリバエ(Hydrellia griseola);
(e)ハネオレバエ科(Psilidae)の、例えば、ニンジンサビバエ(Psila rosae);
(f)ミバエ科(Tephritidae)の、例えば、バクトロセラ属種(Bactrocera spp.)の、ウリミバエ(Bactrocera cucurbitae)、ミカンコミバエ(Bactrocera dorsalis);例えば、ラゴレチス属種(Rhagoletis spp.)の、ヨーロッパオウトウミバエ(Rhagoletis cerasi)、リンゴミバエ(Rhagoletis pomonella);その他の、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、オリーブミバエ(Dacus oleae)。
【0103】
(B)カ亜目(Nematocera)
(a)タマバエ科(Cecidomyiidae)の、例えば、ダイズサヤタマバエ(Asphondylia yushimai)、ソルガムタマバエ(Contarinia sorghicola)、ヘシアンバエ(Mayetiola destructor)、ムギアカタマバエ(Sitodiplosis mosellana)。
【0104】
(6)バッタ目(Orthoptera)の害虫
(a)バッタ科(Acrididae)の、例えば、スキストセルカ属種(Schistocerca spp.)の、アメリカイナゴ(Schistocerca americana)、サバクトビバッタ(Schistocerca gregaria);その他の、オーストラリアトビバッタ(Chortoicetes terminifera)、モロッコイナゴ(Dociostaurus maroccanus)、トノサマバッタ(Locusta migratoria)、ブラウンイナゴ(Locustana pardalina)、アカトビバッタ(Nomadacris septemfasciata)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis);
(b)コオロギ科(Gryllidae)の、例えば、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domestica)、エンマコオロギ(Teleogryllus emma);
(c)ケラ科(Gryllotalpidae)の、例えば、ケラ(Gryllotalpa orientalis);
(d)キリギリス科(Tettigoniidae)の、例えば、クラズミウマ (Tachycines asynamorus)。
【0105】
(7)ダニ類(Acari)
(A)無気門目(Astigmata)のコナダニ類(Acaridida)
(a)コナダニ科(Acaridae)のダニ、例えば、リゾギルホス属種(Rhizoglyphus spp.)の、ネダニ(Rhizoglyphus echinopus)、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini);例えば、ケナガコナダニ属種(Tyrophagus spp.)の、オンシツケナガコナダニ(Tyrophagus neiswanderi)、オオケナガコナダニ(Tyrophagus perniciosus)、ケナガコナダニ(Tyrophagusputrescentiae)、ホウレンソウケナガコナダニ(Tyrophagus similis);その他、アシブトコナダニ(Acarus siro)、ムギコナダニ(Aleuroglyphus ovatus)、ニセケナガコナダニ(Mycetoglyphus fungivorus);
【0106】
(B)前気門目(Prostigmata)のケダニ類(Actinedida)
(a)ハダニ科(Tetranychidae)のダニ、例えば、ブリオビア属種(Bryobia spp.)の、クローバーハダニ(Bryobia praetiosa)、ニセクローバーハダニ(Bryobia rubrioculus);例えば、エオテトラニクス属種(Eotetranychus spp.)の、コウノシロハダニ(Eotetranychus asiaticus)、アンズハダニ(Eotetranychus boreus)、エノキハダニ(Eotetranychus celtis)、ミチノクハダニ(Eotetranychus geniculatus)、ミヤケハダニ(Eotetranychus kankitus)、クリハダニ(Eotetranychus pruni)、シイノキハダニ(Eotetranychus shii)、スミスハダニ(Eotetranychus smithi)、スギナミハダニ(Eotetranychus suginamensis)、クルミハダニ(Eotetranychus uncatus);例えば、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)の、スギノハダニ(Oligonychus hondoensis)、チビコブハダニ(Oligonychus ilicis)、カラマツハダニ(Oligonychus karamatus)、マンゴーハダニ(Oligonychus mangiferus)、サトウキビハダニ(Oligonychus orthius)、アボガドハダニ(Oligonychus perseae)、エゾスギハダニ(Oligonychus pustulosus)、イネハダニ(Oligonychus shinkajii)、トドマツハダニ(Oligonychus ununguis);例えば、パノニクス属種(Panonychus spp.)の、ミカンハダニ(Panonychus citri)、クワオオハダニ(Panonychus mori)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi);例えば、テトラニクス属種(Tetranychus spp.)の、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、アシノワハダニ(Tetranychus ludeni)、ミズナラハダニ(Tetranychus quercivorus)、サガミハダニ(Tetranychus phaselus)、ナミハダニ(Tetranychusurticae)、オウトウハダニ(Tetranychus viennensis);例えば、アポニクス属(Aponychus spp.)の、イトマキハダニ(Aponychus corpuzae)、タイリクハダニ(Aponychus firmianae);例えば、ミドリハダニ属(Sasanychus spp.)の、ミドリハダニ(Sasanychus akitanus)、ヒメミドリハダニ(Sasanychus pusillus);例えば、シゾテトラニクス属(Shizotetranychus spp.)の、タケスゴモリハダニ(Shizotetranychus celarius)、ケナガスゴモリハダニ(Shizotetranychus longus)、ススキスゴモリハダニ(Shizotetranychus miscanthi)、ヒメササハダニ(Shizotetranychus recki)、ヤナギハダニ(Shizotetranychus schizopus);その他、カタバミハダニ(Tetranychina harti)、ナミケナガハダニ(Tuckerella pavoniformis)、ケウスハダニ(Yezonychus sapporensis);
【0107】
(b)ヒメハダニ科(Tenuipalpidae)のダニ、例えば、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)の、ブドウヒメハダニ(Brevipalpus lewisi)、チャノヒメハダニ(Brevipalpus obovatus)、ミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis)、サボテンヒメハダニ(Brevipalpus russulus)、オンシツヒメハダニ(brevipalpus californicus);例えば、テニパルプス属種(Tenuipalpus spp.)の、ランヒメハダニ(Tenuipalpus pacificus)、カキヒメハダニ(Tenuipalpus zhizhilashviliae);その他、パイナップルヒメハダニ(Dolichotetranychus floridanus);
(c)フシダニ科(Eriophyidae)のダニ、例えば、アセリア属種(Aceria spp.)の、カキサビダニ(Aceria diospyri)、イチジクモンサビダニ(Aceria ficus)、クリフシダニ(Aceria japonica)、クコフシダニ(Aceria kuko)、カーネーションサビダニ(Aceria paradianthi)、クコハモグリダニ(Aceria tiyingi)、チューリップサビダニ(Aceriatulipae)、シバハマキフシダニ(Aceria zoysiea);例えば、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)の、ニセナシサビダニ(Eriophyes chibaensis)、ウメフシダニ(Eriophyes emarginatae);例えばアクロプス属種(Aculops spp.)の、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi);例えば、アクルス属種(Aculus spp.)の、モモサビダニ(Aculus fockeui)、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali);その他、チャノナガサビダニ(Acaphylla theavagrans)、チャノサビダニ(Calacarus carinatus)、ブドウハモグリダニ(Colomerus vitis)、ブドウサビダニ(Calepitrimerus vitis)、ナシサビダニ(Epitrimerus pyri)、キンモクサビダニ(Paraphytoptus kikus)、マキサビダニ(Paracalacarus podocarpi)、リュウキュウミカンサビダニ(Phyllocotruta citri);
(d)ホコリダニ科(Transonemidae)のダニ、例えば、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)の、スジブトホコリダニ(Tarsonemus bilobatus)、アシボソホコリダニ(Tarsonemus waitei);その他、シクラメンホコリダニ(Phytonemus pallidus)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus);
(e)ハシリダニ科(Penthaleidae)のダニ、例えば、ペンタレウス属種(Penthaleus spp.)の、ハクサイダニ(Penthaleus erythrocephalus)、ムギダニ(Penthaleus major)。
【0108】
本発明の有害生物防除剤または殺虫若しくは殺ダニ剤は、本発明の環状アミン化合物以外の成分を含有してもよい。他の成分としては、製剤化のために使用する公知の担体などが挙げられる。また、他の成分として、従来公知の、殺菌剤、殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、植物調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料などを挙げることができる。このような他の成分を含有することによって、相乗効果を奏することがある。
【0109】
本発明の有害生物防除剤と混用または併用することができる、殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、駆虫剤などの具体例を以下に示す。
【0110】
(1)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤:
(a)カーバメート系: アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ、フェノチオカルブ、MIPC、MPMC、MTMC、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ブフェンカルブ、クロエトカルブ、メタム・ナトリウム、プロメカルブ;
【0111】
(b)有機リン系: アセフェート、アザメチホス、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クマホス、シアノホス、デメトン-S-メチル、ダイアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イミシアホス、イソフェンホス、イソカルボホス、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシジメトン-メチル、パラチオン、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロペタムホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリンホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン;ブロモホス・エチル、BRP、カルボフェノチオン、シアノフェンホス、CYAP、デメトン-S-メチルスルホン、ジアリホス、ジクロフェンチオン、ジオキサベンゾホス、エトリムホス、フェンスルホチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、イサゾホス、ヨードフェンホス、メタクリホス、ピリミホス−エチル、ホスホカルブ、プロパホス、プロトエート、スルプロホス。
【0112】
(2)GABA-作動性塩素イオンチャネルアンタゴニスト: アセトプロール、クロルデン、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール、ピリプロール;カンフェクロル、ヘプタクロル、ジエノクロル。
(3)ナトリウムチャンネルモジュレーター: アクリナトリン、d-シス-トランス アレスリン、d-トランスアレスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリンS-シクロペンチル異性体、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、シータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シフェノトリン[(1R)-トランス異性体]、デルタメトリン、エンペントリン[(EZ)-(1R)-異性体]、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、タウ-フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、カデスリン、ペルメトリン、フェノトリン[(1R)-トランス異性体]、プラレトリン、ピレスラム、レスメトリン、シラフルオフェン、テフルスリン、テトラメトリン[(1R)-異性体]、トラロメトリン、トランスフルトリン、アレスリン、ピレトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、プロフルトリン、ジメフルトリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、トランスペルメトリン、フェンフルトリン、フェンピリトリン、フルブロシトリネート、フルフェンプロックス、メトフルトリン、プロトリフェンブト、ピレスメトリン、テラレトリン。
【0113】
(4)ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト: アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサム、スルフォキサフロール、ニコチン、フルピラジフロン。
(5)ニコチン性アセチルコリン受容体アロステリックモジュレーター: スピネトラム、スピノサド。
(6)クロライドチャンネル活性化剤: アバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、レピメクチン、ミルベメクチン;イベルメクチン、セラメクチン、ドラメクチン、エプリノメクチン、モキシデクチン、ミルベマイシン、ミルベマイシンオキシム、ネマデクチン。
(7)幼若ホルモン様物質: ヒドロプレン、キノプレン、メソプレン、フェノキシカルブ、ピリプロキシフェン;ジオフェノラン、エポフェノナン、トリプレン。
(8)その他非特異的阻害剤: 臭化メチル、クロルピクリン、フッ化スルフリル、ホウ砂、吐酒石。
(9)同翅目選択的摂食阻害剤: フロニカミド、ピメトロジン、ピリフルキナゾン。
【0114】
(10)ダニ類生育阻害剤: クロフェンテジン、ジフロビダジン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール。
(11)微生物由来昆虫中腸内膜破壊剤: バチルス・チューリンゲンシス亜種イスラエレンシ、バチルス・スファエリクス、バチルス・チューリンゲンシス亜種アイザワイ、バチルス・チューリンゲンシス亜種クルスタキ、バチルス・チューリンゲンシス亜種テネブリオニス、Bt作物タンパク質:Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1Fa、Cry1A.105、Cry2Ab、Vip3A、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb、Cry34Ab1/Cry35Ab1。
(12)ミトコンドリアATP生合成酵素阻害剤: ジアフェンチウロン、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ、プロパルギット、テトラジホン。
(13)酸化的リン酸化脱共役剤: クロルフェナピル、スルフラミド、DNOC;ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ。
(14)ニコチン性アセチルコリン受容体チャンネルブロッカー: ベンスルタップ、カルタップ塩酸塩;ネライストキシン;チオスルタップ一ナトリウム塩、チオシクラム。
(15)キチン合成阻害剤: ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、フルアズロン。
(16)双翅目脱皮かく乱剤: シロマジン。
(17)脱皮ホルモン受容体アゴニスト: クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド。
(18)オクトパミン受容体アゴニスト: アミトラズ、デミジトラズ、クロルジメホルム。
(19)ミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤: アセキノシル、フルアクリピリム、ヒドラメチルノン。
(20)ミトコンドリア電子伝達系複合体I阻害剤: フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、ロテノン。
【0115】
(21)電位依存性ナトリウムチャネルブロッカー: インドキサカルブ、メタフルミゾン。
(22)アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤: スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト。
(23)ミトコンドリア電子伝達系複合体IV阻害剤: リン化アルミニウム、リン化カルシウム、ホスフィン、リン化亜鉛、シアニド。
(24)ミトコンドリア電子伝達系複合体II阻害剤: シエノピラフェン、シフルメトフェン、ピフルブミド。
(25)リアノジン受容体モジュレーター: クロラントラニリプロール、シアントラニプロール、フルベンジアミド、シクラニリプロール、テトラニリプロール。
(26)混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物: ピペロニルブトキシド。
(27)ラトロフィリン受容体作用薬: デプシペプチド、環状デプシペプチド、24員環状デプシペプチド、エモデプシド。
(28)その他の剤(作用機構が未知): アザジラクチン、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、キノメチオネート、クリオライト、ジコホル、ピリダリル、ベンクロチアズ、硫黄、アミドフルメット、1,3−ジクロロプロペン、DCIP、フェニソブロモレート、ベンゾメート、メタアルデヒド、クロルベンジレート、クロチアゾベン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル、フルベンジミン、フルフェナジン、ゴシップルア、ジャポニルア、メトキサジアゾン、石油、オレイン酸カリウム、テトラスル、トリアラセン、アフィドピロペン(afidopyropen)、フロメトキン、フルフィプロル(flufiprole)、フルエンスルフォン、メペルフルスリン、テトラメチルフルスリン、トラロピリル、ジメフルスリン、メチルネオデカンアミド、フルララネル、アフォキソラネル、フルキサメタミド、5−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル(CAS:943137-49-3)、ブロフラニリド、その他のメタジアミド類。
【0116】
(29)駆虫剤:
(a)ベンズイミダゾール系: フェンベンダゾール、アルベンダゾール、トリクラベンダゾール、オキシベンダゾール、メベンダゾール、オクスフェンダゾール、パーベンダゾール、フルベンダゾール;フェバンテル、ネトビミン、チオファネート;チアベンダゾール、カンベンダゾール;
(b)サリチルアニリド系: クロサンテル、オキシクロザニド、ラフォキサニド、ニクロサミド;
(c)置換フェノール系: ニトロキシニル、ニトロスカネート;
(d)ピリミジン系: ピランテル、モランテル;
(e)イミダゾチアゾール系: レバミソール、テトラミソール;
(f)テトラヒドロピリミジン系: プラジカンテル、エプシプランテル;
(g)その他の駆虫薬: シクロジエン、リアニア、クロルスロン、メトロニダゾール、デミジトラズ;ピペラジン、ジエチルカルバマジン、ジクロロフェン、モネパンテル、トリベンジミジン、アミダンテル;チアセタルサミド、メロルサミン、アルセナマイド。
【0117】
本発明の有害生物防除剤と混用または併用することができる、殺菌剤の具体例を以下に示す。
(1)核酸生合成阻害剤:
(a)RNAポリメラーゼI阻害剤: ベナラキシル、ベナラキシル-M、フララキシル、メタラキシル、メタラキシル-M;オキサジキシル;クロジラコン、オフレース;
(b)アデノシンデアミナーゼ阻害剤: ブピリメート、ジメチリモール、エチリモール;
(c)DNA/RNA合成阻害剤: ハイメキサゾール、オクチリノン;
(d)DNAトポイソメラーゼII阻害剤: オキソリン酸。
【0118】
(2)有糸核分裂阻害剤および細胞分裂阻害剤:
(a)β−チューブリン重合阻害剤: ベノミル、カルベンダジム、クロルフェナゾール、フベリダゾール、チアベンダゾール;チオファネート、チオファネートメチル;ジエトフェンカルブ;ゾキサミド;エタボキサム;
(b)細胞分裂阻害剤: ペンシクロン;
(c)スペクトリン様タンパク質の非局在化阻害剤: フルオピコリド。
【0119】
(3)呼吸阻害剤:
(a)複合体I NADH酸化還元酵素阻害剤: ジフルメトリム;トルフェンピラド;
(b)複合体IIコハク酸脱水素酵素阻害剤: ベノダニル、フルトラニル、メプロニル;イソフェタミド;フルオピラム;フェンフラム、フルメシクロックス;カルボキシン、オキシカルボキシン;チフルザミド;ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン;ボスカリド;ピラジフルミド;
(c)複合体IIIユビキノールオキシダーゼQo阻害剤: アゾキシストロビン、クモキシストロビン、クメトキシストロビン、エノキサストロビン、フルフェノキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラオキシストロビン;ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、トリクロピリカルブ;クレソキシム-メチル、トリフロキシストロビン;ジモキシストロビン、フェナミンストロビン、メトミノストロビン、オリサストロビン;ファモキサドン;フルオキサストロビン;フェンアミドン;ピリベンカルブ;マンデストロビン;
(d)複合体IIIユビキノール還元酵素Qi阻害剤: シアゾファミド;アミスルブロム;
(e)酸化的リン酸化の脱共役剤: ビナパクリル、メプチルジノカップ、ジノカップ;フルアジナム;フェリムゾン;
(f)酸化的リン酸化阻害剤(ATP 合成酵素の阻害剤): フェンチンアセテート、塩化フェンチン、水酸化フェンチン;
(g)ATP生産阻害剤: シルチオファム;
(h)複合体III:シトクローム bc1(ユビキノン還元酵素)のQx(未知)阻害剤: アメトクトラジン。
【0120】
(4)アミノ酸およびタンパク質合成阻害剤
(a)メチオニン生合成阻害剤: アンドプリム、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル;
(b)タンパク質合成阻害剤: ブラストサイジン-S;カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩;ストレプトマイシン;オキシテトラサイクリン。
【0121】
(5)シグナル伝達阻害剤:
(a)シグナル伝達阻害剤: キノキシフェン、プロキナジド;
(b)浸透圧シグナル伝達におけるMAP・ヒスチジンキナーゼ阻害剤: フェンピクロニル、フルジオキソニル;クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン。
【0122】
(6)脂質および細胞膜合成阻害剤:
(a)りん脂質生合成、メチルトランスフェラーゼ阻害剤: エジフェンホス、イプロベンホス、ピラゾホス;イソプロチオラン;
(b)脂質の過酸化剤: ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キンドゼン、テクナゼン、トルクロホスメチル;エトリジアゾール;
(c)細胞膜に作用する剤: ヨードカルブ、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、プロパモカルブホセチレート、プロチオカルブ;
(d)病原菌細胞膜を撹乱する微生物: バチルスズブチリス菌、バチルス ズブチリスQST713 株、バチルス ズブチリスFZB24 株、バチルス ズブチリスMBI600 株、バチルス ズブチリスD747株;
(e)細胞膜を撹乱する剤: ゴセイカユプテ(ティーツリー)の抽出物。
【0123】
(7)細胞膜のステロール生合成阻害剤:
(a)ステロール生合成におけるC14位の脱メチル化阻害剤: トリホリン;ピリフェノックス、ピリソキサゾール;フェナリモル、フルルプリミドール、ヌアリモル;イマザリル、イマザリル硫酸塩、オキスポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、ビニコナゾール;アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、フルキンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール;プロチオコナゾール、ボリコナゾール;メフェントリフルコナゾール;
(b)ステロール生合成におけるΔ14還元酵素およびΔ8→Δ7−イソメラーゼの阻害剤:
アルジモルフ、ドデモルフ、ドデモルフ酢酸塩、フェンプロピモルフ、トリデモルフ;フェンプロピジン、ピペラリン;スピロキサミン;
(c)ステロール生合成系のC4位脱メチル化における3-ケト還元酵素阻害剤: フェンヘキサミド;フェンピラザミン;
(d)ステロール生合成系のスクワレンエポキシダーゼ阻害剤: ピリブチカルブ;ナフチフィン、テルビナフィン。
【0124】
(8)細胞壁合成阻害
(a)トレハラーゼ阻害剤: バリダマイシン;
(b)キチン合成酵素阻害剤: ポリオキシン、ポリオクソリム;
(c)セルロース合成酵素阻害剤: ジメトモルフ、フルモルフ、ピリモルフ;ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、トルプロカルブ、バリフェナレート;マンジプロパミド。
【0125】
(9)メラニン生合成阻害剤
(a)メラニン生合成の還元酵素阻害剤: フサライド;ピロキロン;トリシクラゾール;
(b)メラニン生合成の脱水酵素阻害剤: カルプロパミド;ジクロシメット;フェノキサニル。
(c)その他:トルプロカルブ。
【0126】
(10)宿主植物の抵抗性誘導剤:
(a)サリチル酸合成経路に作用する剤: アシベンゾラル-S-メチル;
(b)その他: プロベナゾール;チアジニル;イソチアニル;ラミナリン;オオイタドリ抽出液。
【0127】
(11)作用性が不明な剤: シモキサニル、ホセチルアルミニウム、リン酸(リン酸塩)、テクロフタラム、トリアゾキシド、フルスルファミド、ジクロメジン、メタスルホカルブ、シフルフェナミド、メトラフェノン、ピリオフェノン、ドジン、ドジン遊離塩基、フルチアニル。
【0128】
(12)多作用点を有する剤: 銅(銅塩)、ボルドー液、水酸化銅、銅ナフタレート、酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、硫黄、硫黄製品、多硫化カルシウム;ファーバム、マンコゼブ、マネブ、マンカッパー、メチラム、ポリカーバメート、プロピネブ、チラム、ジネブ、ジラム;キャプタン、カプタホール、フォルペット;クロロタロニル;ジクロフルアニド、トリルフルアニド;グアザチン、イミノクタジン酢酸塩(iminoctadine triacetate)、イミノクタジンアルベシル酸塩(iminoctadine trialbesilate);アニラジン;ジチアノン;キノメチオネート;フルオルイミド。
【0129】
(13)その他の剤: DBEDC、フルオロフォルペット、グアザチンアセテート、ビス(8-キノリノラト)銅(II)、プロパミジン、クロロピクリン、シプロフラム、アグロバクテリウム、ベトキサジン、ジフェニルアミン、メチルイソチアネート(MITC)、ミルデオマイシン、カプサイシン、クフラネブ、シプロスルファミド、ダゾメット、デバカルブ、ジクロロフェン、ジフェンゾクワット、ジフェンゾクワットメチルスルホネート、フルメトベル、ホセチルカルシウム、ホセチルナトリウム、イルママイシン、ナタマイシン、ニトロタールイソプロピル、オキサモカルブ、ピロールニトリン、テブフロキン、トルニファニド、ザリラミド、アルゴフェーズ(Algophase)、アミカルチアゾール(Amicarthiazol)、オキサチアピプロリン(Oxathiapiprolin)、メチラム亜鉛、ベンチアゾール、トリクラミド、ユニコナゾール、ミルデオマイシン、オキシフェンチイン(Oxyfenthiin)、ピカルブトラゾクス(picarbutrazox)、フェンピコキサミド(Fenpicoxamid)、ジクロベンチアゾクス(dichlobentiazox)、キノフメリン(Quinofumelin)。
【0130】
本発明の有害生物防除剤と混用または併用することができる、植物調節剤の具体例を以下に示す。
アブシジン酸、カイネチン、ベンジルアミノプリン、1,3−ジフェニルウレア、ホルクロルフェヌロン、チジアズロン、クロルフェヌロン、ジヒドロゼアチン、ジベレリンA、ジベレリンA4、ジベレリンA7、ジベレリンA3、1−メチルシクロプロパン、N−アセチルアミノエトキシビニルグリシン(別名:アビグリシン)、アミノオキシ酢酸、硝酸銀、塩化コバルト、IAA、4−CPA、クロプロップ、2,4−D、MCPB、インドール−3−酪酸、ジクロルプロップ、フェノチオール、1−ナフチルアセトアミド、エチクロゼート、クロキシホナック、マレイン酸ヒドラジド、2,3,5−トリヨード安息香酸、サリチル酸、サリチル酸メチル、(-)−ジャスモン酸、ジャスモン酸メチル、(+)−ストリゴール、(+)−デオキシストリゴール、(+)−オロバンコール、(+)−ソルゴラクトン、4−オキソ−4−(2−フェニルエチル)アミノ酪酸;エテホン、クロルメコート、メピコートクロリド、ベンジルアデニン、5−アミノレブリン酸。
【0131】
〔外部寄生虫防除剤〕
本発明の外部寄生虫防除剤は、本発明の環状アミン化合物から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有する。本発明の外部寄生虫防除剤は、人獣に害を及ぼす外部寄生虫の防除効果に優れている。
【0132】
外部寄生虫としては、ダニ類、シラミ類、ノミ類、カ、サシバエ、ニクバエなどが挙げられる。
本発明の外部寄生虫防除剤の処理の対象となる宿主動物としては、イヌ、ネコなどの愛玩動物;愛玩鳥;ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなどの家畜;家禽; などの温血動物が挙げられる。その他に、ミツバチ、クワガタムシ、カブトムシが挙げられる。
外部寄生虫は、宿主動物、特には温血動物の中および上に寄生する。詳しくは、宿主動物の背、脇下、下腹部、内股部などに寄生して動物から血液やフケなどの栄養源を得て生息する。
【0133】
本発明の外部寄生虫防除剤は、公知の獣医学的な手法(局所、経口、非経口または皮下投与)で施用することができる。その方法として、錠剤、カプセル、飼料混入などにより動物に経口的に投与する方法; 浸漬液、坐薬、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内など)などにより動物に投与する方法; 油性または水性液剤を噴霧、ポアオン、スポットオンなどにより局所的に投与する方法; 樹脂に外部寄生虫防除剤を練り込み、前記混練物を首輪、耳札などの適当な形状に成形し、それを動物に装着し局所的に投与する方法; などが挙げられる。
【0134】
本発明の外部寄生虫防除剤によって防除可能な外部寄生虫の具体例を以下に示す。
【0135】
(1)ダニ類(Acari)
ワクモ科(Dermanyssidae)のダニ、オオサシダニ科(Macronyssidae)のダニ、トゲダニ科(Laelapidae)のダニ、ヘギダニ科(Varroidae)のダニ、ヒメダニ科(Argasidae)のダニ、マダニ科(Ixodidae)のダニ、キュウセンヒゼンダニ科(Psoroptidae)のダニ、ヒゼンダニ科(Sarcoptidae)のダニ、トリヒゼンダニ科(Knemidokoptidae)のダニ、ニキビダニ科(Demodixidae)のダニ、ツツガムシ科(Trombiculidae)のダニ、クワガタナカセ類等の昆虫寄生性のダニ。
(2)シラミ目(Phthiraptera)
ケモノジラミ科(Haematopinidae)のシラミ、ケモノホソジラミ科(Linognathidae)のシラミ、タンカクハジラミ科(Menoponidae)のハジラミ、チョウカクハジラミ科(Philopteridae)のハジラミ、ケモノハジラミ科(Trichodectidae)のハジラミ。
(3)ノミ目(Siphonaptera)
ヒトノミ科(Pulicidae)のノミ、例えば、イヌノミ属種(Ctenocephalides spp.)の、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ネコノミ(Ctenocephalides felis);
スナノミ科(Tungidae)のノミ、ナガノミ科(Ceratophyllidae)のノミ、ホソノミ科(Leptopsyllidae)のノミ。
(4)カメムシ目(Hemiptera)。
(5)ハエ目(Diptera)の害虫
カ科(Culicidae)のカ、ブユ科(Simuliidae)のブユ、ヌカカ科(Ceratopogonidae)のヌカカ、アブ科(Tabanidae)のアブ、イエバエ科(Muscidae)のハエ、ツエツエバエ科(Glossinidae)のシェシェバエ、ニクバエ科のニクバエ、シラミバエ科(Hippoboscidae)のハエ、クロバエ科(Calliphoridae)のハエ、ヒツジバエ科(Oestridae)のハエ。
【0136】
〔その他の有害生物についての防除剤〕
その他にも、毒針や毒液を持ち、人獣に被害を加える害虫、各種の病原体・病原菌を媒介する害虫、人に不快感を与える害虫(有毒害虫・衛生害虫・不快害虫など)の防除効果に優れている。
以下に、その具体例を示す。
(1)ハチ目(Hymenoptera)の害虫
ミフシババチ科(Argidae)のハチ、タマバチ科(Cynipidae)のハチ、マツハバチ科(Diprionidae)のハチ、アリ科(Formicidae)のアリ、アリバチ科(Mutillidae )のハチ、スズメバチ科(Vespidae)のハチ。
(2)その他の害虫
ゴキブリ類(Blattodea)、シロアリ類(termite)、クモ類(Araneae)、ムカデ類(cetipede)、ヤスデ類(millipede)、甲殻類(crustacea)、南京虫(Cimex lectularius)。
【0137】
〔ナトリウムチャネル阻害剤が適用される疾患又は状態を治療するための医薬品〕
本発明の環状アミン化合物は、ナトリウムチャネル阻害剤としての作用を有する。
ナトリウムチャネルの活性は、イオン流動の測定、膜電位差の測定、及び/又はイオン電流の測定を含む各種のin vitroのアッセイを使用して評価することができる。イオン流動の測定は、持続性種の濃度の変化を測定することによって、又は少量の適当な持続性の放射性トレーサーの移動を追跡することによって測定することができる。膜電位差は、電位感受性蛍光染料で、又は更に鋭敏には、電気生理学的方法で測定することができる。特に、イオン流動の変化は、細胞の、又はナトリウムチャネルを発現している膜の分極(即ち、電位)の変化を決定することによって測定することができる。細胞の分極の変化を決定するための好ましい手段は、電位固定法及びパッチクランプ法である。
【0138】
ナトリウムチャネル阻害剤は、各種の疾病状態の治療において有効であることが報告されており、局所麻酔及び心臓の不斉脈の治療において特別な用途が見出されている。更に、ナトリウムチャネル阻害剤が、急性、慢性、炎症性、神経障害性の疼痛を含む疼痛の治療において有用であることができることも報告されている。
そのため、ナトリウムチャネル阻害剤である本発明の環状化合物は、潜在的に疼痛、特に神経障害性疼痛、炎症性疼痛の疾病の治療に有用である。
神経障害性疼痛の例としては、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、慢性腰痛、幻肢疼痛、癌及び化学療法により生ずる疼痛、慢性骨盤痛、複合性局所疼痛症候群及び関連神経痛が挙げられる。また、神経障害性疼痛の他に、てんかん及び心不整脈の治療に有用である。
本発明は、さらに本発明の環状化合物及び医薬組成物を投与することからなる急性疼痛、慢性疼痛、内臓疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛並びにCNSの障害、例えばてんかん、躁うつ病、うつ病、不安及び双極性障害の治療方法にも有用である。
【0139】
〔製剤処方〕
本発明の有害生物防除剤、殺虫剤、殺ダニ剤、外部寄生虫防除剤の製剤処方を若干示すが、添加物および添加割合は、これら実施例に限定されるべきものではなく、広範囲に変化させることが可能である。製剤処方中の部は重量部を示す。
【0140】
以下に農園芸用および水稲用の製剤処方を示す。
【0141】
(製剤1:水和剤)
本発明の環状アミン化合物40部、珪藻土53部、高級アルコール硫酸エステル4部、およびアルキルナフタレンスルホン酸塩3部を均一に混合して微細に粉砕して、有効成分40%の水和剤を得る。
【0142】
(製剤2:乳剤)
本発明の環状アミン化合物30部、キシレン33部、ジメチルホルムアミド30部、およびポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル7部を混合溶解して、有効成分30%の乳剤を得る。
【0143】
(製剤3:粒剤)
本発明の環状アミン化合物5部、タルク40部、クレー、38部、ベントナイト10部、およびアルキル硫酸ソーダ7部を均一に混合して微細に粉砕後、直径0.5〜1.0mmの粒状に造粒して有効成分5%の粒剤を得る。
【0144】
(製剤4:粒剤)
本発明の環状アミン化合物5部、クレー73部、ベントナイト20部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩1部、およびリン酸カリウム1部をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成分5%の粒剤を得る。
【0145】
(製剤5:懸濁剤)
本発明の環状アミン化合物10部、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル4部、ポリカルボン酸ナトリウム塩2部、グリセリン10部、キサンタンガム0.2部、および水73.8部を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕し、有効成分10%の懸濁剤を得る。
【0146】
以下に外部寄生虫防除剤の製剤処方を示す。
【0147】
(製剤6:顆粒剤)
本発明の環状アミン化合物5部を有機溶媒中で溶解させて溶液を得、前記溶液をカオリン94部およびホワイトカーボン1部の上に噴霧し、次いで溶媒を減圧下蒸発させる。この種の顆粒は動物の餌と混合できる。
【0148】
(製剤7:注入剤)
本発明の環状アミン化合物0.1〜1部とラッカセイ油99〜99.9部を均一に混合し、次いで滅菌フィルターによりろ過滅菌する。
【0149】
(製剤8:ポアオン剤)
本発明の環状アミン化合物5部、ミリスチン酸エステル10部、およびイソプロパノール85部を均一に混合してポアオン剤を得る。
【0150】
(製剤9:スポットオン剤)
本発明の環状アミン化合物10〜15部、パルミチン酸エステル10部、およびイソプロパノール75〜80部を均一に混合してスポットオン剤を得る。
【0151】
(製剤10:スプレー剤)
本発明の環状アミン化合物1部、プロピレングリコール10部、およびイソプロパノール89部を均一に混合してスプレー剤を得る。
【0152】
次に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって何ら制限されるものではない。
【実施例1】
【0153】
5−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボニル)−6−(ジフルオロメチル)−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチノニトリルの製造(化合物番号1−1)
【0154】
(工程1)
2−(エトキシメチレン)−4,4−ジフルオロ−3−オキソブタン酸エチルの合成
【化9】
4,4−ジフルオロアセト酢酸エチル8.3g、オルトぎ酸トリエチル14.8gおよび無水酢酸41.9を混合し、5時間加熱還流した。その後、反応液を減圧濃縮し、目的化合物11.1gを得た。収率100%
1H-NMR (CDCl3,δppm) 1.31(3H,t),1.43(3H,t),4.24-4.35(4H,m),6.20-6.55(1H,m),7.86(1H,s)
【0155】
(工程2)
5−シアノ−2−(ジフルオロメチル)−6−ヒドロキシニコチン酸エチルの合成
【化10】
ナトリウム1.27gをエタノール50mlに溶解させ、氷冷下、シアノ酢酸アミド4.62gを加えた。その後、2−(エトキシメチレン)−4,4−ジフルオロ−3−オキソブタン酸エチル11.1gを加えた。反応液を室温で一晩撹拌し、希塩酸を加え、pHを1にした。析出した結晶をろ過、乾燥することで目的化合物9.94gを得た。収率82%
1H-NMR (CDCl3,δppm) 1.36(3H,t),4.34(2H,q),7.53(1H,t),8.39(1H,s)
【0156】
(工程3)
6−クロロ−5−シアノ−2−(ジフルオロメチル)−ニコチン酸エチルの合成
【化11】
5−シアノ−2−(ジフルオロメチル)−6−ヒドロキシニコチン酸エチル9.94gをジクロロメタン200mlに懸濁させ、氷冷下、N,N−ジメチルホルムアミド0.75g、および塩化オキザリル26gを加えた。その後、3時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順に洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、目的化合物10.8gを得た。収率100%。
1H-NMR (CDCl3,δppm) 1.43(3H,t),4.46(2H,q),7.39(1H,t),8.61(1H,s)
【0157】
(工程4)
5−シアノ−2−(ジフルオロメチル)−6−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチン酸エチルの合成
【化12】
6−クロロ−5−シアノ−2−(ジフルオロメチル)−ニコチン酸エチル3.92gおよび4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸4.28gをトルエン80mlおよび水8mlの混合溶媒に溶解させ、炭酸カリウム4.77gおよびジクロロビス[ジ−t−ブチル(p−ジメチルアミノフェニル)ホスフィノ]パラジウム(II)0.53gを加え、窒素雰囲気下、8時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、水に注加、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、目的化合物5.04gを得た。収率91%。
1H-NMR (CDCl3,δppm) 1.41(3H,t),4.43(2H,q),6.91(1H,t),7.82(2H,d),8.09-8.11(3H,m)
【0158】
(工程5)
5−シアノ−2−(ジフルオロメチル)−6−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチン酸の合成
【化13】
5−シアノ−2−(ジフルオロメチル)−6−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチン酸エチル5.04gをメタノール40mlおよび水20mlの混合溶媒に溶解させ、これに水酸化ナトリウム1.1gを加え、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、希塩酸に注加、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、目的化合物4.42gを得た。収率95%。
1H-NMR (CDCl3,δppm) 6.95(1H,t),7.84(2H,d),8.10-8.13(3H,m)
【0159】
(工程6)
5−(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボニル)−6−(ジフルオロメチル)−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチノニトリルの合成
【化14】
5−シアノ−2−(ジフルオロメチル)−6−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチン酸0.16gをジクロロメタン10mlに懸濁させ、4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン0.2g、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン0.11gおよび1−[3−(ジエチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩0.18gを加え、室温にて一晩撹拌した。反応液を氷水に注加し、クロロホルムで抽出した。水および飽和食塩水で順に洗浄した。その後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、目的化合物0.1gを得た。収率40%
1H-NMR (CDCl3,δppm) 1.66-2.16(4H,m),3.34-3.43(2H,m),3.65-3.73(1H,m),4.67-4.77(1H,m),6.86(1H,t),7.33-7.42(4H,m),7.82(2H,d),8.10-8.12(3H,m)
【実施例2】
【0160】
(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(6−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ピリジン−3−イル)メタノンの製造(化合物番号2−1)
【0161】
(工程1)
6−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ニコチン酸メチルの合成
【化15】
4−トリフルオロメチルフェノール3.24gをジメチルスルホキシド30mlに溶解させ、氷冷下、60%水素化ナトリウム0.88gを加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、氷冷下、6−クロロニコチン酸メチル3.43gを加え、70℃にて一晩撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水に注加、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。その後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、目的化合物5.36gを得た。収率90%。
1H-NMR (CDCl3,δppm) 3.92(3H,s),7.01(1H,d),7.26(2H,d),7.67(2H,d),8.32(1H,d),8.80(1H,s)
【0162】
(工程2)
6−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ニコチン酸の合成
【化16】
6−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ニコチン酸メチル5.36gをメタノール30mlおよび水15mlの混合溶媒に溶解させ、水酸化ナトリウム0.87gを加え、室温下で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、次いで希塩酸に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。その後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、目的化合物4.59gを得た。収率90%。
1H-NMR (CDCl3,δppm) 7.04(1H,d),7.30(2H,d),7.70(2H,d),8.36(1H,d),8.85(1H,s)
【0163】
(工程3)
(4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)(6−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ピリジン−3−イル)メタノンの合成
【化17】
6−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ニコチン酸0.3gをジクロロメタン15mlに懸濁させ、これに4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン0.34g、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン0.19gおよび1−[3−(ジエチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩0.3gを加え、室温にて一晩撹拌した。反応液を氷水に注加し、クロロホルムで抽出した。水および飽和食塩水で順に洗浄した。その後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、目的化合物0.46gを得た。収率91%
1H-NMR (CDCl3,δppm) 1.66-2.19(4H,m),3.23-3.79(3H,m),4.56-4.71(1H,m),7.03(1H,d),7.25-7.40(6H,m),7.67(2H,d),7.86(1H,d),8.27(1H,s)
【実施例3】
【0164】
5−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−6−ジフルオロメチル−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチノニトリルの製造
【0165】
(工程1)
ターシャリーブチル4−(N−ヒドロキシアミジン)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
【化18】
ヒドロキシアミン塩酸塩5.0gを水24mlに溶解させ、これに炭酸ナトリウム12.6gを加え、メタノール24mlとターシャリーブチル4−シアノピペリジン−1−カルボキシレート5.0gを加え、次いで3.5時間加熱還流した。その後、反応液を減圧下で濃縮し、酢酸エチルで抽出して、抽出物を飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、目的化合物5.51gを得た。収率95%。
1H-NMR (CD3OD,δppm) 4.11(2H,d),2.71-2.80(2H,m),2.19-2.28(1H,m),1.72(2H,d),1.53-1.62(2H,m),1.45(9H,s)
【0166】
(工程2)
ターシャリーブチル4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
【化19】
ターシャリーブチル4−(N−ヒドロキシアミジン)ピペリジン−1−カルボキシレート5.0gをN,N−ジメチルホルムアミド70mlに溶解させた。これに無水酢酸2.9mlを加え、室温にて1時間撹拌し、次いで100℃で2.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水に注加した。それを酢酸エチルで抽出し、抽出物を飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、目的化合物4.08gを得た。収率74%。
1H-NMR (CDCl3,δppm) 4.10-4.17(2H,m),2.87-2.97(3H,m),2.58(3H,s),1.96(2H,d),1.70-1.80(2H,m),1.47(9H,s)
【0167】
(工程3)
5−メチル−3−(ピペリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール・塩酸塩の合成
【化20】
ターシャリーブチル4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート4.08gを1,4−ジオキサン38mlに溶解させた。これに4M塩酸1,4−ジオキサン溶液19mlを加え、室温にて一晩撹拌した。その後、反応液を減圧下で濃縮し、目的化合物2.15gを得た。収率84%。
1H-NMR (CDCl3,δppm) 3.41-3.46(2H,m),3.11-3.17(3H,m),2.58(3H,s),2.20-2.40(4H,m)
【0168】
(工程4)
5−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボニル)−6−ジフルオロメチル−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチノニトリルの合成
【化21】
5−シアノ−2−(ジフルオロメチル)−6−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチン酸をジクロロメタン11mlに溶解させた。これに、氷冷下、N,N−ジメチルホルムアミド0.02g、および塩化オキサリル0.29mlを加えた。その後、室温にて30分間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をジクロロメタン11mlに溶解させた。これに、氷冷化、5−メチル−3−(ピペリジン−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール0.41g、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン0.03g、およびトリエチルアミン0.94mlを加え、室温にて1.5時間撹拌した。その後、反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、目的化合物0.86gを得た。収率78%。
1H-NMR (CDCl3,δppm) 8.14(3H,m),7.84(2H,d),6.84(1H,t)4.50-4.70(1H,m),3.55(1H,d),3.10-3.32(3H,m),2.60(3H,s),2.19-2.23(1H,m),1.81-2.05(3H,m)
【0169】
前記の実施例と同様の方法で製造した本発明化合物の一部を第1表〜第4表に示す。第1表は式(I-1)で表される化合物の置換基を示す。第2表は式(I-2)で表される化合物の置換基を示す。第11表は式(I-3)で表される化合物の置換基を示す。第4表は式(I-4)で表される化合物の置換基を示す。表中には、各化合物の物性として、性状、融点(m.p.)または屈折率(nD)を併せて示す。
尚、式中のAr、X1、n、X2a、X2b、R〜Rは上記と同様の意味を示す。A’は、窒素原子、CH、またはC−X2cを示す(X2cは上記と同様の意味を示す。)。表中のMeはメチル基を、Etはエチル基を、nPrはノルマルプロピルを、iPrはイソプロピルを、cPrはシクロプロピルを、nBuはノルマルブチル基を、それぞれ示す。
【0170】
【化22】
【0171】
【表1】
【0172】
【表2】
【0173】
【表3】
【0174】
【表4】
【0175】
【表5】
【0176】
【表6】
【0177】
【表7】
【0178】
【表8】
【0179】
【表9】
【0180】
【表10】
【0181】
【表11】
【0182】
【表12】
【0183】
【表13】
【0184】
【表14】
【0185】
【表15】
【0186】
【表16】
【0187】
【表17】
【0188】
【表18】
【0189】
【化23】
【0190】
【表19】
【0191】
【化24】
【0192】
【表20】
【0193】
【表21】
【0194】
【表22】
【0195】
【表23】
【0196】
【表24】
【0197】
【表25】
【0198】
【化25】
【0199】
【表26】
【0200】
第1表〜第4表に示した化合物のうち、粘性オイルまたはアモルファスの物性の化合物については1H−NMR(CDCl3)を測定した。第5表にその測定値を示す。
【0201】
【表27】
【0202】
【表28】
【0203】
【表29】
【0204】
【表30】
【0205】
【表31】
【0206】
【表32】
【0207】
【表33】
【0208】
【表34】
【0209】
【表35】
【0210】
【表36】
【0211】
【表37】
【0212】
【表38】
【0213】
【表39】
【0214】
【表40】
【0215】
【表41】
【0216】
【表42】
【0217】
【表43】
【0218】
〔生物試験〕
本発明化合物が、殺虫剤、殺ダニ剤または外部寄生虫防除剤の有効成分として有用であることを以下の試験例で示す。
【0219】
(試験用乳剤の調製)
本発明化合物5重量部、ジメチルホルムアミド93.6重量部、およびポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.4重量部を混合し溶解させて、有効成分5%の乳剤(I)を調製した。
【0220】
(試験例1)アワヨトウに対する効力試験
市販の人工飼料(インセクタLFS、日本農産工業社製)0.8gと乳剤(I)1μlをよく混和し、プラスチック製試験容器(1.4ml容)に各処理区当り0.2gを詰めて試験用飼料とした。
アワヨトウ2齢幼虫を各処理区当り2頭接種し、プラスチック製の蓋で密閉した。それを25℃の恒温室内に置き、5日目に殺虫率と摂食量を調べた。試験は2反復で行った。
【0221】
第6表の化合物について、アワヨトウに対する効力試験を行った。いずれの化合物もアワヨトウに対して、殺虫率が100%または摂食量が対溶媒対照区比で10%以下であり、有効であった。
【0222】
【表44】
【0223】
【表45】
【0224】
(試験例2)ハスモンヨトウに対する効力試験
乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が125ppmになるように水で希釈した。キャベツ葉を前記希釈液に30秒間浸漬した。このキャベツ葉を、シャーレに入れ、ハスモントウ2齢幼虫5頭を放した。シャーレを温度25℃、湿度60%の恒温室内に置いた。放虫から6日間経過したときに生死判定を行い、殺虫率を算出した。試験は2反復で行った。
【0225】
第7表の化合物について、ハスモンヨトウに対する効力試験を行った。いずれの化合物もハスモンヨトウに対して80%以上の殺虫率を示した。
【0226】
【表46】
【0227】
(試験例3) ナミハダニに対する効力試験
3寸鉢でインゲンを育苗し、初生葉上に、青森県産のナミハダニ雌成虫を8頭接種した。乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が125ppmになるように水で希釈した。前記希釈液を前記インゲンに散布した。前記インゲンを、温度25℃、湿度65%の恒温室内に置いた。散布から10日経過したときにダニの生死を調査した。試験は2反復で行った。
【0228】
第8表の化合物について、ナミハダニに対する効力試験を行った。いずれの化合物も90%以上の殺虫率を示した。
【0229】
【表47】
【0230】
【表48】
【0231】
(試験例4)ナミハダニに対する効力試験(浸根処理)
乳剤(I)を本発明化合物が31ppmになるように水で希釈した。前記希釈液に、あらかじめ根を洗浄したインゲン幼苗の根部を、浸漬した。4日後にナミハダニ雌成虫を10頭接種し、温度25℃、湿度60%の恒温室内に置いた。接種から14日経過したときにダニの生存虫数を調査し、以下の式により防除率を求めた。
防除率(%)=100-{(Nt)/(Nc)×100}
Nt:処理区における生存虫数; Nc:無処理区における生存虫数
【0232】
第9表の化合物について、ナミハダニに対する効力試験(浸根処理)を行った。いずれの化合物も90%以上の防除率を示した。
【0233】
【表49】
【0234】
(試験例5)ナミハダニに対する効力試験(土壌灌注処理)
乳剤(I)を本発明化合物が500ppmになるように水で希釈した。セル植えインゲン幼苗に前記希釈液4mlを株元灌注し、温度25℃、湿度60%の恒温室内に置いた。4日後に前記インゲンを三寸鉢に植え替え、ナミハダニ雌成虫を10頭接種し、温度25℃、湿度60%の恒温室内に置いた。接種から14日経過したときにダニの生存虫数を調査し、以下の式により防除率を求めた。
防除率(%)=100-{(Nt)/(Nc)×100}
Nt:処理区における生存虫数; Nc:無処理区における生存虫数
【0235】
第10表の化合物について、ナミハダニに対する効力試験(土壌灌注処理)を行った。いずれの化合物も90%以上の防除率を示した。
【0236】
【表50】
【0237】
本発明化合物の中から無作為に選択したものが、上記のような効果を奏することから、本発明化合物は、例示しきれなかった化合物を含め、有害生物防除、特に殺虫、殺ダニ、外部寄生虫防除などの効果を有し、植物体に薬害を生じることがなく、人畜魚類に対する毒性や環境への影響が少ない化合物であることが理解できる。
【産業上の利用可能性】
【0238】
有害生物防除活性、その中でも特に殺虫活性および/または殺ダニ活性に優れ、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成できる環状アミン化合物、ならびにこれを有効成分として含有する有害生物防除剤を提供することができる。