特許第6710549号(P6710549)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6710549エレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6710549
(24)【登録日】2020年5月29日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】エレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/08 20060101AFI20200608BHJP
【FI】
   B66B13/08 D
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-45836(P2016-45836)
(22)【出願日】2016年3月9日
(65)【公開番号】特開2017-160002(P2017-160002A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2018年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 幸男
【審査官】 加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−176170(JP,U)
【文献】 特開2015−147645(JP,A)
【文献】 特開平07−277465(JP,A)
【文献】 特開平08−217334(JP,A)
【文献】 特開平06−345357(JP,A)
【文献】 特開平08−192970(JP,A)
【文献】 米国特許第04511348(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/00− 13/30
B66B 7/00− 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ乗場に設置された乗場扉のうち、一方の乗場扉が乗りかご扉に従動して開閉するように設けられ、この開閉動作を連動ロープにより他方の乗場扉に連動させるエレベータ乗場扉における前記連動ロープの張力付与装置において、
前記連動ロープに接触する2つのプーリを有するプーリ対と、
前記プーリを前記連動ロープに押し当てて前記連動ロープに張力を付与する張力付与機構と、
前記プーリが前記連動ロープに作用させる押圧力を検出する検出部と、
前記押圧力が予め設定した値となるように、前記張力付与機構を制御する制御部と、
前記プーリ対を両端部で軸支する細長い揺動アームと、
前記揺動アームを回転駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動部は、前記揺動アームの中心部に固定された駆動軸を有するモータを含んでいることを特徴とする、
エレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置。
【請求項2】
エレベータ乗場に設置された乗場扉のうち、一方の乗場扉が乗りかご扉に従動して開閉するように設けられ、この開閉動作を連動ロープにより他方の乗場扉に連動させるエレベータ乗場扉における前記連動ロープの張力付与装置において、
前記連動ロープに接触する2つのプーリを有するプーリ対と、
前記プーリを前記連動ロープに押し当てて前記連動ロープに張力を付与する張力付与機構と、
前記張力付与機構が前記プーリを介して前記連動ロープに作用させるトルクを検出する検出部と、
前記検出部の検出するトルクに基づいて前記張力付与機構が前記連動ロープに作用させている押圧力を算出し、当該押圧力が予め設定した値となるように、前記張力付与機構を制御する制御部と、
前記プーリ対を両端部で軸支する細長い揺動アームと、
前記揺動アームを回転駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動部は、前記揺動アームの中心部に固定された駆動軸を有するモータを含んでいることを特徴とする、
エレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置。
【請求項3】
エレベータ乗場に設置された乗場扉のうち、一方の乗場扉が乗りかご扉に従動して開閉するように設けられ、この開閉動作を連動ロープにより他方の乗場扉に連動させるエレベータ乗場扉における前記連動ロープの張力付与装置において、
前記連動ロープに接触する2つのプーリを有するプーリ対と、
前記プーリを前記連動ロープに押し当てて前記連動ロープに張力を付与する張力付与機構と、
前記連動ロープの上下方向の位置を検出する検出部と、
前記検出部の検出する前記連動ロープの位置が予め設定した上下方向の位置となるように、前記張力付与機構を制御する制御部と、
前記プーリ対を両端部で軸支する細長い揺動アームと、
前記揺動アームを回転駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動部は、前記揺動アームの中心部に固定された駆動軸を有するモータを含んでいることを特徴とする、
エレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置。
【請求項4】
エレベータ乗場に設置された乗場扉のうち、一方の乗場扉が乗りかご扉に従動して開閉するように設けられ、この開閉動作を連動ロープにより他方の乗場扉に連動させるエレベータ乗場扉における前記連動ロープの張力付与装置において、
前記連動ロープに接触するプーリと、
前記プーリを前記連動ロープに押し当てて前記連動ロープに張力を付与する張力付与機構と、
前記プーリが前記連動ロープに作用させる押圧力を検出する検出部と、
前記押圧力が予め設定した値となるように、前記張力付与機構を制御する制御部と、
モータと、
前記モータの駆動軸に固定されたピニオンギアと、
前記ピニオンギアを介して前記モータに駆動されるラックギアと、
を備え、
前記プーリは、前記ラックギアの上端部に回転自在に支持されていることを特徴とする、
エレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置。
【請求項5】
エレベータ乗場に設置された乗場扉のうち、一方の乗場扉が乗りかご扉に従動して開閉するように設けられ、この開閉動作を連動ロープにより他方の乗場扉に連動させるエレベータ乗場扉における前記連動ロープの張力付与装置において、
前記連動ロープに接触するプーリと、
前記プーリを前記連動ロープに押し当てて前記連動ロープに張力を付与する張力付与機構と、
前記連動ロープの上下方向の位置を検出する検出部と、
前記検出部の検出する前記連動ロープの位置が予め設定した上下方向の位置となるように、前記張力付与機構を制御する制御部と、
モータと、
前記モータの駆動軸に固定されたピニオンギアと、
前記ピニオンギアを介して前記モータに駆動されるラックギアと、
を備え、
前記プーリは、前記ラックギアの上端部に回転自在に支持されていることを特徴とする、
エレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ乗場の乗場扉のうち、一方の乗場扉の開閉動作に他方の乗場扉を連動させる連動ロープに張力を付与する張力付与装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータ乗場に設置されている乗場扉は、当該乗場階に乗りかごが停止したときに一方の乗場扉が乗りかご扉に従動して開閉するように構成されている。また、他方の乗場扉は、連動ロープを介して一方の乗場扉の開閉動作に連動するように構成されている。この連動ロープは、乗場扉の開閉動作が繰り返し行われることによって徐々に伸び、やがて弛みが生じる。このため、エレベータの保守点検時には、連動ロープが伸びていないか確認する作業が行われる。そして、連動ロープの伸びが大きい場合には連動ロープのロープ長の調整や、連動ロープの交換が行われ、乗場扉の異常戸開が防止される。
【0003】
特許文献1には、この連動ロープの弛みを防止するために連動ロープの端末部にスプリングを装着し、このスプリングの弾性力によって連動ロープに張力を付与する張力付与装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−265105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された張力付与装置では、スプリングの弾性力を利用して連動ロープに張力を付与するため、連動ロープの伸びに対応して一定の張力を付与することができない。すなわち、ロープの伸びが少なくロープの全長が短いときほど大きな弾性力を連動ロープに作用させてしまうばかりでなく、当該弾性力により反って連動ロープの伸びを促進してしまうという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、連動ロープに一定の張力を付与することで連動ロープの伸びを軽減しつつ連動ロープの弛みを防止できるエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置は、エレベータ乗場に設置された乗場扉のうち、一方の乗場扉が乗りかご扉に従動して開閉するように設けられ、この開閉動作を連動ロープにより他方の乗場扉に連動させるエレベータ乗場扉における連動ロープの張力付与装置において、連動ロープに接触する2つのプーリを有するプーリ対と、プーリを連動ロープに押し当てて連動ロープに張力を付与する張力付与機構と、プーリが連動ロープに作用させる押圧力を検出する検出部と、押圧力が予め設定した値となるように、張力付与機構を制御する制御部と、プーリ対を両端部で軸支する細長い揺動アームと、揺動アームを回転駆動する駆動部と、を備え、駆動部は、揺動アームの中心部に固定された駆動軸を有するモータを含んでいるものである。
【0008】
本発明の別態様に係るエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置は、エレベータ乗場に設置された乗場扉のうち、一方の乗場扉が乗りかご扉に従動して開閉するように設けられ、この開閉動作を連動ロープにより他方の乗場扉に連動させるエレベータ乗場扉における連動ロープの張力付与装置において、連動ロープに接触する2つのプーリを有するプーリ対と、プーリを連動ロープに押し当てて連動ロープに張力を付与する張力付与機構と、張力付与機構がプーリを介して連動ロープに作用させるトルクを検出する検出部と、検出部の検出するトルクに基づいて張力付与機構が連動ロープに作用させている押圧力を算出し、当該押圧力が予め設定した値となるように、張力付与機構を制御する制御部と、プーリ対を両端部で軸支する細長い揺動アームと、揺動アームを回転駆動する駆動部と、を備え、駆動部は、揺動アームの中心部に固定された駆動軸を有するモータを含んでいるものである。
【0009】
本発明の他の態様に係るエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置は、エレベータ乗場に設置された乗場扉のうち、一方の乗場扉が乗りかご扉に従動して開閉するように設けられ、この開閉動作を連動ロープにより他方の乗場扉に連動させるエレベータ乗場扉における連動ロープの張力付与装置において、連動ロープに接触する2つのプーリを有するプーリ対と、プーリを連動ロープに押し当てて連動ロープに張力を付与する張力付与機構と、連動ロープの上下方向の位置を検出する検出部と、検出部の検出する連動ロープの位置が予め設定した上下方向の位置となるように、張力付与機構を制御する制御部と、プーリ対を両端部で軸支する細長い揺動アームと、揺動アームを回転駆動する駆動部と、を備え、駆動部は、揺動アームの中心部に固定された駆動軸を有するモータを含んでいるものである。
【0010】
本発明の更なる態様に係るエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置は、エレベータ乗場に設置された乗場扉のうち、一方の乗場扉が乗りかご扉に従動して開閉するように設けられ、この開閉動作を連動ロープにより他方の乗場扉に連動させるエレベータ乗場扉における連動ロープの張力付与装置において、連動ロープに接触するプーリと、プーリを連動ロープに押し当てて連動ロープに張力を付与する張力付与機構と、プーリが連動ロープに作用させる押圧力を検出する検出部と、押圧力が予め設定した値となるように、張力付与機構を制御する制御部と、モータと、モータの駆動軸に固定されたピニオンギアと、ピニオンギアを介してモータに駆動されるラックギアと、を備え、プーリは、ラックギアの上端部に回転自在に支持されているものである。本発明の別の更なる態様に係るエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置は、エレベータ乗場に設置された乗場扉のうち、一方の乗場扉が乗りかご扉に従動して開閉するように設けられ、この開閉動作を連動ロープにより他方の乗場扉に連動させるエレベータ乗場扉における連動ロープの張力付与装置において、連動ロープに接触するプーリと、プーリを連動ロープに押し当てて連動ロープに張力を付与する張力付与機構と、連動ロープの上下方向の位置を検出する検出部と、検出部の検出する連動ロープの位置が予め設定した上下方向の位置となるように、張力付与機構を制御する制御部と、モータと、モータの駆動軸に固定されたピニオンギアと、ピニオンギアを介してモータに駆動されるラックギアと、を備え、プーリは、ラックギアの上端部に回転自在に支持されているものである。本発明に係るエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置は、上記いずれかの構成に係る張力付与装置において、制御部は、モータの回転量が予め設定した大きさに到達した場合に、連動ロープの異常を報知することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様に係るエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置によれば、張力付与機構がプーリを介して連動ロープに作用させる押圧力が予め設定した値となるように張力付与機構を制御することができる。このため、張力付与機構を介して連動ロープに一定の大きさの張力を付与することができる。これにより、連動ロープの無用な伸びを軽減しつつ、連動ロープに張力を付与して連動ロープの弛みを防止することができる。
【0012】
本発明の別態様に係るエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置によれば、検出部の検出するトルクに基づいて張力付与機構が連動ロープに作用させている押圧力を算出し、当該押圧力が予め設定した値となるように張力付与機構を制御することができる。このため、張力付与機構を介して連動ロープに一定の大きさの張力を付与することができる。これにより、連動ロープの無用な伸びを軽減しつつ、連動ロープに張力を付与して連動ロープの弛みを防止することができる。
【0013】
本発明の他の態様に係るエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置によれば、検出部の検出する連動ロープの上下方向の位置が予め設定した上下方向の位置となるように張力付与機構を制御することができる。これにより、張力付与機構を介して連動ロープに一定の大きさの張力を付与することができる。これにより、連動ロープの無用な伸びを軽減しつつ、連動ロープに張力を付与して連動ロープの弛みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態であるエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置が適用されるエレベータの全体構成図である。
図2図1に示す乗場扉の構成を示す図である。
図3図3(a)は張力付与装置に含まれる張力付与機構の正面図であり、図3(b)は張力付与機構の上面視における構成を示す図である。
図4図4(a)は連動ロープの伸びが殆ど無い場合における張力付与機構の回転動作を示し、図4(b)は連動ロープが多少伸びてきた場合における張力付与機構の回転動作を示し、図4(c)は連動ロープの伸びが大きくなった場合における張力付与機構の回転動作を示す図である。
図5図5(a)は本発明における第1実施形態の変形例である張力付与装置を示す図であり、図5(b)は図5(a)に示すB-B断面図である。
図6図5(a)に示すC方向から見た張力付与機構の側面図である。
図7】本発明の第2実施形態である張力付与装置に含まれる張力付与機構の上面視における構成を示す図である。
図8】本発明の第3実施形態である張力付与装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態であるエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置が適用されるエレベータ10の全体構成図である。図1に示すように、エレベータ10は、昇降路11を昇降する乗りかご12と、乗りかご12を昇降させる巻上機13とを備えている。乗りかご12は、行先階釦等が設けられた操作パネル14と、かご扉15とを備えている。各階の乗場H1〜H3には、かご扉15と対向するように乗場扉21,22,23が設けられている。巻上機13は、昇降路11の直上方の機械室Mに設置されており、主ロープ18を介して乗りかご12を昇降させる。機械室Mには、乗りかご12の運転を制御する制御部20が設置されている。制御部20は、各階乗場H1〜H3に設置されているかご呼び釦22a,22b,22cや乗りかご12の行先階釦等の操作に基づいて巻上機13を回転駆動させることで乗りかご12を昇降させる。また、制御部20は、後述する張力付与装置の一部を構成する。
【0017】
図2は、乗場扉23の構成を示す図である。図2に示すように、乗場扉23は、右扉24および左扉26からなる左右両開き式のドアである。各扉24,26の構成は同様であるため、以下の説明では、右扉24の構成について説明するものとし、左扉26については適宜説明を省略する。右扉24は、乗降口の直上方に設置されたハンガーレール28にドアハンガー29を介して吊り下げられている。ドアハンガー29は、右扉24の上部に取り付けられた板状部材である。ドアハンガー29は、左右両端に回転ローラ29a,29bを有しており、この回転ローラ29a,29bを介してハンガーレール28に移動可能に支持されている。また、右扉24には、かご扉15の駆動用突出部(不図示)が係合される係合部24aが設けられている。これにより、乗場扉23に対向する位置に乗りかご12が停止した状態で、かご扉15の開閉動作に右扉24を連動して開閉させることができる。また、右扉24には、インターロック機構30が設けられている。インターロック機構30は、ドアハンガー29に取り付けられた係合アーム30aと、乗降口における中央部の直上方に設置された係合部30bとを有している。このインターロック機構30は、乗りかご12が右扉24に対向する位置に停止していないときに係合アーム30aが係合部30bに係合することで右扉24の異常戸開を防止する役割を有している。
【0018】
図2に示すように、乗場扉23の直上方には、右扉24の開閉動作に左扉26を連動させる連動機構32が設けられている。連動機構32は、ハンガーレール28の左右両端の直上方に配置された返し車34a,34bと、この返し車34a,34bの間にループ状に架け渡された連動ロープ35とから構成されている。返し車34a,34bは、壁面11aに回転自在に支持されている。また、返し車34a,34bの間にループ状に架け渡された連動ロープ35の上側部分35aには、ドアハンガー29に取り付けられた板状の連結金具36aを介して右扉24が連結されている。同様に、連動ロープ35の下側部分35bには、連結金具36bを介して左扉26が連結されている。上記構成により、右扉24の開閉方向と反対方向に左扉26を連動して移動させることができる。
【0019】
また、図2に示すように、右扉24の連結金具36aには、後述する張力付与装置の一部を構成する検出部37が設けられている。この検出部37は、例えば、ロードセルからなる圧力センサを含み、連結金具36aと連動ロープ35との間に介装されている。この検出部37は、連動ロープ35の張力を検出する、換言すると、連動ロープ35に作用する押圧力を検出する機能を有している。検出部37は、有線または無線接続により、制御部20に電気的に接続されている。また、フィルム状の圧電素子からなる圧力センサを返し車34aにおける連動ロープ35との接触面に貼り付けて検出部として用いてもよい。
【0020】
右扉24は、左右両下端部にスライドシュー38a,38bが取り付けられている。スライドシュー38a、38bは、敷居溝39に沿ってスライド移動可能に取り付けられており、右扉24が開閉する際に右扉24の揺れを抑制する機能を有している。
【0021】
図2に示すように、張力付与装置40は、返し車34aに隣接する連動ロープ35の上側部分35aに取り付けられており、連動ロープ35に一定の張力を付与する機能を有している。張力付与装置40は、連動ロープ35に接触するプーリ対42a,42bと、プーリ対42a,42bを連動ロープ35に押し当てて連動ロープ35に張力を付与する壁面11aに固定支持された張力付与機構45と、を備えている。
【0022】
続いて、図3(a)および図3(b)をさらに参照しつつプーリ対42a,42bおよび張力付与機構45の構成について説明する。図3(a)はプーリ対42a,42bおよび張力付与機構45の正面図であり、図3(b)はプーリ対42a,42bおよび張力付与機構45の上面視における構成を示す図である。図3(a)および図3(b)に示すように、プーリ対42a,42bは、連動ロープ35が接触する外周溝が略U字状に形成されており、左側のプーリ42aが下側から連動ロープ35に接触し、右側のプーリ42bが上側から連動ロープ35に接触するように配置されている。これにより、連動ロープ35に押圧力を作用させて連動ロープ35を略S字状に湾曲させることができる。
【0023】
図3(a)および図3(b)に示すように、張力付与機構45は、プーリ対42a,42bを両端で軸支する細長い略直方体状の揺動アーム46と、揺動アーム46を回転駆動する駆動部47とを有している。駆動部47は、略円筒状の外形を有し、昇降路11の壁面11aに固定されている。駆動部47は、揺動アーム46の中心部に固定された駆動軸48aを有するモータ48を含んでいる。モータ48は、プーリ対42a,42bを連動ロープ35に押し当てる方向である回転方向A、または、反対方向に揺動アーム46を回転させる機能を有している。モータ48には、例えば、磁気ブレーキ付きステッピングモータを用いることが好適である。これにより、停電等の非通電状態になった場合に外力が駆動軸48aに作用しても、非通電時には磁気ブレーキが作動しているため駆動軸48aの回転位置が保持される。このため、停電時等においても揺動アーム46の回転位置を正確に維持することができる。
【0024】
さらに、張力付与装置40は、上述した制御部20および検出部37(図2参照)を備えている。制御部20は、検出部37の検出するプーリ対42a,42bの押圧力が予め設定した値となるように張力付与機構45を制御する。より具体的には、制御部20は、張力付与機構45に含まれるモータ48を回転駆動してプーリ対42a,42bの位置を調節することで、上記押圧力が予め設定した値となるようにモータ48の回転を制御する。すなわち、検出部37の検出する押圧力が予め設定した値よりも小さければ、制御部20は検出部37の検出する押圧力が予め設定した値となるまで図3(a)に示す回転方向Aに揺動アーム46を回転させる。反対に、制御部20は、検出部37の検出する押圧力が予め設定した値よりも大きければ、検出部37の検出する押圧力が予め設定された値となるまで回転方向Aと反対方向に揺動アーム46を回転させる。このようにして、プーリ対42a,42bが連動ロープ35に作用させる押圧力を一定に保持することができる。
【0025】
また、制御部20は、モータ48の回転量が予め設定した大きさに到達した場合に連動ロープ35の異常を報知する異常信号をエレベータの管理センター43(図2参照)に送信することが好ましい。これにより、伸びの大きい連動ロープ35を速やかに新しいものに交換できる。
【0026】
次に、図4(a)〜図4(c)を用いて張力付与装置40の動作について説明する。図4(a)は連動ロープ35の伸びが殆ど無い状態における張力付与機構45の回転状態を示し、同図(b)は連動ロープ35が多少伸びた状態における張力付与機構45の回転状態を示し、同図(c)は連動ロープ35の伸びが大きく交換時期が迫った状態における張力付与機構45の回転状態を示す図である。図4(a)に示すように、張力付与装置40は、連動ロープ35の伸びが殆ど無い場合には、揺動アーム46を回転方向Aに少しだけ回転させた位置で保持する。すなわち、プーリ対42a,42bを連動ロープ35に少し押し当てるだけで検出部37の検出する押圧力が予め設定した値となる。このため、連動ロープ35は、プーリ対42a,42bによって押圧されるもののほぼ直線状に保持される。このように、連動ロープ35の伸びが殆ど無い状態において、連動ロープ35に不必要に大きな押圧力が作用することがないため連動ロープ35の無用な伸びが抑制される。
【0027】
しかし、図4(b)および図4(c)に示すように、張力付与装置40は、連動ロープ35の伸びが次第に大きくなってくると、その伸びに対応して揺動アーム46を回転方向Aに回転させる。これにより、連動ロープ35の伸び量に応じて連動ロープ35を略S字状に湾曲させて連動ロープ35の伸びを吸収しつつプーリ対42a,42bを介して一定の大きさの押圧力を連動ロープ35に作用させることができる。そして、図4(c)に示すように、モータ48の回転量が予め設定した大きさに到達した場合には、管理センター43に異常信号を送信する。これにより、伸び量の大きい連動ロープ35の交換を促すことができる。
【0028】
本発明に係るエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置40によれば、張力付与機構45がプーリ対42a,42bを介して連動ロープ35に作用させる押圧力が予め設定した値となるように張力付与機構45を制御することができる。このため、張力付与機構45を介して連動ロープ35に一定の大きさの張力を付与することができる。これにより、連動ロープ35の無用な伸びを軽減しつつ、連動ロープ35に張力を付与して弛みを防止することができる。
【0029】
次に、図5図6を用いて上記第1実施形態の変形例である張力付与装置50について説明する。図5(a)は、張力付与装置50の構成を示す図である。図5(b)は、図5(a)に示すB-B断面の部分拡大図である。図6は、図5(a)に示すC方向から見た張力付与機構52の側面図である。図6では、連動ロープ35および支持ローラの図示を省略して示している。以下の説明において、上記第1実施形態の張力付与装置40と構成が共通する部分については適宜説明を省略し、構成の異なる部分についてのみ説明を行うものとする。
【0030】
図5(a),図5(b)および図6に示すように、張力付与装置50は、上記第1実施形態における張力付与機構45に代えて張力付与機構52を備えている。張力付与機構52は、連動ロープ35を下側から支える2つの支持ローラ54a,54bと、この支持ローラ54a,54bの間に配置され、連動ロープ35に上側から接触するプーリ55と、を備えている。各支持ローラ54a,54bは、壁面11aから突き出す支持軸に軸支されている。プーリ55は、ラックギア66の上端部に回転自在に支持されている。
【0031】
張力付与機構52は、モータ48を格納する箱形状の筺体56と、このモータ48の駆動軸48aに固定されたピニオンギア65と、ピニオンギア65を介してモータ48に駆動されるラックギア66とを有している。筺体56は、上下両面に略L字状のブラケット58a,58bを有し、このブラケット58a,58bに挿通されたボルト59a,59bにより昇降路11の壁面11aに固定されている。筺体56は、壁面11aと反対側の面に略U字状の支持金具61が取り付けられている。この支持金具61は、上下両面に貫通孔62,64が設けられており、この貫通孔62,64にラックギア66が上下方向に移動自在に挿通されている。貫通孔62,64の構成は同一であるため、以下の説明では上面の貫通孔62についてのみ説明する。貫通孔62は、図5(b)に示すように、略矩形形状に形成さており、筺体56側およびその反対側にガイド用突出部62a,62bが設けられている。このガイド用突出部62a,62bは、後述するラックギア66のガイド溝に係合して、ラックギア66を上下方向に案内するガイド機能を有している。
【0032】
ピニオンギア65には外周に沿ってギア部65aが形成されている。これに対し、ラックギア66には、ピニオンギア65のギア部65aと噛合するギア部66aがピニオンギア65との対向面に長手方向に沿って形成されている。また、ラックギア66には、上述した支持金具61における貫通孔62のガイド用突出部62a,62bが係合するガイド溝66b,66cが長手方向に沿って設けられている。これにより、ピニオンギア65が回転方向Dあるいは反対方向に回転するのに伴ってラックギア66を上下方向に移動させることができる。
【0033】
上記構成により、モータ48の回転に伴ってラックギア66を上下方向に移動させることで、プーリ55を介して連動ロープ35に作用させる押圧力を調節することができる。
【0034】
続いて、図7および図8を用いて、本発明の第2実施形態および第3実施形態の張力付与装置について順次説明を行う。以下の説明において、上記第1実施形態の張力付与装置40と同一の構成については同一の符号を付して適宜説明を省略し、構成の異なる部分についてのみ説明を行うものとする。
【0035】
図7は、図3(b)と同様に、本発明の第2実施形態である張力付与装置70に含まれるプーリ対42a,42bおよび張力付与機構75の上面視における構成を示す図である。張力付与装置70は、上記第1実施形態における張力付与機構45に代えて張力付与機構75を備えている。この張力付与機構75は、駆動部47の代わりに駆動部77を備え、他の構成は張力付与機構45と同様である。この駆動部77は、昇降路11の壁面11aに固定されており、揺動アーム46の中心部に固定された駆動軸78aを有するモータ78を含んでいる。モータ78は、モータ48と同一の構成を備えている。そして、駆動部77には、モータ78の駆動軸78aに作用するトルク、換言すると、張力付与機構75がプーリ対42a,42bを介して連動ロープ35に作用させるトルクを検出する検出部79が設けられている。制御部20は、検出部79の検出するトルクに基づいて張力付与機構75が連動ロープ35に作用させている押圧力を算出し、この押圧力が予め設定した値となるように、上記第1実施形態における張力付与機構45の場合と同様に張力付与機構75を制御する。これにより、プーリ対42a,42bが連動ロープ35に作用させる押圧力を一定に保持することができる。
【0036】
張力付与装置70によれば、検出部79の検出するトルクに基づいて張力付与機構75が連動ロープ35に作用させている押圧力を算出し、当該押圧力が予め設定した値となるように張力付与機構75を制御することができる。このため、張力付与機構75を介して連動ロープ35に一定の大きさの張力を付与することができる。
【0037】
図8は、本発明の第3実施形態である張力付与装置80の構成を示す図である。張力付与装置80は、上記第1実施形態における検出部37に代えて検出部81を備え、他の構成は張力付与装置40と同一である。検出部81は、連動ロープ35の下側部分35bに近接するように壁面11aに設置されており、連動ロープ35の上下方向位置を検出する位置検出センサである。検出部81は、赤外線等を利用した光電式センサや磁気を利用した磁気式センサ等によって構成される。制御部20は、検出部81の検出する連動ロープ35の位置が予め設定した上下方向の位置となるように張力付与機構45を制御する。すなわち、検出部81の検出する連動ロープ35の位置が予め設定した上下方向位置よりも低い場合は、予め設定した上下方向位置となるまで回転方向A(図3(a)参照)に揺動アーム46を回転させる。反対に、検出部81の検出する連動ロープ35の位置が予め設定した上下方向位置よりも高い場合は、予め設定した上下方向位置となるまで反対方向に揺動アーム46を回転させる。これにより、張力付与機構45を介して連動ロープ35に一定の大きさの張力を付与することができる。
【0038】
なお、本発明に係るエレベータ乗場扉用連動ロープの張力付与装置によれば、上述した実施形態およびその変形例の構成に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等の範囲内で種々の改良や変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0039】
10 エレベータ、20 制御部、21,22,23 乗場扉、24 右扉、26 左
扉、35 連動ロープ、36a,36b 連結金具、37,79,81 検出部、40,50,70,80 張力付与装置、42a,42b,55 プーリ、45,52,75 張力付与機構、48 モータ、H1,H2,H3 乗場。
図1
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図8