【実施例】
【0027】
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。
なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
また、結果については以下の方法で評価した。
【0028】
A.水中油型乳化物の安定性の評価方法
(1)粘度:
水中油型乳化物の粘度の測定は、B型粘度計(株式会社東京計器製)にて、2号ローター、60rpmの条件下で行った。
水中油型乳化物の品温は7℃にて測定した。
(2)ボテテスト:
100ml容ビーカーに、水中油型乳化物50gを入れ、20℃で2時間インキュベートし、その後、重さ7g、直径15mmの球状アルミナセラミックス製ボール4個を入れて、10分間、横型シェーカーを用い、振動させ、水中油型乳化物のボテの発生の有無を確認した。
【0029】
B.水中油型乳化物を起泡させた場合の評価方法
(1)ホイップタイム:
水中油型乳化物200gをホバートミキサー(HOBARTCORPORATION製 MODELN−5)3速(300rpm)にてホイップし、最適起泡状態に達するまでの時間。
(2)オーバーラン:
[(一定容積の水中油型乳化物重量)−(一定容積の起泡後の起泡物重量)]÷(一定容積の起泡後の起泡物重量)×100
(3)保形性:
造花した起泡物を15℃で24時間保存した場合の美しさを調べる。
優れている順に、「A」、「B」、「C」の三段階にて評価をつけた。
(4)離水:
造花した起泡物を15℃で24時間保存した場合の美しさを調べる。
離水がない場合は「なし」、ある場合は「あり」の評価をつけた。
(5)風味・口溶け:
起泡した水中油型乳化物の風味・口溶けを以下の様にそれぞれ5段階で評価した。
風味;良い5〜1悪い
口溶け;良い5〜1悪い
【0030】
(実施例1)
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)25.00部に、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.45部、大豆レシチン0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水74.04部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.45部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.03部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例1に基づく水中油型乳化物を得た。実施例1に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味評価を行った。
【0031】
(実施例2)
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)28.90部に、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.45部、大豆レシチン0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水70.14部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.45部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.03部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例2に基づく水中油型乳化物を得た。実施例2に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味評価を行った。
【0032】
(実施例3)
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)25.00部に、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル(HLB8.4)0.10部、ソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB5.1)0.10部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.30部、ソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB4.9)0.01部、大豆レシチン0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水74.12部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.30部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.03部、ポリオキシエチレンソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB15.0)0.01部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例3に基づく水中油型乳化物を得た。実施例3に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味評価を行った。
【0033】
(実施例4)
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)25.00部に、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル(HLB8.4)0.30部、ソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB5.1)0.30部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)1.00部、ソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB4.9)0.03部、大豆レシチン0.06部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水72.22部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)1.00部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.06部、ポリオキシエチレンソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB15.0)0.03部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例4に基づく水中油型乳化物を得た。実施例4に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。
またホイップしたクリームの風味評価を行った。
【0034】
(実施例5)
パーム核分別油(上昇融点32.5℃)25.00部に、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.45部、大豆レシチン0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水74.04部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.45部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.03部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例5に基づく水中油型乳化物を得た。実施例5に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味評価を行った。
【0035】
(実施例6)
パーム分別油(上昇融点30.0℃)25.00部に、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.45部、大豆レシチン0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水74.04部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.45部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.03部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例6に基づく水中油型乳化物を得た。実施例6に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味評価を行った。
【0036】
実施例1〜6の結果を表1に示す。
【0037】
表1
【0038】
(実施例7)
実施例1の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖15部、ラム酒30部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
【0039】
(実施例8)
実施例1の水中油型乳化物100部に、醤油10部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
【0040】
(実施例9)
実施例1の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖10部、カルピス70部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
【0041】
(実施例10)
実施例1の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖20部、ライムピューレ30部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
【0042】
(実施例11)
実施例1の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖18部、夜店のソーダ5部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
【0043】
実施例7〜11の結果を表2に示す。
表2
【0044】
(比較例1)
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)35.00部に、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.45部、大豆レシチン0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水64.04部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.45部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.03部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例1に基づく水中油型乳化物を得た。実施例1に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味評価を行った。
【0045】
(比較例2)
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)25.00部に、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル(HLB8.4)0.10部、ソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB5.1)0.10部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.35部、ソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB4.9)0.01部、大豆レシチン0.05部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水73.98部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.35部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.05部、ポリオキシエチレンソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB15.0)0.01部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例3に基づく水中油型乳化物を得た。実施例3に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。
またホイップしたクリームの風味評価を行った。
【0046】
(比較例3)
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)25.00部に、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル(HLB8.4)0.50部、ソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB5.1)0.50部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)1.00部、ソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB4.9)0.02部、大豆レシチン0.05部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水71.86部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)1.00部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.05部、ポリオキシエチレンソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB15.0)0.02部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例3に基づく水中油型乳化物を得た。実施例3に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。
またホイップしたクリームの風味評価を行った。
【0047】
比較例1〜3の結果を表3に示す。
【0048】
表3
【0049】
(比較例4)
比較例1の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖15部、ラム酒30部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
【0050】
(比較例5)
比較例2の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖15部、ラム酒30部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
【0051】
(比較例6)
比較例3の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖15部、ラム酒30部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
【0052】
比較例4〜6の結果を表4に示す。
【0053】
表4
【0054】
(実施例12)
(メレンゲを使用しないマシュマロ)
1)氷水で膨潤させた板ゼラチン(12部)をフランボワーズピューレ(45部)、キルシュ(4.5部)、トックブランシュ フランボワーズ(8部)と合わせて湯煎溶解した。
2)実施例1の水中油型乳化物(100部)とグラニュー糖(40部)を合わせて5分立てまでホイップした。
3)さらに2)をホイップしつつ1)を徐々に加えた。
4)丸口金で絞り、メレンゲを使用しないマシュマロ(本発明の含気食品)とした。空気を多く含んだ組織であり卵白を用いた通常のマシュマロに似ているが、通常のマシュマロよりも口溶けの良いものであった。なお、周囲にコンスターチとプードルデコールを1:1混合したものをまぶし、完成品とした。