特許第6711089号(P6711089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6711089
(24)【登録日】2020年6月1日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/00 20060101AFI20200608BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20200608BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20200608BHJP
【FI】
   A47L9/00 F
   A47L9/00 101
   A47L9/28 A
   A47L9/28 U
   A47L5/24 A
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-75718(P2016-75718)
(22)【出願日】2016年4月5日
(65)【公開番号】特開2017-184989(P2017-184989A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2019年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】古山 拓也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 佳寛
(72)【発明者】
【氏名】内田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 優太
(72)【発明者】
【氏名】寺本 昌也
(72)【発明者】
【氏名】浜崎 光将
(72)【発明者】
【氏名】藤田 善行
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 亮介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康之
(72)【発明者】
【氏名】豊田 佳史
(72)【発明者】
【氏名】中村 博史
【審査官】 村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−131224(JP,A)
【文献】 特開2014−200379(JP,A)
【文献】 特開2015−159841(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0136984(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00
A47L 5/24
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引風を発生させる電動送風機と前記電動送風機に電力を供給する第1組蓄電池とを有し車輪を有さないハンディー型掃除機と、
前記ハンディー型掃除機が着脱し得るように設けられ、前記ハンディー型掃除機が電気的に接続されている際に前記電動送風機に電力を供給する第2組蓄電池と車輪とを有した台車と、
車輪を有さない前記ハンディー型掃除機に設けられ、前記第1組蓄電池と、前記ハンディー型掃除機が電気的に接続されている際の前記第2組蓄電池の充電を制御する充電制御部と、
を備えた電気掃除機。
【請求項2】
前記ハンディー型掃除機と前記台車とが電気的に接続されている状態において前記電動送風機を動作させる際に、前記第1組蓄電池に対して前記電動送風機への電力の供給を停止させた状態で前記第2組蓄電池に対して前記電動送風機への電力を供給させ、前記第2組蓄電池の容量が予め設定した容量を下回った際に前記第2組蓄電池に対して前記電動送風機への電力の供給を停止させた状態で前記第1組蓄電池に対して前記電動送風機への電力を供給させる駆動部、
を備えた請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記ハンディー型掃除機と前記台車とが電気的に接続されている状態において前記電動送風機を動作させる際に、前記第1組蓄電池および前記第2組蓄電池の少なくとも一方に対して前記ハンディー型掃除機と前記台車とが電気的に接続されていない状態のときよりも大きな電力を前記電動送風機に供給させる駆動部、
を備えた請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記ハンディー型掃除機と前記台車とが電気的に接続されている状態において前記第1組蓄電池および第2組蓄電池を充電する際に、前記第2組蓄電池の充電を開始させずに前記第1組蓄電池の充電を開始させ、前記第1組蓄電池が予め設定された容量まで充電されてから前記第2組蓄電池の充電を開始させる制御部、
を備えた請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記第1組蓄電池と前記第2組蓄電池とは、同じ組蓄電池である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記第1組蓄電池と前記第2組蓄電池とは、前記ハンディー型掃除機と前記台車とが電気的に接続されている状態において前記電動送風機に対して並列に接続される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記第1組蓄電池と前記第2組蓄電池とは、前記ハンディー型掃除機と前記台車とが電気的に接続されている状態において前記電動送風機に対して直列に接続される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電気掃除機を開示する。当該電気掃除機は、蓄電池を備える。当該電気掃除機において、電動送風機は、蓄電池からの電力を用いて動作する。このため、当該電気掃除機は、外部電源との接続から切り離された状態で使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−353105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電気掃除機は、キャニスター型の電気掃除機である。このため、掃除する場所に応じて電気掃除機の形状を変化させることができない。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、掃除する場所に応じて形状を変化させることができる電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電気掃除機は、吸引風を発生させる電動送風機と前記電動送風機に電力を供給する第1組蓄電池とを有し車輪を有さないハンディー型掃除機と、前記ハンディー型掃除機が着脱し得るように設けられ、前記ハンディー型掃除機が電気的に接続されている際に前記電動送風機に電力を供給する第2組蓄電池と車輪とを有した台車と、車輪を有さない前記ハンディー型掃除機に設けられ、前記第1組蓄電池と、前記ハンディー型掃除機が電気的に接続されている際の前記第2組蓄電池の充電を制御する充電制御部と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
これらの発明によれば、ハンディー型掃除機は、台車から取り外された状態でも台車に取り付けられた状態でも使用され得る。このため、掃除する場所に応じて電気掃除機の形状を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1における電気掃除機の斜視図である。
図2】この発明の実施の形態1における電気掃除機のハンディー型掃除機と台車との斜視図である。
図3】この発明の実施の形態1における電気掃除機のハンディー型掃除機と台車との縦断面図である。
図4】この発明の実施の形態1における電気掃除機のハンディー型掃除機と台車との分解斜視図である。
図5】この発明の実施の形態1における電気掃除機のハンディー型掃除機の斜視図である。
図6】この発明の実施の形態1における電気掃除機の台車の斜視図である。
図7】この発明の実施の形態1における電気掃除機のブロック図である。
図8】この発明の実施の形態1における電気掃除機の回路図である。
図9】この発明の実施の形態2における電気掃除機のブロック図である。
図10】この発明の実施の形態3における電気掃除機の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化又は省略化される。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の斜視図である。図2はこの発明の実施の形態1における電気掃除機のハンディー型掃除機と台車との斜視図である。図3はこの発明の実施の形態1における電気掃除機のハンディー型掃除機と台車との縦断面図である。図4はこの発明の実施の形態1における電気掃除機のハンディー型掃除機と台車との分解斜視図である。図5はこの発明の実施の形態1における電気掃除機のハンディー型掃除機の斜視図である。図6はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の台車の斜視図である。
【0011】
図1から図3において、電気掃除機は、ハンディー型掃除機1と台車2とサクションホース3と接続パイプ4と取手5と操作スイッチ6と吸引パイプ7と吸込口体8とを備える。
【0012】
図3に示すように、ハンディー型掃除機1は、手元スイッチ9と報知装置10と電動送風機11と集塵部12と第1組蓄電池13と制御装置14とを備える。台車2は、ハンディー型掃除機1と電気的に接続され得るように設けられる。台車2は、一対の車輪15と第2組蓄電池16とを備える。
【0013】
図1において、サクションホース3の後端は、台車2の前端に接続される。サクションホース3は、可撓性を有するように蛇腹状に形成される。接続パイプ4の後端は、サクションホース3の前端に接続される。接続パイプ4は、若干折れ曲がって形成される。取手5は、接続パイプ4に設けられる。操作スイッチ6は、取手5に設けられる。吸引パイプ7の後端は、接続パイプ4の前端に接続される。吸引パイプ7は、真直な円筒状に形成される。吸込口体8の幅方向の中央は、吸引パイプ7の前端に接続される。
【0014】
図1において、利用者が取手5を持って掃除する場所に移動すると、台車2は、車輪15の回転により利用者の移動に円滑に追従する。
【0015】
ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続された状態で操作スイッチ6が操作されると、制御装置14(図1においては図示せず)は、操作スイッチ6の操作状態に基づいて第1組蓄電池13(図1においては図示せず)および第2組蓄電池16(図1においては図示せず)の少なくとも一方からの電力を用いて電動送風機11(図1においては図示せず)を動作させる。その結果、吸引風が発生する。
【0016】
当該吸引風により、床面の塵埃は、空気とともに吸込口体8に吸い込まれる。当該塵埃は、空気とともに吸引パイプ7の内部と接続パイプ4の内部とサクションホース3の内部と台車2の内部とを通過して集塵部12に流入する。当該塵埃は、集塵部12により空気と分離される。この際、当該塵埃は、集塵部12に捕集される。これに対し、空気は、集塵部12から電動送風機11に吸い込まれる。その後、当該空気は、ハンディー型掃除機1から排出される。
【0017】
図4から図6に示すように、台車2は、ハンディー型掃除機1が着脱し得るように設けられる。図5に示すように、ハンディー型掃除機1は、吸気口17を備える。ハンディー型掃除機1は、単体においても掃除機として機能する。具体的には、手元スイッチ9が操作されると、制御装置14(図5においては図示せず)は、第1組蓄電池13(図5においては図示せず)からの電力を用いて電動送風機11(図5においては図示せず)を駆動する。その結果、吸引風が発生する。
【0018】
当該吸引風により、塵埃は、空気とともに吸気口17に吸い込まれる。当該塵埃は、空気とともに集塵部12に流入する。当該塵埃は、集塵部12により空気と分離される。この際、当該塵埃は、集塵部12に捕集される。これに対し、空気は、集塵部12から電動送風機11に吸い込まれる。その後、当該空気は、ハンディー型掃除機1から排出される。
【0019】
次に、図7を用いて、第1組蓄電池13と第2組蓄電池16の充電を説明する。
図7はこの発明の実施の形態1における電気掃除機のブロック図である。
【0020】
例えば、制御装置14は、マイコンである。制御装置14は、電動送風機駆動部18と充電電流検出部19と充電電流制御部20と充電制御部21と制御部22とを備える。
【0021】
電動送風機駆動部18は、電動送風機11を駆動する機能を備える。
【0022】
充電電流検出部19は、第1組蓄電池13および第2組蓄電池16の充電電流を検出する機能を備える。充電電流制御部20は、第1組蓄電池13および第2組蓄電池16の充電電流を制御する機能を備える。充電制御部21は、充電電流制御部20に対して第1組蓄電池13および第2組蓄電池16の充電電流の制御を指示する機能を備える。
【0023】
制御部22は、手元スイッチ9の操作状態に基づいて電動送風機駆動部18を制御する機能を備える。制御部22は、手元スイッチ9の操作状態に基づいて充電制御部21を制御する機能を備える。制御部22は、手元スイッチ9の操作状態に基づいて報知装置10を制御する機能を備える。
【0024】
組蓄電池接続切替装置23は、ハンディー型掃除機1の内部に設けられる。組蓄電池接続切替装置23の入力側は、充電電流制御部20の出力側に接続される。組蓄電池接続切替装置23の出力側の一方は、第1組蓄電池13の入力側に接続される。組蓄電池接続切替装置23の出力側の他方は、第2組蓄電池16の入力側に接続される。
【0025】
充電台24は、ハンディー型掃除機1に電気的に接続し得るように設けられる。充電台24は、電源回路25と電源コード26と電源プラグ27とを備える。
【0026】
電源回路25の出力側は、充電電流検出部19の入力側に接続される。電源コード26の出力側は、電源回路25の入力側に接続される。電源プラグ27の出力側は、電源コード26の入力側に接続される。電源プラグ27の入力側は、外部電源に接続される。
【0027】
例えば、ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続されている状態において第1組蓄電池13および第2組蓄電池16を充電する際に、制御部22は、組蓄電池接続切替装置23に対して充電電流制御部20と第2組蓄電池16との接続を切り離した状態で充電電流制御部20と第1組蓄電池13との接続を確保させる。その結果、第1組蓄電池13の充電が開始される。これに対し、第2組蓄電池16の充電は開始されない。
【0028】
その後、第1組蓄電池13が予め設定された容量まで充電されると、制御部22は、組蓄電池接続切替装置23に対して充電電流制御部20と第1組蓄電池13との接続を切り離した状態で充電電流制御部20と第2組蓄電池16との接続を確保させる。その結果、第1組蓄電池13の充電が停止される。これに対し、第2組蓄電池16の充電が開始される。
【0029】
次に、図8を用いて、組蓄電池接続切替装置23の実現回路を説明する。
図8はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の回路図である。
【0030】
図8に示すように、ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続されている状態において、第1組蓄電池13と第2組蓄電池16とは、電動送風機11に対して並列に接続される。
【0031】
第1分圧抵抗28と第2分圧抵抗29とは、電動送風機11に対して第1組蓄電池13と第2組蓄電池16と並列に接続される。電源生成回路30は、電動送風機11に対して第1組蓄電池13と第2組蓄電池16と並列に接続される。電源生成回路30は、電源電圧VCCを生成し得るように設けられる。
【0032】
制御装置14は、電源生成回路30から電源電圧VCCの供給を受け得るように設けられる。制御装置14は、第1分圧抵抗28と第2分圧抵抗29とにより分圧された電圧を検出し得るように設けられる。
【0033】
組蓄電池接続切替装置23は、第1充電制御素子31と第1放電制御素子32と第2充電制御素子33と第2放電制御素子34とを備える。
【0034】
第1充電制御素子31は、NチャネルMOSFETである。第1充電制御素子31は、制御装置14の負極側よりも電動送風機11の負極側において電動送風機11の負極側と第1組蓄電池13の負極側との間の配線に設けられる。第1充電制御素子31のソースは、電動送風機11の負極側の配線に接続される。第1充電制御素子31のドレインは、第1組蓄電池13の負極側の配線に接続される。第1充電制御素子31のゲートは、制御装置14の出力側の配線に接続される。
【0035】
第1放電制御素子32は、NチャネルMOSFETである。第1放電制御素子32は、第1充電制御素子31よりも制御装置14の負極側において電動送風機11の負極側と第1組蓄電池13との負極側との間の配線に設けられる。第1放電制御素子32のソースは、第1組蓄電池13の負極側の配線に接続される。第1放電制御素子32のドレインは、第1充電制御素子31のドレインに接続される。第1放電制御素子32のゲートは、制御装置14の出力側の配線に接続される。
【0036】
第2充電制御素子33は、NチャネルMOSFETである。第2充電制御素子33は、電動送風機11の負極側と第2組蓄電池16との負極側との間の配線に設けられる。第2充電制御素子33のソースは、電動送風機11の負極側の配線に接続される。第2充電制御素子33のドレインは、第2組蓄電池16の負極側の配線に接続される。第2充電制御素子33のゲートは、制御装置14の出力側の配線に接続される。
【0037】
第2放電制御素子34は、NチャネルMOSFETである。第2放電制御素子34は、第2充電制御素子33よりも第2組蓄電池16の負極側において電動送風機11の負極側と第2組蓄電池16との負極側との間の配線に設けられる。第2放電制御素子34のソースは、第2組蓄電池16の負極側の配線に接続される。第2放電制御素子34のドレインは、第2充電制御素子33のドレインに接続される。第2放電制御素子34のゲートは、制御装置14の出力側の配線に接続される。
【0038】
組蓄電池接続切替装置23は、第1充電ゲート抵抗35と第1放電ゲート抵抗36と第2充電ゲート抵抗37と第2放電ゲート抵抗38とを備える。
【0039】
第1充電ゲート抵抗35は、第1充電制御素子31のゲートと制御装置14の出力側との間の配線に設けられる。第1放電ゲート抵抗36は、第1放電制御素子32のゲートと制御装置14の出力側との間の配線に設けられる。第2充電ゲート抵抗37は、第2充電制御素子33のゲートと制御装置14の出力側との間の配線に設けられる。第2放電ゲート抵抗38は、第2放電制御素子34のゲートと制御装置14の出力側との間の配線に設けられる。
【0040】
組蓄電池接続切替装置23は、第1充電保護抵抗39と第1放電保護抵抗40と第2充電保護抵抗41と第2放電保護抵抗42とを備える。
【0041】
第1充電保護抵抗39の一側は、第1充電制御素子31のソースに接続される。第1充電保護抵抗39の他側は、第1充電制御素子31のゲートに接続される。第1放電保護抵抗40の一側は、第1放電制御素子32のソースに接続される。第1放電保護抵抗40の他側は、第1放電制御素子32のゲートに接続される。第2充電保護抵抗41の一側は、第2充電制御素子33のソースに接続される。第2充電保護抵抗41の他側は、第2充電制御素子33のゲートに接続される。第2放電保護抵抗42の一側は、第2放電制御素子34のソースに接続される。第2放電保護抵抗42の他側は、第2放電制御素子34のゲートに接続される。
【0042】
ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続されている状態において充電モードが設定されている際、制御装置14は、第1充電制御素子31と第1放電制御素子32とをON状態にする。制御装置14は、第1充電制御素子31と第1放電制御素子32とをOFF状態にする。その結果、第1組蓄電池13の充電が開始される。これに対し、第2組蓄電池16の充電は開始されない。
【0043】
その後、制御装置14は、第1分圧抵抗28と第2分圧抵抗29とにより分圧された電圧の値に基づいて第1組蓄電池13が予め設定された容量まで充電されたと判定した際に第1放電制御素子32をOFF状態にする。その結果、第1組蓄電池13の充電が停止される。その後、制御装置14は、第1充電制御素子31をOFF状態にする。制御装置14は、第2充電制御素子33と第2放電制御素子34とをON状態にする。その結果、第2組蓄電池16の充電が開始される。第1組蓄電池13及び第2組蓄電池16の容量を判定する手段は分圧抵抗を用いた電圧検出による判定手段で説明したが、充電電流値など他の手段を用いて判定してもよい。
【0044】
ハンディー型掃除機1が台車2に取り付けられた状態で使用される場合、制御装置14は、第1充電制御素子31と第1放電制御素子32と第2充電制御素子33と第2放電制御素子34とを現状の状態に維持する。具体的には、制御装置14は、第1充電制御素子31と第1放電制御素子32とをOFF状態に維持する。制御装置14は、第2充電制御素子33と第2放電制御素子34とをON状態に維持する。その結果、電動送風機11は、第1組蓄電池13から電力の供給を受けずに第2組蓄電池16から電力の供給を受けて動作する。
【0045】
制御装置14は、第1分圧抵抗28と第2分圧抵抗29とにより分圧された電圧の値に基づいて第2組蓄電池16の容量が予め設定された容量を下回ったと判定した際に第2充電制御素子33をOFF状態にする。その後、制御装置14は、第2放電制御素子34をOFF状態にする。制御装置14は、第1充電制御素子31と第1放電制御素子32とをON状態にする。その結果、電動送風機11は、第2組蓄電池16から電力の供給を受けずに第1組蓄電池13から電力の供給を受けて動作する。
【0046】
ハンディー型掃除機1が台車2から取り外された状態で使用される場合、制御装置14は、第1充電制御素子31と第1放電制御素子32とをON状態にする。制御装置14は、第2充電制御素子33と第2放電制御素子34とをOFF状態にする。その結果、電動送風機11は、第1組蓄電池13から電力の供給を受けて動作する。
【0047】
以上で説明した実施の形態1によれば、ハンディー型掃除機1は、台車2から取り外された状態でも台車2に取り付けられた状態でも使用され得る。このため、掃除する場所に応じて電気掃除機の形状を変化させることができる。
【0048】
また、充電電流検出部19と充電電流制御部20と充電制御部21と組蓄電池接続切替装置23とは、ハンディー型掃除機1に設けられる。このため、簡素な構成で台車2を製作することができる。この際、ハンディー型掃除機1と台車2との間の配線の本数を少なくすることができる。
【0049】
また、ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続されている状態において、電動送風機11は、第1組蓄電池13から電力の供給を受けずに第2組蓄電池16から電力の供給を受けて動作する。その後、第2組蓄電池16の容量が予め設定した容量を下回った際に、電動送風機11は、第2組蓄電池16から電力の供給を受けずに第1組蓄電池13から電力の供給を受けて動作する。このため、電気掃除機の運転時間を長くすることができる。また、ハンディー型掃除機1が台車2に取り付けられた状態で使用された後にハンディー型掃除機1が台車2から取り外された状態で使用される際に第1組蓄電池13の容量が足りなくなることを抑制できる。
【0050】
なお、ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続されている状態において、ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続されていない状態のときよりも大きな電力を電動送風機11に供給してもよい。この場合、ハンディー型掃除機1が台車2に取り付けられた状態で使用される際に吸引風の速度を上げることができる。
【0051】
また、ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続されている状態において、第1組蓄電池13は、第2組蓄電池16よりも先に充電される。このため、充電開始直後においてハンディー型掃除機1が台車2から取り外された状態で使用される場合でも第1組蓄電池13の容量をある程度確保することができる。
【0052】
なお、ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続されている状態において、第1組蓄電池13よりも先に第2組蓄電池16を充電してもよい。この場合、ハンディー型掃除機1が台車2から取り外された状態であれば、充電開始直後でも電気掃除機をある程度使用することができる。
【0053】
また、第1組蓄電池13と第2組蓄電池16とを同じ組蓄電池としてもよい。この場合、組蓄電池の取り付けの間違いを防止することができる。
【0054】
また、ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続されている状態において、第1組蓄電池13と第2組蓄電池16とは、電動送風機11に対して並列に接続される。このため、電動送風機11に接続される蓄電池の容量を大きくすることができる。
【0055】
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2における電気掃除機のブロック図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0056】
実施の形態1において、充電電流検出部19と充電電流制御部20と充電制御部21と組蓄電池接続切替装置23とは、ハンディー型掃除機1に設けられる。これに対し、実施の形態2において、充電電流検出部19と充電電流制御部20と充電制御部21と組蓄電池接続切替装置23とは、台車2に設けられる。
【0057】
実施の形態2において、第1組蓄電池13と第2組蓄電池16との充電は、実施の形態1における方法と同様の方法で行われる。組蓄電池接続切替装置23の回路は、実施の形態1における回路と同様の回路である。
【0058】
以上で説明した実施の形態2によれば、充電電流検出部19と充電電流制御部20と充電制御部21と組蓄電池接続切替装置23とは、台車2に設けられる。このため、ハンディー型掃除機1を軽くすることができる。その結果、ハンディー型掃除機1が台車2から取り外された状態で使用される際に、利用者にかかる荷重を小さくすることができる。また、台車2を安価に製作することができる。
【0059】
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3における電気掃除機の回路図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0060】
実施の形態1における第1組蓄電池13と第2組蓄電池16とは、ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続されている状態において電動送風機11に対して並列に接続される。これに対し、実施の形態3における第1組蓄電池13と第2組蓄電池16とは、ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続されている状態において電動送風機11に対して直列に接続される。
【0061】
図示しないが、電源回路25は、第1組蓄電池13と第2組蓄電池16とが直列に接続されることを想定した耐圧部品により形成される。
【0062】
図10に示すように、組蓄電池接続切替装置23は、充電制御素子43と放電制御素子44とを備える。
【0063】
充電制御素子43は、PチャネルMOSFETである。充電制御素子43は、電源生成回路30の正極側よりも電動送風機11の正極側において電動送風機11の正極側と第1組蓄電池13の正極側との間の配線に設けられる。充電制御素子43のソースは、第1組蓄電池13の正極側の配線に接続される。充電制御素子43のドレインは、電動送風機11の正極側の配線に接続される。充電制御素子43のゲートは、制御装置14の出力側の配線に接続される。
【0064】
放電制御素子44は、PチャネルMOSFETである。放電制御素子44は、充電制御素子43よりも電動送風機11の正極側において電動送風機11の正極側と第1組蓄電池13の正極側との間の配線に設けられる。放電制御素子44のソースは、充電制御素子43のドレインに接続される。放電制御素子44のドレインは、電動送風機11の正極側に接続される。充電制御素子43のゲートは、制御装置14の出力側の配線に接続される。
【0065】
組蓄電池接続切替装置23は、充電ゲート抵抗45と放電ゲート抵抗46とを備える。
【0066】
充電ゲート抵抗45は、充電制御素子43のゲートと制御装置14の出力側との間の配線に設けられる。放電ゲート抵抗46は、放電制御素子44のゲートと制御装置14の出力側との間の配線に設けられる。
【0067】
ハンディー型掃除機1が台車2に取り付けられた状態で使用される場合、制御装置14は、充電制御素子43と放電制御素子44とをOFF状態にする。その結果、電動送風機11は、第1組蓄電池13および第2組蓄電池16から電力の供給を受けて動作する。
【0068】
ハンディー型掃除機1が台車2から取り外された状態で使用される場合、第2組蓄電池16は、電動送風機11との接続から切り離される。この場合、制御装置14は、充電制御素子43と放電制御素子44とをON状態にする。その結果、電動送風機11は、第2組蓄電池16から電力の供給を受けずに第1組蓄電池13から電力の供給を受けて動作する。
【0069】
以上で説明した実施の形態3によれば、ハンディー型掃除機1と台車2とが電気的に接続されている状態において、第1組蓄電池13と第2組蓄電池16とは、電動送風機11に対して直列に接続される。このため、電動送風機11に対する入力電圧の値を大きくすることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 ハンディー型掃除機、 2 台車、 3 サクションホース、 4 接続パイプ、 5 取手、 6 操作スイッチ、 7 吸引パイプ、 8 吸込口体、 9 手元スイッチ、 10 報知装置、 11 電動送風機、 12 集塵部、 13 第1組蓄電池、 14 制御装置、 15 車輪、 16 第2組蓄電池、 17 吸気口、 18 電動送風機駆動部、 19 充電電流検出部、 20 充電電流制御部、 21 充電制御部、 22 制御部、 23 組蓄電池接続切替装置、 24 充電台、 25 電源回路、 26 電源コード、 27 電源プラグ、 28 第1分圧抵抗、 29 第2分圧抵抗、 30 電源生成回路、 31 第1充電制御素子、 32 第1放電制御素子、 33 第2充電制御素子、 34 第2放電制御素子、 35 第1充電ゲート抵抗、 36 第1放電ゲート抵抗、 37 第2充電ゲート抵抗、 38 第2放電ゲート抵抗、 39 第1充電保護抵抗、 40 第1放電保護抵抗、 41 第2充電保護抵抗、 42 第2放電保護抵抗、 43 充電制御素子、 44 放電制御素子、 45 充電ゲート抵抗、 46 放電ゲート抵抗
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10