(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記当接部は、前記ポールピースの前記外周縁部において前記貼付部の外側にこれに沿って形成された環状の凹溝を介して延設形成された請求項4記載の電気音響変換装置。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そして、
図6に示したスピーカ装置の構成を分かり易いよう若干変形して詳細に示すと、例えば
図7のようになる。
【0011】
すなわち、
図7において、上述したスピーカ装置は、カップ状ヨーク3が、その底部3a中央に貫通孔3bを有し、ヨーク3の筒形部3cの開放端側を外側へ屈曲させた平らな支持片3dを有し、この支持片3dの先端外周部を軸方向に沿って若干立ち上げて環状固定部3eとする構成となっている。
【0012】
さらに、ヨーク3内において、駆動マグネット5およびリング板状のポールピース29を重ねてヨーク3の底部3aに例えばはとめ31で一体化して固定し、接着剤(図示せず)を塗布した環状固定部3eに振動膜7の外周を直接固着して振動膜7で支持片3dおよびポールピース29を覆い、振動膜7に固定されたボイスコイル9をポールピース29とヨーク3との間に挿入した構成となっている。
【0013】
図7中の符号33は、外部からケーブル15(
図6参照)で音声信号が供給される回路基板であり、この回路基板33から図示しないリード線を介してボイスコイル9に音声信号が印加される。
【0014】
しかも、ケース本体1の前面ケース1bの先端内側とヨーク3の環状固定部3eの背面側空間Eに図示しない可撓性の接着剤を塗布し、ヨーク3すなわちスピーカ本体が前面ケース1b(本体ケース1)に固定されている。
【0015】
しかしながら、このような
図7に示す構成では、一般的に、環状固定部3eに振動膜7が接着剤にて接着固定されており、スピーカ本体を本体ケース1に挿入する際、その環状固定部3eが前面カバー1bの段部1cに振動膜7を挟むようにして当接されており、次のような課題がある。
【0016】
すなわち、振動膜7は、ボイスコイル9の振動を容易にするため、上述した可撓性の接着剤で環状固定部3eに接着されているが、その接着部分が前面カバー1bの段部1cに当接する場合、不均一押圧又は嵌合時の隙間による偏り等が生じ易く、振動膜7に変形を生じさせ、これが振動膜7の振動時の歪みとなって特性を不安定にさせ易い。
【0017】
また、支持片3dの環状固定部3eに貼り付ける振動膜7は、これを貼付け易くする観点から、1枚の大きな樹脂シートから環状固定部3eの外径寸法より僅かに大径にカットして環状固定部3eに貼り付けるので、振動膜7の外周縁が環状固定部3eから外周へはみ出す。
【0018】
そのため、支持片3dの環状固定部3eとケース本体1の前面ケース1b内側との間の寸法S1は、0.12mm程度が必要になり、この点から前面ケース1bすなわちケース本体1の外径寸法の小型化の障害になり易い。
【0019】
上述した課題は、外磁型の構成においても同様に当てはまるが、本発明者は、外磁型構成がそれらの課題を容易に解決し易い構成であることを見出し、本発明を完成させた。
【0020】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、特性を安定化させ易く、小型化も容易な電気音響変換装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
そのような課題を解決するために本発明の電気音響変換装置に係る構成は、円筒状の磁性体性のヨークであって
、円筒状の筒形部と、前記筒形部の一方の端面側から外側へ屈曲形成させたフランジ部
と、を有するヨークと、そのフランジ部に一方の端面が共軸的に固定されたリング状の駆動マグネットであって当該内周がその
筒形部の外周と間隔を置いて周対面する駆動マグネットと
、その駆動マグネットの他方の端面側にこれと共軸的に固定されたリング状のポールピースと、このポールピースにおけるその駆動マグネットとは反対面において当該外周縁部に沿って環状に形成された貼付部と、そのポールピースの反対面においてその貼付部の外側にこれと同心円状に形成された当接部と、それらポールピースおよびヨークと間隔を置いて対向するようにして当該外周がその貼付部に直接貼付けられた薄い振動膜と、細い絶縁導線を巻いて筒形に形成され、その振動膜のヨーク側片面に固定されたボイスコイルであって、それらポールピースの内周と
筒形部の外周との間の環状空隙に挿入されるとともに印加される音声信号によってその振動膜を振動させるボイスコイルと、当該内壁をその当接部に当接させてそれらポールピース、駆動マグネットおよびヨークを収納するケース本体と、を具備している。
【0022】
本発明の電気音響変換装置に係る構成は、上記貼付部が、そのポールピースの外周縁部の全周にわたって凸状に突設形成された構成も可能である。
【0023】
本発明の電気音響変換装置に係る構成は、上記当接部が、そのポールピースの外周縁部においてその貼付部より下がったレベルで延設形成された構成も可能である。
【0024】
本発明の電気音響変換装置に係る構成は、上記当接部が、そのポールピースの外周縁部においてその貼付部から同一レベルで延設形成された構成も可能である。
【0025】
本発明の電気音響変換装置に係る構成は、上記当接部が、そのポールピースの外周縁部においてその貼付部の外側にこれに沿って形成された環状の凹溝を介して延設形成された構成も可能である。
【0026】
本発明の電気音響変換装置に係る構成は、上記ポールピースが磁性体材料で形成されてなる構成も可能である。
【発明の効果】
【0027】
このような本発明の電気音響変換装置に係る構成では、フランジ部を有するヨーク外周に、リング状の駆動マグネットとポールピースを嵌めてそのフランジ部に固定し、そのポールピースの外周縁部には、環状に形成された貼付部とこの貼付部の外側に当接部とを同心円状に設け、その振動膜をそれらポールピースとフランジ部を塞ぐように貼付部に貼付け、振動膜に固定したボイスコイルをポールピースとヨーク間に挿入してなるから、ポールピースに貼り付けた振動膜に対するストレスを小さくすることが容易で、特性のばらつきを抑えてそれを安定化させ易く、小型化も容易である。
【0028】
本発明の電気音響変換装置に係る構成では、上記貼付部を、そのポールピース片面の外周部全周にわたって凸状に突設形成すれば、振動膜を貼付部に載置、固定し易い。
【0029】
本発明の電気音響変換装置に係る構成では、上記当接部を、そのポールピースの外周部においてその貼付部より下がったレベルで延設すれば、多少の薄型化も可能である。
【0030】
本発明の電気音響変換装置に係る構成では、上記当接部を、そのポールピースの外周部においてその貼付部から同一レベルで延設すれば、フランジ部形状の簡素化が可能である。
【0031】
本発明の電気音響変換装置に係る構成では、上記当接部を、そのポールピースの外周部においてその貼付部の外側にこれに沿って形成された環状の凹溝を介して延設すれば、振動膜を貼付部に載置、固定し易い。
【0032】
本発明の電気音響変換装置に係る構成では、上記フランジ部を磁性体材料で形成すれば、漏えい磁束の減少、また無効磁束の減少等によりポールピースとヨークとの間に強い磁気回路が形成され、ダンピングの効いた、レスポンスの早い振動が確保され易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明に係る電気音響変換装置の実施の形態をスピーカ装置、例えばイヤホン装置を例にし、図面を参照して説明する。
【0035】
図1は本発明のスピーカ装置に係る実施の一形態を示す要部縦断面図である。
図1において、ヨーク35は、磁性体板材料から円筒状に成形加工されてなり、この筒形部35aと、一方(
図1中下側)の開放端を外側へ屈曲して形成されたリング板状のフランジ部35bとを一体的に有している。
【0036】
ヨーク35の外周には、その筒形部35a外周と間隔を置いてリング状の駆動マグネット37が共軸的に嵌められ、一方の端面(
図1中下側)をフランジ部35b上に重ねるようにしてこれに固定されている。
【0037】
駆動マグネット37の他方の端面(
図1中上側)には、駆動マグネット37の外径とほぼ同寸法又は若干小径の内径を有して磁性体からリング板状に形成されたポールピース39が重ねられている。このポールピース39はヨーク35との間で磁気回路を形成するものである。
【0038】
それらフランジ部35b、駆動マグネット37およびポールピース39は外径寸法が揃っており、ポールピース39の内周が駆動マグネット37のそれより内側へ突出しているものの双方ともほぼ揃っている。
【0039】
ポールピース39は、ヨーク35の他方の先端部(
図1中上側)とほぼ同じレベル位置にあり、ヨーク35と周対面している。
【0040】
ヨーク35のフランジ部35b外側(
図1中下面)には、中央の貫通孔41aとこれを囲むような複数の貫通孔41bとを有する回路基板41が重ねられている。
【0041】
それら駆動マグネット37、ポールピース39および回路基板41は、例えば接着剤によって共軸的にフランジ部35bと一体化され、ヨーク35のフランジ部35bに固定されている。
【0042】
ポールピース39にあって駆動マグネット37とは反対面における外周縁部には、
図2Aに示すように、貼付部39aが外周に沿ってその全周に渡って凸状に環状かつ一体的に形成されるとともに、その反対面において、当接部39bが貼付部39aの外周に同心円状に形成されている。
【0043】
ポールピース39の貼付部39aが凸状に突設されているので、当接部39bが貼付部39aより下がったレベルで延設形成された状態になっている。この当接部39bが後述するケース本体51内に当接される。
【0044】
振動膜43は、ポールピース39側から図示した
図3に示すように、従来公知の薄い絶縁性フィルム材料から円板状に形成されており、比較的広い中央部を若干ドーム状に膨らませてなる中央領域43aと、この中央領域43aを同心円状かつ環状に囲むとともに若干膨出させてなる外周領域43bとを有している。
図3中の符号45aは後述するボイスコイル45の両端リード線である。
【0045】
振動膜43の中央領域43aには、図示しないが、折り返し形状、放射状又は同心円状のリブ等を設けてフィルム材料を屈曲させた屈曲部が形成され、中央領域43aは撓み難いよう剛性を有している。
【0046】
外周領域43bには、図示しないが、いわゆるコルゲーション(corrugation)エッジと称される放射状の細かい凹凸条が形成されており、中央領域43aと比較し、外周領域43bは容易に撓み易く振動に対して柔軟性が高くなっている。
【0047】
すなわち、中央領域43aが外周領域43bに比べて撓み難く強い剛性を有している。もっとも、中央領域43aを含めた振動膜43の良好な振動が確保される剛性範囲内が大切である。
【0048】
振動膜43は、
図1に示すように、ヨーク35およびポールピース39に対して間隔を置いてそれらを覆うとともに、外周領域43bの外縁全周を貼付部39aに重ね、例えば可撓性接着剤(図示せず)によって貼付部39aに接着固定されている。
【0049】
振動膜43のヨーク35側面(
図1中下面側)において、中央領域43aと外周領域43bとの環状の境目には、円筒状のボイスコイル45の一方の端面側が中央領域43aを囲むように固定されている。
【0050】
ボイスコイル45は、絶縁被覆された細い絶縁導線を円筒状に巻いて一体化したものであり、ヨーク35の筒形部35aの外周と駆動マグネット37やポールピース39の内周との間に、ヨーク35と駆動マグネット37やポールピース39と僅かな間隔を置いて挿入され、ヨーク35の外周と駆動マグネット37やポールピース39の内周との間で環状に対面している。
【0051】
ボイスコイル45からのリード線45aはその対角位置から導出され、ヨーク35の中空部、更に、回路基板41の貫通孔41bを介して導出され、回路基板41に接続されている。
【0052】
なお、貫通孔41bは、リード線45aを通した後に粘着テープ又は接着剤等で密閉される。
【0053】
ヨーク35のフランジ部35aに重ねられた回路基板41には、ケーブルによって電子機器(何れも図示せず。)から音声信号が供給される。
【0054】
音声信号のボイスコイル45への印加によってボイスコイル45が変位し、振動膜43が振動駆動する。
【0055】
すなわち、ヨーク35、駆動マグネット37、ポールピース39およびボイスコイル45により、振動膜43を振動駆動させる駆動部47が形成され、いわゆる外磁型のスピーカ装置の主要部(スピーカ本体)となっている。
【0056】
図1中の符号49は、回路基板41の貫通孔41aを塞ぐ音響制動用の通気性ネットであり、例えば不織布などによって形成されており、その目の粗さによって振動膜43側とヨーク35外部との間の通気量の多少を可変させて音質調整が可能である。
【0057】
外磁型のスピーカ装置のスピーカ本体は、
図4に示すように、ポールピース39の貼付部39aおよび当接部39bをキャップ状のケース本体51内に嵌められ、ケース本体51内に支持されている。
【0058】
上述したケース本体51は、ヨーク35、駆動マグネット37および、ポールピース39の外周が嵌る大径筒状部51aと、この大径筒状部51aから連続してなるとともに、ヨーク35より小径の小径筒状部51bとを有し、合成樹脂等から一体的に成形加工されている。
【0059】
ヨーク35、駆動マグネット37およびポールピース39が、一体化されて大径筒状部51a内側に嵌め込まれ、大径筒状部51a内径を小径化するように形成された内側段部51cに、ポールピース39の当接部39bが当接されている。
【0060】
すなわち、ポールピース39の外周エッジ部は、振動膜43の固定部とケース本体51への当接部を別々の部分で個別に機能させている。
【0061】
外磁型のスピーカ装置の主要部をケース本体51に挿入後、フランジ部35b背面側とケース本体51(大径筒状部51a)内壁との間に形成される背面側空間に図示しない接着剤を塗布し、ヨーク35等がケース本体51に固定されている。
【0062】
ケース本体51の小径筒状部51bは、振動膜43と間隔を置いてこれを覆うとともに、
図4中上方に突出するように延びて音通筒体となっている。
【0063】
上述した構成のスピーカ装置は、ケース本体51における大径筒状部51aの開放先端の内側に、キャップ状カバー53の開放先端部が圧入等され、図示しない接着剤でカバー53が大径筒状部51aの開放(端)側に固定されており、ヨーク35および回路基板41がカバー53で覆われている。
【0064】
小径筒状部51b外周には可撓性のイヤーチップ55が嵌られ、イヤホン装置として製品化される。
【0065】
このようなスピーカ装置では、ケーブルから回路基板41を介して音声信号を供給するとともにボイスコイル45へ音声信号を印加することにより、駆動部47が振動膜43を振動発音させ、音通筒体となった小径筒状部51bを介して振動音が外部へ伝搬される。
【0066】
そして、本発明に係るスピーカ装置は、上述した
図6に示したように、耳珠19、対珠21、耳甲介23で囲まれた耳甲介腔25にケース本体45を収納するとともに、先端のイヤーチップ55を外耳道27に挿入して装着使用される。
【0067】
そのような本発明のスピーカ装置に係る構成では、ポールピース39の外周エッジ部が、振動膜43の固定部とケース本体51への当接部を別々の部分で個別に機能させているから、ケース本体51の段部51cがポールピース39の当接部39bに当接しても、振動膜43の貼り付つけられた貼付部39aに不均一押圧又は嵌合時の隙間による偏り等が生じ難く、振動膜7に対するストレスを小さくしてその変形も生じさせ難く、これが振動膜7の振動時の歪みを抑え、特性を安定させ易い。
【0068】
また、本発明のスピーカ装置に係る構成では、上述した貼付部39aが、そのポールピース39の外周縁部の全周にわたって凸状に突設形成されており、これが位置決め手段となって振動膜43の貼付部39aへの載置、固定が容易である。
【0069】
さらに、本発明のスピーカ装置に係る構成では、上記当接部39bが、そのポールピース39の外周縁部においてその貼付部39aより下がったレベルで延設され、ケース本体51の内壁段部51cに当接するので、薄型化も容易である。
【0070】
図6に示した挿入型イヤホンで本発明を実施する場合、外周部を薄く形成することにより、耳への装着性が大幅に向上するし、耳の小さい使用者については耳への装着時の痛み又は圧迫感の軽減に貢献する。
【0071】
しかも、振動膜43を止着する貼付部39aの外周に当接部39bがあるから、振動膜7の外径が貼付部39aの外径より大きくて振動膜7が貼付部39aからはみ出しても、貼付部39aと大径筒状部51aとの隙間(
図7中の符号S1相当)を極力小さく、例えば0.05mm程度に小さくすることが容易である。
【0072】
そのため、本発明は、外径寸法を従来の外磁型製品に対しそれほど変化させることなく、不良率の大幅低減、性能バラツキの防止、高性能化に貢献できる。
【0073】
また、ポールピース39が磁性体材料で形成され、ポールピース39とヨーク35との間に強い磁気回路が形成され、ダンピングの効いた、レスポンスの早い振動が確保され易い利点がある。
【0074】
この点、従来構成においては、
図7中の隙間S1の原因で、スピーカ挿入時の偏心、挿入時の押し圧のばらつき、接着層厚みのばらつき、接着剤はみ出しのばらつき、振動膜はみ出しのばらつき等たくさんの要因により、性能不良発生の原因となっていた。
【0075】
本発明は、
図1における大径筒状部51aの内側とポールピース39の外縁部(当接部39b)との間の隙間も0.05mm以下と小さくすることも可能であり、そのことも性能不良の大幅な低下の要因となる。
【0076】
そして、本発明に係るスピーカ装置は、上述した構成以外の構成、例えば
図2Bに示すような構成も可能である。
【0077】
図2Bにおいて、ポールピース39の外周縁部には、当接部39cが貼付部39aから同一レベルで平面的に形成されている。
【0078】
しかも、当接部39cは、貼付部39aの外側にこれに沿って形成された環状の凹溝39dを介して延設形成されている。すなわち、貼付部39a、凹溝39dおよび当接部39cが同心円状に連続形成されている。
【0079】
なお、当接部39cは、同一の厚みのポールピース39の外周縁部において貼付部39aの外側に形成することも、
図2Aのように凸状に突設させた貼付部39aと同一レベル面で形成することも可能である。後者の構成では、ポールピース39の外周縁部の厚みが若干厚くなる。
【0080】
このような
図2Bに示すスピーカ装置に係る構成は、ケース本体51内にヨーク35およびピールピース39を嵌め、
図4を参考にして示すと、ポールピース39の当接部39cをケース本体51内壁の段部51cに当接させ、図示しない接着剤で接着固定し、ヨーク35がケース本体51内に支持固定されている。
【0081】
なお、
図2Bの構成は、当接部39cおよび凹溝39d以外の構成が
図4とほぼ同様であるから、詳細な図示と説明を省略する。
【0082】
図2Bに示すスピーカ装置に係る構成では、
図2Aに示す構成から得られる効果に加えて、当接部39cがポールピース39の外周縁部においてその貼付部39aから同一レベルで延設されており、ポールピース39の形状の簡素化および薄型化が可能である。
【0083】
さらに、当接部39cは、そのポースピース39の外周縁部において、その貼付部39aの外側にこれに沿って形成された環状の凹溝39dを介して延設されているから、振動膜43を貼付部39bに載置、固定し易い。
【0084】
しかも、実用面では、凹溝39dが貼付部39aと当接部39cを明確に分ける緩衝帯となる利点がある。
【0085】
また、
図5は本発明の他の実施の形態を示す要部縦断面図である。
この構成では、ヨーク35の筒形部35aの内壁に複数の突起35cを周方向に同じレベル位置で分散して突設し、
図1の回路基板41と同様な機能で有してより小径にした回路基板57を筒形部35aの下側から中空部に挿入して突起35cに当接させ、回路基板41を突起35cに接着剤(図示省略)等で固定させてヨーク35の中空部に固定させている。
【0086】
回路基板57の中央部には貫通孔41aと同様な貫通孔57aが形成されており、この貫通孔57aが上述した通気性ネット49で塞がれている。
【0087】
さらに、ポールピース39の外径を駆動マグネット37やフランジ部35bのそれより大径にする、又は駆動マグネット37やフランジ部35bの外径をポールピース39のそれより小径に形成し、ポールピース39を駆動マグネット37やフランジ部35bより外周方向へ突出させた構成である。ケース本体51の図示は省略した。
【0088】
なお、
図5において、ヨーク35、ポールピース39および回路基板57以外の構成は
図1および
図4とほぼ同様であるから、詳細な図示と説明を省略する。
【0089】
このような
図5に示す構成では、ヨーク35の中空部に回路基板57が収納されるとともにそれら複数の突起35cにて回路基板57がヨーク35内側に支持、収納されるので、上述した効果に加えて、より薄型化が可能である。
【0090】
ところで、本発明のスピーカ装置では、ケース本体51の小径筒状部51bで形成する音通筒体をケース本体(小径筒状部)51の中心軸上に沿って突出する構成の他、中心軸に対して斜め方向に突出する構成も可能である。
【0091】
なお、本発明の電気音響変換装置は、ヘッドホン、大型のスピーカ等のスピーカ装置、更に、マイクロフォンとして広く使用可能である。