【実施例】
【0015】
図1は、本発明が適用される北コークス炉と石炭塔の平面図である。コークス炉は、北コークス炉20と、石炭塔50と、
図41に示す南コークス炉60が、北から南に向かって一列に配置される。本実施例では、北コークス炉20をA〜Kで示す11区画に分けた。1区画の幅は、複数の燃焼室と炭化室からなる所定の幅で、区画B〜Jを中抜き解体した時、区画Aと区画Kで、コークサイドのバックステーを支持できる。なお、区画数は11個に限るものではない。北コークス炉20の両側にはコンクリートの擁壁22、22が設けられる。
図1の下側が、プッシャーサイド(PS側)で、重機が作業できるエリアである。
図1の上側がコークサイド(CS側)である。コークス炉20は、例として、南北方向(長手方向)の長さが約70m、高さが約12m、奥行が約18mである。運搬車両は、
図1の左下側から進入し、瓦礫を積んで左下側から出る。
【0016】
解体準備工程として、丸囲み数字1で示すレール25の撤去を行なう。これにより重機1、重機2、運搬車両6などのプッシャーサイドへの進入が容易となる。また、外部養成足場41’、41をコークサイドに設置する。外部養成足場41’は、コークサイドのプラットフォームの一側(東側)を覆い、コークサイドのプラットフォームの上に設置した外部養成足場41は、コークス炉の高さがあり、ワイヤ19の玉掛け作業に有利である。重機は、重機1、2が用意される。重機1は、SK1000、バケット容量が3.5m
3である。重機2はSK500で、バケット容量が1.6m
3である。運搬車両6は、ここでは10トン車である。
【0017】
図2は、上昇管10を撤去する側面図である。コークス炉20の頂部には、
図1に示すように上昇管10が設けられており、これを重機1で撤去する。上昇管10は、重機1のニブラで切断し、一度寝かせてから掴み取り、プッシャーサイドの集積場に降ろす。
図2に示すように、コークサイドのプラットフォーム一側の外部養成足場41’は、外部養成足場41より高さが低い。コークス炉20の地表面より下、地下一階部分には、煙道21が設けられる。
【0018】
図3は、北コークス炉20の解体を示す平面図である。区画B、Cから解体を始める。重機は、重機3のSK3500、バケット容量10m
3が用意される。また、重機4のSK480や散水機5も用意され、レンガの瓦礫は、30〜40トンの運搬車両運搬車両7で搬出される。本実施例では、2区画ずつ、一側から他側(北から南方向)に向かって解体を進める。
【0019】
図4は、プッシャーサイドのプラットフォーム解体を示す側面図である。解体は、粉塵の飛散防止のため、散水車5から散水しながら行なう。変更弁11は、重機2のニブラで掴み、集積場に取り出す。変更弁11の撤去後には、鉄板を敷設して塞ぐ。
【0020】
図5は、デッキに散水機42を取り付ける説明図である。デッキ32に据置き型の散水機42を取り付ける。
図3に示すように、据置き型の散水機42はコークス炉20の北デッキと南デッキの両デッキに取り付けられる。
【0021】
図6は、プッシャーサイドの炉蓋撤去を示す側面図である。重機1を使用して、散水機5で散水しながらプッシャーサイドの炉蓋14(炉枠を含む)を撤去する。これによりコークス炉20の区画BとCのプッシャーサイドが開口する。コークス炉20は、地上より上側がレンガ壁で仕切られた燃焼室又は炭化室で、地下は基礎(煙道)である。
【0022】
図7は、レンガ壁の掻き出しを示す側面図である。レンガ壁16のレンガを散水機5で散水しながら、ロングブームを備えた重機3(SK3500)で解体する。レンガは、プッシャーサイドのバックステー13の撤去が可能なレベルまで掻き出す。
【0023】
図8は、梁の撤去を示す側面図である。重機3で梁15を撤去する。これにより、プッシャーサイドのバックステー13の頂部テンションを解放する。
【0024】
図9は、プッシャーサイドのバックステー上部撤去を示す側面図で、
図10は、バックステーの事前のガス切断を示す図である。バックステーの上部の引き倒しは重機3で行なう。プッシャーサイドのバックステー13は、引き倒しの根元部分をあらかじめガス切断しておく。バックステー13は、H鋼からなるので、
図10に示すように、フランジの一方とウェッブをガス切断し、他方のフランジは切断せずに残す。2Fは2階の床を示す。
【0025】
図11は、プッシャーサイドのバックステー下部撤去を示す側面図である。
図10の丸囲み数字8で示すように、炉内のレンガをさらに掻き出した後、プッシャーサイドのバックステー13の下部を重機1で引き倒す。バックステーの根元部分は、あらかじめ先行ガス切断を行なっておく。
【0026】
図12は、解体状況を示す北コークス炉の平面図である。区画BとCの撤去が終了すると、
図3〜11に説明した手順(丸囲み数字3〜9)を繰り返して、矢印で示す解体方向に解体(丸囲み数字10)を進める。レンガの瓦礫は、運搬車両7で運び出す。
【0027】
図13は、解体状況を示すコークス炉の平面図である。区画B〜Jが、解体されると、丸囲み数字11に示すように、最後に区画AとKを解体する。その間ずっと、コークサイドのバックステー29からなる長い壁が、区画AとKで支えられる形になるので、強風などで転倒することがない。
【0028】
図14は、解体状況を示すコークス炉の平面図である。区画A〜Kがすべて解体されたことを示す。丸囲み数字12で示す。ただし、支柱であるコークサイドのバックステー29は残っている。鉄骨は重機4で分別し、コンクリートやレンガと分けている。
【0029】
図15は、コークサイドの炉蓋撤去を示す側面図である。重機3で、コークサイドの炉蓋17(炉枠も含む)を撤去する。丸囲み数字13で示す。これにより、コークサイドのバックステー29が多数、林立する形となる。
【0030】
図16は、コークサイドのバックステー一斉引き倒しを示す平面図である。重機3、1、2の3台で一斉引き倒しを行なう。丸囲み数字14で示す。重機3のニブラでコークサイドのバックステー29の上部を掴み、重機1と重機2は、ワイヤ19をコークサイドのバックステー29の頂部に掛けて引き倒す。
【0031】
図17は、ワイヤ19の玉掛けを示す側面図である。玉掛けは外部養生足場41を利用しての人手作業となる。なお、コークサイドのバックステー29はH鋼からなるので、あらかじめ鋼材からなる腹起し部材31をコークサイドのバックステー29のH鋼に取り付け、水平方向に連結しておく。
【0032】
図18は、コークサイドのバックステーの事前のガス切断を示す図である。ガス切断(2F部分)の際は、転倒防止のため、重機3でコークサイドのバックステー29の上部を掴む。外部養生足場41は、この時点で撤去される。
【0033】
図19は、コークサイドのバックステー29の一斉引き倒しを示す側面図である。バックステー29は、レンガの瓦礫の上に引き倒す。丸囲み数字14で示す。
【0034】
図20は、コークサイドのプラットフォーム解体を示す側面図である。外部養生足場41’も撤去する。丸囲み数字15で示す。
図21は、コークサイドのバックステー下部撤去を示す側面図である。バックステー29は、2F部分をガス切断したので、残った下部分を撤去する。丸囲み数字16で示す。床部18にはアンダージェットパイプがあるので、ワイヤーソーで切断し、合わせて床のレンガも撤去する。これは丸囲み数字17で示す。
【0035】
図22は、北コークス炉の擁壁解体を示す平面図、
図23は、北コークス炉の擁壁解体を示す正面図である。両側の擁壁22は、重機による立崩しを行なう。これは丸囲み数字18で示す。擁壁22が支えるデッキの梁は、支保工で受ける。
【0036】
図24は、石炭塔の北デッキ解体を示す正面図、
図25は、石炭塔の北デッキ解体を示す平面図である。プッシャーサイドのレール25の撤去と、コークサイドの外部養生足場41、41’の設置は、先行して行なっておくとする。
図25に示すように、丸囲み数字1〜4の順に解体を行なう。デッキ32は4F(4階床)の高さがあり、まず、プッシャーサイドのプラットフォーム(1階部分)を解体する。これを丸囲み数字1で示す。次に、東方向に解体を進める。丸囲み数字2で示す。次に、北側の外壁を解体する。丸囲み数字3で示す。最後に、コークサイドの外部養成足場41を解体し、プラットフォームを解体する。丸囲み数字4で示す。デッキ32の地下部分は空洞で、重機の荷重に耐えるように、1階の床を撤去し、地下をガラ埋めを行なう。ガラ埋め後の状態は
図34に示す。
【0037】
図26は、石炭塔のAブロック解体を示す平面図、
図27は、石炭塔のAブロック解体を示す側面図、
図28は、石炭塔のAブロック解体を示す正面図である。丸囲み数字5〜8の順に中抜き解体を行なう。丸囲み数字8は、門型壁を内側に引き倒す。
図28に示すように、重機3には、45mのロングブーブを取り付け、石炭塔50の頂部に届くようにした。
【0038】
図29は、石炭塔の壁切り崩しを示す説明図である。東側の門型壁の切り崩しを示す。(A)に示すように、重機のニブラで梁と柱を圧砕し、ブレーカでミシン目を入れ、(B)に示すように、矩形切出し部の上部をニブラで掴んで引き倒す。
【0039】
図30〜33は、石炭塔のAブロック解体を示す側面図である。丸囲み数字9〜18の順に中抜き解体を行なう。Aブロックの4階から1階を解体する。
図32の丸囲み数字13、15、それに
図33の丸囲み数字18は、門型壁で、
図29に示すように、重機のニブラで梁と柱を圧砕し,重機のブレーカでミシン目を入れ、矩形切出し部の上部をニブラで掴んで引き倒す。
【0040】
図34と35は、石炭塔のBブロック解体を示す正面図である。Aブロックの解体が終了すると、次にBブロックの解体を行なう。まず、Bブロックの5階と4階を解体する。丸囲み数字19〜26の順に中抜き解体を行なう。丸囲み数字21、22、25、26は、門型壁で、
図29に示すように、重機のニブラで梁と柱を圧砕し,重機のブレーカでミシン目を入れ、矩形切出し部の上部をニブラで掴んで引き倒す。
【0041】
図36は、石炭塔の南デッキ解体を示す正面図である。丸囲み数字27〜31の順に解体を行なう。デッキ32は4FL(4階床)の高さがあり、梁の片端が石炭塔のBブロックで支えられているため、先にデッキ32を解体する。丸囲み数字27は、デッキ32の正面側のプラットフォームの解体で、丸囲み数字31、32は、デッキ32の南側の壁の解体を示す。
【0042】
図37〜40は、石炭塔のBブロック解体を示す正面図である。Bブロックの3階〜1階を解体する。丸囲み数字32〜41の順に解体を行なう。
図37の丸囲み数字34、37、
図38の丸囲み数字33、36、
図40の丸囲み数字41は、門型壁で、
図29に示すように、重機のニブラで梁と柱を圧砕し,重機のブレーカでミシン目を入れ、矩形切出し部の上部をニブラで掴んで引き倒す。なお、丸囲み数字39で、デッキ32の地下部分にガラ埋めを行なっている。デッキ内への重機の進入が容易となる。ガラ埋め後の状態は
図42に示す。
【0043】
図41は、南コークス炉60の解体を示す平面図である。南コークス炉60の解体は、北コークス炉20と同様の解体を行なう。丸囲み数字1は、レール25の撤去である。丸囲み数字2は、上昇管10の撤去である。丸囲み数字3は、区画B、Cのプッシャーサイドのプラットフォーム解体である。丸囲み数字4は、炉蓋の撤去である。丸囲み数字5は、区画B、Cのレンガ掻き出しである。丸囲み数字6〜17は、北コークス炉20の解体と同様であり、詳細は省略する。
【0044】
図42は、南コークス炉の擁壁解体を示す正面図である。南コークス炉60の両側の擁壁62は、重機による立崩しで解体する。丸囲み数字18で示す。
【0045】
図43は、基礎解体を示す正面図である。解体は北から南に向かって行なう。北コークス炉20側の煙道21の解体に重機3、2を投入し、石炭塔50の地下部分と南コークス炉60の煙道21の解体に重機1、2を投入し、解体を並行に進行させた。丸囲み数字19で示す。煙道はレンガ壁からなるので、レンガの掻き出しと瓦礫の搬出が主となる。図には示さないが、地下1階が平坦にされる。
【0046】
図44は、本発明による解体工法のフローチャート(全体)である。本発明のコークス炉及び石炭塔の解体工法は、北コークス炉解体工程(S1)と、石炭塔解体工程(S2)と、南コークス炉解体工程(S3)と、煙道を撤去する基礎解体工程(S4)と、を備える。
【0047】
図45は、コークス炉解体の詳細フローチャートである。北コークス炉20と南コークス炉60の両方に適用する。S50のプッシャーサイドのレールを撤去し外部養生足場を設置する工程に始まって、S64の擁壁を解体する工程までを備える。丸囲み数字は、
図1〜
図23に記載した解体作業に対応している。
【0048】
図46は、石炭塔解体の詳細フローチャートである。S70のプッシャーサイドのレールを撤去し外部養生足場を設置する工程に始まって、S76の石炭塔Bブロックの3階から1階を解体する工程までを備える。南デッキの解体S75は、石炭塔Bブロックの4FLより下で支持されるため、石炭塔Bブロックの5階から4階を解体S74の後に開始する。