(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理が、前記内壁とその中にあるバルク流体との間への作用剤の塗布、および前記アレスタとその中にある前記バルク流体との間への前記作用剤の塗布である、請求項1に記載の材料を移送するための再充填可能なシステム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
説明のために図示したように、本発明は、様々な材料を分配するための再充填可能な材料移送システムを対象とし、様々な材料には、粘稠な流体、粘性流体、およびポンプ送りに抵抗する、および/またはポンプに損傷を与え得るその他のタイプの液体が含まれる。本システムは、材料収容容器を含み、これは、上部領域が推進力を組み込み、また底部領域が材料の入口兼出口開口を組み込んでいる。2つの円錐を有する形状またはその他の形状の液レベル計装型の推力伝達装置が、材料収容領域の中に配置される。推力伝達装置は、用途に応じた量に加重され得る。推力伝達装置の接線方向要素の直径および高さは、円筒状の界面領域を形成する。この円筒状の界面領域の直径は、材料容器の内径よりも小さく、粘性流体または液体およびシステムの運転条件に適合された環状部を形成する。
【0017】
ここで図面を参照すると、類似の参照符号は、図面における類似または対応する態様を表している。また、
図1を特に参照すると、再充填可能な材料移送システム10は、圧力容器20と、冠部(上部部分)68およびスラスタ(下部部分)71を有する推力伝達装置60とを含む。圧力容器は、頂部(第1の端部)22と、側壁24と、底部(第2の端部)26とを含む。圧力容器は、円筒状の容器の形態、または圧力容器へ出し入れする材料を収容するためのその他の好適な形状であり得る。例えば、容器は、縦型もしくは横置きの高圧容器、単一のパイプ、パイプの集合体、またはパイプスプールであり得る。さらにまた、容器は、必ずしも圧力容器のために、または圧力容器として構成される必要はなく、容器の内外に移送される材料は、重力または伝達装置に負荷されるその他のエネルギーもしくは力によって移動し得る。材料容器およびその部品の構築に好適な材料には、金属(アルミニウム、銅、鉄、ニッケルおよびチタン)および合金(アロイ20、インコネル、モネル、鉄鋼およびステンレス鋼)が含まれる。加えて、ポリマー、プラスチック、複合材およびその他の合成材料(繊維強化プラスチック、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)など)は、容器およびその部品を構築するために用いられ得る。本発明は、縦型容器、横置き容器および傾斜容器を想定しているが、本明細書では図面の参照は、概して縦型容器に対してなされる。しかしながら、当業者であれば、上部、下部、頂部および底部などの語を、再充填可能な材料移送システムの横置き構造および傾斜構造に対しても容易に読み替え得ることを理解するはずである。
【0018】
容器20の頂部22は、側壁に固定されてもよいし、あるいは開放可能な蓋であってもよいし、もしくは容器の側壁部分24からなんらかの方法で取り外し可能であってもよい。容器の頂部は、平坦な表面、半楕円形の表面、または半球状の表面であり得る。頂部は、開放可能な蓋として構成されて、推力伝達装置60の取り外し、材料供給の変更、システム内部の保守および定期的な洗浄を容易にし得る。容器の蓋は、容器の頂部から外側に延出し、かつ蓋の中に延在するアクセスマニホールド36を含み得る。アクセスマニホールドは、好ましくは中央に、例えば、容器の長手方向の軸に沿って配置される。アクセスマニホールドは、充填操作の間に過剰な材料を容器から出すことを可能にするためのオーバーフローアーム32またはその他の装置を含み得る。オーバーフローアームは、手動で操作される弁または圧力解放弁を含み得る。アクセスマニホールドは、容器内にその長手方向の軸に沿って配設されるスタビライザパイプまたはその他のロッドを収容するようにさらに構成され得る。アクセスフランジ34は、アクセスパイプの外側端部(容器の外側)に設けられて、容器の頂部から容器の底部26の近くまで延在し得るスタビライザロッド(パイプ)62を拘束するようにし得る。容器の頂部は、容器の内外に加圧ガスを導入および/または解放するために、バルブおよびフィッティング38でさらに構成され得る。空気、窒素またはその他の化学的に生成された(不活性または活性)ガスなどのガスを利用して、容器を加圧し、冠部68に力を負荷し得る。加えて、蓋は、圧力解放弁(図示せず)またはその他の装置で構成されて、容器内のガスの過度な圧力を解放し得る。アクセスフランジもまた、容器から加圧ガスを解放するために用いられ得る。
【0019】
容器20の頂部22は、推力伝達装置60が容器の頂部に到達したときにこれを抑止するためのリテーナ61でさらに構成され得る。リテーナは、少なくとも2つの目的の役に立つ。すなわち、再充填操作の間のオーバーフローを防止すること、および円錐状の冠部68の上面に溜まっているいくらかの任意の材料、特に、半固体材料を充填サイクルの間に排出させることによって、その除去を容易にすることである。リテーナは、推力伝達装置の冠部の形状に一致するように形成され得る。リテーナは、容器、推力伝達装置および供給される材料の構成に応じて、材料容器と同じまたは異なる金属、合金もしくはポリマーから製作され得る。加えて、容器の頂部および容器の側壁部分は、容器が開放可能な頂部で構成される場合にシールを形成するように互いにしっかりと嵌め合うフランジで構成され得る。第1のフランジ27が容器の頂部に固定され、また第2のフランジ28が容器の側壁に固定され得る。締結機構(図示せず)が用いられて、容器の使用時に頂部フランジと側壁フランジとを固定し得る。
【0020】
容器20の側壁24は、容器内にガス空間30を画定する。同様に、容器が材料42で満たされた場合、容器の一部分は、材料空間40を含む。この容器は、推力伝達装置のスラスタ71の形状に合致する(一致する)ように構成されるアレスタ73によって画定される上げ底部分50をさらに含む。容器の底部は、平坦な表面、半楕円形の表面、半球状の表面または容器の役割に応じたその他の好適な形状とすることができる。アレスタは、ガスの迂回を防止し、容器が空のときに材料が確実にほとんど残らないように構成される。アレスタは、容器の底部26を横断し、材料マニホールド45と流体連通する排出流路55でさらに構成され得る。好ましくは、この排出流路は、十分な長さを有して、多量の材料で出口をシールすることによって材料マニホールド内にガスが流入することを防止するようにする。加えて、排出流路は、伝熱領域54を画定するのに充分な長さであって、熱伝達要素52が、容器から排出される材料を加熱もしくは冷却するために、排出流路の周りおよびアレスタの下側に配置され得るようにする。あるいは、排出流路および材料出口マニホールドは、容器の頂部に配置され得、その場合、アレスタ、リテーナおよび容器のその他の部品は適切に構成される。
【0021】
材料容器20の上げ底50におけるアレスタ73の排出流路55は、材料マニホールド45に通じている。材料マニホールドは、T字形(T継手)として、材料入口48と材料出口46とを含み得る。T字形に形成する場合、フランジ44が、材料マニホールドの底部に蓋をするために用いられ得る。あるいは、材料は、同一のポートからマニホールドに出入りし得、その場合、マニホールドは、L字形に形成される。1つまたは2つ以上のバルブ(図示せず)が材料入口および材料出口に追加され得る。同様に、容器に材料を導入(充填)したり、容器から材料を取り出したりする(空にする)ための従来の装置に接続するために、着脱容易な(カムおよび溝)継手またはその他の組立体が、材料入口および材料出口に追加され得る。
【0022】
ここで
図2および
図3を参照すると、推力伝達装置60は、冠部(上部部分)68と、接線方向部材(中間部分)69と、スラスタ(下部部分)71とを含む。一実施形態では、冠部は、実質的に三角形の断面形状を有する円錐または錐台形状に構成される。円錐形の冠部は、推力伝達装置の中空の内部へのアクセスのためのアクセスポート(開口)64を含む。開口は、バラストまたはその他の加重材料をスラスタ内に挿入するために用いられ得る。バラストプラグ(キャップ)65は、冠部のアクセスポートを閉じるために用いられ得る。1つまたは2つ以上の孔(ガスポート)66が、冠部および接線方向部材に穿設またはその他の方法で形成されて、推力伝達装置の内部空間をガスで加圧することができるようにする。推力伝達装置は、冠部に負荷される主要な推力および/またはエネルギーを受け、スラスタを介して負荷された力を変換し、材料マニホールド42が万遍なく加圧されるようにする。移送システム10が安定化パイプまたはロッド62、あるいはその他の中心部材を含む場合、冠部はまた、円錐の頂点に穴または孔(hole or bore)75を含み、その内部に安定化ロッドが摺動自在に配設され得る。同様に、スラスタには、円錐の頂点に開口77を設けることができ、その内部に安定化ロッドは摺動自在に配設され得る。
【0023】
スラスタ71は、実質的に三角形の断面を有する円錐あるいは錐台形状に形成され得、その内部を中空に構成され得る。接線方向部材69は、円錐形の冠部68と円錐形のスラスタとの間に配設され得る。接線方向部材は、円形あるいは円筒状の形状かつ断面が矩形の円板あるいは板として構成され得る。接線方向部材は、推力伝達装置に安定性をもたらすことを助けて、接線方向部材の外壁が、容器20の側壁24と実質的に平行かつ冠部の長手方向の軸およびスラスタの長手方向の軸と実質的に平行となるようにする。
【0024】
図2に示すように、推力伝達装置60の一実施形態は、断面が子供の独楽に似ており、冠部68およびスラスタ71の両方の形状が円錐形であり、それによって、2つの円錐を有する推力伝達装置を形成している。一実施形態では、冠部は中空で上向きに尖った円錐形であり、その主要な目的は、容器20の閉じた空間が材料42で充填される場合に過充填を防止することにある。二番目に重要なことは、再充填プロセスの間に、推力伝達装置の上に堆積し得るあらゆる材料を冠部が移動させることである。円錐形のスラスタは、装置に負荷された推力を伝達して、材料に貫入し、容器の材料出口55を介して材料マニホールド45内へと材料を移動するようにする。スラスタの円錐形部分は、容器内の材料に貫入するように構成される。推力伝達装置およびその部品を構成するのに好適な材料には、金属(アルミニウム、銅、鉄、ニッケルおよびチタン)および合金(アロイ20、インコネル、モネル、鉄鋼およびステンレス鋼)が含まれる。加えて、ポリマー、プラスチック、複合材およびその他の合成材料が、推力伝達装置を形成するために用いられ得る。そのような材料には、繊維強化プラスチック、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)が含まれる。
【0025】
再び
図1を参照すると、再充填可能な材料移送システム10の一実施形態は、縦型の姿勢の材料容器20で構成され、容器の底部26は、床または地面に隣接され、脚部またはその他の台座(図示せず)上に縦立し得る。したがって、容器の側壁24は、容器の頂部22を所定の場所に保持する。推力伝達装置60は、材料が容器に出入りするときに、容器を上下に移動するように構成されている。スタビライザロッドまたはその他の装置62が容器内に配設される場合、伝達装置は、ロッドを上下に移動するが、ロッドには、容器の底部付近にあるロッドの端部にキャップ63を設けることができる。推力伝達装置の動きは、容器の頂部ではリテーナ61によって拘束され、かつ容器の底部ではアレスタ73によって拘束される。本発明の一態様では、接線方向部材69の外径は、容器の内径よりも小さく構成される。したがって、伝達装置が容器を上下に移動すると、材料42の一部分が側壁に沿って残り、容器の側壁と接線方向部材との間にガスシール49を形成する。このような移送システムの縦型構成では、出口55は鉛直方向に充分な長さを有して構成されて、材料が容器から出て行き、伝達装置がアレスタに接近したときに、容器内のガスが出口を通って底部の材料マニホールド内に移動しないようにする。
【0026】
ここで
図4を参照すると、再充填可能な材料移送システム10の代替的な実施形態は、高圧の加圧ガス以外の力の形態を用いて構成され得る。例えば、駆動軸93は、材料容器(容器)20の頂部22の内部に設けられたマニホールド86内に配置され得る。駆動軸は、推力伝達装置90を容器の頂部から底部26へと動かすために、駆動力をもたらすように構成される。駆動軸の第1の端部87は、容器の頂部からマニホールドの外側へと延出している。フランジ84は、容器の頂部から外側に延出するマニホールドの端部に配置されて、駆動軸の外側部分の周りに気密シールを提供する。駆動軸の第2の端部88は、推力伝達装置の円錐形冠部94の頂点に設けられた開口102の内部に配設されている。したがって、容器の頂部から底部に向かう駆動軸の動きは、推力伝達装置を容器の底部に向けて駆動する。同様に、容器の底部から頂部に向かう駆動軸の動きは、推力伝達装置を容器の頂部に向けて駆動する。
【0027】
使用時、容器20の底部26に隣接して配置される材料マニホールド45に材料42が入ると、推力伝達装置90は、容器の頂部22に向けて上昇することが予想される。あるいは、駆動軸93は、容器の上部または蓋の内側に設けられたリテーナ91に隣接している容器の頂部へと、推力伝達装置を移動するように構成され得る。さらに、リミットスイッチ92が、リテーナに設けられ、駆動軸のための力の形態に電子的に接続されて、推力伝達装置が容器の頂部に接近したときに、推力伝達装置をリテーナに隣接させて停止させるようにし得る。同様に、リミットスイッチ101が、アレスタ99またはその付近に配置され得る。このようにして、駆動軸が伝達装置を容器の底部に向けて移動すると、リミットスイッチは、駆動軸にかかる力の形態を停止させて、アレスタに隣接させて伝達装置を位置決めするように作用し、本質的に材料のすべてを容器から取り除くことができるようにする。あるいは、材料マニホールド、スイッチ、リテーナ、アレスタおよびその他の容器の部品は、材料が容器の頂部から導入され、かつ取り除かれるように構成され得る。
【0028】
ガスパージラインおよびバルブ89は、容器20の頂部または蓋22の内部にリテーナ91に通して設けられて、材料42が容器から取り除かれたときに空気または不活性ガスが容器内に供給され、かつ容器が材料で充填されたときにそのようなガスが排出されることを可能にするように構成され得る。加えて、充填サイクルの間に過剰な材料、空気およびその他のガスを排出するために、材料過充填アーム82が、マニホールド86に含められ得る。ガス入口およびバルブは、材料が移動して容器から出ることによりエアスペース80が容器内で増加し、かつ材料スペース40が容器内で減少したときに、ガスまたは空気が容器内に入ることができるように用いられ得る。あるいは、過剰な材料の排出管82は、伝達装置が材料を容器から押し出すとき、または容器内に入る材料が伝達装置を容器の頂部に向けて動かすときに、空気が容器に出入りすることができるように構成され得る。
【0029】
ここで
図5および
図6を参照すると、2つの円錐を有する推力伝達装置90は、冠部(上部部分)94と、接線方向部材(中間部分)95と、およびスラスタ(下部部分)97とを含む。冠部およびスラスタは、先端または頂点を切り取られた三角形の断面を実質的に有する、円錐形あるいは錐台形状で構成される。環状の接線方向部材は、実質的に縦方向の外面を有し、冠部とスラスタとの間に配置されている。冠部、接線方向部材、およびスラスタは、単一のユニットとして機械加工、ダイカストまたはその他の方法で製造される、あるいは別々の部品として製造して溶接、ボルト締めまたはその他の方法で永続的もしくは着脱自在に固定されて、推力伝達装置を形成し得る。
【0030】
推力伝達装置90は、伝達装置の接線方向部材95の外面に沿って配置された、1つまたは2つ以上のスタビライザ96でさらに構成され得る。スタビライザは、薄いブレードに似た部材であり、伝達装置と同じ材料、例えば、金属およびそれらの合金、ポリマー、プラスチック、複合材またはその他の天然および合成の材料から製作され得る。複数のスタビライザ(例えば、4つのスタビライザ)は、溶接、機械的な締結具またはその他の好適な装置および技法によって、接線方向部材の外面に沿って等しい間隔で伝達装置に取り付けされ得る。スタビライザの頂部および底部の縁部は、材料容器20の側壁24に対する擦り傷およびその他の損傷を制限するために、丸みをつけることができる。スタビライザの1つの目的は、接線方向部材が容器の側壁に沿って移動するときに、推力装置の傾斜防止を助けることにある。スタビライザはまた、容器の側壁に隣接して材料空間49をもたらして、推力伝達装置と容器の側壁との間にガスシールを提供する。そのような構成では、再充填可能な材料移送システム10は、縦型姿勢や横置き姿勢で用いてもよく、ユーザの求めに応じてある角度に配設してもよい。
【0031】
推力伝達装置90の性能は、貫入チップまたは突出部98の追加によって高められ得る。
図4および
図5に示すように、貫入チップの形状は、推力伝達装置の円錐形スラスタ部分97と同じまたは異なる固有の角度を有する円錐形あるいは錐台形であり得る(
図11を参照)。貫入チップは、推力伝達装置のその他の部品と同じ材料または代替的な材料から製作され得る。さらに、円錐形のスラスタチップの構成は、断面が三角形である必要はなく、丸みをつけることもできるし、正方形またはその他の好適な構成とすることもできて、材料排出流路55および材料出口マニホールド45を含む容器の部分に向けて推力伝達装置が移動するときに、材料を動かすのを助けるようにする。円錐形のスラスタには、その底部の端部(冠部94および接線方向部材95から最も離れた部分)に、円錐形のスラスタチップを受けるように構成された切頭部分104を設けることができる。円錐形のスラスタチップの幅広端部106は、スラスタの切頭部分に固定するために、ねじ式フランジまたはその他の装置で構成され得る。あるいは、円錐形のスラスタチップは、溶接またはその他の方法によって、円錐形のスラスタに永続的に固定され得る。経験的データは、スラスタチップの最も大きな直径が出口流路55の直径とほぼ同じとするべきであるという前提を支持している。スラスタの円錐形の部分および突出部の両方が、材料に貫入するように構成される。
【0032】
ここで
図7および
図8を参照すると、推力伝達装置90は、推力伝達装置の接線方向部材95に隣接して、および/またはその周りに配置される環状管理装置103でさらに構成され得る。例えば、環状管理装置は、スタビライザフィン96の上にしっかりと嵌め合うように、切欠きまたは切込み(図示せず)を含む円形で、ドーナツ形の部材を含み得る。あるいは、切欠きまたは切込みは、スタビライザフィンに作られて、環状管理装置を収容し得る。環状管理装置はまた、推力伝達装置の接線方向部材の内部の環状の切込み内に保持されるように構成され得る。環状管理装置は、推力伝達装置に着脱自在または永続的に取り付けされ得る(
図15、
図16も参照)。環状管理装置の内径は、伝達装置の接線方向部材の外径と実質的に同じとするべきである。環状管理装置の外径は、容器の側壁24に密接するために、材料容器20の内径より大きくするべきである。このように、推力伝達装置が容器の側壁に沿って移動すると、容器の側壁に沿って蓄積したあらゆる材料49(
図4)が、容器の底部26に向かって動かされ、排出流路55を通って、そして好ましくは材料マニホールド45から出る。環状管理装置のための好適な材料には、推力伝達装置と同じ材料、ならびに皮革、天然または合成ゴムならびにブナN(ニトリル)、フッ素エラストマー、ネオプレンおよびエチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM)などのその他のエラストマーが含まれる。
【0033】
ここで
図9を参照すると、再充填可能な材料移送システム110の一実施形態は、材料容器120を縦型に構成することを含む。材料容器は、本体150と、頂部122と、1つまたは2つ以上の脚部もしくは延長部分170を含む。材料容器の本体は、円筒状に構成され、脚部170に接続される下部部分152と、頂部122に接続される上部部分154とを有する。上部環状フランジ124は、頂部の下部部分156に接続される。下部環状フランジ126は、容器の本体の上部部分154に接続される。環状フランジは、本質的に円筒状の形状であり、ドーナツに似た構造を有していて、その直径はその厚みよりも非常に大きい。締め付けねじ128は、底部フランジに固定され、上部フランジ内に形成された切込みまたはスロット127の内部に在るように構成されている。頂部フランジおよび底部フランジならびに固定用のロックは、固定用のロックが所定位置にある場合、材料容器の頂部と本体との間に液密シールが維持されるように構成される。材料容器の役割に高圧または液密シールのためのその他の要求が含まれている場合には、液密シールを容易にするために、Oリング(図示せず)が、上部フランジと下部フランジとの間に配置され得る、あるいはゴムまたはその他のポリマーコーティングが、上部フランジおよび下部フランジに塗布され得る。容器の頂部を容器の本体に固定するために、ラッチ、クランプ、リフティングラグおよびダビットなどのその他の機構を用いることができる。
【0034】
材料容器120の頂部部分122は、半球状であり、また断面が円形であり得る。あるいは、圧力容器の頂部は、平坦、正方形または容器に課される役割に好適なその他の形状で構成され得る。孔、切欠きまたはその他のアクセスポートが容器の頂部に設けられて、ガス入口端部弁180、オーバーフローまたは圧力安全弁190、およびゲージ機構160の配置を容易にし得る。表示部164を有するゲージ160の挿入および除去を容易にするために、ねじ継手162が、容器の頂部の中央の内部に配置され得る。あるいは、頂部継手は、
図1に示すスタビライザロッドまたはパイプ62、あるいは
図4に示す駆動軸93を保持するために用いられ得る。
【0035】
頂部122の容器120からの取り外しを容易にするために、持ち上げ機構130を、材料容器の本体150に隣接させて設けることができる。一実施形態では、米国ミシガン州のアナーバーのRosedale Productsから入手可能な油圧ジャッキ132が用いられて、ピストンまたはロッド134を駆動して、容器の頂部の環状フランジ124を持ち上げる。アクチュエータ機構136が用いられて、油圧的、機械的または電子機械的に駆動軸134を動かして、容器の頂部を位置決めし得る。さらに、持ち上げ機構は、下部フランジ126から完全に係脱することなく蓋を持ち上げて水平に移動させることができるように構成され得る。安定化を目的として、支持フランジ138が、材料容器の本体150および持ち上げ機構130のアクチュエータ132に固定され得る。
【0036】
再充填可能な材料移送システム110は、材料容器120の本体150の下側に容器の底部152に隣接させて、材料の入口兼出口マニホールド140でさらに構成され得る。例えば、パイプ144は、容器の底部に接続され得る、またT字形(T継手)部分146を含み得る。T字形(T継手)部分146は、一端146が閉鎖され、かつT継手の第2の部分で排出機構148に接続される。材料マニホールドの排出部分は、ボールバルブおよびアクチュエータ機構142をさらに含み得る。容器を充填したり空にしたりするためのホースおよびパイプへの接続のために、カムおよび溝カプラまたはその他の業界固有の機構を材料マニホールドの出口に設けることができる。材料排出マニホールドをさらに保護するために、プラスチック、金属またはその他の好適な材料のシールド(図示せず)を、脚部170または材料容器120を支持しているその他の延長部分の周りに設けることができる。同様に、表示機構160、ガス入口180および圧力解放もしくは材料排出装置190を保護するために、保護シールド(図示せず)が、容器の頂部122の上部部分の周りに形成され得る。最上部を取り囲んでいる保護機構には、表示部164およびガス弁180へのアクセスのために切欠きを設けることができる。
【0037】
再充填可能な材料移送システム110は、様々な量の材料42および様々な圧力の高圧ガス31を保持するように構成され得る。例えば(
図1および
図4も参照)、容器120の頂部122および本体150を寸法決めし、かつリテーナ61、91およびアレスタ73、99を構成して、内部材料空間40が、例えば、55、150、300または600ガロン(2.3立方メートル)の流体またはその他の材料を収容するようにし得る。一定のガス圧の運転モードでは、当業者は、不要な実験を行うことなく高圧ガスを収容するために必要な容器の容積を決定し得る。特定のガス量で容器をあらかじめ満たすことを含む運転モードは、以下の通りに進行する。
(a)空のときに材料を分配するために必要とする絶対的な最終圧力(P)を判定する。
(b)この絶対的な圧力(P)に、容器の満液容積(V)を乗じて、本明細書においてPV定数と称する値を得る。
(c)全容器を予め満たすときの絶対圧力の値を判定する。
(d)PV定数を、予め満たすときの絶対圧力で除して、高圧ガスを収容するために必要な容器の容積を判定する。
【0038】
2つの円錐を有する推力伝達装置60、90が、材料容器20、120に用いられる場合、接線方向部材69、95の外径(冠部68、94およびスラスタ71、97の最大直径)は、材料容器の側壁24の内径よりもいくらか小さく構成される。再充填可能な材料移送システムは、意図される役割に応じてスケールアップまたはスケールダウンされ得る。役割は、小型の携帯式システムから、大型の貨物トラックあるいはトレーラに取り付けられるシステムにおよび得る。本発明は、1マイクロリットル未満の量の材料および少なくとも何万リットルもの材料を移動させる、きわめて小さい(マイクロ、ナノサイズの)ものからきわめて大きい材料移送システムに適用可能であることが予想される。容器分野の当業者は、適切な容器の幾何学的形状、材料およびその他の特徴を不要な実験を行わずとも決定し得る。同様に、材料移送分野の当業者は、適切な推力伝達装置の幾何学的形状、材料およびその他の特徴を不要な実験を行わずとも決定し得る。再充填可能な材料移送システムに有限な体積のガスが充填され、かつガス供給源に接続されない場合、材料移送分野の当業者は、適切な最小ガス圧を不要な実験を行わずとも決定し得る。さらに、ガス取り扱い分野の当業者は、適切な初期ガス圧およびガス容積を不要な実験を行わずとも決定し得る。以下は、再充填可能な原材料移送システムのいくつかの実施例における寸法である。
【0039】
実施例1−自動車ボディ用シール材の分配器
分配容積:1.9ガロン(432立方インチ、7.1リットル)
容器
頂部:平坦
底部:平坦
内径:6.5インチ(16.5cm)
内側の高さ:14.5インチ(36.8cm)
満液容積:2.1ガロン(481立方インチ、7.9リットル)
材料:アルミニウム
推力伝達装置
頂部:平坦
底部:120度の円錐
底部突出部:なし
接線方向の直径:6.25インチ(15.9cm)
接線方向の高さ:1.0インチ(2.5cm)
材料:アルミニウム
【0040】
実施例2−自動車ボディ用消音材の分配器
分配容積:21.7ガロン(5,013立方インチ、82.1リットル)
容器
頂部:2:1半楕円体
底部:2:1半楕円体
内径:15.5インチ(39.4cm)
直線シェル高さ:32.1インチ(81.5cm)
満液容積:34.3ガロン(7,929立方インチ、129.9リットル)
材料:ステンレス鋼
推力伝達装置
頂部:2:1半楕円体
底部:2:1半楕円体
底部突出部:直径3.0インチ(7.6cm)、高さ2.5インチ(6.4cm)
接線方向の直径:14.0インチ(35.6cm)
接線方向の高さ:5.0インチ(12.7cm)
材料:ステンレス鋼
【0041】
推力伝達装置60、90、200および300の接線方向部材69、95、230、232、234、236、330、332、334、346、348の、材料容器20、120の側壁24に対する近接度は、中でも、材料42の性質に依存する。近接度の範囲は、0.2から1.0インチ(0.5から2.5cm)である。接線方向部材69、95、230、232、234、236、330、332、334、346、348の高さは、中でも、材料の性質および容器20,120の寸法に依存する。高さの範囲は、0から12インチ(30.5cm)である。円錐形の冠部68、94は、中でも、材料の性質に依存する定義角を有している。この角度の範囲は、90から180度であり得る。スラスタ71、97、210、212、214、215のファルクラムは、中でも、材料の性質に依存する定義角度215を有し、この範囲は、90から180度であり得る。スラスタチップ98、220は、中でも、材料の性質に依存する定義角225を有し、この範囲は、30から180度未満であり得る。
【0042】
ここで
図10および
図11を参照すると、推力伝達装置200は、異なる粘度を有する様々な流体で用いるために適合され得る。伝達装置のスラスタ部分210は、円錐形あるいは錐台形で中空の装置として構成され得る。複数の接線方向部材230は、伝達装置のスラスタ部分に隣接して配置するように構成され得る。例えば、接線方向部材232、234、236は、それらの高さ(厚み)がそれらの直径よりも著しく小さい縦横比を有する円板状あるいは円筒状の形であり得る。接線方向部材は、互いに積み重ねて、固定ロッド250またはその他の好適な機構を用いてスラスタ部分に固定され得る。固定ロッドは、頂部継手254を用いて板に着脱自在に取り付けされ得、またその第2の(底部の)端部252で円錐形のスラスタ210の底部214に固定され得る。一実施形態では、固定ロッドは、接線方向部材の孔もしくは穴256内、およびスラスタのパイプあるいは導管258内に配設される。
【0043】
伝達装置200の粘稠流体または粘性流体内への貫入は、スラスタ210の下部部分214に取り付けられる貫入チップ220の追加によって補助され得る。これまで説明したように、スラスタチップは、円錐形(断面では三角形)、とがらせていない、正方形またはその他の好適な形状であり得る。スラスタチップは、溶接、ねじ機構によってチップをスラスタに取り付けるための、あるいはチップを固定ロッド250に取り付けるためのアダプタ222を含み得る。円錐形スラスタのポート264および接線方向部材の管腔または穴262が用いられて、バラストを追加するための円錐形スラスタの中空部分へのアクセスを提供し得る。キャップ260が最も外側の接線方向部材に配設されて、バラストの充填および除去のためのポートを覆い得る。推力伝達装置が加圧される再充填可能な材料移送システムに用いられる場合、材料移送装置を加圧できるように、穴または孔280が、穿設される、またはその他の方法で接線方向要素に形成され得る。
【0044】
推力伝達装置200はまた、スタビライザ機構240を含み得る。例えば、3つの安定化フィン242、244、246は、最も外側の接線方向部材232に固定されて、推力伝達装置のスラスタ210が材料容器20、120内で動くときに、これが傾斜することを防止し、なんらかの方法で安定化し得る。スタビライザフィンは、1つまたは2つ以上のフランジ243、245、247を追加することにより、推力装置の上部の接線方向部材232に溶接、ボルト締め、ねじ込みおよび永続的もしくは着脱自在に固定され得る。スタビライザフィンは、接線方向部材の周辺の外側に延びるように構成されて、スタビライザの最も外側の部分が材料容器内部の側壁に隣接するようにする。あるいは、スタビライザフィンは、
図4〜
図6に示すように、接線方向部材のうちの1つまたは2つ以上に取り付けられ得る。
【0045】
ここで
図12、
図13および
図14を参照すると、推力伝達装置300は、
図1〜
図8に示す2つの円錐を有する形状以外の様々な構造に製作され得る。例えば、伝達装置のスラスタ部分310および伝達装置の冠部部分315は、半球状または半楕円状の形状であり得る。そのような半球状または楕円状の形状は、冷間加工、加熱修整または鋳造によってより容易に製造され得る。同様に、様々な合金および金属を用いる射出成形プロセスが実施されてもよい。
【0046】
図12に示すように、伝達装置300は、材料容器内部の側壁と平行であるために、実質的に接線方向の部分330を有し得る。したがって、伝達装置のスラスタまたは下部部分310は、接線部分332を含み、伝達装置の上部部分315は、接線部分334を含み得る。伝達装置の両半分は、溶接部340で接合されてもよいし、または両半分を互いに永久的または着脱自在に締結するためのその他の技法を利用するのであってもよい。これまで説明したように、縦型スタビライザフィン342、344、346、348は、伝達装置の接線部分の周りに、円周方向に間隔を開けて配置され得る。参照する図面には4つのスタビライザフィンが示されているが、容器および伝達装置の直径およびその他の構成に応じて、2つ、3つ、6つまたは7つ以上のスタビライザフィンが適宜用いられ得る。
【0047】
推力伝達装置300がガスで加圧される環境において用いられる場合、伝達装置の上部部分または頂部(冠部)315は、1つまたは2つ以上の孔または穴380を含んで、加圧されたガスが伝達装置の内側に入ることができるようにする。加えて、伝達装置の内部にバラストを配置するためのアクセスポート360が、伝達装置の冠部の上面上に提供され得る。これまで説明したように、バラストアクセスポートは、アクセスポート内への着脱自在な挿入のためのプラグまたはキャップを受けるように構成され得る。伝達装置の冠部はまた、スタビライザパイプ62(
図1)または駆動軸93(
図4)の挿入のために、継手、フランジまたはその他の部材350で構成され得る。レベル指示装置(
図17、
図18)を収容する推力伝達装置を構成するために、パイプまたはその他のチューブが、冠部継手からスラスタ部分310の底面付近へと延在するように構成され得る。
図12に示すように、スラスタ部分はまた、円筒状の突出部またはフランジ320で構成され得、これは、位置決め装置サブアセンブリ600(
図18)を収容するために用いられ得る保持機構322を受けるための継手として構成される。スラスタ継手はまた、材料への貫入を容易にするため、かつきわめて高粘度の流体が、容器20、120の出口流路55および材料マニホールド45、140を通って移動するための貫入チップとして働き得る。したがって、スラスタチップ(突出部320)の直径は、出口流路55の直径とほぼ同じとするべきである。
【0048】
材料容器の内部への材料伝達装置300の挿入および取り外しを助けるために、穴352または同様の機構が、冠部315上の上部継手350に形成され得る。例えば、
図13に示すように、2つの穴352が、継手を横切る直線上に貫設されて、これらの開口にチェーンまたはワイヤが穴に通されて、推力伝達装置を圧力容器から引き上げるようにし得る。これまで説明したように、伝達装置は、移送システムに用いる材料に適合する任意の好適な金属、合金、プラスチックまたはその他のポリマーから製作され得る。
【0049】
ここで
図15および
図16を参照すると、半球状(半楕円状)の伝達装置300(
図11)は、環状管理装置400で構成されて、材料容器内部の側壁上に蓄積した材料の除去を助け得る。環状管理装置は、天然もしくは合成ゴム、エラストマーポリマー、または容器の内外に移送される材料に適合するその他の好適な材料から形成される環状部材410を含む。環状管理装置は、環状部材に固定された1つまたは2つ以上の水平フランジ420をさらに含み得る。水平フランジは、止めコック442、444、446、448またはその他のガス抜き機構を収容するためのポート452、454、456、458を含んで、伝達装置が材料容器の頂部から底部(第1の端部から第2の端部)へと移動するときに、伝達装置の下に捕捉されたガスまたは空気が解放されるようにし得る。水平フランジは、ボルトおよびナット470またはその他の好適な締結手段によって環状部材に固定され得る。あるいは、環状部材は、フランジに、あるいは直接伝達装置の冠部に接着またはその他の方法で接合され得る。フランジの垂直部分は、溶接またはその他の方法で水平フランジと共に形成され得、そして、ボルトおよびナット460またはその他の好適な締結手段によって伝達装置に取り付けられ得る。環状管理装置は、推力伝達装置に、固定的または着脱自在に固定され得る。
【0050】
ここで
図17を参照すると、再充填可能な材料移送システムは、レベル指示装置500を含み得る。接触および非接触の液位装置などの多くのタイプの液位計が、材料移送システムに組み込まれ得る。接触式および非接触式の液位装置は、例えば、容器重量式装置(秤)、容器ガス圧力式装置(圧力計)、リニアおよびロータリエンコーダ装置(テープゲージ)、波動式装置(レーザ、磁歪、高周波、および超音波)、磁気結合式装置(指示ロッドおよびテープ)、変位式装置(リミットおよび近接スイッチ)、材料流量式装置(流量積算計)、光学式装置(光ファイバ、光電性、および視覚)、ガスと材料との界面装置(浮力、電気容量、導電率、差圧、および差温)および原子核装置(放射性同位体)である。本明細書に説明される推力伝達装置と共に使用するために好適な1つのシステムは、米国コネティカット州プレインビルのGEMS Sensors,Inc.から入手可能である。このような装置は、推力伝達装置(
図12参照)のアダプタパイプまたは中央の管腔内に配設され得るステム520を含む。ステムは、材料容器の外側から見えるハウジング560内のマイクロプロセッサに接続された、磁気リードスイッチまたはその他のレベル指示器を含み得る。ねじ継手540またはその他の固定装置は、レベル指示システムを
図12に示す推力伝達装置300の上部フランジ350に取り付けるために使用され得る。ハウジングは、特定の寸法の材料容器と共に使用するために構成され得る、プログラム可能なマイクロプロセッサ(図示せず)およびデジタルディスプレイ564などのその他の電子機器を含み得る。システムのハウジング560は、ポリマー、複合材、その他の合成材料、あるいはカリフォルニア州ノースヒルのMoore Industries International,Inc.から入手可能なより丈夫な金属または合金の構造物から製作され得る。
【0051】
ここで
図18を参照すると、ステム520内の磁気センサを作動させるために、位置決め装置サブアセンブリ600が、
図11に示す推力伝達装置300内で位置決めするために構成され得る。サブアセンブリは、磁気位置決め装置(磁気アクチュエータ)640を収容するための外側ハウジング620を含むが、これは、円筒状または卵形であり得る。ねじ式キャップまたはその他の継手660は、ハウジングの片側に構成されて、推力伝達装置上のアダプタ322またはその他の機構に固定されるようにする。ハウジングキャップは、孔または管腔680を含んで、ステム520が、位置決め装置サブアセンブリを通過することができるようにし得る。同様に、位置決め装置は、中央管腔690内に構成されて、ステムが位置決め装置内側に摺動自在に配設され得るようにする。加えて、位置決め装置サブアセンブリは、ステムから材料堆積物を取り除くための洗浄機構(図示せず)を含み得る。使用時、容器内で材料レベルが増加すると、位置決め装置サブアセンブリ(磁気アクチュエータ)を保持している伝達装置は、ステムを持ち上げてステムの中に含まれるセンサを作動させる。位置決め装置(磁気アクチュエータ)がステム上の最も高い位置に接近すると、装置上のディスプレイ564は、100パーセントまたは容器が満杯であることを示すなんらかのその他の指示を示すように校正される。レベル指示装置500は、材料高さ、重量または体積を適宜示すように校正され得る。同様に、容器から材料が排出されるにつれて、伝達装置が容器の底部に接近して、磁気アクチュエータをステム上の最も低い位置に接近させ、その結果、レベル計は、材料の高さ、重量または体積の減少を表示する。
【0052】
図19は、
図4の材料移送システムの別の実施形態を示しており、ここでは、境界層抑制材料701が、容器内の選択された接液面に塗布されている。境界層抑制材料701の図は、原寸に比例しておらず、むしろ本発明の説明のために大幅に拡大されていることを理解されたい。材料移送システムの内面上の接液面は、側壁24と、アレスタ73と、スラスタ71と、排出流路55と、接線方向部材69と、貫入チップ98とを含み得る。流体42と接触するその他の表面および要素もまた、接液面とみなされ得る。好適な実施形態では、すべての接液面は、移動する流体と、材料移送システムの静止している内面(ならびに推力伝達装置、総称して「境界層界面」)との間にある境界層を抑制する材料でコーティングされる。本発明は、再充填可能な材料移送システムの境界層界面と、流体との間における境界層に作用して、システムの性能を改善する。境界層を抑制することは、材料移送システムの内面と、流体との間における比較的大きい幾何学的な表面積に影響を及ぼすことから、本発明は、全エネルギー効率を著しく改善し、流体をシステムの内外に移動するために要するエネルギーを減らす。
【0053】
様々なシステムでよく用いられ得る、内面を有する多数の部品のリストに含まれるのは、アクセスフランジ、アクセスマニホールド、アクセスパイプ、アクセスポート、アダプタ、環状部材、環状管理装置、アレスタ、アセンブリ、バラストプラグ(キャップ)、玉型弁およびアクチュエータ機構、孔または穴(bores or holes)、孔または管腔(bore or lumen)、底部、底部端部、底部部分、底部領域、キャップ、洗浄機構、部品、円錐スラスタ、円錐スラスタ部分、容器、継手、フランジまたはその他の部材、冠部、冠部部分、2つの円錐を有する形状またはその他の形状の推力伝達装置、排出機構、過剰材料排出ライン、出口流路、上げ底部分、フィッティング、フランジ、ガス空間、熱伝達領域、熱伝達要素、穴または孔(hole or bore)、内部材料空間、内部、蓋、レベル指示装置、レベル計(level indicator,level instrument)、下部環状フランジ、下部部分、管腔(lumen)、管腔または穴(lumens or holes)、本体、マニホールド、手動操作解放弁または圧力解放弁、材料容器、材料収容容器、材料出口マニホールド、材料の入口兼出口開口、材料入口、材料の入口兼出口マニホールド、材料入口マニホールド、材料マニホールド、材料出口、材料排出流路、材料出口マニホールド、材料空間、材料移送装置、材料容器、方法終了マニホールド、一方の端部、開口、Oリング、最も外側の接線方向部材、外側ハウジング、出口、排出流路、オーバーフローアーム、溢れ解放弁または圧力解放弁、貫入チップまたは突出部、貫入チップ、パイプまたは導管、ポート、位置決め装置サブアセンブリ、圧力解放装置または材料排出装置、圧力容器、着脱容易な(カムおよび溝)継手、再充填可能な材料移送システム、リテーナ、保持機構、ロッド、固定ロッド、シール、側壁、スタビライザフィン、スタビライザ機構、スタビライザロッドまたはパイプ、スタビライザロッド(パイプ)、スタビライザパイプ、スタビライザ、安定化フィン、安定化パイプまたはロッド、ステム、止めコック、接線方向部材、接線方向部分、スラスタ、スラスタ部分、スラスタチップ、頂部、伝達装置、移送システム、切頭部分、T字形(T継手)部分、上部環状フランジ、上部継手、上部または頂部部分(冠部)、上部部分、上部領域、バルブ、孔(vent)、孔または穴(vents or holes)、垂直安定化要素、容器、壁、幅広端部である。
【0054】
各内面は、壁面とバルク流体との間に新しい境界層を生成するために処理またはコーティングされる。処理には、これらの表面の表面粗さ(すなわち、表面の理想表面からの垂直方向の平均偏差の程度)を変えることが含まれる。研磨(sanding)、研磨(polishing)などにより表面粗さが小さくなると、流体のこれらの表面に対する粘性もまた低下し、摩擦を減じて、粘性流体を動かす。つまり、容器の本来の内面を研磨して、これらがより平滑になるようにし、それによって、これらの表面を流れる流体を動かすために要するエネルギーを減らし、かつ容器を出入りする流体の流量を増加し得る。あるいは、エポキシコーティングを本来の内面に施して、それらをより平滑にし、バルク流体と接触する壁の平均粗さを減らし、ひいては境界層を抑制する。境界層を抑制するための別の方法は、シリコーンベースの離型剤を内面に塗布することである。離型剤は、単独で内面に塗布され得る、あるいは、離型剤を含浸させたエポキシコーティングが、本来の内面に塗布され得る。
【0055】
他方、表面粗さは、これらの表面に対する流体の粘性を高めるために増加させることもできる。例えば、容器の内面をサンドブラストで仕上げて、それらをより粗くし、流体を容器内で動かすために要するエネルギーを増やしてもよい。このことにより境界層が増加され、このことが、システムを水圧でプライミングするのに役立つ。あるいは、研磨剤を含むコーティングを本来の内面に施して、これらをより粗くしてもよく、このこともまた、システムのプライミングを助ける働きをする。システムを水圧でプライミングするために、結合剤/粘着剤を内面に施して、これらの表面上における流体の境界層を増加してもよい。結合剤/粘着剤は、単独で内面に塗布され得る、あるいは、結合剤/粘着剤を含浸させたエポキシコーティングが、本来の内面に塗布され得る。
【0056】
容器およびその部品の接液面上における境界層を抑制するための別の方法は、本来の表面またはコーティングされた表面の輪郭線を形成し(粗くする、すなわち、表面粗さを大きくする)、離型剤を表面に塗布することであり、離型剤は、表面の谷の部分に存在し得て、表面に対する離型剤の保持を改善する。例えば、内燃機関のシリンダがホーニング加工されて、谷部分に潤滑油を保持し得るのと同様の方法で、金属製のRMTS容器は、サンドブラストで仕上げされ、植物油でコーティングされてもよい。境界層を抑制するための別の方法は、ある種の固体材料の多孔性を利用することであり、離型剤は、固体材料およびその表面の孔中に存在し得る、あるいは毛管現象により孔中に保持され得る。離型剤は、孔中に捉えられて、固体材料およびその表面における離型剤の保持を改善する。多孔性の固体材料は、システムの部品(容器の内壁、アレスタ、推力伝達装置、材料の入口兼出口マニホールドを有する第1の端部など)およびシステムの部品に施される多孔性固体材料(コーティング、ライナ、クラッドなど)であり得る。例えば、金属製のRMTS容器は、自己潤滑性の油浸ナイロンシートでライニングされ得る。
【0057】
多孔性の固体材料であって、それらの孔中およびそれらの表面上に離型剤が入っている固体材料の例には、料理油をなじませた鋳鉄製のフライパン、Oilite(登録商標)自己潤滑性油浸青銅、および自己潤滑性油浸ナイロンが含まれる。その他の例は、多孔性の材料が、それら孔中およびそれらの表面上に離型剤を含んで、物体の性能または摩耗特性を改善する場合に見出され得る。
【0058】
表面はまた、これらの表面の電気的、熱的、および波動的な抵抗力を変えるように改質され得る。例えば、シリコーンベースの導電性グリースを容器の内面に施して、電気エネルギーを流体とやりとりするために要するエネルギーを低下させ得る。容器内の流体を加熱または冷却することが求められる場合、シリコーンベースの放熱グリースを容器の内面に施して、熱エネルギーを流体とやりとりするために要するエネルギーを低下させて、流体をより良く冷却および加熱し得る。音響的に操作される材料または流体の場合には、グリセリン/グリセリンベースの音響結合媒体を容器の内面に施して、音波エネルギーを材料または流体とやりとりするために要するエネルギーを低下させて、材料をより良く撹拌し得る。
【0059】
シリコーンベースの絶縁グリースもまた、内面に施して、電気エネルギーを容器内の流体とやりとりするために要するエネルギーを増加させて、流体を静電気またはその他の帯電により影響を受けないようにより良く絶縁し得る。あるいは、断熱材料を内面に施して、熱エネルギーを流体とやりとりするために要するエネルギーを増加させて、流体を冷却および加熱からより良く遮断し得る。音響的に撹拌される材料の場合には、音響粘弾性ポリマー材料を内面に施して、音波エネルギーを材料とやりとりするために要するエネルギーを増加させて、材料を撹拌からより良く遮断し得る。
【0060】
再充填可能な材料移送システムの内面をその他の材料で補って、これらの表面の物理的特性を変えることができる。例えば、ある種の添加剤は、容器を出入りする材料および流体の放出および侵入を抑制する。バリアコーティングをプラスチック製の内面に施して、プラスチック面を通るガスの透過を低減し得、結果的に容器内の材料および流体の貯蔵寿命を縮め得る、空気およびガスの容器内への侵入を阻止または抑制する。
【0061】
本発明は、再充填可能な材料移送システムの材料および流体の取扱いにおけるエネルギー効率およびその他の性能態様を改善する。内面と、材料および流体との間における境界層に着目することによって、本発明は、それらの間における比較的大きい幾何学的な表面積を活用し、かつ本発明がこれらの表面における境界層に与える指数関数的な(表面積に起因する)作用および効果を十分に利用している。
【0062】
上記の様々な目的を達成するために、選抜された材料がシステムの内側の接液面に塗布されて、移動する流体の境界層に影響を与える。システムを通る粘性流体の流れに影響を与えるために使用され得る多数のタイプのコーティングが存在し、例を挙げると、ノンスティッククッキングスプレー、絶縁ゲル、シリコーン離型剤、熱伝導性グリース、Teflon(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)付着防止コーティング、滑り止めコーティング、導電性グリース、離型剤コーティング、絶縁グリース、ガスバリアコーティング、粘弾性ポリマー防音材料、超音波カプラント、被覆材料、エーロゲル断熱材料を有するコーティング、撥液コーティング、シリコーン含浸(離型剤)エポキシコーティング、および粘着剤製品が含まれる。このリストは、説明のためのものであり、限定するためのものではない。
【0063】
境界層の3つの独立した要素(容器の内面、容器内に移動および格納される材料および流体の隣接(「スキン層」)表面、ならびにこれらの2つ表面の間の材料に影響を与える任意の選択された境界層)のうちの2つ以上に影響を与えることは、再充填可能な材料移送システムの性能に影響を及ぼし得る。例えば、シリコーン離型剤で含浸されたエポキシコーティングを施すことにより、RMTS内面が平滑化され、かつよく滑る離型剤が施される。本発明は、境界層(内面、材料および流体の隣接(「スキン層」)表面、ならびにこれらの2つ表面の間の任意の材料)に影響を与えて、性能を改善することの効果を強調しているが、本発明はまた、ガスおよび蒸気が存在し得る、システムのガス空間および蒸気空間に適用されてもよい。
【0064】
これを説明するために、2つの例を示す。第1のケースでは、透明なプラスチックの携帯式50ミリリットルRMTS容器を、クリーム状のピーナッツバターで試験した。この粘り気のあるピーナッツバターは、未処理のRMTS内面に付着し、RMTSでのピーナッツバターの充填および分配を遅くした。離型剤をRMTS内面に塗布した。試験の結果、すべてのその他の条件を同じにした上で、この離型剤をRMTS内面に施したことにより、ピーナッツバターの流量が10%〜20%増加したことが実証された。第2のケースでは、ステンレス鋼製の22ガロンRMTSを、ヒートセットプリンタインクで試験した。粘着性のインクは、未処理のRMTS内面に付着し、RMTSでのインクの充填および分配を一貫性のないものにした。次いで、離型剤で含浸されたコーティングをRMTS内面に塗布した。試験の結果、すべてのその他の条件を同じにした上で、この離型剤で含浸されたコーティングをRMTS内面に施したことにより、インクの流量がより一貫性のあるものになり、流量を未処理のケースよりも5%〜10%増加したことが実証された。このように、上記の例から、RMTSシステムの接液面を選択的に処理することによって、未処理の表面よりも5〜20%のシステムの性能の増加が達成され得ることが分かる。
【0065】
境界層を抑制するために容器の内壁が平滑化される場合、研磨およびサンドブラスト仕上げは、この変化を達成するための2つのオプションである。例えば、粗い「圧延仕上げ」(金属圧延機に由来する)である本来の金属の内面は、機械的に研磨されて、「超鏡面仕上げ」状態で、より平滑にされ得る。平滑化に関する規格は、ASME B46.1、表面粗さ、うねり、および模様(アメリカ機械学会)、ISO 4287 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語、定義および表面性状パラメータ、ならびにISO 4288 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−表面性状評価の方式および手順(国際標準化機構)に記載されている。
【0066】
表面粗さを小さくするために、初期の表面仕上げは、「#1圧延仕上げ」および「粒度60」、「ISO N9」であり得、Ra(平均粗さ)=6.3μm(マイクロメートル)=250μin(マイクロインチ)である。粒度500(またはこれより細かい)研磨メディア(abrasive media)の研磨メディア(polishing media)が用いられて、本来の表面を研磨し、次いで、最終表面仕上げである「#8超鏡面仕上げ」および「粒度500」、「ISO N3」が得られ、Ra(平均粗さ)=0.10μm(マイクロメートル)=4μin(マイクロインチ)である。
【0067】
サンドブラスト仕上げの場合には、平滑な本来の金属製RMTS内面は、より粗くなるように、研磨メディアで「ニアーホワイト」にサンドブラスト仕上げされ得、それによって、以下の規格、すなわち、「Sa 2 1/2」、ISO 8501−1 塗料および関連製品を塗装する前の鋼被塗物の調整−表面清浄度の視感評価−第1部:未塗装鋼材および旧塗膜全面剥離後の鋼材のさび度および調整等級、ならびに/またはSSPC−SP 10/NACE No.2 完全清浄に準ずるブラスト(Near−White Blast Cleaning)(保護塗装協会および米国防蝕技術協会共同表面処理規格(The Society of Protective Coatings and National Association of Corrosion Engineers Joint Surface Preparation Standard))の要件を満たす。
【0068】
境界層を抑制するための別の方法は、システムの接液面上に撥流体構造を形成することである。これらの構造は、疎水性、超疎水性、オムニフォビック(ominiphobic)、および超オムニフォビックであり得る。超オムニフォビックの説明は、Antonio Checcoらによる、「Robust Superhydrophobicity In Large−Area Nanostructured Surfaces Defined By Block−Copolymer Self Assembly」と題するAdv.Mater.2013年の記事で見ることができる。所望の効果を得るには、ブロック共重合体ベースの薄膜パターニングが用いられて、10ナノメートルに迫る形状を有する表面性状の大面積の超疎水性表面を形成する。ナノ構造の形状およびアスペクト比を調整することは、表面の濡れ性に著しく影響を与える。特に、超疎水性は、テーパ付きの円錐302の幾何形状で得られるが、円柱状の幾何形状では劣る(
図20参照)。
【0069】
境界層を抑制するためのさらに別の方法は、システムの接液面に撥流体コーティングまたはフィルムを施すことである。これらのコーティングは、疎水性、超疎水性、オムニフォビック、および超オムニフォビックであり得る。これらのコーティングの例には、Rust−Oleum(登録商標)NeverWet(商標)超疎水性コーティング、http://www.rustoleum.com/product−catalog/consumer−brands/neverwet/neverwet−kit/,http://www.neverwet.com/、およびIntegrated Surface Technologies Repellix超疎水性セラミックコーティング、http://www.insurftech.com/がある。
【0070】
本発明の特定の形態を材料移送システムのある実施形態に関して図示しかつ説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなしに様々な修正がなされ得ることも当業者には明らかである。より詳細には、本発明が開示された装置を形成するためのいかなる特定の方法にも限定されないことは明らかであるはずである。本発明のある態様を、流体およびその他の特定の材料と共に利用するという観点から本明細書に図示しかつ説明してきたが、再充填可能な材料移送システムおよび推力伝達装置が、本明細書で具体的に議論されていない多くの材料と共に使用され得ることは、当業者には明らかである。さらに、特定のサイズおよび寸法、用いる材料などについて本明細書において説明してきたが、それらは単なる例として提供されている。その他の修正および改良が、本発明の範囲から逸脱することなくなされ得る。したがって、本発明は、添付の請求の範囲による限定以外に限定されるものではない。