(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記乖離度修正部は、前記位置情報取得部が取得した存在位置が当該存在位置を取得した通信端末のユーザの生活圏と異なっている期間が所定の期間以上継続した場合、前記ユーザに対応づけられた乖離度を増加する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
前記情報送信部は、前記乖離度が所定の閾値よりも高い期間が所定の期間を超えて継続されたユーザの通信端末に、前記位置情報取得部が取得した存在位置を含む地域に存在する店舗に関する情報を送信する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような技術においては、ユーザの個人情報に基づいた広告をユーザの携帯端末に配信することが可能となる。しかしながら、上記のような技術では、ユーザの個人情報に変更があった場合にその個人情報が更新されているという保証はない。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、登録されている個人情報の更新をユーザに示す契機を作るための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、情報処理装置である。この装置は、ユーザの生活圏を示す活動エリア情報を含むユーザ属性情報と、前記ユーザの通信端末を特定するための端末識別子とを含む情報を、前記ユーザと対応づけて格納するユーザ情報データベースと、前記ユーザの通信端末から当該通信端末の存在位置を示す端末位置情報を取得する位置情報取得部と、前記ユーザの生活圏と前記通信端末の存在位置とに基づいて定められる乖離度を、前記ユーザと対応づけて前記ユーザ情報データベースに格納する乖離度修正部と、を備える。
【0007】
前記情報処理装置は、前記乖離度が所定の閾値よりも大きい場合、前記ユーザ属性情報の更新を促すメッセージを前記ユーザの通信端末に送信する更新催促部をさらに備えてもよい。
【0008】
前記乖離度修正部は、前記位置情報取得部が取得した存在位置が当該存在位置を取得した通信端末のユーザの生活圏と異なっている期間が所定の期間以上継続した場合、前記ユーザに対応づけられた乖離度を増加してもよい。
【0009】
前記ユーザ情報データベースは、ユーザの趣味趣向を示す趣向情報も前記ユーザと対応づけて格納してもよく、前記情報処理装置は、ユーザによる利用の実績がある店舗と、前記店舗における前記ユーザの決済情報とを対応づけて格納する決済情報データベースと、前記決済情報に基づいて、前記ユーザの趣味趣向を解析する趣向解析部と、をさらに備えてもよく、前記乖離度修正部は、前記ユーザ情報データベースに格納されている趣向情報と、前記趣向解析部が解析したユーザの趣味趣向とが乖離している場合、前記ユーザに対応づけられた乖離度を増加してもよい。
【0010】
更新催促部は、乖離度が高い期間が所定の期間を超えて継続されたユーザの通信端末に、ユーザ属性情報の更新を促すメッセージを送信してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記乖離度が所定の閾値よりも低いユーザの通信端末に、前記ユーザの生活圏に含まれる店舗に関する情報を送信する情報送信部をさらに備えてもよい。
【0012】
前記情報送信部は、前記乖離度が所定の閾値よりも高い期間が所定の期間を超えて継続されたユーザの通信端末に、前記位置情報取得部が取得した存在位置を含む地域に存在する店舗に関する情報を送信してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様は、情報処理方法である。この方法は、プロセッサが、ユーザの通信端末から当該通信端末の存在位置を示す端末位置情報を取得するステップと、ユーザの生活圏を示す活動エリア情報を含むユーザ属性情報と、前記ユーザの通信端末を特定するための端末識別子とを含む情報を、前記ユーザと対応づけて格納するユーザ情報データベースを参照して、端末位置情報を取得した通信端末の生活圏を取得するステップと、前記ユーザの生活圏と前記通信端末との存在位置とに基づいて定められる乖離度を、前記ユーザと対応づけて前記ユーザ情報データベースに格納するステップと、を実行する。
【0014】
本発明の第3の態様は、プログラムである。このプログラムは、コンピュータに、ユーザの通信端末から当該通信端末の存在位置を示す端末位置情報を取得する機能と、ユーザの生活圏を示す活動エリア情報を含むユーザ属性情報と、前記ユーザの通信端末を特定するための端末識別子とを含む情報を、前記ユーザと対応づけて格納するユーザ情報データベースを参照して、端末位置情報を取得した通信端末の生活圏を取得する機能と、前記ユーザの生活圏と前記通信端末との存在位置とに基づいて定められる乖離度を、前記ユーザと対応づけて前記ユーザ情報データベースに格納する機能と、を実現させる。
【0015】
本発明の第4の態様は、複数のユーザそれぞれの通信端末と、前記通信端末それぞれとネットワークを介して通信可能な情報処理装置と、前記複数のユーザそれぞれの生活圏を示す活動エリア情報を含むユーザ属性情報と、各ユーザの通信端末を特定するための端末識別子とを含む情報を、各ユーザと対応づけて格納するユーザ情報データベースと、を備える情報処理システムである。このシステムにおいて、前記通信端末それぞれは、前記通信端末の存在位置を示す端末位置情報を取得する位置情報取得部と、取得した前記端末位置情報を、前記ネットワークを介して前記情報処理装置に送信する送信部と、を備える。前記情報処理装置は、前記通信端末から当該通信端末の存在位置を示す端末位置情報を受信する位置情報取得部と、前記ユーザの生活圏と前記通信端末との存在位置とに基づいて定められる乖離度を、前記ユーザと対応づけて前記ユーザ情報データベースに格納する乖離度修正部と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、登録されている個人情報の更新をユーザに示す契機を作ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施の形態の概要>
図1を参照して、実施の形態の概要を述べる。
図1は、実施の形態に係る情報処理システムSの全体構成を模式的に示す図である。実施の形態に係る情報処理システムSは、インターネットや携帯電話通信網等のネットワークNを介して、情報処理装置1とユーザUが所持する通信端末2とが通信可能な態様で接続されている。また通信端末2はGPS(Global Positioning System)モジュールを備えており、航法衛星4が電波送信する情報を受信して解析することにより、通信端末2の所在地を示す位置情報を取得することができる。また、通信端末2は、接続中の携帯電話通信者基地局情報、公衆Wi−Fi(登録商標)のアクセスポイントの情報等に基づいて、通信端末2の位置情報を取得してもよい。
【0019】
通信端末2は、例えばスマートフォン、タブレット、ファブレット、携帯ゲーム機、スマートウォッチやスマートグラス等のウェアラブル端末、及びノートPC(Personal Computer)等の携帯端末機である。通信端末2は、所在地を示す位置情報をネットワークNを介して情報処理装置1に送信する。
【0020】
情報処理装置1は、通信端末2のユーザU毎に、ユーザUの生活圏を示す活動エリア情報を含むユーザ属性情報と、ユーザUの通信端末2を特定するための端末識別子とを含む情報を、ユーザUと対応づけて格納するユーザ情報データベースとアクセスすることができる。
【0021】
ここで「活動エリア情報」とは、ユーザUの自宅の住所やユーザUの職場の情報等、ユーザUが日常の生活で訪れる場所を示す情報である。活動エリア情報は、ユーザUがネットワークNを介して通信端末2を用いてユーザ情報データベースに登録する。また「ユーザ属性情報」とは、ユーザUの活動エリア情報に加え、ユーザUの年齢、性別、職業、趣味趣向等の他の個人情報を含む情報である。
【0022】
ユーザUの個人情報であるユーザ属性情報は、一般にユーザUによって維持管理される。例えばユーザUの引っ越し等の理由によって活動エリアが変更した場合、ユーザ情報データベースに登録されている活動エリア情報の変更もユーザUが担う。しかしながら、このような情報の変更手続きはユーザUに一任されているため、場合によっては適切な変更がなされないことも起こりうる。
【0023】
そこで情報処理装置1は、ユーザUの通信端末2から取得した位置情報と、ユーザ情報データベースに登録されている活動エリア情報との隔たりを示す指標値である乖離度を取得し、ユーザ情報データベースに登録する。情報処理装置1は、乖離度が所定の閾値を超えているユーザUの通信端末2に対して、活動エリア情報の更新を促すメッセージを送信する。これにより、情報処理装置1は、ユーザUが自主的に活動エリア情報を変更するきっかけをユーザUに提供することができる。
以下、実施の形態に係る情報処理装置1についてより詳細に説明する。
【0024】
<情報処理装置1の機能構成>
図2は、実施の形態に係る情報処理装置1の機能構成を模式的に示す図である。情報処理装置1に係る情報処理装置1は、例えばクラウドサーバ等のクラウドコンピューティングの計算リソースで実現される。情報処理装置1は、通信部10、記憶部20、及び制御部30を備える。
【0025】
通信部10は、情報処理装置1がユーザUの通信端末2と通信するための通信インタフェースである。通信部10は、例えばWi−FiモジュールやLAN(Local Area Network)モジュール等の既知の通信モジュールによって実現される。
【0026】
記憶部20は、基本プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)や情報処理装置1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、及び各種データベース等を格納するHDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。記憶部20にはユーザ情報データベース21と決済情報データベース22とが格納されている。
【0027】
制御部30は、情報処理装置1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部20に記憶されたプログラムを実行することによって位置情報取得部31、乖離度修正部32、更新促進部33、趣向解析部34、及び情報送信部35として機能する。
【0028】
ユーザ情報データベース21は、ユーザUのユーザ属性情報とユーザUの通信端末2を特定するための端末識別子とを含む情報を、ユーザUと対応づけて格納する。また決済情報データベース22は、ユーザUによる利用の実績がある店舗3と、その店舗3におけるユーザUの決済情報とを対応づけて格納する。
【0029】
図3は、実施の形態に係るユーザ情報データベース21のデータ構造を模式的に示す図である。ユーザ情報データベース21は、各ユーザUを特定するためのユーザ識別子毎に、そのユーザ識別子で特定されるユーザUが使用している端末の端末識別子と、ユーザUの生活圏を示すエリア識別子を対応づけて格納している。ここで「エリア識別子」は、あらかじめ定められた複数の地域それぞれに割り当てられた識別子である。
図3に示す例では、ユーザ識別子がUID00001であるユーザUの生活圏は、エリア識別子がAID37541で示される地域である。このエリア識別子が、上述した活動エリア情報に対応する。
【0030】
図3に示すように、ユーザ情報データベース21は、各ユーザ識別子に対応づけて、そのユーザ識別子で特定されるユーザUの乖離度も格納している。ユーザ情報データベース21はまた、各ユーザ識別子に対応づけて、ユーザUが所持する通信端末2を特定するための端末識別子も格納している。ユーザ情報データベース21はさらに、各ユーザ識別子に対応づけて、ユーザUの氏名、性別、年齢の他、ユーザUの趣味趣向を示す趣向情報も格納している。例えば
図3に示す例では、ユーザ識別子がUID00001であるユーザUの乖離度は10段階中3であり、ユーザUの趣味・趣向は趣味・趣向識別子がHID08349で特定される事項であることを示している。
【0031】
図2の説明に戻る。位置情報取得部31は、ネットワークNを介してユーザUの通信端末2から、その通信端末2の存在位置を示す端末位置情報を取得する。乖離度修正部32は、ユーザUの生活圏と通信端末2の存在位置とに基づいて定められる乖離度を、通信端末2と対応づけてユーザ情報データベース21に格納する。これにより、情報処理装置1は、過去にユーザUがユーザ情報データベース21に登録したユーザUの生活圏と、現在のユーザUの生活圏とのずれを監視することができる。このずれ量(乖離度の大きさ)の増加は、ユーザ情報データベース21に登録されている個人情報であるユーザ属性情報の更新をユーザUに示す契機となる。
【0032】
そこで更新促進部33は、乖離度が所定の閾値よりも大きい場合、ユーザ属性情報の更新を促すメッセージをユーザUの通信端末2に送信する。これにより、情報処理装置1は、ユーザUが自主的にユーザ情報データベース21に登録した情報を更新するためのきっかけをユーザUに提供することができる。なお、「所定の閾値」とは、更新促進部33がユーザUに情報の更新を促すか否かを判定するために参照する「更新催促判定用閾値」である。
【0033】
図4は、実施の形態に係る通信端末2の表示部に表示される情報変更画面40を模式的に示す図である。
図4に示すように、情報変更画面40には現在ユーザ情報データベース21に登録されているユーザUの生活地域が表示されている。ユーザUは、情報変更画面40のプルダウンメニューから選択することにより、ユーザ情報データベース21に登録させるユーザUの生活地域を変更することができる。
【0034】
ユーザUはまた、ユーザ情報データベース21に登録されている他の個人情報の変更を希望する場合、チェックボックスにチェックを入れることによってその意志を示すことができる。ユーザUがチェックボックスにチェックした場合、更新促進部33は、図示しない第2変更画面を表示させる命令をユーザUの通信端末2に送信する。ユーザUは、通信端末2の表示部に表示される第2変更画面において、趣味趣向等の他の情報を変更することができる。例えば、ユーザUの特定の属性情報(例えば、生活圏の情報)が変化した場合、その他の属性情報(例えば、職業)が変化する蓋然性が高いと考えられる。更新促進部33が第2変更画面をユーザUの通信端末2に提供することにより、ユーザUは種々の属性情報の変化を簡便に更新することができる。
【0035】
ユーザUは、送信アイコン41を押下することによって登録情報の変更を完了することができる。ユーザUはまた、終了アイコン42を押下することにより、登録情報を更新せずに終了することもできる。
【0036】
次に、乖離度修正部32による乖離度の算出についてより詳細に説明する。
乖離度修正部32は、乖離度として1から10までの10段階の数値を算出する。ここで乖離度の数値は、その値が小さいほどユーザ情報データベース21に登録されているユーザUの生活圏と、位置情報取得部31が取得する通信端末2の所在地との隔たりが小さいことを表している。したがって、ユーザUがユーザ情報データベース21に初めて生活圏を登録したときは、乖離度修正部32は乖離度として1を設定する。
【0037】
乖離度修正部32は、位置情報取得部31が取得した存在位置が、その存在位置を取得した通信端末2のユーザUの生活圏と異なっている期間が所定の期間以上継続した場合、ユーザUに対応づけられてユーザ情報データベース21に格納されている乖離度を増加する。また、乖離度修正部32は、位置情報取得部31が取得した存在位置とユーザUの生活圏とが離れているほど、乖離度を大きくする。反対に、乖離度修正部32は、位置情報取得部31が取得した存在位置が、その存在位置を取得した通信端末2のユーザUの生活圏と重なっている期間が所定の期間以上継続した場合、ユーザUに対応づけられてユーザ情報データベース21に格納されている乖離度を減少する。乖離度修正部32は、所定の期間内(例えば、一日間)の間に一度でも通信端末2の存在位置が活動エリア情報と重なれば乖離度を減じてもよい。
【0038】
ここで「所定の期間」とは、乖離度修正部32が乖離度を修正するか否かを判定するために参照する乖離度修正判定用閾期間である。乖離度修正判定用閾期間は、ユーザ情報データベース21に登録することが予想される各ユーザUの生活パターン等を考慮して実験により定めればよいが、例えば1週間である。これにより、例えば旅行や出張等の理由によってユーザUが短期的に普段の生活圏から離れた場合に、乖離度修正部32がユーザUの乖離度を修正することを抑制できる。
【0039】
一方、1週間以上にわたってユーザ情報データベース21に登録されている生活圏とは異なる場所にユーザUの通信端末2が存在する場合、ユーザUの生活圏が変更された蓋然性が高まる。このような場合、乖離度修正部32はユーザUの乖離度を上昇させる。この結果、乖離度が更新催促判定用閾値を超えると更新促進部33が活動エリア情報の更新を促すメッセージをユーザUの通信端末2に送信するので、情報処理装置1はユーザUがユーザ情報データベース21の登録情報を変更する契機をユーザUに提供することができる。
【0040】
ここで、更新促進部33は、乖離度が高い期間が所定の期間を超えて継続されたユーザUの通信端末2に、活動エリア情報の更新を促すメッセージを送信してもよい。この「所定の期間」は、更新促進部33がユーザUの通信端末2にメッセージを送信するか否かを判定するために参照する「メッセージ送信判定用閾期間」である。メッセージ送信判定用閾期間も、ユーザ情報データベース21に登録することが予想される各ユーザUの生活パターン等を考慮して実験により定めればよいが、例えば1か月である。
【0041】
ユーザUが旅行や出張等をする場合、乖離度修正部32によって一時的にユーザUの乖離度が増加される場合がある。この場合であっても、ユーザUが元の生活圏に戻れば、乖離度修正部32は増加させた乖離度を再び減少する。しかしながら、1か月以上にわたってユーザUの乖離度が高い状態が継続する場合は、ユーザUの生活圏が変更された蓋然性が高いと考えられる。更新促進部33が、メッセージ送信判定用閾期間を超えて乖離度が高い状態が継続するユーザUの通信端末2にのみ活動エリア情報の更新を促すメッセージを送信することにより、本来であれば情報更新の必要がないユーザUの通信端末2にメッセージを送信することを抑制できる。
【0042】
以上、乖離度修正部32が、ユーザ情報データベース21に登録されているユーザUの生活圏と通信端末2の存在位置とに基づいて乖離度を算出する場合について説明した。ここで、乖離度修正部32は、乖離度の算出に他の情報を利用することもできる。より具体的には、乖離度修正部32は、ユーザUの趣味趣向を示す趣向情報も、乖離度の算出に利用する。
【0043】
図5は、実施の形態に係る決済情報データベース22のデータ構造を模式的に示す図である。決済情報データベース22は、各ユーザUを特定するためのユーザ識別子毎に、そのユーザ識別子で特定されるユーザUによる利用の実績がある店舗3と、その店舗3におけるユーザUの決済情報とを対応づけて格納している。例えば
図5に示す例では、ユーザ識別子がUID00001であるユーザUについて、複数の店舗3における決済情報が格納されている。
【0044】
図5において、決済情報識別子は、各ユーザUにおける各店舗3それぞれの決済情報を特定するための情報である。
図5には、決済情報識別子がPA01001である決済情報の内容が図示されている。この例では、ユーザ識別子がUID00001であるユーザUが、店舗識別子SH01001である店舗3における決済履歴が格納されている。この決済履歴を参照すると、例えばユーザ識別子がUID00001であるユーザUは、店舗識別子SH01001である店舗3において、2016年1月23日に●●●●円使用したことが分かる。
【0045】
決済情報データベース22において、店舗識別子は、各店舗3に一意に割り当てられた識別子である。決済情報データベース22は、ユーザ識別子であるユーザUが過去に利用したことがある店舗3の店舗識別子をユーザ識別子と関連付けて格納している。これはすなわち、ある店舗3の店舗識別子が格納されていない場合、ユーザUはその店舗識別子で特定される店舗3を利用したことがないことを示している。
【0046】
図5に示すように、決済情報データベース22は、店舗識別子と対応づけてその店舗識別子で特定される店舗3が扱う商品のカテゴリも格納している。また、決済情報データベース22は、店舗識別子と対応づけてその店舗識別子で特定される店舗3の店舗情報識別子も格納している。
【0047】
さらに、決済情報データベース22は、店舗識別子と対応づけてその店舗識別子で識別される店舗3におけるユーザUの利用頻度も格納している。なお、決済情報データベース22は、ある店舗3と扱う商品のカテゴリが同じであり、かつある店舗3の近隣に位置する店舗3(すなわち、ユーザUが歩いて移動できる程度の距離に位置する店舗3)である「類似する他の店舗3」の店舗識別子も格納している。
図5に図示はしていないが、決済情報データベース22は各店舗3の存在位置を示す位置情報も、各店舗3と対応づけて記憶している。
【0048】
趣向解析部34は、決済情報データベース22の決済情報に基づいて、ユーザUの趣味趣向を解析する。具体的には、趣向解析部34は、決済情報に含まれる店舗3が扱う商品のカテゴリ、決済の金額、及び決済の頻度の少なくともひとつに基づいて、ユーザUの趣味趣向を推定する。例えば、あるユーザUがアウトドア関連商品を扱う店舗3における決済の頻度が高い場合、趣向解析部34は、ユーザUがアウトドア趣向であると推定する。
【0049】
乖離度修正部32は、ユーザ情報データベース21に格納されている趣向情報と、趣向解析部34が解析したユーザの趣味趣向とが乖離している場合、ユーザUに対応づけられた乖離度を増加する。この意味で、ユーザ情報データベース21が登録する乖離度は、登録された生活圏とユーザUの実際の生活圏との隔たりのみならず、ユーザ情報データベース21に登録されているユーザ属性情報の信頼性を反映する情報ともいえる。すなわち、ユーザ情報データベース21に登録されているユーザUの趣味・趣向と、趣向解析部34が解析したユーザの趣味趣向とが一致している場合は、そのユーザUに関するユーザ情報データベース21の登録情報の信頼性が高い(すなわち、乖離度が小さい)といえる。
【0050】
続いて、ユーザ情報データベース21に登録されている乖離度に基づいた情報の配信について説明する。
上述したように、ユーザ情報データベース21に登録されている乖離度は、ユーザ情報データベース21の登録情報の信頼性を反映する情報ともいえる。つまり、ユーザ情報データベース21に登録されている乖離度が小さい場合、そのユーザUは実際にユーザ情報データベース21に登録されているエリアに住んでおり、かつユーザ情報データベース21に登録されている趣味・趣向情報の信頼性も高いといえる。
【0051】
そこで、情報送信部35は、乖離度が所定の閾値よりも低いユーザUの通信端末2に、ユーザ情報データベース21に登録されているユーザUの生活圏に含まれる店舗3に関する情報を送信する。ここで、「店舗3に関する情報」とは、店舗3がユーザUに対して発信する情報を意味し、例えば店舗3と店舗3に類似する他の店舗との少なくともいずれか一方の広告である。また、「所定の閾値」とは、情報送信部35がユーザUの通信端末2に広告等の情報を送信するか否かを判定するために参照する「広告送信判定用閾値」である。広告送信判定用閾値も、ユーザ情報データベース21に登録することが予想される各ユーザUの生活パターン等を考慮して実験により定めればよい。乖離度が小さいユーザUは、ユーザ情報データベース21に登録されている生活圏で実際に生活している蓋然性が高いので、情報送信部35がユーザUの通信端末2に送信する広告等の情報の有用性を高めることができる。
【0052】
一方、情報送信部35は、乖離度が広告送信判定用閾値よりも高い期間が所定の期間を超えて継続されたユーザUの通信端末2には、位置情報取得部31が取得した存在位置を含む地域に存在する店舗3に関する情報を送信する。ここで、「所定の期間」は、上述したメッセージ送信判定用閾期間と同様である。乖離度が広告送信判定用閾値よりも高い期間が長い場合、ユーザUはユーザ情報データベース21に登録されている生活圏では生活していない蓋然性が高い。そこで、情報送信部35は、位置情報取得部31が取得した存在位置を含む地域に存在する店舗3に関する情報をユーザUの通信端末2に送信することにより、広告等の情報の有用性を高めることができる。
【0053】
<情報処理装置1が実行する情報処理の処理フロー>
図6は、実施の形態に係る情報処理装置1が実行する情報処理の流れを説明するためのフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、例えば情報処理装置1の電源が投入されたときに開始する。
【0054】
制御部30は、記憶部20に格納されているユーザ情報データベース21と接続する(S2)。位置情報取得部31は、ユーザUの通信端末2からその通信端末2の存在位置を示す端末位置情報Ptを、ネットワークNを介して取得する(S4)。乖離度修正部32は、ユーザ情報データベース21に登録されているユーザUの生活圏を示す情報Prを取得する(S6)。
【0055】
乖離度修正部32は、端末位置情報Ptとユーザ情報データベース21に登録されているユーザUの生活圏を示す情報Prとから乖離度を算出し、ユーザ情報データベース21に登録する(S8)。更新促進部33は、端末位置情報Ptとユーザ情報データベース21に登録されているユーザUの生活圏を示す情報Prとが乖離している場合(S10のYes)、ユーザ情報データベース21に登録されている情報の更新を促すメッセージをユーザUの通信端末2に送信する(S12)。
【0056】
端末位置情報Ptとユーザ情報データベース21に登録されているユーザUの生活圏を示す情報Prとが乖離していない場合(S10のNo)、又は更新促進部33が通信端末2にメッセージを送信すると、本フローチャートにおける処理は終了する。情報処理装置1は、上述の処理を繰り返すことによってユーザ情報データベース21に登録されている各ユーザUの乖離度を管理する。
【0057】
以上説明したように、実施の形態に係る情報処理装置1によれば、ユーザ情報データベース21に登録されている個人情報の更新をユーザUに示す契機を作ることができる。
特に、更新促進部33は、更新催促判定用閾値を超える乖離度が登録されているユーザUの通信端末2に更新を促すメッセージを送信することにより、ユーザUが自主的に更新作業をするきっかけをユーザUに提供することができる。
【0058】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。