特許第6711809号(P6711809)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6711809
(24)【登録日】2020年6月1日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】マルチアングル式湾曲眼鏡用脚部
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/20 20060101AFI20200608BHJP
   G02C 5/16 20060101ALI20200608BHJP
【FI】
   G02C5/20
   G02C5/16
【請求項の数】7
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-233892(P2017-233892)
(22)【出願日】2017年12月6日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3202465号
【原出願日】2015年11月25日
(65)【公開番号】特開2018-60216(P2018-60216A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2018年9月28日
(31)【優先権主張番号】15104898.8
(32)【優先日】2015年5月22日
(33)【優先権主張国】HK
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504355848
【氏名又は名称】サン ヒン オプチカル マニュファクトリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Sun Hing Optical Manufactory Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】オティス ク ナイ−ユン
【審査官】 後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−083718(JP,U)
【文献】 特開2008−107396(JP,A)
【文献】 特開2002−023115(JP,A)
【文献】 特表2000−509510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主脚部、副脚部、弾性体部、滑り部および接続部を有し、この副脚部をロック可能な開閉角度で前記主脚部の後部にヒンジにより取り付け、
前記主脚部の後部にキャビティ部を設け、このキャビティに前記弾性体部および前記滑り部を設け、前記滑り部および前記副脚部の接触面を係合可能な歯の形状とし、
前記副脚部の一部または全体を前記主脚部の前記キャビティ内に装着し、
前記滑り部がブラインドホールを有し前記弾性体部をこのブラインドホール内に装着し
ことを特徴とするマルチアングル式湾曲眼鏡用脚部。
【請求項2】
前記主脚部が前記眼鏡用脚部の前側部分であり、そして前記副脚部が後側部分であり、これら部分を相互に接続するとともに、前記副脚部が前記主脚部の外側において露出または半分を露出したことを特徴とする請求項1に記載のマルチアングル式湾曲眼鏡用脚部。
【請求項3】
前記滑り部の前記歯が一つの歯からなるか、あるいは複数の歯からなり、前記滑り部が中空の中心において、あるいは中実の中心においてT形状、矩形、円筒形、および多面体形状である請求項1に記載のマルチアングル式湾曲眼鏡用脚部。
【請求項4】
前記接続部分が軸、ネジまたはリベットを有する請求項1に記載のマルチアングル式湾曲眼鏡用脚部。
【請求項5】
前記副脚部および前記主脚部の前記接触面が関節式のヘッドであり、このヘッドがヒンジ孔をもつ平坦な要素であり、このヒンジ孔を中心として前記歯に前記関節式ヘッドの上面を装着し、
前記関節式ヘッドの表面の両側が双方とも平面か、あるいは平面に近い曲面であり、この平面か曲面に、前記関節式ヘッドの表面の両側に対して垂直なスルーホールを設けたことを特徴とする請求項1に記載のマルチアングル式湾曲眼鏡用脚部。
【請求項6】
前記弾性体部として、バネ、弾性を示すプラスチック、又は円筒形ゴム体のいずれかが含まれる円筒体を有する請求項1に記載のマルチアングル式湾曲眼鏡用脚部。
【請求項7】
前記副脚部の前側にキャビティ部を設け、このキャビティ部に前記弾性体部および滑り部を設けるとともに、前記滑り部および前記主脚部の接触面を係合可能な歯の形状に構成した請求項1に記載のマルチアングル式湾曲眼鏡用脚部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は眼鏡用脚部、特にマルチアングル式湾曲眼鏡用脚部に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の眼鏡用脚部の場合、下向きの湾曲は少しでよいため、通常の状態では滑り落ちることはないが、着用者の激しい運動時や、顔面発汗時には眼鏡は簡単にずり落ちる。通常、多くの使用者はロープを使用して眼鏡用脚部を後頭部に結び付けるか、大型の眼鏡用湾曲脚部を購入している。しかし、これは多くの費用が掛り過ぎる上に、不便である。そこで多角度で湾曲可能な眼鏡用脚部が発明される。この脚部を使用すると、着用者はきわめてスマートに眼鏡を着用することができる。また、眼鏡用脚部の後部は折り曲げて、耳に固定することができ、落下することはない。また、必要に応じて開閉できる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、ギヤを使用して眼鏡用脚を開くか、あるいは湾曲させることによって着用者の期待にこたえる異なる湾曲度をもつ、簡単な構造とともに斬新な意匠をもつ眼鏡用脚を提供することにある。
【0004】
本発明のマルチアングル式湾曲眼鏡用脚部は、主脚部、副脚部、弾性体部、滑り部および接続部を有し、この副脚部をロック可能な開閉角度で上記主脚部の後部にヒンジにより取り付けたことを特徴とするものである。
【0005】
好ましくは、上記主脚部の後部にキャビティ部を設け、このキャビティに上記弾性体部および上記滑り部を設け、上記滑り部および上記副脚部の接触面を係合可能な歯の形状にする。また、適宜、滑り部と副脚部の係合部を相互変更してもよい。即ち、弾性体部および滑り部を有するキャビティを副脚部の前側に装着し、滑り部および主脚部の接触面を歯係合面(係合可能な歯の形状、tooth profile to engage)としてもよい。
【0006】
副脚部の一部または全体を上記主脚部の上記キャビティに装着することが好ましい。
【0007】
主脚部が眼鏡用脚部の前側部分であり、そして上記副脚部が後側部分であることが好ましい。またこれら部分を相互に接続するとともに、上記主脚部の外側において露出または半分を露出する。
【0008】
滑り部の歯が一つの歯からなるか、あるいは複数の歯からなり、滑り部が中空の中心において、あるいは中実の中心においてT形状、矩形、円筒形、および多面体形状であることが好ましく、また滑り部がブロックおよび中心バーを有し、このブロックの上部が歯であり、中心バーが円筒体であり、しかも弾性体部がこの中心バーの外側を被覆するのが好ましい。
【0009】
適宜、T形状滑り部のブロックが円筒体および多面体を有し、中心バーが異なる種類の多面体を有してもよい。
【0010】
適宜、滑り部のブロックを、歯をもつ矩形のキューブ、歯をもつ異なる種類の多面体、歯をもつ円筒体で構成してもよく、また中心バーは異なる種類の多面体を有していてもよい。
【0011】
好ましくは、ブラインドホール(blind hole)が滑り部内に存し、弾性体部をブラインドホール内に装着するか、あるいは滑り部の後側に装着する。
【0012】
接続部分に関しては、軸、ネジまたはリベットを有するのが好ましい。
【0013】
副脚部および主脚部の接触面が関節式のヘッド(articulated head)であり、このヘッドがヒンジ孔をもつ平坦な要素であり、このヒンジ孔を中心として上記の歯に関節式ヘッドの上面を装着し、
関節式ヘッドの表面の両側が双方とも平面か、あるいは平面に近い曲面であり、この平面か曲面に、関節式ヘッドの表面の両側に対して垂直なスルーホール(through hole)を設けることが好ましい。
【0014】
本発明は、着用者の要求に応じて眼鏡用脚部を湾曲動作でき、異なる湾曲角度を元に戻す動作を簡単かつ斬新な意匠で実施できる作用効果をもつ。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施例を示す内側構造図である。
図2】本発明の第1実施例の立体的な構造を示す展開図である。
図3】本発明の第1実施例を示す外面図である。
図4】本発明の第2実施例を示す内側構造図である。
図5】本発明の第3実施例を示す内側構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施態様を説明する。
【0017】
図1および図2について説明すると、本発明のマルチアングル式湾曲眼鏡用脚部は主脚部1、弾性体部2(本実施態様ではプラスチックまたはゴムからなる弾性体部)、滑り部3、接合部(この実施態様では軸部4を使用する)、および副脚部5を有する。本発明の特徴は、弾性体部2、滑り部3、軸部4および副脚部5を収めるキャビティを主脚部1の後部に有することにある。上記弾性体部2、滑り部3、軸部4および副脚部5の一部または全体が上記主脚部の上記キャビティ内に装着される。滑り部3はT形状である。歯および中心バー部32をもつブロック31はシリンダで、弾性体部2がT形状の滑り部の中心バー32を被覆する。副脚部5の上部51は半分が歯であり、両側52は(一面のみを図示してある)平面である。上記キャビティ内のそれぞれ対応する位置に弾性体部2、滑り部3、軸部4および副脚部5を装着する。軸部4は主脚部1および副脚部5の対応する穴部を挿通し、眼鏡用脚部を構成する。この眼鏡用脚部は、軸部4を中心にして副脚部5が回転した状態において多角度で湾曲動作(回転動作)でき、いつでも元の位置に戻ることが可能である。
【0018】
図3は、本発明のマルチアングル式湾曲眼鏡用脚部の実施例のうちの一つの実施例の別な外観を示す図であり、副脚部5が異なる形態で湾曲する例を示す図である。
【0019】
図4は、T形状の滑り部3のバー部は厚く、弾性体部2(本実施態様では弾性体部はバネである)については、滑り部3の中心バー部の後ろに設ける。さらに、滑り部は、矩形、円形などの形態で歯とかみ合う。
【0020】
図5に、第3実施例の内側構造の特徴を示す。滑り部3は中空中心部をもつ矩形形状であり、ここに弾性体部2(本実施態様では弾性体部はバネである)を装着する。主脚部1および副脚部5は接続される。
【0021】
以上説明した本発明の実施態様は、説明を目的とするもので、本発明を限定するものではない。当業者ならば、発明の精神および本質に従わなくても、変形、改良などを実施できるはずである。等価な変形、改良などは本発明の範囲にあるものとする。
【符号の説明】
【0022】
1:主脚部
2:弾性体部
3:滑り部
4:軸部
5:副脚部
31:ブロック
32:中心バー
51:上部
52:両側
図1
図2
図3
図4
図5