(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6711861
(24)【登録日】2020年6月1日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】3次元の構成要素を付加製造する装置向けの造形材料塗布デバイス
(51)【国際特許分類】
B22F 3/16 20060101AFI20200608BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20200608BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20200608BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20200608BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20200608BHJP
B29C 64/214 20170101ALI20200608BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20200608BHJP
B22F 3/105 20060101ALI20200608BHJP
B28B 1/30 20060101ALI20200608BHJP
【FI】
B22F3/16
B33Y30/00
B33Y10/00
B33Y50/02
B29C64/153
B29C64/214
B29C64/393
B22F3/105
B28B1/30
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-110079(P2018-110079)
(22)【出願日】2018年6月8日
(65)【公開番号】特開2019-77944(P2019-77944A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2018年6月8日
(31)【優先権主張番号】17197644.2
(32)【優先日】2017年10月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506154834
【氏名又は名称】ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ダーニエール・ヴィニアルスキー
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・シュタムベルガー
(72)【発明者】
【氏名】フランク・プフィスター
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ホフマン
【審査官】
河口 展明
(56)【参考文献】
【文献】
特表平09−511709(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0052014(US,A1)
【文献】
特許第6132962(JP,B1)
【文献】
欧州特許出願公開第2818305(EP,A1)
【文献】
独国特許出願公開第102015112918(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 3/16
B22F 3/105
B29C 64/153
B29C 64/205−64/223
B29C 64/393
B33Y 10/00
B33Y 30/00
B33Y 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギービーム(4)によって固化することができる造形材料(3)の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の構成要素を付加製造する装置(1)向けの造形材料塗布デバイス(6)であって、それぞれの装置(1)の造形平面(7)内で造形材料(3)の層を塗布するように構成され、少なくとも1つの造形材料塗布部材(10、11)を備える造形材料塗布デバイス(6)において、前記少なくとも1つの造形材料塗布部材(10、11)が、エネルギービーム(4)によって固化することができる造形材料(3)の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって少なくとも部分的に付加製造され、前記少なくとも1つの造形材料塗布部材(10)が、少なくとも部分的に付加製造される、内部にガス流を流すための少なくとも1つの流れチャネル(18)を有する流れチャネル構造(17)を備えることを特徴とする造形材料塗布デバイス。
【請求項2】
前記造形材料塗布デバイス(6)は、互いに取付け可能であるか又は取り付けられている少なくとも2つの造形材料塗布部材(10、11)を備え、少なくとも1つの造形材料塗布部材(10)が、エネルギービーム(4)によって固化することができる造形材料(3)の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって少なくとも部分的に付加製造される、請求項1に記載の造形材料塗布デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの流れチャネル(18)が、一方の前記造形材料塗布部材(10)における他方の前記造形材料塗布部材(11)と対向する面に設けられた、少なくとも1つの流れチャネル出口(19)を備える、請求項1又は2に記載の造形材料塗布デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの流れチャネル(18)は、前記造形材料塗布部材(10)に設けられた流れチャネル入口と前記少なくとも1つの流れチャネル出口(19)との間に延びる、請求項3に記載の造形材料塗布デバイス。
【請求項5】
前記流れチャネル構造(17)は、前記他方の造形材料塗布部材(11)が前記一方の造形材料塗布部材に取り付けられるように、前記流れチャネル出口(19)に吸引力を生じさせる、請求項3又は4に記載の造形材料塗布デバイス。
【請求項6】
前記流れチャネル構造(17)は、前記他方の造形材料塗布部材(11)が前記一方の造形材料塗布部材に取り付けられるように、前記流れチャネル出口(19)に吸引力を生じさせる取付けデバイス(20)の一部を形成する、請求項3〜5のいずれか一つに記載の造形材料塗布デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの造形材料塗布部材(10、11)は、前記造形材料塗布部材(10、11)又は前記造形材料塗布デバイス(6)のシミュレーションモデルから導出される幾何学的構造デザインを少なくとも部分的に含み、前記シミュレーションモデルは、少なくとも1つの事前規定された最適化基準に基づいて生成される、請求項1〜6のいずれか一つに記載の造形材料塗布デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの造形材料塗布部材(10)は、トポロジが最適化されたシミュレーションモデルから導出される幾何学的構造デザインを少なくとも部分的に含む、請求項7に記載の造形材料塗布デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの造形材料塗布部材(10、11)は、前記造形材料塗布部材(10、11)又は前記造形材料塗布デバイス(6)のシミュレーションモデルから導出される生体工学的な幾何学的構造デザインを少なくとも部分的に含み、前記シミュレーションモデルは、少なくとも1つの事前規定された最適化基準に基づいて生成される、請求項1〜8のいずれか一つに記載の造形材料塗布デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの造形材料塗布部材(10)は、少なくとも1つのさらなる造形材料塗布部材(11)を支持するように構成された支持部材である、請求項1〜9のいずれか一つに記載の造形材料塗布デバイス。
【請求項11】
エネルギービーム(4)によって固化することができる造形材料(3)の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の構成要素を付加製造する装置(1)であって、請求項1〜10のいずれか一つに記載の少なくとも1つの造形材料塗布デバイス(6)を備える装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギービームによって固化することができる造形材料の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の構成要素を付加製造(積層造形)する装置向けの造形材料塗布デバイスに関し、この造形材料塗布デバイスは、装置の造形平面内で造形材料の層を塗布するように構成され、少なくとも1つの造形材料塗布部材を備える。
【背景技術】
【0002】
エネルギービームによって固化することができる造形材料の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の構成要素を付加製造する装置向けのそれぞれの造形材料塗布デバイスは、広く知られている。それぞれの造形材料塗布デバイスの主な機能は、装置の造形平面内で造形材料を層ごとに塗布することである。
【0003】
それぞれの造形材料塗布デバイスは、典型的には、従来の製造方法、たとえば機械加工、すなわち切断、研磨などによって製造される標準化された構築アセンブリであり、したがってたとえば個々に規定された仕様を考慮した造形材料塗布デバイスの個々の製造は、少なくとも経済的及び/又は製造上の観点から、合理的に実行可能でない。それぞれの造形材料塗布デバイスが、典型的には標準化されたアセンブリであるため、それぞれの造形材料塗布の特性は、典型的には、所与の最適化基準、たとえば慣性、運動挙動、安定性などを考慮して最適化されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、改善された特性、特に使用者が容易に個々に指定することができる特性を有する造形材料塗布デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、独立請求項1に記載の3次元の物体を付加製造する装置向けの造形材料塗布デバイスによって実現される。従属請求項は、独立請求項1に記載の造形材料塗布デバイスの可能な実施形態に関する。
【0006】
本明細書に記載する造形材料塗布デバイス(以下、「塗布デバイス」)は、典型的には、エネルギービーム、たとえば電子ビーム又はレーザビームによって固化することができる典型的には粉末状の造形材料の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の構成要素、たとえば技術的部品を付加製造する装置(以下、「装置」)に割り当てられる。塗布デバイスは、典型的には、装置の機能的及び/又は構造的な構成要素である。
【0007】
塗布デバイスは、装置の造形平面で、すなわち造形材料を選択的に照射及び固化することによって構成要素の付加的蓄積が行われる平面内で、(付加製造プロセス中に)選択的に照射及び固化すべき造形材料の層を塗布するように構成される。装置の造形平面内で造形材料の層を塗布することは、典型的には、所与の層特性の造形材料の層を、たとえば所与の層寸法及び/又は所与の層厚さの(付加製造プロセス中に)選択的に照射及び固化すべき造形材料の層を、装置の造形平面内に提供することを組み込んでいる。
【0008】
塗布デバイスは、少なくとも1つの造形材料塗布部材(以下、「塗布部材」)を備える。塗布部材は、塗布デバイスの一つの構造的構成要素である。塗布デバイスが装置内に設置された設置状態で、この塗布部材又は少なくとも1つの(さらなる)塗布部材は、少なくとも1つの典型的に並進運動の軸に沿って造形平面に対して可動に支持されており、すなわち典型的には造形平面に対して平行な少なくとも1つの典型的には並進運動の軸に沿って造形平面に対して動かすことができる。塗布部材を造形平面に対して少なくとも1つの軸(この軸は、造形材料塗布軸又は被覆軸として示されたり又は見なすことができる)に沿って動かすことによって、所与の層特性、たとえば所与の層寸法及び/又は所与の層厚さの造形材料層が、造形平面に塗布される。したがって、塗布デバイスは、特定の量の造形材料を造形平面に層ごとに塗布するように構成することができる。提供される造形材料層の厚さは、造形平面の方を向いている塗布部材の自由端部(「下端部」)と塗布部材の方を向いている造形平面の表面との間の間隙の寸法によって主に画定される。
【0009】
従来の製造方法、たとえば機械加工、すなわち切断、研磨などによって製造される公知の造形材料塗布デバイスに比べて塗布デバイスの特性を改善するために、塗布デバイスの少なくとも1つの塗布部材は、少なくとも部分的に、必要な場合は完全に、付加製造することができ、すなわちエネルギービームによって固化することができる造形材料の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによる付加製造プロセスで製造することができる。したがって、この塗布部材又は塗布デバイスの少なくとも1つの塗布部材、必要な場合は塗布デバイスのすべての塗布部材は、少なくとも部分的に、必要な場合は完全に、付加製造された構成要素である。たとえば選択的レーザ溶融プロセス又は選択的電子ビーム溶融プロセスでそれぞれの塗布部材を付加製造することによって、塗布部材は、典型的には、標準化された構築アセンブリではなくなり、本質的に任意の個々の幾何学的構造デザイン(設計)、すなわち任意の規定された及び/又は規定されていない幾何学的形状で製造することができ、したがって塗布部材及び塗布デバイスの本質的に任意の個々に規定された幾何学的構造仕様をそれぞれ実現することができる。特に、任意の幾何学的構造デザインを実現することができるため、それぞれの塗布部材の構造的及び機能的特性は、種々の最適化基準、たとえば慣性、運動挙動、安定性、重量などを考慮して、それぞれ個々に改善又は最適化することができる。
【0010】
塗布デバイスの多種多様な異なる幾何学的構造デザインのため、塗布デバイス、すなわち少なくとも1つの付加製造された塗布部材は、概して、任意の空間形状/空間デザインを含むことができ、すなわち概して任意の空間方向に延びることができる。塗布部材は、特に、任意の横断面幾何形状で製造することができ、すなわち種々の開口、隙間、表面構造、異なる壁厚さなどを備えることができる。
【0011】
付加製造された塗布部材の空間形状/空間デザインは、少なくとも1つの技術的機能、たとえば機械的安定性、密度、重量などの(局所的)増大及び/又は機械的安定性、密度、重量などの(局所的)減少を有することができる。言い換えれば、塗布部材は、重量を低減させるための軽量の枠組み構造、たとえば傾斜した桁腹(ウェブ)、さらなる塗布部材を取り付けるための取付け構造、たとえば保持レセプタクル、塗布部材を補強するための補強構造、たとえばリブ、などの、付加製造された機能的構造を備えることができる。
【0012】
塗布デバイスの少なくとも部分的な付加製造はまた、1つ(単一)の塗布部材が異なる機能を有することができるため、塗布デバイスの総部材数を低減させることができる。塗布デバイスの総部材数を低減させることで、塗布デバイスを組み立てる労力及び時間も低減される。塗布デバイスは、塗布デバイスのすべての機能を有する1つの塗布部材だけを備えることができることが考えられる。
【0013】
したがって、改善された特性、特に使用者が容易に個々に指定(具体化)することができる特性を有する塗布デバイスが与えられる。
【0014】
塗布デバイスは、互いに(機械的に)取付け可能/接続可能であり又は取り付けられて接続されている複数、すなわち少なくとも2つの塗布部材を備えることができ、少なくとも1つの塗布部材が、エネルギービームによって固化することができる造形材料の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって少なくとも部分的に付加製造される。したがって、塗布デバイスは、付加製造された塗布部材と組み合わされた、付加製造されていない塗布部材を備えることができ、これには、付加製造を必ずしもを必要としない塗布部材は標準化することができ、すなわち機械加工などの従来の方法によって製造することができ、それでもなお個々に与えられた仕様、最適化基準などを考慮して付加製造することを必要とする塗布部材は付加製造することができるため、塗布デバイスの製造の点で利点がある。
【0015】
少なくとも部分的に付加製造された塗布部材は、少なくとも部分的に付加製造される少なくとも1つの流れチャネルを有する流れチャネル構造、すなわち特に一体型又は内部の流れチャネル構造を備えることができる。それぞれの流れチャネルは、付加製造された塗布部材の選択的に照射及び固化された周囲の材料又は壁部分によって画定され、したがって概して任意の(横断面)幾何形状を有するように造形することができる。流れチャネル構造は、互いに連通することができる複数の別個の流れチャネルを備えることができ、したがって網状の流れチャネル構造を形成することができる。それぞれの流れチャネル構造の空間的延長、すなわち塗布部材内の流れチャネルの進路は、概して任意に選択することができる。流れチャネル構造の空間的延長、すなわち塗布部材内の流れチャネルの進路は、種々の最適化基準、たとえば流れチャネルを通って流れている流体の、たとえばガスの最適化された流れ、たとえば層流を考慮して最適化することができる。明らかになるように、流体は、吸い込み流又は吸引流として流れることができ、すなわち吸い込み流又は吸引流とすることができる。
【0016】
少なくとも1つの流れチャネルは、典型的には、塗布部材に設けられた少なくとも1つの流れチャネル入口と少なくとも1つの流れチャネル出口との間に延びる。上述したように、流れチャネル構造の空間的延長は、任意に選択することができる。それでもなお、流れチャネルの空間的延長は、典型的には、塗布部材の幾何学的構造デザインによって画定される。一例として、流れチャネルは、蛇行した形状で流れチャネル入口と流れチャネル出口との間に延びることができる。
【0017】
流れチャネル構造は、塗布デバイスに設けられた空気圧式取付けデバイスの一部を形成することができ、空気圧式取付けデバイスは、流れチャネル構造を備える塗布部材に少なくとも1つのさらなる塗布部材を空気圧式に(脱着式に)取り付けるように構成される。したがって、少なくとも2つの塗布部材を空気圧式取付けデバイスによって互いに取付け/接続することができる。空気圧式の取付け/接続は、流れチャネル入口と連通する吸引流生成デバイス、たとえばポンプデバイスによって生成される吸引(ガス)流によって実現され、流れチャネル構造を通って流れる吸引流は、それぞれの流れチャネル出口に吸引力を生じさせる。この吸引力により、流れチャネル出口の前に配置された塗布部材を確実に定位置で保持することが可能になる。したがって、流れチャネル出口は、塗布部材の取付け構造の取付け部分として働く。
【0018】
流れチャネル構造はまた、流れチャネル構造を備える塗布部材に少なくとも1つのさらなる造形材料塗布部材を取り付けるように構成された空気圧で作動可能な取付けデバイスの一部を形成することができる。それぞれの空気圧で作動可能な取付けデバイスは、典型的には、少なくとも1つの空気圧で作動可能な取付け要素を備える。塗布部材、又は塗布部材に取り付けるべきさらなる塗布部材に、それぞれの空気圧で作動可能な取付け要素を設けることができる。それぞれの空気圧で作動可能な取付け要素は、2つの異なる動作状態、すなわち塗布部材への少なくとも1つのさらなる塗布部材の取付けが可能である取付け状態と、塗布部材への少なくとも1つのさらなる塗布部材の取付けが可能でない非取付け状態とを含むことができる。したがって、空気圧で作動可能な取付け要素は、締付け要素として造形することができたり、又は締付け要素を備えることができたり、又は締付け要素であったりし、締付け要素は、2つの異なる締付け状態、すなわち塗布部材への少なくとも1つのさらなる塗布部材の締め付けられた取付けが可能である締付け状態(取付け状態)と、塗布部材への少なくとも1つのさらなる塗布部材の締め付けられた取付けが可能でない非締付け状態(非取付け状態)とを含む。空気圧で作動可能な取付け/接続は、流れチャネル入口と連通する送風流生成デバイス(図示せず)、たとえばポンプデバイス、によって生成される(加圧された)送風(ガス)流によって実現することができ、流れチャネル構造を通って流れる送風流は、流れチャネル出口に力を生じさせ、この力により、流れチャネル出口の領域内に設けられる空気圧で作動可能な取付け要素が、取付け状態で移送及び保持される。
【0019】
上述したように、それぞれの塗布部材の特性は、種々の最適化基準、たとえば慣性、運動挙動、安定性、重量などを考慮して、それぞれ個々に改善又は最適化することができる。したがって、少なくとも1つの塗布部材は、塗布部材の模擬(シュミレーション)モデル、特にコンピュータでシミュレートされたFEMモデルから導出される幾何学的構造デザインを少なくとも部分的に含むことができ、模擬モデルは、少なくとも1つの事前規定された最適化基準に基づいて生成される。最適化基準は、特有の物理的特性、特に機械的特性、たとえば剛性、密度特性、重量特性、又は少なくとも1つの塗布部材及び塗布デバイスのそれぞれの物理的特性の特有のたとえば漸進的な分布にそれぞれ関連することができる。模擬モデルは、塗布部材又は塗布デバイスの種々の動作条件、たとえば負荷及び/又は熱的条件をそれぞれ考慮/シミュレートし、種々の動作条件下での塗布部材又は塗布デバイスの挙動をそれぞれシミュレートすることができる。模擬モデルは(また)、種々の動作条件下での事前規定された最適化基準、すなわち所与の温度下での最適化された機械的安定性を反映することができる。模擬モデルは、塗布部材及び塗布デバイスをそれぞれ付加製造するために使用される造形データに対する基本を直接形成することができる。したがって、模擬モデルから、したがって模擬モデルを考慮に入れて、塗布部材の実際の幾何学的構造デザインを導出することができ、その結果、塗布部材及び塗布デバイスの特性がそれぞれ最適化される。模擬モデルは、たとえば、トポロジが最適化された模擬モデルとすることができる。したがって、少なくとも1つの塗布部材は、トポロジが最適化された模擬モデルから導出される幾何学的構造デザインを少なくとも部分的に含むことができる。また、少なくとも1つの塗布部材は、塗布部材又は塗布デバイスの模擬モデル、特にコンピュータでシミュレートされたFEMモデルから導出される生体工学的な幾何学的構造デザインを少なくとも部分的に含むことも可能であり、模擬モデルは、少なくとも1つの事前規定された最適化基準、たとえば上述した最適化基準に基づいて生成される。
【0020】
少なくとも1つの付加製造された塗布部材は、少なくとも1つのさらなる塗布部材、たとえばコータブレード部材を搬送若しくは支持するように構成されたキャリア若しくは支持部材、又は少なくとも1つの化学的及び/若しくは物理的な検出量を検出若しくは測定するように構成された検出若しくは測定部材、たとえばカメラなどのセンサとすることができる。したがって、塗布部材は、長手方向の幾何学的構造デザインを有することができる。塗布部材は、L字状の横断面を有することができる。当然ながら、他の横断面形状も考えられ、これは特に、塗布部材が、トポロジが最適化された模擬モデルから導出される幾何学的構造デザイン、たとえば生体工学的なデザインを少なくとも部分的に含む場合に当てはまる。
【0021】
本発明はさらに、エネルギービームによって固化することができる造形材料の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の構成要素、たとえば技術的部品を付加製造する装置に関する。それぞれの造形材料は、金属、セラミック、又はポリマーの粉末とすることができる。それぞれのエネルギービームは、レーザビーム又は電子ビームとすることができる。それぞれの装置は、たとえば、選択的レーザ焼結装置、選択的レーザ溶融装置、又は選択的電子ビーム溶融装置とすることができる。別法として、造形材料を連続して層ごとに選択的に固化することは、少なくとも1つの接着材料を介して実行することができる。接着材料は、対応する塗布ユニットによって塗布することができ、たとえば適したエネルギー源、たとえばUV光源によって照射することができる。
【0022】
この装置は、複数の構造的及び/又は機能的なデバイスを備える。例示的な構造的及び/又は機能的デバイスには、造形材料の層が装置の動作中にエネルギービームによって連続して層ごとに選択的に照射及び固化される造形平面を備えるプロセスチャンバや、プロセスチャンバ内に配置された造形材料層を少なくとも1つのエネルギービームで選択的に照射するように構成された照射デバイスや、この装置の造形平面内で造形材料の層を塗布するように構成された造形材料塗布デバイスや、並びに吸引及び/又は送風デバイスとして構築し又はそれを備えることができ、プロセスチャンバを通って少なくとも部分的に流れるガス流を生成するように構成されたガス流生成デバイスが挙げられる。ガス流は、プロセスチャンバを通って流れる間に、固化されていない造形材料粒子、特に装置の動作中に生成される煙又は煙残留物を充填することが可能である。
【0023】
この装置は、本明細書に指定する少なくとも1つの塗布デバイスを備える。言い換えれば、装置の機能的構成要素である塗布デバイスは、付加製造される構成要素自体である。塗布デバイスに関するすべての注釈は、付加製造装置にも同様に適用される。
【0024】
本発明はさらに、3次元の構成要素を付加製造する装置の塗布デバイスの塗布部材又は塗布デバイスを付加製造する方法に関し、この方法は、
− 製造すべき造形材料塗布部材又は造形材料塗布デバイスに関する造形データを提供するステップと、
− エネルギービームによって固化することができる造形材料の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって造形材料塗布部材又は造形材料塗布デバイスを付加製造するステップとを含む。
【0025】
この方法は、たとえば、選択的レーザ溶融方法又は選択的電子ビーム溶融方法として実施することができる。塗布デバイスに関するすべての注釈は、方法にも同様に当てはまる。
【0026】
提供される造形データは、塗布部材又は塗布デバイスの模擬モデル、特にコンピュータでシミュレートされたFEMモデルからそれぞれ導出される塗布部材又は塗布デバイスの幾何学的構造デザインをそれぞれ具体的に指定することができ、模擬モデルは、少なくとも1つの事前規定された最適化基準に基づいて生成される。模擬モデルは、たとえば、トポロジが最適化された模擬モデルとすることができる。したがって、少なくとも1つの塗布部材は、トポロジが最適化された模擬モデルから導出される幾何学的構造デザインを少なくとも部分的に含むことができる。塗布デバイスに関するそれぞれの注釈が同様に当てはまる。
【0027】
本発明はまた、造形材料デバイス向けの造形材料塗布部材を表すコードを記憶する非一過性コンピュータ可読記憶媒体に関し、造形材料塗布部材は、コンピュータ化された付加製造装置によるコードの実行時に物理的に生成され、コードは、造形材料塗布部材を表すコードを含む。非一過性コンピュータ可読記憶媒体は、コードを記憶し、このコードは、少なくとも部分的に付加製造されている少なくとも1つの流れチャネルを有する造形材料デバイスを通って延びる少なくとも1つの流れチャネル構造をさらに含む。塗布デバイス又は方法に関するそれぞれの注釈が、同様に当てはまる。
【0028】
本発明の例示的な実施形態について、図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】例示的な実施形態による3次元の物体を付加製造する装置の原理図である。
【
図2】例示的な実施形態による塗布デバイスの原理図である。
【
図3】例示的な実施形態による塗布デバイスの原理図である。
【
図4】例示的な実施形態による塗布デバイスの原理図である。
【
図5】例示的な実施形態による塗布デバイスの原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、エネルギービーム4、たとえばレーザビーム又は電子ビームによって固化することができる粉末状の造形材料3、たとえば金属粉末の層を連続して層ごとに選択的に照射し、それに伴って固化することによって3次元の物体2、たとえば技術的部品(構成要素)を付加製造(積層造形)する装置1の原理図を示す。装置1は、たとえば、選択的レーザ溶融装置又は選択的電子ビーム溶融装置とすることができる。
【0031】
装置1は、複数の構造的及び/又は機能的なデバイスを備える。
【0032】
1つの例示的な機能的デバイスには、少なくとも1つのエネルギービーム4で造形材料層を選択的に照射する働きをする照射デバイス5、特にエネルギービーム生成デバイス、及び/又はエネルギービーム偏向デバイス、たとえば走査デバイスが挙げられる。
【0033】
別の例示的な機能的デバイスには、装置1の投与モジュール9から提供される造形材料3の層を装置1のプロセスチャンバ8内の造形平面7内に塗布する働きをする造形材料塗布デバイス6(「塗布デバイス」)、特に被覆デバイスが挙げられる。
【0034】
プロセスチャンバ8を通って、すなわちプロセスチャンバガス入口(図示せず)とプロセスチャンバガス出口(図示せず)との間を流れる間に、固化されていない造形材料粒子、特に装置1の動作中に生成される煙又は煙残留物で充填することが可能な不活性ガス流を生成するように構成された流れ生成デバイス、たとえば吸引及び/又は送風デバイスなどの他の例示的な機能的デバイスは、図示されていない。
【0035】
図2〜5はそれぞれ、例示的な実施形態による塗布デバイス6の原理図を示し、
図2は、塗布デバイス6の斜視図を示し、
図3は、塗布デバイス6の正面又は側面図を示し、
図4は、塗布デバイス6の横断面図を示し、
図5は、塗布デバイス6の上面図を示す。
【0036】
上述したように、塗布デバイス6は、付加製造プロセス中に選択的に照射及び固化すべき造形材料3の層を装置1の造形平面7内で塗布するように構成される。装置1の造形平面7内で造形材料3の層を塗布することは、所与の層特性、たとえば所与の層寸法及び/又は所与の層厚さの造形材料3の層を装置1の造形平面7内に提供することを組み込んでいる。
【0037】
塗布デバイス6は、複数の造形材料塗布部材10、11(「塗布部材」)を備える。第1の塗布部材10は、少なくとも1つのさらなる塗布部材11を搬送又は支持するように構成された長手方向のキャリア又は支持部材(「支持部材」)であり、さらなる塗布部材11は、コータブレード部材である。さらに、さらなる塗布部材11はまた、少なくとも1つの化学的及び/又は物理的な検出量を検出又は測定するように構成された検出又は測定部材(図示せず)、たとえばカメラなどのセンサとすることができる。この図の例示的な実施形態によれば、第1の塗布部材10は、長手方向の幾何学的構造デザイン(設計)及びL字状の横断面を有する。それでもなお、他の横断面形状も考えられ、これは特に、塗布部材10が、トポロジが最適化された模擬(シュミレーション)モデルから導出される幾何学的構造デザイン、たとえば生体工学的なデザインを少なくとも部分的に含む場合に当てはまる。
【0038】
支持部材は、塗布デバイス6の構造的構成要素である。塗布デバイス6が装置1内に設置された設置状態(
図1参照)で、支持部材は、両方向矢印P1によって示す少なくとも1つの運動軸に沿って造形平面7に対して可動に支持されており、すなわち造形平面7に対して平行な少なくとも1つの運動軸に沿って造形平面7に対して動かすことができる。支持部材を造形平面7に対して少なくとも1つの軸(この軸は、造形材料塗布軸又は被覆軸として示されたり又は見なすことができる)に沿って動かすことによって、所与の層特性、たとえば所与の層寸法及び/又は所与の層厚さの造形材料層が、造形平面7に塗布される。提供される造形材料層の厚さは、造形平面7の方を向いている支持部材の自由端部(「下端部」)と支持部材の方を向いている造形平面7の表面との間の間隙12の寸法によって画定される。
【0039】
塗布デバイス6の支持部材は、必要な場合はさらなる塗布部材も、付加製造され、すなわちエネルギービーム4によって固化することができる造形材料3の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによる付加製造プロセスで製造される。したがって、塗布デバイス6の支持部材は、付加製造された構成要素である。たとえば選択的レーザ溶融又は選択的電子ビーム溶融プロセスで支持部材を付加製造することによって、支持部材は、典型的には、標準化された構築アセンブリではなくなり、本質的に任意の個々の幾何学的構造デザイン、すなわち任意の規定された及び/又は規定されていない幾何学的形状で製造することができ、したがって支持部材及び塗布デバイス6の任意の個々に規定された幾何学的構造仕様をそれぞれ本質的に実現することができる。特に、任意の幾何学的構造デザインを実現することができるため、それぞれの塗布部材の構造的及び機能的特性は、種々の最適化基準を、たとえば慣性、運動挙動、安定性、重量などを考慮して、それぞれ、個々に改善又は最適化することができる。
【0040】
支持部材及び塗布デバイス6それぞれの多種多様な異なる幾何学的構造デザインのため、塗布デバイス6は、概して、任意の空間形状/空間デザインを含むことができ、すなわち概して任意の空間方向に延びることができる。支持部材は、特に、任意の横断面幾何形状を有するように製造することができ、すなわち種々の開口、隙間、表面構造、異なる壁厚さなどを備えることができる。
【0041】
付加製造された支持部材の空間形状/空間デザインは、少なくとも1つの技術的機能、たとえば機械的安定性、密度、重量などの(局所的)増大及び/又は機械的安定性、密度、重量などの(局所的)減少を有することができる。言い換えれば、支持部材は、重量を低減させるための軽量の枠組み構造14、たとえば傾斜した桁腹(ウェブ)13、開口15などや、さらなる塗布部材、すなわちコータブレード部材を取り付けるための取付け構造16や、支持部材を補強するための補強構造(図示せず)、たとえばリブなどの、付加製造された機能的構造を備えることができる。
【0042】
上記から明らかなように、塗布デバイス6は、互いに(機械的に)取付け可能であったり接続可能であり、又は取り付けられていたり/接続されている複数の、すなわち少なくとも2つの塗布部材10、11を備えることができる。少なくとも1つの塗布部材10、11、すなわち支持部材は、付加製造される。したがって、コータブレード部材は、必ずしも付加製造されているとは限らないが、コータブレード部材を付加製造することもできる。
【0043】
支持部材は、流れチャネルを有する流れチャネル構造17を備える。流れチャネル18は、付加製造された支持部材の選択的に照射及び固化された周囲の材料又は壁部分によって画定され、したがって概して任意の(横断面)幾何形状を有するように造形することができる。流れチャネル構造17の空間的延長、すなわち支持部材内の流れチャネル18の進路は、概して任意に選択することができる。流れチャネル構造17の空間的延長、すなわち塗布部材10,11内の流れチャネル18の進路は、種々の最適化基準、たとえば流れチャネル18を通って流れている流体、たとえばガス、のたとえば最適化された流れ、たとえば層流を考慮して最適化することができる。
【0044】
図では、流れチャネル構造17及び流れチャネル18は、支持部材に設けられた流れチャネル入口(図示せず)と少なくとも1つの流れチャネル出口19との間で支持部材の長手方向の延長方向に蛇行してそれぞれ長手方向に延びる(特に
図3参照)。流れチャネル入口は、典型的には、流れチャネル出口19とは反対側に設けられる。
【0045】
流れチャネル構造17は、支持部材にコータブレード部材を取り付けるように構成され、空気圧で作動可能な取付けデバイス20の一部を形成する。空気圧で作動可能な取付けデバイス20は、少なくとも1つの空気圧で作動可能な取付け要素21を備える。支持部材、又は支持部材に取り付けるべきさらなるコータブレード部材に、それぞれの空気圧で作動可能な取付け要素21を設けることができる。それぞれの空気圧で作動可能な取付け要素21は、締付け要素として造形することができるか、又は締付け要素を備えることができ、この締付け要素は、2つの異なる締付け状態、すなわち支持部材へのコータブレード部材の締め付けられた取付けが可能である締付け状態(取付け状態)と、支持部材へのコータブレード部材の締め付けられた取付けが可能でない非締付け状態(非取付け状態)とを含む。空気圧で作動可能な取付け/接続は、流れチャネル入口と連通する加圧された送風流生成デバイス(図示せず)、たとえばポンプデバイスによって生成される送風(ガス)流によって実現され、流れチャネル構造17を通って流れる送風流は、流れチャネル出口19に力を生じさせ、この力により、流れチャネル出口19の領域内に設けられる締付け要素が、締付け状態で移送及び保持される。
【0046】
追加又は代替の実施形態では、流れチャネル構造17は、塗布デバイス6に一体的に設けられた空気圧式取付けデバイスの一部を形成することができ、空気圧式取付けデバイスは、少なくとも1つのさらなる塗布部材、すなわちコータブレード部材を支持部材に空気圧式に(脱着式に)取り付けるように構成される。空気圧式の取付け/接続は、流れチャネル入口と連通する吸引流生成デバイス(図示せず)、たとえばポンプデバイスによって生成される吸引(ガス)流によって実現され、それにより流れチャネル構造17を通って流れる吸引流は、流れチャネル出口19に吸引力を生じさせ、この吸引力により、流れチャネル出口19の前に配置されたコータブレード部材を確実に定位置で保持することが可能になる。したがって、流れチャネル出口19は、支持部材の取付け構造16の取付け部分として働く。
【0047】
図示しないが、流れチャネル構造17は、互いに連通することができる複数の別個の流れチャネル18を備えることができ、したがって網状の流れチャネル構造を形成することができる。
【0048】
上述したように、それぞれの塗布部材の特性は、種々の最適化基準、たとえば慣性、運動挙動、安定性、重量などを考慮して、それぞれ個々に改善又は最適化することができる。したがって、支持部材は、支持部材の模擬モデル、特にコンピュータでシミュレートされたFEMモデルから導出される幾何学的構造デザインを少なくとも部分的に含むことができ、模擬モデルは、少なくとも1つの事前規定された最適化基準に基づいて生成される。最適化基準は、特有の物理的特性を、特に機械的特性、たとえば剛性、密度特性、重量特性、又は支持部材及び塗布デバイス6のそれぞれの物理的特性の特有の(たとえば漸進的な)分布を、それぞれ指すことができる。模擬モデルは、支持部材又は塗布デバイス6の種々の動作条件、たとえば負荷及び/又は熱的条件をそれぞれ考慮/シミュレートし、種々の動作条件下での支持部材又は塗布デバイス6の挙動をそれぞれシミュレートすることができる。模擬モデルは(また)、種々の動作条件下での事前規定された最適化基準、すなわち所与の温度下での最適化された機械的安定性を反映することができる。模擬モデルは、支持部材及び塗布デバイス6をそれぞれ付加製造するために使用される造形データに対する基本・基礎を直接形成することができる。したがって、模擬モデルから、したがって模擬モデルを考慮に入れて、支持部材の実際の幾何学的構造デザインを導出することができ、その結果、支持部材及び塗布デバイス6の特性がそれぞれ最適化される。
【0049】
図1〜5の塗布デバイス6、たとえば支持部材のそれぞれの付加製造された塗布部材は、3次元の構成要素を付加製造する塗布デバイス6向けの塗布部材又は装置1向けの塗布デバイス6を付加製造する方法によって製造することができる。この方法は、
− 付加製造すべき塗布デバイス6又は付加製造すべき塗布デバイス6の少なくとも1つの塗布部材に関する造形データを提供するステップと、
− エネルギービーム4によって固化することができる造形材料3の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって塗布デバイス6又は塗布デバイス6の少なくとも1つの造形材料塗布部材を付加製造するステップと、を含む。
【0050】
提供される造形データは、塗布部材10又は塗布デバイス6の模擬モデル、特にコンピュータでシミュレートされたFEMモデルからそれぞれ導出される部材又は塗布デバイス6の幾何学的構造デザインをそれぞれ指定することができ、この模擬モデルは、少なくとも1つの事前規定された最適化基準に基づいて生成される。模擬モデルは、トポロジが最適化された模擬モデルとすることができる。したがって、塗布部材10は、トポロジが最適化された模擬モデルから導出される幾何学的構造デザインを少なくとも部分的に含むことができる。また、塗布部材10は、塗布部材10又は塗布デバイス6の模擬モデル、特にコンピュータでシミュレートされたFEMモデルから導出される生体工学的な幾何学的構造デザインを含むことも可能である。
【0051】
この方法は、たとえば、選択的レーザ溶融方法又は選択的電子ビーム溶融方法として実施することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 (付加製造)装置
2 3次元の物体
3 造形材料
4 エネルギービーム
5 照射デバイス
6 造形材料塗布デバイス
7 造形平面
8 プロセスチャンバ
9 投与モジュール
10 造形材料塗布部材
11 造形材料塗布部材
12 間隙
13 傾斜した桁腹(ウェブ)
14 軽量の枠組み構造
15 開口
16 取付け構造
17 流れチャネル構造
18 流れチャネル
19 流れチャネル出口
20 空気圧で作動可能な取付けデバイス
21 空気圧で作動可能な取付け要素