特許第6711877号(P6711877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6711877
(24)【登録日】2020年6月1日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】エレベータ検査装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/02 20060101AFI20200608BHJP
【FI】
   B66B5/02 C
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-168171(P2018-168171)
(22)【出願日】2018年9月7日
(65)【公開番号】特開2020-40763(P2020-40763A)
(43)【公開日】2020年3月19日
【審査請求日】2018年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長田 朗
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 翔
【審査官】 須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−262474(JP,A)
【文献】 特開2006−131402(JP,A)
【文献】 特開平10−182036(JP,A)
【文献】 特開平10−139312(JP,A)
【文献】 特開平07−041266(JP,A)
【文献】 特開昭63−315478(JP,A)
【文献】 米国特許第06325179(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロープの所定長に対応したシーブの回転角度に基づく前記ロープの劣化指標を算出する劣化指標算出部と、
前記劣化指標に基づいて前記ロープの劣化を判定する劣化判定部と、
を備え
前記ロープの所定長は、かごが所定の階床間を移動する長さであり、かごまたはおもりの位置を検出する着床センサの検出値から得られ、
前記ロープは、それぞれが所定の階床間に対応し、当該所定の階床間を移動する間に前記シーブに巻き掛けられる、複数の部位を有し、
前記劣化判定部は、前記複数の部位毎に劣化を判定し、前記複数の部位の全てから、他の部位よりも劣化が進んだ部位を特定する、
エレベータ検査装置。
【請求項2】
前記劣化判定部は、前記劣化指標と閾値とを比較することにより、劣化を判定する、請求項1に記載のエレベータ検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、エレベータ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ光を用いてロープの径を測定するエレベータ検査装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−101197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のエレベータのエレベータ検査装置にあっては、例えば、構成がより簡素化されるなど、より不都合の少ない新規な構成のエレベータ検査装置が得られれば、有益である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のエレベータ検査装置は、ロープの所定長に対応したシーブの回転角度に基づくロープの劣化指標を算出する劣化指標算出部と、劣化指標に基づいてロープの劣化を判定する劣化判定部と、を備える。前記ロープの所定長は、かごが所定の階床間を移動する長さであり、かごまたはおもりの位置を検出する着床センサの検出値から得られる。前記ロープは、それぞれが所定の階床間に対応し、当該所定の階床間を移動する間に前記シーブに巻き掛けられる、複数の部位を有する。前記劣化判定部は、前記複数の部位毎に劣化を判定し、前記複数の部位の全てから、他の部位よりも劣化が進んだ部位を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態のエレベータ検査装置が適用されるエレベータの模式的かつ例示的な図である。
図2図2は、実施形態のエレベータ検査装置が適用されるエレベータのロープの模式的かつ例示的な断面図である。
図3図3は、実施形態のエレベータ検査装置の模式的かつ例示的なブロック図である。
図4図4は、実施形態のエレベータ検査装置において得られたかごの位置と回転角度の検出値との相関関係を例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、エレベータ検査装置7の例示的な実施形態および変形例が開示される。以下に示される実施形態の構成や制御(技術的特徴)、ならびに当該構成や制御によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。
【0008】
図1は、エレベータ100の構成図である。図1に示されるように、エレベータ100は、かご1、ロープ2、おもり3、複数のシーブ4、モータ5、複数の位置センサ6、およびエレベータ検査装置7を備える。
【0009】
かご1は、建物に設けられた昇降路Hを上下に移動する。
【0010】
ロープ2は、かご1およびおもり3をつり下げている。ロープ2の一端2aと他端2bは、それぞれ、ロープヒッチ11を介して建物に接続されている。ロープ2は、一端2aと他端2bとの間で、複数のシーブ4に巻き掛けられている。
【0011】
シーブ4は、モータシーブ41、かごシーブ42、およびおもりシーブ43を有する。
【0012】
図2は、ロープ2の断面図である。図2に示されるように、ロープ2は、樹脂被覆ロープであり、心鋼21と、複数のストランド22と、樹脂被覆23と、を有する。心鋼21は、いずれも螺旋状に延びた6本のストランド22によって取り囲まれている。また、樹脂被覆23は、6本のストランド22の周囲を取り囲んでいる。樹脂被覆23は、例えばエポキシ樹脂のような合成樹脂材料で作られる。
【0013】
モータ5は、モータシーブ41を回転させることにより、当該モータシーブ41に巻き替えられたロープ2を移動させ、これによりかご1およびおもり3を上下に移動させる。
【0014】
制御装置(不図示)は、モータ5の回転を制御することにより、かご1の動作および位置を制御する。
【0015】
回転角センサ51は、モータ5のロータ5aの回転角度を検出し、位置検出信号を出力する。回転角センサ51は、例えば、ロータリエンコーダである。
【0016】
複数の位置センサ6は、それぞれ異なる位置で昇降路Hに臨むように設けられ、かご1の位置を検出し、位置検出信号を出力する。位置センサ6は、例えば、昇降路Hに設けられた位置検知マーカ61の位置を検出する位置検出スイッチや、光電センサ、着床センサ等である。なお、位置センサ6は、おもり3の位置や、ロープ2の特定部位の位置を検出してもよい。位置センサ6は、センサの一例である。
【0017】
図3は、エレベータ検査装置7のブロック図である。図3に示されるように、エレベータ検査装置7は、回転検出値取得部71、位置検出値取得部72、劣化指標算出部73、劣化判定部74、出力制御部75、および記憶部76を有する。
【0018】
エレベータ検査装置7による演算処理や制御は、ソフトウエアによって実行されてもよいし、ハードウエアによって実行されてもよい。また、エレベータ検査装置7による演算処理や制御には、ソフトウエアによる演算処理や制御とハードウエアによる演算処理や制御とが含まれてもよい。ソフトウエアによる処理の場合にあっては、エレベータ検査装置7は、ROMや、HDD、SSD、フラッシュメモリ等の記録媒体(記憶媒体)に記憶されたプログラム(アプリケーション)を読み出して実行する。エレベータ検査装置7は、プログラムにしたがって作動することにより、エレベータ検査装置7に含まれる各部、すなわち、回転検出値取得部71や、位置検出値取得部72、劣化指標算出部73、劣化判定部74、出力制御部75等として、機能する。この場合、プログラムには、上記各部に対応するモジュールが含まれる。
【0019】
プログラムは、それぞれインストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROMや、FD、CD−R、DVD、USBメモリ等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されうる。また、プログラムは、通信ネットワークに接続されたコンピュータの記憶部に記憶され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって導入されうる。また、プログラムは、ROM等に予め組み込まれてもよい。
【0020】
また、エレベータ検査装置7の少なくとも一部がハードウエアによって構成される場合、当該エレベータ検査装置7には、例えば、field programmable gate array(FPGA)や、application specific integrated circuit(ASIC)等が含まれうる。
【0021】
回転検出値取得部71は、回転角センサ51からの回転検出信号から、回転検出値を取得する。
【0022】
位置検出値取得部72は、位置センサ6からの位置検出信号から、位置検出値を取得する。
【0023】
劣化指標算出部73は、回転検出値と位置検出値とを取得し、これらに基づいてロープ2の劣化指標を算出する。
【0024】
ロープ2が、上述したような、樹脂被覆23によって被覆された樹脂被覆ロープである場合、心鋼21とストランド22とが摺れて摩耗するにつれて、ロープ2の直径が減少するとともにロープ2が伸びることがわかっている。
【0025】
発明者らは、このような被覆樹脂ロープの劣化について鋭意検討を重ね、次のような新しい知見を得るに至った。すなわち、ロープ2の劣化に伴ってロープ2の直径(半径)が減少すると、これに応じて、モータシーブ41の中心C(図1)からモータシーブ41回りに巻き掛けられているロープ2の中心線までの半径R(図1、以下、巻回半径Rと称される)が減少する。巻回半径Rが減少するほど、モータシーブ41の回転角度あたりのロープ2の送り量、すなわちかご1またはおもり3の移動量が減少する。したがって、モータシーブ41の所定回転角度に対応したかご1の移動量は、ロープ2が劣化して直径(半径)が小さくなるにつれて減少する。言い換えると、かご1またはおもり3の移動量すなわちロープ2の所定長あたりのモータシーブ41の回転角度は、ロープ2が劣化して直径(半径)が小さくなるにつれて増大する。
【0026】
例えば、回転角センサ51がロータリエンコーダであって、回転検出信号として所定角度間隔でパルス信号を出力する場合、劣化指標算出部73は、パルスを積算するカウンタを有する。この場合、劣化指標算出部73は、一の位置検出信号(以下、検出開始信号と称される)を取得してから次の位置検出信号(以下、検出終了信号と称される)を取得するまでの間、パルスを積算する。回転角センサ51としてのロータリエンコーダからパルスの積算値を取得する場合、劣化指標算出部73は、検出開始信号を取得した時点での積算値と検出終了信号を取得した時点での積算値との差分値を算出する。さらに、途中でリセットされた場合、劣化指標算出部73は、リセットまでの差分値とリセット後の差分値とを積算する。
【0027】
例えば、モータシーブ41の半径をRs、かご1が所定区間を移動する間にロープ2がモータシーブ41に巻掛かる区間における半径の初期値をr0、所定時間経過後(検出実施時)においてかご1が所定区間を移動する間にロープ2がモータシーブ41に巻掛かる区間におけるロープ2の半径をr1、かご1が所定区間を移動する間にロータリエンコーダとしての回転角センサ51から出力されるパルスの積算値の初期値をn0、所定時間経過後(検出実施時)においてかご1が所定区間を移動する間に回転角センサ51から出力されるパルスの積算値をn1、所定区間の長さ(所定長)をL、とすると、以下の式(1)が成り立つ。
L∝(Rs+r0)×n0=(Rs+r1)×n1 ・・・ (1)
【0028】
また、劣化指標算出部73は、例えば、記憶部76に記憶されたデータあるいはプログラムから、検出開始信号に対応するかご1の位置(以下、検出開始位置と称される)、および検出終了信号に対応するかご1の位置(以下、検出終了位置と称される)を取得するとともに、検出開始位置と検出終了位置との間のかご1の移動距離を算出することができる。
【0029】
この場合、劣化指標算出部73は、例えば、パルスの積算値をかご1の移動距離で除算した値、またはその逆数として、劣化指標を算出することができる。パルスの積算値は、ロータ5aの回転角度およびモータシーブ41の回転角度に比例する。また、かご1の移動距離は、ロープ2の所定長である。よって、劣化指標は、ロープ2の所定長に対応したモータシーブ41(シーブ4)の回転角度に基づく値である。
【0030】
劣化指標算出部73は、ロープ2の部位毎に劣化指標を算出することができる。例えば、かご1が1階から2階に移動する間あるいはかご1が2階から1階に移動する間に得られたパルスの積算値に基づく劣化指標は、ロープ2のうち、かご1が1階と2階との間を移動する間にモータシーブ41に巻き掛けられる部位の劣化指標である。また、かご1が2階から3階に移動する間あるいはかご1が3階から2階に移動する間に得られたパルスの積算値に基づく劣化指標は、ロープ2のうち、かご1が2階と3階との間を移動する際にモータシーブ41に巻掛かる部位の劣化指標である。
【0031】
このように、劣化指標は、一例として、かご1の1階床分の移動毎に管理することができる。また、複数の階床について、かご1の1階床分の移動距離が同じである場合、劣化指標は、かご1が互いに隣接する階床間を移動する間に得られたパルスの積算値とすることができる。この場合、劣化指標は、エレベータ100の据付当初のパルスの積算値(初期値)に対する差分値(変化量)としてもよい。なお、この場合に限らず、劣化指標として他の物理量(パラメータ)が用いられる場合にあっても、劣化指標は、初期値に対する差分値や、初期値に対する比などとしてもよい。
【0032】
図4は、かご1の位置と回転角度の検出値(パルスの積算値)との相関関係を例示するグラフである。この場合の劣化指標は、例えば、グラフの傾き(微分係数)とすることができる。この場合、ロープ2のうち、図4のグラフの傾きが他の区間よりも大きい区間A(1F(1階)および3F(3階)の階床間)に対応してモータシーブ41に巻掛かっている部位が、他の部位よりも劣化が進んでいる、すなわちロープ2の直径(半径)がより小さく、かつロープ2がより伸びていることになる。
【0033】
劣化判定部74は、劣化指標と閾値とを比較することにより、劣化判定を実行する。また、劣化判定部74は、劣化指標の初期値との差分値や、劣化指標の初期値との比を、閾値と比較することにより、劣化判定を実行してもよい。
【0034】
また、上述したように、劣化指標算出部73は、ロープ2の部位毎に劣化指標を算出することができるため、劣化判定部74は、ロープ2の部位毎に劣化を判定することができる。すなわち、劣化判定部74は、ロープ2のうち他の部位よりも劣化が進んでいる部位を特定することができる。劣化判定部74は、劣化部位特定部とも称されうる。
【0035】
なお、ロープ2の半径が減少するほどロープ2は伸び、ロープ2の半径の変化量とロープ2の伸びとの間には相関関係があることが判明している。よって、劣化指標から、ロープ2の半径や、半径の変化量、ロープ2の伸び等を算出することが可能である。また、劣化判定はこれらの値に基づいて実行されてもよい。言い換えると、回転角センサ51の検出値から算出されたロープ2の半径や、半径の変化量、伸びを、劣化指標として用いてもよい。
【0036】
出力制御部75は、劣化判定部74によって、ロープ2の少なくとも一部において、劣化指標が閾値と同じであった場合や、劣化指標が閾値を超えており劣化指標が閾値と同じ状態よりもロープ2の劣化が進んでいることが判定された場合に、所定の信号を出力することができる。出力制御部75は、不図示の通信ネットワークを介して外部機器や管理センタへ通知信号や警報信号が送信されるよう、不図示の通信部を制御することができる。
【0037】
また、劣化指標および劣化判定結果は、記憶部76に、ロープ2の部位毎に記録されてもよい。この場合、記憶部77に記録された劣化指標および劣化判定結果のロープ2の部位毎の記録(履歴情報)は、通信ネットワークを介して、外部機器や管理センタから適宜取得することができるよう構成されうる。記憶部76は、例えば、HDDやSSDのような不揮発性の記憶デバイスである。
【0038】
以上、説明したように、本実施形態では、劣化指標算出部73は、ロープ2の所定長に対応したシーブ4の回転角度に基づくロープ2の劣化指標を算出し、劣化判定部74は、劣化指標に基づいてロープ2の劣化を判定する。このような構成によれば、シーブ4の回転角度を用いてロープ2の劣化を判定することができる。よって、例えば、ロープ2の部位毎の劣化判定が可能となったり、回転角センサ51の1回転あたりのパルス数に応じてより緻密な劣化判定が可能となったり、モータ5の回転角センサ51を装備しているエレベータ100により容易に追加できたり、といった種々の利点のうち少なくとも一つが得られる。なお、本実施形態では、モータシーブ41の回転角度の検出値が劣化指標の算出および劣化判定に用いられたが、これには限定されず、他のシーブ4の回転角度の検出値が劣化指標の算出および劣化判定に用いられてもよい。この場合、ロープ2のうち他のシーブ4に巻き掛かる部位について劣化判定が実行されうる。また、このような構成によれば、レーザ光等による測定機構が不要となる分、構成が簡素化されやすい。
【0039】
また、本実施形態では、例えば、ロープ2の所定長が、かご1の位置を検出する位置センサ6(センサ)の検出値から得られる。このような構成によれば、かご1の位置の検出結果を用いてロープ2の劣化を判定することができる。よって、例えば、かご1の位置センサ6を装備しているエレベータ100に、より容易に適用できるという利点が得られる。
【0040】
また、本実施形態では、例えば、ロープ2の所定長が、かご1が所定の階床間を移動する長さである。このような構成によれば、かご1の階床間の長さを用いて、ロープ2の劣化指標をより容易に算出することができる。よって、例えば、かご1の位置センサ6として着床センサを装備しているエレベータ100に、より容易に適用できるという利点が得られる。
【0041】
また、本実施形態では、例えば、劣化判定部74は、ロープ2の部位毎に劣化を判定する。このような構成によれば、例えば、ロープ2の寿命をより高精度に判定することができる。
【0042】
また、本実施形態では、例えば、劣化判定部74は、ロープ2のうち他の部位よりも劣化が進んだ部位を特定する。このような構成によれば、例えば、劣化がより進んだ部位の状態によってロープ2の寿命をより高精度に判定することができる。
【0043】
また、本実施形態では、例えば、劣化判定部74は、劣化指標の初期値との差分に基づいて劣化を判定してもよい。このような構成によれば、例えば、劣化指標の初期値が0(ゼロ)となるため、劣化の度合いがわかりやすくなる。
【0044】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
ロープの所定長に対応したシーブの回転角度に基づく前記ロープの劣化指標を算出する劣化指標算出部と、
前記劣化指標に基づいて前記ロープの劣化を判定する劣化判定部と、
を備えた、エレベータ検査装置。
[2]
前記ロープの所定長を、かごまたはおもりの位置を検出するセンサの検出値から得る、[1]に記載のエレベータ検査装置。
[3]
前記ロープの所定長は、かごが所定の階床間を移動する長さである、[1]または[2]に記載のエレベータ検査装置。
[4]
前記劣化判定部は、前記ロープの部位毎に劣化を判定する、[1]〜[3]のうちいずれか一つに記載のエレベータ検査装置。
[5]
前記劣化判定部は、前記ロープのうち他の部位よりも劣化が進んだ部位を特定する、[1]〜[4]のうちいずれか一つに記載のエレベータ検査装置。
[6]
前記劣化判定部は、前記劣化指標と閾値とを比較することにより、劣化を判定する、[1]〜[5]のうちいずれか一つに記載のエレベータ検査装置。
【符号の説明】
【0045】
1…かご、2…ロープ、3…おもり、4…シーブ、6…位置センサ(センサ)、7…エレベータ検査装置、73…劣化指標算出部、74…劣化判定部、75…出力制御部。
図1
図2
図3
図4