特許第6711907号(P6711907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6711907
(24)【登録日】2020年6月1日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】加熱食品アイテムのための印刷タグ
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/00 20060101AFI20200608BHJP
   A47J 39/02 20060101ALI20200608BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20200608BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20200608BHJP
【FI】
   G09F3/00 S
   A47J39/02
   G09F3/00 M
   G09F3/00 E
   B41J5/30 B
   B41J29/38
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-517563(P2018-517563)
(86)(22)【出願日】2015年10月6日
(65)【公表番号】特表2018-538559(P2018-538559A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】US2015054178
(87)【国際公開番号】WO2017061987
(87)【国際公開日】20170413
【審査請求日】2018年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ダケット ジーン エフ
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー スティーブン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ユーズ カレン エル
(72)【発明者】
【氏名】ブレア ジェーン
【審査官】 藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0274633(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0251521(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0244526(US,A1)
【文献】 特開2010−140214(JP,A)
【文献】 特開2010−086287(JP,A)
【文献】 特開2002−196672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/08
G09F 1/00− 5/04
B41J 5/00− 5/52
B41J 21/00−21/18
B41J 29/00−29/70
A47J 39/00−39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温保存ユニット内の食品アイテムにタグ付けするための単一オンデマンドプリンタ装置を含むシステムであって、
前記単一オンデマンドプリンタ装置は、
ユーザインターフェイスと、
プリンタと、
前記ユーザインターフェイス及び前記プリンタに関連するコントローラと、
を備え、前記コントローラは、
前記高温保存ユニット内に位置する又は配置すべき食品アイテムの1又は2以上の特徴を識別する情報を入力するようにオペレータに促すプロンプトを表示するように前記ユーザインターフェイスに指示し、
前記ユーザインターフェイスから前記情報を受け取り、
前記食品アイテムと、該食品アイテムを前記高温保存ユニットから取り出して廃棄すべき時刻とを識別するタグを作成するようにプリンタに指示する、
ようにプログラムされる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記タグは、前記食品アイテムが前記高温保存ユニット内に配置された又は配置される時刻を識別する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記オペレータを識別する情報を入力するように前記オペレータに促すプロンプトを表示するように前記ユーザインターフェイスに指示するようプログラムされる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記タグは、前記オペレータのアイデンティティを含む、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記食品アイテムにバッチ番号を割り当て、及び/又はトランザクション番号を生成するようにプログラムされる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記タグは、前記バッチ番号及び/又は前記トランザクション番号を含む、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、グローバルデータ同期ネットワークにアクセスして、グローバルトレード識別番号及び/又はグローバルロケーション番号を取得するようにプログラムされる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記タグは、グローバルトレード識別番号、グローバルロケーション番号、前記食品アイテムを前記高温保存ユニットから取り出して廃棄すべき時刻及び/又はバッチ番号を有するバーコードを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記バーコードは、データマトリクスを含む、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、電子ログエントリを生成して前記タグの作成を記憶するようにプログラムされる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記電子ログエントリは、インターネットによってアクセス可能である、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記食品を配置すべき前記高温保存ユニットを識別する情報を入力するように前記オペレータに促すプロンプトを表示するように前記ユーザインターフェイスに指示するようプログラムされる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
高温保存ユニット内の食品アイテムにタグ付けする方法であって、
単一オンデマンドプリンタ装置を準備するステップを含み、前記単一オンデマンドプリンタ装置は、ユーザインターフェイスと、プリンタと、前記ユーザインターフェイス及び前記プリンタに関連するコントローラとを備える単一プリンタ装置を準備するステップを含み、前記コントローラは、
前記高温保存ユニット内に位置する又は配置すべき食品アイテムの1又は2以上の特徴を識別する情報を入力するようにオペレータに促すプロンプトを表示するように前記ユーザインターフェイスに指示するステップと、
前記ユーザインターフェイスから前記情報を受け取るステップと、
前記食品アイテムと、該食品アイテムを前記高温保存ユニットから取り出して廃棄すべき時刻とを識別するタグを作成するようにプリンタに指示するステップと、
を実行するようにプログラムされる、
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記プリンタに指示する前記ステップは、前記食品アイテムが前記高温保存ユニット内に配置された又は配置される時刻を識別するステップをさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ユーザインターフェイスから前記情報を受け取る前記ステップは、電子ログエントリを生成して、前記タグの作成と生成されたデータとを記憶するステップを含む、
請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は、加熱食品アイテムのサービスに関する。具体的には、本主題は、加熱食品アイテムの調理時刻を識別するために使用される印刷タグに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、加工中の高温食品保存の識別に関する。政府規制によれば、潜在的危険性をはらむ全ての食品は、顧客による直接消費を想定したものを除き、バクテリアの成長又は発生を防ぐ形で維持するものとなっている。USDA規制によれば、高温保存器は、食品を140°F(60°C)又はそれよりも高い温度に保つことができなければならない。この温度で最大4時間が経過した後には、食品を廃棄しなければならない。
【0003】
食品安全性標準作業手順では、食品アイテムがいつ保存部内に配置されたかを追跡するために、アイテムの調理時刻を示す色付きタグを作成することが推奨されている。例えば、午前8時に調理されたマッシュポテトは、オーブンラックに青色のハードタグが吊るされる。最良の事例では、異なる色の意味を示す掛け図も必要とされる。全ての従業員は、高温保存部内に正しいラベルの食品を配置する業務の訓練を受けなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなシステムの潜在的不利点としては、食品安全性ガイドラインを順守するために、高温保存部内に配置された食品をシフト変更に起因して高温保存の制限時間前に廃棄してしまうという慣行が挙げられる。色付きドット又はタグにも、これらが一定の時間間隔を示すことによってフードサービス職員が正しいものを正しく選択することが必要になり、規制時間前の廃棄によって食品が無駄になる可能性が高くなるという制約がある。事前印刷されたタグ又はラベルもこれらの問題点を有する。他の制約としては、食品を調理したフードサービス職員及び/又は食品を調理したステーションについての目に見える印が存在しない点が挙げられる。
【0005】
あらゆる詳細情報又は記録の管理は手動記録に制限され、全ての職員によって確実に遂行されないこともある。手書きのタグは、内容が読みにくくデータの転記が不正確な恐れもある。さらに、これらの方法では、業務過程、時刻、日付、場所、職員及びアイテムを含む極めて重要な追跡点情報のフードサービスログの形成に障害点が取り込まれてしまう可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本主題には、以下で説明して特許請求する装置及びシステムにおいて別個に又は共に具体化できる複数の態様が存在する。これらの態様は、単独で採用することも、或いは本明細書で説明する他の発明態様と組み合わせて採用することもでき、これらの態様を組み合わせた説明は、これらの態様を個別に使用することや、或いはこのような態様を個別に、又は本明細書に添付する特許請求の範囲に記載するような異なる組み合わせで特許請求することを排除するものではない。
【0007】
1つの態様では、高温保存ユニット内の食品アイテムにタグ付けするためのシステム及び方法を提供する。システムは、ユーザインターフェイスと、プリンタと、ユーザインターフェイス及びプリンタに関連するコントローラとを含み、方法はこれらを準備する。コントローラは、高温保存ユニット内に位置する又は配置すべき食品アイテムの1又は2以上の特徴を識別する情報を入力するようにオペレータに促すプロンプトを表示するようにユーザインターフェイスに指示するようプログラムされる。コントローラは、ユーザインターフェイスから情報を受け取り、食品アイテムと、食品アイテムを高温保存ユニットから取り出して廃棄すべき時刻とを識別するタグを作成するようにプリンタに指示する。
【0008】
別の態様では、加熱食品アイテムをラック上に保存する高温保存ユニットにおいて使用されるタグを提供する。タグは、表示領域と支持領域とを定める周辺部を含む。表示領域は、食品アイテムと、食品アイテムを高温保存ユニットから取り出して廃棄すべき時刻とを識別する情報を含む。支持領域は、周辺部に付随する、ラックのロッドを受け入れるように構成された少なくとも1つのスリットを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の態様による、高温保存ユニット内の食品アイテムのためのオンデマンド印刷タグを作成するシステムの構成要素の斜視図である。
図2】本開示のシステム及び方法を用いて印刷タグを作成する実施形態を示すフローチャート図である。
図3】本開示のシステム及び方法を用いて印刷タグを作成する別の実施形態を示すフローチャート図である。
図4】最初に本開示のシステム及び方法を食品調理施設において使用できるように設定するフローチャート図である。
図5】本開示のシステム及び方法によって作成される印刷タグの例示的なフォーマットを示す図である。
図6】本開示のシステム及び方法によって作成される印刷タグの例示的なフォーマットを示す図である。
図7】本開示のシステム及び方法によって作成される印刷タグの例示的なフォーマットを示す図である。
図8】本開示のシステム及び方法によって作成される、高温保存ユニットのラックによって支持された印刷タグの例の斜視図である。
図9】本開示のシステム及び方法によって使用されるタグのシートの正面図である。
図10】本開示のシステム及び方法によって生成される電子ログエントリの例示的なフォーマットを示す図である。
図11】本開示のシステム及び方法によって生成される印刷ログファイルの例示的なフォーマットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書では、本発明の詳細な実施形態を必要に応じて開示するが、開示する実施形態は本発明の例示にすぎず、本発明は様々な形で具体化することができると理解されたい。従って、本明細書に開示する具体的な詳細は、限定としてではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、並びに本発明を事実上あらゆる適切な形で様々に使用できるように当業者に教示するための代表的な基礎として解釈すべきものである。
【0011】
既知のシステムの不利点に対処するには、オンデマンド印刷を使用して高温保存部内の食品アイテムにタグ付けすることが便利であると分かった。具体的には、オンデマンド印刷を使用すると、食品アイテムをいつ高温保存部内に配置したかについてのタイミングが正確になると同時に、加熱食品アイテムの無駄又は早期廃棄が減少する。
【0012】
簡潔に言えば、加熱食品アイテムの調理又は加熱食品アイテムの高温保存部内への配置などの複数の適用可能な業務プロセスのうちのいずれか1つに関する情報をフードサービス職員が入力できるようにするシステムを提供することができる。次に、この選択された業務プロセス(例えば、高温食品の保存)に基づいてプリンタがタグ又はラベルを作成し、オペレータから十分な情報を受け取った後又はそれ以外のどこかでオンデマンド印刷タグを作成する。その後、この印刷タグを高温保存ユニット内の加熱食品アイテムに隣接して配置する(例えば、高温保存ユニットのラック上に支持する)ことができる。フードサービス職員、業務プロセス、食品アイテム及び/又は時間に関する情報を含む、トランザクションの内部電子ログエントリ又は記録を生成して記憶することができる。この記録は、あらゆる好適なフォーマット(例えば、EPCISフォーマット)で保持し、(インターネットアクセス可能なものを含む)検索可能な記憶位置を介して利用することができる。
【0013】
図1に、サーマルプリンタとして、具体的にはサーマルバーコードプリンタとして提供できる、全体を参照符号100で示す例示的なシステムを示す。システム100は、幅広い機能を有することができる複数の構成要素のうちのいずれかを含むことができる。図示の実施形態では、システム100が、オペレータによるシステム100との相互作用を可能にするユーザインターフェイス101を含む。1つの実施形態では、ユーザインターフェイス101がタッチ画面であるが、(例えば、オペレータが情報及びコマンドを入力できるようにする1又は2以上の関連するボタン及び/又はキーボード又はマウスと共に、オペレータにプロンプトを表示する画面を含めることによって)ユーザインターフェイス101を別様に構成することも本開示の範囲に含まれる。図示のシステム100は、システム100によって作成されるオンデマンド印刷タグを印刷してオペレータが利用できるようにするプリンタ105も含む。図示のシステム100は、記録を保持するスマートログを印刷するためのレシート用紙を装填できる(必ずしも、高温保存ユニット内に配置されるようには構成されない)第2のプリンタ110も含む。システム100は、システム100の他の構成要素に関連するマイクロプロセッサなどのコントローラ(図示せず)も含む。システム100は、データ又は情報を受け取って(例えば、オペレータがユーザインターフェイス101を用いて入力した情報を受け取って)、システム100の他の構成要素に(例えば、プリンタ105にオンデマンド印刷タグを作成するように指示する)コマンドを発行する。
【0014】
図2及び図3に、本開示によるシステム100によって実行される2つの例示的な方法を示し、図4には、最初にこのようなシステム100を食品調理施設において使用されるように設定できる例示的な方法を示す。図示の方法は例示的なものにすぎず、本開示の範囲から逸脱することなく動作の順序を変更し、選択したステップを省略し、及び/又はさらなるステップを含めることもできると理解されたい。また、2又は3以上のステップを順次にではなく同時に実行することもできると理解されたい。
【0015】
図2に示す方法によれば、オペレータは、ログインすることによって201から開始し、ここではユーザインターフェイス101を用いて自分の名前及び/又は識別番号を入力し、又は他の何らかの形の識別(例えば、指紋又は同様の生体識別子、或いはバーコード又は同様の機械可読部分を含む識別カード)を提供することができる。このデータ入力は、ユーザインターフェイス101上に表示されるプロンプトによって促すことができる。オペレータがログインせずにオンデマンド印刷タグの作成を開始することも本開示の範囲に含まれるが、正しい権限を有する個人によってシステム100が使用されていることを検証することが有利となり得る。
【0016】
図示の実施形態では、205において、オペレータが自身の名前及び/又は従業員番号を入力し、これをシステムコントローラが記録して保持することができる。次に、210及び215に示すように、システム及び方法は、業務プロセス(例えば、加熱食品アイテムの調理、又は加熱食品アイテムの高温保存部内への配置)を選択するためのボタン又はアイコンを押し下げることなどによってユーザがユーザインターフェイス101と相互作用するのを待つ。図2には、240において、オペレータがユーザインターフェイス101に関連するボタンを押し下げることによって「高温保存部内に食品を配置する」という業務プロセスを選択することを示す。
【0017】
システム及び方法は、業務プロセスを選択した後、235に進んで食品アイテムに関する情報を取得する。この情報は、オペレータがユーザインターフェイス101を用いて食品アイテムに関する基本情報(例えば、食品アイテムの名称、コード番号、又は他の何らかの識別特徴など)を入力した後にシステムコントローラによってアクセスされるアイテムデータベースから取得することができるが、選択された業務プロセスが食品アイテムに関する必要な基本情報(例えば、「フライドチキンを高温保存部内に配置すること」又は「小さなマッシュポテトを高温保存部内に配置すること」)を含むこともこの情報の範囲に含まれる。システム及び方法は、高温保存部内に食品アイテムを配置した時刻を入力するようにオペレータに促し、或いは食品アイテムが高温保存部内に配置された時刻を別様に推定する(例えば、ステップ201においてオペレータがタグ作成プロセスを開始したおおよその時刻に食品アイテムが高温保存部内に配置されたと仮定する)ことができる。取得される食品アイテムに関する情報は、本開示の範囲から逸脱することなく様々とすることができる。例えば、コントローラは、その日に同じアイテムが調理された回数に関する情報を取得する(例えば、5回目の注文の小さなマッシュポテトが調理されたと判断する)ことができる。
【0018】
230において、特定の加熱食品アイテムを調理した回数を指すバッチ番号を生成する。このバッチ番号を不揮発性メモリに記憶し、1から上限値(例えば、999)まで増加したら再び1に戻ることができる。(225に示すように)例えば装置のMACアドレスの最後の6桁と、99999999から00000001に増分した時に持ち越される8桁の不揮発性番号との組み合わせとすることができるトランザクション番号を生成することもできる。システムコントローラは、これらの番号をデータベース又は他の電子記憶位置に記憶することができる。
【0019】
食品調理施設が複数の高温保存ユニットを含む場合、システム及び方法は、220に示すように、食品アイテムが配置された高温保存ユニットのアイデンティティ(例えば、識別番号)を入力するようにオペレータを促すことができる。
【0020】
システムコントローラには、215において選択された特定の業務プロセスに対応する様々なタグフォーマットがプログラムされる。図5に、(215及び240において)「高温保存」プロセスが選択された時に(245において)システムコントローラが使用する例示的なタグフォーマットを示す。このタグフォーマットは、本開示の範囲から逸脱することなく様々とすることができるが、図示の実施形態では、タグフォーマットが、501における食品アイテムの種類と、505における食品アイテムを高温保存部から取り出して廃棄すべき時刻と、510における食品アイテムが高温保存ユニットに入れられた日時とを含むと理解されたい。
【0021】
図6及び図7には、システム100がバーコード、或いは電子ビーコン又はRFIDインレイを含む他の可読コードを生成するように構成されている場合に可能な他の考えられるタグフォーマットを示す。図6の実施形態では、タグフォーマットが、601における食品アイテムの種類と、605における食品アイテムを高温保存部から取り出して廃棄すべき時刻と、610における食品アイテムを調理した個人に関する情報(例えば、従業員番号)と、615における食品アイテムが高温保存ユニットに入れられた日時と、620におけるGS1バーコードとを含む。バーコードは、アイテムGTIN、消費期限日時及び/又はバッチ番号などのいずれかの情報を参照するアプリケーション識別子を含むことができる。
【0022】
図7のタグフォーマットは図6と同様であり、701における食品アイテムの種類と、705における食品アイテムを高温保存部から取り出して廃棄すべき時刻と、710における食品アイテムを調理した個人に関する情報(例えば、従業員番号)と、715における食品アイテムが高温保存ユニットに入れられた日時と、720におけるバーコードとを含む。図7のタグフォーマットは、バーコード720がデータマトリクスバーコードとして設けられているという理由で図6のタグフォーマットとは異なる。図7のバーコード720は、図6のバーコード620と同様に、GTIN、食品調理施設のグローバルロケーション番号、食品アイテムを高温保存部から取り出さなければならない日時、及び一意のバッチ/アイテム番号などの様々な情報のうちのいずれかを含むことができる。
【0023】
正しいタグフォーマットが選択されると、(250において)ログ情報及び高温保存タグ又はチケットをプリンタ105に送信する。図8及び図9には、オンデマンド印刷タグが取ることできる一般的形状を示し、図10及び図11には、電子ログエントリ及び印刷ログファイルの例示的なフォーマットを(それぞれ)示すが、本開示による印刷タグ、電子ログエントリ及び印刷ログファイルは、本開示の範囲から逸脱することなく別様に構成することもできると理解されたい。オンデマンド印刷タグ、電子ログエントリ及び印刷ログファイルについては、本明細書においてさらに詳細に説明する。
【0024】
ログ情報及び高温保存タグ又はチケットをプリンタ105に送信した時に(255においてチェックされる)エラーが存在する場合、プロセスは250に戻ってデータを再送信する。一方で、エラーが存在しない場合、プロセスは260に進み、システムコントローラが電子ログ情報を作成してローカルデータベース又は同様の記憶位置に記憶する。図2に示すように、電子ログ情報は、イベントの記述(例えば、食品アイテムが高温保存ユニットに入れられた日時、グローバルロケーション番号及び/又は保管番号、使用する高温保存ユニットのアイデンティティ、並びに一意のバッチ/アイテム及びトランザクション番号)を含むことができる。電子ログは、さらなる又は別のエントリを含むこともできる。
【0025】
高温保存タグが正常に作成されると、ユーザインターフェイス101上にプロンプトを表示して、(265において)高温保存タグ又はチケットを高温保存ユニット内に配置するようにオペレータに伝えることができる。図8には、オンデマンド印刷タグを高温保存ユニット内の適所に固定できる1つの方法を示しているが、後述するように、高温保存ユニット内にタグを配置できる方法は他にも存在する。
【0026】
その後、システム及び方法は210に戻り、さらなるボタンの押し下げ又はオペレータによるユーザインターフェイス101との同様の相互作用を待つことができる。オペレータが、別のオンデマンド印刷タグを作成するのではなくプロセスを終了又は停止することを選択した場合、プロセスは270において終了する。
【0027】
図3に示すタグ作成プロセスは、図2のプロセスと同様であり、特に記載がない限り、図3の先頭数字が「3」のステップは、図2の先頭数字が「2」のステップ及び上記の説明に対応する(例えば、図3のステップ301及び345は、図2のステップ201及び245にそれぞれ対応する)。具体的には、図3のプロセスは、対応する図2のステップ235及び260と異なる335及び360において図2のプロセスと異なる。335において、コントローラは、図2の235に示すようにアイテムデータベースから情報を取得するだけでなく、グローバルデータ同期ネットワークから加熱食品アイテムに関連するアイテム属性を読み取って、アイテム情報をアイテムデータベース内のデータと比較する。360において、電子ログ情報を、図2の260に示すようにローカルに記憶するのではなく(インターネットでアクセスできる)遠隔位置に書き込む。図3のプロセスにおいて使用されるタグフォーマットは、図2のものと同じ(例えば、図5図7に示すフォーマットのうちの1つ)であることも、或いは335において追加情報が取得された場合には235と比べて異なることもできる。
【0028】
図4に、最初にシステムを食品調理施設において使用できるように設定する例示的なプロセスを示す。このプロセスは401から開始し、システムの電源を投入して起動ルーチン又はプロトコルに入れる。405において、ユーザに保管/施設情報を入力するように促す。ユーザがこのような情報を入力することを選択した場合、プロセスは410に進んで要求された情報(例えば、保管番号及び名称、アドレス及び/又はグローバルロケーション番号)をユーザが入力し、選択しなかった場合、プロセスは次の設定項目に備えて415に進む。
【0029】
420において、ユーザに従業員情報を入力するように促す。ユーザは、従業員名及び従業員番号を入力することができ、或いはシステム及び方法が、ユニットのMACアドレスとの一意の組み合わせに基づいて連続する従業員番号を割り当てることもできる。ユーザは、追加すべき従業員が存在しない旨をシステム100に示すまで望む限り多くの数の従業員を入力し続けることができ、この時点でプロセスは次の設定項目に備えて430に進む。
【0030】
435において、ユーザに(単複の)高温保存ユニットの設定を促す。ユーザは、高温保存ユニットの設定を望まない場合には450においてプロセスを終了し、望む場合には、440において高温保存ユニットの名称及び/又は番号を入力し、450においてユーザが設定ルーチンの終了を選択するまで(445において)さらなるユニットを追加することができる。
【0031】
ここでシステム及び方法によって作成されるオンデマンド印刷タグ801に戻り、図8に、オーブンなどの高温保存ユニット内にタグ801を配置できる1つの方法を示す。高温保存のためのオンデマンドタグ又はラベルの作成において取り組まれる課題の1つは、最大4時間にわたる140°F(60°C)への曝露に耐え得るプリント/基板の組み合わせの必要性である。サーマルダイレクト印刷では、長時間高温使用のために策定された基板及び印刷インク又はトナー、或いは高温保存ユニットラック、オーブン及び/又は加熱ユニットからの取り付けとこれらの内部での表示とが可能なオンデマンド印刷タグ801を作成するのに適した同等の材料を使用することが有利となり得る。
【0032】
図8に示すように、タグ801は、高温保存ユニットの外部の位置からはっきりと見えるように実質的に垂直に配向することができる。図示の実施形態では、タグ801が実質的に矩形であり、周辺部810が、(図5図7のタグフォーマット又は同様のものを印刷できる)表示領域815と、(タグ801をラック上に支持するための)少なくとも1つの支持領域820とを定める。図8の実施形態では、表示領域815がタグ801の上縁部825及び中央部に付随し、単一の支持領域820がタグ801の下縁部830に付随する。他の実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく別様にタグを構成することもできる。
【0033】
支持領域820は、周辺部810に付随して周辺部810において(図8の下縁部830において)開口する少なくとも1つのロッド受け入れ構造又はスリット835を含む。スリット835は、高温保存ユニットのラックのロッドを受け入れてタグ801をラックに対して適所に固定する。図示の実施形態では、タグ801の下縁部830に付随するスリット835を用いて、タグ801がラック上に実質的に垂直配向で存在するように(下縁部830が下方を向き、上縁部825が上方を向いた状態で)タグ801をラックの方向に押し下げてラックロッドをスリット835内に進入させることができる。図8に示すタグ801では、支持領域820が、各々が下縁部830に付随して異なるラックロッドを受け入れる複数のスリット835を有する。このことは、ラックに取り付けられたタグ801の安定性を高めるために有利となり得るが、支持領域820が1つのスリット835のみを有することも本開示の範囲に含まれる。また、図8には、実質的に同一の2つのスリット835を示しているが、スリット835を異なるように構成することも本開示の範囲に含まれる。
【0034】
図9に、複数のタグ900を切断又は別様に形成できる材料のシートを示す。図9には、全てのタグ900が実質的に同一であるように示しているが、異なるように成形又は構成されたタグを使用することも本開示の範囲に含まれる。
【0035】
図示の実施形態では、各タグ900が実質的に矩形であり、周辺部905が、(図5図7のタグフォーマット又は同様のものを印刷できる)表示領域910と、(タグ900を高温保存ユニットのラック上に支持するための)1対の支持領域915及び920とを定める。図9の実施形態では、表示領域910がタグ900の中央区分に付随するのに対し、一方の支持領域915が(図8の支持領域820と同様に)タグ900の下縁部925に付随し、他方の支持領域920が上縁部930に付随する。他の実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく、タグの上端部に付随する単一の支持領域のみを有するような異なる構成のタグとすることもできる。
【0036】
各支持領域915、920は、周辺部905に付随して周辺部905において(下側支持領域915のスリット935では下縁部925において、上側支持領域920のスリット935では上縁部930において)開口する少なくとも1つのロッド受け入れ構造又はスリット935を含む。スリット935は、(図示の実施形態のように)全て同様に成形することもできるが、スリット935のうちの2つ又は3つ以上を異なるように成形することも本開示の範囲に含まれる。
【0037】
各スリット935は、高温保存ユニットのラックのロッドを受け入れてタグ900をラックに対して適所に固定するように構成される。通常は、図示の実施形態のように、タグ900を取り付けるために支持領域915、920の一方のみのスリット935を使用し、他方の支持領域915、920のスリット935は使用しない。しかしながら、高温保存ユニット内にタグを取り付ける際に複数の支持領域のスリットを使用することも本開示の範囲に含まれる。
【0038】
図9のタグ900は、2つの方法の一方で高温保存ユニットのラック上に取り付けることができる。まず、下側支持領域915のスリット935がラックロッドを受け入れるようにして、図8に示すようにタグ900を取り付けることができる。タグ900をこのように取り付けるには、タグ900がラック上に実質的に垂直配向で存在するように(下縁部925が下方を向き、上縁部930が上方を向いた状態で)タグ900をラックの方向に押し下げてラックロッドをスリット935内に進入させることができる。或いは、上側支持領域920のスリット935がラックロッドを受け入れるようにして、タグ900をラックの下方に吊るすこともできる。タグ900をこのように取り付けるには、タグ900がラックの下方に実質的に垂直配向で垂下するように(下縁部925が下方を向き、上縁部930が上方を向いた状態で)タグ900をラックの方向に押し上げてラックロッドをスリット935内に進入させることができる。タグ900を関連する食品アイテムの近くに配置するには、関連する食品アイテムが高温保存ユニット内のどこに配置されているかに応じて一方の方法を他方の方法よりも好ましいと考えることができる。
【0039】
図10に、システム100がトランザクション毎に生成できる電子ログファイルの2つの例を示す。例示的な電子ログファイル1001は、一日の終わりに収集されるフラットファイルに記憶できるデータのタイプ(例えば、印刷日、廃棄日、イベント記述、施設情報など)を示し、例示的な電子ログファイル1005は、ログ情報のリモートホストへのXML投稿である。
【0040】
図11は、第2のプリンタ110によって印刷できるレシート用紙上の印刷ログファイルの例である。図示の例では、印刷ログファイルが、トランザクションに高温保存業務プロセスが伴う旨の指示1101を含む。印刷ログファイルは、1105における食品アイテムの種類、1110におけるオペレータ名及び/又は従業員番号、1115におけるアイテム情報からの測定単位、量1120、トランザクションID1125、バーコード1130、1135におけるログの印刷日/時刻、並びに1140におけるログの廃棄日も含む。(データマトリクスとして示しているが、別様に構成することもできる)バーコード1130は、アイテム番号、オーブンのGLN番号及び補足番号、GLNソース番号、高温保存ユニットから食品を廃棄する必要があった時刻、及び/又はユニットによって割り当てられたロット番号などのあらゆる情報を含むことができる。
【0041】
上述した実施形態は、本主題の原理の応用の一部を説明したものであると理解されるであろう。当業者であれば、特許請求する主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書で個別に開示した又は特許請求する特徴の組み合わせを含む数多くの修正を行うことができる。従って、本主題の範囲は上記の説明に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に記載する通りのものであり、特許請求の範囲は、本明細書で個別に開示した又は特許請求する特徴の組み合わせを含む本主題の特徴を対象とすることができると理解されたい。
【符号の説明】
【0042】
100 システム
101 ユーザインターフェイス
105 プリンタ
110 第2のプリンタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11