(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記Xは、配列番号:21、22、42、43、50、64、66、67、70、71、76、77、96、97、及び100からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むペプチドである、請求項1に記載の結合体。
前記Xは、配列番号:21〜24、27〜32、34、36、37、39、42、43、50〜52、56、58、64〜71、73〜78、81、82、86、88、89、93、及び95〜102からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むペプチドである、請求項4に記載の結合体。
前記Xは、配列番号:21、22、23、31、32、42、43、50、53、55、64〜77、79、及び96〜102からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むペプチドである、請求項4に記載の結合体。
前記メタボリックシンドロームは、耐糖能障害、高コレステロール血症、脂質異常症、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症による動脈硬化、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、または冠動脈心疾患(冠動脈性心臓病)を含む、請求項11に記載の組成物。
前記メタボリックシンドロームは、耐糖能障害、高コレステロール血症、脂質異常症、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症による動脈硬化、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、または冠動脈心疾患(冠動脈性心臓病)を含む、請求項14に記載の組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の一つの目的は、グルカゴン受容体、GLP−1(Glucagon-like peptide-1)受容体、及びGIP(Glucose-dependent insuliontropic polypeptide)受容体に対して活性を有する、ペプチドの結合体を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、前記結合体をコードするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含むベクター、及び前記ポリヌクレオチドまたはこれを含むベクターを含む形質転換体を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、前記結合体を含む組成物を提供することにある。
【0018】
本発明のもう一つの目的は、前記結合体またはこれを含む組成物を、これを必要とする個体に投与する段階を含む、前記結合体またはこれを含む組成物が目的とする疾患の治療方法を提供することにある。
【0019】
本発明のもう一つの目的は、薬剤の製造に使用するための、前記結合体またはその組成物の用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記課題を解決するための本発明の一つの態様は、グルカゴン受容体、GLP−1(Glucagon-like peptide-1)受容体、及びGIP(Glucose-dependent insuliontropic polypeptide)受容体に対して活性を有する、ペプチドの結合体である。
【0021】
一つの具体例として、前記結合体は、下記化学式(1)で示される、結合体であることを特徴とする:
X−La−F・・・・・(1)
ここで、
Xは、グルカゴン受容体、GLP−1受容体、及びGIP受容体に対して活性を有する、ペプチドであり;
Lは、リンカーであり;
aは、0または自然数であり、ただし、aが2以上であるとき、それぞれのLは互いに独立しており;
Fは、Xの半減期を増加させる物質である。
【0022】
他の具体例として、前記Xは、天然型グルカゴン配列で少なくとも1つ以上のアミノ酸に置換(substitution)、追加(addition)、除去(deletion)、修飾(modification)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択された変形が起こった、天然型グルカゴンのアナログであることを特徴とする。
【0023】
他の具体例として、前記追加されるアミノ酸配列は、天然型GLP−1、天然型GIP、または天然型エキセンジン−4アミノ酸配列に由来することを特徴とする。
【0024】
他の具体例として、前記Xは下記一般式1で示されるアミノ酸配列を含むペプチドであることを特徴とする:
Xaa1−Xaa2−Xaa3−Gly−Thr−Phe−Xaa7−Ser−Asp−Xaa10−Ser−Xaa12−Xaa13−Xaa14−Xaa15−Xaa16−Xaa17−Xaa18−Xaa19−Xaa20−Xaa21−Phe−Xaa23−Xaa24−Trp−Leu−Xaa27−Xaa28−Xaa29−Xaa30−R1(一般式1、配列番号103)
前記一般式1において、
Xaa1はヒスチジン(His、H)、4−イミダゾアセチル(CA)、またはチロシン(Tyr、Y)であり、
Xaa2はグリシン(Gly、G)、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAib(aminoisobutyric acid)であり、
Xaa3はグルタミン酸(Glu、E)またはグルタミン(Gln、Q)であり、
Xaa7はトレオニン(Thr、T)またはイソロイシン(Ile、I)であり、
Xaa10はロイシン(Leu、L)、チロシン(Tyr、Y)、リジン(Lys、K)、システイン(Cys、C)、またはバリン(Val、V)であり、
Xaa12はリジン(Lys、K)、セリン(Ser、S)、またはイソロイシン(Ile、I)であり、
Xaa13はグルタミン(Gln、Q)、チロシン(Tyr、Y)、アラニン(Ala、A)、またはシステイン(Cys、C)であり、
Xaa14はロイシン(Leu、L)、メチオニン(Met、M)、またはチロシン(Tyr、Y)であり、
Xaa15はシステイン(Cys、C)、アスパラギン酸(Asp、D)、グルタミン酸(Glu、E)、またはロイシン(Leu、L)であり、
Xaa16はグリシン(Gly、G)、グルタミン酸(Glu、E)、またはセリン(Ser、S)であり、
Xaa17はグルタミン(Gln、Q)、アルギニン(Arg、R)、イソロイシン(Ile、I)、グルタミン酸(Glu、E)、システイン(Cys、C)、またはリジン(Lys、K)であり、
Xaa18はアラニン(Ala、A)、グルタミン(Gln、Q)、アルギニン(Arg、R)、またはヒスチジン(His、H)であり、
Xaa19はアラニン(Ala、A)、グルタミン(Gln、Q)、システイン(Cys、C)、またはバリン(Val、V)であり、
Xaa20はリジン(Lys、K)、グルタミン(Gln、Q)、またはアルギニン(Arg、R)であり、
Xaa21はグルタミン酸(Glu、E)、グルタミン(Gln、Q)、ロイシン(Leu、L)、システイン(Cys、C)、またはアスパラギン酸(Asp、D)であり、
Xaa23はイソロイシン(Ile、I)またはバリン(Val、V)であり、
Xaa24はアラニン(Ala、A)、グルタミン(Gln、Q)、システイン(Cys、C)、アスパラギン(Asn、N)、アスパラギン酸(Asp、D)、またはグルタミン酸(Glu、E)であり、
Xaa27はバリン(Val、V)、ロイシン(Leu、L)、リジン(Lys、K)、またはメチオニン(Met、M)であり、
Xaa28はシステイン(Cys、C)、リジン(Lys、K)、アラニン(Ala、A)、アスパラギン(Asn、N)、またはアスパラギン酸(Asp、D)であり、
Xaa29はシステイン(Cys、C)、グリシン(Gly、G)、グルタミン(Gln、Q)、トレオニン(Thr、T)、グルタミン酸(Glu、E)、またはヒスチジン(His、H)であり、
Xaa30はシステイン(Cys、C)、グリシン(Gly、G)、リジン(Lys、K)、またはヒスチジン(His、H)であるか、不存在であり、
R1はシステイン(Cys、C)、GKKNDWKHNIT(配列番号106)、m−SSGAPPPS−n(配列番号107)、またはm−SSGQPPPS−n(配列番号108)であるか、不存在であり、
ここで、
mは−Cys−、−Pro−、または−Gly−Pro−であり、
nは−Cys−、−Gly−、−Ser−、または−His−Gly−であるか、不存在である。
【0025】
他の具体例として、
前記一般式1において、Xaa14はロイシンまたはメチオニンであり、Xaa15はシステイン、アスパラギン酸、またはロイシンであることを特徴とする。
【0026】
他の具体例として、
前記一般式1において、
Xaa2はグリシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAibであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシン、システイン、またはバリンであり、
Xaa12はリジンまたはイソロイシンであり、
Xaa13はチロシン、アラニン、グルタミン、またはシステインであり、
Xaa14はロイシン、システイン、またはメチオニンであり;
Xaa15はシステイン、ロイシン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、イソロイシン、システイン、グルタミン酸、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、グルタミン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニン、グルタミン、バリン、またはシステインであり、
Xaa20はリジン、アルギニン、またはグルタミンであり、
Xaa21はグルタミン酸、グルタミン、ロイシン、システイン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はイソロイシンまたはバリンであり、
Xaa24はシステイン、アラニン、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であり、
Xaa27はロイシンまたはリジンであることを特徴とする。
【0027】
他の具体例として、前記一般式1において、
Xaa2はグリシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAibであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシン、システイン、またはバリンであり、
Xaa12はリジンまたはイソロイシンであり、
Xaa13はチロシン、アラニン、またはシステインであり、
Xaa14はロイシンまたはメチオニンであり、
Xaa15はシステインまたはアスパラギン酸であり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、イソロイシン、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニン、グルタミン、またはシステインであり、
Xaa20はリジンまたはグルタミンであり、
Xaa21はグルタミン酸、システイン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はバリンであり、
Xaa24はアラニン、グルタミン、システイン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa27はロイシンまたはリジンであることを特徴とする。
【0028】
他の具体例として、
前記一般式1において、
Xaa2はアルファ−メチル−グルタミン酸またはAibであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシンまたはシステインであり、
Xaa12はリジンまたはイソロイシンであり、
Xaa13はチロシン、アラニン、またはシステインであり、
Xaa14はロイシンまたはメチオニンであり、
Xaa15はシステインまたはアスパラギン酸であり、
Xaa16はグルタミン酸であり、
Xaa17はアルギニン、イソロイシン、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニン、グルタミン、またはシステインであり、
Xaa20はリジンまたはグルタミンであり、
Xaa21はグルタミン酸またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はバリンであり、
Xaa24はグルタミン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa27はロイシンであり、
Xaa28はシステイン、アラニン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であることを特徴とする。
【0029】
他の具体例として、
前記一般式1において、
Xaa1はヒスチジンまたは4−イミダゾアセチルであり、
Xaa2はアルファ−メチル−グルタミン酸またはAibであり、
Xaa3はグルタミンであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシンであり、
Xaa12はイソロイシンであり、
Xaa13はアラニンまたはシステインであり、
Xaa14はメチオニンであり、
Xaa15はアスパラギン酸であり、
Xaa16はグルタミン酸であり、
Xaa17はイソロイシンまたはリジンであり、
Xaa18はアラニンまたはヒスチジンであり、
Xaa19はグルタミンまたはシステインであり、
Xaa20はリジンであり、
Xaa21はアスパラギン酸であり、
Xaa23はバリンであり、
Xaa24はアスパラギンであり、
Xaa27はロイシンであり、
Xaa28はアラニンまたはアスパラギンであり、
Xaa29はグルタミンまたはトレオニンであり、
Xaa30はシステインまたはリジンであるか、不存在であることを特徴とする。
【0030】
他の具体例として、
前記一般式1において、
Xaa2はグリシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAibであり、
Xaa3はグルタミンであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシン、システイン、またはバリンであり、
Xaa12はリジンであり、
Xaa13はチロシンであり、
Xaa14はロイシンであり、
Xaa15はアスパラギン酸であり、
Xaa16はグリシン、グルタミン酸、またはセリンであり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニンまたはグルタミンであり、
Xaa20はリジンまたはグルタミンであり、
Xaa21はグルタミン酸、システイン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はバリンであり、
Xaa24はアラニン、グルタミン、またはシステインであり、
Xaa27はロイシンまたはリジンであり、
Xaa29はグリシン、グルタミン、トレオニン、またはヒスチジンであることを特徴とする。
【0031】
他の具体例として、
前記Xは下記一般式2で示されるアミノ酸配列を含むペプチドであることを特徴とする:
Xaa1−Xaa2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Xaa10−Ser−Lys−Xaa13−Xaa14−Xaa15−Xaa16−Xaa17−Xaa18−Xaa19−Xaa20−Xaa21−Phe−Xaa23−Xaa24−Trp−Leu−Leu−Xaa28−Xaa29−Xaa30−Xaa31−Ser−Ser−Gly−Gln−Pro−Pro−Pro−Ser−Xaa40(一般式2、配列番号104)
前記式において、
Xaa1は4−イミダゾアセチル、ヒスチジン、またはチロシンであり、
Xaa2はグリシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAibであり、
Xaa10はチロシン、またはシステインであり、
Xaa13はアラニン、グルタミン、チロシン、またはシステインであり、
Xaa14はロイシン、メチオニン、またはチロシンであり、
Xaa15はアスパラギン酸、グルタミン酸、またはロイシンであり、
Xaa16はグリシン、グルタミン酸、またはセリンであり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、イソロイシン、グルタミン酸、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、グルタミン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニン、グルタミン、システイン、またはバリンであり、
Xaa20はリジン、グルタミン、またはアルギニンであり、
Xaa21はシステイン、グルタミン酸、グルタミン、ロイシン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はイソロイシンまたはバリンであり、
Xaa24はシステイン、アラニン、グルタミン、アスパラギン、またはグルタミン酸であり、
Xaa28はリジン、システイン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa29はグリシン、グルタミン、システイン、またはヒスチジンであり、
Xaa30はシステイン、グリシン、リジン、またはヒスチジンであり、
Xaa31はプロリンまたはシステインであり;
Xaa40はシステインであるか、不存在である。
【0032】
他の具体例として、前記一般式2において、
Xaa13はアラニン、チロシン、またはシステインであり、
Xaa15はアスパラギン酸またはグルタミン酸であり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa21はシステイン、グルタミン酸、グルタミン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はイソロイシンまたはバリンであり、
Xaa24はシステイン、グルタミン、またはアスパラギンであり、
Xaa28はシステイン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa29はグルタミン、システイン、またはヒスチジンであり、
Xaa30はシステイン、リジン、またはヒスチジンであることを特徴とする。
【0033】
他の具体例として、前記Xは下記一般式3のアミノ酸配列を含むペプチドであることを特徴とする:
Xaa1−Xaa2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Xaa13−Leu−Asp−Glu−Xaa17−Xaa18−Xaa19−Lys−Xaa21−Phe−Val−Xaa24−Trp−Leu−Leu−Xaa28−Xaa29−Xaa30−Xaa31−Ser−Ser−Gly−Gln−Pro−Pro−Pro−Ser−Xaa40(一般式3、配列番号105)、
前記一般式3において、
Xaa1はヒスチジンまたはチロシンであり、
Xaa2はアルファ−メチル−グルタミン酸またはAibであり、
Xaa13はアラニン、チロシンまたはシステインであり、
Xaa17はアルギニン、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニンまたはアルギニンであり、
Xaa19はアラニンまたはシステインであり、
Xaa21はグルタミン酸またはアスパラギン酸であり、
Xaa24はグルタミンまたはアスパラギンであり、
Xaa28はシステインまたはアスパラギン酸であり、
Xaa29はシステイン、ヒスチジン、またはグルタミンであり、
Xaa30はシステインまたはヒスチジンであり、
Xaa31はプロリンまたはシステインであり、
Xaa40はシステインまたは不存在である。
【0034】
他の具体例として、前記R1はシステイン、GKKNDWKHNIT(配列番号106)、CSSGQPPPS(配列番号109)、GPSSGAPPPS(配列番号110)、GPSSGAPPPSC(配列番号111)、PSSGAPPPS(配列番号112)、PSSGAPPPSG(配列番号113)、PSSGAPPPSHG(配列番号114)、PSSGAPPPSS(配列番号115)、PSSGQPPPS(配列番号116)、またはPSSGQPPPSC(配列番号117)であるか、不存在であることを特徴とする。
【0035】
他の具体例として、前記一般式においてN末端から16番目のアミノ酸と20番目のアミノ酸は、互いに環を形成することを特徴とする。
【0036】
他の具体例として、前記Xは配列番号:1〜102からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むペプチドであることを特徴とする。
【0037】
他の具体例として、前記Fは高分子重合体、脂肪酸、コレステロール、アルブミン及びその断片、アルブミン結合物質、特定のアミノ酸配列の繰り返し単位の重合体、抗体、抗体断片、FcRn結合物質、生体内結合組織、ヌクレオチド、フィブロネクチン、トランスフェリン(Transferrin)、糖類(saccharide)、ヘパリン、及びエラスチンからなる群から選択されることを特徴とする。
【0038】
他の具体例として、前記Fは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニルアルコール、多糖類、デキストラン、ポリビニルエチルエーテル、生分解性高分子、脂質重合体、キチン、ヒアルロン酸、オリゴヌクレオチド及びこれらの組み合わせからなる群から選択される高分子重合体であることを特徴とする。
【0039】
他の具体例として、前記Fは、免疫グロブリンFc領域であることを特徴とする。
【0040】
他の具体例として、前記FはIgG Fc領域であることを特徴とする。
【0041】
他の具体例として、前記Lはペプチド、脂肪酸、糖類(saccharide)、高分子重合体、低分子化合物、ヌクレオチド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする。
【0042】
他の具体例として、前記Lはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニルアルコール、多糖類、デキストラン、ポリビニルエチルエーテル、生分解性高分子、脂質重合体、キチン、ヒアルロン酸、オリゴヌクレオチド及びこれらの組み合わせからなる群から選択される高分子重合体であることを特徴とする。
【0043】
他の具体例として、前記Lはポリエチレングリコールであることを特徴とする。
【0044】
本発明を具現する他の態様は、前記結合体をコードするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含むベクター、及び前記ポリヌクレオチドまたはこれを含むベクターを含む形質転換体である。
【0045】
本発明を具現する他の態様は、前記結合体を含む組成物である。
【0046】
一つの具体例として、前記組成物は、薬学的組成物であることを特徴とする。
【0047】
他の具体例として、前記組成物は、メタボリックシンドロームの予防または治療用であることを特徴とする。
【0048】
他の具体例として、前記メタボリックシンドロームは、耐糖能障害、高コレステロール血症、脂質異常症、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症による動脈硬化、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、または冠動脈心疾患(冠動脈性心臓病)を含むことを特徴とする。
【0049】
本発明を具現する他の態様は、前記結合体またはこれを含む組成物を、これを必要とする個体に投与する段階を含む、前記結合体またはこれを含む組成物が目的とする疾患を治療する方法である。
【0050】
一つの具体例として、前記疾患は、メタボリックシンドロームであることを特徴とする。
【0051】
本発明を具現する他の態様は、薬剤の製造に使用するための、前記結合体またはこれを含む組成物の用途である。
【0052】
一つの具体例として、前記薬剤は、メタボリックシンドロームの予防または治療用であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0053】
本発明に係る三重活性体の持続型結合体は、グルカゴン受容体、GLP−1(Glucagon-like peptide-1)受容体、及びGIP(Glucose-dependent insuliontropic polypeptide)受容体に対して活性を有し、メタボリックシンドロームの治療に適用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下では、本発明をさらに詳しく説明する。
【0056】
一方、本願で開示された各説明及び実施形態は、それぞれの異なる説明及び実施形態にも適用することができる。すなわち、本願で開示された多様な要素のすべての組み合わせが本発明の範囲に属する。また、下記記述される具体的な叙述によって、本発明の範疇が限定されると言えない。
【0057】
本明細書の全般を通じて、天然に存在するアミノ酸に対する通常の1文字と3文字のコードが使用されるだけでなく、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N-methylglycine)、アルファ−メチル−グルタミン酸(α-methyl-glutamic acid)などのような異なるアミノ酸に対して一般に許容される3文字のコードが使用される。また、本明細書において略語で言及されたアミノ酸は、IUPAC−IUB命名法に基づいて記載された。
【0058】
アラニンAla、A アルギニンArg、R
アスパラギンAsn、N アスパラギン酸Asp、D、
システインCys、C グルタミン酸Glu、E、
グルタミンGln、Q グリシンGly、G
ヒスチジンHis、H イソロイシンIle、I
ロイシンLeu、L リジンLys、K
メチオニンMet、M フェニルアラニンPhe、F
プロリンPro、P セリンSer、S
トレオニンThr、T トリプトファンTrp、W
チロシンTyr、Y バリンVal、V
【0059】
本発明を具現するための一つの態様は、グルカゴン受容体、GLP−1(Glucagon-like peptide-1)受容体、及びGIP(Glucose-dependent insuliontropic polypeptide)受容体に対して活性を有する、ペプチドの結合体を提供する。
【0060】
本発明において、前記グルカゴン受容体、GLP−1受容体、及びGIP受容体に対して活性を有するペプチドの結合体は、グルカゴン受容体、GLP−1受容体、及びGIP受容体に対して活性を有するペプチドにその生体内半減期を増加させるための生体適合性物質が結合された形態であってもよい。本明細書において、前記生体適合性物質は、キャリアと混用することができる。
【0061】
本発明において、前記ペプチドの結合体は、キャリアが結合されていない前記ペプチドに比べて増加した効力の持続性を示すことができ、本発明では、これらの結合体を「持続型結合体」と称する。
【0062】
一方、このような結合体は、非自然に発生した(non-naturally occurring)ものであってもよい。
【0063】
本発明の一つの態様において、前記結合体は、下記化学式(1)で示される、結合体である:
X−LA−F・・・・・(1)
ここで、
Xは、グルカゴン受容体、GLP−1受容体、及びGIP受容体に対して活性を有する、ペプチドであり;
Lは、リンカーであり;
aは、0または自然数であり、ただし、aが2以上であるとき、それぞれのLは互いに独立しており;
Fは、Xの半減期を増加させる物質である。
【0064】
本発明において、前記「グルカゴン受容体、GLP−1受容体、及びGIP受容体に対して活性を有する、ペプチド」とは、前記結合体を構成する一部分の構成に該当してもよい。具体的には、前記化学式(1)において、Xに該当する。
【0065】
前記グルカゴン、GLP−1、及びGIP受容体に対して活性を有するペプチドは、本発明において三重活性体と混用して使用することができる。
【0066】
このようなペプチドは、グルカゴン、GLP−1、及びGIP受容体に対して有意な水準の活性を有する多様な物質、例えば、多様なペプチドを含む。
【0067】
特にこれに限定されるものではないが、前記グルカゴン、GLP−1、及びGIP受容体に対して有意な水準の活性を有する三重活性体はグルカゴン、GLP−1、及びGIP受容体中の一つまたはそれ以上の受容体、具体的には二つまたはそれ以上の受容体、より具体的には三つの受容体のすべてに対してin vitro活性が、該当受容体の天然型リガンド(天然型グルカゴン、天然型GLP−1、及び天然型GIP)に比べて0.1%以上、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、100%以上を示すことができる。
【0068】
これらの三重活性体のin vitro活性を測定する方法は、本願の明細書の実験例1を参照することができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0069】
一方、前記ペプチドは、下記i)〜iii)中の一つ以上、二つ以上、具体的には3つの活性を有すること、具体的には、有意な活性を有することを特徴とする:
【0070】
i)GLP−1受容体の活性化;ii)グルカゴン受容体の活性化;及びiii)GIP受容体の活性化。
【0071】
ここで、受容体を活性化させるということは、天然型に比べて受容体に対するin vitro活性が0.1%以上、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、100%以上を示す場合を例として挙げることができる。しかし、これに制限されるものではない。
【0072】
また、前記ペプチドは、天然型GLP−1、天然型グルカゴン及び天然型GIPのいずれか一つに比べて体内半減期が増加したものであってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0073】
特にこれに限定されるものではないが、このような前記ペプチドは、非自然に発生した(non-naturally occurring)ものであってもよい。
【0074】
具体的には、前記分離されたペプチドは、天然型グルカゴンのアナログであってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0075】
本発明に係る天然型グルカゴンアナログは、天然型グルカゴンと比較してアミノ酸配列に1つ以上の差があるペプチド、天然型グルカゴン配列の改質(modification)を通じて変形させたペプチド、天然型グルカゴンの模倣体を含む。
【0076】
一方、特にこれに限定されるものではないが、天然型グルカゴンは、以下のアミノ酸配列を有することができる:
【0077】
His−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Asn−Thr(配列番号:118)
【0078】
具体的には、前記ペプチドは、天然型グルカゴン配列で少なくとも1つ以上のアミノ酸に置換(substitution)、追加(addition)、除去(deletion)、修飾(modification)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択された変形が起こった、天然型グルカゴンのアナログであってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0079】
また、前記アミノ酸の置換は、アミノ酸への置換、または非天然型の化合物への置換をすべて含む。
【0080】
また、追加は、ペプチドのN末端及び/またはC末端に行うことができる。一方、追加されるアミノ酸の長さは、特に限定されず、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上のアミノ酸が追加されてもよく、広くは、ポリペプチドの追加を含むが、特にこれに限定されるものではない。
【0081】
より具体的には、前記グルカゴンアナログは、天然型グルカゴンのアミノ酸配列において1番、2番、3番、7番、10番、12番、13番、14番、15番、16番、17番、18番、19番、20番、21番、23番、24番、27番、28番及び29番からなる群から選択された、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、または20個のアミノ酸が他のアミノ酸が置換されたものであってもよく、また、独立して、またはさらにそのC末端に1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11個以上のアミノ酸が追加されたものであってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0082】
より具体的には、前記グルカゴンアナログは、天然型グルカゴンのアミノ酸配列において1番、2番、3番、10番、12番、13番、14番、15番、16番、17番、18番、19番、20番、21番、23番、24番、27番、28番及び29番からなる群から選択された、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19個のアミノ酸が他のアミノ酸が置換されたものであってもよく、また、独立して、またはさらにそのC末端に1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、または11個以上のアミノ酸が追加されたものであってもよいが、特にこれらに限定されるものではない。
【0083】
より具体的には、前記グルカゴンアナログは、天然型グルカゴンのアミノ酸配列において1番、2番、3番、10番、13番、14番、15番、16番、17番、18番、19番、20番、21番、23番、24番、28番及び29番からなる群から選択された、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17個のアミノ酸が他のアミノ酸が置換されたものであってもよく、また、独立して、またはさらにそのC末端に1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、または11個以上のアミノ酸が追加されたものであってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0084】
より具体的には、前記グルカゴンアナログは、天然型グルカゴンのアミノ酸配列において1番、2番、13番、16番、17番、18番、19番、20番、21番、23番、24番、27番、28番及び29番からなる群から選択された、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、または14個のアミノ酸が他のアミノ酸が置換されたものであってもよく、また、独立して、またはさらにそのC末端に1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11個以上のアミノ酸が追加されたものであってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0085】
前記天然型グルカゴンで導入されるアミノ酸は、チロシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、Aib、メチオニン、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン、バリン、グリシン、アラニン、システイン、セリン、アラニン、アスパラギン酸、及びアルギニンからなる群から選択されてもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0086】
例えば、前記追加されるアミノ酸配列は、天然型GLP−1、天然型GIP、または天然型エキセンジン−4アミノ酸配列に由来する1つ以上のアミノ酸配列であってもよい。
【0087】
このようなグルカゴンアナログまたは三重活性体は、分子内架橋(intramolecular bridge)を含むことができ(例えば、共有結合的架橋または非共有結合的架橋)、具体的に環を含む形態であってもよく、例えば、グルカゴンアナログまたは三重活性体の16番目及び20番目のアミノ酸の間に環が形成された形態であってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0088】
前記環の非限定的な例としてラクタム架橋(またはラクタム環)を含むことができる。
【0089】
また、前記グルカゴンアナログまたは三重活性体は、環を含むように、目的とする位置に環を形成することができるアミノ酸を含むように変形されたものをすべて含む。
【0090】
例えば、グルカゴンアナログまたは三重活性体の16番目及び20番目のアミノ酸対がそれぞれ環を形成することができるグルタミン酸またはリジンに置換されたものであってもよいが、これに制限されない。
【0091】
このような環は、前記グルカゴンアナログまたは三重活性体内のアミノ酸の側鎖の間に形成されてもよく、その例としてリジンの側鎖とグルタミン酸の側鎖の間にラクタム環が形成される形態であってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0092】
このような方法の組み合わせで製造されるグルカゴンのアナログの例として、天然型グルカゴンとアミノ酸配列が一つ以上異なり、N末端のアミノ酸残基のアルファ−炭素が除去された、グルカゴン受容体、GLP−1受容体、及びGIP受容体に対して活性を有するペプチドなどがあるが、これに限定されず、アナログの製造のための種々の方法の組み合わせで、本発明に適用される天然型グルカゴンのアナログを製造することができる。
【0093】
また、特にこれに制限されないが、本発明のペプチドは、体内半減期の増加のために活性体分解酵素の認識作用を回避するため、一部のアミノ酸を他のアミノ酸もしくは非天然型化合物に置換することができる。
【0094】
具体的には、前記三重活性体のアミノ酸配列中の2番目のアミノ酸配列の置換を通じて分解酵素の認識作用を回避して体内半減期を増加させたペプチドであってもよいが、体内分解酵素の認識作用を回避するためのアミノ酸置換または変更は制限なく含まれる。
【0095】
また、天然型グルカゴンのアナログの製造のためのこのような変形は、L型あるいはD型アミノ酸、及び/または非天然型アミノ酸を利用した変形;及び/または天然型配列を改質、例えば、側鎖官能基の変形、分子内共有結合、例えば、側鎖間の環の形成、メチル化、アシル化、ユビキチン化、リン酸化、アミノヘキサン化、ビオチン化などのように改質することにより、変形するものをすべて含む。
【0096】
また、天然型グルカゴンのアミノ及び/またはカルボキシ末端に1つまたはそれ以上のアミノ酸が追加されたものをすべて含む。
【0097】
前記置換または追加されたアミノ酸は、ヒトタンパク質で通常観察される20個のアミノ酸だけでなく、非定型または非自然発生アミノ酸を使用することができる。非定型アミノ酸の商業的出所にはSigma−Aldrich、ChemPepとGenzyme pharmaceuticalsが含まれる。このようなアミノ酸が含まれたペプチドと定型的なペプチド配列は、商業化されたペプチド合成会社、例えば、米国のAmerican peptide companyやBachem、または韓国のAnygenを通じて合成及び購買が可能である。
【0098】
アミノ酸誘導体も同様の方法で入手することができるが、その例を一部だけ挙げると、4−イミダゾ酢酸(4-imidazoacetic acid)などを使用することができる。
【0099】
また、本発明に係るペプチドは、生体内のタンパク質切断酵素から保護し、安定性を増加するためにそのN末端及び/またはC末端などが化学的に修飾されたり、有機団で保護されるか、またはペプチド末端などのアミノ酸が追加されて変形された形態であってもよい。
【0100】
特に、化学的に合成したペプチドの場合には、N及びC末端が電荷を帯びているため、このような電荷を除去するためにN末端をアセチル化(acetylation)及び/またはC末端をアミド化(amidation)することができるが、特にこれに限定されない。
【0101】
また、本発明に係るペプチドは、ペプチドそれ自体、その塩(例えば、前記ペプチドの薬学的に許容可能な塩)、またはその溶媒和物の形態をすべて含む。さらに、ペプチドは、薬学的に許容される任意の形態であってもよい。
【0102】
前記塩の種類は特に制限されない。ただし、個体、例えば哺乳類に安全かつ効果的な形態であることが望ましいが、特にこれに限定されるものではない。
【0103】
前記用語、「薬学的に許容される」とは、医薬学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、またはアレルギー反応などを誘発することなく、目的の用途に効果的に使用可能な物質を意味する。
【0104】
本発明において、用語、「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容される無機酸、有機酸、または塩基から誘導された塩を含む。適切な酸の例としては、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などを挙げることができる。適切な塩基から誘導された塩は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、及びアンモニウムなどを含むことができる。
【0105】
また、本発明で使用される用語「溶媒和物」とは、本発明に係るペプチドまたはその塩が溶媒分子と複合体を形成しているものをいう。
【0106】
一つの具体的な態様としては、前記Xは下記一般式1で示されるアミノ酸配列を含む、分離されたペプチドであってもよい。
【0107】
Xaa1−Xaa2−Xaa3−Gly−Thr−Phe−Xaa7−Ser−Asp−Xaa10−Ser−Xaa12−Xaa13−Xaa14−Xaa15−Xaa16−Xaa17−Xaa18−Xaa19−Xaa20−Xaa21−Phe−Xaa23−Xaa24−Trp−Leu−Xaa27−Xaa28−Xaa29−Xaa30−R1(一般式1、配列番号103)
【0108】
前記一般式1において、
Xaa1はヒスチジン、4−イミダゾアセチル、またはチロシンであり、
Xaa2はグリシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAibであり、
Xaa3はグルタミン酸またはグルタミンであり、
Xaa7はトレオニンまたはイソロイシンであり、
Xaa10はロイシン、チロシン、リジン、システイン、またはバリンであり、
Xaa12はリジン、セリン、またはイソロイシンであり、
Xaa13はグルタミン、チロシン、アラニン、またはシステインであり、
Xaa14はロイシン、メチオニン、またはチロシンであり、
Xaa15はシステイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはロイシンであり、
Xaa16はグリシン、グルタミン酸、またはセリンであり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、イソロイシン、グルタミン酸、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、グルタミン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニン、グルタミン、システイン、またはバリンであり、
Xaa20はリジン、グルタミン、またはアルギニンであり、
Xaa21はグルタミン酸、グルタミン、ロイシン、システイン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はイソロイシンまたはバリンであり、
Xaa24はアラニン、グルタミン、システイン、アスパラギン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であり、
Xaa27はバリン、ロイシン、リジン、またはメチオニンであり、
Xaa28はシステイン、リジン、アラニン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa29はシステイン、グリシン、グルタミン、トレオニン、グルタミン酸、またはヒスチジンであり、
Xaa30はシステイン、グリシン、リジン、またはヒスチジンであるか、不存在であり、
R1はシステイン、GKKNDWKHNIT(配列番号106)、m−SSGAPPPS−n(配列番号107)、またはm−SSGQPPPS−n(配列番号108)であるか、不存在であり、
ここで、
mは−Cys−、−Pro−、または−Gly−Pro−であり、
nは−Cys−、−Gly−、−Ser−、または−His−Gly−であるか、不存在である。
【0109】
前記三重活性体の例として、配列番号:1〜102からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むもの、配列番号:1〜102からなる群から選択されたアミノ酸配列で(必須で)構成されたものであってもよいが、これに限定されるわけではない。
【0110】
また、本願において「特定の配列番号で構成されるペプチド」と記載されているとしても、該当配列番号のアミノ酸配列からなるペプチドと同一の、あるいは相応する活性を有する場合であれば、該当配列番号のアミノ酸配列前後の無意味な配列の追加または自然に発生し得る突然変異、あるいはそのサイレント突然変異(silent mutation)を除外するものではなく、このような配列の追加、あるいは突然変異を有する場合でも、本願の範囲内に属することが自明である。
【0111】
以上の内容は、本発明の他の具体例あるいは他の態様にも適用してもよいが、これに制限されるものではない。
【0112】
具体的には、前記一般式1において、Xaa14はロイシンまたはメチオニンであり、Xaa15はシステイン、アスパラギン酸、またはロイシンであってもよい。
【0113】
このようなペプチドの例として、配列番号:1〜12、14〜17、及び21〜102からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むか、これで(必須で)構成されたペプチドを挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0114】
このようなペプチドは、グルカゴン受容体、GLP−1受容体、及びGIP受容体中の一つ以上を有意に活性化させることができるが、特にこれに限定されるものではない。具体的には、GLP−1を有意に活性化させたり、さらにグルカゴン受容体及び/またはGIP受容体を有意に活性化させるものであってもよいが、特にこれに制限されない。
【0115】
より具体的には、
前記一般式1において、
Xaa2はグリシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAibであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシン、システイン、またはバリンであり、
Xaa12はリジンまたはイソロイシンであり、
Xaa13はチロシン、アラニン、グルタミン、またはシステインであり、
Xaa14はロイシン、システイン、またはメチオニンであり、
Xaa15はシステイン、ロイシン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、イソロイシン、システイン、グルタミン酸、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、グルタミン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニン、グルタミン、バリン、またはシステインであり、
Xaa20はリジン、アルギニン、またはグルタミンであり、
Xaa21はグルタミン酸、グルタミン、ロイシン、システイン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はイソロイシンまたはバリンであり、
Xaa24はシステイン、アラニン、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であり、
Xaa27はロイシンまたはリジンである、ペプチドであってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0116】
より具体的には、
前記一般式1において、
Xaa2はグリシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAibであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシン、システイン、またはバリンであり、
Xaa12はリジンまたはイソロイシンであり、
Xaa13はチロシン、アラニン、またはシステインであり、
Xaa14はロイシンまたはメチオニンであり、
Xaa15はシステインまたはアスパラギン酸であり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、イソロイシン、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニン、グルタミン、またはシステインであり、
Xaa20はリジンまたはグルタミンであり、
Xaa21はグルタミン酸、システイン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はバリンであり、
Xaa24はアラニン、グルタミン、システイン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa27はロイシンまたはリジンであってもよいが、特にこれに制限されない。
【0117】
より具体的には、
前記一般式1において、
Xaa2はアルファ−メチル−グルタミン酸またはAibであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシンまたはシステインであり、
Xaa12はリジンまたはイソロイシンであり、
Xaa13はチロシン、アラニン、またはシステインであり、
Xaa14はロイシンまたはメチオニンであり、
Xaa15はシステインまたはアスパラギン酸であり、
Xaa16はグルタミン酸であり、
Xaa17はアルギニン、イソロイシン、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニン、グルタミン、またはシステインであり、
Xaa20はリジンまたはグルタミンであり、
Xaa21はグルタミン酸またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はバリンであり、
Xaa24はグルタミン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa27はロイシンであり、
Xaa28はシステイン、アラニン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であってもよい。
【0118】
具体的には、
前記一般式1において、
Xaa1はヒスチジンまたは4−イミダゾアセチルであり、
Xaa2はアルファ−メチル−グルタミン酸またはAibであり、
Xaa3はグルタミンであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシンであり、
Xaa12はイソロイシンであり、
Xaa13はアラニンまたはシステインであり、
Xaa14はメチオニンであり、
Xaa15はアスパラギン酸であり、
Xaa16はグルタミン酸であり、
Xaa17はイソロイシンまたはリジンであり、
Xaa18はアラニンまたはヒスチジンであり、
Xaa19はグルタミンまたはシステインであり、
Xaa20はリジンであり、
Xaa21はアスパラギン酸であり、
Xaa23はバリンであり、
Xaa24はアスパラギンであり、
Xaa27はロイシンであり、
Xaa28はアラニンまたはアスパラギンであり、
Xaa29はグルタミンまたはトレオニンであり、
Xaa30はシステインまたはリジンであるか、不存在であってもよい。
【0119】
より具体的には、
前記一般式1において、
Xaa2はグリシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAibであり、
Xaa3はグルタミンであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシン、システイン、またはバリンであり、
Xaa12はリジンであり、
Xaa13はチロシンであり、
Xaa14はロイシンであり、
Xaa15はアスパラギン酸であり、
Xaa16はグリシン、グルタミン酸、またはセリンであり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニンまたはグルタミンであり、
Xaa20はリジンまたはグルタミンであり、
Xaa21はグルタミン酸、システイン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はバリンであり、
Xaa24はアラニン、グルタミン、またはシステインであり、
Xaa27はロイシンまたはリジンであり、
Xaa29はグリシン、グルタミン、トレオニン、またはヒスチジンであってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0120】
このようなペプチドは、GLP−1受容体及びグルカゴン受容体の活性化の程度が有意であり、GIP受容体の活性化の程度に比べて高かったり;GLP−1受容体、グルカゴン受容体及びGIP受容体の活性化の程度が、いずれも有意であったり;GLP−1受容体及びGIP受容体の活性化の程度が有意であり、グルカゴン受容体の活性化に比べて高い場合に該当するが、特にこれに制限されない。
【0121】
GLP−1受容体及びGIP受容体の活性化の程度が有意であり、グルカゴン受容体の活性化の程度に比べて高い場合には、体重減少の効力とともに血糖値の調節能力がより高いペプチドを提供することができ、GLP−1受容体、グルカゴン受容体及びGIP受容体の活性化程度のすべてが有意な場合には、体重減少の効果が極大化されるという利点がある。しかし、特にこれに制限されるものではない。
【0122】
このようなペプチドの例として、配列番号:8、9、21〜37、39、42、43、49〜61、64〜83、85、86、88、89、91〜93、95〜102からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むか、これで(必須で)構成されたペプチドを挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0123】
具体的な態様としては、前記ペプチドは、下記一般式2で示されるアミノ酸配列を含むものであってもよい。
【0124】
Xaa1−Xaa2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Xaa10−Ser−Lys−Xaa13−Xaa14−Xaa15−Xaa16−Xaa17−Xaa18−Xaa19−Xaa20−Xaa21−Phe−Xaa23−Xaa24−Trp−Leu−Leu−Xaa28−Xaa29−Xaa30−Xaa31−Ser−Ser−Gly−Gln−Pro−Pro−Pro−Ser−Xaa40(一般式2、配列番号104)
【0125】
前記式において、
Xaa1は4−イミダゾアセチル、ヒスチジン、またはチロシンであり;
Xaa2はグリシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAibであり;
Xaa10はチロシン、またはシステインであり、
Xaa13はアラニン、グルタミン、チロシン、またはシステインであり;
Xaa14はロイシン、メチオニン、またはチロシンであり;
Xaa15はアスパラギン酸、グルタミン酸、またはロイシンであり;
Xaa16はグリシン、グルタミン酸、またはセリンであり;
Xaa17はグルタミン、アルギニン、イソロイシン、グルタミン酸、システイン、またはリジンであり;
Xaa18はアラニン、グルタミン、アルギニン、またはヒスチジンであり;
Xaa19はアラニン、グルタミン、システイン、またはバリンであり;
Xaa20はリジン、グルタミン、またはアルギニンであり;
Xaa21はシステイン、グルタミン酸、グルタミン、ロイシン、またはアスパラギン酸であり;
Xaa23はイソロイシンまたはバリンであり;
Xaa24はシステイン、アラニン、グルタミン、アスパラギン、またはグルタミン酸であり;
Xaa28はリジン、システイン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり;
Xaa29はグリシン、グルタミン、システイン、またはヒスチジンであり;
Xaa30はシステイン、グリシン、リジン、またはヒスチジンであり;
Xaa31はプロリンまたはシステインであり;
Xaa40はシステインであるか、不存在である。
【0126】
より具体的には、前記一般式2において、
Xaa13はアラニン、チロシン、またはシステインであり;
Xaa15はアスパラギン酸またはグルタミン酸であり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、システイン、またはリジンであり;
Xaa18はアラニン、アルギニン、またはヒスチジンであり;
Xaa21はシステイン、グルタミン酸、グルタミン、またはアスパラギン酸であり;
Xaa23はイソロイシンまたはバリンであり;
Xaa24はシステイン、グルタミン、またはアスパラギンであり、
Xaa28はシステイン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり;
Xaa29はグルタミン、システイン、またはヒスチジンであり;
Xaa30はシステイン、リジン、またはヒスチジンであってもよい。
【0127】
このようなペプチドの例として、配列番号:21、22、42、43、50、64〜77、及び95〜102からなる群から選択されたアミノ酸配列、より具体的には、配列番号:21、22、42、43、50、64〜77、及び96〜102からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むか、これで(必須で)構成されたペプチドを挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0128】
具体的な態様としては、前記ペプチドは、下記一般式3のアミノ酸配列を含むことができる。
【0129】
Xaa1−Xaa2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Xaa13−Leu−Asp−Glu−Xaa17−Xaa18−Xaa19−Lys−Xaa21−Phe−Val−Xaa24−Trp−Leu−Leu−Xaa28−Xaa29−Xaa30−Xaa31−Ser−Ser−Gly−Gln−Pro−Pro−Pro−Ser−Xaa40(一般式3、配列番号105)、
【0130】
前記一般式3において、
Xaa1はヒスチジンまたはチロシンであり;
Xaa2はアルファ−メチル−グルタミン酸またはAibであり;
Xaa13はアラニン、チロシンまたはシステインであり;
Xaa17はアルギニン、システイン、またはリジンであり;
Xaa18はアラニンまたはアルギニンであり;
Xaa19はアラニンまたはシステインであり;
Xaa21はグルタミン酸またはアスパラギン酸であり;
Xaa24はグルタミンまたはアスパラギンであり、
Xaa28はシステインまたはアスパラギン酸であり;
Xaa29はシステイン、ヒスチジン、またはグルタミンであり;
Xaa30はシステインまたはヒスチジンであり;
Xaa31はプロリンまたはシステインであり;
Xaa40はシステインまたは不存在であってもよい。
【0131】
このようなペプチドの例として、配列番号:21、22、42、43、50、64〜71、75〜77、及び96〜102からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むか、これで(必須で)構成されたペプチドを挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0132】
また、前記一般式1においてR1はシステイン、GKKNDWKHNIT(配列番号106)、CSSGQPPPS(配列番号109)、GPSSGAPPPS(配列番号110)、GPSSGAPPPSC(配列番号111)、PSSGAPPPS(配列番号112)、PSSGAPPPSG(配列番号113)、PSSGAPPPSHG(配列番号114)、PSSGAPPPSS(配列番号115)、PSSGQPPPS(配列番号116)、またはPSSGQPPPSC(配列番号117)であるか、不存在であってもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0133】
また、本発明のペプチドは、その長さに応じて、この分野においてよく知られている方法、例えば、自動ペプチドシンセサイザーによって合成することができ、遺伝子操作技術によって生産することもできる。
【0134】
具体的には、本発明のペプチドは、標準的な合成方法、組換え発現システム、または任意の他の当該分野の方法により製造することができる。従って、本発明に係るペプチドは、例えば、下記方法を含む多数の方法で合成することができる:
【0135】
(a)ペプチドを固相または液相方法の手段で段階的に、または断片の組み立てによって合成し、最終のペプチド生成物を分離及び精製する方法;または
(b)ペプチドをエンコードする核酸作製物を宿主細胞内で発現させ、発現生成物を宿主細胞培養物から回収する方法;または
(c)ペプチドをエンコードする核酸作製物の無細胞インビトロ発現を行い、発現生成物を回収する方法;または
(a)、(b)及び(c)の任意の組み合わせでペプチドの断片を得て、続いて断片を連結させてペプチドを得て、当該ペプチドを回収する方法。
【0136】
前記結合体においてFは、X、すなわち、グルカゴン受容体、GLP−1受容体、及びGIP受容体に対して活性を有する、ペプチドの半減期を増加させる物質であり、本発明の結合体を構成する部分の一構成に該当する。
【0137】
前記Fは、Xと共有化学結合または非共有化学結合で互いに結合されるものであってもよく、共有化学結合、非共有化学結合、またはこれらの組み合わせでLを通じてFとXが互いに結合されるものであってもよい。
【0138】
前記Xの半減期を増加させる物質は、生体適合性物質であってもよく、例えば、高分子重合体、脂肪酸、コレステロール、アルブミン及びその断片、アルブミン結合物質、特定のアミノ酸配列の繰り返し単位の重合体、抗体、抗体断片、FcRn結合物質、生体内結合組織、ヌクレオチド、フィブロネクチン、トランスフェリン(Transferrin)、糖類(saccharide)、ヘパリン、及びエラスチンからなる群から選択されるものであってもよいが、特にこれに制限されない。
【0139】
前記エラスチンの場合、水溶性前駆体であるヒトトロポエラスチン(tropoelastin)であってもよく、これらのうちの一部の配列または一部の繰り返し単位の重合体であってもよく、例えば、エラスチン類似ポリペプチドである場合をすべて含むが、特にこれに限定されるものではない。
【0140】
前記高分子重合体の例として、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニルアルコール、多糖類、デキストラン、ポリビニルエチルエーテル、生分解性高分子、脂質重合体、キチン、ヒアルロン酸、オリゴヌクレオチド及びこれらの組み合わせからなる群から選択される高分子重合体が挙げられるが、特にこれに制限されない。
【0141】
前記ポリエチレングリコールは、エチレングリコール同種重合体、PEG共重合体、またはモノメチル−置換されたPEG重合体(mPEG)の形態をすべて包括する用語であるが、特にこれに限定されるものではない。
【0142】
また、前記生体適合性物質は、ポリ−リジン、ポリ−アスパラギン酸及びポリ−グルタミン酸のようなポリ−アミノ酸を含むが、これに制限されるものではない。
【0143】
また、脂肪酸は、生体内アルブミンとの結合力を有するものであってもよいが、特にこれに制限されない。
【0144】
より具体的な例として、前記FcRn結合物質は、免疫グロブリンFc領域であってもよく、より具体的にはIgG Fc領域であってもよいが、特にこれに制限されない。
【0145】
本発明のペプチド内の一つ以上のアミノ酸側鎖は、生体内で可溶性及び/または半減期を増加させ/させるか、生体利用率を増加させるために、このような生体適合性物質に接合されてもよい。このような変形は、治療学的タンパク質とペプチドの消去(clearance)を減少させることができる。
【0146】
上述した生体適合性物質は、水溶性(両親媒性または親水性)及び/または非毒性及び/または薬学的に許容可能なものであってもよい。
【0147】
前記Fは、Xと直接連結されるか(すなわち、前記化学式1においてaが0であるか)、またはリンカー(L)を通じて連結されたものであってもよい。
【0148】
具体的には、前記Lはペプチド性リンカーまたは非ペプチド性リンカーであってもよい。
【0149】
前記Lがペプチド性リンカーであるとき、1つ以上のアミノ酸を含むことができ、例えば、1個〜1000個のアミノ酸を含むことができるが、特にこれに限定されるものではない。本発明において、FとXを連結するために公知となった多様なペプチドリンカーが、本発明に使用されてもよく、その例として[GS]xリンカー、[GGGS]xリンカー及び[GGGGS]xリンカーなどを含み、ここで、xは1以上の自然数であってもよい。しかしながら、前記の例に制限されるものではない。
【0150】
本発明において、「非ペプチド性リンカー」とは、繰り返し単位が2つ以上結合された生体適合性重合体を含む。前記繰り返し単位は、ペプチド結合ではなく、任意の共有結合を通じて相互に連結される。前記非ペプチド性リンカーは、本発明の結合体の一部分をなす一構成であってもよく、前記化学式1においてLに該当する。
【0151】
前記Laにおいてaは1以上であってもよく、aが2以上であるとき、それぞれのLは独立であってもよい。
【0152】
本発明では、前記非ペプチド性リンカーは、非ペプチド性重合体と混用して使用することができる。
【0153】
また、1つの具体的な実施形態では、前記結合体は、両末端にF、具体的には免疫グロブリンFc領域と、X、具体的にはペプチド薬物と結合することができる反応基を含む非ペプチド性リンカーを通じてFとXが互いに共有結合的に連結されたものであってもよい。
【0154】
具体的には、前記非ペプチド性リンカーは、脂肪酸、糖類(saccharide)、高分子重合体、低分子化合物、ヌクレオチド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるものであってもよい。
【0155】
特にこれに限定されないが、前記非ペプチド性リンカーは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニルアルコール、多糖類、デキストラン、ポリビニルエチルエーテル、PLA(polylactic acid)及びPLGA(polylactic-glycolic acid)のような生分解性高分子、脂質重合体、キチン類、ヒアルロン酸、オリゴヌクレオチド及びこれらの組み合わせで構成された群から選択されるものであってもよい。より具体的な実施形態において、前記非ペプチド性重合体は、ポリエチレングリコールであってもよいが、これに制限されない。また、当該分野において既に公知となったこれらの誘導体及び当該分野の技術水準で容易に製造することができる誘導体も、本発明の範囲に含まれる。
【0156】
本発明で使用することができる非ペプチド性リンカーは、生体内のタンパク質分解酵素に抵抗性のある重合体であれば制限なく使用することができる。非ペプチド性重合体の分子量は、1〜100kDaの範囲、具体的には1〜20kDaの範囲であるが、これに制限されない。また、前記Fに該当するポリペプチドと結合される本発明の非ペプチド性リンカーは、一種類の重合体だけでなく、異なる種類の重合体の組み合わせが使用されてもよい。
【0157】
一つの具体的な実施形態において、前記非ペプチド性リンカーの両末端は、それぞれF、例えば、免疫グロブリンFc領域のアミン基またはチオール基及びXのアミン基またはチオール基に結合することができる。
【0158】
具体的には、前記非ペプチド性重合体は、両末端にそれぞれF(例えば、免疫グロブリンFc領域)及びXと結合することができる反応基、具体的には、X、あるいはF(例えば、免疫グロブリンFc領域)のN末端またはリジンに位置したアミン基、またはシステインのチオール基と結合することができる反応基を含むことができるが、これに制限されない。
【0159】
また、F、例えば、免疫グロブリンFc領域及びXと結合することができる、前記非ペプチド性重合体の反応基は、アルデヒド基、マレイミド基及びスクシンイミド誘導体で構成された群から選択されてもよいが、これに制限されない。
【0160】
前記において、アルデヒド基としてプロピオンアルデヒド基またはブチルアルデヒド基を例として挙げられるが、これに制限されない。
【0161】
前記において、スクシンイミド誘導体としては、スクシンイミジル吉草酸、スクシンイミジルメチルブタノエート、スクシンイミジルメチルプロピオネート、スクシンイミジルブタノエート、スクシンイミジルプロピオネート、N−ヒドロキシスクシンイミド、ヒドロキシスクシンイミジル、スクシンイミジルカルボキシメチルまたはスクシンイミジルカーボネートが使用されることができるが、これに制限されない。
【0162】
非ペプチド性リンカーは、このような反応基を通じてXとFに連結されてもよいが、特にこれに限定されるものではない。
【0163】
また、アルデヒド結合による還元性アルキル化で生成された最終的な産物は、アミド結合で連結されたものより遥かに安定している。アルデヒド反応基は、低いpHでN末端に選択的に反応し、高いpH、例えばpH9.0の条件では、リジン残基と共有結合を形成することができる。
【0164】
また、前記非ペプチド性リンカーの両末端の反応基は、互いに同一または互いに異なるものであってよく、例えば、一方の末端にはマレイミド基を、他方の末端にはアルデヒド基、プロピオンアルデヒド基、またはブチルアルデヒド基を有してもよい。しかし、非ペプチド性リンカーの各末端にF、具体的には、免疫グロブリンFc領域とXが結合されうるのであれば、特にこれに限定されない。
【0165】
例えば、前記非ペプチド性リンカーの一方の末端には、反応基としてマレイミド基を含み、他方の末端にはアルデヒド基、プロピオンアルデヒド基またはブチルアルデヒド基などを含むことができる。
【0166】
両末端にヒドロキシ反応基を有するポリエチレングリコールを非ペプチド性重合体として利用する場合には、公知となった化学反応によって、前記ヒドロキシ基を前記多様な反応基で活性化したり、商業的に入手可能な変形された反応基を有するポリエチレングリコールを用いて本発明の持続型タンパク質結合体を製造することができる。
【0167】
一つの具体的な実施形態において、前記非ペプチド性重合体は、Xのシステイン残基、より具体的にはシステインの−SH基に連結されるものであってもよいが、これに制限されない。
【0168】
もし、マレイミド−PEG−アルデヒドを使用する場合、マレイミド基は、Xの−SH基とチオエーテル(thioether)結合で連結し、アルデヒド基はF、具体的には、免疫グロブリンFcの−NH
2基と還元的アルキル化反応を通じて連結することができるが、これに限定されず、これは一つの例に該当する。
【0169】
また、前記結合体において、非ペプチド性重合体の反応基が免疫グロブリンFc領域のN末端に位置する−NH
2と連結されたものであってもよいが、これは一つの例に該当する。
【0170】
本発明において、「免疫グロブリンFc領域」とは、免疫グロブリンの重鎖と軽鎖の可変領域を除いた、重鎖定常領域2(CH2)及び/または重鎖定常領域3(CH3)の部分を含む部位を意味する。前記免疫グロブリンFc領域は、本発明の結合体の一部分をなす一構成であってもよい。
【0171】
このような免疫グロブリンFc領域は、重鎖定常領域にヒンジ(hinge)部分を含むことができるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の免疫グロブリンFc領域は、天然型と実質的に同等または向上された効果を有する限り、免疫グロブリンの重鎖と軽鎖可変領域のみを除き、一部または全体の重鎖定常領域1(CH1)及び/または軽鎖定常領域1(CL1)を含む拡張されたFc領域であってもよい。また、CH2及び/またはCH3に対応する非常に長い、一部のアミノ酸配列が除去された領域であってもよい。
【0172】
例えば、本発明の免疫グロブリンFc領域は、1)CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン及びCH4ドメイン、2)CH1ドメイン及びCH2ドメイン、3)CH1ドメイン及びCH3ドメイン、4)CH2ドメイン及びCH3ドメイン、5)CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、及びCH4ドメイン中の1つまたは2つ以上のドメインと免疫グロブリンヒンジ領域(またはヒンジ領域の一部)との組み合わせ、6)重鎖定常領域の各ドメインと軽鎖定常領域の二量体であってもよい。しかし、これに制限されるものではない。
【0173】
また、1つの具体例として、前記免疫グロブリンFc領域は、二量体型(dimeric form)であってもよく、二量体型の一つのFc領域にXの1分子が共有結合的に連結されてもよく、この時、前記免疫グロブリンFcとXは、非ペプチド性重合体によって互いに連結されてもよい。一方、二量体型の一つのFc領域にXの2分子が対称的に結合することも可能である。この時、前記免疫グロブリンFcとXは、非ペプチド性リンカーによって互いに連結されてもよい。しかし、前記記述された例に制限されるものではない。
【0174】
また、本発明の免疫グロブリンFc領域は、天然型アミノ酸配列だけでなく、その配列誘導体を含む。アミノ酸配列誘導体とは、天然アミノ酸配列中の一つ以上のアミノ酸残基が欠失、挿入、非保存的または保存的置換またはこれらの組み合わせによって異なる配列を有することを意味する。
【0175】
例えば、IgG Fcの場合、結合に重要であると知られている214〜238、297〜299、318〜322または327〜331番目のアミノ酸残基が変形のために適当な部位として使用されてもよい。
【0176】
また、ジスルフィド結合を形成することができる部位が除去されたり、天然型FcからN末端のいくつかのアミノ酸が除去され、又は天然型FcのN末端にメチオニン残基が付加されるなど、多様な種類の誘導体が可能である。また、エフェクター機能をなくすために、補体結合部位、例えば、C1q結合部位が除去されてもよく、ADCC(antibody dependent cell mediated cytotoxicity)部位が除去されてもよい。このような免疫グロブリンFc領域の配列誘導体を製造する技術は、国際特許公開第WO97/34631号(特許文献1)、国際特許公開第96/32478号(特許文献2)などに開示されている。
【0177】
分子の活性を全体的に変更させないタンパク質及びペプチドのアミノ酸の交換は、当該分野において公知となっている(H.Neurath、RLHill、The Proteins、Academic Press、New York、1979(非特許文献4))。最も一般的に起こる交換は、アミノ酸残基Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Thy/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、Asp/Gly間の交換である。場合によっては、リン酸化(phosphorylation)、硫化(sulfation)、アクリル化(acrylation)、糖化(glycosylation)、メチル化(methylation)、ファルネシル化(farnesylation)、アセチル化(acetylation)及びアミド化(amidation)などで修飾(modification)されてもよい。
【0178】
上述したFc誘導体は、本発明のFc領域と同等の生物学的活性を示し、Fc領域の熱、pHなどの構造的安定性を増大させたものであってもよい。
【0179】
また、このようなFc領域は、ヒト、ウシ、ヤギ、ブタ、マウス、ウサギ、ハムスター、ラット、またはモルモットピックなどの動物の生体内から分離した天然型から得ることもでき、形質転換された動物細胞または微生物から得られた組換え型またはその誘導体であってもよい。ここで、天然型から獲得する方法は、全体の免疫グロブリンをヒトまたは動物の生体から分離した後、タンパク質分解酵素を処理して取得する方法であってもよい。パパインを処理する場合には、Fab及びFcに切断され、ペプシンを処理する場合には、pF’c及びF(ab)
2に切断される。これをサイズ排除クロマトグラフィー(size-exclusion chromatography)などを利用してFcまたはpF’cを分離することができる。より具体的な実施形態では、ヒト由来のFc領域を微生物から収得した組換え免疫グロブリンFc領域である。
【0180】
また、免疫グロブリンFc領域は、天然型糖鎖、天然型に比べて増加した糖鎖、天然型に比べて減少した糖鎖または糖鎖が除去された形態であってもよい。このような免疫グロブリンFc糖鎖の増減または除去には化学的方法、酵素学的方法及び微生物を利用した遺伝子工学的方法のような通常の方法を用いることができる。ここで、Fcから糖鎖が除去された免疫グロブリンFc領域は、補体(c1q)との結合力が著しく低下し、抗体−依存性細胞毒性または補体−依存性細胞毒性が減少または除去されるため、生体内で不要な免疫反応を誘発しない。このような点で、薬物のキャリアとしての本来の目的に、より附合する形態は、糖鎖が除去されたり非糖鎖化された免疫グロブリンFc領域であると言える。
【0181】
本発明において、「糖鎖の除去(Deglycosylation)」とは、酵素で糖を除去したFc領域をいい、非グリコシル化(Aglycosylation)は、原核動物、より具体的な実施形態では、大腸菌で生産してグリコシル化されないFc領域を意味する。
【0182】
一方、免疫グロブリンFc領域は、ヒトまたはウシ、ヤギ、ブタ、マウス、ウサギ、ハムスター、ラット、モルモットピックなどの動物由来であってもよく、より具体的な実施形態では、ヒト起源である。
【0183】
また、免疫グロブリンFc領域は、IgG、IgA、IgD、IgE、IgMに由来またはこれらの組み合わせ(combination)またはこれらの混成(hybrid)によるFc領域であってもよい。より具体的な実施形態では、ヒトの血液に最も豊富なIgGまたはIgM由来であり、より具体的な実施形態では、リガンド結合タンパク質の半減期を向上させることが公知となったIgG由来である。さらに具体的な実施形態において、前記免疫グロブリンFc領域はIgG4 Fc領域であり、最も具体的な実施形態において前記免疫グロブリンFc領域はヒトIgG4由来の非グリコシル化されたFc領域であるが、これに制限されるものではない。
【0184】
一方、本発明において「組み合わせ(combination)」とは、二量体または多量体を形成するとき、同一起源の短鎖免疫グロブリンFc領域を暗号化するポリペプチドが異なる起源の短鎖ポリペプチドと結合を形成することを意味する。即ち、IgG Fc、IgA Fc、IgM Fc、IgD Fc及びIgEのFc断片からなるグループから選択された2つ以上の断片から二量体または多量体の製造が可能である。
【0185】
また、上述した結合体は、効力の持続性が天然型GLP−1、GIP、あるいはグルカゴンに比べ、またはFが修飾されないXに比べて増加したものであってもよく、このような結合体は、上述した形態だけでなく、生分解性ナノパーティクルに封入された形態などをすべて含む。
【0186】
本発明を具現する他の態様は、前記結合体をコードするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含むベクター、及び前記ポリヌクレオチドまたはこれを含むベクターを含む形質転換体を提供する。
【0187】
前記結合体については、先に説明した通りである。
【0188】
前記ポリヌクレオチドは、融合タンパク質の形態の結合体をコードするものであってもよい。
【0189】
また、前記結合体をコードする分離されたポリヌクレオチドは、その配列と75%以上、具体的には85%以上、より具体的には90%以上、さらに具体的には95%以上の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を、本発明の範疇に含む。
【0190】
用語「相同性」とは、野生型(wild type)アミノ酸配列及び野生型核酸配列との類似度を示すためのものであり、相同性の比較は、肉眼または購入が容易な比較プログラムを使用して行う。市販中のコンピュータプログラムは、2つ以上の配列間の相同性の割合(%)で計算することができる。相同性(%)は、隣接する配列について計算することができる。
【0191】
本発明において、用語「組換えベクター」とは、適切な宿主内で目的タンパク質、例えば、結合体を発現させることができるよう、目的タンパク質、例えば、結合体が、適切な調節配列に作動可能に連結されたDNA製造物を意味する。
【0192】
前記調節配列は、転写を開始することができるプロモーター、このような転写を調節するための任意のオペレーター配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、及び転写及び解読の終結を調節する配列を含む。組換えベクターは、適当な宿主細胞内に形質転換された後、宿主ゲノムとは無関係に複製または機能することができ、ゲノムそのものに統合することができる。
【0193】
本発明で使用される組換えベクターは、宿主細胞内で複製可能なものであれば特に限定されず、当業界において公知となった任意のベクターを用いて作製することができる。通常使用されるベクターの例としては、天然の状態であるか、組換えされた状態のプラスミド、コスミド、ウイルス、バクテリオファージを挙げることができる。本発明で使用可能なベクターは、特に制限されるものではなく公知となった発現ベクターを使用することができる。
【0194】
前記組換えベクターは、本発明の結合体を生産するために宿主細胞を形質転換させるのに使用される。また、本発明の一部である、このような形質転換細胞は、本発明の核酸断片及びベクターの増殖に使用されたり、本発明の結合体の組換え生産に使用された培養された細胞または細胞株であってもよい。
【0195】
本発明において、用語「形質転換」とは、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む組換えベクターを宿主細胞内に導入して宿主細胞内で前記ポリヌクレオチドがコードするタンパク質が発現させるようにすることを意味する。形質転換されたポリヌクレオチドが宿主細胞内で発現さえできれば、宿主細胞の染色体内に挿入されて位置するか、染色体の外に位置するかに関係なく、これら両方を含む。
【0196】
また、前記ポリヌクレオチドは、目的タンパク質をコードするDNA及びRNAを含む。前記ポリヌクレオチドは、宿主細胞内に導入されて発現することができるものであれば、どのような形態で導入されるものであれ構わない。例えば、前記ポリヌクレオチドは、それ自体で発現されるのに必要なすべての要素を含む遺伝子構造体である発現カセット(expression cassette)の形態で宿主細胞に導入することができる。前記発現カセットは、通常、前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結されているプロモーター(promoter)、転写終結シグナル、リボソーム結合部位及び翻訳終結シグナルを含むことができる。前記発現カセットは、自体の複製が可能な発現ベクターの形態であってもよい。また、前記ポリヌクレオチドは、それ自体の形態で宿主細胞に導入され、宿主細胞において発現に必要な配列と作動可能に連結されているものであってもよく、これに限定されない。
【0197】
また、前記において用語「作動可能に連結された」ということは本発明の目的とするタンパク質、具体的には結合体をコードするポリヌクレオチドの転写を開始及び媒介させるプロモーター配列と、前記遺伝子配列が機能的に連結されていることを意味する。
【0198】
本発明に適した宿主は、本発明のポリヌクレオチドを発現させる限り、特に制限されない。本発明に使用することができる宿主の特定の例としては、大腸菌(E. coli)のようなエシェリキア(Escherichia)属細菌;バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)のようなバチルス(Bacillus)属細菌;シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)のようなシュードモナス(Pseudomonas)属細菌;ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)のような酵母;スポドプテラ・フルギペルダ(Sf9)のような昆虫細胞;及びCHO、COS、BSCなどのような動物細胞がある。
【0199】
本発明を具現する他の態様は、前記結合体を含む組成物を提供する。
【0200】
前記結合体については、先に説明した通りである。
【0201】
具体的には、前記組成物は、薬学的組成物であってもよく、より具体的には、前記組成物は、メタボリックシンドロームの予防または治療用であってもよい。
【0202】
本発明において、用語「予防」とは、前記結合体またはこれを含む組成物の投与にメタボリックシンドロームの発症を抑制または遅延させる全ての行為を意味し、「治療」とは、前記結合体またはこれを含む組成物の投与にメタボリックシンドロームの症状が好転または有利になるすべての行為を意味する。
【0203】
本発明において、用語「投与」とは、任意の適切な方法で患者に所定の物質を導入することを意味し、前記組成物の投与経路は特に限定されないが、前記組成物が、生体内標的に到達することができる任意の一般的な経路を通じて投与することができ、例えば、腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、局所投与、鼻内投与、肺内投与、または直腸内投与などが挙げられる。
【0204】
本発明において、用語「メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)」とは、慢性的な代謝障害により起こる多様な疾患が単独または複合的に起こる症状をいい、特にメタボリックシンドロームに該当する疾患としては、耐糖能障害、高コレステロール血症、脂質異常症(dyslipidemia)、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症による動脈硬化、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、及び冠動脈心疾患(冠動脈性心臓病)などがあるが、これに制限されない。
【0205】
本発明において、用語「肥満」とは、体内の脂肪組織が過度状態で、身体の肥満指数(体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値)が25以上であれば、肥満と定義される。肥満は長年に渡ってエネルギー消費量に比べて栄養素を過剰に摂取した場合のエネルギーの不均衡によって誘発されることが通常である。肥満は、体全体に影響を与える代謝疾患に糖尿病と高脂血症にかかる可能性が高くなり、性機能障害、関節炎、心血管系疾患の発症リスクが大きくなり、場合によって癌の発生とも関連がある。
【0206】
本発明の薬学的組成物は、薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤をさらに含むことができる。これらの薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤は、非自然的に発生したものであってもよい。
【0207】
本発明において、用語「薬学的に許容可能な」とは、治療効果を示すことができるほどの十分な量と副作用を起こさないことを意味し、疾患の種類、患者の年齢、体重、健康、性別、患者の薬物に対する感度、投与経路、投与方法、投与回数、治療期間、配合または同時使用される薬物など医学分野でよく知られている要素に応じて、当業者によって容易に決定することができる。
【0208】
本発明のペプチドを含む薬学的組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含むことができる。前記担体は、特にこれに限定されないが、経口投与の際には、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、賦形剤、可溶化剤、分散剤、安定化剤、懸濁化剤、色素、香料などを使用することができ、注射剤の場合には、緩衝剤、保存剤、無痛化剤、可溶化剤、等張化剤、安定化剤などを混合して使用することができ、局所投与用の場合には、基剤、賦形剤、潤滑剤、保存剤などを使用することができる。
【0209】
本発明の組成物の剤形は、上述したような薬学的に許容可能な担体と混合して多様に製造することができる。例えば、経口投与の際には、錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、サスペンション、シロップ、ウェーハなどの形態で製造することができ、注射剤の場合には、単位投薬アンプルまたは多数回の投薬形態で製造することができる。その他、溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル、徐放性製剤などに剤形化することができる。
【0210】
一方、製剤化に適した担体、賦形剤及び希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシア、アルギン酸、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウムまたは鉱物油などが使用されてもよい。また、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、防腐剤などをさらに含むことができる。
【0211】
また、本発明の薬学的組成物は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤、滅菌された水溶液、非水性溶剤、凍結乾燥製剤及び坐剤からなる群から選択されるいずれか一つの剤形を有することができる。
【0212】
また、前記組成物は、薬学的分野において通常の方法によって、患者の身体内投与に適した単位投与型の製剤、具体的には、タンパク質医薬品の投与に有用な製剤形態で剤形化し、当業界において通常使用される投与方法を用いて経口、または皮膚、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、髄膜腔内、心室内、肺、経皮、皮下、腹内、鼻腔内、消化管内、局所、舌下、膣内または直腸の経路を含む非経口投与経路によって投与することができるが、これらに限定されるものではない。
【0213】
また、前記結合体は、生理食塩水または有機溶媒のような薬剤として許容された種々の伝達体(carrier)と混合して使用することができ、安定性や吸水性を増加させるためにグルコース、スクロースまたはデキストランのような炭水化物、アスコルビン酸(ascorbic acid)またはグルタチオンのような抗酸化剤(antioxidants)、キレート剤、低分子タンパク質または他の安定化剤(stabilizers)などが薬剤として使用されてもよい。
【0214】
本発明の薬学的組成物の投与量と回数は治療疾患、投与経路、患者の年齢、性別、体重、及び疾患の重篤度などの種々の関連因子とともに、活性成分である薬物の種類に応じて決定される。
【0215】
本発明の組成物の総有効量は、単一投与量(single dose)で患者に投与されてもよく、複数回投与(multiple dose)で長期間投与される分割治療方法(fractionated treatment protocol)によって投与されてもよい。本発明の薬学的組成物は、疾患の程度に応じて、有効成分の含有量を異にすることができる。具体的には、本発明の結合体の望ましい全体用量は一日に患者の体重1kg当たり約0.0001mg〜500mgであり得る。しかし、前記結合体の用量は、薬学的組成物の投与経路及び治療回数だけでなく、患者の年齢、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食物や排泄率など、種々の要因を考慮して、患者の有効投与量が決定されるため、このような点を考慮すると、当分野における通常の知識を有する者であれば、前記本発明の組成物の特定の用途に応じた適切な有効投与量を決定することができる。本発明に係る薬学的組成物は、本発明の効果を示す限り、その剤形、投与経路及び投与方法に特に制限されない。
【0216】
本発明の薬学的組成物は、生体内持続性と力価が優れるため、本発明の薬学的製剤の投与回数と頻度を著しく減少させることができる。
【0217】
本発明を具現する他の態様は、前記結合体またはこれを含む組成物を、これを必要とする個体に投与する段階を含む、前記結合体またはこれを含む組成物が目的とする疾患を治療する方法を提供する。
【0218】
前記結合体またはそれを含む組成物は、先に説明した通りである。
【0219】
前記疾患は、メタボリックシンドロームであり得る。
【0220】
本発明で、前記個体は、メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)が疑われる個体であり、前記メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)の疑いのある個体は、その疾患が発症又は発症する可能性があるヒトを含むマウス、家畜などを含む哺乳動物を意味するが、本発明の結合体、あるいはこれを含む組成物で治療可能な個体は、制限なく含まれる。
【0221】
本発明の方法は、前記結合体を含む薬学的組成物を薬学的有効量で投与することを含むことができる。適切な総1日使用量は、正しい医学的判断の範囲内で処置医によって決定することができ、1回または多数回に分けて投与することができる。しかし、本発明の目的上、特定の患者のための特定の治療的有効量は、達成しようとする反応の種類と程度、場合によっては、他の製剤が使用されるかどうかを含め、具体的組成物、患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別及び食餌、投与時間、投与経路、及び組成物の比率、治療期間、具体的組成物とともに使用されたり、同時使用される薬剤をはじめとする多様な因子と医薬分野においてよく知られている同様の因子に応じて異なって適用することが望ましい。
【0222】
本発明を具現する他の態様は、薬剤の製造に使用するための、前記結合体またはこれを含む組成物の用途を提供する。
【0223】
前記結合体またはそれを含む組成物は、先に説明した通りである。
【0224】
前記薬剤は、メタボリックシンドロームの予防または治療用であってもよい。
【0225】
以下、下記の実施例により本発明をより詳しく説明する。但し、下記実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0226】
実施例1:三重活性体の製造
GLP−1、GIP及びグルカゴン受容体のすべてに活性を示す三重活性体を製造して、下記表1にその配列を示した。
【0227】
【表1】
【0228】
前記表1に記載された配列のXで示されるアミノ酸は、非天然型アミノ酸であるAib(aminoisobutyric acid)であり、下線で示されるアミノ酸は下線で示されるアミノ酸が互いに環を形成することを意味する。また、前記表1において、CAは4−イミダゾアセチル(4-imidazoacetyl)を、Yはチロシンを意味する。
【0229】
実施例2:三重活性体の持続型結合体の製造
両末端にそれぞれマレイミド基及びアルデヒド基を有する10kDaのPEG、すなわち、マレイミド−PEG−アルデヒド(10kDa、NOF、日本)を実施例1の三重活性体(配列番号21、22、42、43、50、77、及び96)のシステイン残基にPEG化させるために、三重活性体とマレイミド−PEG−アルデヒドのモル比を1:1〜3、タンパク質の濃度を1〜5mg/mlにして、低温で0.5〜3時間反応させた。この際、反応は50mM Tris緩衝液(pH7.5)に20〜60%のイソプロパノールが添加された環境下で行われた。反応が終了した後、前記反応液をSPセファロースHP(GE healthcare、米国)に適用してシステインにモノPEG化された三重活性体を精製した。
【0230】
次に、前記精製されたモノPEG化された三重活性体と免疫グロブリンFcをモル比を1:1〜5、タンパク質の濃度を10〜50mg/mlにして、4〜8℃で12〜18時間反応させた。反応は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に還元剤である10〜50mMシアノ水素化ホウ素ナトリウムと10〜30%のイソプロパノールが添加された環境下で行われた。反応が終了した後、前記反応液をブチルセファロースFF精製カラム(GE healthcare、米国)とSource ISO精製カラム(GE healthcare、米国)に適用し、三重活性体と免疫グロブリンFcを含む結合体を精製した。
【0231】
製造の後、逆相クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、及びイオン交換クロマトグラフィーで分析した純度は95%以上であった。
【0232】
ここで、配列番号21の三重活性体及び免疫グロブリンFcがPEGを通じて連結された結合体を、「配列番号21の免疫グロブリンFcを含む結合体」あるいは「配列番号21の持続型結合体」と命名し、これらは本願で混用して使用することができる。
【0233】
ここで、配列番号22の三重活性体及び免疫グロブリンFcがPEGを通じて連結された結合体を、「配列番号22と免疫グロブリンFcを含む結合体」あるいは「配列番号22の持続型結合体」と命名し、これらは本願で混用して使用することができる。
【0234】
ここで、配列番号42の三重活性体及び免疫グロブリンFcがPEGを通じて連結された結合体を、「配列番号42と免疫グロブリンFcを含む結合体」あるいは「配列番号42の持続型結合体」と命名し、これらは本願で混用して使用することができる。
【0235】
ここで、配列番号43の三重活性体及び免疫グロブリンFcがPEGを通じて連結された結合体を、「配列番号43の免疫グロブリンFcを含む結合体」あるいは「配列番号43の持続型結合体」と命名し、これらは本願で混用して使用することができる。
【0236】
ここで、配列番号50の三重活性体及び免疫グロブリンFcがPEGを通じて連結された結合体を、「配列番号50の免疫グロブリンFcを含む結合体」あるいは「配列番号50の持続型結合体」と命名し、これらは本願で混用して使用することができる。
【0237】
ここで、配列番号77の三重活性体及び免疫グロブリンFcがPEGを通じて連結された結合体を、「配列番号77と免疫グロブリンFcを含む結合体」あるいは「配列番号77の持続型結合体」と命名し、これらは本願で混用して使用することができる。
【0238】
ここで、配列番号96の三重活性体及び免疫グロブリンFcがPEGを通じて連結された結合体を、「配列番号96の免疫グロブリンFcを含む結合体」あるいは「配列番号96の持続型結合体」と命名し、これらは本願で混用して使用することができる。
【0239】
実験例1:三重活性体及びその持続型結合体のin vitro活性の測定
前記実施例1及び2で製造された三重活性体及びその持続型結合体の活性を測定するためにGLP−1受容体、グルカゴン(GCG)受容体、及びGIP受容体がそれぞれ形質転換された細胞株を用いて、in vitroで細胞活性を測定する方法を用いた。
【0240】
前記各細胞株は、CHO(chinese hamster ovary)にヒトGLP−1受容体、ヒトGCG受容体及びヒトGIP受容体遺伝子をそれぞれ発現するように形質転換されたものであり、GLP−1、GCG及びGIPの活性を測定するのに適している。したがって、各部分に対する活性をそれぞれの形質転換細胞株を用いて測定した。
【0241】
前記実施例1と2で製造された三重活性体及びその持続型結合体のGLP−1活性の測定のために、ヒトGLP−1を50nMから4倍ずつ0.000048nMまで連続的に希釈し、前記実施例1と2で製造された三重活性体及びその持続型結合体を400nMから4倍ずつ0.00038nMまで連続的に希釈した。前記培養されたヒトGLP−1受容体が発現されたCHO細胞から培養液を除去し、連続的に希釈された各物質を5μlずつ前記細胞に添加した後、cAMP抗体が含まれた緩衝液を5μlずつ追加した後、15分間室温で培養した。その後、細胞溶解緩衝液(cell lysis buffer)が含まれたdetection mixを10μlずつ加え、細胞を溶解させ、90分間室温で反応させた。前記反応が完了した細胞溶解物をLANCE cAMP kit(PerkinElmer、USA)に適用して蓄積されたcAMPを通じてEC
50値を算出した後、相互比較した。ヒトGLP−1対比相対力価は表2と表3に示した。
【0242】
前記実施例1と2で製造された三重活性体及びその持続型結合体のGCG活性の測定のために、ヒトGCGを50nMから4倍ずつ0.000048nMまで連続的に希釈し、前記実施例1と2で製造された三重活性体とその持続型結合体を400nMから4倍ずつ0.00038nMまで連続的に希釈した。前記培養されたヒトGCG受容体が発現されたCHO細胞から培養液を除去し、連続的に希釈された各物質を5μlずつ前記細胞に添加した後、cAMP抗体が含まれた緩衝液を5μlずつ追加した後、15分間室温で培養した。その後、細胞溶解緩衝液(cell lysis buffer)が含まれたdetection mixを10μlずつ加え、細胞を溶解させ、90分間室温で反応させた。前記反応が完了した細胞溶解物をLANCE cAMP kit(PerkinElmer、USA)に適用して蓄積されたcAMPを通じてEC
50値を算出した後、相互比較した。ヒトGCG対比相対力価は表2と表3に示した。
【0243】
前記実施例1と2で製造された三重活性体及びその持続型結合体のGIP活性の測定のために、ヒトGIPを50nMから4倍ずつ0.000048nMまで連続的に希釈し、前記実施例1と2で製造された三重活性体とその持続型結合体を400nMから4倍ずつ0.00038nMまで連続的に希釈した。前記培養されたヒトGIP受容体が発現されたCHO細胞から培養液を除去し、連続的に希釈された各物質を5μlずつ前記細胞に添加した後、cAMP抗体が含まれた緩衝液を5μlずつ追加した後、15分間室温で培養した。その後、細胞溶解緩衝液(cell lysis buffer)が含まれたdetection mixを10μlずつ加え、細胞を溶解させ、90分間室温で反応させた。前記反応が完了した細胞溶解物をLANCE cAMP kit(PerkinElmer、USA)に適用して蓄積されたcAMPを通じてEC
50値を算出した後、相互比較した。ヒトGIP対比相対力価は表2と表3に示した。
【0244】
【表2】
【0245】
【表3】
【0246】
前記で製造した新規な三重活性体持続型結合体は、GLP−1受容体、GIP受容体及びグルカゴン受容体をすべて活性化させることができる三重活性体の機能を有するところ、糖尿病や肥満などを含むメタボリックシンドローム患者の治療剤物質として使用することができる。
【0247】
実験例2:三重活性体持続型結合体のin vivo活性の測定
肥満動物モデルとして広く使われている高脂肪の食餌誘導肥満マウスを、この研究のために使用した。マウスの体重は、投与前に、約40〜60gであった。研究期間中にマウスは群別に収容され、水に自由に接近できるようした。光は6AMから6 PMまでオフにして置いた。
【0248】
高脂肪の食餌が供給された試験群は、群1:賦形剤(2日に1回注射)−高脂肪の食餌誘導肥満マウス対照群、群2:配列番号42の持続型結合体1.44nmol/kg(2日に1回注射)、群3:配列番号42の持続型結合体2.88nmol/kg(2日に1回注射)、群4:配列番号43の持続型結合体1.44nmol/kg(2日に1回注射)、群5:配列番号43の持続型結合体2.88nmol/kg(2日に1回注射)、群6:配列番号50の持続型結合体1.44nmol/kg(2日に1回注射)、群7:配列番号50の持続型結合体2.88nmol/kg(2日に1回注射)がある。実験は28日目終了し、実験が行われている間、2日単位で各群に対応するマウスの体重の変化を測定した。実験が終了した後、剖検を通じて腸間膜脂肪量を測定した。統計処理は、1元ANOVAを使用して高脂肪の食餌誘導肥満マウス対照群と試験群の間を比較した。
【0249】
体重の変化を測定した結果、
図1で確認できるように、配列番号42、43、及び50の持続型結合体の大容量投与群すべてが投与開始前に比べてそれぞれ−56.9%、−57.0%と−63.5%の体重減少を示した。
【0250】
また、腸間膜脂肪量を測定した結果、
図2で確認できるように、配列番号42、43、及び50の持続型結合体の大容量投与群すべてが賦形剤投与群との比較で、体内の脂肪が有意に減少することが確認された。
【0251】
以上の説明から、本発明が属する技術分野の当業者であれば、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施されることを理解できるだろう。これに関連し、以上で記述した実施例はあくまで例示的なものであり、限定的なものでないことを理解すべきである。本発明の範囲は前記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導かれるあらゆる変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈すべきである。
次に、本発明の好ましい態様を示す。
1. 下記化学式(1)で示される、結合体:
X−La−F・・・・・(1)
ここで、Xは、グルカゴン受容体、GLP−1(Glucagon-like peptide-1)受容体、及びGIP(Glucose-dependent insuliontropic polypeptide)受容体に対して活性を有する、ペプチドであり;
Lは、リンカーであり;
aは、0または自然数であり、ただし、aが2以上であるとき、それぞれのLは互いに独立しており;
Fは、Xの半減期を増加させる物質である。
2. 前記Xは、天然型グルカゴン配列で少なくとも1つ以上のアミノ酸に置換(substitution)、追加(addition)、除去(deletion)、修飾(modification)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択された変形が起こった、天然型グルカゴンのアナログである、上記1に記載の結合体。
3. 追加されるアミノ酸配列は、天然型GLP−1、天然型GIP、または天然型エキセンジン−4アミノ酸配列に由来する、上記2に記載の結合体。
4. 前記Xは、下記一般式1で示されるアミノ酸配列を含むペプチドである、上記1に記載の結合体:
Xaa1−Xaa2−Xaa3−Gly−Thr−Phe−Xaa7−Ser−Asp−Xaa10−Ser−Xaa12−Xaa13−Xaa14−Xaa15−Xaa16−Xaa17−Xaa18−Xaa19−Xaa20−Xaa21−Phe−Xaa23−Xaa24−Trp−Leu−Xaa27−Xaa28−Xaa29−Xaa30−R1(一般式1、配列番号103)
前記一般式1において、
Xaa1はヒスチジン(His、H)、4−イミダゾアセチル(CA)、またはチロシン(Tyr、Y)であり、
Xaa2はグリシン(Gly、G)、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAib(aminoisobutyric acid)であり、
Xaa3はグルタミン酸(Glu、E)またはグルタミン(Gln、Q)であり、
Xaa7はトレオニン(Thr、T)またはイソロイシン(Ile、I)であり、
Xaa10はロイシン(Leu、L)、チロシン(Tyr、Y)、リジン(Lys、K)、システイン(Cys、C)、またはバリン(Val、V)であり、
Xaa12はリジン(Lys、K)、セリン(Ser、S)、またはイソロイシン(Ile、I)であり、
Xaa13はグルタミン(Gln、Q)、チロシン(Tyr、Y)、アラニン(Ala、A)、またはシステイン(Cys、C)であり、
Xaa14はロイシン(Leu、L)、チオニン(Met、M)、またはチロシン(Tyr、Y)であり、
Xaa15はシステイン(Cys、C)、アスパラギン酸(Asp、D)、グルタミン酸(Glu、E)、またはロイシン(Leu、L)であり、
Xaa16はグリシン(Gly、G)、グルタミン酸(Glu、E)、またはセリン(Ser、S)であり、
Xaa17はグルタミン(Gln、Q)、アルギニン(Arg、R)、イソロイシン(Ile、I)、グルタミン酸(Glu、E)、システイン(Cys、C)、またはリジン(Lys、K)であり、
Xaa18はアラニン(Ala、A)、グルタミン(Gln、Q)、アルギニン(Arg、R)、またはヒスチジン(His、H)であり、
Xaa19はアラニン(Ala、A)、グルタミン(Gln、Q)、システイン(Cy
s、C)、またはバリン(Val、V)であり、
Xaa20はリジン(Lys、K)、グルタミン(Gln、Q)、またはアルギニン(
Arg、R)であり、
Xaa21はグルタミン酸(Glu、E)、グルタミン(Gln、Q)、ロイシン(L
eu、L)、システイン(Cys、C)、またはアスパラギン酸(Asp、D)であり、
Xaa23はイソロイシン(Ile、I)またはバリン(Val、V)であり、
Xaa24はアラニン(Ala、A)、グルタミン(Gln、Q)、システイン(Cy
s、C)、アスパラギン(Asn、N)、アスパラギン酸(Asp、D)、またはグルタ
ミン酸(Glu、E)であり、
Xaa27はバリン(Val、V)、ロイシン(Leu、L)、リジン(Lys、K)
、またはメチオニン(Met、M)であり、
Xaa28はシステイン(Cys、C)、リジン(Lys、K)、アラニン(Ala、
A)、アスパラギン(Asn、N)、またはアスパラギン酸(Asp、D)であり、
Xaa29はシステイン(Cys、C)、グリシン(Gly、G)、グルタミン(Gl
n、Q)、トレオニン(Thr、T)、グルタミン酸(Glu、E)、またはヒスチジン
(His、H)であり、
Xaa30はシステイン(Cys、C)、グリシン(Gly、G)、リジン(Lys、
K)、またはヒスチジン(His、H)であるか、不存在であり、
R1はシステイン(Cys、C)、GKKNDWKHNIT(配列番号106)、m−
SSGAPPPS−n(配列番号107)、またはm−SSGQPPPS−n(配列番号
108)であるか、不存在であり、
ここで、mは−Cys−、−Pro−、または−Gly−Pro−であり、
nは−Cys−、−Gly−、−Ser−、または−His−Gly−であるか、不存
在である。
5. Xaa14はロイシンまたはメチオニンであり、
Xaa15はシステイン、アスパラギン酸、またはロイシンである、上記4に記載の
結合体。
6. 前記一般式1において、
Xaa2はグリシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAibであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシン、システイン、またはバリンであり、
Xaa12はリジンまたはイソロイシンであり、
Xaa13はチロシン、アラニン、グルタミン、またはシステインであり、
Xaa14はロイシン、システイン、またはメチオニンであり;
Xaa15はシステイン、ロイシン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸であり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、イソロイシン、システイン、グルタミン酸、ま
たはリジンであり、
Xaa18はアラニン、グルタミン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニン、グルタミン、バリン、またはシステインであり、
Xaa20はリジン、アルギニン、またはグルタミンであり、
Xaa21はグルタミン酸、グルタミン、ロイシン、システイン、またはアスパラギン
酸であり、
Xaa23はイソロイシンまたはバリンであり、
Xaa24はシステイン、アラニン、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸、また
はアスパラギン酸であり、
Xaa27はロイシンまたはリジンである、上記4に記載の結合体。
7. 前記Xは、下記一般式2で示されるアミノ酸配列を含むペプチドである、上記4に記載の結合体:
Xaa1−Xaa2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Xaa10−Ser−Lys−Xaa13−Xaa14−Xaa15−Xaa16−Xaa17−Xaa18−Xaa19−Xaa20−Xaa21−Phe−Xaa23−Xaa24−Trp−Leu−Leu−Xaa28−Xaa29−Xaa30−Xaa31−Ser−Ser−Gly−Gln−Pro−Pro−Pro−Ser−Xaa40(一般式2、配列番号104)
前記式において、
Xaa1は4−イミダゾアセチル、ヒスチジン、またはチロシンであり、
Xaa2はグリシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAibであり、
Xaa10はチロシン、またはシステインであり、
Xaa13はアラニン、グルタミン、チロシン、またはシステインであり、
Xaa14はロイシン、メチオニン、またはチロシンであり、
Xaa15はアスパラギン酸、グルタミン酸、またはロイシンであり、
Xaa16はグリシン、グルタミン酸、またはセリンであり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、イソロイシン、グルタミン酸、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、グルタミン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニン、グルタミン、システイン、またはバリンであり、
Xaa20はリジン、グルタミン、またはアルギニンであり、
Xaa21はシステイン、グルタミン酸、グルタミン、ロイシン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はイソロイシンまたはバリンであり、
Xaa24はシステイン、アラニン、グルタミン、アスパラギン、またはグルタミン酸であり、
Xaa28はリジン、システイン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa29はグリシン、グルタミン、システイン、またはヒスチジンであり、
Xaa30はシステイン、グリシン、リジン、またはヒスチジンであり、
Xaa31はプロリンまたはシステインであり;
Xaa40はシステインであるか、不存在である。
8. 前記一般式1において、
Xaa2はグリシン、アルファ−メチル−グルタミン酸、またはAibであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシン、システイン、またはバリンであり、
Xaa12はリジンまたはイソロイシンであり、
Xaa13はチロシン、アラニン、またはシステインであり、
Xaa14はロイシンまたはメチオニンであり、
Xaa15はシステインまたはアスパラギン酸であり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、イソロイシン、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニン、グルタミン、またはシステインであり、
Xaa20はリジンまたはグルタミンであり、
Xaa21はグルタミン酸、システイン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はバリンであり、
Xaa24はアラニン、グルタミン、システイン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa27はロイシンまたはリジンである、上記4に記載の結合体。
9. 前記一般式2において、
Xaa13はアラニン、チロシン、またはシステインであり、
Xaa15は、アスパラギン酸またはグルタミン酸であり、
Xaa17はグルタミン、アルギニン、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa21はシステイン、グルタミン酸、グルタミン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はイソロイシンまたはバリンであり、
Xaa24はシステイン、グルタミン、またはアスパラギンであり、
Xaa28はシステイン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa29はグルタミン、システイン、またはヒスチジンであり、
Xaa30はシステイン、リジン、またはヒスチジンである、上記7に記載の結合体
。
10. 前記一般式1において、
Xaa2はアルファ−メチル−グルタミン酸またはAibであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10は、チロシンまたはシステインであり、
Xaa12はリジンまたはイソロイシンであり、
Xaa13はチロシン、アラニン、またはシステインであり、
Xaa14はロイシンまたはメチオニンであり、
Xaa15はシステインまたはアスパラギン酸であり、
Xaa16はグルタミン酸であり、
Xaa17はアルギニン、イソロイシン、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニン、アルギニン、またはヒスチジンであり、
Xaa19はアラニン、グルタミン、またはシステインであり、
Xaa20はリジンまたはグルタミンであり、
Xaa21はグルタミン酸またはアスパラギン酸であり、
Xaa23はバリンであり、
Xaa24はグルタミン、アスパラギン、またはアスパラギン酸であり、
Xaa27はロイシンであり、
Xaa28はシステイン、アラニン、アスパラギン、またはアスパラギン酸である、請
求項4に記載の結合体。
11. 前記一般式1において、
Xaa1はヒスチジンまたは4−イミダゾアセチルであり、
Xaa2はアルファ−メチル−グルタミン酸またはAibであり、
Xaa3はグルタミンであり、
Xaa7はトレオニンであり、
Xaa10はチロシンであり、
Xaa12はイソロイシンであり、
Xaa13はアラニンまたはシステインであり、
Xaa14はメチオニンであり、
Xaa15はアスパラギン酸であり、
Xaa16はグルタミン酸であり、
Xaa17はイソロイシンまたはリジンであり、
Xaa18はアラニンまたはヒスチジンであり、
Xaa19はグルタミンまたはシステインであり、
Xaa20はリジンであり、
Xaa21はアスパラギン酸であり、
Xaa23はバリンであり、
Xaa24はアスパラギンであり、
Xaa27はロイシンであり、
Xaa28はアラニンまたはアスパラギンであり、
Xaa29はグルタミンまたはトレオニンであり、
Xaa30はシステインまたはリジンであるか、不存在である、上記4に記載の結合体。
12. 前記Xは、下記一般式3のアミノ酸配列を含むペプチドである、上記4に記載の結合体:
Xaa1−Xaa2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Xaa13−Leu−Asp−Glu−Xaa17−Xaa18−Xaa19−Lys−Xaa21−Phe−Val−Xaa24−Trp−Leu−Leu−Xaa28−Xaa29−Xaa30−Xaa31−Ser−Ser−Gly−Gln−Pro−Pro−Pro−Ser−Xaa40(一般式3、配列番号105)、
前記一般式3において、
Xaa1はヒスチジンまたはチロシンであり、
Xaa2はアルファ−メチル−グルタミン酸またはAibであり、
Xaa13はアラニン、チロシンまたはシステインであり、
Xaa17はアルギニン、システイン、またはリジンであり、
Xaa18はアラニンまたはアルギニンであり、
Xaa19はアラニンまたはシステインであり、
Xaa21はグルタミン酸またはアスパラギン酸であり、
Xaa24はグルタミンまたはアスパラギンであり、
Xaa28はシステインまたはアスパラギン酸であり、
Xaa29はシステイン、ヒスチジン、またはグルタミンであり、
Xaa30はシステインまたはヒスチジンであり、
Xaa31はプロリンまたはシステインであり、
Xaa40はシステインまたは不存在である。
13. 前記R1はシステイン、GKKNDWKHNIT(配列番号106)、CSSGQPPPS(配列番号109)、GPSSGAPPPS(配列番号110)、GPSSGAPPPSC(配列番号111)、PSSGAPPPS(配列番号112)、PSSGAPPPSG(配列番号113)、PSSGAPPPSHG(配列番号114)、PSSGAPPPSS(配列番号115)、PSSGQPPPS(配列番号116)、またはPSSGQPPPSC(配列番号117)であるか、不存在である、上記4に記載の結合体。
14. 前記一般式において、N末端から16番目のアミノ酸と20番目のアミノ酸は、互いに環を形成する、上記4〜13のいずれか一項に記載の結合体。
15. 前記Xは、配列番号:1〜102からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むペプチドである、上記1に記載の結合体。
16. 前記Fは高分子重合体、脂肪酸、コレステロール、アルブミン及びその断片、アルブミン結合物質、特定のアミノ酸配列の繰り返し単位の重合体、抗体、抗体断片、FcRn結合物質、生体内結合組織、ヌクレオチド、フィブロネクチン、トランスフェリン(Transferrin)、糖類(saccharide)、ヘパリン、及びエラスチンからなる群から選択される、上記1〜13のいずれか一項に記載の結合体。
17. 前記高分子重合体は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレン
グリコール−プロピレングリコール共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニ
ルアルコール、多糖類、デキストラン、ポリビニルエチルエーテル、生分解性高分子、脂
質重合体、キチン、ヒアルロン酸、オリゴヌクレオチド及びこれらの組み合わせからなる
群から選択される、上記16に記載の結合体。
18. 前記Fは、免疫グロブリンFc領域である、上記1〜13のいずれか一項に記載の結
合体。
19. 前記FはIgG Fc領域である、上記18に記載の結合体。
20. 前記Lはペプチド、脂肪酸、糖類(saccharide)、高分子重合体、低分子化合物、ヌク
レオチド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、上記1〜13のいずれ
か一項に記載の結合体。
21. 前記高分子重合体は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレン
グリコール−プロピレングリコール共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニ
ルアルコール、多糖類、デキストラン、ポリビニルエチルエーテル、生分解性高分子、脂
質重合体、キチン、ヒアルロン酸、オリゴヌクレオチド及びこれらの組み合わせからなる
群から選択される、上記20に記載の結合体。
22. 前記Lはポリエチレングリコールである、上記1〜13のいずれか一項に記載の結合
体。
23. 上記1〜13のいずれか一項に記載の結合体を含む、メタボリックシンドロームの予
防または治療用薬学的組成物。
24. 前記メタボリックシンドロームは、耐糖能障害、高コレステロール血症、脂質異常症、
肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症による動脈硬化、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化
症、または冠動脈心疾患(冠動脈性心臓病)を含む、上記23に記載の組成物。