特許第6712503号(P6712503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マルカンの特許一覧

<>
  • 特許6712503-ペット用置き炬燵 図000002
  • 特許6712503-ペット用置き炬燵 図000003
  • 特許6712503-ペット用置き炬燵 図000004
  • 特許6712503-ペット用置き炬燵 図000005
  • 特許6712503-ペット用置き炬燵 図000006
  • 特許6712503-ペット用置き炬燵 図000007
  • 特許6712503-ペット用置き炬燵 図000008
  • 特許6712503-ペット用置き炬燵 図000009
  • 特許6712503-ペット用置き炬燵 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6712503
(24)【登録日】2020年6月3日
(45)【発行日】2020年6月24日
(54)【発明の名称】ペット用置き炬燵
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20200615BHJP
【FI】
   A01K29/00
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-111801(P2016-111801)
(22)【出願日】2016年6月3日
(65)【公開番号】特開2017-216895(P2017-216895A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2019年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】594033846
【氏名又は名称】株式会社マルカン
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(72)【発明者】
【氏名】松本 幸彦
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−239771(JP,A)
【文献】 特開平09−189424(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3152354(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3201059(JP,U)
【文献】 特開平07−255580(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3118224(JP,U)
【文献】 ねとらぼ,猫の快適さを追求した多機能アイテム「どこでもにゃんこトンネル」誕生!,2015年10月23日,p.1-2,URL,https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1510/23/news046.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/00−99/00
A47G 9/02
F24C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に載置される櫓状枠体と、周縁部が前記設置面に当接する状態で前記櫓状枠体を被覆可能な炬燵掛布と、この炬燵掛布の周縁部のうち少なくとも一部の縁部に設けられ当該縁部を上方に持ち上げる持ち上げ手段とを備え
前記持ち上げ手段は、前記縁部に沿って配設され変形することにより当該縁部の形状を繰り返し造形可能な保形材であり、
前記炬燵掛布は、前記櫓状枠体を覆う掛布本体と、帯状に構成されるとともに幅方向両端部がそれぞれ前記掛布本体の周縁部における表裏両面に取り付けられたヘム部とを備え、
前記ヘム部は、前記保形材の長さ寸法に応じて仕切られることにより一方向に延びるとともに内部に前記保形材を着脱自在に収容できる収納空間を有し、この収納空間の長手方向一端から偏位した位置に前記収納空間に前記保形材を挿入するための連通孔が設けられていることを特徴とするペット用置き炬燵。
【請求項2】
前記保形材は、塑性変形する金属製の棒状体であることを特徴とする請求項記載のペット用置き炬燵。
【請求項3】
前記炬燵掛布は平面視矩形状に構成され、前記保形材は前記炬燵掛布の長辺に沿って配設されていることを特徴とする請求項または請求項記載のペット用置き炬燵。
【請求項4】
前記櫓状枠体は、上部にペットを載置可能な天板と、この天板を支持する脚部とを備え、前記天板は、中央領域に前記ペットの少なくとも一部を収容可能な凹部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のペット用置き炬燵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、猫、犬、ウサギ、フェレットなどのペットのための暖房器具に関し、特に櫓状枠体に炬燵布団が掛けられたペット用置き炬燵に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、対象とするペットの大きさに合わせて人用の置き炬燵よりも小さいペット用置き炬燵が知られている。
【0003】
具体的には、ペット用置き炬燵は、特許文献1に示すように、平面視略矩形状の櫓状台枠と、この台枠の周側面を被覆可能に前記台枠に被せられる炬燵布団とを備えている。前記台枠は、矩形状のヒータ取付板と、このヒータ取付板に取り付けられたヒータと、前記ヒータ取付板の四隅を支持する脚体とを有し、前記ヒータ取付板の下方に対象ペットが低姿勢で入り込み可能な暖房空間が設けられている。このペット用置き炬燵は、上記のように、猫などの対象とするペットの大きさに合わせて小型に構成されており、設置空間を取らないという点で有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−224271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記従来のペット用置き炬燵においては、小型に構成されているために、炬燵布団に覆われた暖房空間が狭くなっており、ペットが完全に暖房空間に入り込み難いという問題があった。
【0006】
すなわち、ペットが櫓状台枠の一側方から炬燵布団を押し込んでヒータ取付板の下方に移動すると、ペットとともに炬燵布団の縁部が暖房空間に入り込み、これによりペットがヒータ取付板の下方に位置した状態であっても、ペットの背中に炬燵布団の縁部が掛かったままの状態となってペットの尻部が外部に露出した状態になることがあった。この炬燵布団の縁部の掛かりを解消するためにペットが更に奥に入り込むと、ヒータ取付板の下方空間である暖房空間を突き抜けて、櫓状台枠の他側方の炬燵布団からペットの頭部が露出することもあった。
【0007】
このように、従来のペット用置き炬燵では、ペットの体に合わせて小型に構成されているために、炬燵布団に覆われた暖房空間にペットの全身が入り込み難く、使い勝手としては十分なものではなかった。
【0008】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、ペットの大きさに合わせて小型に構成された場合でも、ペットの全身が暖房空間に入り易く、使い勝手の良いペット用置き炬燵を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明に係るペット用置き炬燵は、設置面に載置される櫓状枠体と、周縁部が前記設置面に当接する状態で前記櫓状枠体を被覆可能な炬燵掛布と、この炬燵掛布の周縁部のうち少なくとも一部の縁部に設けられ当該縁部を上方に持ち上げる持ち上げ手段とを備え、前記持ち上げ手段は、前記縁部に沿って配設され変形することにより当該縁部の形状を繰り返し造形可能な保形材であり、前記炬燵掛布は、前記櫓状枠体を覆う掛布本体と、帯状に構成されるとともに幅方向両端部がそれぞれ前記掛布本体の周縁部における表裏両面に取り付けられたヘム部とを備え、前記ヘム部は、前記保形材の長さ寸法に応じて仕切られることにより一方向に延びるとともに内部に前記保形材を着脱自在に収容できる収納空間を有し、この収納空間の長手方向一端から偏位した位置に前記収納空間に前記保形材を挿入するための連通孔が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
この発明によれば、設置面に載置される櫓状枠体と、周縁部が前記設置面に当接する状態で前記櫓状枠体を被覆可能な炬燵掛布とを備えるので、この炬燵掛布に覆われた櫓状枠体の内部を基本的に外部から遮蔽されたペット収容空間として構成することができる。しかも、このペット用置き炬燵は、この炬燵掛布の周縁部のうち少なくとも一部の縁部に設けられ当該縁部を上方に持ち上げる持ち上げ手段をも備えるので、この持ち上げ手段を利用して炬燵掛布の周縁部のうち少なくとも一部の縁部を上方に持ち上げると、前記ペット収容空間に通じる開口部を造形することができ、この開口部を通じてペットが入り込む場合には、炬燵掛布の縁部がペットとともにペット収容空間内に入り込み難くなる。これにより、ペット収容空間にペットの全身が入り易くなり、従来のペット用置き炬燵に比べて使い勝手を向上させることができる。
【0011】
この発明において、前記持ち上げ手段は、前記縁部に沿って配設され変形することにより当該縁部の形状を繰り返し造形可能な保形材である。
【0012】
このように構成すれば、前記保形材を変形させることにより、この保形材が配設された炬燵掛布の縁部を自由に造形することができる。このため、ペットの大きさや室温などの使用態様にあわせて自由に開口部の大きさや形状等を変更することができ、状況に応じた適切な使い方が可能となる。
【0013】
この発明において、保形材の具体的構成を特に限定するものではなく、変形することにより繰り返し造形可能なものであれば、複数の棒状単体が一ないし複数のヒンジ部を介して長手方向に連結されて棒状に構成されたものや、弾性変形可能な合成樹脂の棒状体を弾性変形させた状態で敷布などに係合させることにより炬燵掛布の縁部に開口部を設けるもの等であってもよいが、前記保形材は、塑性変形することにより繰り返し造形可能な金属製の棒状体であるのが好ましい。なお、この棒状体には、針金のような線状体も含む概念であり、断面形状も円形だけでなく、楕円形、長円形、矩形状等、種々のものが含まれる。なお、断面形状が楕円形、長円形、矩形状のような偏平形状のものを採用すれば、短手方向への変形が容易であり、変形の方向を制御できることから前記開口部を造形する上で便利である。
【0014】
このように構成すれば、簡易に製作することができるとともに保形性も良好となる。
【0015】
この発明において、前記炬燵掛布の平面視形状は特に限定するものではなく、円形、楕円形、方形等であってもよいが、前記炬燵掛布は平面視矩形状に構成され、前記保形材は前記炬燵掛布の長辺に沿って配設されているのが好ましい。
【0016】
このように構成すれば、炬燵掛布の長辺に沿って保形材を挿入するだけで簡易に製作することができ、保形材を変形させて炬燵内部へ通じる開口部を容易に形成することができる。しかも、ペットが炬燵掛布の短手方向に沿って炬燵内に入り込む際に、前記ペットの一部露出の問題が生じ易いものの、上記構成を採用することにより、保形材が炬燵掛布の長辺に沿って配設され、この長辺部分に開口部が造形されることから、ペットの一部露出の問題を効果的に抑制することができる。
【0017】
この発明において、前記炬燵掛布は、前記保形材を着脱自在に収容可能に構成されている。
【0018】
このように構成すれば、保形材を取り外して炬燵掛布だけを洗濯することができ、取扱いが便利になる。しかも、状況に応じてこの保形材を取り外せば、通常のペット用置き炬燵としても利用することができ、利便性を向上させることができる。
【0019】
この場合、前記炬燵掛布は、前記櫓状枠体を覆う掛布本体と、帯状に構成されるとともに幅方向両端部がそれぞれ前記掛布本体の周縁部における表裏両面に取り付けられたヘム部とを備え、前記保形材は、前記ヘム部の内部に収容されている。
【0020】
このように構成すれば、掛布等に一般に取り付けられるヘム部を利用して保形材の収納空間を構成することができ、簡単かつ安価に製作することができる。
【0021】
さらにこの場合、前記ヘム部は、前記保形材の長さ寸法に応じて仕切られることにより一方向に延びる収納空間を有し、この収納空間の長手方向一端から偏位した位置に前記収納空間に前記保形材を挿入するための連通孔が設けられている。
【0022】
このように構成すれば、収納空間に保形材が収納されることにより炬燵掛布に対する保形材の位置ずれを抑制することができるとともに連通孔を通じて保形材を容易に着脱することができる。しかも、連通孔が収納空間の長手方向一端から偏位した位置に設けられているので、別途連通孔を閉塞する閉塞手段を設けなくても、連通孔を通じて不測に保形材が脱落することもなく、簡単な構成で保形材を着脱自在に炬燵掛布に取り付けることができる。
【0023】
この発明において、前記櫓状枠体の具体的形状については特に限定するものではないが、前記櫓状枠体は、上部にペットを載置可能な天板と、この天板を支持する脚部とを備え、前記天板は、中央領域に前記ペットの少なくとも一部を収容可能な凹部が設けられているのが好ましい。
【0024】
このように構成すれば、ペットが天板上で休むことができ、この凹部に沿ってペットの体の少なくとも一部を収容することができるので、天板上におけるペットの居心地を向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るペット用置き炬燵によれば、この持ち上げ手段を利用して炬燵掛布の周縁部のうち少なくとも一部の縁部を上方に持ち上げると、櫓状枠体の下方のペット収容空間に通じる開口部を造形することができ、この開口部を通じてペット収容空間にペットの全身が入り易くなり、従来のペット用置き炬燵に比べて使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係るペット用置き炬燵を示す斜視図である。
図2】同置き炬燵を示す正面図である。
図3】敷布を示す平面図である。
図4】同置き炬燵の櫓状枠体を示す斜視図である。
図5】同櫓状枠体とヒータとを示す分解斜視図である。
図6】ヒータを取り付けた状態で櫓状枠体を示す断面図である。
図7】炬燵掛布を示す平面図である。
図8】炬燵掛布の一部を拡大して示す断面図である。
図9】保形用ワイヤの一部を拡大して示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態のペット用置き炬燵のヒータは、櫓状枠体に取り付けられたものを示すが、櫓状枠体と別個に設けられたもの、例えばペット用又は人用のホットカーペットやパネルヒータ等であっても良く、或いは住宅用設備として備えられた床暖房装置などを利用しても良い。また、本実施形態では対象となるペットを猫として説明するが、この対象となるペットは、猫に限定されるものではなく、犬、ウサギ、ハムスター、フェレット等、愛玩用動物が広く含まれる。
【0028】
図1は本実施形態のペット用置き炬燵を示す斜視図であり、図2は正面図である。
【0029】
本実施形態のペット用置き炬燵1は、床面Fに敷設されることにより設置面の一部を構成する敷布2と、この敷布2上に載置される櫓状枠体3と、この櫓状枠体3に取り付けられるヒータ7(図5参照)と、周縁部が敷布2及び床面Fを含めた設置面に当接する状態で櫓状枠体3を被覆する炬燵布団8(炬燵掛布に対応)と、この炬燵布団8の一縁部に沿って配設された保形用ワイヤ9(持ち上げ手段、保形材に対応)とを備え、炬燵布団8に覆われた櫓状枠体3の下方の収容空間3aに猫が入り込めるように構成されている。
【0030】
図3は敷布を示す平面図である。敷布2は、床面Fに敷かれて収容空間3aにおける猫の快適性を向上させるためのシート状部材である。
【0031】
本実施形態では、敷布2は、櫓状枠体3の平面視大きさに対応する平面視略矩形状に構成された生地から構成されている。具体的には、この敷布2は、平面視矩形状の敷布本体21と、この敷布本体21の四隅部上面に配設され櫓状枠体3に対して着脱自在に係合される敷布係止部22とを備える。敷布本体21は、ポリエステル等の合成繊維からなる布または織物等の布帛を加工して作製されるが、発泡材などを用いたマット状部材として構成されるものであっても良い。一方、敷布係止部22は、本実施形態では面状ファスナとして構成され、櫓状枠体3の後述する脚部5の底面に設けられた枠体係止部53と着脱自在に係合する。なお、本発明において、この敷布2は適宜省略することができる。
【0032】
櫓状枠体3は、炬燵布団8が掛けられ、内部に暖房空間(収容空間3a)を形成するための櫓状体であり、概略、天板4とこの天板4を支える脚部5とを有する枠体として構成されている。図4は櫓状枠体を上方から示す斜視図であり、図5は櫓状枠体とヒータとを示す分解斜視図である。また、図6は、ヒータを取り付けた状態で櫓状枠体3を示す縦断面図である。
【0033】
具体的には、櫓状枠体3は、平面視略矩形状に構成され下部にヒータ7が取り付けられる天板4と、天板4の四隅部から下方に延びて天板4を設置面に対して支持する脚部5と、天板4の下面に取り付けられたヒータ7を覆う被覆網部6とを備え、天板4の下方に猫が収容可能に構成されている。
【0034】
天板4は、矩形板状の天板本体41と、天板本体41の外周縁から下方に延びる外縁リブ42と、外縁リブ42の内側における天板本体41の下面から下方に延びるとともに被覆網部6の外周縁部が当接される網用リブ43と、この網用リブ43の内側における天板本体41の下面から下方に延びるとともにヒータ7の外周縁部が当接されるヒータ用リブ44と、天板本体41の下面から下方に延び各リブ42〜44を繋ぐ補強リブ45と、天板本体41の下面における四隅部であって外縁リブ42と網用リブ43との間に天板本体41から下方に延びて脚部5の上端部が嵌合される嵌合ボス部46とを備えている。
【0035】
天板本体41は、猫の標準的な大きさに応じて寸法設計されており、上面に猫を載置可能で、かつ収容空間3aに猫を収容可能に構成されている。例えば、天板本体41の大きさは、短辺が250mm〜500mm、長辺が350mm〜600mmに設定されている。なお、短辺と長辺とが同一長さの正方形状に構成されているものであっても良い。
【0036】
この天板本体41は、上面の中央領域が下方に凹んだ凹部41aが設けられている。この凹部41aは、体を押し付けて落ち着かせるという猫の習性を利用して、天板4上の猫の居心地を向上させるためのものである。本実施形態では、凹部41aは、平面視が天板本体41の外周に応じた形状を呈し、外周縁部になだらかな傾斜面を有する浅皿状に構成されている。この凹部41aの深さは、特に限定するものではないが、2mm〜70mmの範囲に設定されるのが好ましい。凹部41aの深さが浅くなると、見栄えが炬燵に近くなり意匠的効果が向上する一方、前記猫の習性を十分に満足させることができないおそれがある。一方、凹部41aが深くなると前記猫の習性を満足させることができるものの、意匠的効果が低減する。このような観点から、凹部41aの深さは、5mm〜50mmの範囲に設定されるのが更に好ましい。また、凹部41aの平面視形状についても特に限定するものではなく、天板本体41の外周に応じた形状に限らず、この外周形状と異なる形状、例えば楕円形状、長円形状等、その他の形状を採用するものであっても良い。
【0037】
天板本体41の上面には、炬燵布団8と係合して炬燵布団8の位置ずれを抑制する第1位置ずれ抑制部48が複数設けられている。本実施形態では、天板本体41の上面における凹部41aの四隅部に、面状ファスナとしての第1位置ずれ抑制部48が設けられている。このように第1位置ずれ抑制部48が凹部41a内に配設されることにより、凹部41a内に沿って炬燵布団8を配設することができ、凹部41a上に猫が載った場合でも炬燵布団8の位置ずれを可及的に抑制することができる。
【0038】
各リブ42〜45は、外縁リブ42、網用リブ43、ヒータ用リブ44、補強リブ45の順で低くなるように設定されている。嵌合ボス部46の周囲にはボス補強リブ47が放射状に設けられている。また、網用リブ43の内側、及びヒータ用リブ44の内側における天板本体41の下面には、それぞれ被覆網部6またはヒータ7を固定する固定具(本実施形態ではねじ)が固定される取付ボス部49が下方に突出した状態で複数箇所に設けられている。本実施形態では、この取付ボス部49の中心部に軸線方向に沿ったネジ孔が設けられている。なお、外縁リブ42、網用リブ43、ヒータ用リブ44には、明示はしていないものの、ヒータ7に接続される電源コードを引き出すための引出用切欠き部が設けられている。
【0039】
脚部5は、天板4を支持するためのものであり、天板4上に猫が載っても耐え得るように設計されるとともに、天板4の下方空間(収容空間3a)に猫が四足で起立した姿勢よりも低姿勢で入り込めるように寸法設計されている。この脚部5は、上端部が嵌合ボス部46に内嵌される筒状の脚部本体51と、この脚部本体51の下端部に取り付けられる脚キャップ部52と、脚キャップ部52の下面に取り付けられ敷布係止部22に着脱自在に係合される枠体係止部53とを備え、この脚部5が天板4に取り付けられた状態で天板4の上面高さが例えば230mm〜450mmの範囲内に設定されている。
【0040】
被覆網部6は、ヒータ7の平面視形状よりも大きく設計され、天板本体41の網用リブ43に内嵌状態に当接するように構成されている。この被覆網部6は、板状の網本体61と、この網本体61の周縁部に立設された周縁リブ62と、周縁リブ62内に設けられた補強用リブ63とを備える。この被覆網部6の網目の大きさは、猫が直接ヒータ7に接触しないように設定されていれば特にその大きさを限定するものではない。
【0041】
網本体61は、各隅部を含めた周縁部にネジ孔61aが設けられ、このネジ孔61aを通してネジが天板4の取付ボス部49のネジ孔にねじ込まれ、これによりヒータ7を天板4に取り付けるものとなされている。
【0042】
ヒータ7は、ペット用暖房の熱源であり、公知の人用またはペット用暖房装置であれば特に限定するものではないが、本実施形態ではパネルヒータが用いられている。具体的には、ヒータ7は、平面視略矩形状の伝熱プレート71と、この伝熱プレート71の上面に蛇行状に配設された発熱線(図示省略)と、伝熱プレート71の下面中央部に設けられた動作ランプ72と、前記発熱線や動作ランプ72に接続された電源コード(図示省略)とを備え、不図示のスイッチによりオンオフ動作されるとともに不図示の温度調節機構により温度調節可能なものである。
【0043】
伝熱プレート71は、各隅部にネジ孔71aが設けられ、このネジ孔71aを通してネジが天板4の取付ボス部49のネジ孔にねじ込まれ、これによりヒータ7を天板4に取り付けるものとなされている。
【0044】
動作ランプ72は、点灯することにより発熱線が作動していることを報知するためのものであり、本実施形態では赤色光を照射する光源(例えばLED)が断熱部材を介して伝熱プレート71の下面に取り付けられている。また、この動作ランプ72の明るさについても、収容空間3a内を照らす程度に明るいものが採用され、赤色光を照射することと相俟って、炬燵の風合いを醸し出すことができる。
【0045】
次に、炬燵布団8について説明する。図7は炬燵布団を示す平面図であり、図8は炬燵掛布の一部を拡大して示す断面図である。
【0046】
炬燵布団8は、周縁部が敷布2及び床面Fを含む設置面に当接する状態、言い換えれば収容空間3aの側方開放部分を閉塞できる状態で、櫓状枠体3を被覆可能に構成されている。具体的には、炬燵布団8は、平面視矩形状に構成され櫓状枠体3を覆う布団本体81(掛布本体に対応)と、この布団本体81の周縁部を縁取りするヘム部82とを備え、櫓状枠体3の全体を被覆して隠蔽可能な寸法に設定されている。
【0047】
布団本体81は、本実施形態ではキルティングを略矩形状に裁断して構成され、角部が円弧状になるように形成されている。また、この布団本体81は、中央部における櫓状枠体3の天板4に対応する位置に肌触りの良い布帛が縫着されて猫が載る上側敷布81aが設けられている。この上側敷布81aの四隅部に対応する布団本体81の裏面側に、天板本体41に設けられた第1位置ずれ抑制部48に対して着脱自在に係合される第2位置連れ抑制部81bが設けられている。この第2位置ずれ抑制部81bは、第1位置ずれ抑制部48と同様に、面状ファスナから構成され、この第1位置連れ抑制部48とともに掛布位置ずれ抑制部として構成されている。
【0048】
ヘム部82は、一方向に細長く形成された帯状部材であり、布団本体81の外周縁を縁取るためにこの外周縁と同等の長さ寸法に設定されている。このヘム部82を構成する帯状部材の長手方向に直交する幅方向の一端部が布団本体81の外周縁部の上面に長手方向に沿って縫着されるとともに、この幅方向中央で折り曲げられることにより帯状部材の幅方向他端部が布団本体81の外周縁部の下面に長手方向に沿って縫着され、これにより、帯状部材の幅方向両端部がそれぞれ布団本体81の外周縁部における表裏両面に取り付けられてヘム部82が構成されている。
【0049】
ヘム部82を構成している帯状部材の長手方向両端部は、図9に示すように、それぞれ折り返されて折返し部82aが構成されている。この一方の折返し部82aは布団本体81の角部から長辺側に偏位した位置に端部が開放した状態で縫着され、他方の折返し部82aは布団本体81の外周縁を周回して一方の折返し部82aに突き合わされて端部が開放された状態で布団本体81に縫着されている。この帯状部材の幅方向両端部は、前記したように、全長に亘って布団本体81に縫着され、内部に筒状空間が形成されている。従って、この筒状空間は、布団本体81の短辺に対応する部分と、長辺に対応する部分とが、それぞれ一対設けられている。この長辺に沿った筒状空間部分のうち、各折返し部82aの突き合わせ部分を含む筒状空間部分の両端部は、当該筒状空間を跨ぐように縫着されて仕切部82bが構成され、この一対の仕切部82bの間の筒状空間が収納空間82cとして構成されている。仕切部82b間の長さ寸法、言い換えれば収納空間82cの長さ寸法は、収納空間3aに通じる開口部を形成するために必要な長さ寸法に設定され、保形用ワイヤ9の長さとの関係では同等ないしは若干長く設定されている。
【0050】
折返し部82aの前記突き合わせ部分は、この収納空間82cに対して長手方向一端から偏位した位置に設けられ、この突き合わせ部分が保形用ワイヤ9を挿入するための連通孔82dとして機能している。この連通孔82dの仕切部82bからの偏位長さは、収納空間82cに保形用ワイヤ9が挿入可能であればその具体的長さは問わないが、保形用ワイヤ9の挿入し易さと不測の脱落を抑制する観点から、保形用ワイヤ9の長さ寸法に対して1〜10%の長さであるのが好ましい。また収納空間82cの長さは、保形用ワイヤ9の長さ寸法に対して同等ないしはそれよりも若干長く形成されているのが好ましい。
【0051】
次に保形用ワイヤ9(保形材に対応)について説明する。図9は、保形用ワイヤの端部を拡大して示す平面図である。
【0052】
保形材は、変形することにより繰り返し造形可能なものであれば、その具体的構成については特に限定するものではないが、本実施形態の保形用ワイヤ9は塑性変形が可能な金属の線材が用いられている。この金属の線材としては、銅、鋼、アルミニウム、黄銅等またはこれらの合金など種々の金属を採用することができ、また単線だけでなく、複数本の線材を撚った撚り線等であっても良い。また、保形用ワイヤ9は、本実施形態では断面円形の単線が採用され、その外径が0.5mm〜20mmの範囲のものが好適に採用される。すなわち、保形用ワイヤ9の外径が小さすぎると、耐久性に欠ける虞があり、一方外径が大きすぎると、塑性変形し難くなる。従って、保形用ワイヤ9の外径は、前記範囲のものを用いるのが好ましい。
【0053】
この保形用ワイヤ9の長さ寸法は、前記したように、炬燵布団8の収納空間82cの長さ寸法との関係で決定される。また、保形用ワイヤ9は、両端部が湾曲状に折り返されて結束部92によって内側部分に固定され、これにより湾曲折返し部91が設けられている。このように、保形用ワイヤ9は、各端部に湾曲折返し部91が設けられているので、収納空間82cへの挿脱が容易になる。なお、この湾曲折返し部91に代えて、保形用ワイヤ9の両端部に先端が丸まった合成樹脂製のキャップ等、収納空間82cに円滑に挿脱させる円滑挿脱部を設けるものであっても良い。
【0054】
この保形用ワイヤ9の材料としては、金属の他、プラスチック等、塑性変形が可能な種々の材料を採用することができる。また、保形用ワイヤ9は、単線、撚り線の他、これらの芯線を合成樹脂やゴム素材などの弾性体等で被覆した被覆線として構成されるものであっても良く、或いは芯線を表面処理したものを用いるものであっても良い。このように、保形用ワイヤ9を弾性体で被覆した場合には、この保形用ワイヤ9の断線を抑制することができるという点で有利である。
【0055】
この保形用ワイヤ9は、炬燵布団8の収納空間82cに挿入されることにより、炬燵布団8の長辺部分に沿って配設され、塑性変形することにより炬燵布団8の長辺部分の形状を繰り返し造形することができる。
【0056】
以上のように構成されたペット用置き炬燵1は、次のようにして組み立てられる。
【0057】
まず、ヒータ7を組み込んだ状態で櫓状枠体3を組み立てる。
【0058】
すなわち、図5図6を参照して、ヒータ7を天板4に取り付ける。具体的には、ヒータ7の外周縁部を天板4の裏面におけるヒータ用リブ44に当接するように配置し、この状態で伝熱プレート71のネジ孔71aを通じて天板4の取付ボス部49にネジ(不図示)をねじ込むことによりヒータ7を天板4に取り付ける。このヒータ7の取付に際し、ヒータ7の電源コード(不図示)は、各リブ42〜44の切欠き部を通じて外部に引き出している。
【0059】
次に、天板4に被覆網部6を取り付ける。具体的には、被覆網部6の周縁リブ62を、天板4の裏面における網用リブ43に内嵌させた状態に、天板4に対して被覆網部6を配置し、この状態で網本体61のネジ孔61aを通じて天板4の取付ボス部49にネジ(不図示)をねじ込むことにより被覆網部6を天板4に取り付ける。この被覆網部6が天板4に取り付けられた状態では、ヒータ7は下方側において被覆網部6に被覆された状態となっている。
【0060】
続いて、天板4に脚部5を取り付ける。具体的には、脚部5の脚部本体51の上端部を天板4の嵌合ボス部46に内嵌し、これを脚部5の本数分繰り返すことにより脚部5を天板4に取り付ける。
【0061】
以上のように組み立てられたヒータ7付き櫓状枠体3に炬燵布団8を取り付ける。具体的には、櫓状枠体3を敷布2上に各係止部55,22とが係合した状態で載置し、この櫓状枠体3の上から炬燵布団8を各位置ずれ抑制部48,81bとが係合する状態で覆い被せる。
【0062】
この状態では、炬燵布団8の周縁部は敷布2及び床面Fを含めた設置面に当接しており、櫓状枠体3の下方空間である収容空間3aの周囲は、炬燵布団8によって囲繞された状態になっている。
【0063】
そして、最後に炬燵布団8に保形用ワイヤ9を取り付ける。具体的には、保形用ワイヤ9の一端を把持して、この一端を炬燵布団8の連通孔82dから炬燵布団8の長辺に沿うように収納空間82cに挿入する(図7では右方に向かって挿入する)。この挿入は、保形用ワイヤ9の一端が仕切部82bに突き当たるまで行う。この突き当たり状態においては、保形用ワイヤ9の他端部は、連通孔82dを通じて外部に露出した状態となっているが、この露出他端部を強引に挿入し続けると保形用ワイヤ9の途中部分が収納空間82c内で曲折されることにより露出他端部を収納空間82c内に挿入することができる。最後に、保形用ワイヤ9の前記曲折部分を真っ直ぐに延ばすことにより保形用ワイヤ9を炬燵布団8の収納空間82c内に収納することができる。
【0064】
なお、本実施形態では、炬燵布団8を櫓状枠体3に覆い被せてから、保形用ワイヤ9を炬燵布団8に取り付けるものとなされているが、炬燵布団8に保形用ワイヤ9を取り付けてからこの炬燵布団8を櫓状枠体3に覆い被せるものであっても良いことは言うまでもない。
【0065】
このように構成されたペット用置き炬燵1の作用について、図1および図2を用いて説明する。
【0066】
まずヒータ7のスイッチ(不図示)をオンにすると、ヒータ7が発熱するとともに動作ランプ72が点灯して収容空間3aが赤く照らされ、これによりヒータ7の動作を確認できるとともに、炬燵の風合いを醸し出すことができる。
【0067】
ヒータ7が作動すると、炬燵布団8に覆われた櫓状枠体3の内部を基本的に外部から遮蔽された収容空間3aとして構成されているので、この収容空間3aを暖めることができるとともに、上側敷布81a上も暖められる。従って、図1に示すように、上側敷布81a上の猫も暖めることができる。
【0068】
この上側敷布81aに猫が載る場合には、この上側敷布81aの下方の天板4に凹部41aが設けられ、この凹部41aに沿って猫が休むことができるので、猫の居心地も良好なものとなる。
【0069】
また、炬燵布団8の周縁部のうち、一の長辺部には、この長辺部に沿って設けられた収納空間82cに保形用ワイヤ9が収納されているので、この長辺部を上方に持ち上げて収容空間3aに通じる開口部を造形することができる。猫は、習性により、この開口部を通じて収容空間3aに入り込み易いので、この開口部を通じて猫が収容空間3aに入り込むと、炬燵布団8の縁部が猫とともに収容空間3aに入り込み難くなる。このため、この開口部を通じて猫の全身が収容空間3aに入り易くなり、従来のペット用置き炬燵に比べて使用勝手が向上する。
【0070】
しかも、保形用ワイヤ9は、塑性変形させることにより、自由に造形可能に構成されているので、収容空間3aに通じる開口部の大きさや形状等を自由に変更することができ、小さい猫の場合や寒い日の場合等には、図1に二点鎖線で示すように、開口部を小さくすることもできる。このように、使用態様にあわせて開口部の大きさや形状等を変更することができるので、状況に応じた適切な使い方が可能になる。
【0071】
また、保形用ワイヤ9は、塑性変形可能な金属製のワイヤから構成され、炬燵布団8のヘム部82を利用して、炬燵布団8の長辺部分に収納空間82cを構成し、この収納空間82cに保形用ワイヤ9を差し込むだけで良いので、簡易、かつ安価に製作することができ、炬燵布団8に対する保形用ワイヤ9の位置ずれを効果的に抑制することができる。しかも、矩形状(長方形状)の炬燵布団8の長辺部分に保形用ワイヤ9が配設されているので、この長辺部分側から収容空間3aに入り込む場合には、収容空間3a内での移動距離が短辺部分側から入り込む場合に比べて短いことから、猫の尻部等一部露出問題を効果的に抑制することができる。
【0072】
しかも、この保形用ワイヤ9は、炬燵布団8に対して着脱することができるので、保形用ワイヤ9を取り外して炬燵布団8だけを洗濯することができ、取扱いが便利である。
【0073】
さらに、連通孔82dが収納空間82cの長手方向一端から偏位した位置に設けられているので、別途、連通孔82dを閉塞する閉塞手段を設けなくても、連通孔82dを通じて不測に保形用ワイヤ9が脱落することもなく、簡単な構成で保形用ワイヤ9を着脱自在に炬燵布団8に取り付けることができる。
【0074】
なお、以上に説明したペット用置き炬燵1は、本発明のペット用置き炬燵の一実施形態であり、その具体的構成等については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、その変形例を説明する。
【0075】
(1)前記実施形態では、持ち上げ手段として、保形用ワイヤ9が採用されているが、炬燵掛布の縁部を持ち上げ可能であれば、その具体的形状を特に限定するものではない。
【0076】
例えば、前記実施形態における炬燵布団8の収納空間82cに代えて、この炬燵布団8の長辺部の中央部分に布等を用いてリング状の環状係合部を設け、この係合部が設けられた縁部から炬燵布団8の中央部側、例えば上側敷布81aの周辺にボタンなどの係止部を設け、この係止手段に環状係合部を引っ掛けることにより、炬燵布団8の縁部を持ち上げるようにしても良い。また、環状係合部及び係止部に代えてそれぞれ面状ファスナを取り付けることによりこの面状ファスナの脱着により炬燵布団8の縁部を持ち上げるようにしても良い。或いは、保形用ワイヤ9に代えて弾性棒を収納空間に挿入し、この弾性棒の両端部を敷布2に設けられた係合部に係合させて湾曲状に造形するものであっても良い。
【0077】
(2)前記実施形態では、櫓状枠体3の天板4が平面視矩形状のものが用いられているが、具体的な形状については特に限定するものではなく、正方形、円形、楕円形等、その他の形状であっても良い。また、脚部5の本数や具体的形状についても4本に限定されることなく、天板4を支持できれば、1本、3本等であっても良い。
【0078】
(3)前記実施形態では、炬燵掛布として、キルティングからなる布団を用いたが布団である必要はなく、一枚の布帛等シート状のものであっても良い。ただし、本実施形態のように炬燵布団を用いることにより収容空間3aの断熱性を向上させることができる。
【0079】
(4)前記実施形態では、炬燵布団8について、布団本体81とヘム部82とを備えて構成され、このヘム部82を利用して収納空間を構成しているが、ヘム部82を適宜省略することもでき、この場合、或いはヘム部と別個独立に保形用ワイヤ9の取付構造を設けるものとしても良い。
【0080】
(5)前記実施形態では、保形材として保形用ワイヤ9を用いているが、このワイヤに代えて他の部材を利用しても良く、保形用ワイヤ9を用いる場合でも断面形状は円形に限定されるものではない。この保形用ワイヤ9の断面形状として、楕円形、長円形、長方形などの偏平な形状を採用した場合には、この断面形状の短い寸法側に変形が容易になることから、屈曲の方向性を制御することもでき、使い勝手を改善することができる。
【0081】
(6)前記実施形態では、標準的な大きさの猫が単体で収容空間3aに収容できる大きさに設定されているが、このペット用置き炬燵の大きさは特に限定するものではなく、標準的体型よりも大きい猫が収容空間に収容可能な大きさや、或いは2匹等、複数の猫が収容空間に収容可能な大きさに設定されるものであっても良い。
【0082】
(7)前記実施形態では、各位置ずれ抑制部48、81bによって、炬燵布団8の櫓状枠体3に対する位置ずれを抑制するものとなされているが、この位置ずれ抑制部の具体的構成については、特に限定するものではなく、例えば、炬燵掛布に設けられた紐を櫓状枠体に結びつけることにより位置ずれを抑制するものであっても良い。
【0083】
(8)前記実施形態では、動作ランプ72を含めてヒータ7が被覆網部6に被覆されるものとなされているが、被覆網部に貫通孔を設け、この貫通孔を通じて動作ランプを下方に突出させるものであっても良い。このように構成すれば、収容空間3aをより効果的に赤色光で照らすことができ、炬燵の風合いをより一層効果的に醸し出すことができる。
【符号の説明】
【0084】
1 ペット用置き炬燵
3 櫓状枠体
3a 収容空間
8 炬燵布団(炬燵掛布)
81 布団本体(掛布本体)
82 ヘム部
82b 仕切部
82c 収納空間
82d 連通孔
9 保形ワイヤ(保形材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9