【文献】
LG Electronics,Feedback information for downlink coordinated scheduling/beamforming,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #59 R1-094792,3GPP,2009年11月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特定の周波数リソース位置は、前記第1の情報についての、周波数リソース毎の送信モード、端末の位置情報、周波数リソース毎の送信電力情報のいずれかに基づいて決定される、請求項1に記載の基地局。
前記第1の情報は、他セルまたは隣接基地局でのCoMPの使用を、禁止する、制限する、奨励しない、または奨励する、に関する情報である、請求項1に記載の基地局。
前記特定の周波数リソース位置は、前記第1の情報についての、周波数リソース毎の送信モード、端末の位置情報、周波数リソース毎の送信電力情報のいずれかに基づいて決定される、請求項11に記載の通信方法。
前記特定の周波数リソース位置は、前記第1の情報についての、周波数リソース毎の送信モード、端末の位置情報、周波数リソース毎の送信電力情報のいずれかに基づいて決定される、請求項21に記載の集積回路。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0031】
本発明の各実施の形態は、以下の着眼点に基づく。
【0032】
(1)Nodeの設置コストの低減及びその利用効率を考慮に入れて、カバレッジの拡大及びサービス品質を改善しようとする、一般的なセル設計(nodeの面的展開)に基づけば、セル内に一様に存在するUEの中で、セルエッジに存在するUEの割合は、多くとも10から20%程度である。また、電波状態の悪い(信号対干渉プラス雑音電力比(SINR: Signal−to−Interference plus Noise power Ratio)が低い)セルエッジに存在するUEの伝送速度は、node近傍に位置するUEの伝送速度と比較すると大幅に低い。従って、システム帯域内で、セルエッジに存在するUEが利用する周波数リソースの割当は、多くとも10から20%程度である。即ち、CoMPのための拡張ビームフォーミング(PMI)情報を必要とする周波数リソースの割合も、システム帯域内でも、多くとも10から20%程度である。逆に言うと、システム帯域の80から90%程度のリソースでは、CoMPに必要な拡張ビームフォーミング(PMI)情報をnode間で共有する必要はない。以上より、セルエッジに存在するUEを割り当てるシステム帯域内のリソース位置に応じて、拡張ビームフォーミング(PMI)情報量が可変制御され、他nodeへ通知される。
【0033】
(2)セル間での協調beam−formingの主対象はセルエッジに存在するUEのため、他nodeに通知すべきPMI情報は、自セルのセルエッジUEに割り当てる予定の周波数リソースにおける、他セルの拡張PMI情報だけで十分である。従って、他nodeがICICに必要としている、特定リソース(最小限)における協調PMI(ビームフォーミングウェイト)情報だけを選択し、他nodeに通知する。
【0034】
(3)自セルのセルエッジ(又はセルエッジの近傍)に存在するUEに割り当てる予定の周波数リソースは、自セルの送信信号電力の情報(例えば、RNTPの1(or 0)情報)で表現されていると考えられる。即ち、RNTPのindicatorが0(又は1)のとき、送信電力が小さい(又は大きい)ので、セル近傍(エッジ)に存在するUEに使用されるであろう周波数リソースであると推定できる。換言すると、他nodeからの通知情報を必要とせずに、自nodeだけで、他セルが必要とする協調ビームフォーミングの周波数リソース(自セルでセルエッジUEを割り当てる周波数リソース)を推定可能である。従って、他nodeがICICに必要としている、特定リソース(最小限)における協調PMI(ビームフォーミングウェイト)情報を、各nodeが自律的に選択することが可能である。
【0035】
上記(1)〜(3)の着眼点により、本発明の各実施の形態の特徴のひとつとして、各nodeが、最小限(特定周波数リソース)の、他nodeがICICに必要としている、有用なPMI情報だけを、自セルにおける送信信号電力(LTE Rel.8では、将来の送信信号電力の情報(RNTPのindicator))又は通信品質から、自律的に(自nodeだけで)選択し、他nodeへbackhaulで通知する点がある。これにより、Rel.8のフォーマットを再利用しつつ(すなわち、後方互換性を維持しつつ)、セル間協調に最小限、かつ、有用な情報をnode間で自律分散的に共有でき、システム全体(複数セル間)でのビームフォーミング情報の最適化により、複数セルでのスループットを改善できる。
【0036】
(実施の形態1)
本実施の形態について詳細に説明する.本実施の形態では、以下の特徴(a)〜(c)を有する。
【0037】
(a)Backhaulを介して、他nodeへ通知するためプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を、周波数領域のリソース位置に応じて可変制御し、その情報とその選択した周波数リソース位置の情報を他nodeへ通知すること。
(b)自セルにおける周波数リソース毎の将来の送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)、または、通信品質の大小(良悪)の情報と、その周波数リソース位置におけるプレコーディング(ビームフォーミング))の情報量(e.g., PMIリストの数)とを対応付けること。
(c)自セルにおける周波数リソース毎の将来の送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)が大きい(又は小さい)、若しくは通信品質が良い(又は悪い)ほど、そのリソースにおけるプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を増加(又は減少)させること。
【0038】
図1に、実施の形態1に係る伝送システムの概念図を示す。
図2は、実施の形態1に係る伝送システムにおける通信装置(基地局(nodeB))100のブロック図を示す。また、
図3は、
図1に示す伝送システムにおける制御手順を示す図である。
【0039】
図1に示す伝送システムでは、NodeB#0(serving cell)は、自セルにおける周波数リソース毎の送信信号電力の情報に応じて、他nodeに通知するプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., worst PMIリストの数)を選択し(図中、(2)−1)、backhaul(たとえば、X2インターフェース)を介して、周波数リソース毎のプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量を、他nodeであるNodeB#1(non−serving cell)へ通知している。これにより、NodeB#0(serving cell)は、周波数領域と空間領域とのICICを実施している。
【0040】
図1中、周波数帯域毎のプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量として、worst PMIリストを示している。例えば、物理リソースブロック(PRB)番号#0では、送信信号の電力が大きいため、2つのworst PMI#0、worst PMI#3がworst PMIリストに示されている。
【0041】
図2に示す通信装置(基地局(nodeB))100は、受信処理部101と、制御情報抽出部103と、拡張PMIリスト格納部(自node用)105と、プレコーディングウェイト決定部107と、データ情報送信処理部109と、制御情報送信処理部111と、参照信号送信処理部113と、無線送信処理部119と、無線受信処理部125と、制御情報抽出部127と、拡張PMIリスト格納部(他node用)129と、拡張PMIリスト選択部131と、制御情報生成部133と、送信処理部135と、送受信アンテナ137を備える。以下、本実施の形態において、通信装置100は、NodeB#0(serving cell)であるとする。
【0042】
<NodeB#0の動作>
NodeB#0(serving cell)は、拡張PMIフィードバックの要求信号を上位層より受信し、その情報を制御情報送信処理部111へ入力する。この拡張PMI(ビームフォーミング)要求は、例えば、higher layerのsignalingで通知されることが想定される。
【0043】
制御情報送信処理部111は、拡張PMIフィードバックの要求信号を2値のビット系列に変換した後、チャネル符号化、変調等の所定の送信信号処理を施し、無線送信処理部119へ出力する。
【0044】
また、参照信号送信処理部113は、参照信号の送信要求に従って、所定の送信信号処理を施すことによって、生成した参照信号を、無線送信処理部119へ出力する。参照信号の種類としては、CRS(Cell Specific Reference Signal)、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)、DMRS(De−Modulation Reference Signal)、US−RS(User Specific Reference Signal)が挙げられる。
【0045】
無線送信処理部119は、制御情報送信処理部111から入力される信号に対し、D/A変換、増幅およびアップコンバート等の無線送信処理を施し、無線送信処理が施された信号を送受信アンテナ137を介して、UEに向けて拡張PMI(ビームフォーミング)要求信号を送信する。また、無線送信処理部119は、参照信号送信処理部113から入力される参照信号に対して、同様の処理を施し、送受信アンテナ137を介して送信する。
【0046】
<UEの動作>
ここで、nodeB#0に接続している端末(UE)200の動作について説明する。以下、端末200を単にUEと表記する場合がある。また、端末200と同じUEが複数存在する場合、こられを区別するために、UE#0、UE#1、UE#2と表記する場合がある。
【0047】
UEは、nodeB#0から送信された、自UE宛の拡張PMI(ビームフォーミング)要求信号を受信する。また、自セル(serving cell)の参照信号(RS: Reference Signal)、及び他セル(non−serving cell)の参照信号(RS)を受信する。
【0048】
そして、UEは、受信した自セル(serving cell)、及び受信した他セル(non−serving cell)の参照信号(RS)から、nodeB#0(serving cell)と自UEとの間のチャネル推定/品質測定、及びnodeB#1(non−serving cell)と自UE間とのチャネル推定/品質測定を行い、そのチャネル推定結果/測定結果を用いて、自UEに大きなセル間干渉(ICI)を発生させる、または、受信SINR(Signal−to−Interference plus Noise Ratio)を低減させる、他セルの拡張PMI(e.g., worst PMIリスト)を選択する。ここで、PMIはnodeBおよびUE間で事前に規定されたものであり、nodeBおよびUEでその情報を共有しているものとする。
【0049】
なお、UEは、nodeB#0と自UEとの間のチャネル推定/品質測定を行い、nodeB#0と自UE間のチャネル推定結果/測定結果を用いて、nodeB#0と自UEとの間での最適PMI(e.g., best PMI)を併せて選択してもよい。また、UEは、選択した拡張PMIに相当する他セルのcell IDを、例えば、他セルのCRS等から同時に同定してもよい。
【0050】
次に、UEは、選択した拡張PMI(worst PMIリスト)を、変調処理などの所定の送信処理手順に従い、nodeB#0(serving cell)に制御信号としてフィードバック送信する。また、自セルにおける最適PMI(best PMI)を併せてフィードバックしても良い。(この時、同定した拡張PMIに相当する他セルのcell IDを、拡張PMI情報と伴にフィードバックしても良い。これにより、フィードバック先のnodeB#0(serving cell)は、どのセル(node)がどのUEに他セル干渉を与えているか認識できる。従って、nodeB#0(serving cell)内での周波数スケジューリング(周波数リソースへの複数UE割り当て)に利用することができるため、nodeB#0(serving cell)内の周波数リソース割当に基づいたマルチユーザダイバーシチを向上でき、セルスループットを改善できる。)また、nodeB#0と自UEとの間での最適PMI(e.g., best PMI)を併せて選択してもよい。
【0051】
NodeB#0は、自セル内の複数UEから送信された拡張PMI(worst PMIリスト)、(及び、拡張PMIに相当する、同定したcell ID)に関する制御信号を送受信アンテナ137を介して受信し、無線受信処理部125へ入力する。
【0052】
無線受信処理部125では、その信号に対しダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を施し、受信処理が施された制御信号を復調・復号する。そして、制御情報抽出部127へ出力する。
【0053】
制御情報抽出部127は、無線受信処理部125から入力される制御信号に含まれる拡張PMI情報(及び、cell ID)を抽出して、抽出した拡張PMI情報を拡張PMIリスト格納部(他node用)129に出力する。
【0054】
拡張PMIリスト格納部(他node用)129では、周波数リソース(例えば、PRBを単位として)毎に、自セルの複数のUEからフィードバックされた拡張PMIリストを作成する。例えば、他セルで使用して欲しくない(制限する、禁止する、使用を奨励しない)拡張PMI(worst PMIリスト)を作成する。例えば、nodeB#0の隣接セルであるnodeB#1(non−serving cell)からnodeB#0(serving cell)への他セル干渉を低減のために、隣接セルnodeB#1での使用を制限する(禁止する、使用を奨励しない)、周波数リソース(PRB)を単位とした拡張PMIリストを作成する(
図4参照)。
【0055】
図4に実施の形態1における拡張PMIリストの一例を示す。横軸は周波数である。
図4に示すように、例えば、物理リソース(PRB)番号#0では、自セルのUE#0からフィードバックされたPMIとして、worst PMI#0、worst PMI#5が存在し、自セルのUE#2からフィードバックされたPMIとして、worst PMI#3が存在する。
また、
図4に示すように、例えば、物理リソース(PRB)番号#3では、自セルのUE#0からフィードバックされたPMIとして、worst PMI#9が存在し、自セルのUE#1からフィードバックされたPMIとして、worst PMI#0、worst PMI#3が存在し、自セルのUE#2からフィードバックされたPMIとして、worst PMI#8が存在する。
【0056】
なお、
図4に示す拡張PMIリストは、拡張PMIとともにフィードバックされるcell IDを基に、他セル毎に個別に作成しても良いし、自セル以外の他セルの中から複数セルをまとめて1つにリストを作成しても良い。自セル以外の他セルの中から複数セルをまとめて1つにリストを作成する場合は、nodeB#0の複雑性・演算量を解消できる。
【0057】
そして、拡張PMIリスト格納部(他node用)129は、作成した拡張PMIリストを拡張PMIリスト選択部131へ出力する。
【0058】
制御部123では、周波数リソース毎の送信モード(CoMPの送信モード、JP/CB/CSなど)や、UEの位置情報、周波数リソース毎の送信信号電力の情報等から、backhaulを介して他nodeへ通知するPMI情報として選択する特定周波数リソース位置、及びそのリソースにおける通知PMI数(プレコーディング、ビームフォーミング情報量)を決定し、拡張PMIリスト選択部131及び制御情報生成部133へ出力する。
【0059】
拡張PMIリスト選択部131では、制御部123から入力される、backhaulを介して他nodeへ通知するPMI情報として選択する特定周波数リソース位置、及び、そのリソースにおける通知PMI数(プレコーディング、ビームフォーミング情報量)に基づいて、拡張PMIリスト格納部(他node用)129から入力される周波数リソース毎の拡張PMIリスト(プレコーディング、ビームフォーミング情報量)を選択する。
【0060】
ここで、
図5に拡張PMIリスト選択部131で選択された周波数リソース毎の拡張PMIリストの一例を示す。
図5に示すように、例えば、物理リソースブロック(PRB)番号#0では、UE#0からフィードバックされた、Worst PMI#5、 Worst PMI#0、及びUE#2からフィードバックされたWorst PMI#3が選択されている。また、PRB#3では、UE#0からフィードバックされた、Worst PMI#9、UE#2からフィードバックされたWorst PMI#8、及びUE#1からフィードバックされた、Worst PMI#3、 Worst PMI#0、が選択されている。
【0061】
そして、拡張PMIリスト選択部131は、
図5に示す周波数リソース毎に可変選択した通知PMIリストを、該当セルが属するnodeへ通知するために、制御情報生成部133へ出力する。なお、
図5に示す例の場合、PRB番号#0、PRB#3の拡張PMIリストを出力する。
【0062】
なお、拡張PMIリスト格納部(他node用)129において、cell ID毎に周波数リソース毎の拡張PMIリストを作成している場合には、セル毎に選択した通知拡張PMIリストをcell IDとともに、制御情報生成部133へ出力する。また、拡張PMIリスト格納部(他node用)129において、複数のcell IDを纏めたセルグループ毎に周波数リソース毎の拡張PMIリストを作成している場合には、該当する複数のcell ID、又は、そのグループのセルグループIDとともに、制御情報生成部133へ出力する。
【0063】
制御情報生成部133では、拡張PMIリスト選択部131から入力された、拡張PMIリスト(及び、cell ID、セルグループID)、並びに制御部123から入力された通知周波数リソース位置を、2値の系列に変換するなどの処理を行うことで制御情報を生成し、送信処理部135へ出力する。通知周波数リソース位置の表現方法として、例えば、周波数リソース毎に拡張PMIリストの有無をビットマップのON(=1)/OFF(=0)で表現すればよい。即ち、通知するPMIリストが存在する周波数リソースでは1(ON)で表現し、通知するPMIリストが存在しない周波数リソースでは0(OFF)で表現すればよい。
図5では、PRB#0およびPRB#3の周波数リソース位置では、通知するPMIリストが存在するため1を示しており、それ以外の周波数リソース位置(PRB#1、PRB#2、PRB#4)では、通知するPMIリストが存在しないため0を示している。
【0064】
送信処理部135では、入力された拡張PMIリスト(および、cell ID、グループセルID)、通知周波数リソース番号に対して、セルID(または、グループセルID)の情報を参照し、送信node(セル)の宛先アドレスを示したヘッダーなどを付加した後、所定の処理を行うことでbackhaul上での送信信号を作成し、他node(セル)へ送信する。
【0065】
受信処理部101では、他node(セル)から送信された拡張PMIリスト(および、cell ID、グループセルID)、通知周波数リソース番号に関する制御情報を受信し、宛先アドレス等の確認などの所定の処理を施した後、制御情報抽出部103へ出力する。
【0066】
制御情報抽出部103では、制御信号の中に含まれる、他node(セル)から送信された拡張PMIリスト(および、cell ID、グループセルID)、通知周波数リソース番号を抽出し、拡張PMIリスト格納部(自node用)105へ出力する。
【0067】
拡張PMIリスト格納部(自node用)105では、他セル毎、または、セルグループ毎に、周波数リソース毎の拡張PMIリストを作成し、その情報をプレコーディングウェイト決定部107へ出力する。
【0068】
プレコーディングウェイト決定部107では、自セルのUEから入力される、周波数リソース毎のBest PMIフィードバック情報、及び拡張PMIリスト格納部(自node用)105から入力される他セル(又は、セルグループ毎)の周波数リソース毎の拡張PMIリスト(例えば、Worst Pミリスト)等に基づいて、例えば、セルスループットを最大化させる周波数リソース毎のプレコーディングウェイト、又は自セル内のUE毎のプレコーディングウェイトを決定する。そして、決定したウェイト情報をデータ情報送信処理部109、制御情報送信処理部111、又は参照信号送信処理部113へ出力する。
【0069】
データ情報送信処理部109では、入力されるUE宛のデータ信号に対して、チャネル符号化、変調などの所定の処理を施した後、プレコーディングウェイト決定部107から入力されるウェイト情報に基づいて、送信データ信号に対してプレコーディングを施す。そして、無線送信処理部119へ出力する。
【0070】
なお、制御情報送信処理部111及び参照信号送信処理部113では、プレコーディングウェイト決定部107からの入力されるプレコーディングウェイト情報に基づいて、制御信号および参照信号(特に、DMRS)に対してプレコーディングを施しても良い。
【0071】
ここで、
図3を参照して、
図1に示す伝送システムにおける制御手順を説明する。
図3は、
図1に示す伝送システムにおける制御手順を示す図である。
【0072】
ステップST31では、NodeB#0(serving cell)はUEに向けて拡張PMI(ビームフォーミング)要求信号を送信する。
【0073】
ステップST32、ST33では、UEは、自セルであるNodeB#0の参照信号、及び他セルであるNodeB#1(non−serving cell)の参照信号を受信する。
【0074】
ステップST34では、UEは、拡張PMI情報(該当するcell ID、最適PMI)を、NodeB#0に制御信号としてフィードバック送信する。
【0075】
ステップST35では、NodeB#0は、自セルに接続する他のUEからのPMI情報を受信する。
【0076】
ステップST36では、NodeB#0は、自セルの周波数帯域毎のCoMPモード、UE位置情報、送信信号電力情報などに基いて、周波数帯域毎のPMI情報の選択及び生成する。
【0077】
ステップST37では、NodeB#0は、PMI情報、及び選択した周波数帯域位置の情報をNodeB#1へ通知する。
ステップST38では、NodeB#0は、PMI情報、及び選択した周波数帯域位置の情報を他のNodeBへ通知する。
【0078】
以上より、本実施の形態に係る伝送システムによれば、通信装置100は、送信信号電力情報等に基いて、特定周波数リソースにおける、複数セル間でのCoMPを実施するUEの必要最小限のプレコーディング(ビームフォーミング)情報だけを自律的に選択し通知することにより、複数node間でのDL CoMP(CB、JP等)によるICI低減効果を維持しながら、backhaul上で通知するプレコーディング(ビームフォーミングウェイト(e.g., PMIリストの数))情報に関するオーバヘッドを削減できる。
【0079】
また、本実施の形態に係る伝送システムによれば、通信装置100は、セルエッジに存在するUEに対するプレコーディング(ビームフォーミング)情報だけを通知することにより、オーバヘッドを削減しながら、複数のセル間での周波数リソース及び空間リソースに対するUE割り当てに基づく、複数のセル間での周波数領域及び空間領域でのスケジューリングの自由度、すわわち、複数のセル間でのマルチユーザダイバーシチ効果も維持できる。
【0080】
ここで、例えば、以下の3つの条件の場合について、本実施の形態に係る伝送システムによる効果について説明する。
(1)セル内で10%程度存在するセルエッジに存在するUEが、全て、CoMPを実施し、システム帯域の10%程度の周波数リソースをそのUEが占有する。
(2)1PMIは4ビットで表現され、PRB毎の通知PMI数を2つとする。
(3)PMIを通知する周波数リソースの位置情報を、110ビットを用いてビットマップで表現する。例えば、PMIを通知する周波数リソースは1、PMIを通知しない周波数リソースは0を指し示すように定義し通知する。
【0081】
上述した(1)〜(3)の条件の場合、本実施の形態による伝送システムでは、他nodeへ通知するPMI総ビット数と選択したPMIの周波数リソース位置の情報は、PMIの総通知ビット数である、((110×0.1)×4×2)+110=88ビット、及び選択したPMIの周波数リソース位置情報のビット数である、110ビットの和である191ビットとなり、
図24を参照して説明した、非特許文献1及び非特許文献2での伝送システムを周波数領域に拡張する技術と比較して、大幅にオーバヘッドを削減できることが分かる。
【0082】
即ち、CoMPの対象とするUEの数の割合が、セル内の全UE数(又は、CoMPの対象としないUE数)と比較して大幅に小さい点を利用することにより、「選択したPMI情報」に加えて、「選択したPMIの周波数リソース位置情報」を通知する構成にしても、
図24を参照して説明した、非特許文献1及び非特許文献2での伝送システムを周波数領域に拡張する技術(全周波数リソースにおける、PMI情報だけを通知する方法)と比較して、総オーバヘッドを大幅に削減できる。
【0083】
[変形例1]
実施の形態1に係る変形例1では、通信装置100Aは、自セルにおける周波数リソース毎の送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)の大小の情報、又は通信品質の良悪の情報と、その周波数リソース位置におけるプレコーディング(ビームフォーミング))の情報量(e.g., PMIリストの数)とを対応付けることを、特徴とする。また、本変形例でも
図1に示す実施の形態1に係る伝送システムの概念図を適用できる。
【0084】
図6に、変形例1における通信装置100Aの構成を示すブロック図を示す。
【0085】
図6に示す通信装置(基地局(nodeB))100Aは、受信処理部101と、制御情報抽出部103と、拡張PMIリスト格納部(自node用)105と、プレコーディングウェイト決定部107と、データ情報送信処理部109と、制御情報送信処理部111と、参照信号送信処理部113と、スケジューラ部115と、送信信号電力制御部117と、無線送信処理部119と、周波数リソース毎の送信電力(RNTP)のindicator生成部121と、制御部123と、無線受信処理部125と、制御情報抽出部127と、拡張PMIリスト格納部(他node用)129と、拡張PMIリスト選択部131と、制御情報生成部133と、送信処理部135と、送受信アンテナ137を備える。以下、本実施の形態において、通信装置100は、NodeB#0(serving cell)であるとする。
【0086】
図6に示す通信装置100Aが、
図2に示す通信装置100と異なる点は、スケジューラ部115と、送信信号電力制御部117と、indicator生成部121とを備える点である。以下、
図2に示す通信装置100と同じ構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0087】
スケジューラ部115は、入力されたQoS(Quality of Service)やUEからフィードバックされたCQI(Channel Quality Indicator)に基づいて、自セルにおけるUEの周波数リソース割当、及び周波数リソース毎の送信信号電力値を決定する。そして、その情報を送信信号電力制御部117に出力する。
【0088】
送信信号電力制御部117では、入力される周波数リソース毎の送信信号電力値に基いて、無線送信処理部119内での増幅器を制御するための制御信号を生成し、無線送信処理部119及びRNTPのindicator生成部121へ出力する。
【0089】
RNTPのindicator生成部121では、送信信号電力制御部117から入力される制御信号およびRNTPの閾値に基いて、将来の(例えば、1フレーム後の)送信信号電力の大小の情報(RNTP indicator)を生成し、制御部123へ出力する。
【0090】
制御部123では、拡張PMIリスト格納部(他node用)129から入力される周波数リソース毎に作成した拡張PMIリストと自セルにおける周波数リソース毎の送信信号電力(密度)の大小の情報(RNTP indicator)の情報等とを対応付けて比較する。そして、制御部123では、周波数リソース毎の送信信号電力(密度)の大小の情報(RNTP indicator)の情報に基づいて、周波数リソースの拡張PMIリストを選択する。
【0091】
図7に変形例1における拡張PMIリストの一例を示す。
図7では、制御部123が選択する拡張PMI(worst PMI)リストに、周波数リソース毎の(将来の)送信信号電力の大小の情報を対応付けている。
図7に示すように、将来(例えば、1フレーム後に)、物理リソースブロック(PRB)番号が#0と#3とに、セルエッジに存在するUEを割り当てる予定のため、その周波数リソースの送信信号電力を高く設定する。従って、その周波数リソース位置の番号を拡張PMIリスト選択部131へ出力する。
【0092】
拡張PMIリスト選択部131では、制御部123から通知された周波数リソース位置の拡張PMIリスト(
図7に示す拡張PMIリストの場合、PRB番号#0、及びPRB番号#3の拡張PMIリスト)を選択し、制御情報生成部133へ出力する。上記と同様に、選択した周波数リソース位置の情報(例えば、
図5に示す、PMIを通知する周波数リソース位置を示すビット系列(ビットマップ))も制御情報生成部133へ出力しても良い。
【0093】
制御情報生成部133では、拡張PMIリスト選択部131から入力された、拡張PMIリスト(及び、cell ID、グループセルID)、並びに制御部123から入力された通知周波数リソース番号を、2値の系列に変換するなどの処理を行うことで制御情報を生成し、送信処理部135へ出力する。
【0094】
送信処理部135では、入力された拡張PMIリスト(および、cell ID、グループセルID)、通知周波数リソース番号に対して、セルIDの情報を参照し、送信node(セル)の宛先アドレスを示したヘッダーなどを付加した後、所定の処理を行うことでbackhaul上での送信信号を作成し、他node(セル)へ送信する。
【0095】
受信処理部101では、他node(セル)から送信された拡張PMIリスト(および、cell ID、グループセルID)、通知周波数リソース番号に関する制御情報を受信し、宛先アドレス等の確認などの所定の処理を施した後、制御情報抽出部103へ出力する。
【0096】
制御情報抽出部103では、制御信号の中に含まれる、他node(セル)から送信された拡張PMIリスト(および、cell ID、グループセルID)、通知周波数リソース番号を抽出し、拡張PMIリスト格納部(自node用)105へ出力する。
【0097】
拡張PMIリスト格納部(自node用)105では、他セル毎、または、セルグループ毎に、周波数リソース毎の拡張PMIリストを作成し、その情報をプレコーディングウェイト決定部107へ出力する。
【0098】
プレコーディングウェイト決定部107では、自セルのUEから入力される、周波数リソース毎のBest PMIフィードバック情報、及び拡張PMIリスト格納部(自node用)105から入力される他セル(又は、セルグループ毎)の周波数リソース毎の拡張PMIリストに基づいて、例えば、セルスループットを最大化させる周波数リソース毎のプレコーディングウェイト、又は自セル内のUE毎の)のプレコーディングウェイトを決定する。そして、決定したウェイト情報をデータ情報送信処理部109、制御情報送信処理部111、又は参照信号送信処理部113へ出力する。
【0099】
データ情報送信処理部109では、入力されるUE宛のデータ信号に対して、チャネル符号化、変調などの所定の処理を施した後、プレコーディングウェイト決定部107から入力されるウェイト情報に基づいて、送信データ信号に対してプレコーディングを施す。そして、無線送信処理部119へ出力する。
【0100】
なお、制御情報送信処理部111及び参照信号送信処理部113では、プレコーディングウェイト決定部107からの入力されるプレコーディングウェイト情報に基づいて、制御信号および参照信号(特に、DMRS)に対してプレコーディングを施しても良い。
【0101】
図8を参照して、変形例1における伝送システムの制御手順を示すフローを説明する。
図8は、変形例1における伝送システムの制御手順を示すフロー図である。
【0102】
ステップST81では、NodeB#0(serving cell)はUEに向けて拡張PMI(ビームフォーミング)要求信号を送信する。
【0103】
ステップST82、ST83では、UEは、自セルであるNodeB#0の参照信号、及び他セルであるNodeB#1(non−serving cell)の参照信号を受信する。
【0104】
ステップST84では、UEは、PMI情報を、NodeB#0に制御信号としてフィードバック送信する。
【0105】
ステップST85では、NodeB#0は、自セルに接続する他のUEからのPMI情報を受信する。
【0106】
ステップST86では、NodeB#0は、自セルにおける周波数リソース毎の送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)、または、通信品質の大小(良悪)の情報に応じて、PMI情報の生成、選択する。
【0107】
ステップST87では、NodeB#0は、PMI情報、及び選択した周波数帯域位置の情報をNodeB#1へ通知する。
【0108】
ステップST88では、NodeB#0は、PMI情報、及び選択した周波数帯域位置の情報を他のNodeBへ通知する。
【0109】
以上、変形例1に係る伝送システムによれば、通信装置100Aは、他nodeがICICに必要としている、特定リソースにおけるプレコーディング(ビームフォーミング)の情報を、自セルにおける将来の送信信号電力の大小の情報(例えば、RNTP indicator)に基づいて、自nodeだけで自律的に選択でき、backhaul上で通知するPMI(ビームフォーミングウェイト(e.g., PMIリストの数))情報に関するオーバヘッドを削減できる。
【0110】
なお、通信装置100Aは、自セルにおける周波数リソース毎の将来の送信電力(密度)情報以外に、(正規化)送信信号エネルギー(密度)、または、通信品質(CQI)の大小(良悪)の情報等と、その周波数リソース位置におけるプレコーディング(ビームフォーミング))の情報量(e.g., PMIリストの数)とを対応付けてもよい。これにより、上述した変形例1に係る伝送システムによる効果と同じ効果が得られる。
【0111】
また、通信装置100Aが、周波数リソース毎の将来の送信電力(密度)情報、(正規化)送信信号エネルギー(密度)、または、通信品質(CQI)の大小(良悪)と伴に他nodeへ通知する場合には、選択した周波数リソース位置の情報は通知しなくても良い。上記の対応付け(ルール)を協調node間共有することにより、例えば、通知された周波数リソース毎の送信電力情報から、PMIが通知される周波数リソースを特定することができるため、その選択した周波数リソース位置情報を通知せずとも、上述した変形例1に係る伝送システムによる効果と同じ効果が得られる。
【0112】
[変形例2]
実施の形態1に係る変形例2の通信装置は、拡張PMIリスト選択部131において、自セルにおける周波数リソース毎の送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)が大きい(又は小さい)、若しくは、通信品質が良い(又は悪い)ほど、そのリソースにおけるプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を増加(又は減少)させる。
【0113】
ここで、実施の形態1に係る変形例2の通信装置の動作が、通信装置100Aの動作と異なるのは、拡張PMIリスト選択部131の動作であり、本変形例では、異なる動作を行う拡張PMIリスト選択部131の動作を主に説明する。
【0114】
図9を参照して、変形例2に係る伝送システムにおいて、拡張PMIリスト選択部131の動作について説明する。
図9は、変形例2における拡張PMIリストの一例である。
図9では、拡張PMIリストにおいて、周波数リソース毎の送信電力(密度)も示す。
図9に示す拡張PMIリストでは、周波数リソース毎の送信信号電力の大小に応じて、その周波数リソースにおける拡張PMIリスト数を変化させている。
【0115】
図9に示すように、拡張PMIリスト選択部131では、送信信号電力に2つの閾値(送信信号電力閾値1、送信信号電力閾値2)を設定して、送信信号電力の大きさを3つの領域(“大”、“中”、“小”)を定義する。このとき、(1)送信信号電力の値が“小”の領域の場合、通知する拡張PMIリスト数を0とし、(2)送信信号電力の値が“中”の領域の場合、通知するPMIリスト数を1とし、(3)送信信号電力の値が“大”の領域の場合、通知する拡張PMIリスト数を2とする。
【0116】
そして、拡張PMIリスト選択部131は、送信信号電力の大きさに依る拡張PMIリスト数に基づき、周波数リソース毎、つまりPRB番号#0〜#7のそれぞれに、拡張PMIを選択する。
【0117】
例えば、
図9に示すように、PRB#1では、送信信号電力の値が“大”の領域にあるので、通知する拡張PMIリスト数は2となる。したがって、PRB#1では、拡張PMI#1、拡張PMI#0の2つの拡張PMIを選択する。また、PRB#4では、送信信号電力の値が“小”の領域にあるので、通知する拡張PMIリスト数は0となる。したがって、
図9に示す拡張PMIリストにおいて、PRB#4では、拡張PMIを選択していない。
【0118】
上述のように、変形例2に係る伝送システムにおいて、拡張PMIリスト選択部131は、周波数リソース毎の送信信号電力が大きい(又は小さい)ほど、そのリソースにおけるプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を増加(又は減少)させている。
【0119】
これにより、変形例2に係る伝送システムにおいて、実施の形態1に係る変形例2の通信装置は、自nodeから見れば、他セルへ大きな与干渉(他nodeから見れば、他セルからの大きな被干渉)が生じる可能性の高い特定周波数リソースだけの、協調CB/JP情報を増加させることにより、複数node間での協調ICICによるICI低減効果を更に向上させることができる。
【0120】
なお、変形例2に係る伝送システムにおいて、実施の形態1に係る変形例2の通信装置は、周波数リソース毎の送信信号電力以外に、送信信号電力密度、(正規化)送信信号エネルギー(密度)に基づいて、その帯域におけるbeam−forming情報量を関連付けても良い。例えば、送信信号電力密度、(正規化)送信信号エネルギー(密度)が大きい(又は小さい)ほど、そのリソースにおけるプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を増加(又は減少)させてもよい。これにより、上記と同様の効果が得られる。
【0121】
また、変形例2に係る伝送システムにおいて、実施の形態1に係る変形例2の通信装置は、UEからのフィードバックされる通信品質(CQI (Channel Quality))情報(SIR(Signal−to−Interference Ratio)、SINR(Signal−to−Interference plus Noise Ratio)等)と、その帯域におけるbeam−forming情報量を関連付けても良い。また、UEからのフィードバックされるmeasurement情報(RSRP、RSRQ、RSSI等)と、その帯域におけるbeam−forming情報量を関連付けても良い。例えば、通信品質(CQI (Channel Quality))、RSRP、RSRQなどが大きい(又は小さい)ほど、そのリソースにおけるプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を増加(又は減少)させてもよい。これにより、その周波数リソースにセルエッジ以外の高速レート(高いCQI(SINR)を必要とする)のUEが割り当てられた場合においても、そのUEに対するセル間干渉を低減することができる。
【0122】
[変形例3]
実施の形態1に係る変形例3の通信装置は、拡張PMIリスト選択部131において、物理リソースブロック(PRB)毎のRNTPの2値のindicator(将来の送信信号電力を示す情報)と、その帯域のプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を対応付ける。
【0123】
ここで、実施の形態1に係る変形例3の通信装置の動作が、通信装置100Aの動作と異なるのは、拡張PMIリスト選択部131の動作であり、本変形例では、異なる動作を行う拡張PMIリスト選択部131の動作を主に説明する。
【0124】
LTE Rel.8のDL伝送では、物理リソースブロック(PRB: Physical Resource Block)単位の将来の送信信号電力の情報(正規化EPRE(Energy Per Resource Element))を指し示す指標である、RNTP(Relative Narrowband TX Power)が2値のindicator(0 or 1)が定義されている。本変形例では、LTE Rel.8のDL伝送で利用されている指標を利用する。すなわち、実施の形態1に係る変形例3の通信装置は、LTE Rel.8で規定されているフォーマットを再利用、即ち、後方互換性を維持できる。
【0125】
ここで、
図10を参照して、変形例3に係る伝送システムにおいて、拡張PMIリスト選択部131の動作について説明する。
図10は、変形例3における拡張PMIリストの一例である。
図10では、拡張PMIリストと対応する、周波数リソース毎(PRB#0〜#7のそれぞれ)のRNTPの2値のindicatorも示す。横軸は周波数である。
【0126】
図10に示すように、拡張PMIリスト選択部131では、RNTPの閾値を設定し、(1)RNTPの閾値をRNTPの値が下回る場合、RNTPの2値のindicatorを0とし、(2)RNTPの閾値をRNTPの値が上回る場合、RNTPの2値のindicatorを1とする。そして、(1)RNTPの2値のindicatorが1の場合、通知するPMIリスト数を2とし、(2)RNTPの2値のindicatorが0の場合、通知するPMIリスト数を1とする。つまり、周波数リソース毎のRNTPの2値のindicator=0 or 1に応じて、PRB#0〜#7のそれぞれにおいて、PMIリストの数が変化する。
【0127】
例えば、
図10に示す拡張PMIリストにおいて、PRB#0では、RNTPの2値のindicatorが0であるので、通知するPMIリスト数は1である。そのため、拡張PMIリスト選択部131は、PRB#0において、通知するPMIリストの数を1とし、PMI#0を選択している。また、
図10に示す拡張PMIリストにおいて、PRB#3では、RNTPの2値のindicatorが1であるので、通知するPMIリスト数は2である。そのため、拡張PMIリスト選択部131は、PRB#3において、通知するPMIリストの数を2とし、PMI#2、PMI#4を選択している。
【0128】
即ち、変形例3に係る伝送システムにおいて、実施の形態1に係る変形例3の通信装置は、周波数リソース毎のRNTPの2値のindicatorの値(1又は0)に応じて、その周波数リソースにおけるプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を変動(増加又は減少)させている。即ち、実施の形態1に係る変形例3の通信装置は、周波数領域でPMI数を可変に制御している。
【0129】
これにより、変形例3に係る伝送システムにおいて、実施の形態1に係る変形例3の通信装置は、RNTPのindicatorとプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)とを対応付けることにより、LTE Rel.8で規定されているフォーマットを再利用、即ち、後方互換性を維持できるため、実運用の際に必須である(新たな)試験項目の数、工数を低減することができる。
【0130】
[変形例4]
実施の形態1に係る変形例4の伝送システムにおいて、実施の形態1に係る変形例4の通信装置は、拡張PMIリスト選択部131で、周波数リソース毎のRNTPの2値のindicatorの値が1の物理リソースブロック(PRB)のPMIリストを選択し、対応するプレコーディング(ビームフォーミング)情報をbackhaulで他nodeに通知する。
【0131】
なお、本変形例において、実施の形態1に係る変形例4の通信装置は、周波数リソース毎のRNTPの2値のindicatorの値が0のPRBのプレコーディング(ビームフォーミング)情報は、通知しない、又は選択しなくてもよい。
【0132】
ここで、実施の形態1に係る変形例4の通信装置の動作が、通信装置100Aの動作と異なるのは、拡張PMIリスト選択部131の動作であり、本変形例では、異なる動作を行う拡張PMIリスト選択部131の動作を主に説明する。
【0133】
図11を参照して、変形例4に係る伝送システムにおいて、拡張PMIリスト選択部131の動作について説明する。
図11は、変形例4における拡張PMIリストの一例である。
図11では、拡張PMIリストと対応する、周波数リソース毎(PRB#0〜#7のそれぞれ)のRNTPの2値のindicatorも示す。
【0134】
図11に示すように、拡張PMIリスト選択部131では、RNTPの閾値を設定し、(1)RNTPの閾値をRNTPの値が下回る場合、RNTPの2値のindicatorを0とし、(2)RNTPの閾値をRNTPの値が上回る場合、RNTPの2値のindicatorを1とする。そして、(1)RNTPの2値のindicatorが1の場合、通知するPMIリスト数を2とし、(2)RNTPの2値のindicatorが0の場合、通知するPMIリスト数を0とする。つまり、周波数リソース毎のRNTPの2値のindicator=0 or 1に応じて、PRB#0〜#7のそれぞれにおいて、PMIリストの数が変化する。なお、本変形例の場合、RNTPの2値のindicatorが0の場合、通知されるPMIリストがない。
【0135】
たとえば、
図11に示す拡張PMIリストにおいて、PRB#0では、RNTPの2値のindicatorが0であるので、通知するPMIリスト数は0である。そのため、拡張PMIリスト選択部131は、PRB#0において、通知するPMIリストを選択していない。また、
図11に示す拡張PMIリストにおいて、PRB#2では、RNTPの2値のindicatorが1であるので、通知するPMIリスト数は2である。そのため、拡張PMIリスト選択部131は、PRB#2において、通知するPMIリストの数を2とし、PMI#1、PMI#2を選択している。
【0136】
即ち、変形例4に係る伝送システムにおいて、実施の形態1に係る変形例4の通信装置は、複数node間での協調CBによるICI低減効果を維持しながら、backhaul上で通知するプレコーディング(ビームフォーミングウェイト(e.g., PMIリストの数))情報に関するオーバヘッドを更に削減できる。
【0137】
[変形例5]
実施の形態1の変形例5に係る伝送システムにおいて、実施の形態1の変形例5の通信装置は、周波数リソース(たとえば、PRB)毎のRNTPのindicatorが3値以上で表現される場合、多値のRNTPのindicatorが送信信号電力の大きい(又は小さい)値を示すほど、その帯域のプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を減らす(又は増やす)。
【0138】
ここで、実施の形態1の変形例5の通信装置の動作が、通信装置100Aの動作と異なるのは、拡張PMIリスト選択部131の動作であり、本変形例では、異なる動作を行う拡張PMIリスト選択部131の動作を主に説明する。
【0139】
ここで、
図12を参照して、変形例5に係る伝送システムにおいて、拡張PMIリスト選択部131の動作について説明する。
図12は、変形例5における拡張PMIリストの一例である。
図12では、拡張PMIリストと対応する、周波数リソース毎(PRB#0〜#7のそれぞれ)のRNTPの3値のindicatorも示す。
【0140】
図12に示すように、RNTPの3値のindicatorの値(“10”、“01”、“00”)に応じて、送信信号電力の大きさを示す3つの領域(“大”、“中”、“小”)が対応する。送信信号電力の大きさを3つの領域(“大”、“中”、“小”)は、送信電力に2つの閾値(送信信号電力閾値1、送信信号電力閾値2)を設定することで区別される。つまり、RNTPの3値のindicatorの値“10”は、送信信号電力の大きさを示す領域“大”に対応する。RNTPの3値のindicatorの値“01”は、送信信号電力の大きさを示す領域“中”に対応する。RNTPの3値のindicatorの値“00”は、送信信号電力の大きさを示す領域“小”に対応する。
【0141】
また、
図12では、(1)RNTPの3値のindicatorの値が“00”の場合、通知するPMIリスト数を0とし、(2)RNTPの3値のindicatorの値が“01”の場合、通知するPMIリスト数を1とし、(3)RNTPの3値のindicatorの値が“10”の場合、通知するPMIリスト数を2と定義している。つまり、送信信号電力の値が大きい領域ほど、RNTPの3値のindicatorの値が大きい。逆に、送信信号電力の値が小さい領域ほど、RNTPの3値のindicatorの値が小さい。
【0142】
図12に示すように、例えば、PRB#0では、RNTPの3値のindicatorの値“01”が付与された、送信信号電力の値が“中”の領域に送信信号電力の値が存在する。そのため、通知する拡張PMIリスト数は1となる。したがって、
図12に示す拡張PMIリストのように、拡張PMIリスト選択部131は、PRB#0では、1つの拡張PMI(拡張PMI#1)を選択している。
【0143】
また、
図12に示すように、例えば、PRB#1では、RNTPの3値のindicatorの値“10”が付与された、送信信号電力の値が“大”の領域に送信信号電力の値が存在する。そのため、通知する拡張PMIリスト数は2となる。したがって、
図12に示す拡張PMIリストのように、拡張PMIリスト選択部131は、PRB#1では、2つの拡張PMI(拡張PMI#0、拡張PMI#1)を選択している。
【0144】
また、
図12に示すように、例えば、PRB#4では、RNTPの3値のindicatorの値“00”が付与された、送信信号電力の値が“小”の領域に送信信号電力の値が存在する。そのため、通知する拡張PMIリスト数は0となる。したがって、
図12に示す拡張PMIリストのように、拡張PMIリスト選択部131は、PRB#4では、拡張PMIを選択していない。
【0145】
すなわち、変形例5に係る伝送システムにおいて、実施の形態1の変形例5の通信装置は、周波数リソース(たとえば、PRB)毎のRNTPのindicatorが3値以上で表現される場合、多値のRNTPのindicatorが送信信号電力の大きい(小さい)値を示すほど、その帯域のプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を増やす(減らす)ことができる。そのため、変形例5に係る伝送システムにおいて、実施の形態1の変形例5の通信装置は、大きな他セルへの与干渉(ICI)発生する可能性のある周波数リソースを優先的に、ICICで効果的に抑圧できる。また、周波数リソース毎に他セル干渉の大きさを精密に反映した、適切なPMIの情報量を通知することができる。
【0146】
なお、変形例5において、PMI情報と伴に、多値のRNTPのindicatorを通知してもよい。これにより、周波数領域における他セルの送信電力(自セルにとって見れば干渉電力)の大きさと、空間領域のプレコーディング情報の2つを利用して効率的なビームフォーミングを行うことができる。
【0147】
なお、実施の形態1及び上述した変形例1〜5に係る伝送システムにおいて、CBをICICとして行う場合には、通信装置は、他nodeへ通知するプレコーディング(ビームフォーミング)情報(e.g., PMIリスト)として、隣接セル内での使用を抑制(または、禁止、制限)するプレコーディング(ビームフォーミング)情報(e.g., PMIリスト)を通知すればよい。
【0148】
また、実施の形態1及び上述した変形例1〜5に係る伝送システムにおいて、JPをICICとして行う場合には、通信装置は、他nodeへ通知するプレコーディング(ビームフォーミング)情報(e.g., PMIリスト)として、隣接セル内での(優先的な)使用を奨励するプレコーディング(ビームフォーミング)情報(e.g., PMIリスト)を通知すればよい。
【0149】
また、実施の形態1及び上述した変形例1〜5に係る伝送システムにおいて、通信装置は、CBおよびJPを指し示す送信モードを、プレコーディング(ビームフォーミング)情報(e.g., PMIリスト)と併せて通知しても良い。
【0150】
これにより、協調ビームフォーミング(CB)は、他セル干渉を低減するために、他セルで使用して欲しくない(使用を抑制、禁止、制限する)プレコーディング(ビームフォーミング)情報を有用な情報としている一方で、ジョイントプロセッシング(JP)は、他セル干渉を低減するために、他セルで使用して欲しいプレコーディング(ビームフォーミング)情報を有用な情報としている。従って、CS、CB、JPの場合それぞれにおいて、協調セル間で適切なプレコーディング(ビームフォーミング)を行うことができる。
【0151】
なお、実施の形態1及び上述した変形例1〜5に係る伝送システムにおいて、PMIを通知する周波数リソースが連続的に存在する場合は、選択したPMIの周波数リソース位置情報として、周波数リソースの開始番号と終了番号を通知してもよい。例えば、110のPRBから構成される場合(PRB番号=0〜109を7ビットで表現する場合)において、PMIを通知するPRB番号が5〜15の場合、「開始番号=0000101(=5)」および「終了番号=0001111(=15)」を通知すればよい。
【0152】
また、実施の形態1及び上述した変形例1〜5に係る伝送システムにおいて、PMIを通知する周波数リソースが連続的に存在する場合は、選択したPMIの周波数リソース位置情報として、周波数リソースの開始(または、終了)番号と、連続する周波数リソースの長さ(帯域幅)の絶対値を通知しても良い。 例えば、110のPRBから構成される場合(PRB番号=0〜109を7ビットで表現する場合)において、PMIを通知するPRB番号が5〜15の場合、「開始番号=0000101(=5)」(「終了番号=0001111(=15)」)および「長さ=0001010(=10)」を通知すればよい。そして、通知されたnodeは、周波数リソース開始番号(終了番号)および長さを通知する場合には、開始番号に長さを加算(終了番号から長さを減算)することにより、終了番号(開始番号)を取得すればよい。なお、周波数リソースの長さ(帯域幅)の絶対値に加えて、開始番号、または、終了番号を通知することを指し示す識別子(flag)を併せて送ってもよい。
【0153】
上述した、2つの通知方法により、実施の形態1及び上述した変形例1〜5に係る伝送システムにおいて、通信装置100は、ICI低減効果を維持しながら、PMIを通知する周波数リソース位置情報に関するオーバヘッドを更に低減できる。
【0154】
<周波数リソース位置情報の削減>
なお、実施の形態1に係る伝送システムでは、通信装置100は、選択したPMIの周波数リソース位置情報を、システム帯域全体を指し示す周波数リソースをビットマップで表現し、その全情報を通知する場合を示したが、これに限らない。例えば、実施の形態1に係る伝送システムにおいて、通信装置100は、CoMPの対象とするUEの数の割合が、セル内の全UEの数(CoMPの対象としないUE数)と比較して大幅に小さい点を利用することで、選択したPMIの周波数リソース位置情報を、以下に示す方法で通知してよい。
【0155】
つまり、実施の形態1に係る伝送システムでは、通信装置100は、システム帯域を分割することで複数のサブ帯域を定義し、サブ帯域内だけのPMI通知のリソースをビットマップで示し、他nodeには、サブ帯域番号とそのサブ帯域内の周波数リソース位置をビットマップで通知しても良い。
【0156】
そこで、
図13を参照して、サブ帯域番号と、サブ帯域内でのPMI通知の有無をビットマップで通知する例について説明する。
図13は、サブ帯域番号と、サブ帯域内でのPMI通知の有無をビットマップで通知する例(1)を説明するための図である。
【0157】
図13に示すように、実施の形態1に係る伝送システムにおいて、システム帯域を4つに等分割し、4つのサブ帯域を定義する。つまり、サブ帯域#0に対して、サブ帯域番号(00)を対応付ける。サブ帯域#1に対して、サブ帯域番号(01)を対応付ける。サブ帯域#2に対して、サブ帯域番号(10)を対応付ける。サブ帯域#3に対して、サブ帯域番号(11)を対応付ける。
【0158】
また、
図13に示すように、各サブ帯域内には、4つの物理リソースブロックが存在するものとする。つまり、サブ帯域#0には、4つの物理リソースブロックPRB#0〜PRB#3が存在する。サブ帯域#1には、4つの物理リソースブロックPRB#4〜PRB#7が存在する。サブ帯域#2には、4つの物理リソースブロックPRB#8〜PRB#11が存在する。サブ帯域#3には、4つの物理リソースブロックPRB#12〜PRB#15が存在する。
【0159】
また、
図13に示すシステム帯域では、サブ帯域番号(01)が対応付けられたサブ帯域#1に含まれる、3つの物理リソースブロック、PRB#5、PRB#6、PRB#7だけ、他nodeへ通知するPMIとして選択される。
【0160】
即ち、実施の形態1に係る伝送システムにおいて、通信装置100は、サブ帯域番号(01)が対応付けられたサブ帯域#1内でだけ、他nodeへ通知するPMIを選択する。このような場合、他nodeへ通知するPMIの周波数リソース位置を示すビット系列は、「サブ帯域番号」、及び「サブ帯域内でのPMI通知の有無(ビットマップ)」から構成される。即ち、サブ帯域#1に対応するサブ帯域番号(01)と、サブ帯域内でのPMI通知の有無を示すビットマップ(0111)とを組み合わせたビット系列として、(010111)を通知する。更に、通信装置100は、このビット系列(010111)に加えて、通知するPMIリストを通知すれば良い。ここで、各PRBで通知するPMI数は2の固定値を用いるものとしている。
【0161】
したがって、実施の形態1に係る伝送システムにおいて、通信装置100は、セル内での利用する周波数リソースの割合が少ないCoMPの対象となるUEを、特定の限定的な帯域で収容しながら、通知に必要なオーバヘッドを更に削減できる。
【0162】
ここで、CoMP UEとは、CoMPの対象となるUEである。また、non−CoMP UEとは、CoMPの対象とならないUEである。
【0163】
なお、
図13に示すシステム帯域では、システム帯域を等分割し、等しい帯域幅を有する複数のサブ帯域を定義する場合を例にして説明したが、これに限らない。例えば、システム帯域を分割する帯域幅を互いに異ならせてもよい。このような場合について、
図14を参照して説明する。
図14は、実施の形態1において、サブ帯域番号と同帯域内でのPMI通知の有無をビットマップで通知する例(2)を説明するための図である。
【0164】
例えば、CoMPの対象となるUEとnon−CoMP UEをシステム帯域内の周波数リソースで効率的に利用する場合においては、一般的にその数は異なる(CoMP UE数 < non−CoMP UE)。従って、例えば、そのCoMP UE数に比例してシステム帯域を分割してサブ帯域を生成し、周波数リソースを有効利用することが考えられる。
【0165】
ここで、
図14に示すように、実施の形態1に係る伝送システムにおいて、システム帯域を2つに分割し、2つのサブシステム帯域を定義する。つまり、サブ帯域#0に対して、サブ帯域番号(00)を対応付ける。サブ帯域#1に対して、サブ帯域番号(01)を対応付ける。
図14に示すシステム帯域と異なる点は、システム帯域を非均等に分割するために、サブ帯域#0には、互いに等間隔の4つの物理リソースブロックPRB#0〜PRB#3が含まれるのに対して、サブ帯域#1には、互いに等間隔の12つの物理リソースブロックPRB#4〜PRB#15が含まれている点である。
【0166】
そして、
図14に示すシステム帯域では、サブ帯域番号(00)が対応付けられたサブ帯域#1に含まれる、3つの物理リソースブロック、PRB#1、PRB#2、PRB#3だけ、他nodeへ通知するPMIとして選択される。
【0167】
即ち、実施の形態1に係る伝送システムにおいて、通信装置100は、サブ帯域番号(00)が対応付けられたサブ帯域#1内だけ、他nodeへ通知するPMIを選択する。さらに、他nodeへ通知するPMIの周波数リソース位置を示すビット系列は、「サブ帯域番号」、及び「サブ帯域内でのPMI通知の有無(ビットマップ)」から構成される。即ち、サブ帯域#1に対応するサブ帯域番号(00)と、サブ帯域内でのPMI通知の有無を示すビットマップ(0111)とを組み合わせたビット系列として、(010111)を通知する。更に、通信装置100は、このビット系列(010111)に加えて、選択したPMIリストを通知すれば良い。ここで、各PRBで通知するPMI数は2の固定値を用いるものとしている。
【0168】
これにより、実施の形態1に係る伝送システムにおいて、通信装置100は、少ないオーバヘッドで、更に効率的に、周波数領域及び空間領域におけるICICを実現できる。
【0169】
また、サブ帯域番号とサブ帯域内のPMI通知の有無を示すビットマップの情報の通知方法において、サブ帯域番号を示すビット系列を、サブ帯域内のPMI通知の有無を示すビットマップの情報より、誤りにくい送信フォーマットとして通知してもよい。例えば、サブ帯域番号をMSB(Most Significant Bit)として扱い、誤り訂正符号化の符号化率を向上させてもよい。また、多値変調(16QAM等)において信頼度の高いコンスタレーションのビット位置に割り当てても良い。これにより、複数node間でのCoMPを安定的に運用することができる。
【0170】
また、サブ帯域番号とサブ帯域内のPMI通知の有無を示すビットマップの情報の通知において、サブ帯域内のPMIを通知する周波数リソースの番号(e.g., PRB番号)を、複数通知してもよい。
【0171】
例えば、110個のPRBから構成される場合(PRB番号=0〜109を6ビットで表現する場合)において、PMIを通知するPRB番号が5および20の場合、「0000101(=5)」および「00010100(=20)」を通知すればよい。
【0172】
また、サブ帯域番号とサブ帯域内のPMI通知の有無を示すビットマップの情報の通知において、サブ帯域内のPMIを通知する周波数リソースが連続的に存在する場合は、周波数リソースの開始番号と終了番号を通知してもよい。
【0173】
例えば、110のPRBから構成される場合(PRB番号=0〜109を7ビットで表現する場合)において、PMIを通知するPRB番号が5〜15の場合、「開始番号=0000101(=5)」および「終了番号=0001111(=15)」を通知すればよい。
【0174】
また、サブ帯域番号とサブ帯域内のPMI通知の有無を示すビットマップの情報の通知において、サブ帯域内のPMIを通知する周波数リソースが連続的に存在する場合は、周波数リソースの開始(または、終了)番号と、連続する周波数リソースの長さ(帯域幅)の絶対値を通知すれば良い。
【0175】
例えば、110のPRBから構成される場合(PRB番号=0〜109を7ビットで表現する場合)において、PMIを通知するPRB番号が5〜15の場合、「開始番号=0000101(=5)」(「終了番号=0001111(=15)」)および「長さ=0001010(=10)」を通知すればよい。そして、通知されたnodeは、周波数リソース開始番号(終了番号)および長さを通知する場合には、開始番号に長さを加算(終了番号から長さを減算)することにより、終了番号(開始番号)を取得すればよい。なお、周波数リソースの長さ(帯域幅)の絶対値に加えて、開始番号、または、終了番号を通知することを指し示す識別子(flag)を併せて送ってもよい。
【0176】
上述した、サブ帯域番号とサブ帯域内のPMI通知の有無を示すビットマップの情報の通知方法により、実施の形態1に係る伝送システムにおいて、通信装置100は、ICI低減効果を維持しながら、PMIを通知する周波数リソース位置情報に関するオーバヘッドを更に低減できる。
【0177】
(実施の形態2)
次に、
図15を参照して、実施の形態2について詳細に説明する。本実施の形態に係る伝送システムにおいて、実施の形態2に係る通信装置は、少なくとも以下の特徴(1)、(2)を有する。
【0178】
(1)複数リソースエレメント(RE)、複数サブキャリア、複数PRB等から構成されるサブバンド内における、RNTPの2値のindicatorの1(or 0)の数に応じて、その帯域を単位としてプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を制御すること。
(2)サブバンド帯域内でRNTP=1(0)の数が多いほど、プレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を増やす(減らす)こと。
【0179】
ここで、
図15を参照して、実施の形態2に係る伝送システムにおいて、実施の形態2に係る通信装置の拡張PMIリスト選択部131の動作について説明する。なお、それ以外の構成要件については、実施の形態1の変形例1に係る通信装置100Aと同じであるので、その詳細な説明を省略する。
【0180】
図15は、実施の形態2における拡張PMIリストの一例である。
図15には、拡張PMIリストと対応する、周波数リソース毎(PRB#0〜#8のそれぞれ)のRNTPの2値のindicatorも示す。また、
図15では、3PRB毎に2値のRNTPのindicator(0 or 1)の数をカウントした結果も示す。
【0181】
さらに、
図15に示す拡張PMIリストの一例では、2値のRNTPのindicator(0 or 1)の数をカウントした3PRB分の帯域毎で、(A)2値のRNTPのindicatorが1(又は0)である、PRBの数が0(又は3)の場合、通知するPMIリスト数を0とし、(B)2値のRNTPのindicatorが1(又は0)である、PRBの数が1(又は2)の場合、通知するPMIリスト数を1とし、(C)2値のRNTPのindicatorが1(又は0)である、PRBの数が2(又は1)の場合、通知するPMIリスト数を2とし、(D)2値のRNTPのindicatorが1(又は0)である、PRBの数が3(又は0)の場合、通知するPMIリスト数を3と、それぞれ定義している。
【0182】
例えば、
図15に示すように、3つのPRB#0〜#2からなる帯域において、2値のRNTPのindicatorが1(又は0)であるPRBの数は2(又は1)であるので、通信装置は、拡張PMIリスト選択部131で、通知する2つのPMIリスト(PMI#0、及びPMI#1)を選択している。
【0183】
つまり、本実施の形態に係る伝送システムにおいて、実施の形態2に係る通信装置は、サブバンド帯域内で2値のRNTPのindicatorが1(又は0)である周波数リスース(
図15中ではPRB)の数が多い(又は少ない)ほど、プレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を増加させている(又は減少させている)。
【0184】
図15を参照して説明したように、実施の形態2に係る通信装置は、プレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を、複数リソースエレメント(RE)、複数サブキャリア、複数PRB等から構成されるサブバンド内における、RNTPの2値のindicatorの1(又は 0)の数に応じて可変制御し、他nodeへ通知することで、周波数領域及び空間領域のICICを実現する。
【0185】
これにより、実施の形態2に係る通信装置は、Node間での協調CBによるICI低減効果を維持しながら,backhaul上で通知するプレコーディング(ビームフォーミングウェイト(e.g., PMIリストの数))情報に関するオーバヘッドを更に削減できる。
【0186】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について詳細に説明する。
【0187】
図16(A),(B)を参照して、実施の形態3に係る伝送システムにおいて、通信装置600の拡張PMIリスト選択部131の動作について説明する。なお、それ以外の構成要件については、実施の形態1の変形例1に係る通信装置100Aと同じであるので、その詳細な説明を省略する。
図16(A),(B)は、実施の形態3における拡張PMIリストの一例である。
【0188】
本実施の形態に係る伝送システムにおいて、通信装置600は、少なくとも以下の特徴(1)、(2)を有する。
(1)RNTPの2値のindicatorを決める際に用いるセル(component carrier等)毎の複数の閾値を、プレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)に対応付けること。
(2)RNTPの閾値が大きい(小さい)程、プレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を増加させる(減少させる)こと。
【0189】
ここで、RNTPの閾値はnode毎に複数の値に設定できるため、閾値の値によって、RNTP(0 or 1)の意味合いが異なる。すわなち、RNTPの閾値が大きく、かつRNTPの2値のindicatorが1の場合、送信信号電力が非常に大きいということ意味する。また、RNTPの閾値が中程度であり、かつRNTPの2値のindicatorが1の場合、送信信号電力が大きいということ意味する。
【0190】
そこで、本実施の形態では、以下のように、RNTPの2値のindicatorを決める際に用いるセル(component carrier等)毎の複数の閾値を、プレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)に対応付ける。すなわち、(A)RNTPの閾値が大きく、かつRNTPの2値のindicatorが1の場合、通知するPMIリスト数を多く設定する。(B)RNTP閾値が小さく、かつRNTPの2値のindicatorが1の場合、通知するPMIリスト数を少なく設定する。
【0191】
これにより、RNTPの閾値の大きさによって、RNTPの2値のindicatorの意味合いが異なることを情報量に反映できる。そのため、本実施の形態に係る伝送システムにおいて、通信装置600は、より正確なプレコーディング(ビームフォーミング)の情報量(e.g., PMIリストの数)を他nodeに通知できる。また、本実施の形態に係る伝送システムにおいて、通信装置600は、セル(component carrier等)毎の他セルへの与干渉量の大小に応じて、必要最小限のPMI数を設定できるため、ICIを低減しながらPMI情報に関するオーバヘッドを更に削減できる。
【0192】
ここで、上記したように、1つのcomponent carrierは、20MHzなどのある纏まった周波数帯域の事を示している。
【0193】
(実施の形態4)
上記の実施の形態において、周波数リソース毎のRNTPのindicator=1(0)に応じて、その帯域におけるプレコーディング(ビームフォーミング))(e.g., PMIリストの数)の情報量を増加(減少)させ、その情報を他nodeに通知する方法について述べた。そこで、本実施の形態4に係る伝送システムとして、LTE Rel.8のRNTPのindicatorを、本実施の形態に組み合わせる方法について、
図17を参照して説明する。
図17は、RNTPのindicatorとPMIリストを同時に他nodeへ通知する方法を説明するため図である。
【0194】
図17では、RNTPのindicatorと、上記実施の形態において拡張PMIリスト選択部131が選択したPMIリストを、通信装置600から他のnodeへ同時に通知する。説明のため、
図17中では、通信装置600をNodeB_1とし、他のnodeをNodeB_2と表記する。
【0195】
また、
図17では、時間T1、T3およびT5のタイミングで同時に、2つの情報(RNTPのindicator及びPMIリスト)を通知する。これにより、nodeB_2は、nodeB_1からの周波数領域、及び空間領域における他セル干渉の情報を取得することができるため、周波数領域、又は周波数領域及び空間領域のICIC制御を柔軟に実施することができる。
【0196】
しかしながら、2つの情報(RNTPのindicator及びPMIリスト)が通知される時間T1、T3、及びT5においては、nodeB_1はnodeB_2に対して、周波数リソース毎の送信信号電力の大小の情報を過剰に通知しているため、backhaulのトラフィックを逼迫しているという、更なる課題が上記の方法には存在する。
【0197】
なぜなら、周波数リソース毎にPMIリストの情報量は、その帯域における周波数リソースの送信信号電力の大きさに基づいて決定されており、PMIリストの情報量の多さは、すなわち、その帯域における周波数リソースの送信信号電力の大きさを暗示的に示しているためである。従って、時間T1、T3およびT5において、nodeB_2は、RNTPのindicatorおよびPMIリストの2つの情報から、nodeB_1の周波数リソースの送信信号電力の大きさの情報を重複して取得していることになる。
【0198】
そこで、本実施の形態の変形例において、通信装置600は、周波数リソース毎の送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)、または、通信品質の大小(良悪)の情報と、その周波数リソース位置におけるプレコーディング(ビームフォーミング))(e.g., PMIリストの数)の情報の他nodeへの通知方法において、通知周期を異ならせる。
【0199】
図18に通信装置600のブロック図を示す。
図18に示す通信装置600は、受信処理部101と、制御情報抽出部103と、拡張PMIリスト格納部(自node用)105と、プレコーディングウェイト決定部107と、データ情報送信処理部109と、制御情報送信処理部111と、参照信号送信処理部113と、スケジューラ部115と、送信信号電力制御部117と、無線送信処理部119と、RNTPのindicator生成部121と、制御部123と、無線受信処理部125と、制御情報抽出部127と、拡張PMIリスト格納部(他node用)129と、拡張PMIリスト選択部131と、制御情報生成部133と、送信処理部135と、送受信アンテナ137を備える。
【0200】
ここで、
図18に示す通信装置600の動作が、
図6に示す通信装置100Aの動作と異なるのは、制御部123及び拡張PMIリスト選択部131の動作である。以下、本実施の形態において、制御部123及び拡張PMIリスト選択部131の動作を中心に説明する。
【0201】
図19を参照して、実施の形態4に係る伝送システムにおいて、RNTPのindicatorとPMIリストを通知するタイミングについて説明する。
図19は、RNTPの通知タイミングとPMIリストの通知タイミングとを異ならせて他nodeへ通知する方法(1)を説明するための図である。
【0202】
なお、説明のため、
図19において、通信装置600をNodeB_#1(serving cell)と表記し、RNTPのindicatorとPMIリストの通知先である他NodeをNodeB_#2(non−serving cell)と表記する。
【0203】
図19に示すように、制御部123で設定される通知タイミングとして、(1)NodeB_#1からNodeB_#2への、RNTPの通知タイミングは、T1、T3、T5であり、(2)Node#1(serving cell)からNodeB_#2(non−serving cell)への、PMIリストの通知タイミングは、T2、T4である。なお、PMIリストのT2およびT4のPMI情報は、T2およびT4の時点における将来の送信信号電力情報(RNTPのindicator)から、上記の実施の形態またはその変形例にいずれかの方法を基づいて選択されたPMI情報である。
【0204】
つまり、実施の形態4に係る伝送システムにおいて、通信装置600は、制御部123で、NodeB_#1(serving cell)からNodeB_#2(non−serving cell)への、RNTPの通知タイミングと、nodeB_#1(serving cell)からnodeB_#2(non−serving cell)への、PMIリストの通知タイミングとが異なるように、両通知タイミングを設定している。
【0205】
そして、拡張PMIリスト選択部131では、PMIリスト数の情報は、それぞれの時点における将来の送信信号電力の大小(RNTPのindicator(0 or 1))に基づいて決定しているため、両情報を受信したNodeBは、周波数リソース位置におけるプレコーディング(ビームフォーミング))(e.g., PMIリストの数)の情報量から、「該当周波数リソースでの該当セルの送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)、または、通信品質の大小(良悪)の情報」=他セル干渉電力の大小の情報を、暗示的に知ることができる。
【0206】
図19に示すように、例えば、NodeB_#2は、時間T2におけるRNTP情報をNodeB_#1から通知されていないが、NodeB_#2は、NodeB_#1から通知された時間T2におけるPMI情報から、「該当周波数リソースでの該当セルの送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)、または、通信品質の大小(良悪)の情報」=他セル干渉電力の大小の情報を、暗示的に知ることができる。
【0207】
従って、RNTP、または、PMIリストの情報を受信したタイミング全てにおいて、nodeB_#2は、他セル(node_#1)からの干渉電力の大小の情報を取得できる。従って、この情報をCSに利用することが可能となる。
【0208】
また、本実施の形態において、通信装置600は、制御部123で、周波数リソース毎の送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)、または、通信品質の大小(良悪)の情報の通知周期より、プレコーディング(ビームフォーミング))(e.g., PMIリストの数)の情報の通知周期を長く設定しても良い。この場合について、
図20を参照して説明する。
図20は、RNTPの通知周期とPMIリストの通知周期とを異ならせて他nodeへ通知する方法(2)を説明するための図である。
【0209】
図20に示すように、制御部123で、NodeB_#1(serving cell)からNodeB_#2(non−serving cell)への送信電力の通知周期をT_rntp毎に、NodeB_#1からNodeB_#2への拡張PMIの通知周期をT_pmiに設定する(T_rntp <= T_pmi)。なお、PMIリストのT2およびT6のPMI情報は、T2およびT6の時点における将来の送信信号電力情報(RNTPのindicator)から、上記の実施の形態またはその変形例にいずれかの方法を基づいて選択されたPMI情報である。
【0210】
これにより、本実施の形態では、通信装置600は、RNTP、または、PMIリストの情報より、「該当周波数リソースでの該当セルの送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)、または、通信品質の大小(良悪)の情報」=他セル干渉電力の大小の情報を、高頻度に優先的に通知することで、他セル干渉電力の小さい場合(協調ICICに必要の無い周波数リソースにおける、無駄となるプレコーディング(ビームフォーミング))(e.g., PMIリストの数)の情報の通知を回避することができる。即ち、オーバヘッドを削減できる。
【0211】
また、受信nodeであるNodeB_#2は、「該当周波数リソースでの該当セルの送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)、または、通信品質の大小(良悪)の情報」=他セル干渉電力の大小の情報を、高頻度に受信することができる。そのため、他セル干渉電力の小さい周波数リソースにおいては、自セルのUEだけを考えればよくなるため、他セル干渉に関係する無駄な演算をせずに、プレコーディング(ビームフォーミング))の柔軟に行うことができる。
【0212】
なお、上記の実施の形態において、通信装置600は、制御部123で、周波数リソース毎の送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)、または、通信品質の大小(良悪)の情報の通知周期より、プレコーディング(ビームフォーミング))(e.g., PMIリストの数)の情報の通知周期を長く設定する場合を示したが、反対に、周波数リソース毎の送信電力(密度)、(正規化)送信信号エネルギー(密度)、または、通信品質の大小(良悪)の情報の通知周期より、プレコーディング(ビームフォーミング))(e.g., PMIリストの数)の情報の通知周期を短く設定してもよい。
【0213】
例えば、他セルへの干渉のダイナミックな変動を回避するために、ある一定期間の間、一定の電力で送信する送信電力制御方法をNodeが用いる場合がある。そのような場合には、将来の送信信号電力の情報(RNTPのindicator)の情報を重要度は、プレコーディング(ビームフォーミング))(e.g., PMIリストの数)の情報の重要度より低くなる。従って、上記の方法を用いることにより、送信信号電力(他セルから見れば、他セル干渉)のダイナミックな変動が小さい環境下で、プレコーディング(ビームフォーミング))を複数セル間で効果的に運用することができる。
【0214】
なお、本実施の形態では、通信装置600は、RNTPのindicatorをNode#2へ送らず、Node#2へPMIリストだけを送ってもよい。これにより、上記したように、本実施の形態に係る伝送システムでは、通信装置600は、拡張PMIリストの情報量(e.g., PMIリストの数)から、他セルの送信信号電力の(大小)情報を暗示的に知ることができるため、RNTPの制御情報量に関するオーバヘッドを無くすことができる。
【0215】
なお、上記各実施の形態において、通信装置(基地局(nodeB))をプレコーディング(ビームフォーミング)情報を協調しあうnodeとして取り上げたが、これに限らない。例えば、マクロ基地局(nodeB)、マイクロ基地局(nodeB)、ピコ基地局(nodeB)、Home基地局(nodeB)、張り出しアンテナ(RRE: Remote Radio Head、RRE: Remote Radio Equipment)などがあり、それらに適用することができる。また、端末をnodeとして、端末間のbackhaulを無線で接続し、端末間の協調に適用しても良い。これにより、上記の実施例と同様の効果が得られる。
【0216】
なお、上記各実施の形態において、node間のbackhaulはX2等の有線網で接続されている場合で説明したが、無線網で協調node間が接続される構成にも適用してもよい。例えば、backhaulが無線で構成されているrelay nodeとマクロnodeB間、relay−relay間などに適用してもよい。これにより、上記各実施の形態と同様の効果が得られる。
【0217】
なお、上記各実施の形態において、周波数領域の物理リソース(サブキャリア、リソースエレメント、リソースブロックなど)における、プレコーディング(ビームフォーミング)情報を他nodeに通知する場合を示したが、これに限らない。周波数ではなく、時間、符号、・・・領域などの他物理リソースに対して適用してもよい。これにより、上記各実施の形態と同様の効果が得られる。
【0218】
なお、上記各実施の形態において、周波数領域の物理的なリソース(サブキャリア、リソースエレメント、リソースブロック等)における、プレコーディング(ビームフォーミングウェイト)情報を他nodeに通知する例を示したが、これに限らない。例えば、論理的なリソース(例えば、virtual サブキャリア、virtualリソースエレメント、virtualリソースブロックなど)に対して同様に適用してもよい。これにより、送信信号を送る物理的なリソースの制約を受けずに、上記各実施の形態と同様の効果が得られる。
【0219】
なお、上記各実施の形態において、送信信号電力の情報(例えば、RNTP)を拡張PMIの情報と伴に同時に通知してもよい。これにより、他nodeにおける送信信号電力の情報を考慮に入れて、通知された拡張PMI情報の中から適当なプレコーディングウェイトを選択することができる。すなわち、周波数領域における他セル干渉の電力の情報、および、空間領域における他セル干渉のプレコーディング(ビームフォーミング)情報を同時に取得することができるため、周波数領域及び空間領域のICIC制御を柔軟に実施することができる。
【0220】
なお、上記各実施の形態において、連続した周波数リソースをグループとして、そのグループ対する拡張PMIを通知する場合を示したが、非連続な周波数リソースをグループとして、拡張PMIを通知しても良い。
【0221】
なお、上記各実施の形態において、Best(Worst)PMIなどの拡張PMI情報として、1番目に悪い(良い)PMIを通知せずに、1番目以外のPMIを通知してもよい。例えば、2番目に悪い(良い)PMIを通知する。これにより、複数セル全体で見た場合において、1番目に悪い(良い)PMIではなく、2番目に悪い(良い)PMIを通知した場合の方か、全体最適化という観点で複数セル全体でのスループットを最大化できる場合があるが、そのような場合に効果的に運用できる。
【0222】
なお、上記各実施の形態において、ビームフォーミング(プレコーディング)情報として、PMIを通知する例を示したが、これに限らない。伝搬チャネル(または、送信信号、受信信号)のcovariance matrixやチャネル行列などのexplicitなチャネル情報を通知する場合において、その情報の量子化ビット数を送信信号電力の大小の情報など(例えば、RNTP値)に関連付けても良い。これにより、上記と同様の効果を得られる。
【0223】
なお、上記各実施の形態において、node毎のアンテナポート数(codebookサイズ)に対応付けて、拡張PMI通知数(または、granularity)を変えてもよい。例えば、node(セル)の送信アンテナポート数(codebookサイズ)が多い場合には、それにともなって、ビームフォーミング(プレコーディング)情報量、PMI通知数を増加させても良い。これにより、Node毎にアンテナポート数が異なるなどの、異なるconfigurationの場合に、システム全体で最適化できる。
【0224】
また、上記各実施の形態において、周波数リソース毎に、Best PMI(他セルでの使用を制限(禁止)する、奨励しないPMI)情報、又はWorst PMI(他セルでの使用を奨励するPMI)情報のいずれか1つを通知する構成を取っていたが、これに限らない。選択したある特定の同一周波数リソースで2つの情報を同時に送付してもよい。
図21(A),(B)にその一例を示す。
図21(A),(B)は、特定の同一周波数リソースで2つの情報を同時に送付するための方法を説明するための図である。
【0225】
図21(A)では、PRB番号=#0および#3の、Best+Worst PMIリスト、および、その周波数リソース位置情報を通知する場合を示している。また、
図21(B)では、送信信号電力の情報に対応付けられたBest+Worst PMIリスト数、および、その周波数リソース位置情報を通知する場合であり、送信信号電力=大のPRB番号=#0および#3の、Best+Worst PMIリスト、および、その周波数リソース位置情報を通知する場合に相当する。
【0226】
これにより、セル毎の周波数リソース毎にCoMPの送信モードが異なる場合においても、例えば、隣接node内のセル1ではCBモード、隣接node内のセル2ではJPをCoMPとして採用している場合においても、同時に対応することができる。
【0227】
また、上記各実施の形態において、servingセルが自セルに接続しているUEに向けて、拡張PMI(ビームフォーミング/プレコーディング)の要求信号を送信し、その信号を受信したUEは、例えば、自UEに対して大きな他セル干渉などを発生させるPMIリスト(他セルでの利用を制限(禁止)する、奨励しないことを推奨するPMIリスト)を選択し、その情報をservingセルにフィードバックする場合について説明した。
【0228】
しかしながら、servingセルに接続するUEは、拡張PMI(ビームフォーミング/プレコーディング)要求の信号を送信せず、以下に示す実施例に従っても良い。例えば、servingセルは、LTE Rel.8と同様に、自セルのUEに対してのPMIフィードバック要求信号を送信し(自UEに対して利用を推奨するPMI(例えば、best PMI)要求信号を送信し)、UEはその情報をservingセルにフィードバックする。Servingセルは、フィードバックされたbest PMIのリストを周波数帯域毎に生成する。そして、周波数帯域毎に複数のbest PMIから構成されるリストの中で、CoMPモードに該当するPMIだけを他nodeに通知するPMIリストとして選択する(換言すると、non−CoMPモードのPMIは他nodeへ通知するPMIとして選択しない)。そして、周波数帯域毎に選択したPMIだけを他nodeへ通知する。このような構成を取ることにより、LTE Rel.8のフィードバックメカニズムを維持しながら、即ち、後方互換性を維持しながら、上記と同様の効果を得ることができる。
【0229】
また、上記各実施の形態において、各nodeのセル(component carrier)毎に用いたRNTPの閾値を、併せて他nodeに通知してもよい。これにより、閾値の大きさによって、RNTPのindicator(0 or 1)の意味合いが異なることを、プレコーディング(ビームフォーミング)の情報、PMIリスト情報を受信したnodeが、他セルからの干渉量の大小を独自に判断できる(例えば、nodeB、Relay、HomeNodeBでは許容最大電力が異なるため、許容最大電力およびRNTPの閾値から、受信nodeがICIの大きさの個別に正確に判断することができる。従って、通知されたプレコーディング(ビームフォーミング)の情報、PMIリスト情報にどの程度従うべきか、従わなくても良いか、の判断に利用することができ、PMIリストの選択の柔軟性を増すことができる。
【0230】
また、上記各実施の形態において、ビームフォーミング/プレコーディングの情報量(拡張PMIの通知数)と、送信信号電力の大小の情報を対応付け、RNTPと周波数リソース毎のビームフォーミング/プレコーディング(拡張リソース)情報を通知する場合には、ビームフォーミング/プレコーディングの情報量(拡張PMIの通知数)から、他セルの送信電力の情報を暗示的に知ることができるため、ビームフォーミング/プレコーディング(拡張PMI)の情報が該当する周波数リソース位置の情報は送付しなくてもよい。これにより、オーバヘッドを更に削減できる。
【0231】
また、上記各実施の形態において、DLのCoMPを対象に、node間でのプレコーディング(例えば、PMI)情報、又は、ビームフォーミングウェイト情報を通知する方法について説明したが、UL(Uplink)のCoMPにおいて、複数セルに接続しているUE間での協調ビームフォーミングにおける、backhaul上でのプレコーディング(例えば、PMI)情報、又は、ビームフォーミングウェイト情報の通知方法にも同様に適用することができる。これにより、上記各実施の形態と同様の効果が得られる。
【0232】
なお、上記実施の形態ではアンテナとして説明したが、アンテナポートでも同様に適用できる。アンテナポート(antenna port)とは、1本または複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。
【0233】
例えばLTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なるReference signalを送信できる最小単位として規定されている。また、アンテナポートはPrecoding vectorの重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【0234】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0235】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0236】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【0237】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
【0238】
本出願は、2010年1月8日出願の日本特許出願(特願2010−003332)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。