(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基礎図形の一部を消去する際に、前記設計データと前記基礎図形との距離が遠い前記基礎図形の一部を優先的に消去することを特徴とする請求項7に記載のダミーパターンの発生方法。
前記基礎図形の一部を消去する際に、予め定められた前記基礎図形の消去の優先順位となる消去優先順位にしたがって、前記基礎図形の一部を消去することを特徴とする請求項7に記載のダミーパターンの発生方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態のダミーパターン発生装置1を示す図である。
【0016】
第1の実施の形態のダミーパターン発生装置(コンピューター)1は、半導体集積回路の設計データに基づいてダミーパターンを発生し、設計データとダミーパターンとを合成して出力する装置である。
【0017】
このダミーパターン発生装置1は、記憶部1aと、生成部1bと、配置部1cと、形成部1dと、除去部1eと、出力部1hとを有している。なお、生成部1bと、配置部1cと、形成部1dと、除去部1eは、主にダミーパターン発生装置1が有するCPU(Central Processing Unit)が備える機能により実現することができる。また、記憶部1aと、出力部1hは、主にダミーパターン発生装置1が有するRAM(Random Access Memory)やハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、光ディスク等が備えるデータ記憶領域により実現することができる。なお、各部を実現する機能は上記説明のものに限られず、また、例示したCPU、RAM、HDD等を適宜組み合わせて各部を実現しても良い。
【0018】
図2は、
図1の第1の実施の形態のダミーパターン発生装置1の一例としてのダミーパターン発生装置100のハードウェア構成を示す図である。
【0019】
ダミーパターン発生装置100は、中央演算処理制御装置101によって装置全体が制御されている。中央演算処理制御装置は例えばCPUである。中央演算処理制御装置101には、バス108を介して記憶装置102と複数の周辺機器が接続されている。記憶装置は例えばRAMである。記憶装置102は、ダミーパターン発生装置100の主記憶装置として使用される。記憶装置102には、中央演算処理制御装置101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、記憶装置102には、中央演算処理制御装置101による処理に使用する各種データが格納される。
【0020】
バス108には、データ保持装置103、画像表示処理装置104、外部入力制御装置105、外部データ入出力制御装置106、および、通信入出力制御装置107が接続されている。データ保持装置103は、例えばHDDである。
【0021】
データ保持装置103は、例えばHDDの場合には、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。データ保持装置103は、ダミーパターン発生装置100の二次記憶装置として使用される。データ保持装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
【0022】
画像表示処理装置104には、モニタ104aが接続されている。画像表示処理装置104は、中央演算処理制御装置101からの命令に従って、画像をモニタ104aの画面に表示させる。モニタ104aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や、液晶表示装置等が挙げられる。
【0023】
外部入力制御装置105には、キーボード105aとマウス105bとが接続されている。外部入力制御装置105は、キーボード105aやマウス105bから送られてくる信号を中央演算処理制御装置101に送信する。なお、マウス105bは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、例えばタッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等が挙げられる。
【0024】
外部データ入出力制御装置106は、例えば、光の反射によって読み取りや、書き出しが可能なようにデータが記録される光ディスクや、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の持ち運び可能な記録媒体に記録されたデータの読み取りや、書き出しを行う。例えば、外部データ入出力制御装置106が光学ドライブ装置である場合、レーザ光等を利用して、光ディスク200に記録されたデータの読み取りや、データの書き出しを行う。光ディスク200には、Blu−ray(登録商標)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等が挙げられる。
【0025】
通信入出力制御装置107は、通信網150に接続されている。通信網150は、例えばLAN(Local Area Network)や、インターネット網等である。通信入出力制御装置107は、通信網150を介して、他のコンピューターまたは通信機器との間でデータを送受信する。
【0026】
以上のようなハードウェア構成によって、以下のように本実施の形態の処理機能を実現することができる。
【0027】
ダミーパターン発生装置1が有している記憶部1aと、生成部1bと、配置部1cと、形成部1dと、除去部1eと、出力部1hは、例えば
図2のダミーパターン発生装置100のハードウェア構成によって以下のように具体的な機能を有している。
【0028】
図1の記憶部1aは、例えば
図2の通信網150や、外部データ入出力制御装置106を介してダミーパターン発生装置100に入ってくる設計データや、基礎図形や、その他の処理の過程における一時的なデータや、出力されるマスクデータを一時的に記憶したり、保持したりする機能を有している。具体的には、記憶装置102や、データ保持装置103がその機能を有している。また、これに代わって、外部データ入出力制御装置106を介して光ディスク200等に記憶したり、保持しても構わず、また、通信入出力制御装置を介して通信網に接続された他のコンピューターに記憶したり、保持しても構わない。
【0029】
図1の生成部1bは、記憶部1aに格納された基礎図形の情報に基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、基礎図形を生成する機能を有している。さらに、この機能には基礎図形を
図1の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0030】
図1の配置部1cは、記憶部1aに格納された設計データに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、ダミーパターンを発生させる設計データの領域を計算する機能を有している。さらに、この機能には計算された設計データの領域を
図1の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には
図2の外部入力制御装置105や、外部データ入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107等から与えられるピッチの情報に基づいて、中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計データの領域の全面に設計データに重なるように基礎図形を間隔を置いて配置する機能が含まれる。さらに、この機能には配置された基礎図形を
図1の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0031】
図1の形成部1dは、記憶部1aに格納された設計データに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データを形成する機能を有している。さらに、この機能には外部入力制御装置105や、外部データ入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107等から与えられるオフセットの情報に基づいて、中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データを形成する機能が含まれる。さらに、この機能には形成されたオフセット設計データを
図1の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0032】
図1の除去部1eは、記憶部1aに格納された配置部1cで配置された基礎図形と、形成部1cで形成されたオフセット設計データとに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データと基礎図形との接触や、重なりの有無を判断し、基礎図形を除去対象となる除去対象基礎図形と識別する機能を有している。さらに、この機能には、除去対象基礎図形を
図1の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には、基礎図形のうち、オフセット設計データと重なる領域、その他の領域を識別するフラグを記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には、記憶部1aに格納された除去対象基礎図形を除去する機能が含まれる。
【0033】
図1の出力部1hは、記憶部1aに格納された設計データと残存する基礎図形に基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計データと残存する基礎図形を合成してダミーパターンを発生させたマスクデータを出力する機能を有している。マスクデータの出力先は、
図1の記憶部1aで有っても良いし、
図2の外部データ入出力制御装置106を介して光ディスク200等で有っても良いし、通信入出力制御装置107を介して通信網150に接続される他のコンピューター等で有っても構わない。この機能には、出力先を自由に選択できる機能も含まれる。さらに、この機能には、マスクデータを出力する前に
図1の記憶部1aに格納された形成部1dで形成されたオフセット設計データを予め排除する機能が含まれる。オフセット設計データが記憶部1aから排除されることにより、記憶部1aにおいて設計データと残存する基礎図形が合成されるという機能が達成される場合も含まれる。
【0034】
このように、
図1のダミーパターン発生装置1は、例えば
図2のダミーパターン発生装置100のハードウェアによって実現される機能を有することで、短手番で効率よく設計データに基づいてダミーパターンを発生させて、設計データとダミーパターンを合成したマスクデータを出力することができる。
【0035】
図3A〜
図3Eは、第1の実施の形態を説明する図であり、マスクデータが出力されるまでの過程を図形で例示したものである。
【0036】
図1のダミーパターン発生装置1には、記憶部1aに、図示しない設計データ11と、ダミーパターンの基礎となる基礎図形12の情報が格納されている。これらの情報は、例えば
図2のダミーパターン発生装置100が有する外部入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107を介して外部から入力されたものである。
【0037】
図3Aに示される図形は、
図3Bに示されている基礎図形12を構成する個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、および、12hを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形12a、12b、12c、および、12dは、一例として縦が0.8μm、横が0.2μmの長方形であり、個々の基礎図形12e、12f、12g、および、12hは、個々の基礎図形12a、12b、12c、および、12dをそれぞれ90°回転させた形状となっている。
【0038】
図3Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、および、12hを隙間なく並べ、かつ、重ねたものであり、基礎図形12の外形は、縦横0.8μmの正方形となっている。
【0039】
ここで、基礎図形12のうちの個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、および、12hは、例えば設計規則の最小幅が0.1μm、最小間隔が0.1μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるようなどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0040】
図1の生成部1bは、記憶部1aからの情報に基づいてダミーパターンの基礎となる基礎図形12を生成する。前述のとおり基礎図形12は一例として外形が正方形であり、縦横が0.8μmであるが、縦が0.8μm、横が0.2μm、または、縦が0.2μm、横が0.8μmの大きさの個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、および、12hの8つの図形が並べて重ねられたものである。
【0041】
次に、配置部1cは、記憶部1aに格納された設計データ11に基づいてダミーパターンを発生させる設計データ11の領域を計算する。なお、設計データ11は図示しない領域に渡って存在しているが図面では省略されている。そして配置部1cは、
図3Cに示されるように、設計データ11の領域の全面に基礎図形12を設計データ11に重なるように縦1.2μm、横1.2μmのピッチで間隔を置いて配置する。
図3Cには、設計データ11の一部として、設計データ11a、11b、11c、および、11dが図示されており、基礎図形12が重なるように配置されている。
【0042】
ここで、設計データが仮に無い場合の基礎図形12の平均データ占有率は、(約)44%となる。基礎図形12の大きさと、ピッチの情報とは、設計者が目標とする値を如何に設定するかによって定まるもので、あくまでも例示であって、設計者が適宜調整可能なものである。
【0043】
次に、
図1の形成部1dは、設計データ11に基づいて一定の大きさで図形にオフセットを入れるように拡張されたオフセット設計データ13を形成する。なお、オフセット設計データ13は設計データ11の全面の領域に渡って存在しているが図面では省略されている。ここで、
図3Dに示されるようにオフセット設計データ13a、13b、13c、および、13dは、一例として設計データ11a、11b、11c、および、11dに0.2μmのオフセットを設けて形成されている。
【0044】
オフセットは、設計データ11と最終的にマスクデータに合成されるダミーパターンとの幾何学的な干渉を防止する目的を有している。さらに、オフセットは、設計データ11と最終的にマスクデータに合成されるダミーパターンとの幾何学的な干渉を防止する目的以外に、設計データ11と最終的にマスクデータに合成されるダミーパターンとの電気的な干渉を防止する目的を有している。すなわち、ダミーパターンと設計データ11との間隔が近い場合には、電気的に寄生容量等を発生させる要因となるため、設計者はこれを回避する適正な量を適宜選択、調整することが可能である。
【0045】
次に、
図1の除去部1eは、オフセット設計データ13と個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、および、12hとの接触や、重なりの有無を判断する。
図3Dに示されるように個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、および、12hのうち接触や、重なりがあると判断されて除去対象となる除去対象基礎図形14a、14b、14c、14d、14e、14f、14g、および、14hを斜線で図示し、それを領域15と便宜上表記する。ここで、除去対象基礎図形14a、14b、14c、14d、14e、14f、14g、および、14hを含むものを総称として除去対象基礎図形14と呼ぶ。
【0046】
ここで、2つの個々の基礎図形が重なり合う場所で、2つの個々の基礎図形が除去対象基礎図形14となる場合と、2つの個々の基礎図形の片方が除去対象基礎図形14となる場合と、どちらの個々の基礎図形も除去対象基礎図形14とならない場合が有る。
【0047】
例えば、
図3Dに示されるように、位置Aでは、基礎図形12の個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、および、12hがオフセット設計データ13bに重なっているため、すべてが除去対象基礎図形14となる。
【0048】
一方、例えば、
図3Dに示されるように、位置Bでは、基礎図形12のうち個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、および、12fがオフセット設計データ13bに重なっているが、個々の基礎図形12g、および、12hはオフセット設計データ13bに重なっていないため、個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、および、12fは除去対象基礎図形14a、14b、14c、14d、14e、および、14fとなるが、個々の基礎図形12g、および、12hは除去対象基礎図形14とはならない。このような一部が除去対象基礎図形14となり、一部が除去対象基礎図形14とならない図形同士の重なった部分をクロスラインで図示し、領域16と便宜上表記する。
【0049】
さらに他方、例えば、
図3Dに示されるように、位置Cでは、基礎図形12のうち個々の基礎図形12a、12b、12e、および、12fがオフセット設計データ13bに重なっているが、個々の基礎図形12c、12d、12g、および、12hはオフセット設計データ13bに重なっていないため、個々の基礎図形12a、12b、12e、および、12fは除去対象基礎図形14a、14b、14e、および、14fとなるが、個々の基礎図形12c、12d、12g、および、12hは除去対象基礎図形14とはならない。このような一部が除去対象基礎図形14となり、一部が除去対象基礎図形14とならない図形同士の重なった部分を前述と同様に領域16とする。さらに、位置Cでは、個々の基礎図形12cと、12g、または、12hとが重なった部分や、個々の基礎図形12dと、12g、または、12hとが重なった部分は、個々の基礎図形12c、12d、12g、および、12hが除去対象基礎図形14とならない基礎図形同士の重なり部分となる。このような除去対象基礎図形14とならない基礎図形12同士の重なり部分を領域17と便宜上表記する。
【0050】
位置A、位置B、位置Cと同様な方法により、
図3Dに示されるように個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、および、12hのうち、オフセット設計データ13a、13b、13c、および、13dと接触や、重なりがあるかどうかを判断した結果に基づいて、それぞれの図形の部分に領域15、16、および、17をそれぞれ図示している。
【0051】
そして、
図3Eに示されるように、
図1の除去部1eは、除去対象基礎図形14a、14b、14c、14d、14e、14f、14g、および、14hを除去する。
【0052】
次に、
図1の出力部1hは、
図3Eに示されるように設計データ11と、残存した基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、および、12hを合成し、設計データ11にダミーパターンを発生させたマスクデータを出力する。この時、オフセット設計データ13は除去される。また、マスクデータを出力する前に、事前にオフセット設計データ13を除去していても良い。
【0053】
ここで、基礎図形12が単純な縦横0.8μmの正方形で1つのみである場合と第1の実施の形態の結果を比較する。基礎図形12を単純な正方形に置き換えた場合には、図示しないが位置Dについては、基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、および、12hが重なった領域と同じ領域となるため、ダミーパターンの配置結果は面積としては変わらない。他方、図示しないが位置E、F、G、H、I、J、K、L、および、Mには、単純な正方形とした場合にオフセット設計データ13に接触、または、重なりが有ると判断されてしまうため、基礎図形12が単純な縦横0.8μmの正方形で1つのみである場合には全く配置されなくなるため、設計データの偏在による均一化が損なわれることとなる。
【0054】
また、基礎図形12が個々の基礎図形12a、12b、12c、および、12dの縦0.8μm、横0.2μmの4つの図形である場合と第1の実施の形態の結果を比較する。図示しないが位置D、および、Fについては、ダミーパターンの配置結果は面積としては変わらない。他方、図示しないが位置E、G、H、I、J、K、L、および、Mには、第1の実施の形態における個々の基礎図形12e、12f、12g、または、12hが配置されないため、設計データの偏在による均一化が損なわれることとなる。
【0055】
また、同様に基礎図形12が個々の基礎図形12e、12f、12g、および、12hの縦0.2μm、横0.8μmの4つの図形である場合と第1の実施の形態の結果を比較する。図示しないが位置D、E、G、H、J、L、および、Mについては、ダミーパターンの配置結果は面積としては変わらない。他方、図示しないが位置F、I、および、Kには、第1の実施の形態における個々の基礎図形12a、12b、12c、または、12dが配置されないため、設計データの偏在による均一化が損なわれることとなる。
【0056】
このように、図形同士が設計規則を遵守しながら、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いて、基礎図形の配置と、オフセット設計データの形成と、基礎図形の除去とによって、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することが可能となる。
【0057】
すなわち、図形同士が設計規則を遵守することにより、歩留り低下の要因となるパターンの発生を防止することが出来る。さらに、繰り返して設計データの余剰な領域にダミーパターンを配置する必要性もなくなることで、短手番でマスクデータを出力することができる。またさらに、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することで、製造しやすいパターンを発生させることができる。
【0058】
図4は、
図1の第1の実施の形態のダミーパターン発生装置1の処理を示すフローチャートである。
【0059】
[ステップS1] 設計データ11と、基礎図形12の情報とが
図1の記憶部1aに読み込まれる。その後、ステップS2に遷移する。
【0060】
[ステップS2]
図1の生成部1bは、記憶部1aに読み込まれた基礎図形12の情報に基づいて基礎図形12を生成する。次いで、生成された基礎図形12を記憶部1aに格納する。その後、ステップS3に遷移する。
【0061】
[ステップS3]
図1の配置部1cは、記憶部1aに読み込まれた設計データ11に基づいて、ダミーパターンを発生させる設計データ11の領域を計算する。次いで、設計データ11の領域の全面に記憶部1aに格納された基礎図形12を設定されたピッチの情報で設計データ11に重なるように間隔を置いて配置する。次いで、全面に配置された基礎図形12を記憶部1aに格納する。その後、ステップS4に遷移する。
【0062】
[ステップS4]
図1の形成部1dは、記憶部1aに読み込まれた設計データ11に基づいて、オフセット設計データ13を設定されたオフセットの情報で形成する。次いで、形成されたオフセット設計データ13を記憶部1aに格納する。その後、ステップS5に遷移する。
【0063】
[ステップS5]
図1の除去部1eは、オフセット設計データ13と個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、および、12hとの接触や、重なりの有無を判断する。接触や、重なりが存在する場合(ステップS5の「はい」)、記憶部1aに接触や、重なりが存在する個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、または、12hの情報を格納した後、ステップS6に遷移する。接触や、重なりが存在しない場合(ステップS5の「いいえ」)、ステップS7に遷移する。
【0064】
[ステップS6]
図1の除去部1eは、記憶部1aに格納された接触や、重なりが存在する個々の基礎図形12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、または、12hを記憶部1aから除去する。その後、ステップS5に戻り、ステップS5において、再度、接触や、重なりの有無を判断し、接触や、重なりが存在する場合には、ステップS5、S6の処理を接触や、重なりが存在しなくなるまで繰り返し処理する。
【0065】
[ステップS7]
図1の出力部1hは、記憶部1aからオフセット設計データ13を排除して、終了する。また、この処理を設計データ11と、ステップS5、S6を繰り返し処理した後に残存する基礎図形12とを記憶部1aに出力して、終了する処理に置き換えることもできる。
【0066】
以上に述べたように、
図1のダミーパターン発生装置1によれば、基礎図形を生成し、設計データに基づいて基礎図形を設計データの全面に配置し、設計データに基づいてオフセット設計データを形成し、オフセット設計データに基づいて基礎図形との接触や、重なりの有無を判断することで基礎図形を除去し、設計データの余剰な領域に基礎図形を残存させることができ、設計データと基礎図形とを合成することで、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することができる。
【0067】
また、予め、設計データと、基礎図形の情報と、ピッチの情報と、オフセットの情報とをダミーパターン発生装置1に与えておくことで、以上に述べた手順に従えば効率的に設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することが可能となる。
【0068】
<第1の実施の形態の変形例1>
図5A、
図5Bは、第1の実施の形態の変形例1を説明する図である。具体的には、基礎図形12を置き換える基礎図形の1つを例示する。
【0069】
図5Aに示される図形は、
図5Bに示されている基礎図形21を構成する個々の基礎図形21a、21b、21c、21d、21e、および、21fを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形21a、21b、21c、および、21dは、一例として縦横が0.5μmの正方形であり、個々の基礎図形21eは縦が1.5μm、横が0.5μmの長方形であり、個々の基礎図形21fは、個々の基礎図形21eを90°回転させた形状となっている。
【0070】
図5Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形21a、21b、21c、21d、21e、および、21fを隙間なく並べ、かつ、一部の個々の基礎図形21e、および、21fを重ねたものであり、基礎図形21の外形は、縦横1.5μmの正方形となっている。
【0071】
ここで、基礎図形21のうちの個々の基礎図形21a、21b、21c、21d、21e、および、21fは、例えば設計規則の最小幅が0.4μm、最小間隔が0.4μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるようなどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0072】
このように、図形同士が設計規則を遵守しながら、点と点が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いることもできる。
【0073】
<第1の実施の形態の変形例2>
図6A、
図6Bは、第1の実施の形態の変形例2を説明する図である。具体的には、基礎図形12を置き換える基礎図形の1つを例示する。
【0074】
図6Aに示される図形は、
図6Bに示されている基礎図形22を構成する個々の基礎図形22a、22b、22c、22d、および、22eを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形22a、22b、22c、および、22dは、一例として縦横が0.5μmの正方形であり、個々の基礎図形22eは各部の幅が0.5μmの十字型の形状である。
【0075】
図6Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形22a、22b、22c、22d、および、22eを隙間なく並べたものであり、基礎図形22の外形は、縦横1.5μmの正方形となっている。
【0076】
ここで、基礎図形22のうちの個々の基礎図形22a、22b、22c、22d、および、22eは、例えば設計規則の最小幅が0.4μm、最小間隔が0.4μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるようなどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0077】
このように、図形同士が設計規則を遵守しながら、点と点が接触し、または、辺と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いることもできる。
【0078】
<第1の実施の形態の変形例3>
図7A、
図7Bは、第1の実施の形態の変形例3を説明する図である。具体的には、基礎図形12を置き換える基礎図形の1つを例示する。
【0079】
図7Aに示される図形は、
図7Bに示されている基礎図形23を構成する個々の基礎図形23a、および、23bを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形23aは、一例として、辺の長さ23kが6.0μm、辺の長さ23mが4.0μm、辺の長さ23nが2.0μm、辺の長さ23pが3.0μmの多角形であり、個々の基礎図形23bは、個々の基礎図形23aを180°回転させた形状となっている。
【0080】
図7Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形23a、および、23bを隙間なく並べたものであり、基礎図形23の外形は、縦横6.0μmの正方形となっている。
【0081】
ここで、基礎図形23のうちの個々の基礎図形23a、および、23bは、例えば設計規則の最小幅が2.0μm、最小間隔が2.0μmの場合において、1つの図形が欠ける場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0082】
このように、図形同士が設計規則を遵守しながら、点と点が接触し、または、辺と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いることもできる。
【0083】
<第1の実施の形態の変形例4>
図8A、
図8Bは、第1の実施の形態の変形例4を説明する図である。具体的には、基礎図形12を置き換える基礎図形の1つを例示する。
【0084】
図8Aに示される図形は、
図8Bに示されている基礎図形24を構成する個々の基礎図形24a、24b、および、24cを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形24aは、一例として、辺の長さ24kが6.0μm、辺の長さ24mが4.0μm、辺の長さ24nが2.0μm、辺の長さ24pが2.0μmの多角形であり、個々の基礎図形24bは、個々の基礎図形23aを180°回転させた形状となっており、個々の基礎図形24cは、縦横2.0μmの正方形となっている。
【0085】
図8Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形24a、24b、および、24cを隙間なく並べたものであり、基礎図形24の外形は、縦横6.0μmの正方形となっている。
【0086】
ここで、基礎図形24のうちの個々の基礎図形24a、24b、および、24cは、例えば設計規則の最小幅が2.0μm、最小間隔が2.0μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるようなどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0087】
このように、図形同士が設計規則を遵守しながら、点と点が接触し、または、辺と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いることもできる。
【0088】
<第1の実施の形態の変形例5>
図9A、
図9Bは、第1の実施の形態の変形例5を説明する図である。具体的には、基礎図形12を置き換える基礎図形の1つを例示する。
【0089】
図9Aに示される図形は、
図9Bに示されている基礎図形25を構成する個々の基礎図形25a、25b、25c、25d、および、25eを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形25aは、一例として、辺の長さ25kが4.0μm、辺の長さ25mが4.0μm、辺の長さ25nが2.0μm、辺の長さ25pが2.0μmの多角形であり、個々の基礎図形25b、25c、および、25dは、それぞれ個々の基礎図形25aを90°、180°、270°回転させた形状となっており、個々の基礎図形25eは、縦横4.0μmの正方形となっている。
【0090】
図9Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形25a、25b、25c、25d、および、25eを隙間なく並べたものであり、基礎図形25の外形は、縦横8.0μmの正方形となっている。
【0091】
ここで、基礎図形25のうちの個々の基礎図形25a、25b、25c、25d、および、25eは、例えば設計規則の最小幅が2.0μm、最小間隔が2.0μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるようなどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0092】
このように、図形同士が設計規則を遵守しながら、点と点が接触し、または、辺と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いることもできる。
【0093】
<第1の実施の形態の変形例6>
図10A、
図10Bは、第1の実施の形態の変形例6を説明する図である。具体的には、基礎図形12を置き換える基礎図形の1つを例示する。
【0094】
図10Aに示される図形は、
図10Bに示されている基礎図形26を構成する個々の基礎図形26a、26b、26c、および、26dを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形26aは、一例として、辺の長さ26kが4.0μm、辺の長さ26mが6.0μm、辺の長さ26nが2.0μm、辺の長さ26pが2.0μmの多角形であり、個々の基礎図形26bは、個々の基礎図形26aを180°回転させた形状となっており、個々の基礎図形26c、および、26dは、縦が8.0μm、横が2.0μmの長方形となっている。
【0095】
図10Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形26a、26b、26c、および、26dを隙間なく並べたものであり、基礎図形26の外形は、縦横8.0μmの正方形となっている。
【0096】
ここで、基礎図形26のうちの個々の基礎図形26a、26b、26c、および、26dは、例えば設計規則の最小幅が2.0μm、最小間隔が2.0μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるようなどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0097】
このように、図形同士が設計規則を遵守しながら、点と点が接触し、または、辺と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いることもできる。
【0098】
<第1の実施の形態の変形例7>
図11A、
図11Bは、第1の実施の形態の変形例7を説明する図である。具体的には、基礎図形12を置き換える基礎図形の1つを例示する。
【0099】
図11Aに示される図形は、
図11Bに示されている基礎図形27を構成する個々の基礎図形27a、27b、および、27cを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形27a、27b、および、27cは、一例として、縦が0.6μm、横が0.6μmの正方形である。
【0100】
図11Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形27a、27b、および、27cを部分的に重なるように並べたものであり、基礎図形27の重なり部分の長さ27kが0.4μm、長さ27mが0.2μm、長さ27nが0.4μm、長さ27pが0.2μmとなっており、基礎図形27の最外辺に接する基礎図形とはならない四角形27xを想定すると四角形の外形は、縦横が1.0μmの正方形となっている。
【0101】
ここで、基礎図形27のうちの個々の基礎図形27a、27b、および、27cは、例えば設計規則の最小幅が0.14μm、最小間隔が0.14μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるようなどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0102】
このように、図形同士が設計規則を遵守しながら、辺と辺が交差して重なり合う図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いることもできる。
【0103】
<第1の実施の形態の変形例8>
図12A、12Bは、第1の実施の形態の変形例8を説明する図である。具体的には、基礎図形12を置き換える基礎図形の1つを例示する。
【0104】
図12Aに示される図形は、
図12Bに示されている基礎図形28を構成する個々の基礎図形28a、28b、および、28cを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形28a、28b、および、28cは、一例として、縦が0.6μm、横が0.6μmの正方形である。
【0105】
図12Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形28a、28b、および、28cを部分的に重なるように並べたものであり、基礎図形28の重なり部分の長さ28kが0.2μm、長さ28mが0.2μm、長さ28nが0.2μm、長さ28pが0.2μmとなっており、基礎図形28の最外辺に接する基礎図形とはならない四角形28xを想定すると四角形の外形は、縦横が1.0μmの正方形となっている。
【0106】
ここで、基礎図形28のうちの個々の基礎図形28a、28b、および、28cは、例えば設計規則の最小幅が0.14μm、最小間隔が0.14μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるようなどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0107】
このように、図形同士が設計規則を遵守しながら、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いることもできる。
【0108】
<第1の実施の形態の変形例9>
図13A、
図13Bは、第1の実施の形態の変形例9を説明する図である。具体的には、基礎図形12を置き換える基礎図形の1つを例示する。
【0109】
図13Aに示される図形は、
図13Bに示されている基礎図形29を構成する個々の基礎図形29a、29b、29c、および、29dを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形29a、29b、29c、および、29dは、一例として、縦が0.6μm、横が0.6μmの正方形である。
【0110】
図13Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形29a、29b、29c、および、29dを部分的に重なるように並べたものであり、基礎図形29の重なり部分の長さ29kが0.2μm、長さ29mが0.2μm、長さ29nが0.2μm、長さ29pが0.2μmとなっており、基礎図形29の最外辺に接する基礎図形とはならない四角形29xを想定すると四角形の外形は、縦横が1.0μmの正方形となっている。
【0111】
ここで、基礎図形29のうちの個々の基礎図形29a、29b、29c、および、29dは、例えば設計規則の最小幅が0.14μm、最小間隔が0.14μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるようなどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0112】
このように、図形同士が設計規則を遵守しながら、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いることもできる。
【0113】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態のダミーパターン発生装置(コンピューター)1は、半導体集積回路の設計データに基づいてダミーパターンを発生し、設計データとダミーパターンとを合成して出力する装置である。第2の実施の形態のダミーパターン発生装置(コンピューター)1は、
図1に示された構成と同じであるため、図示を省略する。
【0114】
第2の実施の形態のダミーパターン発生装置1内には、以下のような機能が設けられる。
【0115】
図1のダミーパターン発生装置1が有している記憶部1aと、生成部1bと、配置部1cと、形成部1dと、除去部1eと、出力部1hは、例えば
図2のダミーパターン発生装置100のハードウェア構成によって以下のように具体的な機能を有している。
【0116】
図1の記憶部1aは、例えば
図2の通信網150や、外部データ入出力制御装置106を介してダミーパターン発生装置100に入ってくる設計データや、基礎図形や、隣接図形や、その他の処理の過程における一時的なデータや、出力されるマスクデータを一時的に記憶したり、保持したりする機能を有している。具体的には、記憶装置102や、データ保持装置103がその機能を有している。また、これに代わって、外部データ入出力制御装置106を介して光ディスク200等に記憶したり、保持しても構わず、また、通信入出力制御装置を介して通信網に接続された他のコンピューターに記憶したり、保持しても構わない。
【0117】
図1の生成部1bは、記憶部1aに格納された基礎図形と、隣接図形の情報に基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、基礎図形と、隣接図形とを生成する機能を有している。さらに、この機能には基礎図形と、隣接図形とを
図1の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0118】
図1の配置部1cは、記憶部1aに格納された設計データに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、ダミーパターンを発生させる設計データの領域を計算する機能を有している。さらに、この機能には計算された設計データの領域を
図1の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には
図2の外部入力制御装置105や、外部データ入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107等から与えられるピッチの情報に基づいて、中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計データの領域の全面に設計データに重なるように基礎図形と、隣接図形とを間隔を置いて配置する機能が含まれる。さらに、この機能には配置された基礎図形と、隣接図形とを
図1の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0119】
図1の形成部1dは、記憶部1aに格納された設計データに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データを形成する機能を有している。さらに、この機能には外部入力制御装置105や、外部データ入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107等から与えられるオフセットの情報に基づいて、中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データを形成する機能が含まれる。さらに、この機能には形成されたオフセット設計データを
図1の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0120】
図1の除去部1eは、記憶部1aに格納された配置部1cで配置された基礎図形と、隣接図形と、形成部1dで形成されたオフセット設計データとに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データと基礎図形との接触や、重なりの有無を判断し、また、オフセット設計データと隣接図形との接触や、重なりの有無を判断し、基礎図形を除去対象となる除去対象基礎図形と、また、隣接図形を除去対象となる除去対象隣接図形とに識別する機能を有している。さらに、この機能には、除去対象基礎図形と、除去対象隣接図形とを
図1の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には、記憶部1aに格納された除去対象基礎図形と、除去対象隣接図形とを除去する機能が含まれる。さらに、この機能には、所定の条件を充足した場合に、隣接図形を除去する機能が含まれる。この機能は、除去される隣接図形の一部を記憶部1aから消去する機能を意味する。
【0121】
図1の出力部1hは、記憶部1aに格納された設計データと、残存する基礎図形と、残存する隣接図形に基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計データと、残存する基礎図形と、残存する隣接図形を合成してダミーパターンを発生させたマスクデータを出力する機能を有している。さらに、この機能には、マスクデータを出力する前に
図1の記憶部1aに格納された形成部1dで形成されたオフセット設計データを予め排除する機能が含まれる。オフセット設計データが記憶部1aから排除されることにより、記憶部1aにおいて設計データと、残存する基礎図形と、残存する隣接図形とが合成されるという機能が達成される場合も含まれる。
【0122】
このように、
図1のダミーパターン発生装置1は、例えば
図2のダミーパターン発生装置100のハードウェアによって実現される機能を有することで、短手番で効率よく設計データに基づいてダミーパターンを発生させて、設計データとダミーパターンを合成したマスクデータを出力することができる。
【0123】
図14A〜
図14Fは、第2の実施の形態を説明する図であり、マスクデータが出力されるまでの過程を図形で例示したものである。
【0124】
図1のダミーパターン発生装置1には、記憶部1aに、図示しない設計データ31と、ダミーパターンの基礎となる基礎図形32と、基礎図形32に隣接する隣接図形33の情報が格納されている。これらの情報は、第1の実施の形態と同様に例えば
図2のダミーパターン発生装置100が有する外部入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107を介して外部から入力されたものである。
【0125】
図14Aに示される図形は、
図14Bに示されている基礎図形32を構成する個々の基礎図形32a、32b、32c、および、32dを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形32a、32b、32c、および、32dは、一例として縦が0.25μm、横が1.0μmの長方形である。
【0126】
ここで、
図14Aに示される図形には、
図14Bに示されている基礎図形32とは別の基礎図形32に隣接する隣接図形33を構成する隣接図形33aが説明の便宜上分けて記載されている。隣接図形33aは、一例として縦が0.25μm、横が1.0μmの長方形である。
【0127】
図14Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形32a、32b、32c、32d、および、隣接図形33aを隙間なく並べたものであり、基礎図形32の外形は、縦横1.0μmの正方形となっている。また、個々の基礎図形32a、32b、32c、32d、および、隣接図形33aを合わせた基礎図形32と隣接図形33を合わせた外形は、縦が1.25μm、横が1.0μmの長方形となっている。
【0128】
ここで、基礎図形32のうちの個々の基礎図形32a、32b、32c、および、32dは、例えば設計規則の最小幅が0.1μm、最小間隔が0.1μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるようなどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0129】
さらに、基礎図形32と隣接図形33のうちの個々の基礎図形32a、32b、32c、および、32dと隣接図形33aを合わせても、同様な設計規則が有る場合において、1つ以上の図形が欠けるどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0130】
図1の生成部1bは、
図1の記憶部1aからの情報に基づいてダミーパターンの基礎となる基礎図形32と共に隣接図形33を生成する。前述のとおり基礎図形32と隣接図形33を合わせた図形は、一例として外形が長方形であり、縦が1.25μm、横が1.0μmの長方形となっている。
【0131】
次に、
図1の配置部1cは、記憶部1aに格納された設計データ31に基づいてダミーパターンを発生させる設計データ31の領域を計算する。なお、設計データ31は図示しない領域に渡って存在しているが図面では省略されている。そして配置部1cは、
図14Cに示されるように、設計データ31の領域の全面に基礎図形32と隣接図形33とを設計データ31に重なるように縦1.25μm、横1.2μmのピッチで間隔を置いて配置する。
図14Cには、設計データ31の一部として、設計データ31aが図示されており、基礎図形32と隣接図形33とが重なるように配置されている。一例として、図面左右方向は図形同士が離間しているが、図面上下方向は図形同士が接触して連続した形状となっている。
【0132】
ここで、設計データが仮に無い場合の基礎図形32と隣接図形33が組み合わされた図形による平均データ占有率は、(約)83%となる。さらに、設計データが仮に無い場合の基礎図形32の平均データ占有率は、(約)66%となる。基礎図形32の大きさと、隣接図形33の大きさと、ピッチの情報とは、設計者が目標とする値を如何に設定するかによって定まるもので、あくまでも例示であって、設計者が適宜調整可能なものである。
【0133】
次に、
図1の形成部1dは、設計データ31に基づいて一定の大きさで図形にオフセットを入れるように拡張されたオフセット設計データ34を形成する。なお、オフセット設計データ34は図示しない設計データ31の領域に渡って存在しているが図面では省略されている。ここで、
図14Dに示されるようにオフセット設計データ34aは、一例として設計データ31aに0.2μmのオフセットを設けて形成されている。なお、オフセットの目的と、適正な量は、第1の実施の形態で説明した内容と同様である。
【0134】
次に、
図1の除去部1eは、オフセット設計データ34と個々の基礎図形32a、32b、32c、および、32dとの接触や、重なりの有無を判断する。
図14Dに示されるように個々の基礎図形32a、32b、32c、および、32dのうち接触や、重なりがあると判断されて除去対象となる除去対象基礎図形35a、35b、35c、および、35dを斜線で図示し、それを領域36と便宜上表記する。ここで、除去対象基礎図形35a、35b、35c、および、35dを含むものを総称として除去対象基礎図形35と呼ぶ。
【0135】
さらに、
図1の除去部1eは、オフセット設計データ34と隣接図形33aとの接触や、重なりの有無を判断する。
図14Dに示されるように隣接図形33aのうち接触や、重なりがあると判断されて除去対象となる除去対象隣接図形37aを斜線で図示し、それを領域38と便宜上表記する。ここで、除去対象隣接図形37aを含むものを総称として除去対象隣接図形37と呼ぶ。
【0136】
そして、
図14Eに示されるように、
図1の除去部1eは、除去対象基礎図形35a、35b、35c、および、35dと、除去対象隣接図形37aとを除去する。
【0137】
ここで、
図14Eに示されるように、位置O、P、Q、Rに隣接図形33aが残っている。このような状態で隣接図形33aが残存した場合には、設計データの偏在の均一化を図るために挿入した基礎図形32と隣接図形33により、最終的に出力されるマスクデータにおいて想定以上に過剰に面積が増加してしまい、かえってマスクデータの均一化を損なう結果となってしまう場合が有る。そこで、より好ましい実施の形態の一例として、所定の条件が充足された場合に、隣接図形33aを除去する方法を例示する。
【0138】
上記したように、さらに
図1の除去部1eは、所定の条件が充足される場合に、位置O、P、Q、Rに残存した隣接図形33aを除去する。所定の条件とは、具体的な一例としては、個々の基礎図形32a、32b、32c、または、32dと、隣接図形33aとが、合わせて5つ以上連続する場合、と設定することができる。
【0139】
ここで、
図14Eに示されるように位置Oでは、個々の基礎図形32a、32b、32c、および、32dと、隣接図形33aとが、合わせて6つ連続して配置されている。よって、
図1の除去部1eは、位置Oにおいて所定の条件が充足されたと判断し、位置Oの隣接図形33aを除去する。
図14Fに示されるように位置Oと同様に、位置P、Q、Rについても所定の条件が充足されたと判断し、位置P、Q、Rの隣接図形33aを除去する。
【0140】
また、図示しないが個々の基礎図形32a、32b、32c、または、32dと、隣接図形33aとが、合わせても5つ未満しか連続していない場合も想定される。このような場合には隣接図形33aが残っている場合となる。これについては、第2の実施の形態の変形例2において詳細に例示する。
【0141】
次に、
図1の出力部1hは、
図14Fに示されるように設計データ31と、残存した基礎図形32a、32b、32c、および、32dと、図示しない残存した隣接図形33aとを合成し、設計データ31にダミーパターンを発生させたマスクデータを出力する。この時、オフセット設計データ34は除去されている。また、マスクデータを出力する前に、事前にオフセット設計データ34を除去していても良い。
【0142】
このように、図形同士が設計規則を遵守しながら、点と点が接触し、または、辺と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形と、基礎図形に隣接する隣接図形を用いて、基礎図形と隣接図形の配置と、オフセット設計データの形成と、基礎図形と隣接図形の除去によって、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することが可能となる。
【0143】
すなわち、第1の実施の形態と同様に、図形同士が設計規則を遵守することにより、歩留り低下の要因となるパターンの発生を防止することが出来る。さらに、繰り返して設計データの余剰な領域にダミーパターンを配置する必要性もなくなることで、短手番でマスクデータを出力することができる。またさらに、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することで、製造しやすいパターンを発生させることができる。
【0144】
図15は、
図1の第2の実施の形態のダミーパターン発生装置の処理を示すフローチャートである。
【0145】
[ステップS11] 設計データ31と、基礎図形32の情報と、隣接図形33の情報とが
図1の記憶部1aに読み込まれる。その後、ステップS12に遷移する。
【0146】
[ステップS12]
図1の生成部1bは、記憶部1aに読み込まれた基礎図形32の情報に基づいて基礎図形32を生成する。次いで、生成された基礎図形32を記憶部1aに格納する。さらに、生成部1bは、記憶部1aに読み込まれた隣接図形33の情報に基づいて隣接図形33を生成する。次いで、生成された隣接図形33を記憶部1aに格納する。その後、ステップS13に遷移する。
【0147】
[ステップS13]
図1の配置部1cは、記憶部1aに読み込まれた設計データ31に基づいて、ダミーパターンを発生させる設計データ31の領域を計算する。次いで、設計データ31の領域の全面に記憶部1aに格納された基礎図形32と、隣接図形33とを設定されたピッチの情報で設計データ31に重なるように間隔を置いて配置する。次いで、全面に配置された基礎図形32と、隣接図形33とを記憶部1aに格納する。その後、ステップS14に遷移する。
【0148】
[ステップS14] 第1の実施の形態と同様に、
図1の形成部1dは、記憶部1aに読み込まれた設計データ31に基づいて、オフセット設計データ34を設定されたオフセットの情報で形成する。次いで、形成されたオフセット設計データ34を記憶部1aに格納する。その後、ステップS15に遷移する。
【0149】
[ステップS15]
図1の除去部1eは、オフセット設計データ34と、個々の基礎図形32a、32b、32c、および、32dと、隣接図形33aの接触や、重なりの有無を判断する。接触や、重なりが存在する場合(ステップS15の「はい」)、記憶部1aに接触や、重なりが存在する個々の基礎図形32a、32b、32c、或いは、32dと、または、隣接図形33aの情報を格納した後、ステップS12に遷移する。接触や、重なりが存在しない場合(ステップS15の「いいえ」)、ステップS16に遷移する。
【0150】
[ステップS16]
図1の除去部1eは、記憶部1aに格納された接触や、重なりが存在する個々の基礎図形32a、32b、32c、或いは、32d、または、隣接図形33aを記憶部1aから除去する。その後、ステップS15に戻り、ステップS15において、再度、接触や、重なりの有無を判断し、接触や、重なりが存在する場合には、ステップS15、S16の処理を接触や、重なりが存在しなくなるまで繰り返し処理する。
【0151】
[ステップS17]
図1の除去部1eは、ステップS15、S16を繰り返し処理した後に残存する個々の基礎図形32a、32b、32c、或いは、32dと、または、隣接図形33aが、所定の条件を充足しているかどうかを判断する。具体的な一例として、個々の基礎図形32a、32b、32c、或いは、32dと、または、隣接図形33aが所定個数以上連続するかどうかを判断する。さらに具体的な一例は、所定の個数が5である。所定の個数以上の場合(ステップS17の「はい」)、記憶部1aに所定個数以上の個々の基礎図形32a、32b、32c、或いは、32dと、または、隣接図形33aの情報を格納した後、ステップS18に遷移する。所定の個数以上とならない場合(ステップS17の「いいえ」)、ステップS19に遷移する。
【0152】
[ステップS18]
図1の除去部1eは、記憶部1aに格納された所定個数以上の個々の基礎図形32a、32b、32c、或いは、32d、または、隣接図形33aの情報に基づいて、隣接図形33aを記憶部1aから除去する。その後、ステップS17に戻り、ステップS17において、再度、所定個数以上の個々の基礎図形32a、32b、32c、或いは、32d、または、隣接図形33aの有無を判断し、所定の個数以上となる場合には、ステップS17、S18の処理を所定の個数以上とならなくなるまで繰り返し処理する。
【0153】
[ステップS19] 第1の実施の形態と同様に、
図1の出力部1hは、記憶部1aからオフセット設計データ34を排除して、終了する。また、この処理を設計データ31とステップS17、S18を繰り返し処理した後に残存する基礎図形32と、隣接図形33とを記憶部1aに出力して、終了する処理に置き換えることもできる。
【0154】
以上に述べたように、
図1のダミーパターン発生装置1によれば、基礎図形と隣接図形とを生成し、設計データに基づいて基礎図形と隣接図形とを設計データの全面に配置し、設計データに基づいてオフセット設計データを形成し、オフセット設計データに基づいて基礎図形や隣接図形の接触や、重なりの有無を判断することで基礎図形と隣接図形とを除去し、さらに、所定の条件を充足することで余剰な隣接図形を除去することで、設計データの余剰な領域に基礎図形と隣接図形とを残存させることができ、設計データと基礎図形と隣接図形とを合成することで、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することができる。
【0155】
また、予め、設計データと、基礎図形の情報と、隣接図形の情報と、ピッチの情報と、オフセットの情報と、所定の条件とをダミーパターン発生装置1に与えておくことで、以上に述べた手順に従えば効率的に設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することが可能となる。
【0156】
<第2の実施の形態の変形例1>
図16A〜
図16Fは、第2の実施の形態の変形例1を説明する図であり、マスクデータが出力されるまでの過程を図形で例示したものである。ダミーパターン発生装置1は第1の実施の形態で説明したものと同じであるため、図示は省略する。具体的には、基礎図形32と隣接図形33を置き換える基礎図形と隣接図形の1つを例示する。
【0157】
図16Aに示される図形は、
図16Bに示されている基礎図形41を構成する個々の基礎図形41a、41b、および、41cを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形41a、41b、および、41cは、一例として縦が0.25μm、横が1.0μmの長方形である。
【0158】
ここで、
図16Aに示される図形には、
図16Bに示されている基礎図形41とは別の基礎図形41に隣接する隣接図形42を構成する隣接図形42aが説明の便宜上分けて記載されている。隣接図形42aは、一例として縦が0.5μm、横が1.0μmの長方形である。
【0159】
図16Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形41a、41b、41c、および、隣接図形42aを隙間なく並べたものであり、基礎図形41の外形は、縦が0.75μm、横が1.0μmの長方形となっている。また、個々の基礎図形41a、41b、41c、および、隣接図形42aを合わせた基礎図形41と隣接図形42を合わせた外形は、縦が1.25μm、横が1.0μmの長方形となっている。
【0160】
ここで、第2の実施の形態で説明したのと同様に、基礎図形41のうちの個々の基礎図形41a、41b、および、41cは、例えば設計規則の最小幅が0.1μm、最小間隔が0.1μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるようなどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0161】
さらに、第2の実施の形態で説明したのと同様に、基礎図形41と隣接図形42のうちの個々の基礎図形41a、41b、および、41cと隣接図形42aを合わせても、同様な設計規則が有る場合において、1つ以上の図形が欠けるどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0162】
第2の実施の形態と同様に、
図1の生成部1bは、基礎図形41と隣接図形42とを生成する。前述のとおり基礎図形41と隣接図形42を合わせた図形は、一例として外形が長方形であり、縦が1.25μm、横が1.0μmの長方形となっている。
【0163】
次に、第2の実施の形態と同様に、
図1の配置部1cは、
図16Cに示されるように、設計データ31の領域の全面に基礎図形41と隣接図形42とを設計データ31に重なるように縦1.25μm、横1.2μmのピッチで間隔を置いて配置する。一例として、図面左右方向は図形同士が離間しているが、図面上下方向は図形同士が接触して連続した形状となっている。
【0164】
ここで、設計データが仮に無い場合の基礎図形41と隣接図形42が組み合わされた図形による平均データ占有率は、(約)83%となる。さらに、設計データが仮に無い場合の基礎図形41の平均データ占有率は、(約)49%となる。基礎図形41の大きさと、隣接図形42の大きさと、ピッチの情報とは、設計者が目標とする値を如何に設定するかによって定まるもので、あくまでも例示であって、設計者が適宜調整可能なものである。
【0165】
次に、第2の実施の形態と同様に、
図16Dに示されるように、
図1の形成部1dは、オフセット設計データ34を形成する。
【0166】
次に、第2の実施の形態と同様に、
図1の除去部1eは、オフセット設計データ34と、個々の基礎図形41a、41b、ならびに、41c、および、隣接図形42aとの接触や、重なりの有無を判断して、
図16Dに示されるように除去対象基礎図形43a、43b、および、43c、総称する除去対象基礎図形43、領域36、除去対象隣接図形44a、総称する除去対象基礎図形44、領域38を確定させる。
【0167】
そして、第2の実施の形態と同様に、
図16Eに示されるように、
図1の除去部1eは、除去対象基礎図形43a、43b、および、43cと、除去対象隣接図形44aとを除去する。
【0168】
ここで、第2の実施の形態と同様に、
図16Eに示されるように、最終的に出力されるマスクデータにおいて想定以上に過剰に面積が増加してしまい、かえってマスクデータの均一化を損なう結果となってしまう場合が有ることを防止するため、第2の実施の形態と同様に、より好ましい実施の形態の一例として、所定の条件が充足された場合に、隣接図形42aを除去する方法を例示する。
【0169】
さらに、第2の実施の形態と同様に、
図1の除去部1eは、所定の条件が充足される場合に、隣接図形42aを除去する。所定の条件とは、具体的な一例としては、個々の基礎図形41a、41b、または、41cと、隣接図形42aとが、合わせて4つ以上連続する場合、と設定することができる。
【0170】
ここで、
図16Eに示されるように位置S、T、U、Vでは、個々の基礎図形41a、41b、または、41cと、隣接図形42aとが、合わせて4つ以上連続して配置されているため、除去部1eは、
図16Fに示されるように第2の実施の形態と同様に、位置S、T、U、Vにおいて所定の条件が充足されたと判断し、隣接図形42aを除去する。
【0171】
また、第2の実施の形態と同様に、図示しないが個々の基礎図形41a、41b、または、41cと、隣接図形42aとが、合わせても4つ未満しか連続していない場合も想定される。これについても、第2の実施の形態の変形例2において詳細に例示する。
【0172】
次に、第2の実施の形態と同様に、
図1の出力部1hは、
図16Fに示されるように設計データ31と、残存した個々の基礎図形41a、41b、および、41cと、図示しない残存した隣接図形42aとを合成し、設計データ31にダミーパターンを発生させたマスクデータを出力する。
【0173】
このように、基礎図形の数や、隣接図形の形状や、所定の条件は、最終的に設計データの偏在の均一化に貢献し、かつ、適度なデータ密度を維持するために、適宜変更、選択することが可能である。第2の実施の形態と同様に、図形同士が設計規則を遵守しながら、点と点が接触し、または、辺と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形と、基礎図形に隣接する隣接図形を用いて、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを同様な方法により出力することが可能となる。
【0174】
<第2の実施の形態の変形例2>
図17A〜
図17Fは、第2の実施の形態の変形例2を説明する図であり、マスクデータが出力されるまでの過程を図形で例示したものである。ダミーパターン発生装置1は第1の実施の形態で説明したものと同じであるため、図示は省略する。具体的には、基礎図形32と隣接図形33を置き換える基礎図形と隣接図形の1つを例示する。
【0175】
図17Aに示される図形は、
図17Bに示されている基礎図形45を構成する個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、および、45eを説明の便宜上分けて記載したものである。個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、および、45eは、一例として縦が0.25μm、横が1.0μmの長方形である。
【0176】
ここで、
図17Aに示される図形には、
図17Bに示されている基礎図形45とは別の基礎図形45に隣接する隣接図形46を構成する個々の隣接図形46a、および、46bが説明の便宜上分けて記載されている。個々の隣接図形46a、および、46bは、一例として縦が0.25μm、横が1.0μmの長方形である。
【0177】
図17Bに示される図形は、前述したとおり個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、ならびに、45e、および、個々の隣接図形46a、ならびに、46bを隙間なく並べたものであり、基礎図形45の外形は、縦が1.25μm、横が1.0μmの長方形となっている。また、個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、ならびに、45e、および、個々の隣接図形46a、ならびに、46bを合わせた基礎図形45と隣接図形46を合わせた外形は、縦が1.75μm、横が1.0μmの長方形となっている。
【0178】
ここで、第2の実施の形態で説明したのと同様に、基礎図形45のうちの個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、および、45eは、例えば設計規則の最小幅が0.1μm、最小間隔が0.1μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるようなどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0179】
さらに、第2の実施の形態で説明したのと同様に、基礎図形45と隣接図形46のうちの個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、および、45eと、個々の隣接図形46a、および、46bとを合わせても、同様な設計規則が有る場合において、1つ以上の図形が欠けるどのような場合であっても、最小幅と最小間隔の設計規則を遵守できるものとなっている。
【0180】
第2の実施の形態の変形例2の基礎図形と隣接図形は、第2の実施の形態の基礎図形の数と隣接図形の数とが異なるものとなっており、また、第2の実施の形態の変形例1の基礎図形の数と隣接図形の数とも異なるものとなっている。さらに、第2の実施の形態の変形例2の隣接図形は、第2の実施の形態の変形例1の隣接図形と数は異なるが、隣接して並べた際に同じ面積となるようになっている。
【0181】
第2の実施の形態と同様に、
図1の生成部1bは、基礎図形45と隣接図形46とを生成し、
図1の配置部1cは、
図17Cに示されるように、設計データ31の領域の全面に基礎図形45と隣接図形46とを設計データ31に重なるように縦1.75μm、横1.2μmのピッチで間隔を置いて配置し、
図1の形成部1dは、
図17Dに示されるように、オフセット設計データ34を形成する。一例として、図面左右方向は図形同士が離間しているが、図面上下方向は図形同士が接触して連続した形状となっている。
【0182】
ここで、設計データが仮に無い場合の基礎図形45と隣接図形46が組み合わされた図形による平均データ占有率は、(約)83%となる。さらに、設計データが仮に無い場合の基礎図形45の平均データ占有率は、(約)59%となる。基礎図形45の大きさと、隣接図形46の大きさと、ピッチの情報とは、設計者が目標とする値を如何に設定するかによって定まるもので、あくまでも例示であって、設計者が適宜調整可能なものである。
【0183】
次に、第2の実施の形態と同様に、
図1の除去部1eは、
図17Dに示されるように除去対象基礎図形47a、47b、47c、47d、ならびに、47e、総称する除去対象基礎図形47、領域36、除去対象隣接図形48a、ならびに、48b、総称する除去対象基礎図形48、および、領域38を確定させ、
図1の除去部1eは、
図17Eに示されるように除去対象基礎図形47a、47b、47c、47d、および、47eと、除去対象隣接図形48a、および、48bとを除去する。
【0184】
ここで、第2の実施の形態と同様に、
図17Eに示されるように、かえってマスクデータの均一化を損なう結果となってしまう場合が有ることを防止するため、より好ましい実施の形態の一例として、所定の条件が充足された場合に、個々の隣接図形46a、または、46bを除去する方法を例示する。
【0185】
第2の実施の形態と同様に、
図1の除去部1eは、所定の条件が充足される場合に、隣接図形46a、または、46bを除去する。所定の条件とは、具体的な一例としては、個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、または、45eと、個々の隣接図形46a、または、46bとが、合わせて6つ以上連続する場合、と設定することができる。
【0186】
ここで、
図17Eに示されるように位置Wでは、個々の基礎図形45a、45b、45c、および、45dと、個々の隣接図形46a、および、46bとが、合わせて6つ連続して配置されているため、
図1の除去部1eは、
図17Fに示されるように第2の実施の形態と同様に、位置Wにおいて所定の条件が充足されたと判断し、連続して配置されている外側の図形である個々の隣接図形46aを除去する。
【0187】
さらに、
図17Eに示されるように位置X、Yでは、個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、または、45eと、個々の隣接図形46a、または、46bとが、合わせて6つ以上連続して配置されているため、除去部1eは、
図17Fに示されるように第2の実施の形態と同様に、位置X、Yにおいて所定の条件が充足されたと判断し、個々の隣接図形46a、および、46bを除去する。
【0188】
このように、個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、または、45eと、個々の隣接図形46a、または、46bとが、合わせても6つ以上連続して配置されていない場合に、基礎図形45と隣接図形46が組み合わされて残存する場合が有る。
【0189】
したがって、基礎図形45と、隣接図形46と、所定の条件を適宜組み合わせることで、必要以上に隣接図形を除去する必要がなくなる為、設計データの偏在の均一化に貢献することができる。
【0190】
次に、第2の実施の形態と同様に、
図1の出力部1hは、
図17Fに示されるように設計データ31と、残存した個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、および、45eと、個々の隣接図形46bと、図示しない個々の隣接図形46aとを合成し、設計データ31にダミーパターンを発生させたマスクデータを出力する。
【0191】
このように、基礎図形の数や、隣接図形の形状や、所定の条件は、最終的に設計データの偏在の均一化に貢献し、かつ、適度なデータ密度を維持するために、適宜変更、選択することが可能である。これにより、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを同様な手順により出力することが可能となる。
【0192】
<第2の実施の形態の変形例3>
図18は、第2の実施の形態の変形例3を説明する図であり、残存した隣接図形が所定の条件を充足するために除去され、マスクデータが出力される際の図形を例示したものである。ダミーパターン発生装置1は第1の実施の形態で説明したものと同じであるため、図示は省略する。具体的には、第2の実施の形態の変形例2と異なる方法で、所定の条件を充足する隣接図形を除去する方法の1つを例示する。第2の実施の形態の変形例2と異なる部分のみを説明する。
【0193】
第2の実施の形態の変形例2では、
図17Fに示されるように位置Wにおいて、所定の条件(基礎図形と隣接図形が6つ以上という条件)を充足したために、
図1の除去部1eが隣接図形46aを除去した。
【0194】
しかしながら、
図17Fに示される例示では、位置Wにおける残存した個々の隣接図形46bは、設計データ31aの一部からやや離間した配置となっている。設計データの偏在の均一化という観点からは、むしろ基礎図形45と隣接図形46が点在している方が望ましい場合もある。
【0195】
そこで、第2の実施の形態の変形例3では、基礎図形45と隣接図形46を点在させる方法の1つを例示する。第2の実施の形態の変形例2の
図17Eから、続けて以下に説明する。
【0196】
第2の実施の形態と同様に、
図1の除去部1eは、所定の条件が充足される場合に、隣接図形46a、または、46bを除去する。所定の条件とは、具体的な一例としては、個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、または、45eと、個々の隣接図形46a、または、46bとが、合わせて6つ以上連続する場合、と設定することができる。
【0197】
ここで、
図17Eに示されるように位置Wでは、個々の基礎図形45a、45b、45c、および、45dと、個々の隣接図形46a、および、46bとが、合わせて6つ連続して配置されているため、
図1の除去部1eは、
図18に示されるように第2の実施の形態の変形例2とは異なり、位置Wにおいて所定の条件が充足されたと判断し、連続して配置されている内側の図形である個々の隣接図形46bを除去する。
【0198】
さらに、
図17Eに示されるように位置X、Yでは、個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、または、45eと、個々の隣接図形46a、または、46bとが、合わせて6つ以上連続して配置されているため、
図1の除去部1eは、
図18に示されるように第2の実施の形態の変形例2と同様に、位置X、Yにおいて所定の条件が充足されたと判断し、個々の隣接図形46a、および、46bを除去する。
【0199】
このように、個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、または、45eと、個々の隣接図形46a、または、46bとが、合わせて6つ以上連続して配置されている場合に、隣接図形46を基礎図形と連続せずに単独で残存させることもできる。
【0200】
したがって、基礎図形45と、隣接図形46と、所定の条件を適宜組み合わせることで、必要以上に隣接図形を除去する必要がなくなるとともに、敢えて基礎図形と連続させないように隣接図形を残存させることで、さらに設計データの偏在の均一化に貢献する方法を適宜選択することができる。
【0201】
次に、第2の実施の形態の変形例2と同様に、
図1の出力部1hは、
図18に示されるように設計データ31と、残存した個々の基礎図形45a、45b、45c、45d、および、45eと、個々の隣接図形46aと、図示しない個々の隣接図形46bとを合成し、設計データ31にダミーパターンを発生させたマスクデータを出力する。
【0202】
このように、所定の条件を充足する個々の隣接図形の除去方法は、最終的に設計データの偏在の均一化にさらに貢献し、かつ、適度なデータ密度を維持するために、適宜変更、選択することが可能である。これにより、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを同様な手順により出力することが可能となる。
【0203】
<第3の実施の形態>
図19は、第3の実施の形態のダミーパターン発生装置1を示す図である。
【0204】
第3の実施の形態のダミーパターン発生装置(コンピューター)1は、半導体集積回路の設計データに基づいてダミーパターンを発生し、設計データとダミーパターンとを合成して出力する装置である。
【0205】
このダミーパターン発生装置1は、第1の実施の形態で説明したもののほかに、
図19の追加部1fを有している。なお、追加部1fは、主にダミーパターン発生装置1が有するCPU(Central Processing Unit)が備える機能により実現することができる。なお、追加部1fを実現する機能は上記説明のものに限られず、また、例示したCPU、RAM、HDD等を適宜組み合わせて各部を実現しても良い。
【0206】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
【0207】
ダミーパターン発生装置1が有している記憶部1aと、生成部1bと、配置部1cと、形成部1dと、除去部1eと、追加部1fと、出力部1hは、例えば
図2のダミーパターン発生装置100のハードウェア構成によって以下のように具体的な機能を有している。
【0208】
図19の記憶部1aは、例えば
図2の通信網150や、外部データ入出力制御装置106を介してダミーパターン発生装置100に入ってくる設計データや、基礎図形や、付加図形や、その他の処理の過程における一時的なデータや、出力されるマスクデータを一時的に記憶したり、保持したりする機能を有している。具体的には、記憶装置102や、データ保持装置103がその機能を有している。また、これに代わって、外部データ入出力制御装置106を介して光ディスク200等に記憶したり、保持しても構わず、また、通信入出力制御装置を介して通信網に接続された他のコンピューターに記憶したり、保持しても構わない。
【0209】
図19の生成部1bは、記憶部1aに格納された基礎図形と、付加図形の情報に基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、基礎図形と、付加図形とを生成する機能を有している。さらに、この機能には基礎図形と、付加図形とを
図19の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0210】
図19の配置部1cは、記憶部1aに格納された設計データに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、ダミーパターンを発生させる設計データの領域を計算する機能を有している。さらに、この機能には計算された設計データの領域を
図19の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には
図2の外部入力制御装置105や、外部データ入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107等から与えられるピッチの情報に基づいて、中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計データの領域の全面に設計データに重なるように基礎図形を間隔を置いて配置する機能が含まれる。さらに、この機能には配置された基礎図形を
図1の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0211】
図19の形成部1dは、記憶部1aに格納された設計データに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データを形成する機能を有している。さらに、この機能には外部入力制御装置105や、外部データ入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107等から与えられるオフセットの情報に基づいて、中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データを形成する機能が含まれる。さらに、この機能には形成されたオフセット設計データを
図19の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0212】
図19の除去部1eは、記憶部1aに格納された配置部1cで配置された基礎図形と、形成部1cで形成されたオフセット設計データとに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データと基礎図形との接触や、重なりの有無を判断し、基礎図形を除去対象となる除去対象基礎図形と識別する機能を有している。さらに、この機能には、除去対象基礎図形を
図19の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には、基礎図形のうち、オフセット設計データと重なる領域、その他の領域を識別するフラグを記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には、記憶部1aに格納された除去対象基礎図形を除去する機能が含まれる。
【0213】
図19の追加部1fは、記憶部1aに格納された除去部1eで除去された基礎図形に基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計規則を継続して違反する箇所の有無を判断し、設計規則を継続して違反する点を識別する機能を有している。さらに、この機能には、設計規則を継続して違反する点を
図19の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には、設計規則を継続して違反する箇所を違反が解消されるように、例えば設計規則を継続して違反する点を内包して覆うように付加図形を追加する機能が含まれる。またさらに、この機能には、追加された付加図形を記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0214】
図19の出力部1hは、記憶部1aに格納された設計データと、残存する基礎図形と、追加された付加図形に基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計データと、残存する基礎図形と、追加された付加図形を合成してダミーパターンを発生させたマスクデータを出力する機能を有している。マスクデータの出力先は、
図19の記憶部1aで有っても良いし、
図2の外部データ入出力制御装置106を介して光ディスク200等で有っても良いし、通信入出力制御装置107を介して通信網150に接続される他のコンピューター等で有っても構わない。この機能には、出力先を自由に選択できる機能も含まれる。さらに、この機能には、マスクデータを出力する前に
図19の記憶部1aに格納された形成部1dで形成されたオフセット設計データを予め排除する機能が含まれる。オフセット設計データが記憶部1aから排除されることにより、記憶部1aにおいて設計データと、残存する基礎図形と、追加された付加図形とが合成されるという機能が達成される場合も含まれる。
【0215】
このように、
図19のダミーパターン発生装置1は、例えば
図2のダミーパターン発生装置100のハードウェアによって実現される機能を有することで、短手番で効率よく設計データに基づいてダミーパターンを発生させて、設計データとダミーパターンを合成したマスクデータを出力することができる。
【0216】
図20A〜
図20Fは、第3の実施の形態を説明する図であり、マスクデータが出力されるまでの過程を図形で例示したものである。
【0217】
図19のダミーパターン発生装置1には、記憶部1aに、
図20Aに示される設計データ51a、51b、51c、および、51dを含む設計データ51と、
図20Bに示されるダミーパターンの基礎となる基礎図形52の情報が格納されている。これらの情報は、例えば
図2のダミーパターン発生装置100が有する外部入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107を介して外部から入力されたものである。
【0218】
図20Bに示されているのは、基礎図形52と、4つに分割された基礎図形52a、52b、52c、および、52dである。基礎図形52は一例として外形が正方形であり、縦横が1.2μmであるが、縦横0.6μmの大きさの52a、52b、52c、および、52dに4つに分割されている。さらに
図20Bには、付加図形56として、付加図形56aが基礎図形52a、52b、52c、および、52dが接触し合う中央の点を覆うように追加されている。付加図形56aは、縦横0.2μmの正方形である。付加図形56aの追加位置を明確とするために、各部の長さを説明する。長さ56kが0.1μm、長さ56mが0.1μm、長さ56nが0.1μm、長さ56pが0.1μmとなっており、ちょうど付加図形の対角線の交点と、基礎図形52a、52b、52c、および、52dが接触し合う中央の点が重なるように付加図形56aが追加されている。
【0219】
図19の生成部1bは、記憶部1aからの情報に基づいてダミーパターンの基礎となる基礎図形52を生成する。
【0220】
ここで例えば、基礎図形52b、および、52cのみが組み合わされた図形がマスクデータに合成された場合には、基礎図形52bと基礎図形52cとが点で接触する箇所が発生する。このような箇所は、一般的なマスクパターンの設計規則を違反する箇所であって、基礎図形52bと基礎図形52cの図形間では斜方向を含めると有る値を持つ最小間隔の規則を違反することになる。
【0221】
この時、付加図形56aが追加された場合には、付加図形56aが基礎図形52b、および、52cが点で接触する箇所を内包して覆うことになり、例えば設計規則の最小幅が0.1μm、最小間隔が0.1μmの場合には、付加図形56aが追加されることによって、点で接触する箇所は設計規則を違反しないようにすることができる。
【0222】
次に、
図19の配置部1cは、記憶部1aに格納された設計データ51に基づいてダミーパターンを発生させる図示しない領域をまず計算する。なお、設計データ51は図示しない領域に渡って存在しているが図面では省略されている。そして配置部1cは、
図20Cに示されるように、設計データ51の領域の全面に基礎図形52を設計データ51に重なるように縦2.6μm、横2.6μmのピッチで間隔を置いて配置する。ここで、設計データが仮に無い場合の基礎図形52の平均データ占有率は、(約)21%となる。基礎図形52の大きさと、ピッチの情報とは、設計者が目標とする値を如何に設定するかによって定まるもので、あくまでも例示であって、設計者が適宜調整可能なものである。
【0223】
次に、
図19の形成部1dは、
図20Dに示されるように設計データ51に基づいて一定の大きさで図形にオフセットを入れるように拡張されたオフセット設計データ53を形成する。なお、オフセット設計データ53は設計データ51の領域に渡って存在しているが図面では省略されている。ここで、オフセット設計データ53a、53b、53c、および、53dは、一例として設計データ51に1.0μmのオフセットを設けて形成されている。なお、オフセットの目的と、適正な量は、第1の実施の形態で説明した内容と同様である。
【0224】
次に、
図19の除去部1eは、オフセット設計データ53と基礎図形52a、52b、52c、および、52dとの接触や、重なりの有無を判断する。
図20Dに示されるように基礎図形52a、52b、52c、および、52dのうち接触や、重なりがあると判断されて除去対象となる除去対象基礎図形54a、54b、54c、および、54dを斜線で図示している。逆に斜線で図示されていない基礎図形52a、52b、52c、および、52dは設計データ51の余剰な領域に残存するものである。
【0225】
図20Eに示されているのは、説明を容易にするために
図20Dに示されている領域Zを拡大して図示したものである。
図20Eに示されるように基礎図形52b、および、52cは領域Zの中央付近で除去対象基礎図形54b、および、54cとならないと判断され、基礎図形52b、および、52cが点で接触する箇所55が存在している。そして、
図20Eと同様に領域Zが拡大されている
図20Fに示されるように
図19の除去部1eは、除去対象基礎図形54a、54b、54c、および、54dを除去する。
【0226】
この時点では、領域Z内の箇所55には、基礎図形52b、および、52cが残存し、図形同士は点接触しているため、箇所55において一般的なマスクパターンの設計規則の違反は解消されていない。
【0227】
次に、
図19の追加部1fは、残存した基礎図形52a、52b、52c、および、52dに点のみで接触し、設計規則を継続して違反する箇所の存在の有無を判断する。
図20Fに示されるように、便宜上その箇所を点57aと呼ぶ。そして、同様な箇所の総称を点57と呼ぶ。そして、
図19の追加部1fは、
図20Fに示されるように点のみで接触している設計規則を継続して違反する箇所である点57aを設計規則の違反が解消されるように、例えば内包して覆うように付加図形56aを追加する。
【0228】
次に、
図19の出力部1hは、
図20Fに示されるように設計データ51と、残存した基礎図形52a、52b、52c、および、52dと、追加された付加図形56aとを合成し、設計データ51にダミーパターンを発生させたマスクデータを出力する。この時、オフセット設計データ53は除去されている。また、マスクデータを出力する前に、事前にオフセット設計データ53を除去していても良い。
【0229】
このように、図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が接触し、または、辺と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いて、基礎図形の配置と、オフセット設計データの形成と、基礎図形の除去と、付加図形の追加とによって、設計規則を違反せずに、かつ、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することが可能となる。
【0230】
すなわち、基礎図形の図形同士が設計規則を違反しながら、付加図形を組み合わせることによって基礎図形と付加図形との組み合わされた図形同士が設計規則を遵守することにより、歩留り低下の要因となるパターンの発生を防止することが出来る。さらに、繰り返して設計データの余剰な領域にダミーパターンを配置する必要性もなくなることで、短手番でマスクデータを出力することができる。またさらに、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することで、製造しやすいパターンを発生させることができる。
【0231】
なお、付加図形の大きさは、設計データに基づいて、オフセットの情報により形成されたオフセット図形とは近接する可能性が高いが、実際にはオフセットの情報が大きく取られていれば、実際の設計データからは十分遠い距離を保つことができるため、設計データとの干渉を回避することは十分に可能である。したがって、付加図形の大きさと、オフセットの情報を適宜選択、調整することによって、設計データへの干渉を防止する付加図形の追加を行うことが可能である。
【0232】
図21は、
図19の第3の実施の形態のダミーパターン発生装置1の処理を示すフローチャートである。
【0233】
[ステップS21] 設計データ51と、基礎図形52の情報と、付加図形56の情報とが
図19の記憶部1aに読み込まれる。その後、ステップS22に遷移する。
【0234】
[ステップS22]
図19の生成部1bは、記憶部1aに読み込まれた基礎図形52の情報に基づいて基礎図形52を生成する。次いで、生成された基礎図形52を記憶部1aに格納する。さらに、生成部1bは、記憶部1aに読み込まれた付加図形56の情報に基づいて付加図形56を生成する。次いで、生成された付加図形56を記憶部1aに格納する。その後、ステップS23に遷移する。
【0235】
[ステップS23]
図19の配置部1cは、第1の実施の形態と同様に、記憶部1aに読み込まれた設計データ51に基づいて、ダミーパターンを発生させる設計データ51の領域を計算する。次いで、設計データ51の領域の全面に記憶部1aに格納された基礎図形52を設定されたピッチの情報で設計データ51に重なるように間隔を置いて配置する。次いで、全面に配置された基礎図形52を記憶部1aに格納する。その後、ステップS24に遷移する。
【0236】
[ステップS24]
図19の形成部1dは、第1の実施の形態と同様に、記憶部1aに読み込まれた設計データ51に基づいて、オフセット設計データ53を設定されたオフセットの情報で形成する。次いで、形成されたオフセット設計データ53を記憶部1aに格納する。その後、ステップS25に遷移する。
【0237】
[ステップS25]
図19の除去部1eは、第1の実施の形態と同様に、オフセット設計データ53と個々の基礎図形52a、52b、52c、および、52dとの接触や、重なりの有無を判断する。接触や、重なりが存在する場合(ステップS25の「はい」)、記憶部1aに接触や、重なりが存在する個々の基礎図形52a、52b、52c、または、52dの情報を格納した後、第1の実施の形態と同様に、ステップS26に遷移する。接触や、重なりが存在しない場合(ステップS25の「いいえ」)、ステップS27に遷移する。
【0238】
[ステップS26]
図19の除去部1eは、第1の実施の形態と同様に、記憶部1aに格納された接触や、重なりが存在する個々の基礎図形52a、52b、52c、または、52dを記憶部1aから除去する。その後、ステップS25に戻り、ステップS25において、再度、接触や、重なりの有無を判断し、接触や、重なりが存在する場合には、ステップS25、S26の処理を接触や、重なりが存在しなくなるまで繰り返し処理する。
【0239】
[ステップS27]
図19の追加部1fは、記憶部1aに格納された残存する基礎図形52について、設計規則を継続して違反する箇所の有無を判断する。設計規則を継続して違反する箇所が存在する場合(ステップS27の「はい」)、設計規則を継続して違反する箇所が存在する個々の基礎図形52a、52b、52c、または、52dの情報である点57を記憶部1aに格納した後、ステップS28に遷移する。設計規則を継続して違反する箇所が存在しない場合(ステップS27の「いいえ」)、ステップS29に遷移する。
【0240】
[ステップS28]
図19の追加部1fは、記憶部1aに格納された設計規則を継続して違反する箇所の個々の基礎図形52a、52b、52c、または、52dの情報である点57に基づいて、設計規則を継続して違反する箇所を違反が解消されるように付加図形56を追加する。その後、ステップS27に戻り、ステップS27において、再度、記憶部1aに格納された残存する基礎図形52について、設計規則を継続して違反する箇所の有無を判断し、ステップS27、S28の処理を設計規則を継続して違反する箇所が存在しなくなるまで繰り返し処理する。
【0241】
[ステップS29] 第1の実施の形態と同様に、
図19の出力部1hは、記憶部1aからオフセット設計データ53を排除して、終了する。また、この処理を設計データ51と、ステップS27、S28を繰り返し処理した後に残存する基礎図形52と、追加された付加図形56とを記憶部1aに出力して、終了する処理に置き換えることも出来る。
【0242】
なお、ステップS29と、ステップS27、S28の処理を入れ替えることもできる。この場合には、ステップS27、S28の処理が完了した後に、記憶部1aに設計データ51と、ステップS27、S28を繰り返し処理した後に残存する基礎図形52と、追加された付加図形56とが記憶部1aに格納されるため、ステップS27で設計規則を継続して違反する箇所が存在しない場合(ステップS27の「いいえ」)に、終了する。
【0243】
以上に述べたように、
図19のダミーパターン発生装置1によれば、基礎図形と付加図形とを生成し、設計データに基づいて基礎図形を設計データの全面に配置し、設計データに基づいてオフセット設計データを形成し、オフセット設計データに基づいて基礎図形との接触や、重なりの有無を判断することで基礎図形を除去し、さらに、継続して設計規則を違反する箇所の有無を判断し、付加図形を追加することで、設計データの余剰な領域に基礎図形を残存させることができ、設計データと基礎図形と付加図形とを合成することで、設計規則を遵守しつつ、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することができる。さらに、付加図形の大きさと、オフセットの情報を適宜選択、調整することにより、設計データと付加図形の干渉も防止することができる。
【0244】
<第3の実施の形態の変形例1>
図22は、第3の実施の形態の変形例1のダミーパターン発生装置1を示す図である。
【0245】
第3の実施の形態の変形例1のダミーパターン発生装置(コンピューター)1は、半導体集積回路の設計データに基づいてダミーパターンを発生し、設計データに合成して出力する装置である。
【0246】
このダミーパターン発生装置1は、第1の実施の形態で説明したもののほかに、
図22の消去部1gを有している。なお、消去部1gは、主にダミーパターン発生装置1が有するCPU(Central Processing Unit)が備える機能により実現することができる。なお、消去部1gを実現する機能は上記説明のものに限られず、また、例示したCPU、RAM、HDD等を適宜組み合わせて各部を実現しても良い。
【0247】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
【0248】
ダミーパターン発生装置1が有している記憶部1aと、生成部1bと、配置部1cと、形成部1dと、除去部1eと、消去部1gと、出力部1hは、例えば
図2のダミーパターン発生装置100のハードウェア構成によって以下のように具体的な機能を有している。
【0249】
図22の記憶部1aは、例えば
図2の通信網150や、外部データ入出力制御装置106を介してダミーパターン発生装置100に入ってくる設計データや、基礎図形や、付加図形や、その他の処理の過程における一時的なデータや、出力されるマスクデータを一時的に記憶したり、保持したりする機能を有している。具体的には、記憶装置102や、データ保持装置103がその機能を有している。また、これに代わって、外部データ入出力制御装置106を介して光ディスク200等に記憶したり、保持しても構わず、また、通信入出力制御装置を介して通信網に接続された他のコンピューターに記憶したり、保持しても構わない。
【0250】
図22の生成部1bは、記憶部1aに格納された基礎図形と、付加図形の情報に基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、基礎図形と、付加図形とを生成する機能を有している。さらに、この機能には基礎図形と、付加図形とを
図22の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0251】
図22の配置部1cは、記憶部1aに格納された設計データに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、ダミーパターンを発生させる設計データの領域を計算する機能を有している。さらに、この機能には計算された設計データの領域を
図22の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には
図2の外部入力制御装置105や、外部データ入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107等から与えられるピッチの情報に基づいて、中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計データの領域の全面に設計データに重なるように基礎図形と付加図形とを間隔を置いて配置する機能が含まれる。さらに、この機能には配置された基礎図形と付加図形とを
図22の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0252】
図22の形成部1dは、記憶部1aに格納された設計データに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データを形成する機能を有している。さらに、この機能には外部入力制御装置105や、外部データ入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107等から与えられるオフセットの情報に基づいて、中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データを形成する機能が含まれる。さらに、この機能には形成されたオフセット設計データを
図22の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0253】
図22の除去部1eは、記憶部1aに格納された配置部1cで配置された基礎図形と、形成部1cで形成されたオフセット設計データとに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データと基礎図形との接触や、重なりの有無を判断し、基礎図形を除去対象となる除去対象基礎図形と識別する機能を有している。さらに、この機能には、除去対象基礎図形を
図22の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には、基礎図形のうち、オフセット設計データと重なる領域、その他の領域を識別するフラグを記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には、記憶部1aに格納された除去対象基礎図形を除去する機能が含まれる。
【0254】
図22の消去部1gは、
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計規則を継続して違反しない箇所の有無を判断し、設計規則を継続して違反する点を識別する機能を有している。さらに、この機能には、設計規則を継続して違反する点を
図22の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には、設計規則を継続して違反しない箇所にある付加図形を消去し、設計規則を継続して違反する箇所にある付加図形を残留させる機能が含まれる。この機能は、消去される付加図形を記憶部1aから消去する機能を意味する。
【0255】
図22の出力部1hは、記憶部1aに格納された設計データと、残存する基礎図形と、消去後に残留する付加図形に基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計データと、残存する基礎図形と、消去後に残留する付加図形を合成してダミーパターンを発生させたマスクデータを出力する機能を有している。マスクデータの出力先は、
図22の記憶部1aで有っても良いし、
図2の外部データ入出力制御装置106を介して光ディスク200等で有っても良いし、通信入出力制御装置107を介して通信網150に接続される他のコンピューター等で有っても構わない。この機能には、出力先を自由に選択できる機能も含まれる。さらに、この機能には、マスクデータを出力する前に
図22の記憶部1aに格納された形成部1dで形成されたオフセット設計データを予め排除する機能が含まれる。オフセット設計データが記憶部1aから排除されることにより、記憶部1aにおいて設計データと、残存する基礎図形と、消去後に残留する付加図形とが合成されるという機能が達成される場合も含まれる。
【0256】
このように、
図22のダミーパターン発生装置1は、例えば
図2のダミーパターン発生装置100のハードウェアによって実現される機能を有することで、短手番で効率よく設計データに基づいてダミーパターンを発生させて、設計データとダミーパターンを合成したマスクデータを出力することができる。
【0257】
図23A〜
図23Dは、第3の実施の形態の変形例1を説明する図であり、マスクデータが出力されるまでの過程を図形で例示したものである。なお、説明を容易とする為に
図20Cや、
図20Dに示されている領域Zの部分を拡大した図となっている。
図23Dは
図20Fで示されている図と同じである。
【0258】
図23Aに示されているのは、第3の実施の形態で説明した
図20Bに示されているダミーパターンの基礎となる基礎図形52と、4つに分割された52a、52b、52c、および、52dと、設計データ51と同じものである。但し、
図20Bとは、基礎図形52に付加される付加図形56である付加図形56aが配置されている点が異なっている。
【0259】
第3の実施の形態の変形例1では、
図23Aに示されるように、第3の実施の形態とは異なり、
図22の配置部1cが設計データ2の領域の全面に基礎図形52と付加図形56を設計データ51に重なるように間隔を置いて配置する。
【0260】
そして、
図23Bに示されるように、第3の実施の形態と同様に、
図22の形成部1dがオフセット設計データ53を形成し、除去部1eは、
図23Bに示されるようにオフセット設計データ53と基礎図形52との接触や、重なりを判断し、
図23Cに示されるように除去対象基礎図形54a、54b、54c、および、54dを除去する。
【0261】
しかしながら、
図23Cに示されるように、この時点では、オフセット図形53は除去対象基礎図形54a、54b、54c、および、54dとの接触や、重なりの有無を判断して除去対象基礎図形54a、54b、54c、および、54dを除去しているため、付加図形56aは残存している。
【0262】
図23Cに示されるように、位置AA、AIには、付加図形56aと設計データ51の重なりが生じており、想定外のパターンが後にマスクパターンに合成されて、所望の特性が得られなくなる可能性が有る。
【0263】
また、
図23Cに示されるように、位置AFには、付加図形56aと設計データ51の最小間隔の設計違反となりうる極めて小さな間隔が生じ、想定外のパターンが後にマスクパターンに合成されて、所望の特性が得られなくなったり、マスクパターンや半導体装置の製造過程で欠陥の発生の原因となり、歩留り低下を招く恐れがある。
【0264】
さらに、
図23Cに示されるように、位置AB、AC、AD、AG、AHには、設計規則を違反していないにも関わらず、付加図形56aが配置されている。
【0265】
そこで、
図22の消去部1gは、残存した基礎図形52a、52b、52c、および、52dに点のみで接触せず、設計規則を継続して違反しない箇所の存在の有無を判断する(第3の実施の形態の点57a、総称する点57を識別することを意味する)。第3の実施の形態の
図20Fと同じである
図23Dに示されている状態になるように、
図22の消去部1gは、点のみで接触せず設計規則を継続して違反しない箇所である
図23Dの位置AA、AB、AC、AD、AF、AG、AH、AIの付加図形56aを消去する。
【0266】
このように、
図22の配置部1cに異なる機能を持たせ、消去部1gが機能することによって、第3の実施の形態と同じ結果を得ることができる。
【0267】
このように、図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が接触し、または、辺と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いて、基礎図形と付加図形との配置と、オフセット設計データの形成と、基礎図形の除去と、付加図形の消去によっても、第3の実施の形態と同様に、設計規則を違反せずに、かつ、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することが可能となる。付言すれば、この方法を用いても、当初の設計データとダミーパターンの干渉が発生せず、所定の特性を得るための設計データが変化することのないマスクデータを出力することができる。
【0268】
すなわち、基礎図形の図形同士が設計規則を違反しながら、付加図形を組み合わせることによって基礎図形と付加図形との組み合わされた図形同士が設計規則を遵守することにより、歩留り低下の要因となるパターンの発生を防止することが出来る。さらに、繰り返して設計データの余剰な領域にダミーパターンを配置する必要性もなくなることで、短手番でマスクデータを出力することができる。またさらに、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することで、製造しやすいパターンを発生させることができる。
【0269】
なお、第3の実施の形態と同様に、付加図形の大きさは、設計データに基づいて、オフセットの情報により形成されたオフセット図形とは近接する可能性が高いが、実際にはオフセットの情報が大きく取られていれば、実際の設計データからは十分遠い距離を保つことができるため、設計データとの干渉を回避することは十分に可能である。したがって、付加図形の大きさと、オフセットの情報を適宜選択、調整することによって、設計データへの干渉を防止する付加図形の配置と、消去と、残留を行うことが可能である。
【0270】
図24は、
図22の第3の実施の形態の変形例1のダミーパターン発生装置1の処理を示すフローチャートである。
【0271】
[ステップS31] 第3の実施の形態と同様に、設計データ51と、基礎図形52の情報と、付加図形56の情報とが
図22の記憶部1aに読み込まれる。その後、ステップS32に遷移する。
【0272】
[ステップS32] 第3の実施の形態と同様に、
図22の生成部1bは、記憶部1aに読み込まれた基礎図形52の情報に基づいて基礎図形52を生成する。次いで、生成された基礎図形52を記憶部1aに格納する。さらに、生成部1bは、記憶部1aに読み込まれた付加図形56の情報に基づいて付加図形56を生成する。次いで、生成された付加図形56を記憶部1aに格納する。その後、ステップS33に遷移する。
【0273】
[ステップS33]
図22の配置部1cは、記憶部1aに読み込まれた設計データ51に基づいて、ダミーパターンを発生させる設計データ51の領域を計算する。次いで、設計データ51の領域の全面に記憶部1aに格納された基礎図形52と付加図形56とを設定されたピッチの情報で設計データ51に重なるように間隔を置いて配置する。次いで、全面に配置された基礎図形52と付加図形56とを記憶部1aに格納する。その後、ステップS34に遷移する。
【0274】
[ステップS34]
図22の形成部1dは、第3の実施の形態と同様に、記憶部1aに読み込まれた設計データ51に基づいて、オフセット設計データ53を設定されたオフセットの情報で形成する。次いで、形成されたオフセット設計データ53を記憶部1aに格納する。その後、ステップS35に遷移する。
【0275】
[ステップS35]
図22の除去部1eは、第3の実施の形態と同様に、オフセット設計データ53と個々の基礎図形52a、52b、52c、および、52dとの接触や、重なりの有無を判断する。接触や、重なりが存在する場合(ステップS35の「はい」)、記憶部1aに接触や、重なりが存在する個々の基礎図形52a、52b、52c、または、52dの情報を格納した後、ステップS36に遷移する。接触や、重なりが存在しない場合(ステップS35の「いいえ」)、ステップS37に遷移する。
【0276】
[ステップS36]
図22の除去部1eは、第3の実施の形態と同様に、記憶部1aに格納された接触や、重なりが存在する個々の基礎図形52a、52b、52c、または、52dを記憶部1aから除去する。その後、ステップS35に戻り、ステップS35において、再度、接触や、重なりの有無を判断し、接触や、重なりが存在する場合には、ステップS35、S36の処理を接触や、重なりが存在しなくなるまで繰り返し処理する。
【0277】
[ステップS37]
図22の消去部1gは、記憶部1aに格納された残存する基礎図形52について、設計規則を継続して違反しない箇所の有無と付加図形56の残存の有無を判断する。設計規則を継続して違反しない箇所が存在し(基礎図形52が無い場合も含む)、かつ、付加図形56が存在する場合(ステップS37の「はい」)、その位置を特定する情報を記憶部1aに格納した後、ステップS38に遷移する。設計規則を継続して違反しない箇所(基礎図形52が無い場合も含む)に付加図形56が存在しない場合(ステップS37の「いいえ」)、ステップS39に遷移する。
【0278】
[ステップS38]
図22の消去部1gは、記憶部1aに格納された位置を特定する情報に基づいて、付加図形56を消去する。その後、ステップS37に戻り、ステップS37において、再度、記憶部1aに格納された残存する基礎図形52について、設計規則を継続して違反しない箇所の有無と付加図形56の残存の有無を判断し、ステップS37、S38の処理を設計規則を継続して違反しない箇所(基礎図形52が無い場合も含む)に付加図形56が存在しなくなるまで繰り返し処理する。
【0279】
ステップS37、S38の処理は、言い換えるならば、基礎図形52が設計規則を継続して違反していないか、または、基礎図形52が無い状態である場合に、付加図形56が残存することを排除する処理となる。すなわち、基礎図形52によって設計規則を継続して違反する箇所である点57に付加図形56が残存するように処理するものである。
【0280】
[ステップS39] 第3の実施の形態と同様に、
図19の出力部1hは、記憶部1aからオフセット設計データ53を排除して、終了する。また、この処理を設計データ51と、ステップS37、S38を繰り返し処理した後に残存する基礎図形52と、消去後に残留する付加図形56とを記憶部1aに出力して、終了する処理に置き換えることも出来る。
【0281】
以上に述べたように、
図22のダミーパターン発生装置1によれば、基礎図形と付加図形とを生成し、設計データに基づいて基礎図形と付加図形とを設計データの全面に配置し、設計データに基づいてオフセット設計データを形成し、オフセット設計データに基づいて基礎図形との接触や、重なりの有無を判断することで基礎図形を除去し、さらに、基礎図形が配置されていないことを含めて継続して設計規則を違反せずに付加図形が残存する箇所の有無を判断し、付加図形を消去することで、設計データの余剰な領域に基礎図形を残存させることができ、設計データと基礎図形と付加図形とを合成することで、設計規則を遵守しつつ、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することができる。さらに、付加図形の大きさと、オフセットの情報を適宜選択、調整することにより、設計データと付加図形の干渉も防止することができる。
【0282】
<第3の実施の形態の変形例2>
図25A〜
図25Cは、第3の実施の形態の変形例2を説明する図である。具体的には、基礎図形52と付加図形56とを置き換える基礎図形と付加図形の1つを例示する。
【0283】
図25Aに示される図形は、基礎図形61を構成する個々の基礎図形61a、61b、61c、および、61dである。個々の基礎図形61a、61b、61c、および、61dは、一例として縦横が0.6μmの正方形である。基礎図形61a、61b、61c、および、61dの位置を明確とするために、各部の長さを説明する。長さ61kが0.03μm、長さ61mが0.03μm、長さ61nが0.02μm、長さ61pが0.02μm、長さ61qが0.02μm、長さ61rが0.03μmとなっている。
【0284】
さらに
図25Aには、付加図形62として、付加図形62aが基礎図形61a、61b、61c、および、61dが集まり重なっている中央部の付近を覆うように追加されている。付加図形62aは、縦横0.2μmの正方形である。付加図形62aの追加位置を明確とするために、各部の長さを説明する。長さ62kが0.1μm、長さ62mが0.07μm、長さ62nが0.07μm、長さ62pが0.07μmとなっており、ちょうど付加図形62aの対角線の交点と、基礎図形61bの左下角から基礎図形61cの右上角の中点が重なるように付加図形62aが追加されている。
【0285】
ここで、以下のような基礎図形同士の組み合わせは、設計規則を継続して違反するものとなる。
図25Bに例示する。
【0286】
図19と
図22の除去部1eが基礎図形61を除去した後に、
図25Bに示されるように、基礎図形61a、および、61dが残存した場合、先に説明した長さ61k、61m、61n、61pから、基礎図形61a、および、61dが重なった部分BAは縦が0.06μm、横が0.06μmとなる。例えば、付加図形62aが無い場合において、設計規則の最小幅が0.1μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるような場合となり、最小幅の設計規則を違反するものとなる。
【0287】
このように、図形同士が設計規則を違反しながら、辺と辺が交差して重なり合う図形の組み合わせを基礎とする基礎図形が用いられる場合がある。
【0288】
さらに、以下のような基礎図形同士の組み合わせは、設計規則を継続して違反するものとなる。
図25Cに例示する。
【0289】
図19と
図22の除去部1eが基礎図形61を除去した後に、
図25Cに示されるように、基礎図形61b、61cが残存した場合、先に説明した長さ61qから、基礎図形61b、61cが離間した部分BBは、基礎図形61bの左下角から基礎図形61cの右上角の距離が0.02μmとなる。例えば、付加図形62aが無い場合において、設計規則の最小間隔が0.1μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるような場合となり、最小間隔の設計規則を違反するものとなる。
【0290】
このように、図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が離間する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形が用いられる場合がある。
【0291】
一方で、基礎図形が1つも欠けない場合や、一つだけ欠けた場合には、
図25Aから明らかな様に、例えば、設計規則の最小幅が0.1μm、最小間隔が0.1μmの場合において、設計規則を違反することはない。
【0292】
このように、一部の基礎図形が欠けた場合であって、
図25B、
図24Cに示されるような基礎図形の図形同士の関係が有ったとしても、基礎図形52と付加図形56とを、基礎図形61と付加図形62とに置き換えて、第3の実施の形態、ならびに、第3の実施の形態の変形例1のどちらの方法も用いることができる。
【0293】
図25Aを参照してまとめると、図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が離間し、または、辺と辺が交差して重なり合う図形の組み合わせを基礎とする基礎図形と、付加図形とを用いることもできる。
【0294】
<第3の実施の形態の変形例3>
図26A〜
図26Cは、第3の実施の形態の変形例3を説明する図である。具体的には、基礎図形52と付加図形56とを置き換える基礎図形と付加図形の1つを例示する。
【0295】
図26Aに示される図形は、基礎図形63を構成する個々の基礎図形63a、63b、63c、および、63dである。個々の基礎図形63aは、一例として長さ63kが0.2μm、長さ63mが0.2μm、長さ63nが0.6μm、長さ63pが0.2μm、長さ63qが0.1μm、長さ63rが0.1μm、長さ63sが0.3μmとなっている。個々の基礎図形63cは、個々の基礎図形63aを180°回転した形状となっている。個々の基礎図形63b、63dは、縦横が0.2μmの正方形となっている。
【0296】
図26Aに示されるように、基礎図形63は、基礎図形63a、63b、63c、および、63dが隙間なく丁度隣接した形状を有している。
【0297】
さらに
図26Aには、付加図形64として、付加図形64aが63a、63b、63c、および、63dが集まっている中央部の付近を覆うように追加されている。付加図形64aは、縦横0.26μmの正方形である。付加図形64aの追加位置を明確とするために、各部の長さを説明する。長さ64kが0.03μm、長さ64mが0.03μm、長さ64nが0.03μm、長さ64pが0.03μmとなっており、ちょうど付加図形64aの対角線の交点と、基礎図形63の中心である基礎図形63a、63cが接している左右方向の辺の中点とが、重なるように付加図形64aが追加されている。
【0298】
ここで、以下のような基礎図形同士の組み合わせは、設計規則を継続して違反するものとなる。
図26Bに例示する。
【0299】
図19と
図22の除去部1eが基礎図形63を除去した後に、
図26Bに示されるように、基礎図形63b、63cが残存した場合、先に説明した長さ63q、および、63rから、基礎図形63aが欠けた部分である部分CAは、縦が0.1μm、横が0.2μmとなる。例えば、付加図形64aが無い場合において、設計規則の最小間隔が0.14μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるような場合となり、最小間隔の設計規則を違反するものとなる。さらに、基礎図形63cが残存している一部分である部分CBは、縦が0.1μm、横が0.2μmとなる。例えば、付加図形64aが無い場合において、設計規則の最小幅が0.14μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるような場合となり、最小幅の設計規則を違反するものとなる。
【0300】
このように、図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が接触し、点と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形が用いられる場合がある。
【0301】
また、例示したものと同様に基礎図形63a、63dが残存した場合でも、部分CA、部分CBにおける最小間隔と最小幅の関係が逆になるが同様に設計規則を継続して違反するものとなる。
【0302】
さらに、以下のような基礎図形同士の組み合わせは、設計規則を継続して違反するものとなる。
図26Cに例示する。
【0303】
図19と
図22の除去部1eが基礎図形63を除去した後に、
図26Cに示されるように、基礎図形63b、63c、および、63dが残存した場合、先に説明した長さ63qから、基礎図形63aが欠けた部分である部分CAは、上記と同様に縦が0.1μm、横が0.2μmとなる。例えば、付加図形64aが無い場合において、設計規則の最小間隔が0.14μmの場合において、1つ以上の図形が欠けるような場合となり、最小間隔の設計規則を違反するものとなる。
【0304】
このように、図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が接触し、点と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形が用いられる場合がある。
【0305】
また、例示したものと同様に基礎図形63a、63b、および、63dが残存した場合でも、部分CAにおける最小間隔と、部分CBにおける最小間隔の関係が変わるが、同様に設計規則を継続して違反するものとなる。
【0306】
一方で、基礎図形が1つも欠けない場合や、基礎図形63bか、63dのどちらか一つだけ欠けた場合や、基礎図形63b、および、63dの2つが欠けた場合等は、
図25Aから明らかな様に、例えば、付加図形64aが無い場合において、設計規則の最小幅が0.14μm、最小間隔が0.14μmの場合において、設計規則を違反することはない。
【0307】
このように、一部の基礎図形が欠けた場合であって、
図26B、
図26Cに示されるような基礎図形の図形同士の関係が有ったとしても、基礎図形52と付加図形56とを、基礎図形63と付加図形64とに置き換えて、第3の実施の形態、ならびに、第3の実施の形態の変形例1のどちらの方法も用いることができる。
【0308】
図26Aを参照してまとめると、図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が接触し、点と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形と、付加図形とを用いることもできる。
【0309】
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態のダミーパターン発生装置(コンピューター)1は、半導体集積回路の設計データに基づいてダミーパターンを発生し、設計データとダミーパターンとを合成して出力する装置である。第4の実施の形態のダミーパターン発生装置(コンピューター)1は、
図22に示された構成と同じであるため、図示を省略する。マスクデータに設計規則を違反するパターンが合成されることを防止する手段を有する装置の一つとして例示する。
【0310】
第4の実施の形態のダミーパターン発生装置1内には、以下のような機能が設けられる。
【0311】
このダミーパターン発生装置1は、第1の実施の形態で説明したもののほかに、第3の実施の形態の変形例1と同様に、
図22の消去部1gを有している。なお、消去部1gは、主にダミーパターン発生装置1が有するCPU(Central Processing Unit)が備える機能により実現することができる。なお、消去部1gを実現する機能は上記説明のものに限られず、また、例示したCPU、RAM、HDD等を適宜組み合わせて各部を実現しても良い。
【0312】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
【0313】
図22のダミーパターン発生装置1が有している記憶部1aと、生成部1bと、配置部1cと、形成部1dと、除去部1eと、消去部1gと、出力部1hは、例えば
図2のダミーパターン発生装置100のハードウェア構成によって以下のように具体的な機能を有している。
【0314】
図22の記憶部1aは、例えば
図2の通信網150や、外部データ入出力制御装置106を介してダミーパターン発生装置100に入ってくる設計データや、基礎図形や、その他の処理の過程における一時的なデータや、出力されるマスクデータを一時的に記憶したり、保持したりする機能を有している。具体的には、記憶装置102や、データ保持装置103がその機能を有している。また、これに代わって、外部データ入出力制御装置106を介して光ディスク200等に記憶したり、保持しても構わず、また、通信入出力制御装置を介して通信網に接続された他のコンピューターに記憶したり、保持しても構わない。
【0315】
図22の配置部1cは、記憶部1aに格納された設計データに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、ダミーパターンを発生させる設計データの領域を計算する機能を有している。さらに、この機能には計算された設計データの領域を
図22の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には
図2の外部入力制御装置105や、外部データ入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107等から与えられるピッチの情報に基づいて、中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計データの領域の全面に設計データに重なるように基礎図形を間隔を置いて配置する機能が含まれる。さらに、この機能には配置された基礎図形を
図22の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0316】
図22の形成部1dは、記憶部1aに格納された設計データに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データを形成する機能を有している。さらに、この機能には外部入力制御装置105や、外部データ入出力制御装置106や、通信入出力制御装置107等から与えられるオフセットの情報に基づいて、中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データを形成する機能が含まれる。さらに、この機能には形成されたオフセット設計データを
図22の記憶部1aに格納する機能が含まれる。
【0317】
図22の除去部1eは、記憶部1aに格納された配置部1cで配置された基礎図形と、形成部1cで形成されたオフセット設計データとに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、オフセット設計データと基礎図形との接触や、重なりの有無を判断し、基礎図形を除去対象となる除去対象基礎図形と識別する機能を有している。さらに、この機能には、除去対象基礎図形を
図22の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には、基礎図形のうち、オフセット設計データと重なる領域、その他の領域を識別するフラグを記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には、記憶部1aに格納された除去対象基礎図形を除去する機能が含まれる。
【0318】
図22の消去部1gは、記憶部1aに格納された除去部1eで除去された基礎図形に基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計規則を継続して違反する箇所の有無を判断し、設計規則を継続して違反する点を識別する機能を有している。さらに、この機能には、設計規則を継続して違反する点を
図22の記憶部1aに格納する機能が含まれる。さらに、この機能には、設計規則を継続して違反する箇所を違反が解消されるように、例えば設計規則を継続して違反する点の近傍の基礎図形の一部を消去する機能が含まれる。この機能は、消去される基礎図形の一部を記憶部1aから消去する機能を意味する。なお、この機能は、基礎図形の一部を消去する際に、設計データとの距離の遠近などを条件として、離れた一方を消去する機能が含まれていても良い。さらに、この機能には、基礎図形の一部を消去する際に、
図2の通信入出力制御装置107や、外部入力制御装置105や、外部データ入出力制御装置106等を介して消去優先順位を予め
図22の記憶部1aに格納することにより、記憶部1aに格納された消去優先順位にしたがって、基礎図形の一部を消去する機能が含まれていても良い。
【0319】
図22の出力部1hは、記憶部1aに格納された設計データと、残存する基礎図形とに基づいて、例えば
図2の中央演算処理制御装置101の命令に従って、設計データと、残存する基礎図形とを合成してダミーパターンを発生させたマスクデータを出力する機能を有している。マスクデータの出力先は、
図22の記憶部1aで有っても良いし、
図2の外部データ入出力制御装置106を介して光ディスク200等で有っても良いし、通信入出力制御装置107を介して通信網150に接続される他のコンピューター等で有っても構わない。この機能には、出力先を自由に選択できる機能も含まれる。さらに、この機能には、マスクデータを出力する前に
図22の記憶部1aに格納された形成部1dで形成されたオフセット設計データを予め排除する機能が含まれる。オフセット設計データが記憶部1aから排除されることにより、記憶部1aにおいて設計データと、残存する基礎図形とが合成されるという機能が達成される場合も含まれる。
【0320】
このように、
図22のダミーパターン発生装置1は、例えば
図2のダミーパターン発生装置100のハードウェアによって実現される機能を有することで、短手番で効率よく設計データに基づいてダミーパターンを発生させて、設計データとダミーパターンを合成したマスクデータを出力することができる。
【0321】
図27A〜
図27Cは、第4の実施の形態を説明する図であり、マスクデータが出力されるまでの過程を図形で例示したものである。なお、
図27Aは、第3の実施の形態で説明した
図20Dの領域Zを拡大したものである。
【0322】
第3の実施の形態でも説明したように、
図22の除去部1eが、除去対象基礎図形54a、54b、54c、および、54dを除去した後には、領域Zには設計規則を違反する箇所が残存する。
【0323】
そこで、設計規則を違反する箇所が残存しないようにする手段を有する装置を以下に説明する。
【0324】
まず、
図22の消去部1gは、残存した基礎図形52a、52b、52c、および、52dに点のみで接触し、設計規則を継続して違反する箇所の有無を判断する。
図27Aと同様に領域Zが拡大されている
図27Bに示されるように、便宜上その箇所を点58aと呼ぶ。そして、同様な箇所の総称を点58と呼ぶ。そして、
図22の消去部1gは、
図27Cに示されるように点のみで接触している設計規則を継続して違反する箇所である点58aを設計規則の違反が解消されるように、例えば基礎図形52bを消去する。
【0325】
このように、図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が接触し、または、辺と辺が接触する図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を用いて、基礎図形の配置と、オフセット設計データの形成と、基礎図形の除去と、設計規則を継続して違反する基礎図形を消去することによって、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれた設計規則を違反しないマスクデータを出力することが可能となる。
【0326】
すなわち、図形同士が設計規則を違反していても、最終的に残存した基礎図形の図形同士が設計規則を遵守することにより、歩留り低下の要因となるパターンの発生を防止することが出来る。さらに、繰り返して設計データの余剰な領域にダミーパターンを配置する必要性もなくなることで、短手番でマスクデータを出力することができる。またさらに、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することで、製造しやすいパターンを発生させることができる。
【0327】
なお、基礎図形52b、および、52cの組み合わせについて、基礎図形52bを消去することを例示したが、一方の52cが消去されるように予め設定しても構わない。また、設計データ51との距離の遠近などを用いて離れた一方を消去するように予め設定しても構わない。またさらに、基礎図形52a、52b、52c、または、52dに消去する優先順位である消去優先順位を予め設定しておき、設定に従って消去するようにしても構わない。適宜、設計者が選択して採用することができる。
【0328】
また、設計規則の違反は、点と点の接触や、辺と辺の接触に限られず、他の実施例に例示された図形同士が設計規則を違反する基礎図形を適宜採用することで、点と点が離間するもので有っても良いし、点と辺が接触するものであっても良いし、辺と辺が交差するものであっても構わない。
【0329】
図28は、
図22の第4の実施の形態のダミーパターン発生装置1の処理を示すフローチャートである。
【0330】
[ステップS41] 設計データ51と、基礎図形52の情報とが
図22の記憶部1aに読み込まれる。その後、ステップS42に遷移する。
【0331】
[ステップS42]
図22の生成部1bは、記憶部1aに読み込まれた基礎図形52の情報に基づいて基礎図形52を生成する。次いで、生成された基礎図形52を記憶部1aに格納する。その後、ステップS43に遷移する。
【0332】
[ステップS43]
図22の配置部1cは、記憶部1aに読み込まれた設計データ51に基づいて、ダミーパターンを発生させる設計データ51の領域を計算する。次いで、設計データ51の領域の全面に記憶部1aに格納された基礎図形52を設定されたピッチの情報で設計データ51に重なるように間隔を置いて配置する。次いで、全面に配置された基礎図形52を記憶部1aに格納する。その後、ステップS44に遷移する。
【0333】
[ステップS44]
図22の形成部1dは、記憶部1aに読み込まれた設計データ51に基づいて、オフセット設計データ53を設定されたオフセットの情報で形成する。次いで、形成されたオフセット設計データ53を記憶部1aに格納する。その後、ステップS45に遷移する。
【0334】
[ステップS45]
図22の除去部1eは、オフセット設計データ53と個々の基礎図形52a、52b、52c、および、52dとの接触や、重なりの有無を判断する。接触や、重なりが存在する場合(ステップS45の「はい」)、記憶部1aに接触や、重なりが存在する個々の基礎図形52a、52b、52c、および、52dの情報を格納した後、ステップS46に遷移する。接触や、重なりが存在しない場合(ステップS45の「いいえ」)、ステップS47に遷移する。
【0335】
[ステップS46]
図22の除去部1eは、記憶部1aに格納された接触や、重なりが存在する個々の基礎図形52a、52b、52c、および、52dを記憶部1aから除去する。その後、ステップS45に戻り、ステップS45において、再度、接触や、重なりの有無を判断し、接触や、重なりが存在する場合には、ステップS45、S46の処理を接触や、重なりが存在しなくなるまで繰り返し処理する。
【0336】
[ステップS47]
図22の消去部1gは、記憶部1aに格納された残存する基礎図形52について、設計規則を継続して違反する箇所の有無を判断する。設計規則を継続して違反する箇所が存在する場合(ステップS47の「はい」)、設計規則を継続して違反する箇所が存在する個々の基礎図形52a、52b、52c、または、52dの情報である点58を記憶部1aに格納した後、ステップS48に遷移する。設計規則を継続して違反する箇所が存在しない場合(ステップS47の「いいえ」)、ステップS49に遷移する。
【0337】
[ステップS48]
図22の消去部1gは、記憶部1aに格納された設計規則を継続して違反する箇所の個々の基礎図形52a、52b、52c、または、52dの情報である点58に基づいて、設計規則を継続して違反する箇所を違反が解消されるように予め設定された条件で基礎図形52の一部を消去する。予め設定された条件とは、例えば、設計データ51との遠近で離れた方を消去する、という条件であっても良いし、消去する優先順位に従って消去する、という条件で有っても良い。その後、ステップS47に戻り、ステップS47において、再度、記憶部1aに格納された残存する基礎図形52について、設計規則を継続して違反する箇所の有無を判断し、ステップS47、S48の処理を設計規則を継続して違反する箇所が存在しなくなるまで繰り返し処理する。
【0338】
[ステップS7]
図22の出力部1hは、記憶部1aからオフセット設計データ53を排除して、終了する。また、この処理を設計データ51と、ステップS45、および、S46と、ステップS47、および、S48とを繰り返し処理した後に残存する基礎図形52とを記憶部1aに出力して、終了する処理に置き換えることもできる。
【0339】
以上に述べたように、
図22のダミーパターン発生装置1によれば、基礎図形を生成し、設計データに基づいて基礎図形を設計データの全面に配置し、設計データに基づいてオフセット設計データを形成し、オフセット設計データに基づいて基礎図形との接触や、重なりの有無を判断することで基礎図形を除去し、さらに、基礎図形の一部を消去することで、設計データの余剰な領域に基礎図形を残存させることができ、設計データと基礎図形とを合成することで、設計規則を遵守しつつ、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することができる。さらに、基礎図形の一部を除去する条件を適宜選択、調整することにより、同様に設計規則を遵守しつつ、設計データの偏在を抑制する均一化が保たれたマスクデータを出力することができる。
【0340】
以上で説明したそれぞれの実施の形態では、基礎図形や、隣接図形や、付加図形が、設計データの領域に多数配置される。ここで、設計データは、図形の数と、図形の頂点の数に比例してデータ量が増えることが一般的に知られている。設計データのデータ量の増大は、増大すればするほど、マスク製作のための外部サーバーコンピューターにマスクデータを転送する際などに非常に効率を悪化させる要因となる。
【0341】
そこで、最終的な図形の数と、図形データの頂点のデータ情報を減らすために、図形同士が接触したり、重なっている部分が存在した場合には、すなわち、点と辺が接触している部分や、辺と辺が接触している部分や、辺と辺が交差して重なっている部分等は、同一の図形で、不必要な頂点を置換して減らす事により、設計データのデータ量を減らす事ができる。これを、マージ処理と言う。すなわち、マージ処理を用いて設計データのデータ量を小さくし、後の作業に有益なマスクデータを作成することができる。
【0342】
<第5の実施の形態>
図29は、第5の実施の形態を説明する図である。具体的には、ダミーパターン発生装置によって設計データにダミーパターンが合成されたマスクデータを用いて作製されたマスクを利用して製造される半導体装置を例示する。
【0343】
半導体装置70には、
図29に示されるように、MOSトランジスタ等が形成されている。例えば、シリコン基板等の半導体基板71が素子分離膜71a、71xにより複数の素子分離領域に画定されている。そして、半導体基板71上にゲート絶縁膜72a及びゲート電極72b、72xが積層されている。ゲート絶縁膜72a及びゲート電極72b、72xの側方にはサイドウォール絶縁膜72cが形成されている。半導体基板71の表面に素子分離膜71a、71xが無い部分には、平面視でゲート絶縁膜72a及びゲート電極72b、72xを間に挟むようにして、ソース・ドレイン拡散層72dが形成されている。ソース・ドレイン拡散層72dは、一例としてLDD(Lightly doped drain)を含むものが例示されている。
【0344】
更に、例えばシリコン窒化膜73a及びシリコン酸化膜73bが全面に積層され、シリコン窒化膜73a及びシリコン酸化膜73bにソース・ドレイン拡散層72dまで達するコンタクトホール74が形成されている。このコンタクトホール74の直径は、例えば0.08μm〜0.12μm程度である。また、このコンタクトホール74の側面及び底面に倣うようにして、例えばグルーレイヤ74a(例えばTiN膜)が形成され、その内部に金属層74b(例えばタングステン膜)が埋め込まれている。
【0345】
更に、例えばシリコン窒化膜75a及びシリコン酸化膜75bが全面に積層され、シリコン窒化膜75a及びシリコン酸化膜75bにグルーレイヤ74a及び金属層74bまで達する溝76が形成されている。同様にして、溝76xも形成されている。この溝76、76xの側面及び底面に倣うようにして、例えばバリアメタル膜76a(例えばTa膜)が形成され、その内部に金属層76b(例えばCu)が埋め込まれて配線が形成されている。
【0346】
更に、例えばシリコン窒化膜77a及びシリコン酸化膜77bが全面に積層され、シリコン窒化膜77a及びシリコン酸化膜77bに下層の配線、ここでは金属層76bまで達するコンタクトホール78が形成されている。このコンタクトホール78の直径は、例えば0.08μm〜0.12μm程度である。
【0347】
更に、例えばシリコン窒化膜79a及びシリコン酸化膜79bが全面に積層され、シリコン窒化膜79a及びシリコン酸化膜79bに形成されたコンタクトホール78に繋がる溝80がシリコン窒化膜79a及びシリコン酸化膜79bに形成されている。同様にして、溝80xも形成されている。これらのコンタクトホール78及び溝80、80xの側面及び底面に倣うようにして、例えばバリアメタル膜80a(例えばTa膜)が形成され、その内部に金属層80b(例えばCu)が埋め込まれて配線が形成されている。
【0348】
更に、例えばシリコン窒化膜81a及びシリコン酸化膜81bが全面に積層され、シリコン窒化膜81a及びシリコン酸化膜81bに下層の配線、ここでは金属層80bまで達するコンタクトホール82が形成されている。このコンタクトホール82の直径は、例えば0.08μm〜0.12μm程度である。
【0349】
更に、例えばシリコン窒化膜83a及びシリコン酸化膜83bが全面に積層され、シリコン窒化膜83a及びシリコン酸化膜83bに形成されたコンタクトホール82に繋がる溝84がシリコン窒化膜83a及びシリコン酸化膜83bに形成されている。同様にして、溝84xも形成されている。これらのコンタクトホール82及び溝84、84xの側面及び底面に倣うようにして、例えばバリアメタル膜84a(例えばTa膜)が形成され、その内部に金属層84b(例えばCu)が埋め込まれて配線が形成されている。
【0350】
更に、例えばシリコン窒化膜85a及びシリコン酸化膜85bが全面に積層され、シリコン窒化膜85a及びシリコン酸化膜85bに下層の配線、ここでは金属層84bまで達するコンタクトホール86が形成されている。このコンタクトホール86の直径は、例えば0.30μm〜0.50μm程度である。
【0351】
更に、例えばシリコン窒化膜87a及びシリコン酸化膜87bが全面に積層され、シリコン窒化膜87a及びシリコン酸化膜87bに形成されたコンタクトホール86に繋がる溝88がシリコン窒化膜87a及びシリコン酸化膜87bに形成されている。同様にして、溝88xも形成されている。これらのコンタクトホール86及び溝88、88xの側面及び底面に倣うようにして、例えばバリアメタル膜88a(例えばTa膜)が形成され、その内部に金属層88b(例えばCu)が埋め込まれて配線が形成されている。
【0352】
更に、例えばシリコン窒化膜89a及びシリコン酸化膜89bが全面に積層され、シリコン窒化膜89a及びシリコン酸化膜89bに金属層88bまで達するコンタクトホール90が形成されている。このコンタクトホールの直径は、例えば0.38μm〜0.62μm程度である。また、このコンタクトホールの側面及び底面に倣うようにして、例えばグルーレイヤ90a(例えばTiN膜)が形成され、その内部に金属層90b(例えばタングステン膜)が埋め込まれている。
【0353】
更に、例えばシリコン酸化膜89bの表面の一部と、グルーレイヤ90aと、金属層90bを覆うようにしてバリアメタル膜91aが形成され、このバリアメタル膜91a上に金属層91b(例えばAl又はAl合金膜)及びバリアメタル膜91cが積層され、配線が形成されている。更に、例えばバリアメタル膜91a、金属層91b及びバリアメタル膜91cを覆うようにしてシリコン酸化膜92aが全面に形成され、例えばシリコン窒化膜92bがシリコン酸化膜92a上に被覆膜として形成されている。更に、例えば下層の配線、ここでは金属層91bまで達する開口92oがバリアメタル膜91c、シリコン酸化膜92a及びシリコン窒化膜92bに形成されている。開口92oは、外部との電気的な信号をやり取りするためのパッドにおける電気的な接続の機能を確保するものである。
【0354】
なお、上記の実施の形態では、半導体装置70が提示され、半導体装置の製造工程を説明した。半導体装置には必要に応じて各層にパターンが形成されているが、半導体装置70の素子分離膜71a、71x、ゲート電極72b、72x、コンタクトホール74、78、82、86、90、溝76、76x、80、80x、84、84x、88、88x、バリアメタル膜91a、91c、金属層91bは、図示はしていないがパターンが形成されたマスクであるレチクル等を利用して、図示していないレジスト膜等に露光を行い、現像処理によってレチクル上のパターンをレジスト膜等に転写し、パターンが転写されたレジスト膜等をマスクとして半導体基板や、導電膜、絶縁膜に最終的に所望のパターンを形成することによって加工され、半導体装置70が最終的に製造されている。
【0355】
ここで、素子分離膜71a、71x、ゲート電極72b、72x、溝76、76x、80、80x、84、84x、88、88xを形成するためのレチクル等には、前述した実施の形態のマスクデータが含まれたものを例示している。すなわち、素子分離膜71a、ゲート電極72b、溝76、80、84、88は、前述した実施の形態の設計データに相当する。他方、素子分離膜71x、ゲート電極72x、溝76x、80x、84x、88xは、前述した実施の形態のダミーパターンに相当する。
【0356】
例えば、半導体基板71に形成された凹部に素子分離膜71a、71xが埋め込まれた後に、表面の余剰な素子分離膜を除去するためにCMP(Chemical Mechanical Polishing)技術が採用される場合には、設計データだけではなく設計データの偏在が好適に抑制されたダミーパターンが存在することで、平坦化における製造のしやすさが格段に向上する。
【0357】
また例えば、ゲート電極72b、72xが形成された後に、シリコン窒化膜73a、シリコン窒化膜73bが積層されると、表面にはゲート電極72b、72xの凹凸に応じた段差が生じる。後にレジスト膜にマスクデータを含むマスク上のパターンを露光で転写してコンタクトホール74のレジスト膜によるマスクを形成する際に、加工線幅が微細であれば凹凸による段差は焦点深度マージンを低下させ、解像不良を起こす原因となる。これを回避するために、CMP技術による平坦化プロセスが処理される場合には、設計データだけではなく設計データの偏在が好適に抑制されたダミーパターンが存在することで、平坦化における製造のしやすさが格段に向上する。
【0358】
さらにまた例えば、シリコン窒化膜75a、シリコン酸化膜75bに同様にしてレジスト膜によるマスクを利用して溝76、76xを形成し、バリアメタル膜76a、金属層76bが埋め込まれた後、表面の余剰なバリアメタル膜76a、金属層76bを除去する際にCMP技術が採用される場合には、設計データだけではなく設計データの偏在が好適に抑制されたダミーパターンが存在することで、平坦化における製造のしやすさが格段に向上する。
【0359】
さらにまた例えば、シリコン窒化膜79a、シリコン酸化膜79bに同様にしてレジスト膜によるマスクを利用して溝80、80xを形成し、バリアメタル膜80a、金属層80bが埋め込まれた後、表面の余剰なバリアメタル膜80a、金属層80bを除去する際にCMP技術が採用される場合には、設計データだけではなく設計データの偏在が好適に抑制されたダミーパターンが存在することで、平坦化における製造のしやすさが格段に向上する。
【0360】
さらにまた例えば、シリコン窒化膜83a、シリコン酸化膜83bに同様にしてレジスト膜によるマスクを利用して溝84、84xを形成し、バリアメタル膜84a、金属層84bが埋め込まれた後、表面の余剰なバリアメタル膜84a、金属層84bを除去する際にCMP技術が採用される場合には、設計データだけではなく設計データの偏在が好適に抑制されたダミーパターンが存在することで、平坦化における製造のしやすさが格段に向上する。
【0361】
さらにまた例えば、シリコン窒化膜87a、シリコン酸化膜87bに同様にしてレジスト膜によるマスクを利用して溝88、88xを形成し、バリアメタル膜88a、金属層88bが埋め込まれた後、表面の余剰なバリアメタル膜88a、金属層88bを除去する際にCMP技術が採用される場合には、設計データだけではなく設計データの偏在が好適に抑制されたダミーパターンが存在することで、平坦化における製造のしやすさが格段に向上する。
【0362】
このように、実施の形態にて説明した設計データにダミーパターンが合成されたマスクデータを含むマスクを半導体装置の製造工程に用いることで、設計規則を違反することのないマスクを用いることができ、これにより半導体装置の製造工程においてマスク起因の欠陥を発生することが抑制できるため、歩留り低下の無い半導体装置を得ることが可能となる。さらに、実施の形態にて説明した設計データにダミーパターンが合成されたマスクデータを含むマスクを半導体装置の製造工程に用いることで、設計データの偏在が好適に抑制されるため、半導体装置の製造工程においてより製造が容易となる。
【0363】
以上、本発明のダミーパターン発生装置、ダミーパターン発生方法、ダミーパターン発生プログラム、半導体装置の製造方法を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成に置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0364】
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであっても良い。
【0365】
なお、上記の処理機能は、コンピューターによって実現することができる。その場合、検証装置1、100が有する機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピューターで実行することにより、上記処理機能がコンピューター上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピューターで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等が挙げられる。磁気記憶装置には、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等が挙げられる。光ディスクには、DVD,DVD−RAM、CD−ROM/RW等が挙げられる。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等が挙げられる。
【0366】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD,CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピューターの記憶装置に格納しておき、通信網を介して、サーバコンピューターから他のコンピューターにそのプログラムを転送することもできる。
【0367】
プログラムを実行するコンピューターは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピューターから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピューターは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピューターは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピューターは、通信網を介して接続されたサーバコンピューターからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0368】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
【0369】
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0370】
(付記1)
設計データの余剰な領域に配置されるダミーパターンの発生方法において、
コンピューターが、
図形同士が設計規則を遵守しながら、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う2以上の図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を生成し、
前記設計データの領域の全面にピッチの情報に基づいて間隔を置いて前記基礎図形を配置し、
前記設計データをオフセットの情報に基づいて拡張させたオフセット設計データを形成し、
前記オフセット設計データに接触する、または、重なる前記基礎図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記基礎図形を残存し、
前記設計データと、ダミーパターンとして残存した前記基礎図形を合成してマスクデータを出力する、
ことを特徴とするダミーパターンの発生方法。
【0371】
(付記2)
前記基礎図形を生成する際に、前記基礎図形に隣接する隣接図形を生成し、
前記基礎図形を配置する際に、前記設計データの領域の全面に前記ピッチの情報に基づいて少なくとも一方向において前記基礎図形と連続するように前記隣接図形を配置し、
前記基礎図形を除去する際に、前記設計データを拡張させた領域に接触する、または、重なる前記隣接図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記隣接図形を残存し、前記基礎図形と前記隣接図形が所定の条件を充足した場合に、前記隣接図形をさらに除去する、
ことを特徴とする付記1に記載のダミーパターンの発生方法。
【0372】
(付記3)
前記所定の条件は、前記基礎図形と前記隣接図形が連続する数によって決定されることを特徴とする付記2に記載のダミーパターンの発生方法。
【0373】
(付記4)
前記隣接図形をさらに除去する際に、前記隣接図形が2以上存在する場合において、前記所定の条件を充足するように少なくとも1つを除去することを特徴とする付記2または付記3に記載のダミーパターンの発生方法。
【0374】
(付記5)
前記隣接図形の前記一方向における第1の辺の長さが、前記基礎図形の前記一方向における第2の辺の長さよりも長いことを特徴とする付記2ないし付記4のいずれか1項に記載のダミーパターンの発生方法。
【0375】
(付記6)
前記第1の辺の長さが、前記第2の辺の長さの2倍であることを特徴とする付記2ないし付記5のいずれか1項に記載のダミーパターンの発生方法。
【0376】
(付記7)
設計データの余剰な領域に配置されるダミーパターンの発生方法において、
コンピューターが、
図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が離間し、または、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う2以上の図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を生成し、かつ、前記設計規則を違反する箇所を内包して前記基礎図形に重なる付加図形を生成し、
前記設計データの領域の全面にピッチの情報に基づいて間隔を置いて前記基礎図形を配置し、
前記設計データをオフセットの情報に基づいて拡張させたオフセット設計データを形成し、
前記オフセット設計データに接触する、または、重なる前記基礎図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記基礎図形を残存し、
残存した前記基礎図形のうち前記設計規則を継続して違反する箇所に前記付加図形を追加し、
前記設計データと、ダミーパターンとして残存した前記基礎図形と前記付加図形とを合成してマスクデータを出力する、
ことを特徴とするダミーパターンの発生方法。
【0377】
(付記8)
設計データの余剰な領域に配置されるダミーパターンの発生方法において、
コンピューターが、
図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が離間し、または、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う2以上の図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を生成し、かつ、前記設計規則を違反する箇所を内包して前記基礎図形に重なる付加図形を生成し、
前記設計データの領域の全面にピッチの情報に基づいて間隔を置いて前記基礎図形と前記付加図形を配置し、
前記設計データをオフセットの情報に基づいて拡張させたオフセット設計データを形成し、
前記オフセット設計データに接触する、または、重なる前記基礎図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記基礎図形を残存し、
残存した前記基礎図形のうち前記設計規則を遵守する箇所の前記付加図形を消去し、前記設計規則を継続して違反する箇所に前記付加図形を残留し、
前記設計データと、ダミーパターンとして残存した前記基礎図形と前記付加図形とを合成してマスクデータを出力する、
ことを特徴とするダミーパターンの発生方法。
【0378】
(付記9)
設計データの余剰な領域に配置されるダミーパターンの発生方法において、
コンピューターが、
図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が離間し、または、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う2以上の図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を生成し、
前記設計データの領域の全面にピッチの情報に基づいて間隔を置いて前記基礎図形を配置し、
前記設計データをオフセットの情報に基づいて拡張させたオフセット設計データを形成し、
前記オフセット設計データに接触する、または、重なる前記基礎図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記基礎図形を残存し、
残存した前記基礎図形のうち前記設計規則を継続して違反する箇所の前記基礎図形の一部を消去し、前記設計規則を遵守する箇所の前記基礎図形を残留し、
前記設計データと、ダミーパターンとして残存した前記基礎図形を合成してマスクデータを出力する、
ことを特徴とするダミーパターンの発生方法。
【0379】
(付記10)
前記基礎図形の一部を消去する際に、前記設計データと前記基礎図形との距離が遠い前記基礎図形の一部を優先的に消去することを特徴とする付記9に記載のダミーパターンの発生方法。
【0380】
(付記11)
前記基礎図形の一部を消去する際に、予め定められた前記基礎図形の消去の優先順位となる消去優先順位にしたがって、前記基礎図形の一部を消去することを特徴とする付記9に記載のダミーパターンの発生方法。
【0381】
(付記12)
設計データの余剰な領域に配置されるダミーパターンの発生装置において、
図形同士が設計規則を遵守しながら、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う2以上の図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を生成する生成部と、
前記設計データの領域の全面にピッチの情報に基づいて間隔を置いて前記基礎図形を配置する配置部と、
前記設計データをオフセットの情報に基づいて拡張させたオフセット設計データを形成する形成部と、
前記オフセット設計データに接触する、または、重なる前記基礎図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記基礎図形を残存させる除去部と、
前記設計データと、ダミーパターンとして残存した前記基礎図形を合成してマスクデータを出力する出力部と、
を有することを特徴とするダミーパターンの発生装置。
【0382】
(付記13)
設計データの余剰な領域に配置されるダミーパターンの発生装置において、
図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う2以上の図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を生成し、かつ、前記設計規則を違反する箇所を内包して前記基礎図形に重なる付加図形を生成する生成部と、
前記設計データの領域の全面にピッチの情報に基づいて間隔を置いて前記基礎図形を配置する配置部と、
前記設計データをオフセットの情報に基づいて拡張させたオフセット設計データを形成する形成部と、
前記オフセット設計データに接触する、または、重なる前記基礎図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記基礎図形を残存させる除去部と、
残存した前記基礎図形のうち前記設計規則を継続して違反する箇所に前記付加図形を追加する追加部と、
前記設計データと、ダミーパターンとして残存した前記基礎図形と前記付加図形とを合成してマスクデータを出力する出力部と、
を有することを特徴とするダミーパターンの発生装置。
【0383】
(付記14)
設計データの余剰な領域に配置されるダミーパターンの発生装置において、
図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う2以上の図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を生成し、かつ、前記設計規則を違反する箇所を内包して前記基礎図形に重なる付加図形を生成する生成部と、
前記設計データの領域の全面にピッチの情報に基づいて間隔を置いて前記基礎図形と前記付加図形を配置する配置部と、
前記設計データをオフセットの情報に基づいて拡張させたオフセット設計データを形成する形成部と、
前記オフセット設計データに接触する、または、重なる前記基礎図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記基礎図形を残存させる除去部と、
残存した前記基礎図形のうち前記設計規則を遵守する箇所の前記付加図形を消去し、前記設計規則を継続して違反する箇所に前記付加図形を残留させる消去部と、
前記設計データと、ダミーパターンとして残存した前記基礎図形と前記付加図形とを合成して出力する出力部と、
を有することを特徴とするダミーパターンの発生装置。
【0384】
(付記15)
設計データの余剰な領域に配置されるダミーパターンの発生装置において、
図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が離間し、または、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う2以上の図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を生成する生成部と、
前記設計データの領域の全面にピッチの情報に基づいて間隔を置いて前記基礎図形を配置する配置部と、
前記設計データをオフセットの情報に基づいて拡張させたオフセット設計データを形成する形成部と、
前記オフセット設計データに接触する、または、重なる前記基礎図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記基礎図形を残存させる消去部と、
残存した前記基礎図形のうち前記設計規則を継続して違反する箇所の前記基礎図形の一部を消去し、前記設計規則を遵守する箇所の前記基礎図形を残留させる消去部と、
前記設計データと、ダミーパターンとして残存した前記基礎図形を合成してマスクデータを出力する出力部と、
を有することを特徴とするダミーパターンの発生装置。
【0385】
(付記16)
設計データの余剰な領域に配置されるダミーパターンの発生プログラムにおいて、
コンピューターに、
図形同士が設計規則を遵守しながら、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う2以上の図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を生成し、
前記設計データの領域の全面にピッチの情報に基づいて間隔を置いて前記基礎図形を配置し、
前記設計データをオフセットの情報に基づいて拡張させたオフセット設計データを形成し、
前記オフセット設計データに接触する、または、重なる前記基礎図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記基礎図形を残存し、
前記設計データと、ダミーパターンとして残存した前記基礎図形を合成してマスクデータを出力する、
処理を実行させることを特徴とするダミーパターンの発生プログラム。
【0386】
(付記17)
設計データの余剰な領域に配置されるダミーパターンの発生プログラムにおいて、
コンピューターに、
図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が離間し、または、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う2以上の図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を生成し、かつ、前記設計規則を違反する箇所を内包して前記基礎図形に重なる付加図形を生成し、
前記設計データの領域の全面にピッチの情報に基づいて間隔を置いて前記基礎図形を配置し、
前記設計データをオフセットの情報に基づいて拡張させたオフセット設計データを形成し、
前記オフセット設計データに接触する、または、重なる前記基礎図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記基礎図形を残存し、
残存した前記基礎図形のうち前記設計規則を継続して違反する箇所に前記付加図形を追加し、
前記設計データと、ダミーパターンとして残存した前記基礎図形と前記付加図形とを合成してマスクデータを出力する、
処理を実行させることを特徴とするダミーパターンの発生プログラム。
【0387】
(付記18)
設計データの余剰な領域に配置されるダミーパターンの発生プログラムにおいて、
コンピューターに、
図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が離間し、または、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う2以上の図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を生成し、かつ、前記設計規則を違反する箇所を内包して前記基礎図形に重なる付加図形を生成し、
前記設計データの領域の全面にピッチの情報に基づいて間隔を置いて前記基礎図形と前記付加図形を配置し、
前記設計データをオフセットの情報に基づいて拡張させたオフセット設計データを形成し、
前記オフセット設計データに接触する、または、重なる前記基礎図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記基礎図形を残存し、
残存した前記基礎図形のうち前記設計規則を遵守する箇所の前記付加図形を消去し、前記設計規則を継続して違反する箇所に前記付加図形を残留し、
前記設計データと、ダミーパターンとして残存した前記基礎図形と前記付加図形とを合成してマスクデータを出力する、
処理を実行させることを特徴とするダミーパターンの発生プログラム。
【0388】
(付記19)
設計データの余剰な領域に配置されるダミーパターンの発生プログラムにおいて、
コンピューターに、
図形同士が設計規則を違反しながら、点と点が離間し、または、点と点が接触し、または、点と辺が接触し、または、辺と辺が接触し、或いは、辺と辺が交差して重なり合う2以上の図形の組み合わせを基礎とする基礎図形を生成し、
前記設計データの領域の全面にピッチの情報に基づいて間隔を置いて前記基礎図形を配置し、
前記設計データをオフセットの情報に基づいて拡張させたオフセット設計データを形成し、
前記オフセット設計データに接触する、または、重なる前記基礎図形を除去して前記設計データの余剰な領域に前記基礎図形を残存し、
残存した前記基礎図形のうち前記設計規則を継続して違反する箇所の前記基礎図形の一部を消去し、前記設計規則を遵守する箇所の前記基礎図形を残留し、
前記設計データと、ダミーパターンとして残存した前記基礎図形を合成してマスクデータを出力する、
処理を実行させることを特徴とするダミーパターンの発生プログラム。
【0389】
(付記20)
付記1ないし付記11に記載のダミーパターンの発生方法により出力されたマスクデータを含むマスクを利用して、
半導体ウェーハ上に前記マスクの第1のパターンを第1の膜に第2のパターンとして転写し、
前記第1の膜に転写された第2のパターンにより前記半導体ウェーハ上に第3のパターンを転写して加工を行う、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0390】
(付記21)
前記第1の膜はレジストであり、
前記第3のパターンは、半導体基板、絶縁膜、または、導電膜のいずれかに転写される、
ことを特徴とする付記20に記載の半導体装置の製造方法。