特許第6713247号(P6713247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トーヨーカネツ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6713247-物品の保管仕分け装置 図000002
  • 特許6713247-物品の保管仕分け装置 図000003
  • 特許6713247-物品の保管仕分け装置 図000004
  • 特許6713247-物品の保管仕分け装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6713247
(24)【登録日】2020年6月5日
(45)【発行日】2020年6月24日
(54)【発明の名称】物品の保管仕分け装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20200615BHJP
【FI】
   B65G1/137 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-99047(P2014-99047)
(22)【出願日】2014年5月12日
(65)【公開番号】特開2015-214411(P2015-214411A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2017年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 一人
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/042397(WO,A1)
【文献】 特開2013−079141(JP,A)
【文献】 特開2003−276808(JP,A)
【文献】 特開2008−094514(JP,A)
【文献】 特開2007−246226(JP,A)
【文献】 特開2011−006235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保管種別ごとに収容する収容容器と、
収容容器を運搬する運搬部と、
運搬部から運搬された収容容器を保管する保管部と
容容器に収容される物品の製造者によって該物品に対して同一物品には同一の情報として付されている物品識別子情報と前記保管部の保管ロケーション情報とを対応付けさせて、保管の処理を行い、出荷情報が来てから該出荷情報の中の商品識別子情報に紐づけられた保管ロケーション情報が特定され、該特定された保管ロケーション情報に係る保管ロケーションに存在する物品が前記収容容器と共に出荷される手段と
を具備することを特徴とする物品保管仕分け装置。
【請求項2】
前記物品識別子情報とは、物品容器包装に予め付されたJANコード若しくはITFコード若しくはISBNコード若しくはRFIDを含むIDコードの識別子の商品個別識別情報であることに特徴を有する請求項1に記載の物品保管仕分け装置。
【請求項3】
前記物品識別子情報とは、物品の製造年月日及び/若しくはロット及び/若しくは使用期限及び/若しくは商品予測情報を含む商品個別情報を含むことに特徴を有する請求項1若しくは2に記載の物品保管仕分け装置。
【請求項4】
前記保管部からの物品出荷の際は、前記保管ロケーション情報と出荷情報とを対応付けさせて、物品を特定し運搬出荷することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の物品保管仕分け装置。
【請求項5】
前記物品識別子情報は書換え可能情報表示媒体及び/若しくは情報担持媒体に搭載されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の物品保管仕分け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の保管仕分け装置に関し、特に、物流センター(中間物流拠点)などで物品を配送先ごとに仕分ける物品の保管仕分け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでは、このような物流センターにおいては、配送すべき多数の物品を、物品ごとに小分けして一時的に保管した後に、配送先ごとに取り出して配送するような方法が広く用いられている。
【0003】
その際に、一時保管を容易にするために、定形の収容容器(ケースまたは搬送容器などとも言う)に物品を収容することも一般的に行われている。例えば、収容容器に付された収容容器識別子(搬送容器識別子)と、物品に付された物品識別子(アイテム識別子)とを関連付けて記憶して一時保管しておき、配送先ごとに仕分ける作業においては、収容容器識別子を用いて作業を進めるようなシステムを構成する場合もある。
【0004】
これによって、様々な形状の物品を、定形の収容容器に入れることで、装置の構成が簡素化され、また、収容容器に付された識別子によって処理を進められるので、処理方法が容易になるなどの利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構成では、すべての収容容器に識別子を付しておかなくてはならず、煩雑であり、費用も要するという課題があった。
【0006】
そこで、上記課題を解決するため、本発明は、収容容器に付す識別子を用いないようにすることができる物品保管仕分け装置を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため、本発明では、物品保管仕分け装置であって、物品を保管種別ごとに収容する収容容器と、収容容器を運搬する運搬部と、運搬部から運搬された収容容器を保管する保管部とを有し、収容容器に収容される物品に付された識別子情報と前記保管部の保管ロケーション情報(保管住所情報)とを対応付けさせる。これにより運搬及び保管の出荷の処理を行わせる際に、収容容器に付す識別子情報を省略することができる。
【0008】
前記物品に付された識別子は、物品を特定する識別子情報を含んでいればよい。つまり商品であれば、商品を特定するJANコードであってもよい。また、前記物品に付された識別子は、ITFコード若しくはISBNコード若しくはRFID等物品を特定できるIDコードとして機能する識別子の商品個別識別情報であってもよい。これらのコードは、商品製造者によって予め物品(商品)に付されているため、改めて識別子情報を有するラベル等の貼付は不要である。
【0009】
物流センター(中間物流拠点)への物品の入庫そして保管部への収容の際は、物品に出荷情報を対応させる必要はない。出荷情報とは、物品の注文情報である顧客名・住所・出荷時期・支払い方法・伝票等の情報であり、一般的に中間物流拠点では物品入庫の際、収容容器(通い箱)等の搬送容器に識別子情報として付されることが多いが、ラベル印刷・貼付などの時間及びコストがかかる。本発明に係る物品保管仕分け装置においてはこれらが不要である。
【0010】
本発明に係る物品保管仕分け装置を制御するコンピュータは、全ての物品に単品ごとに保管すべき保管ロケーション情報のみを対応付ける。ここで、情報の「対応付け」について定義する。一方の識別情報と他方の識別情報とを対応付けさせるとは、一方の識別情報に他方の識別情報を一対一で関連対応付けすることである。このことにより、両方のうちのどちらか一方の識別情報が特定された場合、必然的にもう一方の識別情報が特定される関係となる。以降、この対応付けをわかり易く「紐付け」と称する。
【0011】
本発明に係る物品保管仕分け装置は、保管ロケーション情報を紐付けした全ての物品を、保管部に運搬して保管ロケーション情報通りの場所に保管する。物品の識別子情報は、保管ロケーション情報と一対一で紐付けされている。例えば同一商品に用いられる同一のJANコードが物品の識別子情報であっても、保管ロケーション情報(保管住所)には同一情報(同一住所)は存在しないため、一つの物品(ユニット)に対して一つの保管ロケーション情報が特定され、物品を特定するための情報が混同及び混乱を生ずることはない。
【0012】
よって、その保管ロケーションに存在する物品が収容容器と共に搬送され出荷されるため、収容容器には識別子を付す必要がない。
【0013】
本発明に係る物品保管仕分け装置の前記物品に付された識別子情報とは、物品の製造年月日及び/若しくはロット及び/若しくは使用期限及び/若しくは商品予測情報などの商品個別情報を含む識別子であってもよい。これらの商品個別情報も上記のJANコード等と同じく、製造者によって予め物品(商品)に付されていることが多く、一般的には商品識別情報になる。これらの商品個別情報は、同一カテゴリー物品の先入れ先出しや保管期限確認やトラブル時の返品処理などの対応に役立つばかりか保管場所・保管期間の注意事項や出荷のための注意情報としても有用である。例えば商品予測情報の中には、売れ筋情報や早期販売情報・仕向け先限定情報・期間限定情報・付加価値情報など諸々の商品付随情報があり、これらの情報に基づいて商品は入庫・保管・出庫において種々の対応が成される。これらの情報を保持する商品に対して、本発明に係る物品保管仕分け装置は、情報を読み取ることによって、入庫前の出荷(オーダー)情報がたとえ紐付けされていなくても、入庫・保管・出庫において商品付随情報に基づいて個別の対応をとることができる。例えば売れ筋情報に基づいて、受注確定(出荷)情報の入手前に商品先取り先出庫(予測ピック及び格納)などの対応をとることができる。
【0014】
出荷の際は、出荷情報に基づき本発明に係る物品保管仕分け装置が、物品の識別子情報を特定することによって紐付けされた保管ロケーション情報が特定され、その保管ロケーションにある物品を搬送して出荷する。もちろん出荷の際、出荷情報の中にある依頼者名(顧客名)・住所等の情報を物品に改めて付することは差支えない。情報を表示する書換え可能媒体又は情報担持媒体の活用については後述する。
【0015】
本発明に係る物品保管仕分け装置は、前記保管部からの物品出荷の際は、前記保管ロケーション情報と出荷情報とを対応させて、物品を特定し運搬出荷することを特徴とする。
【0016】
出荷情報の中の商品特定情報は、紐付け対応する保管ロケーション情報によって保管ロケーションが特定され、その保管ロケーション(保管住所)に存在する物品が収容容器と共に搬送され出荷される。即ち、出荷情報と「商品特定情報及び保管ロケーション情報」とがシステム側で紐付けされることで出荷対象物(商品)が特定できるので、収容容器には容器を一意に識別する識別子を付す必要がない。
【0017】
出荷する物品は、出荷情報によってJANコード等が当然特定される。よって出荷情報のJANコードから選択される出荷物品の保管ロケーション情報と実際の個別物品とは一対一で特定される。よって、本発明に係る物品保管仕分け装置は、その出荷情報物品を保管ロケーションより搬出出荷する。必要であれば出荷情報のなかの必要情報は保管部から搬出された後、出荷時に物品に付されればよいことになる。
【0018】
本発明に係る物品保管仕分け装置は、物品に付する識別子情報として書換え可能な情報表示媒体又は情報担持媒体を備え、保管の際は物品識別子情報として機能させ、出荷の際は出荷情報を付加して機能させる。
【0019】
上記の情報表示媒体又は情報担持媒体とは、例えばリライタブルラベルや電子ペーパーと呼ばれる何度も書き込み可能なバーコードラベルのような媒体であってよい。ここで「情報表示媒体」とは、必ずしも可視表示であるとは限定せず、例えば透明なUVインク表示であっても読取り装置で認識できればよい。同様に例えばRFIDのような電子情報担持媒体であってもよいことは言うまでもない。例えばリライタブルラベルの場合、ラベル用紙の表面にロイコ染料、顕色剤のような化学変化を生じさせる素材を塗布し、これに熱やレーザー光などの転写・消去用のヘッドを作用させて同じペーパー上に繰り返し別の識別子情報を転写することができる。電子ペーパーの場合、例えば紙のような薄いディスプレイに白色と黒色の粒子の入ったマイクロカプセルを収め、このマイクロカプセルに液晶パネルのように電圧をかけて自在に白と黒の表示を行なうものである。
【0020】
本発明に係る物品保管仕分け装置は、情報表示媒体又は情報担持媒体であるラベル又は媒体に物品識別子情報を転写・担持し、その情報に保管ロケーション情報を紐付けし、保管する。物品出荷の際は、情報表示媒体又は情報担持媒体である例えばラベルに改めて出荷情報や物品識別子情報を転写・担持することができるため、物品の搬送及び出荷において混乱は生じない。
【0021】
以上によれば、収容容器を用いない場合であっても、物品を運搬部に載置することもできる。収容容器を用いる場合であっても、すべての収容容器に識別子を付すことを要せずに、保管後の仕分け作業が円滑に実行できる。
【0022】
通常の場合、物流拠点に入荷された商品は、A1、B1、B2、C1、D1、D2、D3、E1、E2・・・のように多種の物品が単数又は複数ランダムに混在している。これらは、入庫の際、A1/B1/B2/C1/D1/D2/D3/E1/E2・・・のように収容容器(搬送容器)別に単品又は同一品ごとにシングル化・個片化(種まき)されることが多く、その場合、倉庫内の後工程管理のために収容容器(搬送容器)に商品識別子を付す。また同時に商品の出荷情報(オーダー情報)も紐付けされることが多い。これを紐付けシングル化と称する。この作業には識別子印刷、ラベル貼付等の煩雑な作業が伴う。
【0023】
本発明に係る物品保管仕分け装置は、商品を予めオーダー(客先注文)に紐付けしないで保管部(中間貯蔵倉庫)に入庫してしまう。収容容器(搬送容器)には、商品識別子を付されないでシングル化される。保管部入庫時に紐付けされているのは例えば商品コードJAN情報のような商品識別子情報のみであり、出荷情報(オーダー)は付されていないため紐付けシングル化にもあたらない。
【0024】
商品JANコード及び保管部内の保管ロケーション情報のみが、本発明に係る物品保管仕分け装置内のコンピュータ制御テーブルで紐付けされている。出荷時、出荷情報(オーダー)が来てから、当該オーダー商品とを、保管ロケーション情報を参照して紐付け(ユニーク化)し出荷する。出荷時以降であれば出荷情報の識別子を商品に貼付しても問題はない。保管入庫している状態ではユニーク化されていない。
【0025】
本発明によれば、物品(商品)のシングル化及び中間貯蔵庫保管に際して、収容容器(搬送容器)に識別子を付す必要がなく、またそのための識別子印刷・ラベル貼付等の煩わしい作業を省略することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、安全性と作業性を格段に向上させつつ、経済効率も格段に向上させることの可能な物流拠点入庫・保管・出荷システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置を含む中間物流拠点の全体イメージを示した概念図である。
図2】本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置で管理される物品と識別子情報とを示した概念図である。
図3】本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置で管理される物品と収容容器とを示した概念図である。
図4】本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置の保管部の保管ロケーション情報を示したマトリックス概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0029】
近年のカタログ販売・インターネット販売等の物品配送システムにおいては、受注から24時間以内に物品配送するなどの宅配時間の短縮や、商品の在庫切れ防止のための最低限度の保管及び使用効率を最大限発揮したスペース倉庫の必要性などの要求が相まって、図1に示すような立体多段型の自動保管倉庫が中間物流拠点(物流配送センター)として活用されている。このように受注情報に不足を来たさず即出荷できる最小限の保管とスピード出荷をめざし様々なシステムが開発されている。
【0030】
例えば本発明の一実施例に係る物品保管仕分け装置は、このようなシステムの一環として活用することができる。中間物流拠点に入荷される物品には、最小限の取扱い時間及びコストで出荷まで対応する必要があるため、物流拠点内の物流用トレー箱等に特別な識別子を付す時間コストを要することなく、予め商品に付されたJANコード情報等を入荷から出荷まで活用することができる。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置を含む中間物流拠点の全体イメージを示した概念図である。図2は、本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置で管理される物品と識別子情報とを示した概念図である。図3は、本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置で管理される物品と収容容器とを示した概念図である。図4は、本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置の保管部の保管ロケーション情報を示したマトリックス概念図である。
【0032】
図1に示すように、インダクションに入庫した物品は、シングル化されて中間貯蔵倉庫である保管部3に保管される。そして出荷情報が来ると保管部から搬出され、場合によってはオーダー集約されて出荷される。
【0033】
ここで、物品A1、B1、B2、C1、D1、D2、D3が入庫された場合、これらの物品には物品識別子情報6を有する例えばJANコードが付されている。このうち、同一種類商品(例えばB1とB2、D1〜D3)については、同一のJANコード(商品識別子情報)を有している。これらの物品は、個別に一つずつ保管できるように例えばJANコードのような商品識別子情報6を識別情報読取装置1で読み取られながら保管部3へ向かう搬送ルートに乗せられる。
【0034】
この際、本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置は、物品A1、B1、B2、C1、D1、D2、D3に、保管ロケーション情報を一対一で紐付けする。保管ロケーション情報とは、保管庫の中の保管される場所・位置(住所)に係る情報であり、例えば図4に中間貯蔵倉庫の例えば側面として例示されるように、a、b、c、d、e・・・軸とイ、ロ、ハ、ニ、ホ・・・軸とのマトリックスで特定されるとすると、保管ロケーションはイaとかハdのように特定される。
【0035】
例えば、図4のように、A1、B1、B2、C1、D1、D2、D3が保管されるとすると、
A1の保管ロケーションはイb、B1の保管ロケーションはロc、D2の保管ロケーションはハdとなる。この保管ロケーション情報は、ここに例示した二次元に限らず奥行き位置も加えた三次元、あるいは一つのロケーション内を区切ったら4、5・・・次元情報としてもよい。
【0036】
本発明の一実施例に係る物品保管仕分け装置の管理コンピュータは、上記の商品識別子情報6と保管ロケーション情報とを紐付け決定する。つまり、A1の商品識別子情報は、イbである保管ロケーション情報に紐付けされる。同様に、B1の商品識別子情報は、ロcである保管ロケーション情報に紐付けされる。D2の商品識別子情報は、ハdである保管ロケーション情報に紐付けされる。
【0037】
これらには、収容容器などに付される識別情報は関与しない。出荷情報も関与しない。
【0038】
物品(商品)は倉庫の物流管理システムに則り、保管ロケーションに搬送され保管されるだけである。
【0039】
出荷の際、本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置の管理コンピュータは、出荷情報に基づき物品とその保管ロケーションとを特定する。例えば出荷情報に基づく物品がBであれば、図におけるB1−ロcとB2−ハaのどちらかに、所定のアルゴリズムに従って出荷する物品Bを指定して、紐付けする。
【0040】
例えばB1−ロcが出荷情報物品Bに紐付けされた場合は、ロc保管ロケーションの物品B1が倉庫物流管理システムに則り搬出される。その後出荷の際、物品B1に出荷情報が識別子として付されてもよい。
【0041】
倉庫物流管理システムは通常の物品倉庫の自動搬入搬出システムであり、本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置とは別の倉庫システムとして稼働する。
【0042】
本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置は、物品に付する識別子情報が情報表示媒体に担持されるものであって、前記保管の際はこれを物品識別子情報として機能させ、出荷の際は出荷情報を付加して機能させることができる。
【0043】
図2に示すように、物品には識別子情報6が付されているが、仮にこの識別子情報が付されていない場合若しくは付されていても有効に利用できない場合、本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置においては、識別子情報が搭載される情報表示媒体又は情報担持媒体である、例えばリライタブルラベルや電子ペーパーやRFID等、を貼付することができる。
【0044】
電子ペーパーを仮に図2における識別子情報6が搭載される媒体と仮定した場合、上記までの本発明の一実施形態に係る物品保管仕分け装置による物品入庫・保管・出荷のシステムはそのまま活用されることができる。入庫保管時は商品識別子情報と同様の情報を電子ペーパーに転写し、或いは搭載させる。保管時若しくは保管終了直前・出庫時には商品識別子情報と保管ロケーション情報とが紐付けされる。
【0045】
物品出荷の際は、電子ペーパーに新たな出荷情報を転写することができる。これらの電子ペーパーへの情報転写及び読取装置は図1における識別子情報書込装置又は読取装置1と同様の機能を有するものであってよい。
【0046】
これらには、収容容器などに付される識別情報は関与しない。出荷情報も関与しない。出荷情報の中の商品特定情報は、紐付け対応する保管ロケーション情報によって保管ロケーションが特定され、その保管ロケーション(保管住所)に存在する物品が収容容器と共に搬送され出荷されるため、収容容器には識別子を付す必要がない。
【0047】
本発明によれば、物品(商品)のシングル化及び中間貯蔵庫保管に際して、収容容器(搬送容器)に識別子を付す必要がなく、またそのための識別子印刷・ラベル貼付等の煩わしい作業を省略することができる。
【0048】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。たとえば、物品収納・保管に係る態様であれば、製造業における工場の部品供給などの態様とすることもできる。
これらはすべて、本技術思想の一部である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
上述したように、本願に係る発明によれば、安全性及び作業性を格段に向上させつつ、経済効率も格段に向上させることの可能な物品保管仕分け装置を提供することができる。
【0050】
本発明は、その装置の利用を物流配送拠点に限定することなく、あらゆる素材、用途に対しても、利用・適用可能である。よって、本願は、物流・流通業の他、物品収納保管を伴う各種産業に対して大きな有益性をもたらすものである。
【符号の説明】
【0051】
1 識別子情報書込装置又は読取装置
2 物品(書品)
3 中間貯蔵倉庫(保管部)
4 収容容器(搬送容器、トレー、ケース)
5 搬送コンベア
6 物品識別子情報(電子ペーパーやリライタブルラベル、RFIDの場合を含む)
図1
図2
図3
図4