特許第6713312号(P6713312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6713312
(24)【登録日】2020年6月5日
(45)【発行日】2020年6月24日
(54)【発明の名称】作業用ゴンドラ装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 3/30 20060101AFI20200615BHJP
   E04G 5/00 20060101ALI20200615BHJP
【FI】
   E04G3/30 301C
   E04G5/00 301Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-64533(P2016-64533)
(22)【出願日】2016年3月28日
(65)【公開番号】特開2017-179747(P2017-179747A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2019年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229689
【氏名又は名称】日本ビソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】松崎 悦稔
(72)【発明者】
【氏名】田中 信次
【審査官】 兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−228358(JP,A)
【文献】 実開昭62−082645(JP,U)
【文献】 実開昭62−011950(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 3/28−3/34,5/00
E04G 21/32
A47L 11/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物から吊り下げられ前記構造物の側面に沿って移動される作業ケージと、
前記作業ケージに設けられ作業に伴う周囲への落下物や飛散物を防止するシートやネットが取り付けられた養生装置と、を備えた作業用ゴンドラ装置であって、
前記養生装置は、
前記作業ケージの前面側と背面側との前後にそれぞれ、左右方向に延びる手摺が設けられ、これら2本の手摺上に沿ってそれぞれ設けられる第1の移動レールと、
前記第1の移動レールに沿って前記左右方向に移動可能な移動フレームと、
前記移動フレーム上に設けられ前記第1の移動レールと直交して前後方向に設けられる2本の第2の移動レールと、
前記第2の移動レール上を前記前後方向に移動し前記側面への作業範囲の両側面及び背面を囲む箱状の養生フレームと、
前記養生フレームの前面側上部に揺動可能に支持され前記作業ケージの揺れとは独立して前記側面と前記養生フレームの下面との間を塞ぐ揺動フレームと、
前記第2の移動レールに設けられ前記作業ケージを吊り下げるワイヤを通過させるワイヤ通過機構と、を備え
前記ワイヤ通過機構は、
前記第2の移動レールの前記ワイヤの通過部分に形成される切り欠き部と、
前記切り欠き部を埋めて連結状態とする連結レールと、
前記連結レールが取り付けられ前記第2の移動レールに回動可能に支持され前記連結レールを連結位置と退避位置に回動する回動アームと、を備える、
ことを特徴とする作業用ゴンドラ装置。
【請求項2】
前記揺動フレームは、前面側下部に一端が揺動可能とされ他端が前記養生フレーム上に位置する底部フレームを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の作業用ゴンドラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業用ゴンドラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビル、船舶、発電所、タンク、煙突、そして橋梁などの構造物の構築や補修など側面などへの高所作業を安全かつ能率的に行うためワイヤなどの索条で吊り下げた作業者が搭乗する作業ケージを備えたゴンドラ装置や自動窓拭き装置などの機器を搭載する作業ケージなどを吊り下げたゴンドラ装置が用いられている。
作業ケージを備えるゴンドラ装置では、作業に伴う壁面の削りくずなどの固形物や塗料や洗浄液などの液体の落下物や飛散物を防止するためシートやネットなどによる養生装置が用いられている。
【0003】
ゴンドラ装置の養生装置は、例えば特許文献1に開示されたものがあり、作業ケージの前面側を開口させ、両側に側部養生枠部材を鉛直軸周りに開閉可能とし、側部養生枠部材の間に水平軸周りに揺動する底部養生枠部材を取り付け、ネットやシート等を取り付けて覆うようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−228358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に開示された養生装置では、側部養生枠部材は、鉛直軸周りに開閉され、その間で底部養生枠部材が水平軸周りに揺動するように作業ケージに設置されるため、底部養生枠部材の上面と側部養生枠部材の底辺との間に隙間ができ易いという問題がある。
また、作業位置を変更する場合には、底部養生枠部材を揺動させて収納した後、左右の側部養生枠部材を閉じるように収納し、移動先では逆の手順で設置する必要があり、収納や設置が煩雑であるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたもので、隙間を生じることなく確実に養生することができ、養生装置の収納や設置を簡単に行うことができる作業用ゴンドラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明にかかる作業用ゴンドラ装置は、
構造物から吊り下げられ前記構造物の側面に沿って移動される作業ケージと、
前記作業ケージに設けられ作業に伴う周囲への落下物や飛散物を防止するシートやネットが取り付けられた養生装置と、を備えた作業用ゴンドラ装置であって、
前記養生装置は、
前記作業ケージの前面側と背面側との前後にそれぞれ、左右方向に延びる手摺が設けられ、これら2本の手摺上に沿ってそれぞれ設けられる第1の移動レールと、
前記第1の移動レールに沿って前記左右方向に移動可能な移動フレームと、
前記移動フレーム上に設けられ前記第1の移動レールと直交して前後方向に設けられる2本の第2の移動レールと、
前記第2の移動レール上を前記前後方向に移動し前記側面への作業範囲の両側面及び背面を囲む箱状の養生フレームと、
前記養生フレームの前面側上部に揺動可能に支持され前記作業ケージの揺れとは独立して前記側面と前記養生フレームの下面との間を塞ぐ揺動フレームと、
前記第2の移動レールに設けられ前記作業ケージを吊り下げるワイヤを通過させるワイヤ通過機構と、を備え
前記ワイヤ通過機構は、
前記第2の移動レールの前記ワイヤの通過部分に形成される切り欠き部と、
前記切り欠き部を埋めて連結状態とする連結レールと、
前記連結レールが取り付けられ前記第2の移動レールに回動可能に支持され前記連結レールを連結位置と退避位置に回動する回動アームと、を備える、
ことを特徴とする。
【0009】
前記揺動フレームは、前面側下部に一端が揺動可能とされ他端が前記養生フレーム上に位置する底部フレームを備える、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、隙間を生じることなく確実に養生することができ、養生装置の収納や設置を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の作業用ゴンドラ装置の一実施の形態にかかる概略正面図である。
図2】本発明の作業用ゴンドラ装置の一実施の形態にかかる概略平面図である。
図3】本発明の作業用ゴンドラ装置の一実施の形態にかかる概略左側面図である。
図4】本発明の作業用ゴンドラ装置の一実施の形態にかかる手摺と左右移動レールとの取り付け状態の部分拡大図である。
図5】本発明の作業用ゴンドラ装置の一実施の形態にかかる前後移動レールと養生フレームとの取り付け状態の部分拡大図である。
図6】本発明の作業用ゴンドラ装置の一実施の形態にかかる揺動フレームの動作説明図である。
図7】本発明の作業用ゴンドラ装置の一実施の形態にかかるワイヤ通過機構の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の作業用ゴンドラ装置の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
作業用ゴンドラ装置10は、例えば、構造物1の屋上などに固定され側面2に沿って吊り下げた2本のワイヤ3をゴンドラとしての作業ケージ4に設けたワインダ5のシーブに巻き掛け、ワイヤ3とシーブとの摩擦力で巻き掛け位置を移動しながら昇降される作業ケージ4と、作業ケージ4での作業に伴う落下物や飛散物を防止する図示しないシートやネットが取り付けられた養生装置20とを備えて構成されている。
【0013】
養生装置20は、作業ケージ4の側面2に沿う方向(前後方向)の2本の手摺6a上に設けられる左右移動レール(第1の移動レール)21と、左右移動レール(第1の移動レール)21に沿って移動可能な左右移動フレーム(移動フレーム)22と、左右移動フレーム22上に設けられ左右移動レール(第1の移動レール)21と直交する2本の前後移動レール(第2の移動レール)23と、前後移動レール(第2の移動レール)23上を移動し側面2への作業範囲の両側面及び背面を囲む箱状の養生フレーム24と、養生フレーム24の前面側上部に揺動可能に支持され作業ケージ4の揺れとは独立して側面2と養生フレーム24の下面との間を塞ぐ揺動フレーム25と、前後移動レール(第2の移動レール)23に設けられ作業ケージ4を吊り下げるワイヤ3を通過させるワイヤ通過機構26と、を備えて構成されている。
すなわち、養生装置20では、図示しないシートやネットが取り付けられた箱状の養生フレーム24が作業ケージ4の手摺6a上で構造物1の側面2に沿って左右方向に移動でき(図1では、右側への移動は、図示せず)、前後方向(側面2に対する接近離反方向)にも移動できる(図3参照)ように構成してあり、作業ケージ4の揺れにより生じる養生フレーム24の側面及び下面の隙間を図示しないシートやネット、あるいは床板が設けられた揺動フレーム25(図6参照)によって隙間なく養生できるように構成してある。
【0014】
作業用ゴンドラ装置10を構成する作業ケージ4は、構造物1の側面2に沿った横に長い作業床4aを備え、下面4隅には、キャスター4bが取り付けられて地上や屋上などを移動できるようになっている。作業床4aの周囲には、構造物1の側面2に沿う前後の手摺枠6と左右の手摺枠7とを備え、作業者が安全に作業できるように周囲が囲まれている。また、これら手摺枠6,7には、養生用の図示しないシートやネットが取り付けられている。
作業ケージ4には、例えば2台のワインダ5が搭載され、構造物1の屋上などに固定され側面2に沿って吊り下げた2本のワイヤ3をワインダ5のシーブに巻き掛け、ワイヤ3とワインダ5のシーブとの摩擦力で巻き掛け位置を移動しながら昇降できるようになっている。
なお、作業用ゴンドラ装置10は、作業ケージ4内にワインダ5を設けることなく、構造物1の屋上などの台車上や固定された巻取機から吊り下ろしたワイヤ3を作業ケージ4に接続してワイヤ3の巻き取りと繰り出しによって作業ケージ4を昇降するようにしたものであっても良い。
【0015】
このような作業ケージ4から行う作業に伴う落下物や飛散物を防止する養生装置20は、第1の移動レールとなる左右移動レール21を備えている。左右移動レール21は、構造物1の側面2に沿う方向の前後の手摺枠6の2本の手摺6a上に取り付けられている。左右移動レール21は手摺枠6の前後側の高さが異なることから、例えば、図3に示すように、前後の左右移動レール21の高さの異なる位置に水平に取り付けてある。
左右移動レール21は、例えば、図4及び図5に示すように、アルミニウムなどの金属製の押出型材30が用いられる。この押出型材30は、横断面形状の外形が正方形状で正方形の中心部30aから対角方向に連結片30bを介して正方形の4隅に位置する直角三角形状の角部30cが設けられており、各辺の中央部に略台形状の溝部30dが形成されて構成されている。
【0016】
左右移動レール21は、例えば、図4に示すように、手摺枠6の最上部の手摺6a上に沿って載置され、中空角材の手摺6aの底面および左右の側面を囲む固定用金具21aで押出型材30の溝部30d内の駒と側面を貫通したボルトとで締め付けて固定される。左右移動レール21は、構造物1側の前面側が低く、後面側が高くなっている。
【0017】
2本の左右移動レール21には、左右移動レール21に沿って移動できる矩形の左右移動フレーム22が設けられ、5本の支柱22aを備えて構成されている。左右移動フレーム22は、左右移動レール21と同様に、金属製の押出型材30で構成されており、図1に示すように、前面側の2本の支柱22aの間隔が狭く、後面側の3本の支柱22aの間隔が広くなっている。
左右移動フレーム22は、作業ケージ4の1か所で作業する場合に必要な左右幅で、前後の奥行きは、作業ケージ4の前後幅に合わせた大きさとしてある。
左右移動フレーム22は、左右移動レール21を構成する押出型材30の略台形状の溝部30d内を滑動するスライダ(図示せず)を4箇所に備えて移動可能とされている。
【0018】
左右移動フレーム22には、左右両端部に前後方向に延びる第2の移動レールとして前後移動レール23が取り付けられている。前後移動レール23は、左右移動レール21と同様に、金属製の押出型材30で構成されており、図3などに示すように、作業ケージ4からの作業に必要な前方養生位置Aまでと、作業ケージ4の昇降などに邪魔とならない後方の退避位置Bまでの間に対応する長さとしてある。
【0019】
前後移動レール23上には、作業ケージ4の1か所で作業する場合に必要な左右幅、前後の奥行きおよび高さに合わせた箱状の養生フレーム24が前後方向に移動可能に設けられる。養生フレーム24は、左右移動レール21などと同様に、金属製の押出型材30で構成されており、作業を行う前面側が開口している。箱状の養生フレーム24は、前面側の開口以外のフレームには、図示しないシートまたはネットが張られており、作業に伴う落下物や飛散物を養生フレーム24内に留めることができるようにしてある。養生フレーム24は、前後移動レール23を構成する押出型材30の略台形状の溝部30d内を滑動するスライダ(図示せず)を備えて移動可能とされている。
このような左右移動レール21と、左右移動フレーム22と、前後移動レール23と、養生フレーム24とで、養生フレーム24は、図1に示すように、作業ケージ4の左右(右側への移動は図示せず)に移動できるとともに、図3に示すように、前後にも移動することができ、作業ケージ4の1か所で、養生フレーム24で囲まれて養生された状態で作業を行うことができ、落下物や飛散物を養生フレーム24内に受け止めることができる。
【0020】
養生フレーム24は、図6に示すように、揺動フレーム25が設けられ、作業ケージ4から乗り出すようにして作業する場合に作業ケージ4が揺れても自動的に養生を行うことができるようにしてある。
揺動フレーム25は、養生フレーム24の高さに合わせた2等辺3角形状とされ、頂部が養生フレーム24に回動可能に取り付けられた2つのサイドフレーム25aと、2つの2等辺3角形のサイドフレーム25aの底辺を構成するとともに、2つのサイドフレーム25aの下端部同士を連結する底部フレーム25bとを備えて構成されている。そして、サイドフレーム25aには、図示しないシートあるいはネットが取り付けられ、底部フレーム25aには、板材やシートあるいはネットが作業に応じて選択されて取り付けられている。
この揺動フレーム25を備えた作業用ゴンドラ装置10では、作業ケージ4から乗り出すようにして作業することで、作業ケージ4が揺れても揺動フレーム25が養生フレーム24の上端を中心に揺動し、揺れ幅に応じて底部フレーム25bが自動的に繰り出され、作業ケージ4と構造物1との間の床部分を養生することができ、養生フレーム24の側面との隙間もサイドフレーム25aで養生することができる。
【0021】
この作業用ゴンドラ装置10では、養生フレーム24を左右に移動する場合に、作業ケージ4を吊り下げているワイヤ3が作業ケージ4の左右端部より内側に接続されているため、作業ケージ4の両端位置Cに養生フレーム24を移動しようとすると、前後移動レール23とワイヤ3とが干渉することになる。
そこで、前後移動レール23にワイヤ通過機構26が設けてある。
ワイヤ通過機構26は、図2及び図7に示すように、前後移動レール23のワイヤ3と干渉する部分に設けられてワイヤ3を通過させる切り欠き部23aと、前後移動レール23の切り欠き部23aを埋めて連結状態にできる連結レール26aと、連結レール26aが取り付けられて連結位置Dと開放位置Eに回動する回動アーム26bとを備えて構成されている。
回動アーム26bは、間隔をあけて2本で構成されて前後移動レール23の両側に配置され、前面側の端部が回動可能に前後移動レール23に取り付けられる。連結レール26aが2本の回動アーム26bの間の所定位置に取り付けてある。連結レール26aが切り欠き部23aに位置する連結位置Dでは、回動アーム26bの端部に図示しない固定ピンを差し込んで前後移動レール23に固定するようにしてある。
したがって、養生フレーム24を作業ケージ4の左右の両端位置Cに移動する場合に、前後移動レール23とワイヤ3とが干渉する場合には、ワイヤ通過機構26の回動アーム26bを固定ピンを抜いて開放位置Eに回動させることで、前後移動レール23に切り欠き部23aが形成され、ワイヤ3を通過させることができる。この時、養生フレーム24は、前後移動レール23の切り欠き部23aの前後どちら側かに退避させた退避位置Bとしておくことで、干渉を防止してワイヤ3を通過させることができる。
【0022】
以上、実施の形態とともに、詳細に説明したように本発明の作業用ゴンドラ装置10によれば、構造物1から吊り下げられ構造物1の側面2に沿って移動される作業ケージ4と、作業ケージ4に設けられ作業に伴う周囲への落下物や飛散物を防止するシートやネットが取り付けられた養生装置20と、を備えた作業用ゴンドラ装置であって、養生装置20は、作業ケージ4の前面側と背面側との前後にそれぞれ、左右方向に延びる手摺が設けられ、これら2本の手摺6a上に沿ってそれぞれ設けられる第1の移動レール21と、第1の移動レール21に沿って左右方向に移動可能な移動フレーム22と、移動フレーム22上に設けられ第1の移動レール21と直交して前後方向に設けられる2本の第2の移動レール23と、第2の移動レール23上を前後方向に移動し側面2への作業範囲の両側面及び背面を囲む箱状の養生フレーム24と、養生フレーム24の前面側上部に揺動可能に支持され作業ケージ4の揺れとは独立して側面と養生フレーム24の下面との間を塞ぐ揺動フレーム25と、第2の移動レール23に設けられ作業ケージ4を吊り下げるワイヤ3を通過させるワイヤ通過機構26と、を備え、ワイヤ通過機構26は、第2の移動レール23のワイヤ3の通過部分に形成される切り欠き部23aと、切り欠き部23aを埋めて連結状態とする連結レール26aと、連結レール26aが取り付けられ第2の移動レール23に回動可能に支持され連結レール26aを連結位置と退避位置に回動する回動アーム26bと、を備えているので、シートやネットが取り付けられた箱状の養生フレーム24が作業ケージ4の手摺6a上で構造物1の側面2に沿って左右方向に移動でき、前後方向(側面2に対する接近離反方向)にも移動することができ、作業ケージ4の揺れにより生じる養生フレーム24の側面及び下面の隙間をシートやネット、あるいは床板が設けられた揺動フレーム25によって隙間なく養生することができる。
これにより、作業ケージ4からの作業に伴う落下物や飛散物を隙間なく養生することができる。
また、養生フレーム24を作業ケージ4の左右および前後に移動することができ、1か所の作業範囲を養生フレーム24で養生することができ、しかも作業ケージ4が揺れても自動的に揺動フレーム25で養生することができる。
さらに、養生フレーム24を移動する際であっても、前後移動レール23がワイヤ3と干渉する場合には、ワイヤ通過機構26でワイヤ3を通過させることができ、ワイヤ3との緩衝を防止して養生フレーム24を移動することができる。
また、養生装置20の設置や収納は、養生フレーム24を左右及び前後のレール21,23に沿って移動するだけで良く、折り畳みなどの必要もなく簡単に行うことができる。
【0023】
また、ワイヤ通過機構26は、第2の移動レール23のワイヤ3の通過部分に形成される切り欠き部23aと、切り欠き部23aを埋めて連結状態とする連結レール26aと、連結レール26aが取り付けられ第2の移動レール23に回動可能に支持され連結レール26aを連結位置と退避位置に回動する回動アーム26bと、を備えているので、切り欠き部23aによってワイヤ3を通過させることができ、回動アーム26bを回動して連結レール26aを切り欠き部23aに位置せることで、養生フレーム24の前後方向の移動を支障なく行うことができる。
【0024】
また、本発明の作業用ゴンドラ装置10によれば、揺動フレーム25は、前面側下部に一端が揺動可能とされ他端が養生フレーム24上に位置する底部フレーム25bを備えているので、作業ケージ4が揺れても自動的に揺動フレーム25が揺動して養生フレーム24と構造物1との間を塞ぐように養生することができる。
【符号の説明】
【0025】
10 作業用ゴンドラ装置
1 構造物
2 側面
3 ワイヤ
4 作業ケージ(ゴンドラ)
4a 作業床
4b キャスター
5 ワインダ
6 前後の手摺枠
6a 手摺
7 左右の手摺枠
20 養生装置
21 左右移動レール(第1の移動レール)
21a 固定用金具
22 左右移動フレーム(移動フレーム)
22a 支柱
23 前後移動レール(第2の移動レール)
23a 切り欠き部
24 養生フレーム
25 揺動フレーム
25a サイドフレーム
25b 底部フレーム
26 ワイヤ通過機構
26a 連結レール
26b 回動アーム
30 押出型材
30a 中心部
30b 連結片
30c 角部
30d 溝部
A 前方養生位置
B 退避位置
C 両端位置
D 連結位置
E 開放位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7