特許第6713377号(P6713377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6713377研磨ヘッド、研磨ヘッドを有するCMP研磨装置およびそれを用いた半導体集積回路装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6713377
(24)【登録日】2020年6月5日
(45)【発行日】2020年6月24日
(54)【発明の名称】研磨ヘッド、研磨ヘッドを有するCMP研磨装置およびそれを用いた半導体集積回路装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20200615BHJP
   B24B 37/30 20120101ALI20200615BHJP
【FI】
   H01L21/304 622K
   B24B37/30 E
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-157371(P2016-157371)
(22)【出願日】2016年8月10日
(65)【公開番号】特開2018-26453(P2018-26453A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2019年6月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山本 祐広
【審査官】 宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−237373(JP,A)
【文献】 特開2016−010836(JP,A)
【文献】 特開平09−306878(JP,A)
【文献】 特開平10−230455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CMP研磨装置の研磨ヘッドであって、
研磨パッドと、
前記研磨パッドの表面に載置されたウェハの裏面方向から前記ウェハの表面を前記研磨パッドに押し付けるエアーバッグと、
前記エアーバッグの側面を囲うリテナーリングと、
前記エアーバッグと前記ウェハと前記リテナーリングを囲うトップリングと、
前記エアーバッグと前記ウェハとの間に設けられた応力分散板と衝撃吸収シートを、
し、
前記エアーバッグと当接する前記応力分散板の上面が球面形状を有することを特徴とする研磨ヘッド。
【請求項2】
前記球面形状が凸球面形状であることを特徴とする請求項記載の研磨ヘッド。
【請求項3】
前記凸球面形状が前記エアーバッグのエアー流出入口下方に部分的に設けられていることを特徴とする請求項記載の研磨ヘッド。
【請求項4】
前記球面形状が凹球面形状であることを特徴とする請求項記載の研磨ヘッド。
【請求項5】
前記凹球面形状が前記エアーバッグのエアー流出入口下方に部分的に設けられていることを特徴とする請求項記載の研磨ヘッド。
【請求項6】
CMP研磨装置の研磨ヘッドであって、
研磨パッドと、
前記研磨パッドの表面に載置されたウェハの裏面方向から前記ウェハの表面を前記研磨パッドに押し付けるエアーバッグと、
前記エアーバッグの側面を囲うリテナーリングと、
前記エアーバッグと前記ウェハと前記リテナーリングを囲うトップリングと、
前記エアーバッグと前記ウェハとの間に設けられた応力分散板と衝撃吸収シートを、
有し、
前記衝撃吸収シートと当接する前記応力分散板の下面が球面形状を有することを特徴とする研磨ヘッド。
【請求項7】
前記球面形状が凸球面形状であることを特徴とする請求項記載の研磨ヘッド。
【請求項8】
前記球面形状が凹球面形状であることを特徴とする請求項記載の研磨ヘッド。
【請求項9】
前記凹球面形状が前記エアーバッグのエアー流出入口下方に部分的に設けられていることを特徴とする請求項記載の研磨ヘッド。
【請求項10】
前記応力分散板が金属、セラミックのいずれか一つ、または2つ以上の複合膜からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の研磨ヘッド。
【請求項11】
前記複合膜は、ヤング率の異なる複数の素材の積層体であって、相対的にヤング率の小さい素材が前記エアーバッグと接することを特徴とする請求項1記載の研磨ヘッド。
【請求項12】
請求項1乃至1のいずれか1項記載の研磨ヘッドを有するCMP研磨装置。
【請求項13】
請求項1記載のCMP研磨装置を用いてウェハ表面を平坦化する工程を有する半導体集積回路装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハ面内を均一に平坦化するためのCMP研磨装置の研磨ヘッドの構造と、それを有するCMP研磨装置およびそれも用いた半導体集積回路装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路(以下、LSIという)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下頭文字を取ってCMPともいう)もその一つであり、LSI製造工程、特に、多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグの形成、埋め込み配線の形成などにおいて頻繁に利用される技術である。
【0003】
CMP研磨装置の基本的な構造は、研磨パッドの貼り付けられた回転定盤、ウェハ保持ヘッド、スラリー供給ノズルがあり、さらにパッドの再生装置(コンディショナー)が備えられている。研磨パッドの貼り付けられた回転定盤は、必ずしも一つではなく、複数の回転定盤からなりこれらが自公転する機構を有するものもある。逆に、一つのパッドに対して複数のヘッドを有するものもある。
【0004】
また、CMP装置を制御するパラメーターとしては、研磨方式のほかに、研磨荷重、定盤の回転速度、ヘッドの回転速度、スラリーの選択・供給方法、コンディショニングの条件・頻度などがあり、図8のように、ウェハを固定させるヘッド部にエアーバッグを加圧する方式がある(例えば、特許文献1参照)。
また、エアーバッグを加圧する際にウェハ領域を細分化して分圧する方法で研磨の均一化を促進する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−268566号公報
【特許文献2】特開2007−005463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示されたエアーバッグを用いた加圧によるウェハを固定するヘッド構造では以下に示す不具合を有していた。すなわち、加圧されたエアーバッグの圧力が、エアーバッグの外周部で局所的に高圧になり、その部分に接するウェハ領域は、他の領域に比べて研磨パッドへ強く押さえつけられてしまい、他のウェハ領域より、被研磨絶縁材料が多く削られてしまう。ウェハの一部の領域の被研磨絶縁材料が削れすぎることにより、ウェハ面内の研磨均一性がばらついてしまい、その結果、ウェハ面内の絶縁材料の膜厚ばらつきが生じる。膜厚ばらつきの発生したウェハ領域は電気特性にばらつきが生じ、場合によっては電気特性上の異常が発生する。
【0007】
図9にその模式図を示す。上段は断面模式図、中段は平面模式図、下段は研磨速度(実線)と研磨後の残膜厚さ(点線)を示している。図9に示すように、従来技術においては、ウェハを押さえるために圧縮エアーが導入されて、エアーバッグの外周部に局所的にエアーの高圧力が高加圧領域6にかかり、中心部より圧力が高くなる。高加圧領域6に上から押さえられたウェハ1は、高加圧領域Xとなる圧力の強い領域の絶縁膜の研磨レートが増大し、上から押さえつける圧力の小さい中心部よりも多く削れ、高加圧領域Xでは絶縁膜材料の平坦化後のウェハ1における面内均一性が悪化してしまう。
【0008】
また、特許文献2に示されたエアーバッグを加圧する際にウェハ領域を細分化して分圧する方法を採用したヘッド構造では、エアー分圧のためのレギュレーター装置を多く有する構造のため、装置規模が大きく、複雑な制御機構になってしまうという課題を有していた。
【0009】
本発明は、上記不具合に鑑みなされたもので、簡易な構成ながらも研磨の均一性が向上する研磨ヘッド、研磨ヘッドを有するCMP研磨装置およびそれを用いた半導体集積回路の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明では以下の手段を用いる。すなわち、CMP研磨装置のヘッドのエアーバッグから被研磨材のウェハにかかる応力を均一に分散するため、
1.エアーバッグの下に金属やセラミックからなる応力分散板を配置し、応力分散板と下方のウェハとの間に衝撃吸収シートを設ける。
2.応力分散板を積層体とする。
3.応力分散板の表面を球面形状とする。
【0011】
上記の手段を単独あるいは組み合わせて用いることで、ウェハ全面を均一に押さえつける構造にした。
【発明の効果】
【0012】
上記手段を用いることにより、ウェハを押さえつけるヘッド部は均一に加圧された応力がエアーバッグと応力分散板と衝撃吸収シートを通して伝わり、ウェハ全面を均一に押さえつけることができ、ウェハの被研磨材料のウェハ面内膜厚ばらつきが低減された研磨ヘッド、研磨ヘッドを有するCMP研磨装置およびそれを用いた半導体集積回路の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施例を示すCMP研磨装置の研磨ヘッドの模式断面図である。
図2】本発明の第2の実施例を示すCMP研磨装置の研磨ヘッドの模式断面図である。
図3】本発明の第3の実施例を示すCMP研磨装置の研磨ヘッドの模式断面図である。
図4】本発明の第4の実施例を示すCMP研磨装置の研磨ヘッドの模式断面図である。
図5】本発明の第5の実施例を示すCMP研磨装置の研磨ヘッドの模式断面図である。
図6】本発明の第6の実施例を示すCMP研磨装置の研磨ヘッドの模式断面図である。
図7】本発明の第7の実施例を示すCMP研磨装置の研磨ヘッドの模式断面図である。
図8】従来のCMP研磨装置の研磨ヘッドの模式平面図と模式断面図である。
図9】従来のCMP研磨装置で研磨したときのウェハ面内残膜ばらつきを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいてそれぞれの実施例を説明する。
図1は、本発明の第1の実施例を示す模式断面図であり、特にCMP研磨装置のヘッド部分の断面構造を模式的に示している。前述したように、図9に示す従来技術においては、エアーバッグに圧縮エアーが導入されると、エアーバッグの外周部である高加圧領域6に局所的にエアーの高圧力がかかり、中心部より圧力が高くなる。高加圧領域6に上から押さえられたウェハ1は圧力の強い領域の被研磨材料(例えば絶縁膜)の研磨レートが増大し、上から押さえつける圧力の小さい中央部よりよく削れ、平坦化後のウェハ1における高加圧領域6に位置する被研磨材料の面内の均一性が悪化してしまっていた。
【0015】
図1のCMP研磨装置においては、表面を下に向けて研磨パッド5の上に載置された、半導体集積回路装置が表面に多数作りこまれたウェハ1の裏面上に、エアーバッグ4が配置され、圧縮エアーがエアーバッグに送り込まれることで、ウェハ1を上から押さえつけるように固定する構造になっている。ウェハ1とエアーバッグ4を側面から囲むようにリテナーリング3が配置され、それらを囲むようにトップリング2が配置されている。ウェハ1の下には研磨パッド5が配置され、ウェハ1を含むトップリング2が研磨パッド5の上を回転しながら、ウェハ1の表面の被研磨材(例えば、絶縁膜)を研磨して平坦化している。
【0016】
さらに、図1で示すように、エアーバッグ4の下には、金属やセラミックなどの材料の単一素材、もしくは複合素材から作られた板状の応力分散板101と、更にその下に、衝撃吸収シート102(例えば、ゲル状シートなど)を配置し、ウェハ1を押さえる構造としている。このとき応力分散板101はエアーバッグの圧力を十分に受け止めるだけの硬さと、均一な厚みを持たせるように最適な条件に工夫しているため、エアーバッグからの圧力(または応力)を受け止め、均一に圧力を下部へ伝えることができる。
【0017】
また、応力分散板101の下に、衝撃吸収シート102を配置することで、ウェハ1へ伝わる圧力の衝撃を緩和しながらウェハ全面に均一に圧力を伝えることが可能となる。ここで応力分散板101と衝撃吸収シート102の平面形状は同一とすることが望ましく、これらはウェハ1よりも大きい平面形状を有する。
【0018】
エアーバッグはゴムなどの柔軟性のある素材の中に圧縮エアーを充填したものでそのヤング率は小さいものである。これに対し、その下に設けられた応力分散板に用いられる金属やセラミックのヤング率は、銅で120GPa程度、モリブデンで330GPa程度、タングステンで400GPa程度、炭化ケイ素で600GPa程度、炭化タングステンで550GPa程度とエアーバッグのヤング率と比較して非常に高くなっている。
【0019】
このため、エアーバッグから局所的に加えられた圧力は垂直方向ではなく、水平方向に分散され、応力分散板が局所的に歪むことは無く、均一に歪むことになる。そして、応力分散板の歪みによる応力は、下に設けられた衝撃吸収シートを介してウェハに伝えられ、ウェハが研磨されることになる。このとき、局所的に加えられた圧力によってウェハ周辺部における研磨速度が極めて高くなるということはない。
【0020】
応力分散板を複合素材からなる積層体とする場合、ヤング率の小さい素材をエアーバッグ側、ヤング率の大きい素材を衝撃吸収シート側に配置することが望ましい。例えば、ヤング率が70GPa程度のアルミとヤング率が400GPa程度のタングステンの積層体を応力分散板に用いる場合はアルミをエアーバッグと接するように配置するのが望ましく、この構成とすることで局所的な圧力が分散され易く、より均一な研磨が可能となる。
【0021】
図2は、本発明の第2の実施例を示す模式断面図であり、CMP研磨装置のエアーバッグ4とその下の応力分散板201のみを簡易的に示し、その下の衝撃吸収シート等を省略して図示している。まず、図9に示すように、従来技術においては、局所的にエアーの高圧力がかかる高加圧領域6の被研磨材の研磨レートが増大し、平坦化の均一性が悪化する領域が把握できている。これはエアーバッグ4の圧力が、エアーガスの流出入口に近く、リテナーリング3の近接部で高くなるためである。
【0022】
実施例1では均一な厚さを有する応力分散板101構造であることに対し、図2に示す実施例においては、高加圧領域6の圧力(または応力)を分散し下部へ伝えるために、応力分散板201の形を、エアー流出入口からウェハ1の中央部方向へ離れるほどに徐々に厚みを厚くする構造とした。図示していないが、奥行き方向も同様な形状となっており、エアーバッグ4と接する応力分散板201の上面は凸球面形状であって、その中心部が最も高くなっている。反対側の衝撃吸収シートと接する部分はフラットな平面となっている。
【0023】
このようにすることで、エアーバッグ4からの圧力(または応力)をより均一に分散し、下部へ伝えることが可能となる。応力分散板201の厚みは、被研磨材毎に試し研磨を実施し、研磨後のウェハ面内の残膜の膜厚差を確認しながら最適な厚さ形状に調整するとよい。なお、図中の応力分散板内の矢印は圧力(または応力)の分散の様子を図示したものである。以降の実施例でも分散の様子を矢印にて図示している。
【0024】
次に、図3は、本発明の第3の実施例を示す模式断面図であり、実施例1が均一な厚さを有する応力分散板101構造であることに対し、高加圧領域6の圧力(または応力)を分散し下部へ伝えるために、応力分散板301の形を、エアー流出入口の直下のみに部分的に緩やかなカーブ形状の凸球面形状を有する構造とし、他領域よりも応力分散板501の厚みを厚くした。
【0025】
このようにすることで、エアーバッグ4からの圧力(または応力)をより均一に分散し、下部へ伝えることが可能となる。応力分散板301のエアー流出入口の直下のみに部分的に設けられた緩やかなカーブ形状の凸球面形状の厚みは、被研磨材毎に試し研磨を実施し、研磨後のウェハ面内の残膜の膜厚差を確認しながら最適な厚さ形状に調整するとよい。
【0026】
次に、図4は、本発明の第4の実施例を示す模式断面図であり、実施例1が均一な厚さを有する応力分散板101構造であることに対し、高加圧領域6の圧力(または応力)を分散し下部へ伝えるために、応力分散板401の形を、エアー流出入口からウェハ1中央部へ離れるほどに徐々に厚みを薄くする構造、かつエアーバッグ4の形状に合わせて応力分散板401の全領域にゆるやかなカーブ形状の凹球面形状を有する構造とした。
【0027】
このようにすることで、エアーバッグ4からの圧力(または応力)をより均一に分散し、下部へ伝えることが可能となる。応力分散板401の厚みは、被研磨材毎に試し研磨を実施し、研磨後のウェハ面内の残膜の膜厚差を確認しながら最適な厚さ形状に調整するとよい。
【0028】
次に、図5は、本発明の第5の実施例を示す模式断面図であり、実施例1が均一な厚さを有する応力分散板101構造であることに対し、高加圧領域6の圧力(または応力)を分散し下部へ伝えるために、応力分散板501の形を、エアー流出入口の直下のみに部分的に緩やかなカーブ形状の凹球面形状を有する構造とし、他領域よりも応力分散板501の厚みを薄くした。なお、反対側の衝撃吸収シートと接する部分はフラットな平面としている。
【0029】
このようにすることで、エアーバッグ4からの圧力(または応力)をより均一に分散し、下部へ伝えることが可能となる。応力分散板501のエアー流出入口の直下のみに部分的に設けられた緩やかなカーブ形状の凹球面形状の厚みは、被研磨材毎に試し研磨を実施し、研磨後のウェハ面内の残膜の膜厚差を確認しながら最適な厚さ形状に調整するとよい。
【0030】
次に、図6は、本発明の第6の実施例を示す模式断面図であり、実施例1が均一な厚さを有する応力分散板101構造であることに対し、高加圧領域6の圧力(または応力)を分散し下部へ伝えるために、応力分散板601の形を、実施例2の凸球面形状を上下逆にして、エアー流出入口からウェハ1中央部へ離れるほどに緩やかに厚みを厚くする構造とした。
【0031】
すなわち、応力分散板601がエアーバッグ4と接する上面はフラットな平面で、反対側の衝撃吸収シートと接する下面に凸球面形状を有する構造である。このようにすることで、エアーバッグ4からの圧力(または応力)をより均一に分散し、下部へ伝えることが可能となる。応力分散板601の形状を特徴とした中央部の厚みは、被研磨材毎に試し研磨を実施し、研磨後のウェハ面内の残膜の膜厚差を確認しながら最適な厚さ形状に調整するとよい。
【0032】
最後に、図7は、本発明の第7の実施例を示す模式断面図であり、実施例1が均一な厚さを有する応力分散板101構造であることに対し、高加圧領域6の圧力(または応力)を分散し下部へ伝えるために、応力分散板701の形を、実施例5とは天地をひっくり返した形状とすることで、エアーバッグ4からの圧力(または応力)をより均一に分散し、下部へ伝えることが可能となる。
【0033】
応力分散板701のエアー流出入口の直下のみに設けられた緩やかな部分的な凹球面形状の厚みは、被研磨材毎に試し研磨を実施し、研磨後のウェハ面内の残膜の膜厚差を確認しながら最適な厚さを有する形状に調整するとよい。
【符号の説明】
【0034】
1 ウェハ
2 トップリング
3 リテナーリング
4 エアーバッグ
5 研磨パッド
6、X 高加圧領域
8 エアー流出入口
101、201、301、401、501、601、701 応力分散板
102 衝撃吸収シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9