特許第6713443号(P6713443)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6713443
(24)【登録日】2020年6月5日
(45)【発行日】2020年6月24日
(54)【発明の名称】接続治具
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/16 20060101AFI20200615BHJP
   F25B 41/00 20060101ALI20200615BHJP
   F16F 15/02 20060101ALI20200615BHJP
   F16J 3/04 20060101ALI20200615BHJP
   F16J 15/52 20060101ALI20200615BHJP
【FI】
   H01J37/16
   F25B41/00 H
   F16F15/02 M
   F16J3/04 C
   F16J15/52 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-231737(P2017-231737)
(22)【出願日】2017年12月1日
(65)【公開番号】特開2019-102269(P2019-102269A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2019年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231235
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 琢司
(72)【発明者】
【氏名】山中 良浩
【審査官】 小林 直暉
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3200063(JP,U)
【文献】 伊藤琢司、山中良浩,走査透過型電子顕微鏡搭載用の小型無冷媒希釈冷凍機,大陽日酸技報,日本,大陽日酸,2014年,No.33,第1-2頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F15/00−15/36
F16J3/00−3/06
15/16−15/32
15/324−15/3296
15/46−15/53
H01J37/00−37/02
37/05
37/09−37/18
37/21
37/24−37/244
37/252−37/295
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動を減衰する防振台の上に固定される分析装置と前記分析装置で発生する光線を検出する検出素子を備える冷凍機とを接続する治具であって、
前記冷凍機は、前記検出素子が先端に設けられたコールドヘッドをさらに備え、
前記治具は、内部の圧力が同一であり、伸縮方向の断面積が同一である2以上のベローズと、前記2以上のベローズのそれぞれの端部同士の間の距離を一定に維持するよう前記2以上のベローズを支持する支持部材を備え、
前記2以上のベローズのうち、いずれか一つのベローズの内部で前記コールドヘッドがベローズの軸方向に沿って配置されるように、前記2以上のベローズが前記分析装置と前記冷凍機とを接続
前記2以上のベローズの互いの伸縮方向に加わる力を打ち消し合うように、前記2以上のベローズが前記分析装置又は前記冷凍機のいずれか一方を固定し、
前記コールドヘッドが配置されたベローズの内部が真空状態であるときに、前記コールドヘッドが前記分析装置内の試料に向かって前記軸方向に沿って延在する、接続治具。
【請求項2】
前記2以上のベローズは、伸縮方向が同一方向となるように離間して設けられる一対の
ベローズであり、
前記支持部材は前記一対のベローズの外側の端部同士の間の距離を一定に維持し、
前記一対のベローズの間に、前記分析装置又は前記冷凍機のいずれか一方を固定する、
請求項1に記載の接続治具。
【請求項3】
前記支持部材が、前記一対のベローズの外側の端部同士を接続する連結棒を1以上有す
る、請求項2に記載の接続治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続治具に関する。
【背景技術】
【0002】
電子顕微鏡等の分析装置は、試料の検出、観察及び記録等の様々な用途で産業界及び学術界で利用されている。分析装置が形成する試料像は機械的振動の影響により、画質等が劣化しやすいことが知られている。試料像の劣化を防止できることから、分析装置は機械的振動を減衰する防振台の上に固定されることが多い。
【0003】
一般の分析装置は感度及び分解能の観点から、蛍光X線等の光線を検出する検出素子を低温に維持しながら利用される。そのため、分析装置は検出素子を冷却するための冷凍機と組み合わせて利用されることが多い(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−246523号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】伊藤琢司及び山中良浩、「走査透過型電子顕微鏡搭載用の小型無冷媒希釈冷凍機」、大陽日酸技報、No.33(2014).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の冷凍機を用いて分析装置を冷却しようとすると、冷凍機が発する機械的振動が分析装置に伝播してしまう。その結果、冷凍機が発する機械的振動の影響を分析装置が受けて、分析装置の試料像の画質が低下する。
【0007】
非特許文献1に記載のTES−STEM分析システムにおいては、機械的振動による影響を受けやすい分析装置(STEM)と、機械的振動を発する冷凍機(DR Unit)とを、金属ベローズを用いて接続している。TES−STEM分析システムでは分析精度の観点から、試料等からの蛍光X線等を冷凍機で冷却された検出素子を真空中に置く必要がある。その際、DR Unitが発する機械的振動の伝播を阻止するには、金属ベローズの使用が不可欠である。
【0008】
ところが、分析装置が防振台の上に固定されており、一方の冷凍機は地面等にしっかりと固定されている。そのため、冷凍機による検出素子の冷却の際に、金属ベローズの内部を真空状態にすると金属ベローズを収縮させる負荷が発生し、分析装置が冷凍機側に引き寄せられる。その結果、分析装置が鉛直方向に対して傾き、分析装置と冷凍機との間に不要な応力が働いた状態となる。よって、非特許文献1に記載のTES−STEM分析システムにあっては、分析装置が本来の性能を発揮できず、分析装置の分解能及び検出感度が低下する可能性がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、冷凍機が発する機械的振動が分析装置に伝播しにくく、分析装置が本来の性能を発揮できる接続治具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
[1] 振動を減衰する防振台の上に固定される分析装置と前記分析装置で発生する光線を検出する検出素子を備える冷凍機とを接続する治具であって、内部の圧力が同一であり、伸縮方向の断面積が同一である2以上のベローズと、前記2以上のベローズのそれぞれの端部同士の間の距離を一定に維持するように、前記2以上のベローズを支持する支持部材と、を備え、前記2以上のベローズのうち、いずれか一つのベローズを介して前記分析装置と前記冷凍機とを接続するとともに、前記2以上のベローズの互いの伸縮方向に加わる力を打ち消し合うように、前記2以上のベローズが前記分析装置又は前記冷凍機のいずれか一方を固定する、接続治具。
[2] 前記2以上のベローズは、伸縮方向が同一方向となるように離間して設けられる一対のベローズであり、前記支持部材は前記一対のベローズの外側の端部同士の間の距離を一定に維持し、前記一対のベローズの間に、前記分析装置又は前記冷凍機のいずれか一方を固定する、[1]の接続治具。
[3] 前記支持部材が、前記一対のベローズの外側の端部同士を接続する連結棒を1以上有する、[2]の接続治具。
【発明の効果】
【0011】
本発明の接続治具によれば、冷凍機が発する機械的振動の分析装置への伝播を軽減しながら、分析装置が本来の性能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明を適用した一実施形態である第1の実施形態に係る接続治具の構成の一例を説明するための模式図である。
図2】本発明を適用した一実施形態である第2の実施形態に係る接続治具の構成の一例を説明するための模式図である。
図3】本発明を適用した一実施形態である第3の実施形態に係る接続治具の構成の一例を説明するための上面図である。
図4】本発明を適用した一実施形態である他の実施形態に係る接続治具の構成の一例を説明するための模式図である。
図5】本発明を適用した一実施形態である他の実施形態に係る接続治具の構成の一例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した一実施形態の接続治具について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0014】
<第1の実施形態>
まず、本発明を適用した一実施形態である第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る接続治具11の構成の一例を説明するための模式図である。図1に示すように、接続治具11は、分析装置20と冷凍機30とを接続する治具である。
【0015】
分析装置20は、図示略の防振台の上に固定されている。防振台は振動を減衰できる形態であれば特に限定されない。分析装置20は防振台の上に固定されていることにより、画質が良好な試料像を形成できる。
分析装置20内には試料50が載置されている。分析装置20内では試料50から蛍光X線等の光線51が発せられる。
【0016】
冷凍機30は、コールドヘッド31と、コールドヘッド31の先端に設けられた検出素子32とを備える。コールドヘッド31は、冷凍機30と第1のベローズ1の内部で第1のベローズ1の軸方向に沿って配置されている。
検出素子32は分析装置20で発生する光線51を検出できる形態であれば特に限定されない。本実施形態では、検出素子32は、コールドヘッド31の先端で冷却される。第1のベローズ1の内側は真空状態にすることで、コールドヘッド31及び検出素子32が外部から断熱され、光線51が減衰することなく移動する。これにより、試料50から発せられる光線51を検出素子32で検出できる。
冷凍機30の具体例としては、希釈冷凍機、核断熱消磁冷凍機(ADR)、He冷凍機、GM冷凍機及びパルス管冷凍機等が例示される。
【0017】
図1に示すように、接続治具11は、一対のベローズ1,2と、支持部材3とを備え概略構成されている。
以下に接続治具11の各構成要素に関して詳しく説明を行う。
【0018】
一対のベローズ1,2は、内部の圧力が同一であり、伸縮方向の断面積が同一である2以上のベローズとして、第1のベローズ1と第2のベローズ2とを備える。
第1の実施形態においては、一対のベローズ1,2は伸縮方向が同一方向となるように離間して設けられる。これによりベローズ1,2の互いの伸縮方向に加わる力を打ち消し合うことができる。
【0019】
第1のベローズ1は、分析装置20と冷凍機30とを接続する伸縮管である。第1のベローズ1は、第1の端部5と第2の端部6とを有する。
第1の実施形態においては、第1のベローズ1の第1の端部5は、分析装置20に固定される。第1のベローズ1の第2の端部6は冷凍機30に固定されるとともに後述する支持部材3が備える連結棒4と連結される。
【0020】
第1の実施形態においては、第2のベローズ2は分析装置20と連結棒4とを連結する伸縮管である。第2のベローズ2は、第1の端部7と第2の端部8とを有する。第2のベローズ2の第1の端部7は分析装置20に固定されている。これにより、第2のベローズ2は分析装置20を固定する。第2のベローズ2の第2の端部8は、連結棒4と連結される。
【0021】
支持部材3は、一対のベローズ1,2の外側の端部同士、すなわち第1のベローズ1の第2の端部6及び第2のベローズ2の第2の端部8の間の距離Lを一定に維持するように、一対のベローズ1,2を支持する。これにより、一対のベローズ1,2のうちのいずれかが伸縮すると、一対のベローズ1,2の内側の端部同士が、伸縮方向の同軸上で移動できる。
【0022】
本実施形態では、支持部材3が連結棒4を有する。連結棒4は、一対のベローズ1,2の外側の端部同士を接続する。連結棒4は第1の端部9と第2の端部10とを有する。
連結棒4は第1のベローズ1の第2の端部6を、第1の端部9で固定する。さらに連結棒4は、第2のベローズ2の第2の端部8を連結棒4の第2の端部10で固定する。これにより、支持部材3が距離Lを一定に維持するように、一対のベローズ1,2を支持している。
連結棒4は、一対のベローズ1,2が伸縮する際の応力で形状及び長さが変化しない、剛直な材質及び形態であることが好ましい。これにより、支持部材3が距離Lを一定に維持しやすくなる。
【0023】
(作用効果)
以上説明した構成を備える第1の実施形態の接続治具11は、一対のベローズ1,2の間に、分析装置20を配置する。冷凍機30は第1のベローズ1によって分析装置20と接続されるとともに、第2のベローズ2によって連結棒4に連結される。これにより、冷凍機30の発する機械的振動は第1のベローズ1及び第2のベローズ2によって吸収できるため、冷凍機30の機械的振動が分析装置20に伝播しにくくなる。
さらに一対のベローズ1,2の内部が真空状態になると一対のベローズ1,2を収縮させる負荷が発生するが、その力は連結棒4によって支えられるため、分析装置20と冷凍機30の間に応力は発生しない。
以上より、分析装置が傾いて不要な応力が働く状態とならず、本来の性能を発揮できる。
【0024】
<第2の実施形態>
次に、本発明を適用した一実施形態である第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の説明において、第1の実施形態で説明した構成と同一の構成については、同一の語及び同一の符号を用いてその説明を省略する。
【0025】
図2は、第2の実施形態に係る接続治具41の構成の一例を説明するための模式図である。図2に示すように、接続治具41は、分析装置20と冷凍機30とを接続する治具である。接続治具41は、一対のベローズ1,2と、支持部材3とを備え概略構成されている。
以下に接続治具41の各構成要素に関して詳しく説明を行う。
【0026】
第2の実施形態においては、第1のベローズ1の第1の端部5は、冷凍機30に固定される。第1のベローズ1の第2の端部6は分析装置20に固定される。第1のベローズ1の第2の端部6は連結棒4と連結される。
【0027】
第2の実施形態においては、第2のベローズ2は冷凍機30と連結棒4とを連結する伸縮管である。具体的には、第2のベローズ2の第1の端部7が冷凍機30に固定されている。
第2のベローズ2の第2の端部8は、連結棒4と連結される。
第2の実施形態において支持部材3は、第1のベローズ1の第2の端部6及び第2のベローズ2の第2の端部8の間の距離Lを一定に維持するように、一対のベローズ1,2を支持する。なお、第2の実施形態においても、連結棒4は第1のベローズ1の第2の端部6を第1の端部9で固定し、第2のベローズ2の第2の端部8を第2の端部10で固定する。
【0028】
(作用効果)
以上説明した構成を備える第2の実施形態の接続治具41は、一対のベローズ1,2の間に、冷凍機30を配置する。分析装置20は第1のベローズ1によって冷凍機30と接続されるとともに連結棒4に連結される。さらに分析装置20は連結棒4を介して第2のベローズ2と連結される。これにより、冷凍機30の発する機械的振動を第1のベローズ1及び第2のベローズ2によって吸収できるため、冷凍機30の機械的振動が分析装置20に伝播しにくくなる。
さらに第2の実施形態の接続治具41は、一対のベローズ1,2の内部が真空状態になると一対のベローズ1,2を収縮させる負荷が発生するが、その力は連結棒4によって支えられるため、分析装置20と冷凍機30の間に応力は発生しない。
よって、第2の実施形態の接続治具においても、冷凍機が発する機械的振動が分析装置に伝播しにくく、分析装置が傾いて不要な応力が働く状態とならず、本来の性能を発揮できる。
【0029】
<第3の実施形態>
次に、本発明を適用した一実施形態である第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の説明において、第1の実施形態で説明した構成と同一の構成については、同一の語及び同一の符号を用いてその説明を省略する。
【0030】
図3は、第3の実施形態に係る接続治具61の構成の一例を説明するための上面図である。図3に示すように、接続治具61は、第1のベローズ1と、第2のベローズ2と、第3のベローズ63と、支持部材73とを備え概略構成されている。
以下に接続治具61の各構成要素に関して詳しく説明を行う。
【0031】
第3の実施形態においては、第1のベローズ1の第1の端部5は、分析装置20に固定される。第1のベローズ1の第2の端部6は冷凍機30に固定される。また第1のベローズ1の第2の端部6は支持部材73に固定される。
第2のベローズ2の第1の端部7は、分析装置20に固定される。第2のベローズ2の第2の端部8は支持部材73に固定される。
第3のベローズ63の第1の端部67は、分析装置20に固定される。第3のベローズ63の第2の端部68は支持部材73に固定される。
第1のベローズ1、第2のベローズ2、第3のベローズ63は違いに伸縮方向に加わる力を打ち消すように分析装置20を固定している。
【0032】
支持部材73は第1のベローズ1、第2のベローズ2、第3のベローズ63のそれぞれの端部同士の間の距離を一定に維持するように、第1のベローズ1、第2のベローズ2、第3のベローズ63を支持する。本実施形態では支持部材73が連結棒4を3本有する。これらの連結棒4が三角形状に配置されることにより、第1のベローズ1の第2の端部6と第2のベローズ2の第2の端部8との距離と、第2のベローズ2の第2の端部8と第3のベローズ63の第2の端部68との距離と、第3のベローズ63の第2の端部68と第1のベローズ1の第2の端部6との距離とが一定に維持されている。
【0033】
(作用効果)
以上説明した構成を備える第3の実施形態の接続治具61によっても第1の実施形態又は第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0034】
<その他の実施形態>
図4,5は本発明を適用した一実施形態である他の実施形態に係る接続治具の構成の一例を説明するための模式図である。
第1又は第2の実施形態では、冷凍機30が備えるコールドヘッド31と、検出素子32とがベローズ内に配置される場合を例とした。しかし、図4,5に示す接続治具71,81のようにコールドヘッド91及び検出素子32がベローズ内に配置されてなくてもよい。すなわち接続治具71,81によって分析装置20と接続される冷凍機90では、コールドヘッド91のベローズの伸縮方向の長さがコールドヘッド31より短い。このように、コールドヘッド91がベローズ内に配置されていない場合でも、同様の作用効果を奏する。
【0035】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明はこれらの特定の実施の形態に限定されない。また、本発明は特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が加えられてよい。
例えば、上述した第1の実施形態又は第2の実施形態において、支持部材3は、複数の連結棒4を有してもよい。支持部材3が複数の連結棒4を有する場合、第1のベローズ1の中心軸及び第2のベローズ2の中心軸の少なくとも一方を対称軸として互いに対称となる位置に、支持部材3は複数の連結棒4を有することが好ましい。これにより、一対のベローズ1,2から複数の連結棒4に加わる伸縮力がそれぞれの連結棒に均等に分散され、分析装置20がさらに確実に鉛直方向に維持される。
他にも、接続治具11,41は、分析装置20又は冷凍機30のいずれかの水平方向の移動距離を調節する位置調節機構を備えてもよい。かかる位置調節機構を接続治具11,41が備えると、接続治具11,41は検出素子32と分析装置20との間の距離を調整できる。その結果、接続治具11,41は検出素子32の温度をより精密に制御でき、分析装置20の分解能及び検出感度がさらに向上し、分析装置20の測定精度も向上する。
上述の実施形態では、検出素子32で試料から発せられる蛍光X線を検出する分析装置を例として説明した。しかし、分析装置は検出素子を冷却する必要があり、試料の分析を真空等の低圧力下で行なう形態であれば特に制限されず、その他の分析装置にも本願発明は適用できる。
【符号の説明】
【0036】
1…第1のベローズ、2…第2のベローズ、3,73…支持部材、4…連結棒、5…第1のベローズの第1の端部、6…第1のベローズの第2の端部、7…第2のベローズの第1の端部、8…第2のベローズの第2の端部、9…連結棒の第1の端部、10…連結棒の第2の端部、11,41,61,71,81…接続治具、20…分析装置、30,90…冷凍機、31,91…コールドヘッド、32…検出素子、63…第3のベローズ、67…第3のベローズの第1の端部、68…第3のベローズの第2の端部、L,L…一対のベローズの外側の端部同士の間の距離
図1
図2
図3
図4
図5