特許第6713731号(P6713731)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6713731AR利用広告提供システム及びAR利用顧客付加価値情報提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6713731
(24)【登録日】2020年6月8日
(45)【発行日】2020年6月24日
(54)【発明の名称】AR利用広告提供システム及びAR利用顧客付加価値情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20200615BHJP
【FI】
   G06Q30/02 380
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-114538(P2015-114538)
(22)【出願日】2015年6月5日
(65)【公開番号】特開2016-12349(P2016-12349A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2018年3月7日
(31)【優先権主張番号】特願2014-117142(P2014-117142)
(32)【優先日】2014年6月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 一人
【審査官】 久慈 渉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−018527(JP,A)
【文献】 特開2003−006481(JP,A)
【文献】 特開2014−203251(JP,A)
【文献】 特開2007−079759(JP,A)
【文献】 特開2011−253324(JP,A)
【文献】 特開2009−245233(JP,A)
【文献】 特開2008−287570(JP,A)
【文献】 特開2011−065398(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0108136(US,A1)
【文献】 特開2002−366566(JP,A)
【文献】 特開平08−138011(JP,A)
【文献】 特開2012−168836(JP,A)
【文献】 特開2002−288294(JP,A)
【文献】 特開2011−248860(JP,A)
【文献】 特開2002−133223(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0010115(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象商品またはその梱包外装に商品識別情報或いは顧客識別情報を含む第1の情報を付加する情報付加機構と、
前記第1の情報を読み取る情報読取機構と、
前記情報読取機構により読み取られた前記第1の情報に紐付けされた第2の情報である商品付随情報を取得する情報取得機構と、
前記情報取得機構によって取得された第2の情報が表示される表示機構と
を具備する顧客付加価値情報提供システムであって、
前記商品識別情報に連接する商品属性情報であって提供元情報、商品仕様情報のうちの少なくともいずれかを含む情報、及び前記顧客識別情報に連動した顧客属性情報であって顧客パーソナル情報、顧客購入履歴情報、顧客趣味・嗜好情報のうちの少なくともいずれかを含む情報に基づいて前記商品付随情報の中から優先順位をつけて情報が選定され、
前記選定された情報から前記優先順位にしたがって商品付随情報の目録ページが作成され、
前記作成された商品付随情報の目録ページがインターネットを介して情報発信される、顧客付加価値情報提供システム。
【請求項2】
前記第2の情報は、商品取扱説明情報、安全使用情報、組立設置情報、配送荷扱情報、再梱包情報、再注文プログラム情報、マーケティングリサーチプログラム情報のうちの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の顧客付加価値情報提供システム。
【請求項3】
前記第2の情報は、立体画像情報及び/若しくは立体動画情報及び/若しくは立体拡張現実情報及び/若しくは立体仮想現実情報及び/若しくは音声情報のいずれか一つを含むものであることを特徴とする請求項1または2記載の顧客付加価値情報提供システム。
【請求項4】
前記搬送対象商品は、リサイクル商品及び/若しくはレンタル商品を含み、
前記顧客付加価値情報提供システムは、商品物流配送システムに含まれた情報提供システムであって顧客以外の依頼者にも適応することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の顧客付加価値情報提供システム。
【請求項5】
前記情報読取機構が身体装着型情報端末装置であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の情報提供システム。
【請求項6】
搬送対象商品またはその梱包外装もしくはその包装体に付された商品識別情報或いは顧客識別情報を含む第1の情報を読み取る情報読取機構と、
前記情報読取機構により読み取られた前記第1の情報に紐付けされた第2の情報である商品付随情報を取得する情報取得機構と、
前記情報取得機構によって取得された第2の情報が表示される表示機構と
を具備する情報提供システムであって、
前記商品識別情報に連接する商品属性情報であって提供元情報、商品仕様情報のうちの少なくともいずれかを含む情報、及び前記顧客識別情報に連動した顧客属性情報であって顧客パーソナル情報、顧客購入履歴情報、顧客趣味・嗜好情報のうちの少なくともいずれかを含む情報に基づいて前記商品付随情報の中から優先順位をつけて情報が選定され、
前記選定された情報から前記優先順位にしたがって商品付随情報の目録ページが作成され、
前記作成された商品付随情報の目録ページがインターネットを介して情報発信される、顧客付加価値情報提供システム。
【請求項7】
前記搬送対象商品またはその梱包外装もしくはその包装体には、前記顧客識別情報に係る特定顧客識別マーカーが付されることを特徴とする請求項に記載の顧客付加価値情報提供システム。
【請求項8】
前記商品付随情報は、商品取扱説明、商品マニュアル、安全使用説明、組立セッティング方法、配送荷扱い情報、再梱包方法、再注文プログラム、マーケティングリサーチプログラムのいずれか一つを含み、
前記商品付随情報は、音声情報を含む立体画像情報及び/若しくは立体動画情報及び/若しくは立体拡張現実情報及び/若しくは立体仮想現実情報のいずれか一つを含むものであることを特徴とする請求項又は記載の顧客付加価値情報提供システム。
【請求項9】
前記情報読取機構が身体装着型情報端末装置であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項記載の顧客付加価値情報提供システム。
【請求項10】
前記搬送対象商品は、顧客へ配送されるレンタル商品を含むことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項記載の顧客付加価値情報提供シテム。
【請求項11】
前記商品付随情報には、リサイクル及び/若しくはレンタル商品の配送荷扱い注意情報、設置方法、組立方法、安全使用説明の動画、AR情報、VR情報を含む画像情報であって顧客を対象とした画像情報に限定しない付加価値情報が含まれることに特徴を有する請求項乃至10のいずれか1項に記載の配送商品の顧客付加価値情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品物流拠点における商品出荷時の情報添付システムに係り、特に配送先への広告情報や商品取扱説明書、組立設置方法、その他の情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、商品物流拠点の商品出荷の際は、顧客からの注文出荷情報に基づいて倉庫内の保管商品がピッキングされ、出荷用包装箱に収容されて出荷される。この際、包装箱内には、顧客からの注文出荷情報に基づいて、その商品の納品書や出荷伝票、受領書、請求書等の帳票に加えて出荷商品の商品取扱説明書、組立設置方法書、使用における注意書、他商品の広告情報などの情報資料が添付されて出荷される。
【0003】
この場合、例えば紙用紙による印刷物などは、広告物などを含めると種類が非常に多いため、商品に添付して包装(同梱)するには非常に手間がかかる。販売者側の視点からはたくさんの情報媒体を添付して顧客のため提供したいのは当然であるが、利用者側の視点を考慮すれば必然的にその量に制限を加える必要も生じる。また、紙用紙による印刷物情報は顧客にとっては熟読するのに時間を要するため、多くの場合放置されて情報として伝わらないことが多い。商品の安全使用に関する情報や、取扱注意事項に関する情報は特に重要であるため、顧客に対して正確に情報が伝達できないことは大きな問題となる。これは販売者側のみならず顧客側としても大きなデメリットとなる。
【0004】
これらの問題は、提供される商品又は商品の形態によっても大きく異なる。例えば汎用商品等について販売者側は、その商品に関連する他商品情報や商品の使用に基づいて必要となる付随商品などの広告情報をできる限りたくさん出荷商品に同梱して発送したい。また、例えば顧客の購入履歴や嗜好に基づく提案商品の広告情報なども発送したい。通販カタログ等の小冊子としても発送したい。さらにリピート購入のための注文方法情報なども同梱したい。しかし、これら大量の情報を商品に同梱発送することは非常に困難であるし、たとえ同梱発送した場合でも大量印刷物情報であるがゆえに顧客に有効活用してもらえる可能性は低い。
【0005】
リサイクル商品やレンタル商品、介護用商品、家具などの場合は、顧客から注文を受けた販売者の指示によって商品が商品物流拠点から配送業者によって顧客へと直接配送される。そして場合によってはドライバーを兼務する配送業者によって、商品の組立て、設置、稼働確認、安全使用の説明などが顧客に対して行われるのが通例である。この場合、おびただしい種類の商品の組立方法や取扱説明、安全使用方法などを配送業者が熟知して顧客先で適宜に処理することは非常にむずかしい。
【0006】
組立が困難なリサイクル商品、介護用商品、家具等は、印刷物に平面図で記載された組立方法書では立体的な理解が難しく、組立において躊躇することも多い。商品の組立設置後においても、その安全使用方法についてお年寄り等顧客に丁寧にわかり易く説明し納得を得ることは、短時間では難しい。
【0007】
特許文献1においては、集荷される商品の包装容器に広告を印刷し、又は広告を印刷したラベルを貼付する広告システムに係る技術思想が開示されている。しかし、これらのシステムでは、包装容器印刷においても、ラベル印刷貼付においても、広告に活用利用されるスペースは限られており、より多くの広告情報を出荷先に提供するには限度がある。
【0008】
また例えば、特許文献2には、広告主から依頼された広告媒体を携行し顧客宅に届ける宅配業者が、自身の顧客情報を利用して各顧客に対して適切な広告媒体を選択し、効果的な広告媒体の配布を行う広告システムに係る技術思想が開示されている。しかしながら、上記のような広告システムにおいては、荷物の包装容器に広告を印刷し、又は広告ラベルの貼付作業を行うには、一定数量の荷物を収集して行う必要がある。広告を付加する作業に専用の要員を手配し、またその準備期間も必要になり、コストアップの原因になる。また、適切な時機に広告を送付することが困難になる。
【0009】
加えて上記文献例では、顧客に対して最も必要な情報である商品の組立設置方法、安全使用方法などの情報をわかり易く正確に伝達する最適な情報提供システムには至っていないため、上述の問題に対しての根本的な解決策を提示したことにはなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−155420号公報
【特許文献2】特開2002−117114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、これまでの技術もしくは技術的思想は、顧客への商品の配送において同時に広告や宣伝媒体を包装箱に同梱するためのシステムに係るものが主体であった。特に印刷物情報の場合は物理的にも種類・数には制限が生じ、大量の情報の中から適する広告情報を限定して選択しなければならないばかりか、商品への同梱には多大な作業コストや物流コストが必要とされた。
【0012】
顧客への商品の発送においては、注文された商品の他に顧客に役立つ情報又は販売者にとって継続販売につながる情報などいかにたくさんの情報を同梱して顧客に届けることができるかは大きな問題である。ただ単に紙の印刷物として提供するだけであれば顧客に読んでもらえず無駄な情報添付となってしまう。
【0013】
顧客が購入した商品に対しての取扱説明書や安全使用情報、補修パーツ情報などはもちろんのこと、販売者側にとってはその商品に付随して使用する関連商品情報や消耗品情報、その顧客特有の嗜好を予想した商品情報、又は商品使用後の感想情報の返送など様々な情報を発送時に貼付して且つその情報を正確に確実に顧客に伝えたい。
【0014】
商品の種類によっては、顧客へ提供しなければならない最も重要な情報は、商品取扱いの説明や組立・設置据え付け方法あるいは安全使用の注意事項であることも多い。広告宣伝情報と同様に印刷物での提供を前提にした場合は、大量の印刷物の同梱が必要になり作業コストが非常に大きいばかりか、有効活用に至らないという課題を抱えていた。
【0015】
本発明はこうした従来の問題点を解決することを企図したものであり、大量の情報を適宜わかり易く且つ利用し易く顧客等に商品付随情報として提供できて、経済効率も格段に向上させることの可能な商品付随情報提供システムを開発することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
かかる課題を解決するため、本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムは、
搬送対象商品またはその梱包外装に商品識別情報或いは顧客識別情報を含む第1の情報(特定顧客識別マーカー)を付加する情報付加機構と、
前記第1の情報を読み取る情報読取機構と、
前記情報読取機構により読み取られた前記第1の情報に紐付けされた第2の情報を取得する情報取得機構と、
前記情報取得機構によって取得された第2の情報が表示される表示機構と
を具備することを特徴とする。
【0017】
本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムにおいて、出荷される商品又はその外装若しくは包装箱に付される第1の情報である商品識別情報及び依頼者識別情報を含む情報は、バーコード、QRマーカー、ARマーカー(Augmented Reality:拡張現実情報を読み出すための識別マーカーを以降「ARマーカー」と称する。)等の識別マーカー若しくはコードであり、印刷又はラベル貼付等の方法により付される。そして商品提供先において、上記第1の情報である識別マーカー若しくはコードを、読み取り装置を用いて画像認知することにより必要な情報を読み取ることができる。
【0018】
本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムの識別マーカーに付随する第1の情報は、出荷される商品の商品識別情報若しくは顧客識別情報を含む特定顧客識別マーカーであり、その特定顧客を識別することができる顧客ID情報を含んでいる。商品識別情報とは、例えば出荷される商品の提供元・価格・製品仕様等を特定する商品属性情報に連接するためのJANコードなどのIDコードを含む。顧客識別情報とは、購入者の名前、性別、年齢、住所等のパーソナル情報や商品の購入履歴等の情報を含む顧客属性情報に対応付けする顧客IDコードを含む。
【0019】
これらの情報は、特定商品及び顧客IDとして倉庫管理情報における商品情報及び顧客情報と紐付けされて連動している。倉庫管理情報とは、商品の受発注情報や倉庫保管情報、出荷情報など商品物流拠点での商品管理情報である。
【0020】
ここで、情報の「対応付け」について定義する。一方の識別情報と他方の情報とを対応付けするとは、一方の識別情報に他方の情報を一対一で関連対応付けすることである。このことにより、一方の識別情報が特定された場合、必然的にもう一方の情報が特定される関係となる。以降、この対応付けをわかり易く「紐付け」と称する。
【0021】
本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムにおける、前記第2の情報は、広告情報及び商品付随情報を含む特定顧客付加価値情報であって
広告情報:
商品付随情報:(商品取扱説明情報、安全使用情報、組立設置情報、配送荷扱情報、
再梱包情報、再注文プログラム情報、
マーケティングリサーチプログラム情報等)
前記商品識別情報及び顧客識別情報から定められるアルゴリズムによって選定され優先順位を付され、且つ前記選択された前記特定顧客付加価値情報の前記優先順位に従った検索用目録を有することを特徴とする。
【0022】
本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムは、上記第1の情報に対して上記第2の情報が紐付けられる。第2の情報とは、商品の広告情報及び商品付随情報を含む顧客付加価値情報であり、その情報を一定のアルゴリズムを用いて選択された優先順位の目録を伴う特定顧客付加価値情報である。これらの情報は、二次元画像情報のみならず音声情報を含む立体画像情報及び/若しくは立体動画情報及び/若しくは立体AR(拡張現実)情報及び/若しくは立体VR(仮想現実)情報のいずれか一つを含むものであって、インターネット(ネットワーク)を経由した双方向通信による提供が可能である。
【0023】
本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムの情報読取機構は、スキャナ、スマートフォン(携帯電話)等の第1の情報を読み取る機能を持つ識別マーカー読取り機能を有する装置・機械システム等であって、これは第2の情報を取得して視認できる状態として提示する機能を有するディスプレイ等の情報取得機構をも備えている情報端末機器であってもよい。
【0024】
本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムは、商品顧客等の利用者が、商品又は商品外装、包装箱に付された第1の識別情報を情報端末機器等で読み取ることによって、情報取得機構がインターネット等を介して第2の情報を読み出し、例えば第2の情報として商品の広告情報や付随商品提供情報、再注文プログラム情報、商品組立方法、安全使用方法等の商品付随情報を特定顧客付加価値情報として優先順位目録と共に商品顧客等に提供することができる。
【0025】
本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムの前記アルゴリズムは、顧客識別情報に連動した顧客属性情報(顧客パーソナル情報、顧客購入履歴情報、顧客趣味・嗜好情報)及び商品属性情報(提供元情報、商品仕様情報)を基準にして前記広告情報及び商品付随情報の中から顧客付加価値情報を、優先順位を付けて選択するための選択公式である。
【0026】
よって、特定顧客付加価値情報は、その商品を購入した顧客特有のパーソナル情報、顧客購入履歴情報、顧客趣味・嗜好情報を反映したアルゴリズムによって優先順位を付けて選択された広告情報であり、その特定顧客に有効な広告情報のみが選択されている。同様に、特定顧客付加価値情報は、その商品の商品付随情報の中でその商品特有の優先順位を反映したアルゴリズムによって選択された特定の商品付随情報のみが含まれている。
【0027】
つまり、本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムは、その顧客特有の厳選した広告情報のみを、同様にその商品に特有の厳選した商品付随情報のみを、優先順位を付けた検索用目録とともに第2の情報である特定顧客付加価値情報として提供することができる。上記の第1の情報が顧客属性情報と商品属性情報とに紐付けされた情報であるため、顧客等使用者に必要であると類推判断され選択された情報のみを第2の情報としてその顧客に提供することができる。
【0028】
本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムにおける第2の情報である特定顧客付加価値情報は、顧客のパーソナル情報、顧客購入履歴情報、顧客趣味・嗜好情報等から類推され且つ厳選された広告情報及び同様に商品提供元やスポンサーから優先選択された広告情報を含み、これらは顧客が理解し易い動画像情報又はAR情報、VR情報であるため、大量の情報をわかり易く顧客等に提供することができる。
【0029】
つまり、第1の情報に紐付けされた顧客識別情報の中の顧客パーソナル情報や購入履歴情報等をもとに、第2の再注文プログラム情報やマーケティングリサーチプログラム情報の中から必要な個別情報を選択し、且つ優先順位を付す。同様に、第1の情報に紐付けされた商品識別情報のなかのリサイクル商品やレンタル商品などの商品仕様情報をもとに、第2の情報である取扱説明情報や安全使用情報、組立設置情報等の中から個別情報を選定し、且つ優先順位を付すことができる。これらは予め設定された本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムのアルゴリズムに従って成される。
【0030】
本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムの前記第2の情報である前記特定顧客付加価値情報は、立体画像情報及び/若しくは立体動画情報及び/若しくは立体AR(拡張現実)情報及び/若しくは立体VR(仮想現実)情報及び/若しくは音声情報のいずれか一つを含むものであって、インターネット(ネットワーク)を経由した双方向通信が可能であることを特徴とする。
【0031】
これらの情報は、例えばヘッドマウントディスプレイ(以降、「HMD」と称する。)などを用いて視認することができるAR情報であってもよく、AR情報であれば、別途AR情報読取機構(或いはアプリケーション)を介して所望のサイトに導き、このサイト上で例えば組立設置方法である三次元画像を、角度を変えて前後左右上下から利用者に視認させることもできる。本発明に係るAR利用情報システムを用いることにより、組立困難な商品の組立方法や商品の安全使用方法などの大量の情報を、顧客等使用者に正確にわかり易く且つ容易に伝達することができる。
【0032】
本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムは、こうして選定され優先順位を付した情報をもとに、優先順位に従い検索用目録画面を作成し、かかる画面に係る情報を顧客等に提供する第2の情報の表紙として情報取得機構に送信する。これによって、顧客等は、スキャナ・スマートフォン等の情報取得機構装置によって取得したディスプレイ上の第2の情報の検索用目録画面から必要な情報を指定してその詳細を得ることができる。
【0033】
本発明に係るAR利用取説提供システムによれば、顧客等は、商品の入手と共に、当該商品及び顧客の個別情報に応じて選定された情報を要望順に適時かつ簡易に画像又は動画・VR動画・音声等として入手することができる。しかもこれらの情報はインターネット等ネットワークを介した双方向の通信システムとして提供されるため、質問・応答等情報交換も可能となる。前記情報取得機構が身体装着型情報端末装置(HMD等)であれば、商品付随情報との双方向通信を、AR情報を媒介として行うことができる。
【0034】
また、本願は、搬送対象商品またはその梱包外装もしくはその包装体(BOX)に付された商品識別情報或いは依頼者識別情報を含む第1の情報を読み取る情報読取機構と、
前記情報読取装置(機構)により読み取られた前記第1の情報に紐付けされた第2の情報を取得する情報取得機構と、
前記情報取得機構によって取得された第2の情報が表示される表示機構と
を具備する情報提供システムとして実現される。
【0035】
ここで、各用語は以下の意味を包含する。
・商品識別情報:商品コード等。バーコード、QRコード(登録商標)、ARマーカー等。
・依頼者識別情報:依頼者情報、発注者情報等。
・情報読取機構:スキャナ、スマホのコード読み取り機能を持つアプリ等。
・第2の情報:商品識別情報或いは依頼者識別情報等に紐付された広告情報。或いは、商品識別情報或いは依頼者識別情報とさらなる情報(たとえば、クラウド上に規定されるのでもよい履歴情報、個人の趣向規定情報等)とに基づいてプッシュされる商品プロモーション情報であってもよい。
・情報取得機構:第1の情報をもとに第2の情報を取得できる機能を有していればよく、たとえば、ある属性を規定し、この属性を持つ情報すべてを走査・取得する機能であっても、或いはある情報になんらかの操作を加えることで第2の情報を得るような機能であってもよい。
・表示機構:スマホ、プロジェクタ、PC画面
【0036】
提供商品が、使用段階で種々の付随商品を必要とする汎用商品等であれば、付随商品を含めた使用方法、付随商品広告、値段、仕様、購入方法などを、顧客が本発明に係るAR利用取説提供システムを介して、画面情報を立体的に視認しながら選択することができる。同様に、提供商品が、リサイクル商品やレンタル商品、介護用商品、家具等であれば、商品の配送業者等が、顧客先で本発明に係るAR利用取説提供システムを介して、商品組立設置や安全使用の説明、試験稼働などについての説明を、顧客と共に画面情報を視認しながら実施することができる。わかり易く、印刷物の読解ミス等によるトラブルが激減し、商品選択のための検討時間や商品組立設置時間等も大幅に短縮できる。
【0037】
このように本発明に係るAR利用取説提供システムによれば、商品出荷時の各種印刷物情報の選別・同梱作業が大幅に軽減され、作業コストの大幅削減につながる。また、印刷物提供では不可能であった大量の情報を、わかり易く動画などの画像で適時簡易に且つ双方向通信可能な形態で提供することができる。加えて提供される情報は、顧客にとって客観的なアルゴリズムによる優先順位が示されているため、必要な情報を早く有効に活用することができる。商品提供側も再注文を受けやすく且つマーケットリサーチ情報を簡易に入手することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、顧客に対する商品の配送と共に、顧客の特徴に応じたあらゆる情報及び商品に関する顧客の要望する情報を、タイムリーに密度高く、静止画像又は動画若しくは/及び音声として情報提供でき、しかも双方向の情報交換が可能なシステムとして提供できる商品付随情報の提供が可能になるため、商品の出荷の際の付随同梱作業の煩雑性を格段に向上させつつ、経済効率も格段に向上させることの可能な商品配送及び情報提供システムが実現される。
【0039】
本発明によれば、顧客に対する商品の配送と共に、顧客の特徴に応じたあらゆる情報及び、商品に関する顧客の要望する情報を、タイムリーに密度高く且つ多くの情報を、画像又は動画・音声として情報提供でき、しかも双方向の情報交換が可能なシステムとして提供できる商品付随同梱情報の提供が可能になる。商品物流倉庫の出荷の際の付随同梱作業の安全性と作業効率を格段に向上させつつ、経済効率も格段に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値提供システムのイメージを示した機能ブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムにおける顧客付加価値情報選択のアルゴリズムの概念を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムによって提供する付加価値情報とその目録の実施例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るAR利用取説提供システムの情報読取機構の概要を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムの情報読取機構の概要を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムを構成する機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0042】
本願に係る技術的思想は、主に、図1乃至10に表される。その一実施形態をかいつまんで説明すると下記のようなものになる。
【0043】
商品物流倉庫内に入庫又は保管されている商品には、全て商品個別識別情報が設定されている。例えばその情報の中には、商品個別情報、関連商品情報などがある。商品個別情報には、商品のJANコード、ISBNコード、や大きさ、体積、重さ、価格、製造者、出荷元情報などの他に、出荷内容物情報、取扱説明情報、安全情報などが含まれている。また、関連情報広告情報の中には、製造者である会社情報、関連商品情報、広告情報などが含まれている。ここで、含まれていると説明した情報のなかには、商品個別識別情報から直接読み取ることができる直接情報と、その直接情報からインターネット等を接続経由して呼び出すことのできる予めインターネットサイトに登録された間接情報の両方を含めている。いずれも商品個別識別情報から連動して呼び出すことのできる商品情報である。
【0044】
また、商品物流倉庫管理情報の中には、その商品の入庫日、保管位置番地、数、ロット、保管特別仕様などの情報が含まれている。
【0045】
また、商品出荷管理情報の中には、商品の出荷に関する情報である出荷先個別情報、数、出荷日程、金額、入金出金管理を含む注文管理情報が含まれている。
【0046】
顧客情報の中には、顧客の住所等のプライベート情報以外に、顧客が最近同一の購入システムで何をどのくらい購入したか等の顧客の好み購買嗜好を読み取れる情報が含まれている。このような情報は、顧客に対してどのような広告情報が有効か、どのような広告が購買につながりそうかなどを推測するのが可能な情報である。
【0047】
本発明で注目すべき情報は、上記商品個別識別情報又は商品物流倉庫管理情報、商品出荷管理情報と連動して関与する商品出荷時における同梱を目的とした出荷包装付随同梱情報である。以降、この商品出荷時の出荷包装付随同梱のための情報を「出荷付随同梱情報」と称する。
【0048】
出荷付随同梱情報には、商品出荷の際、必要となる情報で、商品と共に付随すべき商品取扱説明情報、製造者情報、広告情報、返品のための情報、あるいは支払いのための情報など様々なものがある。場合によっては、特殊な包装方法を指示するような情報も考えられるし。リサイクルレンタル商品であれば、配送者宛の情報や配送者による設置、組立、取扱い情報なども含まれる。
【0049】
これらの出荷付随同梱情報は、それぞれの倉庫管理トータル情報のなかの商品個別識別情報に含まれるか、倉庫管理情報に含まれるか、出荷管理情報に含まれるか、あるいは個別の管理情報として個別サーバ管理されているかは別として、これらは全体としてコンピュータ上連動している。
【0050】
例えば、ひとつのAという商品をある顧客に出荷する際、上記管理情報が連動して、Aという商品に関連する同製造者商品広告や他社関連商品広告あるいは商品Aに関連するあらゆる分野の広告情報が想定される。したがってこれらの広告主からの依頼によってこのA商品出荷の際付随同梱される広告情報は決定される。決定された広告情報は、本発明のひとつの実施形態であるAR利用顧客付加価値情報提供システムによって選択されて、QRコード(登録商標)又はバーコード等の識別情報として包装箱又は包装箱に貼付されるラベルに印刷されて出荷される。こうすることによって、従来のような紙ベースの個別広告を選別して同梱するというような煩わしい作業は不要となる。識別情報は、本発明の顧客付加価値情報提供システムと連動した自動プリンターによって包装箱の特定部分に印刷されるか、ラベルに印刷されて自動貼付されればよい。
【0051】
識別表示の自動印刷方法や技術又はラベルへの印刷から自動貼付などの技術については公知の技術範囲で十分対応可能である。本発明に係る技術思想に影響はない。
【0052】
本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムの、このように商品包装箱に印刷された識別情報は、直接携帯情報端末またはパソコン等の読み取り装置の画像認識システムによって読み取って認識することができる。この認識情報は前述の直接情報であってもよいし、またインターネットを介して呼び出すことのできるインターネットのサイト呼び出しのための情報であってもよい。
【0053】
本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムにおける認識情報は、後者のインターネットで呼び出すサイト情報を主体に説明する。
【0054】
商品の包装に付随される識別情報からアクセスされたインターネットサイトには、その特定商品の識別情報に応じた画像又は動画情報が予め保存されており、アクセスした顧客はその情報をインターネット経由で表示画面を通じて入手し認識する。表示画面は、携帯型情報端末のディスプレイであってもよいし、パソコンモニターであってもよいし、画像映写機であってもよい。又はヘッドマウントディスプレイであってもよい。インターネットを経由して双方向通信を必要とする場合はヘッドマウントディスプレイであれば非常に都合がよいことは周知の事実である。
【0055】
このように、A商品の出荷包装付随情報として登録された識別情報は、予め用意されたインターネットサイトの画像又は動画の広告情報とすることができるため、広告情報提供者側はAに関連するあらゆる広告情報を商品購入者に提供することができる。ただし、表示された識別情報を購入者側が読み取り行為を実施するか否かは不明であるため、これにはアクセスによってポイント提供などのインセティブを同様のシステムで提供すればよい。これらの誘導方法に関してはあらゆるビジネス形態が本発明に便乗できることは言うまでもない。
【0056】
同様に、リサイクルレンタル商品のような場合は、上記のような出荷包装付属情報や広告情報に限定せず、配送者や中間介在者のための情報も添付同梱情報として識情報を登録すればよい。包装箱又はラベルに印刷された識別情報から、配送者や中間介在者も識別情報を読み取りインターネットサイト情報にアクセスすることができる。車椅子や介護用ベッドのようなリサイクルレンタル商品は、客先での組立・設置・取扱い説明など商品安全使用のための取扱説明の伝達が必須である。配送者や中間介在者は、いつでも顧客と接している際、識別情報にアクセスし、画面を利用して組立設置方法や安全取扱い情報などに画像又は動画そして音声を伴った情報として入手できる。
【0057】
例えば介護用機器のリサイクルレンタル商品の出荷配送においては、様々な仕様の介護商品を顧客配送先で設置組立するのは配送者である場合が多い。配送者は、様々な商品についての設置組立方法を理解認識することは非常にむずかしい、このような場合、配送商品の識別表示を読み取り、組立設置方法や取扱い方法、安全使用方法などにアクセスして画像また動画で情報を得ることの効果は大きい。
【0058】
単なる組立手順であっても、紙に記載された組立手順を理解するのに代えて、動画情報として組立方法を順番に立体的に視認できることはその理解効果が大きく異なることは容易に想像できる。これは単なる広告情報の提供などのような提供サイドの要望に留まらず使用者や顧客側の要求にも十分にこたえ得るシステムである。社会的価値も高いと言える。
【0059】
包装箱に印刷された識別情報または貼付されたラベルに印刷された識別情報は、直接情報のみでなくインターネット経由でアクセスできる間接情報であるから、その情報量やアクセス時間に制限はない。膨大な情報アクセス手段を顧客に商品配送と共に提供することができる。そしてその提供情報は提供する企業サイドからするといつでも増減、変更、追加が可能であり、広告媒体としては非常に効果的な価値の高い報手段となる。
【0060】
上記個別情報をリンクさせることによって、出荷する商品にはどのような付随情報を同梱させることが有効かということがコンピュータ上で判断できる。それと生産者側の提供希望する広告情報のマッチングによって選定すれば足りる。
【0061】
広告付随情報にしてもコンピュータで管理された一定の商品において何人の購入者にどのような広告情報を何回識別表示を印刷して送付したかを即時に把握できるため、広告依頼数に対する受注数として活動回数などすぐに把握でき、それに対するアクセス数の確認によって、広告の効果の把握も容易にできる。従来の効果確認が不確実な広報及び広告宣伝活動に比較して遥かに内容を把握しやすいものとなる。
【0062】
それぞれの情報管理システムにはそれぞれのデータベースをもち大量のデータを逐次リンクさせて商品出荷時の付随情報を割り出すことができる。ビッグデータの活用にも匹敵する。
【0063】
商品物流倉庫内に入庫又は保管されている商品には、全て商品識別情報が設定されている。商品識別情報には、商品のJANコードや大きさ、重さ、価格、製造者、出荷元情報などの商品仕様情報の他にリサイクル商品やレンタル商品、介護用商品などの商品特性情報などが含まれている。顧客識別情報は、顧客個別の名前・住所・年齢等のパーソナル情報に加え、過去の購入商品履歴などの顧客の好みや嗜好を推定することのできる情報も含まれている。
【0064】
客先に出荷される商品は、倉庫管理情報の中の出荷情報と、商品識別情報と顧客識別情報とによって保管倉庫からピッキングされて包装され、若しくは/及び梱包されて出荷される。包装又は梱包される際、商品に付随する情報として商品仕様情報、商品取扱説明情報、商品組立設置方法情報、商品安全使用情報などはここに添付される、若しくは、特定のサイト上にアップロードされる。これらは、従来は紙印刷物として同梱される場合や予め商品に添付されていたものである。
【0065】
図1は、本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムのイメージを示した機能ブロック図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムは、コンピュータ管理システムの中に、倉庫管理情報部100と第1の情報である商品識別情報及び顧客識別情報を格納する商品識別情報部110及び顧客(依頼者)識別情報部120を具備し、同様に、第2の情報である商品付随情報を格納する商品付随情報部130を具備して構成されている。また後述するアルゴリズム処理部140とインターネットに連接する商品付随情報目録作成部150とを含んでいる。
【0066】
商品識別情報部110の中には、商品仕様情報111、製造会社情報112、レンタル商品情報113、介護用商品情報114、クレーム・事故情報115等の情報が格納される各情報格納部がある。
【0067】
顧客識別情報部120の中には、顧客の名前・年齢・住所等の顧客パーソナル情報121、購入履歴情報122、趣味・嗜好情報123等の個別の顧客情報が格納される各情報格納部がある。
【0068】
商品付随情報部130の中には、取扱説明情報131、安全使用情報132、組立設置情報133、配送荷扱い情報134、再梱包方法情報135、再注文プログラム情報136、マーケティングリサーチプログラム137等の情報が格納される各情報格納部がある。
【0069】
本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムは、上記のような各種情報部の情報処理を制御コントロールする情報処理部104によって制御及び稼働指示を受ける。また本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムは、識別マーカー印刷等の機械制御及び後述する顧客からのインターネットを経由したアクセスに対する応答処理を含めた全体システムを統括制御する全体的制御を行う制御部1042を有する。
【0070】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムにおいては、倉庫管理情報部100からの指示による商品出荷の際、商品の外装又は包装箱に商品識別情報及び顧客(依頼者)識別情報(以降、「顧客識別情報」と称する。)を含む例えばARマーカーのような識別マーカーが印刷される。この識別マーカーは、前述のようにバーコード又はQRマーカー等であってもよく、その商品の顧客識別情報及び商品識別情報が含まれる識別子情報、或いはこれらの情報が格納(若しくはアップロード)される読取り可能な識別子であればよい。また識別マーカーはラベルに印刷されて包装箱に貼付されてもよい。識別表示の自動印刷方法又はラベルへの印刷から自動貼付方法などの技術については公知の技術を採用することができる。
【0071】
商品に印刷されたARマーカー(以降においては、識別マーカーは包装箱に印刷されたARマーカーを例として説明する。)は、倉庫管理情報部100の出荷情報に基づき、商品識別情報及び顧客識別情報を含んでいる。顧客識別情報とは商品の出荷依頼者を含めた顧客を意味しており、多くの場合は商品の購入顧客識別情報となるが、レンタル商品やリサイクル商品又は代理店など中間事業者が介在する場合もあるため、それらを包括したものとして顧客識別情報と称する。
【0072】
ARマーカーを包装箱に印刷された商品は、配送トラック等の配送業者によって顧客のもとへ出荷される。
【0073】
ARマーカーに含まれた第1の情報である商品識別情報及び顧客識別情報は、倉庫管理情報によって出荷指定された商品及び顧客の情報であるが、この第1の情報は本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムである商品識別情報部110や顧客識別情報部120に連動している。つまり出荷された商品に付された商品識別情報は、第1の情報である商品識別情報部110のなかの商品仕様情報111や製造会社情報112等に紐付けされており、同様に、出荷された商品に付された顧客識別情報は、第1の情報である顧客識別情報部120のなかの顧客パーソナル情報121や購入履歴情報122等に紐付けされている。
【0074】
図1に示すように、第2の情報の中には上記の他に、商品付随情報130を格納する情報格納部が含まれている。商品付随情報130には、取扱説明情報131、安全使用情報132、組立設置情報133、配送荷扱い情報134、再梱包情報135など商品に付随する様々な情報が含まれている。これらの情報は、文書や図の情報に留まらず、立体画像や動画情報、AR情報、音声情報の形態も含まれる。
【0075】
出荷された商品の第1の情報である商品識別情報からは、第2の情報である商品付随情報130のなかの必要な情報が紐付けされて予め選定されている。例えばその商品の組立設置情報133である組立方法のAR動画音声情報が選定されている。また、出荷された第1の情報である顧客識別情報からは、同様に商品付随情報130のなかの再注文プログラム情報136、マーケティングリサーチプログラム137等が紐付け選定されている。
【0076】
本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムは、第1の情報である顧客識別情報と商品識別情報とに基づいて、一定の公知のアルゴリズム処理を実行することによって、紐付けされている様々な商品付随情報のなかから優先順位をつけて情報を選定し、その優先順位に従って商品付随情報の目録ページを作成する。図1に示すアルゴリズム処理部140は、上記アルゴリズム処理を実行し、商品付随情報目録作成部150は、優先順位に従った商品付随情報の目録ページを作成し、インターネットに連接することにより外部の顧客に向けて情報発信する。
【0077】
図2に示すように、顧客に提供すべき商品付随情報は多岐にわたり、情報量としてはおびただしい量の情報となる。場合によってはこれらの大量の情報は、顧客にとっては不都合な提供者側のプッシュ情報として判断され有効に活用されずに破棄されるとも限らない。本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムでは、顧客識別情報である顧客パーソナル情報・購入履歴情報・趣味嗜好情報等や商品識別情報である商品仕様情報・クレーム事故情報等を反映した一定のアルゴリズムを用いて選定する商品付随情報に優先順位を付加する。
【0078】
このアルゴリズムの考え方の一例としては、その顧客及びその商品の特徴に基づき、どの商品付随情報がその顧客にとって最も必要となるかを推測考慮して、提供すべき複数の商品付随情報に優先順位を付す等の処理を行う。予め設定することができ、逐次追加、変更ももちろん可能である。
【0079】
図2は、本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムにおける顧客付加価値情報選択のアルゴリズムの概念を示す図である。(後述する図6は、本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムのブロック図であり、以下に示す情報番号は図6の記載を参照する。)
【0080】
図2に示すように、例えば特定顧客に対するA広告情報を選択する場合は、現在購入した商品仕様情報(1)−2、顧客パーソナル情報(3)−1、顧客購入履歴情報(3)−2等からなる情報を予め設定された一定のアルゴリズムを用いて選択し、選別し、数量限定し、優先順位を付加して最終決定される。これらのアルゴリズムは、逐次変更追加が可能なものであることは言うまでもない。
【0081】
例えば特定顧客に対するBマーケティングリサーチプログラムを選択する場合は、現在購入した顧客パーソナル情報(3)−1、趣味・嗜好情報(3)−3等からなる情報を予め設定された一定のアルゴリズムを用いて選択し、選別し、数量限定し、優先順位を付加して最終決定される。例えば、その情報は顧客に対する商品満足度のアンケート依頼などとなって提供される。
【0082】
例えば特定顧客に対するC組立セッティング方法を選択する場合は、現在レンタルした商品情報(1)−3、製造会社情報(1)−1等からなる情報を予め設定された一定のアルゴリズムを用いて選択し、選別し決定され、レンタルした商品の組立方法や安全使用の情報となって顧客に提供される。
【0083】
例えば特定顧客に対するX再注文プログラム情報を選択する場合は、現在購入した商品仕様情報(1)−2、顧客購入履歴情報(3)−2等からなる情報を予め設定された一定のアルゴリズムを用いて選択し、選別し、数量限定し、優先順位を付加して最終決定される。再注文の承り書として顧客に提供されることになる。
【0084】
上記のようにアルゴリズムによって個別に選択された全ての情報は、最終的には同様にアルゴリズム処理されて優先順位を付加され、商品付随情報目録作成部(後述する。)からインターネットを経由して顧客に提供される。
【0085】
例えば、介護用レンタル商品の顧客への提供の場合は、商品配送業者であるドライバーが顧客先で商品の組立設置をし、安全使用の説明をすることが優先されるため、選定される商品付随情報は、組立設置情報と安全使用情報とが顧客付加価値提供情報の優先順位の上位を確保する。そして優先順位によって作成される付随情報の目録ページの最上位には、組立設置情報と安全使用情報とが表示される。
【0086】
図3には、本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムによって提供する付加価値情報とその目録の実施例を示した。図3に示すように、顧客に提供される商品付随情報は上記のアルゴリズム処理によって優先順位を付されて優先順位に従って情報のトップページである商品付随情報目録に情報題名のみが表示される。顧客は優先順位に従い、又は優先順位を参考に自ら必要とする情報を選択しインターネットを経由して入手できる。入手し利用する情報の詳細は、AR動画情報や動画、音声等を駆使してわかり易く正確に作成された商品付随情報部130に含まれる予め選択された第2の情報の詳細情報である。
【0087】
図4には、本発明の一実施形態に係るAR利用取説提供システムの情報読取機構を示す概要も示した。図に示すように、顧客が、届いた商品の包装箱2に付されたARマーカー3の商品識別情報と顧客識別情報をスマートフォン4のような画像読み取り装置を用いて読み取るとそれがトリガー情報となる。インターネット(ネットワークシステム)を介してそのトリガー情報を本発明の一実施形態に係るAR利用取説提供システムが認知し、予め作成されていた当該商品識別情報と当該顧客識別情報による商品付随情報目録5を送信しスマートフォン4のディスプレイに表示する。商品付随情報目録作成部150は、インターネットのホームページURLとして機能する。
【0088】
読み取るための情報端末機器はARマーカーを画像認識できる読取り装置又はヘッドマウントディスプレイ(HMD)などのウエアラブル情報端末や携帯情報端末であればよい。優先順位で示された商品付随情報目録をHMDやディスプレイで確認した顧客は、目録の中の必要な情報を選定して詳細な商品付随情報を得ることができる。
【0089】
図5には本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値提供システムの情報読取機構を示す概要を示した。図はHMD7を用いて商品付随情報6を読み出した場合を示している。同図に示すように、例えば顧客が読み出す詳細情報が本棚の組立方法のAR情報であれば、顧客はHMDによって商品の開梱方法9からネジ位置情報10、組立方法11、完成図情報12などを立体動画で見ることができる。簡易で非常にわかり易い情報であるため間違えないで本棚を組立てることができる。
【0090】
例えば、介護用レンタル商品の顧客への提供の場合は、商品配送業者が顧客先で商品の組立設置をしなければならない。そのために顧客又は商品配送業者は、商品のARマーカーをHMD又は携帯情報端末等で画像認識することによってディスプレイ上に読み出された商品付随情報目録をまず確認し、優先順位最上位の組立設置情報を選択する。
【0091】
例えば、ある商品を購入した顧客は、本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値提供システムの情報読取機構を利用して、商品関連情報からその商品に必要な消耗品や補修パーツの購入や関連商品の購入などもできる。また他社商品にどのようなものがあるか、価格なども宣伝コマーシャル情報から見ることができる。また製造会社からの商品アンケートに答えたり、場合によってはポイントの付加や抽選商品等の提供などを受けることができる。
【0092】
本発明の一実施形態に係るAR利用取説提供システムによって、この組立設置情報がAR三次元立体動画情報として作成されていた場合は、商品配送業者はディスプレイに投影された動画を上下前後左右から視認しながら正確に素早く介護用レンタル商品を組み立てることができる。単なる組立手順であっても、紙印刷物に記載された組立手順を理解するのに代えて、動画情報として組立方法を順番に立体的に視認できることはその理解の早さが大きく異なることは容易に想像できる。同様にこの組立設置情報が双方向通信によって対応可能な情報として作成されていた場合は、商品配送業者は、組立方法の不明な事項について質問し、音声応答を得ながら正確に素早く介護用レンタル商品を組み立てることができる。
【0093】
例えば介護用レンタル商品の場合、商品配送業者は商品を組立設置した後、顧客に安全な使用方法について説明しながらデモストレーション稼働をする必要がある。商品配送業者は、上記と同様に商品付随情報目録の優先順位上位の安全使用情報を呼び出し、安全使用方法の三次元動画情報を顧客と共に確認することができる。これで安全で正しい使用方法や注意情報を正確に確実に顧客に伝えることが可能となる。
【0094】
本発明の一実施形態に係るAR利用取説提供システムは、その他、配送荷扱情報や取扱説明情報なども客先において識別マーカーの第1の情報を読み取ることによって提供することができる。これらの情報は顧客に限らず配送業者、代理店やケアマネージャ等も最もわかり易い正確な商品情報として活用することができる。
【0095】
上記に加えて本発明の一実施形態に係るAR利用取説提供システムによって提供される商品付随情報は、上記情報に限らず例えば広告情報などを含む膨大な情報を商品の提供と共に依頼者及び顧客に提供することができる。これらの情報は、従来の印刷物情報提供のデメリットを超越して大量に正確にわかり易く且つ活用しやすい方法で提供することができ、加えて顧客に適した優先順位を付加した情報として提供することができる。
【0096】
図6は、本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムを構成する機能ブロック図である。同図に示すように商品出荷の際、商品はその包装に特定顧客識別マーカー3が印刷されたラベルが付され又は特定顧客識別マーカー3が直接印刷され出荷される。商品を受け取った顧客は、スマートフォン4(登録商標)やヘッドマウントディスプレイ(HMD)7を用いて商品の特定顧客識別マーカーを認識するとその情報がインターネットを介して顧客付加価値情報提供システムにつながる。
【0097】
本発明の一実施形態に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムは、特定顧客識別マーカー3を認識することによってその顧客のために集められた特定顧客付加価値情報を優先順位に従って商品付随情報目録5をトップページとしたURLアプリ13の情報を、インターネットを介して顧客に提供する。
【0098】
既に記載したようにURLアプリ13の中には、特定顧客のために集められた情報が全てAR画像情報又はAR動画情報を含めて選択されており、その中にはいわゆるプッシュ情報と呼ばれる広告・宣伝情報、販売のためのスポンサー情報等も含まれている。それらの情報はインターネット14を介した双方向通信によって繋がっているため、紙ベースの情報と違い提供する情報量に制限はない。また顧客側から積極的な情報発信を行うことも可能である。
【0099】
また顧客側から積極的な情報発信を行うことも可能である。たとえば、アプリ(アプリケーション)の機能として、特定顧客識別マーカーにスマホを当てると商品付随情報目録が立ち上がり、次にその中から顧客が「カスタマーレビュー」を選択するとカスタマーレビューのページが立ち上がり、簡単にカスタマーレビューを書き込むことができる、つまり、顧客の方から広告することができる機能を設けてもよい。
【0100】
因みに、HP上、この部分は「カスタマーレビュー」、「レビューを見る」、「満足度・レビュー」又は「クチコミ」等として現在実現されている、いわゆるレビュー欄(派生型)は、商品購入動機として、消費者側で重要視している点であることから、この部分の構成を重視した戦略を取りやすくするのをシステム的に担保できる。
【0101】
さらにはたとえば、上記の派生型と把握できるが、商品をスマートフォンカメラで撮影し、すぐにそれを第三のサイト、たとえばYou−Tube(登録商標)やニコニコ動画(登録商標)上に掲載できる機能を設けてもよい。この機能についても、広告宣伝機能の1つとして備えてあるとも理解でき、そうとなれば、広告宣伝機能をさらに充実化するのをシステム的に担保できる。
【0102】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。たとえば、商品付随情報は上述の事例の範囲に留まらず多種にわたり本発明と同様の提供が可能である。顧客識別情報と商品識別情報を基に商品付随情報を優先選択するアルゴリズムにおいても例えば顧客識別情報量の増加や社会状況の変化に応じて様々な変更や追加が可能であることは言うまでもない。当然ながらいわゆるビッグデータと称する情報をも取り込むことができる。これらの変更及び改善対応はいずれの形態もすべて本技術思想の一部である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
上述したように、本願に係る発明によれば、顧客に対する商品の配送と共に、顧客の特徴に応じたあらゆる情報及び、商品に関する顧客の要望する情報を、タイムリーに密度高く且つ非常に多くの情報を、画像又は動画・音声として情報提供でき、しかも双方向の情報交換が可能なシステムとして提供できる商品付随情報の提供が可能になる。
【0104】
したがって、本発明に係るAR利用顧客付加価値情報提供システムは、商品出荷配送における作業性を格段に向上させつつ、経済効率も格段に向上させることの可能な情報提供システムが実現される。よって、本願は、商品物流業に限定されず各種産業に対して大きな有益性をもたらすものである。
【0105】
上述したように、本願に係る発明によれば、顧客に対する商品の配送と共に、顧客の特徴に応じたあらゆる情報及び、商品に関する顧客の要望する情報を、タイムリーに密度高く且つ非常に多くの情報を、画像又は動画・音声として情報提供でき、しかも双方向の情報交換が可能なシステムとして提供できる商品付随同梱情報の提供が可能になる。商品出荷配送における安全性と作業性を格段に向上させつつ、経済効率も格段に向上させることが実現される。したがって、本発明に係るシステムは、各種産業に対して大きな有益性をもたらすものである。
【符号の説明】
【0106】
1 AR利用顧客付加価値情報提供システム
2 商品包装箱
3 ARマーカー(特定顧客識別マーカー)
4 スマートフォン
5 商品付随情報目録
6 商品付随情報目録作成部
7 ヘッドマウントディスプレイHMD
8 HMD操作機
9 開梱方法AR情報
10 ネジ位置AR情報
11 組立方法AR情報
12 完成図AR情報
13 URLアプリ
14 インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6