【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 A.展示 展示会名 HOUSE VISION 2016 プレ展示 展示日 2016年7月5日〜28日 B.電気通信回線を通じた発表 掲載アドレス http://www.lixil.co.jp/s/house_vision_2016/jp/default.htm 掲載年月日 2016年7月7日 C.配布 配布場所 国土交通記者会、国土交通省建設専門誌記者会 配布日 2016年6月22日 D.電気通信回線を通じた発表 掲載アドレス http://newsrelease.lixil.co.jp/news/2016/070_company_0622_01.html 掲載年月日 2016年6月22日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記浴槽の側壁の内面のうちの、前記吐水部と離間する側の面は、下側から上側に向かって漸次前記吐水部と離間する側に延び、かつ前記吐水部と近接する側に突出する曲面に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の浴槽装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る浴槽装置を添付図面によって説明する。
図1は実施形態に係る浴槽装置80を備える設備ユニットSをマンション等の各種の建物内に設けた居室空間Kに設置した住居構造Jの模式図である。
図2から
図5は実施形態に係る浴槽装置80を備える設備ユニットSを示すものである。
図1において、建物内の住居の居室空間K内に水回り設備Mを備えた設備ユニットSが設置されている。設備ユニットSは給水管および排水管等の各種配管やダクト、電気設備等を収容した集約設備1と、その周囲に設けられた複数の水回り設備Mとで構成されている。
図2および
図3に示すように本実施形態では、水回り設備Mとして、集約設備1の周囲に便器10(
図3参照)、浴槽装置80、キッチン台30、および洗面台33が設けられている。設備ユニットSは居住空間K内の任意の位置で床仕上面2上に設置されている。
【0019】
図2に示す集約設備1は、床仕上面2から起立する起立ユニット3とその上部に設けた天井ユニット4とで略L字形に形成されている。
起立ユニット3は水回り設備Mを支持する塔状構造体である。起立ユニット3は水平断面が縦横方向にそれぞれ所定幅を有する中空の筒体で形成され、床仕上面2から自立して鉛直方向に延びている。本実施形態における起立ユニット3は例えば角筒状とされ、各角部に設けた補強用のフレームと壁面をなすパネル材とで構成されている(
図3参照)。
起立ユニット3の内部には給水管および排水管等の各種配管、および換気用ダクト等が収容されている。起立ユニット3の内部に収容された各種配管、配線およびダクト等は、略鉛直方向に延在する姿勢に配置されている。
【0020】
天井ユニット4は水平方向に延在していて、断面略U字状に形成されて上部が開放されており、起立ユニット3の上端部に連結されている。起立ユニット3と天井ユニット4のコーナー部において、各配管は例えばL字管を介して連結され、天井ユニット4上の他端は居住空間Kの壁面を通して設備用の縦管を収納するパイプシャフトに格納された給水管や排水管などにそれぞれ接続されている。或いは、天井ユニット4は壁面と非接触に支持されていてもよい。或いは、天井ユニット4は壁面と非接触に支持されていてもよい。
天井ユニット4の内部には給水管および排水管等の各種配管、および換気ダクト等が収容されている。天井ユニット4の内部に収容された各種配管、各種配線およびダクト等は天井ユニット4が延在する水平方向に姿勢に配置されている。
【0021】
なお、天井ユニット4は居室空間Kの外部まで延びていて、内部の配管等が居室空間Kの外部の配管等に連結されていてもよい。天井ユニット4は図示しない天井面をなす天井スラブの梁からわずかに隙間を開けて下側に設置されているが、天井面に当接して設置してもよい。
【0022】
天井面と天井ユニット4との間に適宜の隙間を設置した方が、天井が高く見えるため好ましい。天井面は突出する梁や施工誤差等の関係で水平でない場合があり、天井ユニット4を天井面から離すことで水平に設置することができる。しかも、天井面と天井ユニット4との間に隙間を設けると後述するように天井ユニット4に配設した各種配管や電気配線24や換気ダクト21等のメンテナンスを行いやすい。
また、床仕上面2から天井ユニット4までの距離は適宜設定できるが、一例をいえば、2118mm〜1720mmの範囲、或いは2118mm〜1830mmの範囲に設定できる。
【0023】
起立ユニット3や天井ユニット4は例えば略四角形筒枠や略U字枠等のフレームをパネルで覆った筒状や枠状にした構成でもよいし、或いはフレームを用いることなく高剛性パネルだけで四面を形成したフレームレス構造でもよい。また、起立ユニット3や天井ユニット4は略四角形筒状や断面略U字枠状に限定されず、略円筒状でもよいし他の多角形筒状でもよく、その断面形状は任意に設定できる。
【0024】
また、
図3に示すように、起立ユニット3の両側面には側壁(構造部材)12a、12bが略平行に配列されている。側壁12a、12bは所定厚みを有する壁体で、フレーム材とパネル材とで構成された構造部材である。側壁12a、12bは起立ユニット3を補強している。側壁12a、12bは、起立ユニット3の側面よりも水平方向の寸法が大きく、かつ床仕上面2から天井面近傍まで達する高さ寸法(起立ユニットと略同じ高さ寸法)に形成されている。本実施形態では、側壁12aは水平方向の寸法がキッチン台30の幅寸法と略同じ寸法に形成され、側壁12bは水平方向の寸法が洗面台33の幅寸法と略同じ寸法に形成されている。
側壁12a、12bは、それぞれの延在方向(
図3における左右方向)の一方の端部が起立ユニット3よりも延在方向の一方側に配置され、他方の端部が起立ユニット3よりも延在方向の他方側に配置されている。側壁12a、12bの延在方向の一方の端部側は浴槽81の起立ユニット3側の一部を囲っている。
【0025】
また、側壁12a、12bの他方の端部側は起立ユニット3の浴槽81と反対側に延びて便器10の両側部に配置されている。側壁12a、12bそれぞれの他方の端部側の間には便所16となる空間が形成されている。側壁12a、12bの他方の端部間の開口に便所16の扉11が開閉可能に取り付けられている。なお、扉11は設置しなくてもよい。
【0026】
図2に示すように、集約設備1における起立ユニット3および天井ユニット4の投影面内の空間には起立ユニット3に浴槽装置80が設置されている。
図2および
図4に示すように、浴槽装置80は、床仕上面2の上に設置される浴槽81と、起立ユニット3の側部に設けられたシャワー82と、起立ユニット3の側部に設けられた肩掛けシャワー(吐水部)83と、を有している。
浴槽81は起立ユニット3(又は床仕上面2)に対して可動しないように起立ユニット3および床仕上面2に固定されている。浴槽81の上方には天井ユニット4が設置されており、これが浴槽81の天井になる。
図5および
図6に示すように、浴槽81は、平面視形状が長尺の略長方形に形成されていて、平面形状が長尺の略長方形状の底部811と底部811の縁部全周から立ち上がる側壁812と、を有している。側壁812のうち平面視における長辺方向(
図5および
図6の左右方向)に延びる一対の部分をそれぞれ長辺側壁813,814とし、短辺方向(
図5および
図6の上下方向)に延びる一対の部分をそれぞれ短辺側壁815,816とする。浴槽81は、長辺方向が天井ユニット4が延びる方向となり、一対の短辺側壁815,816のうちの一方の短辺側壁815が起立ユニット3に固定され、他方の短辺側壁816が起立ユニット3と離間している。
【0027】
浴槽81の底部811には、起立ユニット3側(一方の短辺側壁側)における短辺方向の略中央部に排水口817が形成され、排水口817を開閉可能な目皿818が設けられている。排水口817は平面視形状が短辺方向に長い楕円形状に形成されている。目皿818は、平面視形状が排水口817に相当する楕円形状に形成されていて、排水口817を塞ぐ際には排水口817に嵌合するように構成されている。排水口817および目皿818が楕円形に形成されていることにより、排水口817を塞いでいる目皿818が回転することが防止される。
また、目皿818の上面818aは、排水口817を塞いた状態において、浴槽81の底面811a(底部811の上面)に沿った形状に形成されている。本実施形態では、
図7(a)および(b)に示すように、目皿818の上面818aは、下側にやや凹んだ凹面に形成されている。
本実施形態では、排水口817および目皿818が起立ユニット3側に設けられているため、一方の短辺側壁815および起立ユニット3に背を向けるようにして浴槽81の底面811aに座った入浴者の臀部が排水口817および目皿818の上部に位置することがある。このとき、目皿818が浴槽81の底面811aに沿った形状で、上面が下側にやや凹んだ凹面に形成されていることにより、入浴者が違和感なく目皿818の上に座ることができる。また、目皿818が楕円形で排水口817に対して回転することが防止されるため、入浴者が目皿818の上に座った際にも目皿818が回転してがたつくことが防止される。
また、
図5および
図6に示すように、浴槽81は、他方の短辺側壁816の内面816aが、下側から上側に向かって漸次起立ユニット3と離間する側に延び、かつ起立ユニット3と近接する側に突出する曲面に形成されている。
【0028】
図4に示すように、シャワー82は、起立ユニット3の側部のうちの浴槽81と対向する側部に設けられた凹部821に設置されている。凹部821は、浴槽81の長辺方向のうちの起立ユニット3と離間する側に開口していて、この起立ユニット3と離間する側から見て略長方形状に形成されている。凹部821には上方を向く載置面821aが形成されている。
シャワー82は、シャワーヘッド822と、シャワーヘッド822に接続されたホース823とを有している。
シャワーヘッド822は、載置面821aの上に載置可能に構成されている。ホース823は、起立ユニット3の内部に設けられたホース収容部(不図示)に収容されている。シャワーヘッド822が凹部821から取り出されると、ホース823が載置面821aに形成された孔部821bから引き出されるように構成されている。また、シャワーヘッド822が凹部821の載置面821aの上に載置されると、ホース823が起立ユニット3の内部のホース収容部の内部に収容される。
載置面821aには入浴に使用するシャンプーやせっけんなどを載置することができる。
【0029】
図5、
図8および
図9に示すように、肩掛けシャワー83は、浴槽81に向かって吐水可能に構成されている。肩掛けシャワー83は、起立ユニット3の内部に設けられた肩掛けシャワー用給水管831と、起立ユニット3の側部のうちの浴槽81と対向する側部に形成された複数の吐水用孔部832と、を有している。
肩掛けシャワー用給水管831は、起立ユニット3の内部の給水管および給湯管と接続されている。
複数の吐水用孔部832は、肩掛けシャワー用給水管831と接続されている。肩掛けシャワー用給水管831から供給された湯水は吐水用孔部832を介して浴槽81に吐水される。
複数の吐水用孔部832は、起立ユニット3の側面に沿って一列また複数の列で水平に配列されている。複数の吐水用孔部832は、例えば、浴槽81の底面811aから高さが約500〜700mmのいずれかの高さとなるように配列されている。また、複数の吐水用孔部832が配列される幅寸法(短辺側壁815に沿った寸法)は、例えば、浴槽81の起立ユニット3側の幅寸法を約800mmとした場合、約半分の約400mmに設定されている。
また、複数の吐水用孔部832は、起立ユニット3の側面に設けられていて、浴槽の81の一方の短辺側壁815の外側に配置されている。
複数の吐水用孔部832は、浴槽の81の一方の短辺側壁815の外側に配置されていて、浴槽81の底面811aからの高さが例えば、500〜700mmのいずれかの高さに設定されている。これにより、複数の吐水用孔部832から吐水され湯水を浴槽81の底面811aに座った入浴者の肩や首に掛けることができる。本実施形態では、起立ユニット3の側面に設けられた複数の吐水用孔部832から湯水が吐水される形態としたが、複数の吐水用孔部832に代わって起立ユニット3の側面にバー状のシャワーが取り付けられていて、このバー状のシャワーから湯水が吐水される形態としてもよい。
【0030】
本実施形態では、浴槽81にオーバーフロー孔84が設けられている。そして、本実施形態では、オーバーフロー孔84から流れ出た湯水を、起立ユニット3の排水管に流して排水される状態と、肩掛けシャワー用給水管831に循環させて複数の吐水用孔部832を介して再び浴槽81に吐水される状態と、に切り替え可能に構成されている。
肩掛けシャワー83を使用する際には、起立ユニット3の給水管および給湯管から供給された湯水を複数の吐水用孔部832から吐水させる状態と、浴槽81の湯水を循環させて複数の吐水用孔部832から吐水させる状態と、を選択することができる。
なお、肩掛けシャワー83を使用する際に、浴槽81の湯水を循環させるように選択しても、浴槽81の湯水がオーバーフロー孔84の高さに達しない場合には、起立ユニット3の給水管または給湯管から供給された湯水を吐水用孔部832から吐水させ、浴槽81の湯水がオーバーフロー孔84の高さに達し、オーバーフロー孔84から湯水が流れる状態となった後に浴槽81の湯水を肩掛けシャワー83に循環させるようにしてもよい。
【0031】
起立ユニット3の側面には、シャワー82や肩掛けシャワー83のレバー、シャワー82や肩掛けシャワー83の給湯温度の調整および肩掛けシャワー83の運転の切り替え等を行うためのコントロールパネル等の操作部85(
図4および
図10参照)が設けられている。
起立ユニット3には、浴槽81が取り付けられる位置に浴槽81を連結可能な浴槽連結部3aが設けられている。浴槽連結部3aは、浴槽81を位置決めして取り付けるための係止金具やダボ、浴槽81が嵌合可能な嵌合部などで構成されている。起立ユニット3に浴槽連結部3aが設けられていることにより、起立ユニット3に浴槽81を取り付ける際の墨出しが不要になる。
【0032】
また、本実施形態では、
図4に示すように、長辺側壁813,814それぞれの上部に配置され、浴槽81の内外を間仕切り可能な一対の開閉扉35が設けられている。一対の開閉扉35は、例えばガラス扉などで構成されている。
図10に示すように、一対の開閉扉35は、天井ユニット4の下面の幅方向両端部にそれぞれ設けられた吊り下げ機構36にスライド可能に支持されている。また、開閉扉35は、吊り下げ機構36に支持されてスライドすると、浴槽81の長辺側壁813,814の上縁部に沿ってスライドするように構成されている。また、一対の開閉扉35は起立ユニット3側にスライドすると側壁12a、12bの内側に入り込むように構成されている。
一対の開閉扉35が側壁12a、12bの内側に配置されると、浴槽81の内外が連通され、入浴者が長辺側壁813,814を跨いで浴槽81に出入り可能となる。また、一対の開閉扉35をスライドさせて一対の長辺側壁813,814の上部に配置することで浴室15の空間を居住空間Kから仕切ることができる。
側壁12a、12bのうちの浴槽81に対向する面には、防水性を有するタイルパネル34(
図11参照)が貼り付けられている。
【0033】
次に、開閉扉35の吊り下げ機構36について詳述する。
図11および
図12に示すように、吊り下げ機構36には、天井ユニット4の下面の幅方向両端部に設けられ、天井ユニット4の長手方向に延びた一対のレール受け部40を有している。この一対のレール受け部40には浴室15の両側に沿ってスライド可能な開閉扉35の各複数対の車輪44が吊り下げられている。
図12に示す吊り下げ機構36の拡大図に示すように、天井ユニット4の幅方向両端下面には上部枠体37の下面にねじ止めされた下部枠体38が設置されている。下部枠体38内の上部には中央開口40bを挟んで両側に一対のレール部40aが形成されたレール受け部40が長手方向に沿って延びている。
【0034】
一方、開閉扉35の上端部を両面側から挟んで支持する一対の支持部42の上部に支持軸43が突出形成されている。この支持軸43は中央開口40bを通してレール受け部40から下方の支持部42に延びており、支持軸43の上部両側にはレール部40aに載置されて摺動可能な一対の車輪44が支持されている。
一対の支持部42で挟持されて吊り下げられた開閉扉35は下方に垂下されており、
図10に示すように、その下縁部は浴槽81の一対の長辺側壁813,814の天端に設けられた受け溝46内に納められている。そのため、開閉扉35は、天井ユニット4のレール受け部40に沿ってスライド移動すると、受け溝46にガイドされて摺動し開閉作動する。なお、受け溝46は浴槽81の起立ユニット3と離間する側から起立ユニット3に近接する側に向けてわずかに下方傾斜している、また、浴槽81の一対の長辺側壁813,814には、受け溝46内に入り込んだ湯や水が起立ユニット3側に流れて浴槽81内に落下するようにガイドするガイド部(不図示)形成されている。
なお、受け溝46に流れ込んだ湯や水は、起立ユニット3側に流れて浴槽81の上面と起立ユニット3との隙間からその下方に設けた排水パン(不図示)に誘導して起立ユニット3内の第一排水管17に接続して排水するようにしてもよい。
なお、受け溝46は、浴槽8の上縁面に形成される溝としたが、これに限られることなく、浴槽8の上縁面に設けられた断面コ字状のレールとしてもよい。
また、レール受け部40の起立ユニット3から離間した外側端部には開閉扉35が外れることを阻止するための図示しないストッパーが設けられている。
【0035】
図13および
図14に示すように、起立ユニット3の浴槽81と反対側の側面には水洗便器等の便器10が固定されている。
図4に示す例では便器10は床仕上面2より上側に浮いて起立ユニット3の側面に固定されている。なお、便器10は起立ユニット3に支持されるとともに床仕上面2に支持されていてもよい。また、便器10は例えば図示しない回動軸回りに起立及び倒伏可能に支持され、起立ユニット3にその一部が収納可能であってもよい。
起立ユニット3には、便器10が取り付けられる位置に便器10を連結可能な便器連結部3bが設けられている。便器連結部3bは、便器10を位置決めして取り付けるための係止金具やダボ、便器10が嵌合可能な嵌合部などで構成されている。起立ユニット3に便器連結部3bが設けられていることにより、起立ユニット3に便器10を取り付ける際の墨出しが不要になる。
【0036】
起立ユニット3の一方の側面に連結された一方の側壁12aの外側には、その下部に流し台やガス台等を有する下部キャビネット29を備えたキッチン台30が設置されている。
図14に示すように、一方の側壁12aの外側には、その上部でキッチン台30の上方に上部キャビネット31が取り付けられている。本実施形態では、一方の側壁12aの外側がキッチンの空間を構成している。
一方の側壁12aには、キッチン台30および上部キャビネット31がそれぞれ取り付けられる位置にキッチン台30および上部キャビネット31を連結可能なキッチン台連結部12cおよび上部キャビネット連結部12dが設けられている。
キッチン台連結部12cおよび上部キャビネット連結部12dは、キッチン台30および上部キャビネット31を位置決めして取り付けるための係止金具やダボ、キッチン台30および上部キャビネット31が嵌合可能な嵌合部などで構成されている。一方の側壁12aにキッチン台連結部12cおよび上部キャビネット連結部12dが設けられていることにより、一方の側壁12aにキッチン台30および上部キャビネット31を取り付ける際の墨出しが不要になる。
【0037】
起立ユニット3の他方の側面に連結された他方の側壁12bの外側には、その下部に洗面ボウル等を有する洗面台33が取り付けられている。他方の側壁12bの外側には、その上部で洗面台33の上方に上部キャビネット33aが取り付けられている。本実施形態では、他方の側壁12bの外側が洗面所の空間を構成している。
他方の側壁12bには、洗面台33および上部キャビネット33aが取り付けられる位置に洗面台33および上部キャビネット33aを連結可能な洗面台連結部12eおよび上部キャビネット連結部12fが設けられている。
洗面台連結部12eおよび上部キャビネット連結部12fは、洗面台33および上部キャビネット33aを位置決めして取り付けるための係止金具やダボ、洗面台33および上部キャビネット33aが嵌合可能な嵌合部などで構成されている。他方の側壁12bに洗面台連結部12eおよび上部キャビネット連結部12fが設けられていることにより、他方の側壁12bに洗面台33および上部キャビネット33aを取り付ける際の墨出しが不要になる。
【0038】
また、
図13および
図15に示す集約設備1において、浴槽81内の排水は排水管を介して略角筒状の起立ユニット3内に設置した第一排水ポンプ(圧送ポンプ)P1に供給され、第一排水管17を介して起立ユニット3および天井ユニット4を通して外部に排出される。
なお、浴槽81の排水口と第一排水ポンプP1との間の排水管の排水勾配を確保できない場合には、浴槽81の排水口近傍に別の排水ポンプを設けて第一排水ポンプP1まで圧送するように構成されていてもよい。
また、第一排水ポンプ(圧送ポンプ)P1には、キッチン台30や洗面台33の排水管も接続されている。
第一排水ポンプ(圧送ポンプ)P1は排水や排水中のごみ等の物体をインペラ(羽根車)で砕く等して第一排水管17を通して上方に圧送する。この第一排水管17も起立ユニット3内を上方(鉛直方向)に延びて略90度方向を変えて断面略U字状の天井ユニット4上を横方向(水平方向)に延びて外部に突出している。
浴槽81、キッチン台30および洗面台33の排水管は、床下を通らずに床仕上面2よりも上側において起立ユニット3に引き込まれて第一排水ポンプP1に接続されている。
【0039】
また、便器10内の汚物や汚水を含む排水は排水管を介して起立ユニット3内の第二排水ポンプ(圧送ポンプ)P2に排出され、第二排水管18を介して外部に排出される。第二排水ポンプP2は、排水中の汚物等をインペラ(羽根車)で砕く等して第二排水管18の上方に圧送する。この第二排水管18も第一排水管17と同様に、起立ユニット3内を上方に延びて略90度方向を変えて天井ユニット4上を横方向に延びて外部に突出している。
便器10の排水管は、床下を通らずに床仕上面2よりも上側において起立ユニット3に引き込まれて第二排水ポンプP2に接続されている。
なお、第一排水ポンプP1および第二排水ポンプP2には、小形のタンクが設けられており、各ポンプは例えばタンクに貯留した排水の水位によってON/OFF制御されるように構成されている。
【0040】
また、起立ユニット3および天井ユニット4内には、浴槽81、キッチン台30および洗面台33等に給湯を行う給湯管19と、浴槽81、便器10、キッチン台30および洗面台33に給水を行う給水管20とが収容されている。
浴槽81、キッチン台30および洗面台33の給湯管は、床下を通らずに床仕上面2よりも上側において起立ユニット3に引き込まれて起立ユニット3内の給湯管19に接続されている。浴槽81、便器10、キッチン台30および洗面台33の給水管は、床下を通らずに床仕上面2よりも上側において起立ユニット3に引き込まれて起立ユニット3内の給水管20に接続されている。
【0041】
また、起立ユニット3および天井ユニット4内には、浴室15やキッチン台30を換気するための換気ダクト21が収容されている。便所16内では、便器10の下側付近に開口22aを有していて臭気を吸引し排気する排気ダクト22が設置されている。これら換気ダクト21や排気ダクト22も起立ユニット3および天井ユニット4を通って外部に延びている。なお、換気ダクト21に設けられる換気ファンや排気ダクト22に設けられる排気ファンについては、適宜の位置に設置されていればよく、例えば、起立ユニット3内に設置されていれもよいし、天井ユニット4内や外部に設置されていてもよい。
【0042】
集約設備1内には、浴室15や便器10、キッチン台30や洗面台33等に給電したり、信号送受信したりするための電気配線(配線)24も束ねて設置されているが、これら電気配線24は配線配管25内に通線していてもよいし、或いは配線配管25を用いずに、束ねて又は個別に配設していてもよい。また、これらの配管以外に空調用の配管(冷媒配管)、ガス管等を含んでいてもよい。
【0043】
更に起立ユニット3の各側面には、便器10での操作パネル等が設置されていてもよい(図示せず)。起立ユニット3の各側面には、照明、給湯、空調等を制御するスイッチ、コンセント、コントローラー、リモコンや、玄関等の周辺環境の状態を把握し制御するカメラ等の撮影機器又は赤外線センサ等の監視機器等を制御する受像機やリモコン等を設置してもよい。
そして、集約設備1の内部に収容した電気配線24等を通して上述したスイッチやリモコン等に電力を供給したり制御信号を入出力したりすることができる。
【0044】
なお、各配管や換気ダクト21、排気ダクト22等の断面形状は任意であり、天井ユニット4の高さを圧縮するために楕円形や長方形等の扁平な断面形状の配管やダクト等を採用してもよい。また、
図10や
図15において、本実施形態では、天井ユニット4を断面略U字状に形成して上部を天井側に開放したため、各配管や換気ダクト21や排気ダクト22や電気配線24等を取り出し易くメンテナンスや交換等が容易になる。なお、天井ユニット4の上面に開閉可能な蓋を設置すれば、埃やごみ等の付着を防いで各部材のメンテナンスや交換等を容易に行うことができる。
【0045】
また、起立ユニット3の側部や側壁12a,12bには照明器具(不図示)が設けられていてもよい。照明器具は、起立ユニット3の内部の電気配線に接続されている。照明器具のスイッチは起立ユニット3の側面などに設けられている。
起立ユニット3や側壁12a,12bに照明器具が設けられていることにより、照明器具で水回り設備Mや水回り設備Mが設置された空間を照明することができる。また、起立ユニット3に設けられた照明器具で居住空間Kを照明することもできる。このため、建物(居住空間Kの天井面など)に照明を設置する必要がなく、その手間を省略することができる。
起立ユニット3や側壁12a,12bに設けられた照明器具で居住空間Kを照明する場合、照明器具の光を居住空間Kの天井に向かって照射し、天井で反射した光によって居住空間全体を間接照明として照明することができる。なお、照明器具の光を居住空間Kに直接照射してもよい。
また、設備ユニットSの外周における足元の巾木部分に、足元照明を設けてもよい。このようにすることにより、居住空間Kを演出することができる。また、夜間に足元照明によって設備ユニットSの足元部分を照明することにより、居住空間Kの安全性を向上させることができる。
【0046】
また、起立ユニット3の側部や側壁12a,12bには、水回り設備Mに用いるコンセントとは別に、居住空間Kで使用する居住空間用のコンセント(不図示)が設けられていてもよい。居住空間用のコンセントは、居住空間Kで使用する生活家電などを接続するために設けられていて、一般的に設けられる足元付近の高さ(例えば床上300mm程度)、および一般的に設けられる高さよりも高い腰高付近の高さ(例えば床上900mm程度)の2つの異なる高さにそれぞれ設けることができる。
コンセントが2つの異なる高さにそれぞれ設けられていることにより、コンセントの数を増やすことができてタコ足配線を防止することができる。また、腰高付近の高さにコンセントが設けられることにより、足元付近のコンセントに接続するときのように使用者が屈む必要がないため、高齢者などにとっても使い勝手が良い。
一般に、居住空間におけるコンセントの位置は、設計時に最適な位置に計画したつもりでも、実際に居住してみると使いにくい場合がある。これに対し、起立ユニット3の側部や側壁12a,12bに使用しやすい高さにコンセントが設けられていることにより、居住した後にも使い勝手の良い位置にコンセントが設けられていることになる。
【0047】
また、起立ユニット3や天井ユニット4には居住空間Kの冷房や換気を行うための機器やダクト(不図示)が設けられていて、起立ユニット3の側面や天井ユニット4の下面に、冷暖房や換気などの空調の吹出し口や吸込み口(不図示)が設けられていてもよい。
また、暖房を行う際に足元に暖気を供給することが効率的である。しかしながら、一般的にエアコンなどの空調機は天井や壁の上端部近傍に設けられていて、暖房は天井側から行われている。また、足元に暖気を供給するために、床置きの暖房器具を設置することが考えられるが、暖房器具によって居住空間Kを狭くしてしまうという問題がある。
そこで、起立ユニット3の足元付近に、居住空間Kに暖気を送風する吹出し口(不図示)を設けて、居住空間Kに足元側から暖気を供給するようにしてもよい。これにより、居住空間を快適かつ効率的に暖房することができる。
【0048】
集約設備1における各配管等を収容した天井ユニット4は必ずしも断面略U字状に形成されていなくてもよい。例えば、
図16(a)に示すように断面略矩形状の筒型に形成されていてもよいし、或いは
図16(b)に示すように平板状等の載置面に形成されていてもよい。いずれの場合でも、天井ユニット4は第一排水管17や第二排水管18や給湯管19や給水管20や換気ダクト21や排気ダクト22や電気配線24等を居室空間Kの床側から目視できないように配設できればよく、美観を損ねることがない。
【0049】
本実施形態においては、起立ユニット3内に設けた第一および第二排水管17,18や給湯管19や給水管20等の各種の配管や電気配線24等は二重床内に引き込むことなく、床仕上面2よりも上側から起立ユニット3を通して立ち上げて天井ユニット4を介して天井側に取り回すようにした。そのため、集約設備1とその周囲の浴槽81や便器10やキッチン台30や洗面台33等の水回り設備Mを床仕上面2上で起立ユニット3を中心にして適宜位置に選択的に且つ容易に設置できる。そして、各種配管・配線・ダクトは、天井ユニット4から例えば居住空間Kの壁を通して外部に延ばす等することができ、水回り設備Mの配置の多様化を図ることができる。
【0050】
本実施形態に係る設備ユニットSは上述した構成を備えており、次にその施工方法について説明する。
まず、建築工事で床仕上面2まで施工する。このとき、床下(二重床内)には設備配管類は一切設置する必要がないため、建築工事との取り合いがない。続いて、居室空間K内の適宜の位置に集約設備1の起立ユニット3を床仕上面2上に設置する。居室空間K内での起立ユニット3の設置位置は平面視中央付近でもよいし、コーナー部でもよいし、或はいずれかの壁面に近接する位置に設置してもよい。
図1に示す例では居室空間Kの中央に設置した。起立ユニット3の内部には、第一排水ポンプP1と第二排水ポンプP2が設置されており、第一排水ポンプP1に第一排水管17を接続して上方に延ばしている。同様に第二排水ポンプP2に第二排水管18を接続して上方に延ばしている。更に、給湯管19や給水管20や換気ダクト21や排気ダクト22や電気配線24等を収容した配線配管25等も同様に収容されている。なお、起立ユニット3は工場においてフレーム枠を構築し、その内部に適宜配管・配線・ダクト類を取り付けた状態で現場に搬入し、施工現場にて起立ユニット3のパネル材を取り付けるようにしてもよいし、パネル材まで工場で取り付けて搬入するようにしてもよい。
【0051】
図2および
図3において、起立ユニット3は例えば略四角形筒状である。起立ユニット3に予め設けられた浴槽連結部3aに浴槽81を連結し、起立ユニット3に予め設けられた便器連結部3bに便器10を連結する。そして、浴槽81の排水管を第一排水ポンプP1に接続し、便器10の排水管を第二排水ポンプP2にそれぞれ接続する。また、浴槽81の給水管および便器10の給水管を起立ユニット3の給水管20に接続する。
起立ユニット3の側方の一方の側壁12aに予め設けられたキッチン台連結部12cにキッチン台30を連結し、上部キャビネット連結部12dに上部キャビネット31を連結する。そして、キッチン台30の排水管を第一排水ポンプP1に接続する。また、キッチン台30の給水管を起立ユニット3の給水管20に接続する。
起立ユニット3の側方の他方の側壁12b予め設けられた洗面台連結部12eに洗面台33を連結し、上部キャビネット連結部12fに上部キャビネット33aを連結する。そして、洗面台33の排水管を第一排水ポンプP1に接続する。また、洗面台33の給水管を起立ユニット3の給水管20に接続する。
【0052】
これらの水回り設備Mは起立ユニット3の略四角形筒状の各側面に放射状に設置して設備ユニットSを形成することになる。しかも、各配管等は起立ユニット3を介して天井側に延ばすことで、各水回り設備Mの建築工事と設備工事との錯綜や取り合いをなくすことができる。そして、
図1に示すように、設備ユニットSを居室空間Kの中央付近に設置することで、その周囲を有効活用することができる。
具体的には、設備ユニットSの周囲をリビングや寝室として利用したり、動線としての通路(廊下)や脱衣スペース、化粧直しのスペースとして利用したりできる。つまり、余計な間仕切り壁などを設けることなく、居住空間Kを最大限有効活用することができる。もちろん、設備ユニットSを中心に居室空間Kを図示しない壁面パネルや家具等で仕切ることで、台所や居室や洗面所や廊下等を区画形成してもよい。
【0053】
また、起立ユニット3の上端部に天井ユニット4を連結し、天井側に延ばした配管やダクト等を天井ユニット4上に載置する等して横方向にガイドして外部に突出させ外部配管等に連結させる。或いは、予め起立ユニット3に天井ユニット4を連結した略L字型の集約設備1を居室空間K内の床仕上面2に設置しておいてもよい。また、天井側に延ばした配管やダクト等は、天井ユニット4を設けない場合(
図1参照)でも、天井に沿って横方向に配設することで居住空間Kの壁等を介して外部に突出させてもよい。
このようにして、居室空間K内の適宜位置に設備ユニットSを設置できる。
なお、起立ユニット3や各水回り設備Mの下面に予め床仕上面2上での滑りをよくするスライダーボードを固定して置いてもよい。これによって、設備ユニットSの起立ユニット3や水回り設備Mを居室空間K内に設置したり移動させたりする場合に、重量があっても床仕上面2を傷つけることなくスムーズに移動させることができる。設備ユニットSを床仕上面2に固定する場合には、ネジ等で取り外し可能に床仕上面2に固定すればよい。
【0054】
また、本実施形態に係る設備ユニットSの使用方法の一例を説明すると次の通りである。
浴槽81を使用する場合には、図示しないコントロールパネル又は操作パネルを操作して集約設備1内の給湯管19を通して浴槽81内に給湯する。給湯終了後、開閉扉35を浴槽81の長辺側壁813,814に形成した受け溝46に沿ってスライドして開口することで入浴者が浴室15内に入って入浴できる。
なお、受け溝46に湯等が流入したとしても、受け溝46は起立ユニット3側に傾斜しているために、受け溝46を経由して浴槽81内に流し込むことができる。
入浴後は浴槽81内の湯を排出させ、第一排水ポンプP1によって第一排水管17を通して天井側に圧送して排水する。
【0055】
また、浴槽81にて肩掛けシャワー83を使用する場合は、入浴者は第1短辺側壁815に背を向けるようにして浴槽81の底面811aに座り、吐水用孔部から湯を吐水させて肩や首に湯を掛ける。このとき、吐水用孔部から吐水される湯が起立ユニット3の給湯管から供給された湯とするか、浴槽81の湯を循環させた湯とするか選択する。
【0056】
次に、便器10を使用する場合には、給水管20からの給水を溜めた図示しないタンクからの給水で便器10内の汚水や汚物等を流し、汚水や汚物等は排水管を介して第二排水ポンプP2に設けられたタンクに排水される。第二排水ポンプP2では汚物や汚水がインペラ等で砕かれた状態で第二排水管18第を通して天井側に圧送して排水される。キッチン台30や洗面台33においても、同様に給湯管19や給水管20から湯や水が給水され、排水として第一排水ポンプP1に排出される。
【0057】
上述したように、本実施形態に係る浴槽装置80によれば、浴槽81は、床仕上面2の上に設置されている。これにより、浴槽81の設置工事の際に床工事などの建築工事との調整作業を少なくすることができる。また、浴槽81と接続された排水管が床仕上面2よりも上側に配管されるため、排水管を設置する際に床工事などの建築工事との調整作業を少なくすることができる。
【0058】
また、従来の浴槽は、一般に浴室の洗い場の床面よりも下側の床スラブなどの上に配置されている。このため、洗い場の床面から側壁の上端部までの高さ寸法は、浴槽の底面から側壁の上端部までの高さよりも低くなる。これにより、浴槽の側壁の高さ寸法を使用者が浴槽の出入りの際に跨ぎやすい寸法としつつ、浴槽の深さを確保している。
これに対し本実施形態では、浴槽81が床仕上面2の上に設置されることにより、従来のような浴槽81が床仕上面2よりも下側の床スラブなどの上に設置される場合と比べて、浴槽81の側壁812の高さが低くなり浅い浴槽81となる。このため、入浴者が浴槽81の底面811aに座っても低い部位しか湯水に浸かることができない。例えば、胸部より上側が浴槽81の上方に位置し、胸部よりも下側しか湯水に浸かることができない。
これに対し、本実施形態では、浴槽81の側壁812の上端部よりも上方で、かつ浴槽81の外側に設けられて浴槽81の内部に湯水を吐水する吐水部が設けられている。これにより、吐水部から吐水された湯水を浴槽81の底面811aに座った状態の入浴者の例えば片や首に掛けることができるため、入浴者は片や首まで湯に浸かった感覚を得ることができ、リラックスすることができる。
【0059】
また、目皿818の上面818aが浴槽81の底面811aに沿った形状に形成されていることにより、入浴者は目皿818の上面818aに立ったり座ったりしても、違和感がない。このため、目皿818の位置を任意の位置に設計することができる。
例えば、浴槽81から居室の外部につながる排水管まで延びる排水管の長さを短くして排水勾配を確保するために、目皿818の位置を居室の外部へつながる排水管に近い位置とすると、目皿818の位置が浴槽81の底面811aに座った入浴者の臀部の下側となることがある。しかしながら、入浴者は目皿818の上面818aに座っても違和感がないため、任意の位置に目皿818を設計することができる。
また、目皿818の上面818aは、下側に凹んだ凹面に形成されていることにより、目皿818の位置が浴槽81の底面811aに座った入浴者の臀部の下側となると、入浴者は凹面に座ることになるため、浴槽81の底面811aに座った姿勢を維持しやすい。
【0060】
また、浴槽81には、オーバーフロー孔84が設けられていて、オーバーフロー孔84から流出した湯水が肩掛けシャワー83からの吐水用孔部832から吐水可能に構成されていることにより、吐水用孔部832から吐水される湯水を循環させることができる。
また、他方の短辺側壁816の内面は、下側から上側に向かって漸次起立ユニット3と離間する側に延び、かつ起立ユニット3と近接する側に突出する曲面に形成されていることにより、上方から見た際に浴槽81を広く見せることができる。このため、コンパクトな浴槽81であっても、入浴者が圧迫感を感じることなく入浴することができる。
【0061】
また、浴槽81の上部に開閉扉35が設けられていることにより、開閉扉35で浴槽81の上部を仕切ることで浴槽81自体を浴室15として使用することができる。これにより、浴室15の省スペース化を図ることができる。
また、開閉扉35の下端部がスライドする受け溝46は、起立ユニット3側に向かって漸次下側となるように傾斜していて、受け溝46に入り込み受け溝46に沿って起立ユニット3側に移動した湯水を浴槽81の内部にガイド可能に構成されていることにより、浴槽装置80の湯水が受け溝46に入り込んだとしても、受け溝46に湯水が溜まることを防止できる。
【0062】
また、浴槽81は、起立ユニット3の側部に設置され、浴槽81は、起立ユニット3の排水管に接続され、肩掛けシャワー83は、起立ユニット3の給水管に接続されていることにより、浴槽装置80の給水管および排水管を起立ユニット3の給水管および排水管に接続すればよいため、浴槽装置80を容易に設置することができる。
また、肩掛けシャワー83は、起立ユニット3の側部に設けられていることにより、肩掛けシャワー83の給水管および排水管を短くすることができ、浴槽装置80をコンパクトな形状とすることができる。
【0063】
なお、本発明に係る浴槽装置80は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能である。以下に、本発明の変形例等について説明するが、上述した実施形態で説明した部品や部材等と同一又は同様なものについては同一の符号を用いて説明を省略する。
【0064】
上述した実施形態では、目皿818の上面818aが浴槽81の底面811aに沿った形状で下側に凹む凹面に形成されているが、目皿818の形状は適宜設定されてよい。また、浴槽81の排水口817および目皿818の位置は適宜設定されてよい。
また、上述した実施形態では、浴槽81には、オーバーフロー孔84が設けられていて、オーバーフロー孔84から流出した湯水が肩掛けシャワー83からの吐水用孔部832から吐水可能に構成され、吐水用孔部832から吐水される湯水を循環させることができる。これに対して、肩掛けシャワー83からの吐水用孔部832から吐水される湯水は起立ユニットの給水管または給湯管から供給された湯水のみとしてもよい。また、浴槽81のオーバーフロー孔84の位置は適宜設定されてよく、浴槽81にオーバーフロー孔84が形成されていなくてもよい。
また、上述した実施形態では、浴槽81の他方の短辺側壁816の内面は、下側から上側に向かって漸次起立ユニット3と離間する側に延び、かつ起立ユニット3と近接する側に突出する曲面に形成されているが、浴槽81の812の形状は適宜設定されてよい。
【0065】
また、上述した実施形態では、浴槽81の上部に開閉扉35が設けられているが、開閉扉35が設けられていなくてもよい。また、開閉扉35を支持する機構は適宜設定されてよい。また、受け溝46の形状も適宜設定されてよく、受け溝46が設けられていなくてもよい。
また、上述した実施形態では、集約設備1が設けられていて、浴槽81は、集約設備1の起立ユニット3の側部に設置されているが、集約設備1が設けられていなくてもよい。また、浴槽装置80の給水管、給湯管および排水管は、床下に設けられた外部につながる給水管、給湯管および排水管に接続されていてもよい。
【0066】
また、上述した実施形態では、起立ユニット3の内部に設けられた肩掛けシャワー用給水管831と、起立ユニット3の側部のうちの浴槽81と対向する側部に形成された複数の吐水用孔部832と、を有する肩掛けシャワー83が本発明の吐水部として設けられているが、吐水部は、湯水を吐水可能であれば、シャワーでなくてもよい。
【0067】
また、上述した実施形態では、設備ユニットSの集約設備1内に収容した各種配管を天井側に延ばすように構成したが、本発明では第一および第二排水管17,18や給湯管19および給水管20等の配管の一部(例えば、排水管)は床仕上面2の下側、例えば床仕上面2と床スラブの間の空間等に敷設してもよい。この場合には床仕上面2の下側で配管設置工事が必要になる。
なお、配管を床下に引き込んで床下から取り回す場合、第一および第二排水管17,18において適切な排水勾配が確保できる場合には第一および第二排水ポンプP1,P2を設置せず、排水を自然流下方式としてもよい。
また、上述した各配管やダクトや電気配線24等の少なくとも一部を集約設備1の起立ユニット3を通して天井側に誘導させ、残りの一部を床下側に誘導するように構成してもよい。