(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6714091
(24)【登録日】2020年6月8日
(45)【発行日】2020年6月24日
(54)【発明の名称】真空掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 5/24 20060101AFI20200615BHJP
A47L 5/22 20060101ALI20200615BHJP
【FI】
A47L5/24 A
A47L5/22
【請求項の数】18
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-542247(P2018-542247)
(86)(22)【出願日】2017年2月7日
(65)【公表番号】特表2019-504712(P2019-504712A)
(43)【公表日】2019年2月21日
(86)【国際出願番号】KR2017001335
(87)【国際公開番号】WO2017150816
(87)【国際公開日】20170908
【審査請求日】2018年8月10日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0024022
(32)【優先日】2016年2月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジョンギュ
(72)【発明者】
【氏名】ナム,ボヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジェヨン
(72)【発明者】
【氏名】ベ,セファン
【審査官】
遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−096132(JP,A)
【文献】
特開2001−238828(JP,A)
【文献】
特開2001−321310(JP,A)
【文献】
特開平11−004787(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0132149(US,A1)
【文献】
特開2009−119034(JP,A)
【文献】
特開2012−239582(JP,A)
【文献】
特開2014−136014(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0320284(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 5/24
A47L 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除機であって、
吸入力を発生させるための吸入モータを備える掃除機本体と、
前記掃除機本体と連通し、空気と埃を吸入するための吸入部と、を備えてなり、
前記掃除機本体は、
本体部と、
前記本体部を移動させるための移動輪と、
前記本体部の後方に着脱可能に備えられ、前記本体部に電源を供給できるバッテリーと、
前記本体部の動きを感知する感知部と、
前記感知部の感知情報によって前記移動輪の駆動を制御する制御部と、を備え、
前記本体部は、前記移動輪の回転中心を基準に回転可能であり、
前記掃除機本体から前記バッテリーが分離されると、前記本体部の重心は、前記移動輪の回転中心を通る鉛直線を基準に前方に位置し、
前記感知部がオン(ON)されると、前記掃除機本体の重心が前記移動輪の回転中心を通る鉛直線上に位置するように、前記移動輪の駆動が制御されることを特徴とする、真空掃除機。
【請求項2】
前記掃除機本体に前記バッテリーが結合されると、前記掃除機本体の重心は、前記移動輪の回転中心を通る鉛直線を基準に後方に位置することを特徴とする、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項3】
前記掃除機本体から前記バッテリーが分離されると、前記本体部の底面の前方部は床面と接触することを特徴とする、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項4】
前記掃除機本体に前記バッテリーが結合された状態では、
前記バッテリーの重心は、前記移動輪の回転中心よりも下方に位置することを特徴とする、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項5】
前記本体部の後方には、前記バッテリーが装着されるバッテリー結合部が形成され、
前記バッテリーが前記バッテリー結合部に結合される方向は、前記鉛直線と鋭角をなすことを特徴とする、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項6】
前記バッテリーが前記バッテリー結合部に結合される方向は、前記掃除機本体が置かれた床面と鋭角をなすことを特徴とする、請求項5に記載の真空掃除機。
【請求項7】
前記バッテリーが前記バッテリー結合部に収容された状態で、前記バッテリー結合部をカバーするバッテリーカバーを備えてなることを特徴とする、請求項5に記載の真空掃除機。
【請求項8】
前記本体部の底面に備えられ、前記本体部の後方への回転範囲を制限する支持部を更に備えてなることを特徴とする、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項9】
前記支持部には、床面との摩擦によって回転する補助輪が備えられることを特徴とする、請求項8に記載の真空掃除機。
【請求項10】
前記支持部は、一側が前記本体部に回転可能に連結される延長部を備えてなることを特徴とする、請求項8に記載の真空掃除機。
【請求項11】
前記支持部には、前記延長部に弾性力を提供する弾性部材が備えられることを特徴とする、請求項10に記載の真空掃除機。
【請求項12】
前記感知部がオフ(OFF)されると、前記移動輪の駆動が停止することを特徴とする、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項13】
前記移動輪を駆動する駆動部を更に備えてなり、
前記制御部は、前記駆動部を制御することを特徴とする、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項14】
前記感知部がオフ(OFF)された状態で、前記掃除機本体から前記バッテリーが分離されると、前記本体部の重心が前記鉛直線を基準に後方から前方に移動することを特徴とする、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項15】
前記本体部の前方には、前記吸入部を介して吸入された埃が貯められるダストボックスが備えられることを特徴とする、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項16】
前記本体部には、使用者が把持するためのグリップ部が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項17】
前記掃除機本体は、使用者の動きを自動追従することを特徴とする、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項18】
前記掃除機本体の底面は、第1底面と、前記第1底面と一定角度をなす第2底面を備え、
前記掃除機本体から前記バッテリーが分離されると、前記第1底面は床面と接触し、前記第2底面は床面と離隔し、
前記掃除機本体に前記バッテリーが装着されると、前記第1底面は床面と離隔し、前記第2底面は床面と接触することを特徴とする、請求項1に記載の真空掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、真空掃除機は、本体内部に備えられる吸入モータを利用して、被掃除面に存在する埃および異物などを吸入した後、前記本体内部で埃および異物などをフィルタリングする装置である。
【0003】
前記のような真空掃除機は、吸入ノズルが本体と連結されて本体と一緒に移動するアップライト(up-right)型真空掃除機と、吸入ノズルが本体と延長管、ハンドル、ホースなどによって連結されたキャニスター(canister)型真空掃除機に区分することができる。
【0004】
先行文献である韓国登録特許公報第10‐1552437号には、真空掃除機に関する思想が開示される。
【0005】
前記先行文献の真空掃除機は、吸入力を発生させるための吸入モータを備える掃除機本体と、前記掃除機本体と連通し、空気と埃を吸入するための吸入部と、前記吸入部を前記掃除機本体に連結させるための連結部と、前記掃除機本体に備えられ、前記吸入モータに電源を供給できるバッテリーとを含む。
【0006】
一方、バッテリーを交替したり、別途の充電装置を利用してバッテリーを充電するためには、バッテリーを掃除機本体から分離しなければならない。
【0007】
しかし、先行文献の場合、バッテリーアセンブリが掃除機本体内部に設置されるので、バッテリーアセンブリを交替したり修理するためには、掃除機本体を分解しなければならないので、使用者が不便な問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、掃除機本体にバッテリーを容易に装着できる真空掃除機を提供することにある。
【0009】
本発明の別の課題は、掃除機本体が移動輪によって2点支持されるようにすることにある。
【0010】
本発明の別の課題は、掃除機本体の走行安定性を向上させることにある。
【0011】
本発明の別の課題は、掃除機本体が後方に転覆することを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
掃除機本体からバッテリーを容易に装着するために、本発明の一側面による真空掃除機は、吸入モータを備える掃除機本体を含み、前記掃除機本体は、本体部と、前記本体部を移動させるための移動輪と、前記本体部の後方に着脱可能に備えられ、前記本体部に電源を供給できるバッテリーとを含み、前記本体部は、前記移動輪の回転中心を基準に回転可能であり、前記掃除機本体から前記バッテリーが分離されると、前記本体部の重心は、前記移動輪の回転中心を通る鉛直線を基準に前方に位置する。
【0013】
また、掃除機本体が移動輪によって2点支持されるようにするために、前記掃除機本体に前記バッテリーが結合されると、前記掃除機本体の重心は、前記移動輪の回転中心を通る鉛直線を基準に後方に位置する。
【0014】
また、前記掃除機本体から前記バッテリーが分離されると、前記本体部の底面の前方部は床面と接触する。
【0015】
掃除機本体の走行安定性を向上させるために、前記バッテリーの重心は、前記移動輪の回転中心よりも下方に位置する。
【0016】
また、前記本体部の後方には、前記バッテリーが装着されるバッテリー結合部が形成され、前記バッテリーが前記バッテリー結合部に結合される方向は、鉛直線と鋭角をなすことができる。
【0017】
掃除機本体が後方に転覆することを防止するために、前記真空掃除機は、前記本体部の底面に備えられ、前記本体部の後方への回転範囲を制限する支持部をさらに含むことができる。
【0018】
また、前記支持部には、床面との摩擦によって回転する補助輪が備えられる。
【0019】
また、前記支持部は、一側が前記本体部に回転可能に連結される延長部を含むことができる。
【0020】
また、前記支持部には、前記延長部に弾性力を提供する弾性部材が備えられる。
【0021】
また、前記真空掃除機は、前記本体部の動きを感知する感知部と、前記感知部の感知情報によって前記移動輪の駆動を制御する制御部とをさらに含むことができる。
【0022】
また、前記感知部がオン(ON)されると、前記掃除機本体の重心が前記移動輪の回転中心を通る鉛直線上に位置するように、前記移動輪の駆動が制御される。
【0023】
また、前記感知部がオフ(OFF)されると、前記移動輪の駆動が停止する。
【0024】
また、前記本体部の前方には、前記吸入部を介して吸入された埃が貯められるダストボックスが備えられる。
【0025】
また、前記本体部には、使用者が把持するためのグリップ部が備えられる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の真空掃除機は、本体部からバッテリーが分離された状態では、重心が前方に位置して前方に回転するので、掃除機本体にバッテリーを容易に結合することができる。
【0027】
また、前記掃除機本体が一対の移動輪によって2点支持されるので、厚いカーペット、布団などの障害物を容易に乗越えて移動することができる。
【0028】
また、バッテリーの装着位置が掃除機本体の下側に位置するので、掃除機本体の重心が下方に移動して掃除機本体の走行安定性が向上する。
【0029】
また、本体部後方に支持部が備えられることで、本体部が後方に転覆することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施例に係る真空掃除機の斜視図である。
【
図2】
図1の本体部が前方に傾いた様子を示す図面である。
【
図3】
図1の本体部が後方に傾いた様子を示す図面である。
【
図5】掃除機本体にバッテリーを結合する様子を順次示す図面である。
【
図6】掃除機本体からバッテリーを分離する様子を順次示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一部実施例を例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図面において、同じ構成要素に対しては同じ符号を付する。
【0032】
また、本発明の実施例の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いることができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質または順序などが限定されるものではない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は他の構成要素に直接的に連結または接続される場合と、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」される場合を全て含む。
【0033】
図1は本発明の実施例に係る真空掃除機の斜視図である。
【0034】
図1を参照すると、本発明の実施例に係る真空掃除機1は、掃除機本体10および吸入装置20を含む。前記掃除機本体10は、吸入力を発生させる吸入モータを備える。前記吸入モータが駆動して吸入力が発生すると、前記吸入装置20は、前記掃除機本体10に埃が含まれた空気を案内することができる。
【0035】
前記吸入装置20は、掃除面の一例として、床面の埃を吸入するための吸入部21と、前記吸入部21を前記掃除機本体10に連結させるための連結部22、23、24を含むことができる。前記連結部22、23、24は、前記吸入部21に連結される延長管24と、前記延長管24に連結されるハンドル22と、前記ハンドル22を前記本体10に連結させる吸入ホース23を含むことができる。前記掃除機本体10には、前記吸入ホース23が結合されるコネクタ103が備えられる。
【0036】
前記掃除機本体10は、本体部110と、移動輪120およびバッテリー130を含む。
【0037】
前記本体部110には、前記吸入装置20を介して吸入された埃が貯められるダストボックス105が備えられる。前記ダストボックス105は、前記本体部110に分離可能に装着される。また、前記ダストボックス105は、前記本体部110の前方に備えられ、使用者が内部を確認できるように透明材質からなることができる。
【0038】
前記本体部110には、使用者が把持するためのグリップ部106が備えられる。使用者は、前記本体部110を持上げたり傾けようとするとき、前記グリップ部106を把持することができる。
【0039】
前記真空掃除機1は、前記吸入装置20から吸入された空気と埃を分離させる埃分離部(図示されない)を含むことができる。前記埃分離部は、前記ダストボックス105と別途の物品で製造されてもよく、前記ダストボックス105と1つのモジュールをなすことができる。
【0040】
前記移動輪120は、前記本体部110に回転可能に結合される。前記移動輪120は、一対提供され、前記本体部110の両側にそれぞれ結合される。
【0041】
前記バッテリー130は、前記本体部110に分離可能に結合される。前記バッテリー130が前記本体部110に結合された場合、前記バッテリー130が前記本体部110と一体をなすことができる。これによって、前記バッテリー130は、前記本体部110と一緒に運動することになる。
【0042】
前記バッテリー130は、前記真空掃除機1の駆動に必要な電源を供給する役割をする。前記バッテリー130は、充電および放電可能な2次電池からなることができる。前記バッテリー130には、商用電源を供給するための電源コード(図示されない)が別途に連結される。
【0043】
図2は
図1の本体部が前方に傾いた様子を示す図面であり、
図3は
図1の本体部が後方に傾いた様子を示す図面であり、
図4は
図3の支持部の構成を示す図面である。
【0044】
図2〜
図4を参照すると、前記本体部110の底面の少なくとも一部分は床面から離隔する。これによって、前記本体部110は、前記移動輪120を中心に前方または後方に回転することができる。
【0045】
前記掃除機本体10から前記移動輪120の回転中心を通る鉛直線Vを基準に、前記コネクタ103が配置された部分を前方と定義し、前記バッテリー130が配置された部分を後方と定義することができる。また、前記本体部110が前方に回転する場合とは、図面において前記本体部110が反時計回りに回転すること(
図2参照)を意味し、前記本体部110が後方に回転する場合とは、前記本体部110が時計回りに回転すること(
図3参照)を意味する。
【0046】
前記掃除機本体10は、前記移動輪120を駆動するための駆動部(図示されない)をさらに含むことができる。
【0047】
前記駆動部は、制御部によって自動制御される。これによって、前記移動輪120は、使用者の望む方向に自動で駆動される。即ち、前記制御部は、前記掃除機本体10が使用者の動きを自動追従するように制御することができる。
【0048】
前記掃除機本体10は、前記掃除機本体10の動きを感知するための感知部(図示されない)をさらに含むことができる。前記制御部は、前記感知部の感知情報によって前記移動輪120の駆動を制御することができる。
【0049】
前記感知部は、前記掃除機本体10の作動と同時に、累積する現在の角度と現在の速度を感知する通常のジャイロセンサを用いることができる。
【0050】
ジャイロセンサ(gyro-sensor)とは、運動している物体が回転すると、その速度方向に垂直にコリオリの力が作用するが、このような物理現象を利用して角速度を検出するジャイロの原理を利用したものとして、最初基準点から始めて変化量を累積させていくので、角度だけでなく位置の変化量も測定可能である。
【0051】
前記感知部がオフ(OFF)状態である場合、前記移動輪120は駆動しない。この場合には、前記本体部110は、重心の位置に応じて傾くことになる。例えば、前記本体部110の重心が前記移動輪120の回転中心を通る鉛直線Vの前方に位置すると、前記本体部110は
図2のように前方に傾き、前記本体部110の重心が鉛直線Vの後方に位置すると、前記本体部110は
図3のように後方に傾く。
【0052】
前記掃除機本体10は、第1底面Bと、第2底面Cを含むことができる。前記第2底面Cは、前記第1底面Bと一定角度で傾斜するように延長される。
【0053】
図2のような状態で、前記第1底面Bは床面Gと実質的に平行する。反面、前記第2底面Cは床面Gと離隔して床面Gと一定角度で傾斜するように配置される。
【0054】
前記感知部がオン(ON)されると、前記制御部は、前記掃除機本体10の重心が前記移動輪120の回転中心122を通る鉛直線V上に位置するように、前記移動輪120の駆動を制御することができる。
【0055】
この場合、
図3のように前記掃除機本体10の第1底面Bが床面Gから離隔する。
【0056】
前記掃除機本体10は、支持部140をさらに含むことができる。前記支持部140は、前記掃除機本体10の第2底面Cから延長される。前記支持部140は、前記掃除機本体10が後方に傾く角度を制限する機能をすることができる。
【0057】
前記掃除機本体10は、支持部140をさらに含むことができる。前記支持部140は、前記本体部110の底面の後方に配置され、前記本体部110の後方に延長される。前記支持部140は、前記本体部110が後方に傾く角度を制限する機能をすることができる。
【0058】
前記支持部140は、補助輪142を含むことができる。前記補助輪142は、床面Gとの摩擦によって回転することができる。これによって、前記掃除機本体10の走行を円滑にすることができる。
【0059】
前記支持部140は、延長部144をさらに含むことができる。前記延長部144の一側には、前記補助輪142が回転可能に連結される。
【0060】
前記支持部140は、回転軸146をさらに含むことができる。前記延長部144の他側は、前記回転軸146によって前記本体部110に回転可能に連結される。
【0061】
前記延長部144は、所定の範囲内で回転することができる。具体的に、前記延長部144は、a‐a'の範囲内で上方または下方に回転することができる。前記本体部110には、前記延長部144の回転範囲を制限する別途のストッパー(図示されない)が備えられてもよい。
【0062】
前記支持部140は、弾性部材150をさらに含むことができる。一例として、前記弾性部材150はトーションスプリングからなることができる。
【0063】
前記弾性部材150の一端152は、前記本体部110によって支持され、前記弾性部材150の他端153は、前記延長部144によって支持される。前記弾性部材150は、前記延長部144が図面において時計回りに回転するように弾性力を加えることができる。
【0064】
前記本体部110が前方に最大限傾くと、前記本体部110の底面Bの前方部が床面Gに接触する。これによって、前記本体部110の前方への最大回転角度が制限される。
【0065】
反面、前記本体部110が後方に傾くと、前記支持部140が床面Gに接触する。これによって、前記本体部110の後方への最大回転角度が制限される。これによって、前記本体部110が前方または後方に転覆することが防止される。
【0066】
前記弾性部材150の弾性力によって前記延長部144は、図面において時計回りに(
図4参照)弾性力を受けるので、前記本体部110が後方に過度に傾くと、前記支持部140によって前記本体部110に前方に回転力が作用することができる。
【0067】
前記本体部110が後方に最大限回転すると、前記本体部110の底面Bは床面Gと所定角度θをなすことができる。このとき、前記本体部110の底面Bと床面Gとの間の角度θは略17°〜20°である。
【0068】
前記バッテリー130には、カバー131が備えられる。前記バッテリー130が前記本体部110に装着された状態で、前記カバー131は外部に露出される。これによって、前記カバー131が前記本体部110の外形の少なくとも一部を形成することができる。また、使用者は、前記本体部110を分解することなく前記バッテリー130を前記本体部110から分離したり、前記本体部110に結合することができる。前記カバー131には、使用者が前記バッテリー130を前記本体部110に脱着し易いようにするグリップ部(図示されない)が備えられてもよい。
【0069】
以下では、前記本体部110から前記バッテリー130が脱着される過程に対して詳細に説明する。ただし、以下では、前記本体部110から前記バッテリー130が除去された場合には、前記本体部110の重心が前方に位置し、前記本体部110に前記バッテリー130が結合された場合には、前記本体部110の重心が後方に位置する場合と限定して説明する。
【0070】
図5は、本体部にバッテリーを結合する様子を順次示す図面である。
【0071】
図5(a)は前記本体部110から前記バッテリー130が分離された様子であり、
図5(b)は、前記本体部110に前記バッテリー130が結合された様子であり、
図5(c)は、本体部110が後方に傾いた様子を示す図面である。
【0072】
前記本体部110には、前記バッテリー130が結合されるバッテリー結合部107が形成される。前記バッテリー結合部107は、前記本体部110の一部が陥没して形成される。また、前記バッテリー結合部107には、前記バッテリー130の結合をガイドするための結合ガイド部(図示されない)が形成される。
【0073】
前記バッテリー結合部107は、前記本体部110の下側に形成され、これによって前記バッテリー130は、前記本体部110の下側に結合される。一例として、前記バッテリー130が前記本体部110に装着された状態で、前記バッテリー130の重心は、前記移動輪120の回転中心よりも下方に位置する。
【0074】
従って、前記バッテリー130が前記本体部110に結合されると、前記本体部110の重心が下側に移動するので、前記掃除機本体10の走行安定性が向上する。
【0075】
前記バッテリー130が前記本体部110の下側に結合されると、走行安定性が向上する利点があるが、前記バッテリー130を前記本体部110の下側に結合しなければならないので、使用者が前記バッテリー130を結合することに不便を感じる。
【0076】
ただし、前記本体部110から前記バッテリー130が分離された状態では、前記本体部110の重心が前記移動輪120の中心を通る鉛直線の前方に位置する。これによって、前記本体部110から前記バッテリー130が分離されると、前記本体部110は、前記移動輪120を中心に前方に傾くことになる。
【0077】
前記本体部110が前方に傾くことで、前記本体部110の底面の前方部は床面に接触し、このとき前記バッテリー結合部107は斜めに上方を向く。これによって、使用者が前記バッテリー130を容易に結合することができる。
【0078】
前記バッテリー130は、前記バッテリー結合部107に備えられた結合ガイド部によって前記本体部110に対して斜め方向に結合される。具体的に、前記バッテリー130の挿入方向Sは、鉛直線Vおよび床面とそれぞれ鋭角をなすことができる。従って、前記本体部110の底面の前方部が床面に接触した場合、前記バッテリー130の挿入方向Sは床面と鋭角をなすことになる。
【0079】
前記バッテリー130が前記本体部110に結合されると、前記本体部110の重心が後方に移動する。即ち、前記本体部110に前記バッテリー130が結合された状態では、前記本体部110の重心が前記移動輪120の中心を通る鉛直線の後方に位置する。
【0080】
即ち、前記本体部110に前記バッテリー130が結合されると、前記本体部110は前記移動輪120を中心に後方に傾く。このとき、前記支持部140は床面に選択的に接触することになる。このとき、前記本体部110の底面Bは床面Gと所定角度θをなすことになる。
【0081】
図6は本体部からバッテリーを分離する様子を順次示す図面である。
【0082】
具体的に、
図6(a)は前記バッテリー130が前記本体部110から分離される前の様子を示し、
図6(b)は前記バッテリー130が前記本体部110から分離される様子を示す。
【0083】
前記本体部110から前記バッテリー130を分離するために、使用者が前記本体部110に直接力を加えて前記本体部110を前方に傾けることができる。次に、使用者は、前記バッテリー130を挿入方向Sと反対方向に分離することができる。使用者が前記本体部110を前方に傾けるために、前記グリップ部106を把持して前方に力を加えることができる。
【0084】
前記本体部110から前記バッテリー130が分離されると、前記本体部110の重心は、再び前方に移動する。これによって、前記本体部110は、前方に傾いた状態を維持することができる。
【0085】
このように、本発明の真空掃除機1は、前記本体部110に前記バッテリー130が装着された状態では、前記本体部110が後方に回転して前記本体部110の底面部が床面から離隔する。即ち、前記本体部110は、走行時に前記移動輪120によって2点支持される。この場合、前記掃除機本体10は、障害物をより簡単に乗越えることができ、前記移動輪120に作用する走行摩擦が減少するので、使用者が前記掃除機本体10を移動させる時に必要な労働力を減らすことができる。
【0086】
前記バッテリー130が前記本体部110から分離された場合には、前記本体部110の重心が前方に移動して前記本体部110が前方に回転するので、前記本体部110の後方の下側に備えられたバッテリー結合部107が上昇する。これによって、使用者が前記バッテリー130を前記バッテリー結合部107に容易に結合させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の実施例によれば、真空掃除機は、本体部からバッテリーが分離された状態では、重心が前方に位置して前方に回転するので、掃除機本体にバッテリーを容易に結合できる効果があり、産業上の利用可能性が高い。