特許第6714243号(P6714243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6714243
(24)【登録日】2020年6月9日
(45)【発行日】2020年6月24日
(54)【発明の名称】角度検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/12 20060101AFI20200615BHJP
   G01D 5/20 20060101ALI20200615BHJP
   H02K 11/225 20160101ALI20200615BHJP
   H02K 24/00 20060101ALI20200615BHJP
【FI】
   G01D5/12 Q
   G01D5/20 110X
   H02K11/225
   H02K24/00
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-175368(P2016-175368)
(22)【出願日】2016年9月8日
(65)【公開番号】特開2018-40709(P2018-40709A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2019年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】原 康文
【審査官】 佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−339679(JP,A)
【文献】 特開2012−237637(JP,A)
【文献】 特開2010−117207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00 − 5/252
G01D 5/39 − 5/62
H02K 11/225
H02K 24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出軸、前記検出軸の回転角度を検出するユニット本体及び前記ユニット本体を格納するユニットケースを有する角度検出ユニットと、
前記角度検出ユニットを格納する外側ハウジングと
を備え、
前記外側ハウジングには、前記外側ハウジングの内外を連通するハウジング貫通孔が設けられており、
前記ユニットケースには、前記検出軸の回転方向に交わる方向に延在された壁部を有する凹部が設けられており、
前記ハウジング貫通孔には、前記凹部に挿し込まれた凸部を有する筒状のストッパが嵌め込まれている
ことを特徴とする角度検出装置。
【請求項2】
前記ストッパの内側には、前記角度検出ユニットから延びるコードが挿通されている
ことを特徴とする請求項1記載の角度検出装置。
【請求項3】
前記外側ハウジングには、前記軸方向について前記凹部の外側に位置するハウジング端壁部が設けられており、
前記ハウジング端壁部及び前記ストッパには、前記回転方向に交わるように延在されたハウジング端壁平面部及びストッパ平面部が設けられており、
前記ハウジング端壁平面部及び前記ストッパ平面部は、前記外側ハウジングに対して前記角度検出ユニットが前記回転方向に回転しようとした際に互いに突き合わされるように配置されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の角度検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転角度を検出する角度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来用いられていたこの種の角度検出装置としては、例えば下記の特許文献1等に示されている構成を挙げることができる。すなわち、従来構成では、レゾルバユニットをモータハウジングの外面に取付ボルトで固定して、レゾルバユニットを覆うようにモータハウジングにカバーを取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2543173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来構成では、レゾルバユニットをモータハウジングに固定しているので、モータハウジングとは別にレゾルバユニットを覆うためのカバーが必要となり、部品点数が増大してしまう。部品点数を減らすために、レゾルバユニットをモータハウジングに内蔵することが考えられるが、モータハウジングに対するレゾルバユニットの回転を規制する手段が必要となる。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、角度検出ユニットを外側ハウジングに格納させつつ、外側ハウジングに対する角度検出ユニットの回転を規制することができる角度検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る角度検出装置は、検出軸、検出軸の回転角度を検出するユニット本体及びユニット本体を格納するユニットケースを有する角度検出ユニットと、角度検出ユニットを格納する外側ハウジングとを備え、外側ハウジングには、外側ハウジングの内外を連通するハウジング貫通孔が設けられており、ユニットケースには、検出軸の回転方向に交わる方向に延在された壁部を有する凹部が設けられており、ハウジング貫通孔には、凹部に挿し込まれた凸部を有する筒状のストッパが嵌め込まれている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の角度検出装置によれば、外側ハウジングのハウジング貫通孔に嵌め込まれた筒状のストッパの凸部がユニットケースの凹部に挿し込まれているので、角度検出ユニットを外側ハウジングに格納させつつ、外側ハウジングに対する角度検出ユニットの回転を規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1による角度検出装置を示す断面図である。
図2図1のストッパを示す斜視図である。
図3図1の検出軸の軸方向に沿って見た時のユニットケース及びストッパを示す説明図である。
図4】本発明の実施の形態2による角度検出装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による角度検出装置を示す断面図であり、図2図1のストッパ3を示す斜視図であり、図3図1の検出軸10の軸方向に沿って見た時のユニットケース12及びストッパ3を示す説明図である。図1に示すように、本実施の形態の角度検出装置には、角度検出ユニット1、外側ハウジング2及びストッパ3が含まれている。
【0010】
角度検出ユニット1は、検出軸10、ユニット本体11及びユニットケース12を有している。検出軸10は、例えばモータ等の図示しない角度検出対象に接続された軸体である。
【0011】
ユニット本体11は、検出軸10の回転角度を検出する構成である。本実施の形態のユニット本体11は、レゾルバロータ110a及びレゾルバステータ110bを含むレゾルバ110と、トランスロータ111a及びトランスステータ111bを含むトランス111とを有している。レゾルバロータ110a及びトランスロータ111aは、検出軸10に固定されており、検出軸10と一体に回転可能に設けられている。レゾルバステータ110b及びトランスステータ111bは、レゾルバロータ110a及びトランスロータ111aにそれぞれ対向するようにユニットケース12の内壁に固定されている。
【0012】
トランスステータ111bには、励磁信号をトランスステータ111bに入力するための入力線112が接続されている。レゾルバステータ110bには、レゾルバ110からの出力信号を出力するための出力線113が接続されている。これら入力線112及び出力線113は、角度検出ユニット1から延びるコードを構成している。なお、入力線112及び出力線113の本数は任意である。
【0013】
なお、ユニット本体11は、上記の構成に限定されず、例えばシンクロ又はエンコーダ等の他の構成を有するものであってもよい。
【0014】
ユニットケース12は、ユニット本体11を格納するケースである。本実施の形態のユニット本体11は、内層12a及び外層12bを有する二重構造とされているが、ユニット本体11は単層構造等の他の構成を採ることもできる。ユニットケース12には、レゾルバ110及びトランス111の外周面を覆うように検出軸10の軸方向に延在されたケース環状壁部120が設けられている。上述のレゾルバステータ110b及びトランスステータ111bは、ケース環状壁部120の内壁に固定されている。
【0015】
ケース環状壁部120には、入力線112が挿通された第1ケース貫通孔120aと、出力線113が挿通された第2ケース貫通孔120bとが設けられている。本実施の形態では、第1ケース貫通孔120aは、ケース環状壁部120の軸方向端部に設けられており、検出軸10の回転方向に交わる方向に延在された一対の側壁120c(壁部)を有する凹部を構成している。本実施の形態の側壁120cは、検出軸10の径方向と平行に延在されている。
【0016】
外側ハウジング2は、角度検出ユニット1を格納するハウジングである。外側ハウジング2には、角度検出ユニット1とともに例えば減速機構又はモータ等の他の構成が格納され得る。外側ハウジング2に格納される他の構成は任意である。
【0017】
外側ハウジング2には、ハウジング端壁部20及びハウジング環状壁部21が設けられている。ハウジング端壁部20は、検出軸10の軸方向に関してケース端壁部120の外側に位置する円板状の壁部である。ハウジング端壁部20には、着脱可能に設けられた蓋体200が含まれている。蓋体200は、角度検出ユニット1と同軸に設けられた円板状の部材である。蓋体200には、検出軸10の一端を軸支する軸受200aが取り付けられている。
【0018】
ハウジング環状壁部21は、ハウジング端壁部20の外縁から検出軸10の軸方向に延びる環状の壁体であり、検出軸10の径方向に関してケース環状壁部120の外側に位置している。
【0019】
ハウジング環状壁部21には、ハウジング貫通孔21aが設けられている。ハウジング貫通孔21aは、ハウジング環状壁部21の内外を連通する孔であり、検出軸10の径方向に沿ってハウジング環状壁部21を貫通している。また、ハウジング貫通孔21aは、検出軸10の径方向について第1ケース貫通孔120aの外側に位置しており、検出軸10の回転方向に関して第1ケース貫通孔120aと同じ角度位置に配置されている。換言すれば、検出軸10の径方向に沿ってハウジング貫通孔21aを見た時に、ハウジング貫通孔21aは第1ケース貫通孔120aに重なるように配置されている。入力線112及び出力線113は、ハウジング環状壁部21を通して外側ハウジング2の外側に導出されている。
【0020】
ストッパ3は、ハウジング貫通孔21aに嵌め込まれた筒状体である。入力線112及び出力線113は、ストッパ3の内側を挿通されている。図2に示すように、ストッパ3には、円環状のストッパ本体30と、ストッパ本体30の軸方向にストッパ本体30の一部が延出された凸部31とが設けられている。
【0021】
図1に示すように、ストッパ3がハウジング貫通孔21aに嵌め込まれているとき、ストッパ3の凸部31がユニットケース12の第1ケース貫通孔120a(凹部)に挿し込まれている。外側ハウジング2に対して角度検出ユニット1が回転しようとするとき、凸部31が第1ケース貫通孔120aの側壁120c(壁部)に突き合わされることで、外側ハウジング2に対する角度検出ユニット1の回転が規制される。
【0022】
このような角度検出装置では、外側ハウジング2のハウジング貫通孔21aに嵌め込まれた筒状のストッパ3の凸部31がユニットケース12の第1ケース貫通孔120a(凹部122)に挿し込まれているので、角度検出ユニット1を外側ハウジング2に格納させつつ、外側ハウジング2に対する角度検出ユニット1の回転を規制することができる。特に、角度検出ユニット1から延びる入力線112及び出力線113(コード)がストッパ3の内側に挿通されている。すなわち、コード112を外側ハウジング2の外側に導出するための孔を角度検出ユニット1の回転規制にも利用している。これにより、角度検出ユニット1の回転規制だけの目的で外側ハウジング2に孔を設けることを回避できる。
【0023】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2による角度検出装置を示す断面図である。図4に示すように、本実施の形態2では、ハウジング端壁部20の蓋体200の外周面及びストッパ3の凸部31の外周面に検出軸10の回転方向に交わるように延在されたハウジング端壁平面部200b及びストッパ平面部31aが設けられている。これらハウジング端壁平面部200b及びストッパ平面部31aは、外側ハウジング2に対して角度検出ユニット1が検出軸10の回転方向に回転しようとした際に互いに突き合わされるように配置されている。ハウジング端壁平面部200b及びストッパ平面部31aが互いに突き合わされることで、外側ハウジング2に対する角度検出ユニット1の回転が規制される。
【0024】
ハウジング端壁平面部200b及びストッパ平面部31aは、互いに接触して配置されていてもよいし、近接して配置されていてもよい。ハウジング端壁平面部200b及びストッパ平面部31aが互いに近接して配置される場合、それらハウジング端壁平面部200b及びストッパ平面部31aの離間距離の上限は、外側ハウジング2に対して角度検出ユニット1が検出軸10の回転方向に回転しようとする際にハウジング端壁平面部200b及びストッパ平面部31aが互いに突き合わされるとの条件の下で、それらハウジング端壁平面部200b及びストッパ平面部31aの延在幅に応じて決定することができる。その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0025】
このような角度検出装置では、外側ハウジング2に対して角度検出ユニット1が回転しようとした際に互いに突き合わされるように、ハウジング端壁部20のハウジング端壁平面部200b及びストッパ3の凸部31のストッパ平面部31aが配置されているので、実施の形態1で説明した凸部31及び凹部122による回転規制に加えて、外側ハウジング2に対する角度検出ユニット1の回転を規制することができる。これにより、角度検出ユニット1の回転トルクが大きい場合でも、より確実に外側ハウジング2に対する角度検出ユニット1の回転を規制することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 角度検出ユニット
10 検出軸
11 ユニット本体
112 入力線(コード)
113 出力線(コード)
12 ユニットケース
120a 第1ケース貫通孔(凹部)
120c 側壁(壁部)
2 外側ハウジング
21a ハウジング貫通孔
200b ハウジング端壁平面部
3 ストッパ
31 凸部
31a ストッパ平面部
図1
図2
図3
図4