【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 少なくとも掘削深度を示す掘削深度データを含み、施工した杭の杭データである実施工杭データを、杭毎に記憶する記憶手段に接続され、前記実施工
杭データが欠損したデータ欠損杭の掘削深度を推定する杭データ推定装置であって、
前記記憶手段に記憶された複数の杭の前記実施工杭データの中
のサンプルデータの前記掘削深度データを参照し、掘削深度が最小である最小値データと、掘削深度が最大である最大値データと、掘削深度が中央である中央値データと、を前記サンプルデータの中から抽出する基準データ抽出手段と、
前記サンプルデータの前記掘削深度データを参照し、掘削深度が、前記最小値データの掘削深度と前記中央値データの掘削深度との中央値である第1四分位点データと、前記中央値データの掘削深度と前記最大値データの掘削深度との中央値である第3四分位点データと、を前記サンプルデータの中から決定する四分位点データ決定手段と、
前記第1四分位点データの掘削深度と前記第3四分位点データの掘削深度の間で、前記データ欠損杭の掘削深度を推定する推定手段と、を備える杭データ推定装置。
【0010】
(1)の発明によれば、杭データ推定装置は、サンプル抽出手段と、基準データ抽出手段と、四分位点データ決定手段と、推定手段と、を備え、少なくとも掘削深度を示す掘削深度データを含み、施工した杭の杭データである実施工杭データを、杭毎に記憶する記憶手段に接続され、実施工データが欠損したデータ欠損杭の掘削深度を推定する。
サンプル抽出手段は、記憶手段に記憶された複数の杭の実施工杭データの中から、推定に用いるサンプルとなるサンプルデータを抽出する。
基準データ抽出手段は、サンプルデータの掘削深度データを参照し、掘削深度が最小である最小値データと、掘削深度が最大である最大値データと、掘削深度が中央である中央値データと、をサンプルデータの中から抽出する。
四分位点データ決定手段は、サンプルデータの掘削深度データを参照し、掘削深度が、最小値データの掘削深度と中央値データの掘削深度との中央値である第1四分位点データと、中央値データの掘削深度と最大値データの掘削深度との中央値である第3四分位点データと、をサンプルデータの中から決定する。
推定手段は、第1四分位点データの掘削深度と第3四分位点データの掘削深度の間で、データ欠損杭の掘削深度を推定する。
【0011】
これにより、実施工杭データの中から抽出されたサンプルデータの掘削深度を、最小値データ、中央値データ及び最大値データによって、小さい値群と大きい値群とに2分する。そして、小さい値群の中央値である第1四分位点データと、大きい値群の中央値である第3四分位点データとの間で、データ欠損杭の掘削深度を推定する。
よって、複数のサンプルデータを用いてデータ欠損杭の掘削深度を推定するので、単に隣接する杭の掘削深度と同じと推定した場合に比べ、推定した値の信頼性が向上する。
また、サンプルデータの掘削深度を、小さい値群と大きい値群とに2分し、更に、小さい値群の中央値と大きい値群の中央値との間で、データ欠損杭の掘削深度を推定するので、サンプルデータの掘削深度の平均値とした場合に比べ、サンプルデータの中において、極端に小さい値や大きい値が含まれていたとしても、これらの影響を抑えた値を推定できる。
したがって、施工した杭の杭データである実施工杭データが欠損したデータ欠損杭の掘削深度の推定値の信頼性を向上することが可能な杭データ推定装置を提供できる。
【0012】
(2)
前記サンプルデータを、前記記憶手段に記憶された複数の杭の前記実施工杭データの中から抽出するサンプル抽出手段を備え、
前記サンプル抽出手段は、前記データ欠損杭から所定距離以内に施工された杭の前記実施工杭データの中から、前記サンプルデータを抽出する(1)に記載の杭データ推定装置。
【0013】
これにより、データ欠損杭の周囲で施工された杭の実施工杭データの中から、サンプルデータを抽出し、このデータ欠損杭の掘削深度を推定できる。
したがって、施工した杭の杭データである実施工杭データが欠損したデータ欠損杭の掘削深度の推定値の信頼性をより向上することが可能な杭データ推定装置を提供できる。
【0014】
(3) 前記サンプルデータの前記掘削深度データを参照し、全ての前記サンプルデータの掘削深度の平均値を算出する平均値算出手段と、
前記平均値と、前記中央値データの掘削深度と、の差の絶対値が所定値以上か否かを判定するサンプル適正判定手段と、を更に備え、
前記サンプル抽出手段は、前記サンプル適正判定手段が前記所定値以上と判定した場合には、サンプル数を所定数増やして、再度、サンプルデータを抽出す
る(2)に記載の杭データ推定装置。
【0015】
(3)の発明によれば、杭データ推定装置は、平均値算出手段と、サンプル適正判定手段と、を更に備える。
平均値算出手段は、サンプルデータの掘削深度データを参照し、全てのサンプルデータの掘削深度の平均値を算出する。
サンプル適正判定手段は、平均値と、中央値データの掘削深度と、の差の絶対値が所定値以上か否かを判定する。
そして、サンプル抽出手段は、サンプル適正判定手段が所定値以上と判定した場合には、サンプル数を所定数増やして、再度、サンプルデータを抽出する。
【0016】
ここで、中央値データの掘削深度と平均値との差が大きい場合、全てのサンプルデータの値において偏りがあることが推測される。
(3)の発明によれば、このような場合に、サンプル数を所定数増やして、再度、サンプルデータを抽出するので、サンプルデータの値において偏りがあっても、推定した掘削深度の推定値の信頼性を向上できる。
したがって、施工した杭の杭データである実施工杭データが欠損したデータ欠損杭の掘削深度の推定値の信頼性をより向上することが可能な杭データ推定装置を提供できる。
【0017】
(4) 少なくとも掘削深度を示す掘削深度データを含み、施工した杭の杭データである実施工杭データを、杭毎に記憶する記憶手段に接続され、前記実施工
杭データが欠損したデータ欠損杭の掘削深度を推定する杭データ推定装置が実行する杭データ推定方法であって、
前記記憶手段に記憶された複数の杭の前記実施工杭データの中
のサンプルデータの前記掘削深度データを参照し、掘削深度が最小である最小値データと、掘削深度が最大である最大値データと、掘削深度が中央である中央値データと、を前記サンプルデータの中から抽出する基準データ抽出ステップと、
前記サンプルデータの前記掘削深度データを参照し、掘削深度が、前記最小値データの掘削深度と前記中央値データの掘削深度との中央値である第1四分位点データと、前記中央値データの掘削深度と前記最大値データの掘削深度との中央値である第3四分位点データと、を前記サンプルデータの中から決定する四分位点データ決定ステップと、
前記第1四分位点データの掘削深度と前記第3四分位点データの掘削深度の間で、前記データ欠損杭の掘削深度を推定する推定ステップと、を含む杭データ推定方法。
【0018】
(4)の発明によれば、(1)の発明と同様の作用効果を奏する。