(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パターンは、前記大仮想円と該大仮想円より直径が小さい1種類以上の仮想円とを、それぞれ、4つ以上の前記融着部が成す多角形状の領域内に配置可能なパターンである、請求項1に記載の吸収性物品。
前記パターンは、前記多角形状の領域として、前記大仮想円より直径が小さい仮想円を一方向にずらして複数個所に配置可能な扁平多角形領域を設定可能なパターンであり、該仮想円をずらして描かれる該仮想円の中心の軌跡が、前記接着剤が配された接着剤配置部の延在方向と交差している、請求項2に記載の吸収性物品。
前記外装不織布が、長繊維を含む不織布であり、前記複数の融着部のうちの一部が、前記接着剤を介して、前記防漏シートと接合している、請求項1〜9の何れか1項に記載の吸収性物品。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1、
図2及び
図3には、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつ1(以下、単におむつ1ともいう)の基本的な構造が示されている。
おむつ1は、
図2及び
図3に示すように、液透過性の表面シート12、液不透過性の防漏シート13、及び両シート12,13間に配置された吸収体14、及び防漏シート13の非肌対向面を被覆する外装不織布18を備えている。
表面シート12は、おむつ1の肌対向面を形成し、外装不織布18は、おむつ1の非肌対向面を形成している。肌対向面とは、おむつ1等の吸収性物品又はその構成部材における、該吸収性物品の着用時に、着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面とは、おむつ1等の吸収性物品又はその構成部材における、該吸収性物品の着用時に、着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
防漏シート13に関し、液不透過性とは、液難透過性も含む概念であり、防漏シート13が液を全く通さない場合の他、撥水性のシート等からなる場合等も含まれる。
【0011】
おむつ1は、着用者の前後方向に対応する長手方向Xと、おむつ1を、
図1に示すように平面状に広げた状態において、該長手方向Xと直交する幅方向Yとを有している。また、おむつ1は、長手方向Xに、着用時に着用者の腹側に配される腹側部A、着用時に着用者の背側に配される背側部B、及び腹側部Aと背側部Bとの間に位置する股下部Cに有している。おむつ1は、展開型の使い捨ておむつであり、背側部Bの両側縁部にファスニングテープ7が設けられており、腹側部Aの外表面に、そのファスニングテープ7を止着するランディングゾーン8が設けられている。
【0012】
おむつ1における吸収体14は、吸収性コア14aと該吸収性コア14aを包むコアラップシート14bとを備えている。吸収性コア14aは、例えばパルプ繊維等の吸液性繊維の積繊体や、吸液性繊維と吸水性ポリマーとの混合積繊体から構成することができる。吸液性繊維としては、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等のセルロース系の親水性繊維が挙げられる。セルロース系の親水性繊維以外に、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂からなる繊維を界面活性剤等により親水化したものを用いることもできる。コアラップシート14bとしては、例えば、ティッシュペーパーや透水性の不織布が用いられる。コアラップシート14bは、1枚で吸収性コア14aの全体を包んでいても良いし、2枚以上を組み合わせて吸収性コア14aを包んでいても良い。防漏シート13としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等が用いられる。
【0013】
おむつ1の長手方向Xの両側には、弾性部材15aを有する立体ギャザー形成用のシート15が配されており、その弾性部材15aの収縮により、着用状態における股下部Cに、着用者の肌側に向かって起立する立体ギャザーが形成される。また、股下部Cにおける脚周りに配される部位には、レッグ部弾性部材16が伸長状態で配されており、その収縮により、着用状態における股下部Cに着用者の脚周りへのフィット性を向上させるレッグギャザーが形成される。
【0014】
本実施形態における防漏シート13と外装不織布18とは、
図4(a)に示すように、ストライプ状に配された接着剤20を介して接合されており、おむつ1の長手方向Xに延びる帯状の接着剤配置部21が複数列形成されている。接着剤配置部21は、
図4(a)に示すように、間隔を空けて配されている。この接着剤配置部21間の間隔は一定であっても良く、一定でなくても良いが、本実施形態のように、一定であることが好ましい。個々の接着剤配置部21が延びる方向と直交する方向における、隣り合う接着剤配置部21どうし間には、接着剤20が配されていない接着剤非配置部22が形成されている。接着剤非配置部22においては、防漏シート13と外装不織布18との間が接合されていない。個々の接着剤非配置部22は、接着剤配置部21が延びる方向と同方向の長手方向Xに延びている。本発明において、ストライプ状に配された接着剤20は、個々の接着剤配置部21が、それぞれ、おむつ1の幅方向Yに延びていても良いが、本実施形態のおむつ1は、それぞれ、おむつ1の長手方向Xに延びている。一般的に生産方向の関係で外装不織布18を始めとして多くの材料が幅方向Yに高い伸度を持ち、その伸度により発現される肌触りの良さや柔軟性を損なわないという観点から、個々の接着剤配置部21は、おむつ1の長手方向Xに延びていることが好ましい。
以下、このように接着剤20をストライプ状に配した領域である、接着剤配置部21と接着剤非配置部22とを含めた領域を、ストライプ塗工領域2ともいう。
【0015】
外装不織布18は、複数の融着部3を有している。複数の融着部3は、
図5に示すように、長手方向X及び幅方向Yに分散した状態に形成されている。
図5は、本発明に係る融着部3のパターンを例示する図である。
本発明の外装不織布18において、複数の融着部3は、複数の前記融着部に接し且つ直径が相異なる複数種類の仮想円を互いに重複しないように繰り返し配置可能なパターンで配されている。すなわち、下記(1)〜(3)を満たすパターンで配されている。
(1)直径が相異なる複数種類の仮想円を、それぞれ複数の融着部に接するように配置可能である。
(2)複数種類の前記仮想円は互いに重複しないように配置可能である。
(3)複数種類の仮想円は、規則性をもって繰り返し配置される。
【0016】
上記(1)〜(3)を満たす融着部3のパターンについて、
図5に示すパターンを参照しながら説明する。
図5に示す融着部3のパターンは、それぞれ、複数の融着部3に接するように複数種類の仮想円4a,4bを配置可能である。
図5に示すように、融着部3のパターンは、直径が相異なる複数種類の仮想円4a,4bを、それぞれ繰り返し配置可能なパターンであり、より具体的には、直径が最大の仮想円である大仮想円4aと該大仮想円より直径が小さい仮想円4bとを、それぞれ、4つ以上の融着部3が成す多角形状の領域41,42内に配置可能である。
なお、
図5に示すパターンは、正六角形の領域41と該正六角形を取り囲む小六角形の領域42とを成すように、複数の融着部3が配されており、正六角形を成す複数の融着部3には、該正六角形に接する仮想円4aが配置され、小六角形を成す複数の融着部3には、該小六角形に接する仮想円4bが配置される。
このような仮想円は、次に示す(a)〜(c)の条件で想定される。
(a)外装不織布18の任意の場所を中心として、複数の融着部3に接する仮想円を配置する。
(b)仮想円の中心を任意の方向にずらした際、該仮想円の大きさより大きな仮想円を配置できる場合は、その仮想円に置き換える。仮想円の大きさが変わらない、又は小さくなる場合は、元の仮想円のままとする。
(c)複数の融着部3に接する最大の仮想円を想定できるまで、上記(b)を繰り返す。
図5に示すパターンにおいて、正六角形の領域41は、6つの融着部3が仮想円4aと接している。また、小六角形の領域42は、2つの融着部3が仮想円4bと接している。なお、後述するように、小六角形の領域42の他の4つの融着部3は、仮想円4bをずらすことで、該仮想円4bと接することができる。
【0017】
また、
図5に示すパターンは、2種類の仮想円4a,4bを有しており、上記条件(1)を満たしている。ここで、複数種類の仮想円のうち、直径が最大である仮想円を大仮想円4aともいい、直径が最小である仮想円を小仮想円4bともいう。
図5に示すパターンにおいては、仮想円4aが、大仮想円4aであり、仮想円4bが小仮想円4bである。なお、仮想円は、直径が異なる仮想円を種類が異なる仮想円と定義したときに、2種類以上あれば良く、3種類以上あってもよい。好ましくは2種類以上4種類以下あることが好ましい。
【0018】
図5に示すパターンにおいて、幅方向Yにおいて隣り合う大仮想円4a間には、該大仮想円4aよりも直径の小さい小仮想円4bが配されている。
より詳細には、外装不織布18においては、
図5に示すように、正六角形の領域41と小六角形の領域42a,42bとが、幅方向Yに交互に配されている複合列R1が、長手方向Xに複数列形成されており、長手方向Xに隣り合う複合列R1どうしは、正六角形の領域41及び小六角形の領域42の位置が、それぞれ、幅方向Yに半ピッチ分ずれている。
また、複合列R1間には、傾斜方向が異なる小六角形の領域42c,42dが交互に複数配されている六角形列R2が、長手方向Xに複数列形成されており、長手方向Xに隣り合う六角形列R2どうしは、小六角形の領域42c,42dの位置が、それぞれ、幅方向Yに半ピッチ分ずれている。
そして、
図5に示すパターンにおいては、そのように規則的に形成された正六角形の領域41と小六角形の領域42の内部に、大仮想円4aと小仮想円4bとが配置可能であり、したがって、大仮想円4aと小仮想円4bとは、互いに重複しないように、且つ所定の規則性をもって繰り返し配置することができる。したがって、
図5に示すパターンは、上記(2)及び(3)も満たしている。
【0019】
図5に示すパターンと、ストライプ状に配された接着剤20とを重ねた状態を
図11に示す。大仮想円4aの直径Daは、
図11に示すように、接着剤の配置ピッチP1よりも長い。ここで、接着剤の配置ピッチP1とは、幅方向における、接着剤が塗工された接着剤配置部21の長さと、該接着剤配置部21間に配される接着剤が塗工されていない接着剤非配置部22の長さとの合計の長さである(
図11参照)。
【0020】
本実施形態のおむつ1によれば、上述したように、防漏シート13と外装不織布18とが、ストライプ状に配された接着剤20により接合されているため、外装不織布18と防漏シート13との接合強度を保ちつつ、外装不織布18の風合い、特に外装不織布18の非肌対向面の感触を柔らかくすることができる。また、防漏シート13として、透湿性を有するものを用いた場合、透湿性の低下を抑えることができるので、おむつ1をムレにくくすることができる。
【0021】
ところで、外装不織布18において、大仮想円4aが接する領域のように、融着部3が配されていない領域は、繊維の剥離が生じ易い。特に外装不織布18と防漏シート13とを、ストライプ状に配された接着剤で接合した場合、接合されていない箇所では、繊維の剥離が顕著に生じ易くなる。
これに対して、本実施形態のおむつ1においては、上述したように、大仮想円4aの直径Daが、接着剤の配置ピッチP1よりも長いことによって、大仮想円4aと接着剤配置部21とが部分的に重なり、それにより、繊維剥離が生じ易い領域を、接着剤で防漏シート13に適度に接合することができる。
これにより、外装不織布18と防漏シート13とをストライプ状に塗工した接着剤で接合したとしても、大仮想円4aが接する領域における繊維の剥離抑制を実現することができ、外装不織布18の柔軟性を向上させる効果と両立させることができる。また、大仮想円4aにおいて繊維が指に引っ掛かることを抑制し、外装不織布18の肌触りを向上させることができる。
【0022】
上記の効果をより確実に奏させる観点から、大仮想円4aの直径Da(
図11参照)は、接着剤20の配置ピッチP1に対して、好ましくは125%以上、より好ましくは150%以上であり、また好ましくは400%以下、より好ましくは300%以下であり、また好ましくは125%以上400%以下、より好ましくは150%以上300%以下である。
接着剤は以下の寸法で塗布されていることが好ましい。なお、接着剤20の配置ピッチP1の長さは、
図11に示すように、幅方向における接着剤配置部21の長さ及び接着剤非配置部22の長さの合計の長さである。
大仮想円4aの直径Daは、好ましくは4mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは12mm以下であり、また好ましくは4mm以上20mm以下、より好ましくは5mm以上12mm以下である。
【0023】
上述した効果が一層確実に奏されるようにする観点から、融着部3のパターンは、
図5に示すように、直径が最大の仮想円である大仮想円4aと該大仮想円より直径が小さい仮想円4bとを、それぞれ、4つ以上の融着部3が成す多角形状の領域41,42内に配置可能であることが好ましい。また、大仮想円より直径が小さい仮想円が複数種類ある場合は、大仮想円と該大仮想円より直径が小さい1種類以上の仮想円とを、それぞれ、前記多角形状の領域41,42内に配置可能であることが好ましい。
図5に示すパターンにおいて、複数の融着部3は、多角形を成すように形成されている。上述したように、
図5に示す融着部3どうしを繋ぐと、正六角形の領域41と該領域41を取り囲む小六角形の領域42を成しており、これら領域を形成する複数の融着部3は、正六角形及び小六角形の角部間の辺部にそれぞれ配されている。仮想円4a,4bは、これら領域41,42内においてそれぞれ接している。本発明に係る融着部3のパターンは、仮想円が接する融着部3どうしを繋げて成る領域に、仮想円が内接することが好ましい。即ち、複数の融着部3が、大仮想円4aを囲んでいることが好ましい。融着部3どうしを繋げて成る領域は、仮想円を想定した際、該仮想円と接する融着部3どうしを繋げることにより想定される。尚、本発明は、後述するように、複数の融着部3どうしを繋げて成る領域が想定されなくても良い。
【0024】
本実施形態の外装不織布18では、
図11に示すように、小仮想円4bが接する小六角形の領域42は接着剤非配置部22と少なくとも部分的に重なっている。以下、複数の融着部3が形成する領域であって、小仮想円4bが内接する領域を小領域ともいう。斯かる構成により、小領域42が接着剤で接合されていない部分を有するため、外装不織布18の柔軟性をより向上させることができる。このように、小仮想円4bの直径Dbは、幅方向Yにおける接着剤配置部21の長さW21、即ち接着剤20の配置幅W21(
図11参照)よりも大きいことが好ましい。
【0025】
本実施形態の外装不織布18では、
図11に示すように、小領域が複数の接着剤配置部21及び接着剤非配置部22と少なくとも部分的に重なっている。斯かる構成により、小領域の剥離及び引っ掛かりを抑制し得る。このように、小仮想円4bの直径Dbは、接着剤の配置ピッチP1の長さ以上であることが好ましい。
【0026】
上記の小領域における柔軟性と剥離等の抑制とのバランスの観点から、小仮想円4bの直径Db(
図11参照)は、接着剤配置部21の幅W21に対して、好ましくは200%以上、より好ましくは250%以上であり、また好ましくは800%以下、より好ましくは600%以下であり、また好ましくは200%以上800%以下、より好ましくは250%以上600%以下である。
また、小仮想円4bの直径Db(
図11参照)は、接着剤の配置ピッチP1に対して、好ましくは100%以上、より好ましくは125%以上であり、また好ましくは200%以下、より好ましくは150%以下であり、また好ましくは100%以上200%以下、より好ましくは125%以上150%以下である。
また、小仮想円4bの直径Db(
図11参照)は、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上であり、また好ましくは8mm以下、より好ましくは5mm以下であり、また好ましくは1mm以上8mm以下、より好ましくは2mm以上5mm以下である。
【0027】
本実施形態の外装不織布18は、
図11に示すように、幅方向に隣り合う大仮想円4aの中心Oaどうしの最短距離D1が、接着剤の前記配置ピッチP1の4倍である。斯かる構成により、繰り返し配置される大仮想円4aの位相を合わせることで、大仮想円4aに内接する空間の固定箇所、即ち大仮想円4aにおける外装不織布18と防漏シート13との接着剤20による接合箇所が常に同じとなり均質な柔軟性の高さが発現され、触った際の違和感を抑制することができる。このように、幅方向における大仮想円4aの中心どうしの最短距離は、接着剤の配置ピッチの長さの整数倍であることが好ましい。尚、「整数倍」は、大仮想円4aの中心Oaどうしの最短距離D1が、前記配置ピッチP1の整数倍の長さに対して、該配置ピッチP1の±10%の差がある場合を含む。
上記の効果をより確実に奏させるため、幅方向における大仮想円4aの中心Oaどうしの最短距離D1(
図11参照)が、接着剤の配置ピッチP1の「整数倍」である場合の「整数」は、好ましくは3〜8の範囲の整数であることが好ましく、より好ましくは4〜6の範囲の整数である。
【0028】
外装不織布18の柔軟性と繊維剥離の抑制とのバランスの観点から、接着剤は下記の寸法で配されていることが好ましい。
幅方向における接着剤の配置ピッチP1(
図11参照)は、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは6mm以下であり、また好ましくは2mm以上10mm以下、より好ましくは3mm以上6mm以下である。
幅方向Yにおける接着剤配置部21の長さW21(
図11参照)は、接着剤の配置ピッチP1に対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下であり、また好ましくは20%以上50%以下、より好ましくは30%以上40%以下である。
幅方向Yにおける接着剤配置部21の長さW21(
図11参照)は、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、また好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下であり、また好ましくは0.3mm以上3mm以下、より好ましくは0.5mm以上2mm以下である。
幅方向Yにおける接着剤非配置部22の長さW22(
図11参照)は、接着剤の配置ピッチP1に対して、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは50%以上90%以下、より好ましくは60%以上80%以下である。
幅方向Yにおける接着剤非配置部22の長さW22(
図11参照)は、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上であり、また好ましくは9mm以下、より好ましくは6mm以下であり、また好ましくは1mm以上9mm以下、より好ましくは1.5mm以上6mm以下である。
【0029】
本実施形態の外装不織布18においては、
図11に示すように、接着剤配置部21に、大仮想円4aと小仮想円4bとが重なっている。これと同様に、接着剤非配置部22に、大仮想円4aと小仮想円4bとが重なっている。斯かる構成により、使用者が外装不織布18を触った際に、長手方向Xに沿って手を動かした際には必ず大仮想円4aの領域を触り、幅方向Yに沿って手を動かした際には必ず接着剤非配置部22を触るようになることから、どのように触っても使い捨ておむつ1の柔らかさを実感できる。このように、接着剤20が配されている接着剤配置部21に、複数種類の前記仮想円が重なっていることが好ましい。また、接着剤20が配されていない接着剤非配置部22に、複数種類の前記仮想円が重なっていることが好ましい。複数種類の仮想円は、
図11に示すように、それぞれ部分的に重なっていれば良い。
【0030】
外装不織布18は、エンボス処理によって融着部の凹凸が形成されたエンボス面と、該エンボス面の反対側の面である平滑な平滑面とが存在するが、どちらの面を防漏シート13との貼り合わせ面とするかは特に制限されない。本実施形態の外装不織布18において、一部の融着部3は、接着剤配置部21において防漏シート13と接触している。即ち、本実施形態では、外装不織布18の平滑面を防漏シート13との張り合わせ面としている。斯かる構成により、外装不織布18と防漏シート13との接合強度を向上させることができる。このように、複数の融着部3のうちの一部が、前記接着剤を介して、前記防漏シート13と接合していることが好ましい。
【0031】
本実施形態の外装不織布18では、
図11に示すように、大仮想円4aの数が小仮想円4bの数よりも少ない。斯かる構成により、大領域が占める面積が減少するため、外装不織布18と防漏シート13との接合強度をより向上させることができる。このように、外装不織布18における単位面積(1cm
2)当たりの前記大仮想円4aの数は、前記小仮想円4bの数以下であることが好ましい。
上記の効果をより確実に奏させる観点から、大仮想円4aの数は、小仮想円4bの数に対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは75%以下であり、また好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは30%以上75%以下である。
【0032】
図5に示すパターンは、4つ以上の融着部3が成す多角形状の領域として、大仮想円4aより直径が小さい仮想円4bを一方向にずらして複数個所に配置可能な扁平多角形領域42eを設定可能なパターン〔
図12(a)参照〕であり、該仮想円4bをずらして描かれる該仮想円4bの中心の軌跡O4bが、接着剤が配された接着剤配置部21の延在方向(
図11中X方向)と交差している〔
図12(b)参照〕。斯かる構成により、仮想円4bが内接する領域42と重なる接着剤非配置部22の個々の面積を小さくし、繊維の剥離を生じ難くする効果をより一層高めることができる。中心の軌跡O4bが、接着剤20が配された接着剤配置部21の延在方向と交差する仮想円4bは、直径が最も小さい小仮想円4bだけでなく、大仮想円4aよりも直径が小さい仮想円の全てであることが好ましい。尚、
図5に示すパターンにおいて、扁平多角形領域42eは、小領域42である。
上記の効果をより確実に奏させるため、大仮想円4aよりも直径が小さい仮想円の中心の軌跡O4bと、接着剤配置部21の延在方向との鋭角側の交差角θ〔
図12(b)参照〕の平均は、好ましくは15°以上、より好ましくは30°以上であり、また好ましくは90°以下、より好ましくは75°以下である。
【0033】
本発明に係る融着部3のパターンの別の実施形態について説明する。
図6〜10は、融着部3のパターンの別の実施形態を示す図である。
図6及び
図7に示すパターンは、
図5と同様に、複数の融着部3が、仮想円と内接する領域を成すように形成されている。一方、
図8〜10に示すパターンは、
図5と異なり、仮想円と内接する領域は融着部3によって区切られる明確な境界は形成されていない。また、
図6〜10に示すパターンは、上記の条件(1)〜(3)を満たす。
【0034】
図6に示すパターンは、複数の融着部3が、縦長の六角形の領域41と該六角形の領域41間に配される四角形の領域42とを成している。これら領域41,42を形成する複数の融着部3は、六角形の領域41及び四角形の領域42の角部にそれぞれ配されている。大仮想円4aは六角形の領域41の4つの融着部3に接し、小仮想円4bは四角形の領域42の2つの融着部3に接している。
図6に示すパターンは、六角形の領域41が、幅方向Yに複数配されている六角形列R3が、長手方向Xに複数列形成されており、長手方向Xに隣り合う六角形列R3どうしは、幅方向Yにおける六角形の領域41の位置がそれぞれ同じである。
また、六角形列R3間には、四角形の領域42が幅方向Yに複数配されている四角形列R4が、長手方向Xに複数列形成されており、長手方向Xに隣り合う四角形列R4どうしは、幅方向Yにおける四角形の領域42の位置がそれぞれ同じである。
【0035】
図7に示すパターンは、複数の融着部3が、八角形の領域41、並びに該八角形の領域41間に配される四角形の領域42及び六角形領域43を成している。これら領域41,42,43を形成する複数の融着部3は、各領域41の角部にそれぞれ配されている。大仮想円4aは八角形の領域41の6つの融着部3に接し、小仮想円4bは四角形の領域42の4つの融着部3に接している。また、直径が大仮想円4aよりも小さく、小仮想円4bよりも大きい中仮想円4cが、六角形の領域43の4つの融着部3に接している。このように、
図7に示すパターンでは、3種類の仮想円が想定される。
図7に示すパターンは、八角形の領域41が、幅方向Yに複数配されている八角形列R5が、長手方向Xに複数列形成されており、長手方向Xに隣り合う八角形列R5どうしは、幅方向Yにおける八角形の領域41の位置がそれぞれ同じである。
また、八角形列R5間には、四角形の領域42と六角形の領域43とが、幅方向Yに交互に配されている複合列R6が、長手方向Xに複数列形成されており、長手方向Xに隣り合う複合列R6どうしは、幅方向Yにおける四角形の領域42の位置がそれぞれ同じであり、六角形の領域43の位置もそれぞれ同じである。
【0036】
図8に示すパターンは、U字形の融着部3が一方向に多列に並んだ状態で形成されている。長手方向XにU字形の融着部3が複数並んだ融着部列R7は、幅方向Yに複数列形成されており、幅方向Yに隣り合う融着部列R7どうしは、該融着部3の位置が、それぞれ、長手方向Xに1ピッチ分ずれている。
図8に示すパターンは、大仮想円4aが、U字形の融着部3の凸部どうしが対向した融着部列R7間において3つの融着部3と接している。また、小仮想円4bは、U字形融着部3の凸部とは反対側の開口部どうしが対向した、融着部列R7間において3つの融着部3と接している。
【0037】
図9に示すパターンは、弧状の融着部3が小円を成すように4つ配された融着部群30が長手方向Xに複数並んだ融着部群列R8が幅方向Yに複数列形成されており、幅方向Yに隣り合う融着部群列R8どうしは、該融着部3の位置が、それぞれ長手方向Xに1ピッチ分ずれている。
図9に示すパターンは、大仮想円4aが、融着部群30間において、8つの融着部3と接している。また、小仮想円4bは、融着部群30が成す小円内において、4つの融着部3と接している。
【0038】
図10に示すパターンは、長手方向に縦長のS字状の融着部3が一方向に多列に並んだ状態で形成されている。S字状の融着部3が長手方向Xに複数並んだ融着部列R9が、幅方向Yに複数列形成されており、幅方向Yに隣り合う融着部列R9どうしは、該融着部3の位置が、それぞれ長手方向Xに少しずつずれている。
図10に示すパターンは、大仮想円4aが、隣り合う融着部列R9間において、4つのS字状の融着部3の湾曲部に接している。また、小仮想円4bは、融着部列R9の長手方向Xに隣り合う融着部3間において、2つの融着部3の端部近傍に接している。
【0039】
融着部3の大きさは特に制限されないが、不織布の強度と柔軟性の両立の観点から、大仮想円4aの面積に対して、該大仮想円4aに接する融着部3の総面積は、好ましくは5%以上、より好ましくは80%以上であり、また好ましくは10%以下、より好ましくは40%以下であり、また好ましくは5%以上80%以下、より好ましくは10%以上40%以下である。尚、複数の融着部3が、
図5〜7に示すように、大仮想円4aが内接する領域を形成する場合、上記の「大仮想円4aに接する融着部3の総面積」は、該大仮想円4aが内接する領域を形成する融着部3の面積の合計を意味する。
同様の観点から、融着部3の面積は、好ましくは0.5mm
2以上、より好ましくは1mm
2以上であり、また好ましくは20mm
2以下、より好ましくは10mm
2以下であり、また好ましくは0.5mm
2以上20mm
2以下、より好ましくは1mm
2以上10mm
2以下である。
また
図7に示すように、1つのパターンにおいて大きさの異なる融着部31,32が存在しても良い。
【0040】
融着部3の形状は特に制限されず、任意の形状とすることができる。例えば、
図5に示すように矩形状であっても良く、
図6〜7に示すように円形状であってもよく、
図8に示すようにU字状であっても良く、
図9に示すように弧状であっても良く、
図10に示すようにS字状であっても良い。
【0041】
外装不織布18は、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布等、任意の不織布であっても良いが、長繊維を含む不織布であることが好ましい。長繊維を含む不織布としては、スパンボンド不織布のみならず、長繊維から形成されるスパンボンド層を積層した積層不織布も含まれる。このような積層不織布としては、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド積層不織布(SMS不織布)、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド不織布(SMMS不織布)等が挙げられる。
外装不織布が上記のような長繊維を含む不織布であることに加え、上述したように、一部の融着部3が接着剤配置部21において防漏シート13と接合されると、外装不織布18と防漏シートとの接合強度をより向上させることができる。
【0042】
外装不織布18の柔軟性の観点から、幅方向Yにおいてストライプ塗工領域は、吸収体14の幅よりも広いことが好ましく、防漏シート13の全域であることがより好ましい。なお、ストライプ塗工領域2とは、接着剤20がストライプ状に配された領域であり、接着剤配置部21と接着剤非配置部22とを含めた領域である。
また、長手方向Xにおいてストライプ塗工領域は、同方向Xにおける吸収性コアの全長(
図4参照)よりも長いことが好ましく、防漏シート13の全域に亘っていることがより好ましい。
【0043】
外装不織布18の非肌対向面の感触を良好にする観点から、接着剤配置部21の合計面積は、ストライプ塗工領域2の面積に対して、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは25%以下であり、また好ましくは25%以上50%以下であり、より好ましくは30%以上40%以下である。
【0044】
接着剤配置部21における接着剤20の塗布量は、充分な接合強度を確保しつつ風合い(柔らかな感触)を向上させる観点から、好ましくは0.1g/m
2以上、より好ましくは0.3g/m
2以上であり、また好ましくは5g/m
2以下、より好ましくは3g/m
2以下であり、また好ましくは0.1g/m
2以上5g/m
2以下、より好ましくは0.3g/m
2以上3g/m
2以下である。
前記接着剤20の塗布量は、接着剤配置部21同士間に位置する接着剤非配置部22も含めたストライプ塗工領域2全体の面積を求め、該面積に対する該領域2中の接着剤の総重量を求める。
【0045】
本実施形態における接着剤20は、ホットメルト型の接着剤であり、コーターを用いて塗工してある。接着剤としては、使い捨ておむつ等に従来用いられている各種公知の接着剤を用いることができる。
接着剤をストライプ状に塗工する方法としては、上記コーター式のほか、グラビア式、凸版式、ビード式、スプレー式等の公知のいずれの方法をも選択することができる。
【0046】
おむつ1における各部の形成材料について説明すると、表面シート12、防漏シート13、吸収体14、立体ギャザー形成用シート15の形成材料としては、従来の使い捨ておむつにおいて、それぞれ材料として用いられている各種公知の材料等を、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート12としては、不織布や開孔フィルム等の各種液透過性のシート材を用いることができ、防漏シート13としては、透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体等を用いることができ、吸収体14としては、解繊パルプ等の親水性繊維からなる繊維集合体又はこれに高吸収性ポリマーを保持させたもの等を用いることができる。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
【0048】
上述した実施形態に関し、さらに以下の吸収性物品を開示する。
<1>
表面シート、吸収体、防漏シート及び該防漏シートの非肌対向面を被覆する外装不織布を備え、長手方向及びそれと直交する幅方向を有する縦長の吸収性物品であって、
前記防漏シートと前記外装不織布とは、ストライプ状に配された接着剤を介して接合されており、
前記外装不織布は、複数の融着部を有しており、
前記複数の融着部は、複数の前記融着部に接し且つ直径が相異なる複数種類の仮想円を互いに重複しないように繰り返し配置可能なパターンで配されており、
前記複数種類の仮想円のうち、直径が最大である大仮想円の直径が、前記接着剤の配置ピッチの長さ以上である、吸収性物品。
【0049】
<2>
前記長手方向にU字形の前記融着部が複数並んだ融着部列が、前記幅方向に複数列形成されており、
前記幅方向に隣り合う前記融着部列どうしは、該融着部の位置が、それぞれ、前記長手方向に1ピッチ分ずれている、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記パターンは、前記大仮想円が、U字形の前記融着部の凸部どうしが対向した前記融着部列間において3つの前記融着部と接するように、且つ前記複数種類の仮想円のうち直径が最小である小仮想円が、U字形の前記融着部の凸部とは反対側の開口部どうしが対向した、前記融着部列間において3つの融着部と接するように配置可能なパターンである、前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>
弧状の前記融着部が小円を成すように4つ配された融着部群が前記長手方向に複数並んだ融着部群列が前記幅方向に複数列形成されており、
前記幅方向に隣り合う前記融着部群列どうしは、前記融着部の位置が、それぞれ前記長手方向に1ピッチ分ずれている、前記<1>に記載の吸収性物品。
<5>
前記パターンは、前記大仮想円が、前記融着部群間において、8つの前記融着部と接するように、且つ前記複数種類の仮想円のうち直径が最小である小仮想円が、前記融着部群が成す小円内において、4つの融着部と接するように配置可能なパターンである、前記<4>に記載の吸収性物品。
<6>
縦長のS字状の前記融着部が前記長手方向に複数並んだ融着部列が、前記幅方向に複数列形成されており、
前記幅方向に隣り合う前記融着部列どうしは、前記融着部の位置が、それぞれ前記長手方向に少しずつずれている、前記<1>に記載の吸収性物品。
<7>
前記パターンは、前記大仮想円が、隣り合う前記融着部列間において、4つのS字状の前記融着部の湾曲部に接するように、且つ前記複数種類の仮想円のうち直径が最小である小仮想円が、前記融着部列の前記長手方向に隣り合う前記融着部間において、2つの前記融着部の端部近傍に接するように配置可能なパターンである、前記<6>に記載の吸収性物品。
<8>
前記パターンは、前記大仮想円と該大仮想円より直径が小さい1種類以上の仮想円とを、それぞれ、4つ以上の前記融着部が成す多角形状の領域内に配置可能なパターンである、前記<1>に記載の吸収性物品。
<9>
正六角形の領域と該正六角形を取り囲む小六角形の領域とを成すように、前記複数の融着部が配されており、
前記正六角形の領域と、前記小六角形の領域とが、前記幅方向に交互に配されている複合列が、前記長手方向に複数列形成されており、前記長手方向に隣り合う前記複合列どうしは、前記正六角形の領域及び前記小六角形の領域の位置が、それぞれ、前記幅方向に半ピッチ分ずれている、前記<8>に記載の吸収性物品。
<10>
前記複合列間には、傾斜方向が異なる前記小六角形の領域が交互に複数配されている六角形列が、前記長手方向に複数列形成されており、前記長手方向に隣り合う前記六角形列どうしは、前記小六角形の領域の位置が、それぞれ、幅方向に半ピッチ分ずれている、前記<9>に記載の吸収性物品。
【0050】
<11>
前記パターンにおいて前記正六角形を成す複数の前記融着部には、該正六角形に接する大仮想円が配置可能であり、小六角形を成す複数の前記融着部には、該小六角形に接する前記大仮想円より直径が小さい仮想円が配置可能であり、
前記大仮想円と該大仮想円より直径が小さい前記仮想円とが、互いに重複しないように、且つ所定の規則性をもって繰り返し配置可能である、前記<9>又は<10>に記載の吸収性物品。
<12>
複数の前記融着部が、縦長の六角形の領域と該六角形の領域間に配される四角形の領域とを成しており、
前記六角形の領域及び前記四角形の領域を形成する複数の前記融着部は、前記六角形の領域及び前記四角形の領域の角部にそれぞれ配されている、前記<8>に記載の吸収性物品。
<13>
前記六角形の領域が、前記幅方向に複数配されている六角形列が、前記長手方向に複数列形成されており、
前記長手方向に隣り合う前記六角形列どうしは、前記幅方向における六角形の領域の位置がそれぞれ同じであり、
前記六角形列間には、前記四角形の領域が幅方向に複数配されている四角形列が、前記長手方向に複数列形成されており、
前記長手方向に隣り合う前記四角形列どうしは、前記幅方向における前記四角形の領域の位置がそれぞれ同じである、前記<12>に記載の吸収性物品。
<14>
前記パターンは、前記大仮想円が前記六角形の領域の4つの融着部に接するように、且つ該大仮想円より直径が小さい前記仮想円が前記四角形の領域の2つの融着部に接するように配置可能なパターンである、前記<12>又は<13>に記載の吸収性物品。
<15>
複数の前記融着部が、八角形の領域、並びに該八角形の領域間に配される四角形の領域及び六角形領域を成しており、
前記八角形の領域、前記四角形の領域及び六角形の領域を形成する複数の前記融着部は、各前記領域の角部にそれぞれ配されている、前記<8>に記載の吸収性物品。
<16>
前記八角形の領域が、前記幅方向に複数配されている八角形列が、前記長手方向に複数列形成されており、
前記長手方向に隣り合う前記八角形列どうしは、前記幅方向における前記八角形の領域の位置がそれぞれ同じであり、
前記八角形列間には、前記四角形の領域と前記六角形の領域とが、前記幅方向に交互に配されている複合列が、前記長手方向に複数列形成されており、
前記長手方向に隣り合う前記複合列どうしは、前記幅方向における前記四角形の領域の位置がそれぞれ同じであり、前記六角形の領域の位置もそれぞれ同じである、前記<15>に記載の吸収性物品。
<17>
前記パターンは、前記大仮想円、前記複数種類のうち直径が最小である小仮想円、及び直径が前記大仮想円よりも小さく、前記小仮想円よりも大きい中仮想円の3種類の前記仮想円を配置可能であり、
前記大仮想円が前記八角形の領域の6つの融着部に接するように、前記小仮想円が前記四角形の領域の4つの融着部に接するように、前記中仮想円が前記六角形の領域の4つの融着部に接するように配置可能なパターンである、前記<15>又は<16>に記載の吸収性物品。
<18>
前記大仮想円の直径Daは、前記接着剤の配置ピッチP1に対して、好ましくは125%以上、より好ましくは150%以上であり、また好ましくは400%以下、より好ましくは300%以下である、前記<1>〜<17>の何れか1に記載の吸収性物品。
<19>
前記大仮想円の直径Daは、好ましくは4mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは12mm以下である、前記<1>〜<18>の何れか1に記載の吸収性物品。
<20>
前記幅方向における前記接着剤の配置ピッチP1は、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは6mm以下である、前記<1>〜<19>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0051】
<21>
前記幅方向における前記接着剤が配された接着剤配置部の長さW21は、前記接着剤の配置ピッチP1に対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下である、前記<1>〜<20>の何れか1に記載の吸収性物品。
<22>
前記幅方向における前記接着剤が配された接着剤配置部の長さW21は、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、また好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下である、前記<1>〜<21>の何れか1に記載の吸収性物品。
<23>
前記幅方向における前記接着剤が配されていない接着剤非配置部の長さW22は、前記接着剤の配置ピッチP1に対して、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下である、前記<1>〜<22>の何れか1に記載の吸収性物品。
<24>
前記幅方向における前記接着剤が配されていない接着剤非配置部の長さW22は、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上であり、また好ましくは9mm以下、より好ましくは6mm以下である、前記<1>〜<23>の何れか1に記載の吸収性物品。
<25>
前記接着剤が配された接着剤配置部間の間隔は一定である、前記<1>〜<24>の何れか1に記載の吸収性物品。
<26>
前記仮想円は、直径が異なる前記仮想円を種類が異なる仮想円と定義したときに、2種類以上4種類以下ある、前記<1>〜<25>の何れか1に記載の吸収性物品。
<27>
前記複数種類の仮想円のうち直径が最小である小仮想円の直径Dbは、前記接着剤の配置幅W21よりも長い、前記<1>〜<26>の何れか1に記載の吸収性物品。
<28>
前記複数種類の仮想円のうち直径が最小である小仮想円の直径Dbは、前記接着剤の配置ピッチP1の長さ以上である、前記<1>〜<27>の何れか1に記載の吸収性物品。
<29>
前記複数種類の仮想円のうち直径が最小である小仮想円の直径Dbは、前記接着剤が配された接着剤配置部の幅W21に対して、好ましくは200%以上、より好ましくは250%以上であり、また好ましくは800%以下、より好ましくは600%以下である、前記<1>〜<28>の何れか1に記載の吸収性物品。
<30>
前記複数種類の仮想円のうち直径が最小である小仮想円の直径Dbは、前記接着剤の配置ピッチP1に対して、好ましくは100%以上、より好ましくは125%以上であり、また好ましくは200%以下、より好ましくは150%以下である、前記<1>〜<29>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0052】
<31>
前記接着剤が配されていない接着剤非配置部と重なる前記仮想円が複数種類である
、前記<1>〜<30>の何れか1に記載の吸収性物品。
<32>
前記接着剤が配されていない接着剤非配置部が、前記長手方向に延びている、前記<1>〜<31>の何れか1に記載の吸収性物品。
<33>
ストライプ状に配された前記接着剤は、前記接着剤が配された個々の接着剤配置部が、それぞれ、おむつ1の長手方向に延びている、前記<32>に記載の吸収性物品。
<34>
前記幅方向における前記大仮想円の中心どうしの最短距離D1は、前記接着剤の前記配置ピッチP1の長さの整数倍である、前記<1>〜<33>の何れか1に記載の吸収性物品。
<35>
前記幅方向に隣り合う前記大仮想円の中心どうしの最短距離D1が、前記接着剤の前記配置ピッチP1の4倍である、前記<34>に記載の吸収性物品。
<36>
前記幅方向における前記大仮想円の中心どうしの最短距離D1は、前記接着剤の配置ピッチP1の長さの整数倍であり、
前記整数倍の整数は、好ましくは3〜8の範囲の整数であり、より好ましくは4〜6の範囲の整数である、前記<34>又は<35>に記載の吸収性物品。
<37>
前記パターンは、前記多角形状の領域として、前記大仮想円より直径が小さい仮想円を一方向にずらして複数個所に配置可能な扁平多角形領域を設定可能なパターンであり、該仮想円をずらして描かれる該仮想円の中心の軌跡が、前記接着剤が配された接着剤配置部の延在方向と交差している、前記<1>〜<36>の何れか1に記載の吸収性物品。
<38>
前記軌跡O4bが、前記接着剤が配された接着剤配置部の延在方向と交差する前記仮想円は、前記大仮想円以外の仮想円である、前記<37>に記載の吸収性物品。
<39>
前記軌跡O4bと、前記接着剤が配された接着剤配置部の延在方向との鋭角側の交差角θの平均角度は、好ましくは15°以上、より好ましくは30°以上であり、また好ましくは90°以下、より好ましくは75°以下である、前記<37>又は<38>に記載の吸収性物品。
<40>
前記外装不織布における単位面積当たりの前記大仮想円の数が、前記大仮想円より直径が小さい仮想円の数以下である、前記<1>〜<39>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0053】
<41>
前記大仮想円の数は、前記複数種類の仮想円のうち直径が最小である小仮想円の数に対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは75%以下である、前記<40>に記載の吸収性物品。
<42>
前記外装不織布が、長繊維を含む不織布であり、前記複数の融着部のうちの一部が、前記接着剤を介して、前記防漏シートと接合している、前記<1>〜<41>の何れか1に記載の吸収性物品。
<43>
前記大仮想円の面積に対して、それに隣接する前記融着部の総面積は、好ましくは5%以上、より好ましくは80%以上であり、また好ましくは10%以下、より好ましくは40%以下である、前記<1>〜<42>の何れか1に記載の吸収性物品。
<44>
前記融着部の面積は、好ましくは0.5mm
2以上、より好ましくは1mm
2以上であり、また好ましくは20mm
2以下、より好ましくは10mm
2以下である、前記<1>〜<43>の何れか1に記載の吸収性物品。
<45>
前記接着剤が配された接着剤配置部の合計面積は、前記接着剤をストライプ状に配した領域であるストライプ塗工領域2の面積に対して、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは25%以下である、前記<1>〜<44>の何れか1に記載の吸収性物品。
<46>
前記接着剤が配された接着剤配置部における前記接着剤の塗布量は、好ましくは0.1g/m
2以上、より好ましくは0.3g/m
2以上であり、また好ましくは5g/m
2以下、より好ましくは3g/m
2以下である、前記<1>〜<45>の何れか1に記載の吸収性物品。