(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、スイッチング電源装置のプリント基板には、入力電圧をスイッチング素子のオンオフにより断続電圧に変換した後にトランスを介して2次側の整流素子、チョークコイルル及びコンデンサを備えた整流平滑回路に伝達して整流平滑することで出力電圧に変換する回路部品が配置されている。
【0003】
このようなスイッチング電源装置では、一般に、プリント基板に回路部品を配置して部品同士をプリントパターンに半田付けして接続しているが、スイッチング電源装置で大電流を扱う場合には、トランス2次側の整流平滑回路部の正極ラインと負極ラインに低損失で大電流を流すことのできるバスバーを使用し、バスバーをプリント基板上に配置して正負の出力端子を取り出すようにしている。
【0004】
また、大電流を扱うスイッチング電源装置における平滑回路の回路基板接続構造として、プリント基板を使用せずにバスバーのみを用いた従来の接続構造として、例えば
図8及び
図9に示すものが知られている。
【0005】
図8に示すように、板金配線としてのバスバー120,121は、バスバー120が出力端子の負極側ライン、バスバー121が出力端子の正極側ラインとなるよう両者が略平行に敷設されている。バスバー121の一端にはチョークコイル105の接続端子105aがねじにより接続されている。
【0006】
電解コンデンサ106,107,108は、絶縁体としての絶縁板140を介してバスバー120,121に実装されており、そのリード端子106a,107a,108は、
図9の断面図に示すように、バスバー120,121に直接半田付け接続されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、
図8及び
図9に示した従来の接続構造にあっては、電解コンデンサをバスバーに直接半田付けしているが、バスバーのような熱容量が大きな部品に直接半田付けを行うためには、高度な半田付けの技術と設備、更に、多岐にわたる生産工程が必要であり、プリント基板の半田付けに比べ、工程が複雑化し、生産のリードタイムが長期化してしまう問題がある。また、絶縁板が必要となるので、部品点数が増加し、ねじ締めの工程も追加になる問題がある。
【0009】
このような問題を解決するためには、プリント基板上にバスバーと平滑コンデンサを別々に配置し、バスバーのリード端子や平滑コンデンサのリード端子をプリント基板の挿入孔に通して反対面のプリントパターンに半田付けすることが考えられる。
【0010】
しかしながら、プリント基板上に別々にバスバーとコンデンサを配置した場合には、それぞれの配置スペースが必要となり、また大電流の出力ラインとして使用するバスバーとコンデンサとの間を接続する配線距離が増加して配線長が長くなり、寄生インダクタンスに起因して急峻に変化するリップル電圧波形が出力電圧に含まれるようになる問題がある。
【0011】
本発明は、プリント基板にバスバーとコンデンサ等の回路部品を配置した場合に配置スペースを低減して小型化すると共にバスバーと回路部品の間の配線長を短くして電気的な特性を改善可能とする回路基板接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(回路基板接続構造)
本発明は、プリント基板上にバスバーを用いて回路部品が配置された回路基板接続構造
であって、
プリント基板の基板表面に
密着してバスバー
が、次に回路部品が順番に積層して配置され、
バスバー
のリード端子が
、プリント基板の挿入孔に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続され、
回路部品のリード端子が
、バスバーに
直接接触することなく当該バスバーに形成された開口孔
を挿通してプリント基板の挿入孔に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続され
、
バスバー及び回路部品が、基板裏面のプリントパターンを介して接続されたことを特徴とする。
【0013】
(回路部品としてのコンデンサ)
回路部品はコンデンサ
である。
【0014】
(スイッチング電源装置の回路部品配置)
プリント基板
は、コンデンサを
有するスイッチング電源装置の回路部品が配置される。
【0015】
(出力端子の配置構造)
スイッチング電源装置の回路部品として、更に、プリント基板上に
第1出力端子部材と
第2出力端子部材が配置され、
第1出力端子部材
のリード端子が、バスバーに
直接接触することなく当該バスバーに形成された開口孔
を挿通してプリント基板の挿入孔に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続され、
第2出力端子部材
の一端が、バスバーに接触
した状態でプリント基板の表面に固定配置され
、
第1出力端子部材、第2出力端子部材及びコンデンサが、バスバー及び基板裏面のプリントパターンを介して接続される。
【0016】
(複数本のコンデンサ配置)
コンデンサは
、プリント基板
の基板表面に複数配置され、基板裏面のプリントパターンに半田付けにより並列接続される。
【0017】
(強制冷却用の通風路)
複数のコンデンサは
、所定方向に複数列に配置され、複数のコンデンサの配置列の間に、冷却ファンからの冷却風が通る通風路が形成される。
【発明の効果】
【0018】
(基本的な効果)
本発明は、プリント基板上にバスバーを用いて回路部品が配置された回路基板接続構造に於いて、プリント基板の基板表面にバスバー及び回路部品が順番に積層して配置され、バスバーから延在されたリード端子がプリント基板の挿入孔に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続され、回路部品のリード端子がバスバーに形成された開口孔を接触せずに挿通してプリント基板の挿入孔に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続されたため、プリント基板上にバスバー及び回路部品が積層配置されることで、別々に配置した場合に比べ、設置スペースが低減し、小型化することができる。
【0019】
また、プリント基板上にバスバー及び回路部品が積層配置されることで、バスバーと回路部品間のプリントパターンを経由した配線長を短くすることができ、電気的特性が改善される。
【0020】
更に、バスバー及び回路部品は全てプリント基板に半田付けにより接続されるため、バスバーに直接半田付けする場合の問題は起きない。
【0021】
(回路部品としてのコンデンサを配置した場合の効果)
また、回路部品はコンデンサであり、プリント基板の基板表面にバスバー及びコンデンサが順番に積層して配置され、バスバーから延在されたリード端子がプリント基板の挿入孔に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続され、コンデンサのリード端子がバスバーに形成された開口孔を接触せずに挿通してプリント基板の挿入孔に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続されたため、プリント基板上にバスバー及びコンデンサが積層配置されることで、別々に配置した場合に比べ、設置スペースが低減し、小型化することができ、また、プリント基板上にバスバー及びコンデンサが積層配置されることで、バスバーとコンデンサの間のプリントパターンを経由した配線長を短くすることができ、電気的特性が改善される。
【0022】
(スイッチング電源装置の回路部品配置による効果)
また、プリント基板には、入力電圧をスイッチング素子のオンオフにより断続電圧に変換した後にトランスを介して整流素子、チョークコイル及びコンデンサを備えたに整流平滑回路に伝達して整流平滑することで出力電圧に変換するスイッチング電源装置の回路部品が配置され、プリント基板上に整流平滑回路のコンデンサがバスバーの上に積層配置されることで、設置スペースが低減し、小型化することができ、バスバーとコンデンサの間のプリントパターンを経由した配線長を短くすることができ、寄生インダクタンス成分が低減することで、寄生インダクタンス成分に起因して出力電圧に周期的に発生するリップル電圧の急激な変化を抑制除去可能とする。
【0023】
(出力端子の配置構造による効果)
また、スイッチング電源装置の回路部品として、更に、プリント基板上にプラス出力端子部材とマイナス出力端子部材が配置され、プラス出力端子部材はバスバーに形成された開口孔を接触せずに挿通してプリント基板の挿入孔に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続され、マイナス出力端子部材はバスバーに接触された状態でプリント基板の表面に固定配置されたため、プリント基板にバスバーとプラス出力端子部材を積層配置していても、コンデンサの場合と同様に、プラス出力端子部材に設けられたリード端子がバスバーの開口穴を介してプリント基板の挿入孔に挿入して半田付けされることで、プリント基板上に配置されたバスバーの上にコンデンサと共にプラス出力端子部材を積層して配置することができ、配置スペースを更に低減して小型化可能とする。
【0024】
(複数本のコンデンサ配置による効果)
また、コンデンサは複数本設けられ、プリント基板に対する半田付けにより並列接続されたため、プリント基板上に配置されたバスバーの上に複数本のコンデンサが配置されることで、複数本のコンデンサ分の配置スペースを別途確保する必要がなく、設置スペースを大幅に低減して小型化可能とする。
【0025】
(強制冷却用の通風路による効果)
また、複数のコンデンサは所定方向に複数列に配置され、複数のコンデンサの配置列の間に、冷却ファンからの冷却風が通る通風路が形成されるため、スイッチング電源装置の出力回路部に大電流が流れてコンデンサを含む回路部品やバスバーが発熱しても、冷却ファンからの強制送風による冷却効率が高いことで、本発明のプリント基板接続構造を使用した装置や機器の使用温度が低減され、信頼性と耐久性を向上可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(回路基板接構造の概要)
図1はスイッチング電源装置のトランス2次側回路を実装した回路基板接続構造を示した説明図である。
【0028】
図1に示すように、プリント基板10の基板面には、スイッチング電源装置のトランス2次側回路に設けられたトランス12、整流素子14、チョークコイル16及びコンデンサ18が配置されている。
【0029】
トランス12は右側にトランス出力端子28を取り出しており、トランス出力端子28と整流素子14の間にはバスバー20が基板表面に配置されており、バスバー20を介してトランス出力端子28と整流素子14が接続されている。
【0030】
整流素子14は箱形に形成されたバスバー22の中に複数配置されており、バスバー22からはプラス出力端子24が取り出されている。また整流素子14が収納されたバスバー22に続いて奥行方向に複数のコンデンサ18が2列に配置されており、コンデンサ18の列の左側の基板上からマイナス出力端子26が取り出されている。
【0031】
チョークコイル16は右側にチョークコイル端子30を取り出しており、チョークコイル端子30も基板上に配置された他のバスバー20を介して整流素子14側に接続されている。
【0032】
(スイッチング電源装置の回路)
図2は
図1のトランス2次側回路を含むスイッチング電源装置の電力変換部を示した回路図であり、シングルエン
デッドフォワードコンバータを例にとっている。
【0033】
図2に示すように、スイッチング電源装置の回路は、トランス12の1次巻線12aにスイッチング素子11が直列接続され、トランス12の2次巻線12bに続いてダイオード14a,14bを備えた整流回路部と、チョークコイル16とコンデンサ18を備えた平滑回路部が設けられている。
【0034】
スイッチング素子11は図示しない制御回路によりオンオフされており、入力電圧をスイッチング素子11のオンオフにより断続電圧に変換した後にトランス12を介して2次巻線12bに断続電圧を生成する。トランス12の2次巻線12bに生成された断続電圧はダイオード14a,14bにより整流され、チョークコイル16及びコンデンサ18により平滑されて直流の出力電圧に変換される。
【0035】
シングルエン
デッドフォワード方式のトランス2次側回路の動作は、スイッチング素子11のオンによりトランス12の2次巻線12bに生成された電圧によりチョークコイル16、コンデンサ18及びダイオード14aとなる実線の矢印で示す経路でフォワード電流が流れ、コンデンサ18に電荷が蓄積されると共にチョークコイル16にエネルギーが蓄えられ、スイッチング素子11がオフするとチョークコイル16に蓄えられたエネルギーによりチョークコイル16からコンデンサ18及びダイオード14bとなる点線の矢印で示す経路でフライホイール電流が流れ、これにより断続電圧が整流平滑される。
【0036】
ここで、
図2のトランス2次側回路に設けられた整流用のダイオード14a,14bは、
図1の整流素子14に対応し、
図1にあっては複数の整流素子14を並列接続することで、
図2のダイオード14a,14bの機能を実現している。また、
図1にあっては、8本のコンデンサ18を並列接続することで
図2のコンデンサ18を実現している。
【0037】
(回路部品とバスバーの概要)
図3は
図1の回路基板接続構造を分解して示した説明図である。
図3に示すように、本実施形態にあっては、プリント基板10の基板上に、バスバー20を3枚に分けて配置している。
【0038】
ここで、手前のバスバー20はトランス12と整流素子の接続に使用され、中央のバスバー20はトランス12及びチョークコイル16と整流素子の接続に使用され、更に、奥側のバスバー20はチョークコイル16とコンデンサの接続に使用される。
【0039】
(回路基板接構造の詳細)
図4は
図1のコンデンサ側の実装構造の部分を取り出して回路基板接続構造の実施形態を示した説明図である。
【0040】
図4に示すように、プリント基板10の基板表面にはバスバー20が配置され、バスバー20の上にコンデンサ18が4本ずつ2列に分けて配置されている。また、2列に分けて配置されたコンデンサ18の間からはバスバー22から延在されたプラス出力端子24が外側に取り出されており、また、トランス12及びチョークコイル16の並び列とコンデンサ18の並び列の間の基板表面にはマイナス出力端子26が配置されて外部に取り出されている。
【0041】
図5は
図4におけるプリント基板に対するバスバー及びプラス出力端子の積層構造を拡大して示した説明図である。
図5に示すように、プリント基板10に挿入孔36が形成され、この挿入孔36にバスバー20から延在したリード端子38が挿入されてプリント基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続可能としている。
【0042】
また、バスバー20のコンデンサ18を積層配置する位置には、2個の開口孔32,34が隣接して形成され、コンデンサ18からの2本のリード端子を開口孔32,
34を個別に通してバスバー20に接触することなくプリント基板10の挿入孔に挿入可能としている。なお、コンデンサ18のリード端子を通す開口孔32,34は、リード端子の取出し部分のサイズに対応して異なった径とし、リード端子がバスバー20に対し確実に接触しないようにしている。
【0043】
また、バスバー20にプラス出力端子24を積層配置する位置には開口孔40が形成され、プラス出力端子24の下端に形成されたリード端子42を、バスバー20に接触することなく開口孔40に通してプリント基板10の挿入孔に挿入し、基板裏面のプリントパターンに半付けにより接続可能としている。
【0044】
図6はプリント基板、バスバー及びコンデンサの積層構造を断面で示した説明図であり、
図6(A)に断面構造を示し、
図6(B)に電流経路を示している。
【0045】
図6(A)に示すように、本実施形態の回路基板接続構造は、プリント基板10の表面にバスバー20及びコンデンサ18が順番に積層して配置される。バスバー20から延在されたリード端子38はプリント基板10の挿入孔36に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続される。
【0046】
また、コンデンサ18の一方のリード端子44は、バスバー20に形成された開口孔34を接触せずに挿通してプリント基板10の挿入孔46に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続される。コンデンサ18の他方のリード端子44は、
図5に示したバスバー20に形成された開口孔32を接触せずに挿通してプリント基板10の挿入孔に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続される。
【0047】
また、プラス出力端子24の下端に形成されたリード端子42は、バスバー20に形成された開口孔40を接触せずに挿通してプリント基板10の挿入孔48に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続される。
【0048】
更に、マイナス出力端子26はバスバー20に接触した状態でプリント基板10上に起立固定されており、このためバスバー20はマイナス電位となっている。
【0049】
このような回路基板接続構造によれば、プリント基板10の上に配置されたバスバー20の上にコンデンサ18が積層配置されることで、プリント基板10の基板表面にバスバー20とコンデンサ18の配置スペースを別々に確保する必要がなくなり、バスバー20とコンデンサ18の配置スペースが共用されることで回路基板接続構造が小型化され、この回路基板接続構造を備えたプリント基板10を使用したスイッチング電源装置の小型化ができる。
【0050】
(線路長の短縮)
図6(A)に示すように、プリント基板10の上に配置されたバスバー20の上にコンデンサ18が積層配置されることで、コンデンサ18のリード端子44とプリントパターンを経由したバスバー20を含むプラス出力端子24とマイナス出力端子26までの接続配線の距離を短くすることができる。
【0051】
図6(B)は、プリント基板10の上に配置されたバスバー20にコンデンサ18が積層配置された回路基板接続構造の電流経路を示しており、矢印で示すように、
(プラス出力端子24)→(プリント基板10の裏面プリントパターン)→(コンデンサ18)→(バスバー20)→(チョークコイル16)となる経路で電流が流れる。
【0052】
このような電流経路において、プリント基板10の基板裏面には、コンデンサ18の2本のリード端子44から両側にほぼ同じ距離離れた位置に、プラス出力端子24のリード端子42と、マイナス出力端子26に接触してマイナス出力ラインとなるバスバー20のリード端子38とが位置しており、プラス出力端子24のリード端子42とコンデンサ18の一方のリード端子44の間のプリントパターンの長さLaは
図2に示したコンデンサ18のプラス端子からプラス出力ラインまでの点線部分aの配線長に対応し、また、バスバー20のリード端子38とコンデンサ18の他方のリード端子44の間のプリントパターンの長さLbは
図2に示したコンデンサ18のマイナス端子からマイナス出力ラインまでの点線部分bの配線長に対応する。
【0053】
図7はスイッチング電源装置の出力端子間に現れる電圧波形を示した説明図であり、
図7(A)が不具合のある電圧波形を示し、
図7(B)が理想的な電圧波形を示している。
【0054】
図2に示したスイッチング電源装置にあっては、スイッチング素子11のオンオフにより生成された断続電圧をトランス12の2次側に伝達して整流平滑しており、出力電圧には数μsec〜数十μsecの周期となるリップル電圧波形が重畳している。
【0055】
図7(A)に示す電圧波形に重畳されたリップル電圧は、その中心線から見た時、電圧波形が上昇する期間と下降する期間の切り替わりタイミングで急峻に電圧波形が変化している部分があり、出力電圧波形の上限と下限の差が大きくなっている。
【0056】
このように急峻に変化する電圧は、
図2のコンデンサ18の両側の点線部分a,bの配線に発生する寄生インダクタンス成分に電流が流れることにより発生しており、流れる電流が大きければ大きいほど顕著に表れる特性である。
【0057】
このためスイッチング電源装置で大電流を扱う場合には、
図2の点線部分a,bの接続配線をできるだけ短くして、寄生インダクタンス成分を小さくすることが望ましい。
【0058】
本実施形態の回路基板接続構造にあっては、
図6(B)の電流経路に示したように、
図2の点線部分aの配線接続に相当するプラス出力端子24のリード端子42とコンデンサ18の一方のリード端子44の間のプリントパターンの長さLaと、
図2の点線部分bの配線接続に相当するバスバー20のリード端子38とコンデンサ18の他方のリード端子44の間のプリントパターンの長さLbが、プリント基板10の上に配置されたバスバー20の上にコンデンサ18が積層配置されることで、短くなっており、このためコンデンサ18の両側の接続配線による寄生インダクタンス成分が低下し、
図7(B)の理想的な電圧波形に近づけることができる。
【0059】
(トランス及びチョーコイルに対するコンデンサの配置構造)
本実施形態の回路基板接続構造にあっては、
図1に示したように、複数のコンデンサ18を使用しており、この場合、複数のコンデンサ18は、トランス12及びチョークコイル16の並び方向と同じ方向に例えば2列に4個ずつ配置されている。
【0060】
このようにトランス12とチョークコイル16の並びに対し複数のコンデンサ18が2列で平行に配置されることで同一距離で並ぶこととなり、プリント基板10に対する複数のコンデンサ18を少ないスペースで効率良く配置でき、スイッチング電源装置の小型化を可能とする。
【0061】
また、
図1に示す同一方向に並べられたトランス12及びチョークコイル16の列と複数のコンデンサ18の列との間は、図示しない冷却ファンからの強制冷却による風が通る通風路として形成されている。
【0062】
このため、スイッチング電源装置の出力回路部に大電流が流れてコンデンサ18を含む回路部品が発熱しても、冷却ファンからの強制送風による冷却効率が高いことで、使用温度が低減され、信頼性と耐久性を向上可能とする。
【0063】
[本発明の変形例]
上記の実施形態は、スイッチング電源装置の回路部品をプリント基板に配置して接続した回路基板接続構造を例にとっているが、これに限定されず、プリント基板上にバスバーを用いて適宜の回路部品が配置された全ての回路基板接続構造を対象とし、プリント基板の基板表面にバスバー及び回路部品が順番に積層して配置され、バスバーから延在されたリード端子がプリント基板の挿入孔に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続され、回路部品のリード端子がバスバーに形成された開口孔を接触せずに挿通してプリント基板の挿入孔に挿入されて基板裏面のプリントパターンに半田付けにより接続される回路基板接続構造を含むものである。
【0064】
また、上記の実施形態は、シングルエン
デッドフォワードコンバータを例にとっているが、これに以外に、フライバックコンバータ、フルブリッジコンバータ、ハーフブリッジコンバータ、プッシュプルコンバータ等であっても良い。
【0065】
また、上記の実施形態のトランス2次側回路には整流素子としてダイオードを使用しているが、同期整流回路を構成してもよく、この場合には、整流素子に代えてMOS−FET等の同期整流素子が使用される。
【0066】
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。