(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記対象情報は、2以上の状態を有する少なくとも1つのシンボルであって、前記端末における操作によって当該状態が循環的に変化するシンボルの表示態様を示す情報である、
請求項1から9のいずれか1項に記載の中継装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
[情報共有システムSの概要]
図1は、第1実施形態に係る情報共有システムSの概要を示す図である。情報共有システムSは、中継装置1と、携帯電話回線やインターネット等の通信ネットワーク3を介して中継装置1と通信可能な複数のユーザ端末2とを備える。情報共有システムSは、ユーザ端末2に表示される対象となる対象情報を複数のユーザ端末2の間で共有するためのシステムである。
【0020】
本実施形態において、中継装置1はサーバである。また、本実施形態において、ユーザ端末2は、例えばスマートフォン等の携帯端末である。なお、ユーザ端末2は、対象情報を他のユーザ端末2と共有可能なものであれば、スマートフォンに限らず、対象情報を共有するための機能のみを有する専用の装置であってもよい。
【0021】
本実施形態において、対象情報は、例えば2以上の状態を有する少なくとも1つのシンボルの表示態様を示す情報である。ここで、シンボルの状態は、ユーザ端末2における操作によって循環的に変化する。
図2は、第1実施形態に係る対象情報の一例を示す図である。
図2(a)に示すように、対象情報は、4行3列からなる12個のシンボルの表示態様を示す情報である。本実施形態において、各シンボルを識別するために、行番号をアルファベットの小文字で表現し、列番号を数字で表現するものとする。例えば、第3行第2列のシンボルをシンボルc2と表現する。シンボルの表示態様を対象情報とすることにより、幼児等がユーザ端末2を使用した場合であってもコミュニケーションを取ることができる。
【0022】
対象情報は、
図2(b)に示すように4つの状態ST1〜ST4を有している。シンボルの状態は、ユーザ端末2における当該シンボルの選択操作によって循環的に変化する。例えば、対象情報が、
図2(a)に示す状態である場合に、第1行第2列のシンボルa2が選択されると、対象情報は、
図2(c)に示す状態となる。
【0023】
図1に示されるように、中継装置1は、複数のユーザ端末2のそれぞれから送信されるシンボルの選択情報を受信する(
図1の(1))。中継装置1は、受信した選択情報に基づいて対象情報を更新し、当該対象情報を履歴情報として自身の記憶部に記憶させる(
図1の(2))。中継装置1は、対象情報の送信対象となるユーザ端末2の数に基づいて対象情報を要約した要約情報を生成し、自身の記憶部に記憶させる(
図1の(3))。
【0024】
中継装置1は、受信した対象情報を、送信対象となる他のユーザ端末2に送信する(
図1の(4))。中継装置1は、ユーザ端末2から要約情報の取得要求を受け付けると(
図1の(5))、記憶部に記憶されている要約情報を当該ユーザ端末2に送信する(
図1の(6))。このようにすることで、中継装置1は、ユーザ端末2のユーザに与える負担を軽減しつつユーザ間のコミュニケーションを可能とする。
続いて、中継装置1及びユーザ端末2の構成について説明する。
【0025】
[中継装置1の構成例]
図3は、第1実施形態に係る中継装置1の構成を示す図である。
中継装置1は、記憶部11と、制御部12とを備える。
【0026】
記憶部11は、例えば、ROM及びRAM等である。記憶部11は、中継装置1を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部11は、中継装置1の制御部12を、後述する対象情報受信部121、記憶制御部122、対象情報送信部123、特定部124、生成部125、要求受付部126、及び要約情報送信部127として機能させる中継プログラムを記憶する。記憶部11は、複数のユーザ端末2のそれぞれから取得した対象情報を履歴情報として記憶する。記憶部11は、1以上のユーザ端末2が属するグループと、当該グループに属しているユーザ端末2のユーザを識別するユーザ識別情報とを関連付けて記憶する。
【0027】
制御部12は、例えばCPUである。制御部12は、記憶部11に記憶されている各種プログラムを実行することにより、中継装置1に係る機能を制御する。制御部12は、中継プログラムを実行することにより、対象情報受信部121、記憶制御部122、対象情報送信部123、特定部124、生成部125、要求受付部126、及び要約情報送信部127として機能する。これらの機能の詳細については後述する。
【0028】
[ユーザ端末2の構成例]
続いて、ユーザ端末2の構成について説明する。
図4は、第1実施形態に係るユーザ端末2の構成を示す図である。
ユーザ端末2は、表示部21と、入力部22と、記憶部23と、制御部24とを備える。
【0029】
表示部21は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。表示部21は、制御部24の制御に基づいて対象情報を表示する。
【0030】
入力部22は、例えば、表示部21に対応して配置される接触センサ等により構成されるタッチパネルやボタンである。入力部22は、ユーザ端末2のユーザから操作入力を受け付ける。
【0031】
記憶部23は、例えば、ROM及びRAMである。記憶部23は、ユーザ端末2を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部23は、制御部24を、表示制御部241、対象情報送信部242、対象情報受信部243、要約情報要求部244、及び要約情報受信部245として機能させる表示制御プログラムを記憶する。表示制御プログラムは、例えば、アプリケーションプログラムを提供する外部サーバ(不図示)から取得可能なプログラムである。
【0032】
制御部24は、例えばCPUである。制御部24は、記憶部23に記憶されている各種プログラムを実行することにより、ユーザ端末2に係る機能を制御する。制御部24は、表示制御プログラムを実行することにより、表示制御部241、対象情報送信部242、対象情報受信部243、要約情報要求部244、及び要約情報受信部245として機能する。
【0033】
以下、中継装置1とユーザ端末2とにおける各種の処理の流れを参照しながら、中継装置1の制御部12が備える各機能の詳細と、ユーザ端末2の制御部24が備える各機能の詳細とについて説明する。
【0034】
[対象情報の共有]
まず、対象情報を共有する際の処理の流れについて説明する。
図5は、第1実施形態に係る対象情報の共有に係る処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、複数のユーザ端末2として、同一のグループに属する複数のユーザが使用するユーザ端末2A、2B、及び2Cが存在しており、ユーザ端末2Aにおけるシンボルの選択操作によって更新された対象情報がユーザ端末2A、2B、2Cの間で共有される例について説明する。
【0035】
なお、対象情報の共有を行うにあたり、複数のユーザ端末2(ユーザ端末2A、2B、及び2C)のそれぞれでは、表示制御プログラムが実行されているものとする。そして複数のユーザ端末2のそれぞれの表示制御部241は、対象情報を表示部21に表示させているものとする。また、対象情報の状態は、初期状態であるものとする。初期状態は、全てのシンボルの状態が、
図2(b)に示す状態ST1であるものとする。
【0036】
まず、ユーザ端末2Aの対象情報送信部242は、シンボルの選択操作が行われると、対象情報に係る情報として、選択されたシンボルを示す選択情報を中継装置1に送信する(S10、S20)。選択情報には、ユーザ端末2Aに対応するユーザ識別情報と、ユーザ端末2Aのユーザが属するグループを識別するグループ識別情報とが含まれているものとする。
【0037】
中継装置1の対象情報受信部121は、1以上のユーザ端末2から、ユーザ端末2に表示させる対象である対象情報に係る情報として、選択情報を受信する。
図5に示す例では、対象情報受信部121は、ユーザ端末2Aから選択情報を受信する。
【0038】
中継装置1の記憶制御部122は、選択情報に基づいて対象情報を更新する(S30)。そして、記憶制御部122は、対象情報の更新履歴を示す履歴情報を記憶部11に記憶させる(S40)。履歴情報には、選択情報に含まれているグループ識別情報と、ユーザ識別情報と、対象情報が更新された時刻を示す時刻情報と、更新後の対象情報とが含まれている。
【0039】
続いて、中継装置1の対象情報送信部123は、対象情報受信部121が受信した選択情報に基づいて、対象情報の送信対象となるユーザ端末2に、対象情報を送信する(S50)。
図5に示す例では、対象情報送信部123は、対象情報の送信対象としてのユーザ端末2A、2B及び2Cに、対象情報を送信する。
【0040】
ユーザ端末2A、2B及び2Cのそれぞれの対象情報受信部243は、中継装置1から送信された対象情報を受信する。ユーザ端末2A、2B及び2Cのそれぞれの表示制御部241は、当該対象情報を表示部21に表示させる(S60)。
【0041】
続いて、中継装置1の特定部124及び生成部125は、要約情報を生成する要約情報生成処理を実行する(S70)。特定部124は、対象情報の送信対象となるユーザ端末2の数を特定し、生成部125は、特定されたユーザ端末2の数に基づいて、対象情報の時系列の変化を要約した要約情報を生成する。要約情報生成処理の詳細については後述する。
【0042】
図6及び
図7は、ユーザ端末2A、2B及び2Cの間で対象情報が共有される例を示す図である。
図6に示す例では、例えば、時刻T0においてユーザ端末2Aによってシンボルb1が操作されたことによって更新された対象情報がユーザ端末2A、2B及び2Cで共有されたことを示している。また、時刻T1においてユーザ端末2Bによってシンボルb2が操作されたことによって更新された対象情報がユーザ端末2A、2B及び2Cで共有されたことを示している。
【0043】
図7に示す例では、ユーザ端末2Aのみによって対象情報が更新された例を示している。
図7では、シンボルa1、b1、c1、c2、c3、b3、a3、a2の順で、シンボルの状態が、
図2(b)に示す状態ST4に更新される例を示している。
【0044】
[要約情報の生成]
続いて、要約情報の生成について説明する。
図8は、第1実施形態に係る要約情報生成処理における処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
まず、特定部124は、対象情報の送信対象となるユーザ端末2の数を特定する(S710)。具体的には、特定部124は、要約情報を生成するタイミングから所定時間内(例えば30分)に中継装置1から対象情報が送信されたユーザ端末2の数を特定する。
続いて、特定部124は、要約情報を生成するタイミングから所定時間内に選択情報を中継装置1に送信したユーザ端末2の数を特定する(S720)。
【0046】
続いて、生成部125は、S730及びS740に係る処理を実行することにより、S710及びS720において特定されたユーザ端末2の数に基づいて、要約情報を生成する第1要約方式と第2要約方式とのうち、いずれかの要約方式を選択する。
【0047】
具体的には、生成部125は、S710において特定されたユーザ端末2の数と、S720において特定されたユーザ端末2の数とに基づいて、複数のユーザ端末2のそれぞれの操作割合を算出する(S730)。
【0048】
続いて、生成部125は、算出された複数のユーザ端末2のそれぞれの操作割合のうち、最大の操作割合が所定値未満か否かを判定する(S740)。生成部125は、最大の操作割合が所定値未満の場合には、S750に処理を移し、最大の操作割合が所定値以上の場合には、S760に処理を移す。
【0049】
S750において、生成部125は、要約方式として第1要約方式を選択し、当該第1要約方式に基づいて要約情報を生成する。第1要約方式は、対象情報を送信したユーザ端末2が切り替わる直前に受信した対象情報に基づいて要約情報を生成する方式である。
【0050】
例えば、
図6に示すように対象情報が変化した場合に、生成部125が、第1要約方式を選択したとする。
図6に示す例では、対象情報を送信したユーザ端末2が切り替わる直前に対応する時刻は、T0、T2、T3、T6である。したがって、生成部125は、第1要約方式に基づいて、
図6に示す時刻T0、T2、T3、T6に対応する対象情報を時系列に表示する要約情報を生成する。ここで、生成部125は、最新の状態を示す対象状態を要約情報に含めてもよい。
図6に示す例では、生成部125は、時刻T8に対応する対象情報を要約情報に含めるものとする。
【0051】
図9は、第1要約方式に基づいて生成された要約情報の一例を示す図である。
図9に示す要約情報は、
図6に示すように対象情報が変化した場合に対応して生成された要約情報である。要約情報には、対象情報が更新された時刻を示す時刻情報と、対象情報において更新されたシンボルの位置を示す情報(操作情報)と、操作を行ったユーザ端末2に対応するユーザ識別情報とが含まれていてもよい。中継装置1は、第1方式によって生成した要約情報により、複数のユーザによって対象情報がどのように更新されたのかを、ユーザに容易に把握させることができる。
【0052】
S760において、生成部125は、要約方式として第2要約方式を選択し、当該第2要約方式に基づいて要約情報を生成する。第2要約方式は、対象情報が表示される表示領域のうち、同じ表示位置における対象情報の表示状態が連続して更新された場合の、当該表示位置における最後の表示状態に基づいて要約情報を生成する方式である。
【0053】
例えば、
図7に示すように対象情報が変化した場合に、生成部125が、第2要約方式を選択したとする。
図7に示す例では、同じ表示位置における対象情報の表示状態が連続して更新された場合の、当該表示位置における最後の表示状態に変化した時刻は、T2、T5、T8、T11、T14、T17、T20となる。したがって、生成部125は、第2要約方式に基づいて、
図6に示す時刻T2、T5、T8、T11、T14、T17、T20に対応する対象情報を時系列に表示する要約情報を生成する。ここで、生成部125は、最新の状態を示す対象状態を要約情報に含めてもよい。
図7に示す例では、生成部125は、時刻T23に対応する対象情報を要約情報に含めるものとする。
【0054】
図10は、第2要約方式に基づいて生成された要約情報の一例を示す図である。
図10に示す要約情報は、
図7に示すように対象情報が変化した場合に対応して生成された要約情報である。中継装置1は、第2方式によって生成した要約情報により、
図7の時刻T23に対応する最新の対象情報に変化するまで、どのような手順で対象情報が変更されたのかをユーザに容易に把握させることができる。
【0055】
なお、生成部125は、要約情報を生成する場合に、現在時刻から遡って、連続する2つの対象情報の受信間隔が所定時間以上(例えば30分以上)となるまでの複数の対象情報に基づいて要約情報を生成するようにしてもよい。このようにすることで、中継装置1は、対象情報の一連の変化に対応する要約情報を生成することができる。
【0056】
また、生成部125は、第2要約方式に基づいて要約情報を生成する場合に、現在時刻から遡って、対象情報に係る情報を送信したユーザ端末2が異なるまでの複数の対象情報に基づいて要約情報を生成するようにしてもよい。このようにすることで、中継装置1は、一のユーザの操作による対象情報の変化に着目した要約情報を生成することができる。
【0057】
また、対象情報受信部121が、対象情報の初期化を指示する初期化指示情報をユーザ端末2から受信し、生成部125が、初期化指示情報を最後に受信した後に更新された複数の対象情報に基づいて要約情報を生成するようにしてもよい。
【0058】
例えば、ユーザ端末2の表示制御部241は、対象情報を表示部21に表示させるとともに、対象情報の初期化を受け付ける初期化ボタンを表示部21に表示させる。ユーザ端末2の対象情報送信部242は、初期化ボタンが選択されたことに応じて、対象情報の初期化を指示する初期化指示情報を中継装置1に送信する。ここで、初期化指示情報には、初期化指示情報を送信するユーザ端末2に対応するグループ識別情報が含まれているものとする。
【0059】
中継装置1の対象情報受信部121が、ユーザ端末2から初期化指示情報を受信すると、記憶制御部122は、初期化指示情報に含まれているグループ識別情報に関連する履歴情報を消去させるとともに、対象情報の状態を初期状態に変化させる。これにより、生成部125は、初期化指示情報を最後に受信した後に更新された複数の対象情報に基づいて要約情報を生成する。このようにすることで、中継装置1は、初期化された後に更新された対象情報に係る要約情報を生成することができる。
【0060】
生成部125は、要約情報を生成すると、生成した要約情報をグループ識別情報に関連付けて記憶部11に記憶させる(S770)。
【0061】
なお、本フローチャートにおいて、生成部125は、特定部124によって特定された、対象情報の送信対象となるユーザ端末2の数と、選択情報を中継装置1に送信したユーザ端末2の数とに基づいて要約方式を選択したがこれに限らない。
【0062】
例えば、特定部124は、対象情報の送信対象となるグループに属するユーザ端末2の数を特定してもよい。そして、生成部125は、当該ユーザ端末2の数に基づいて要約方式を選択してもよい。例えば、生成部125は、対象情報の送信対象となるグループに属するユーザ端末2の数と、選択情報を中継装置1に送信したユーザ端末2の数とに基づいて、複数のユーザ端末2のそれぞれの操作割合を算出してもよい。
【0063】
また、特定部124は、複数のユーザ端末2による対象情報の更新回数の合計と、複数のユーザ端末2のそれぞれの対象情報の更新回数とを特定してもよい。そして、生成部125は、更新回数の合計と、複数のユーザ端末2のそれぞれの対象情報の更新回数とに基づいて、複数のユーザ端末2のそれぞれの操作割合を算出し、当該操作割合に基づいて要約方式を選択してもよい。
【0064】
また、特定部124は、対象情報の送信対象となるユーザ端末2のうち、要約情報を生成するタイミングから所定時間内に所定状態となっているユーザ端末2の数を特定してもよい。そして、生成部125は、当該ユーザ端末2の数に基づいて要約方式を選択してもよい。
【0065】
ここで、所定状態は、例えば、ユーザ端末2の表示部21に対象情報が表示されており、ユーザが対象情報の閲覧や更新を行うことができる状態(アクティブ状態)である。例えば、対象情報送信部242は、ユーザ端末2の表示状態を定期的に監視し、アクティブ状態であるか否かを判定する。対象情報送信部242は、アクティブ状態であると判定すると、アクティブ状態であることを示し、ユーザ識別情報を含む状態情報を中継装置1に送信する。
【0066】
中継装置1の記憶制御部122は、状態情報と、状態情報を受信した時刻とを関連付けて記憶する。特定部124は、当該状態情報に基づいて、要約情報を生成するタイミングから所定時間内にアクティブ状態となっているユーザ端末2の数を特定する。生成部125は、要約情報を生成するタイミングから所定時間内にアクティブ状態となっているユーザ端末2の数と、要約情報を生成するタイミングから所定時間内に選択情報を中継装置1に送信したユーザ端末2の数とに基づいて、複数のユーザ端末2のそれぞれの操作割合を算出し、当該操作割合に基づいて要約方式を選択する。
【0067】
[要約情報の送信]
続いて、要約情報の送信について説明する。
図11は、第1実施形態に係る要約情報の送信に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
【0068】
まず、ユーザ端末2の要約情報要求部244は、要約情報の取得を要求する要求情報を中継装置1に送信する(S110)。例えば、表示制御部241は、対象情報を表示部21に表示させるとともに、要約情報の取得を要求するための要約取得ボタンを表示部21に表示させる。要約情報要求部244は、要約取得ボタンが選択されたことに応じて、要求情報を中継装置1に送信する。ここで、要求情報には、送信元のユーザ端末2に対応するグループ識別情報が含まれている。
【0069】
中継装置1の要求受付部126は、ユーザ端末2から要求情報を受信することにより、要約情報の取得要求を受け付ける。要求受付部126は、要求情報を受信すると、当該要求情報に含まれているグループ識別情報に関連付けて記憶部11に記憶されている要約情報を取得する(S120)。
【0070】
中継装置1の要約情報送信部127は、要求受付部126が要約情報の取得要求を受け付けると、生成部125によって生成され、記憶部11に記憶された要約情報を、要求情報の送信元のユーザ端末2に送信する(S130)。
【0071】
ユーザ端末2の要約情報受信部245は、要約情報を受信する。表示制御部241は、受信された要約情報を表示部21に表示させる(S140)。表示制御部241は、例えば、要約情報を構成する複数の対象情報を、当該対象情報に対応する時刻が古いものから順番に連続して表示させる。
【0072】
なお、本実施形態では、要約情報送信部127は、要求受付部126が要約情報の取得要求を受け付けたことに応じて要求情報をユーザ端末2に送信したが、これに限らない。例えば、要約情報送信部127は、対象情報が初期状態であった時刻から所定時間が経過したことに応じて要約情報を当該対象情報の送信対象のユーザ端末2に送信したり、所定時間毎に要約情報を当該ユーザ端末2に送信したりしてもよい。
【0073】
[第1実施形態における効果]
以上のとおり、第1実施形態に係る情報共有システムSでは、中継装置1は、対象情報の送信対象となるユーザ端末2の数を特定し、当該ユーザ端末2の数に基づいて対象情報を要約した要約情報を生成し、生成した要約情報を、当該要約情報の送信対象となるユーザ端末2に送信する。このようにすることで、ユーザ端末2のユーザは、要約情報を確認することにより、対象情報がどのように変化したのかを確認することができる。これにより、ユーザ端末2のユーザは、表示部21に表示される対象情報を注視しなくてもよい。したがって、中継装置1は、ユーザに与える負担を軽減することができる。
【0074】
<第2実施形態>
[ピア・ツー・ピアにより対象情報を共有する]
続いて、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、中継装置1を介して複数のユーザ端末2の間で対象情報を共有した。これに対して、第2実施形態では、中継装置1を設けずに、複数のユーザ端末2がピア・ツー・ピアにより対象情報を共有する。以下、第2実施形態に係る情報共有システムSについて説明する。第1実施形態と同じ部分については適宜説明を省略する。なお、本実施形態において、複数のユーザ端末2は、例えば、同じ無線LANのアクセスポイントに接続されており、当該アクセスポイントを介して互いを認識できるとともに、双方向に通信ができるものとする。
【0075】
[対象情報の共有]
図12は、第2実施形態に係るユーザ端末2の構成を示す図である。第2実施形態に係るユーザ端末2は、記憶部23に記憶されている表示制御プログラムを実行することにより、表示制御部241、対象情報送信部242、対象情報受信部243、記憶制御部246、特定部247、生成部248、及び要約情報受付部249として機能する。
【0076】
図13は、第2実施形態に係る対象情報の共有に係る処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、複数のユーザ端末2として、複数のユーザが使用するユーザ端末2A、2B、及び2Cが存在しており、ユーザ端末2Aにおけるシンボルの選択操作によって更新された対象情報がユーザ端末2A、2B、2Cの間で共有される例について説明する。
【0077】
まず、ユーザ端末2Aの表示制御部241は、シンボルの選択操作が行われると、対象情報を更新し、更新後の対象情報を表示部21に表示させる(S210〜S230)。
続いて、ユーザ端末2Aの対象情報送信部242は、更新後の対象情報をユーザ端末2B及び2Cに送信する(S240)。
【0078】
続いて、ユーザ端末2Aの記憶制御部246は、更新後の対象情報を履歴情報として記憶部23に記憶させる(S250)。
続いて、ユーザ端末2Aの特定部247及び生成部248は、要約情報生成処理を実行する(S260)。第2実施形態に係る要約情報生成処理の詳細については後述する。
【0079】
ユーザ端末2B及び2Cの対象情報受信部243は、対象情報をユーザ端末2Aから受信する。ユーザ端末2B及び2Cの表示制御部241は、受信した対象情報を表示部21に表示させる(S270)。これにより、ユーザ端末2A、2B、2Cの間で対象情報が共有される。
【0080】
続いて、ユーザ端末2B及び2Cの記憶制御部246は、受信した対象情報を履歴情報として記憶部23に記憶させる(S280)。
続いて、ユーザ端末2B及び2Cの特定部247及び生成部248は、要約情報生成処理を実行する(S290)。S290において実行される要約情報生成処理は、S260において実行される要約情報生成処理と同じである。
【0081】
[要約情報の生成]
続いて、要約情報の生成について説明する。
図14は、第2実施形態に係る要約情報生成処理における処理の流れを示すフローチャートである。
【0082】
まず、特定部247は、対象情報を共有するユーザ端末2の数を特定する(S810)。例えば、特定部247は、要約情報を生成するタイミングから所定時間内に自端末と通信可能であり、対象情報を送信可能なユーザ端末2の数に基づいて、対象情報を共有するユーザ端末2の数を特定する。ここで、特定されるユーザ端末2には、自端末も含まれるものとする。
【0083】
続いて、特定部247は、要約情報を生成するタイミングから所定時間内に対象情報を他のユーザ端末2に送信したユーザ端末2の数を特定する(S820)。
続いて、生成部248は、S830及びS840に係る処理を実行することにより、S810及びS820において特定されたユーザ端末2の数に基づいて要約情報を生成する第1要約方式と第2要約方式とのうち、いずれかの要約方式を選択する。第1要約方式及び第2要約方式は、第1実施形態に係る第1要約方式及び第2要約方式と同じであるので説明を省略する。
【0084】
具体的には、生成部248は、S810において特定されたユーザ端末2の数と、S820において特定されたユーザ端末2の数とに基づいて、複数のユーザ端末2のそれぞれの操作割合を算出する(S830)。
【0085】
続いて、生成部248は、第1実施形態と同様に、S830において算出された複数のユーザ端末2のそれぞれの操作割合のうち、最大の操作割合が所定値未満か否かを判定する(S840)。生成部248は、最大の操作割合が所定値未満の場合には、S850に処理を移し、所定値以上の場合には、S860に処理を移す。
【0086】
S850において、生成部248は、要約方式として第1要約方式を選択し、当該第1要約方式に基づいて要約情報を生成する。
S860において、生成部248は、要約方式として第2要約方式を選択し、当該第2要約方式に基づいて要約情報を生成する。
【0087】
なお、生成部248は、要約情報を生成する場合に、現在時刻から遡って、連続する2つの対象情報のそれぞれの表示開始時刻の間隔が所定時間以上(例えば30分以上)となるまでの複数の対象情報に基づいて要約情報を生成するようにしてもよい。この場合において、記憶制御部246は、表示制御部241が対象情報を表示させると、当該対象情報の表示時刻を表示開始時刻として記憶部23に記憶させる。生成部248は、記憶部23に記憶されている表示開始時刻に基づいて、連続する2つの対象情報のそれぞれの表示開始時刻の間隔が所定時間以上となるまでの複数の対象情報を特定する。そして、生成部248は、特定した複数の対象情報に基づいて要約情報を生成する。
【0088】
また、生成部248は、第2要約方式に基づいて要約情報を生成する場合に、現在時刻から遡って、対象情報に係る情報を送信したユーザ端末2が異なるまでの複数の対象情報に基づいて要約情報を生成するようにしてもよい。
【0089】
また、生成部248は、入力部22を介して対象情報の初期化を指示する初期化指示を受け付けたり、他のユーザ端末2から、初期化指示を受け付けたりしてもよい。この場合において、表示制御部241は、対象情報を表示部21に表示させるとともに、対象情報の初期化を受け付ける初期化ボタンを表示部21に表示させる。生成部248は、初期化ボタンが選択されたことに応じて、初期化指示を受け付ける。対象情報送信部242は、生成部248が初期化指示を受け付けたことに応じて、初期化指示情報を他のユーザ端末2に送信する。生成部248は、他のユーザ端末2から初期化指示情報を受信することにより、初期化指示を受け付ける。
【0090】
生成部248は、初期化指示を受け付けた後に更新された複数の対象情報に基づいて要約情報を生成するようにしてもよい。生成部248が、ユーザ端末2から初期化指示情報を受信すると、記憶制御部246は、記憶部23に記憶されている履歴情報を消去させるとともに、対象情報の状態を初期状態に変化させる。これにより、生成部248は、初期化指示情報を最後に受信した後に更新された複数の対象情報に基づいて要約情報を生成する。このようにすることで、ユーザ端末2は、初期化された後に更新された対象情報に係る要約情報を生成することができる。
【0091】
生成部248は、要約情報を生成すると、生成した要約情報を記憶部23に記憶させる(S870)。
【0092】
なお、本フローチャートにおいて、生成部248は、特定部247によって特定された、対象情報を共有するユーザ端末2の数と、対象情報を他のユーザ端末2に送信したユーザ端末2の数とに基づいて要約方式を選択したがこれに限らない。
【0093】
例えば、特定部247は、対象情報の送信対象となるグループに属するユーザ端末2の数を特定してもよい。この場合において、対象情報の共有を開始する前に、ユーザの操作に応じて、グループを識別するグループ識別情報と、当該グループに属するユーザ端末2に対応するユーザ識別情報とが関連付けて記憶部23に記憶される。ここで、記憶部23には、複数のグループ識別情報と、当該グループに属するユーザ端末2に対応するユーザ識別情報とが関連付けて記憶部23に記憶されるものとする。対象情報送信部242は、ユーザの操作に応じて、対象情報を共有するグループの選択を受け付け、選択されたグループに属するユーザ端末2に対象情報を送信することで、対象情報を共有する。
【0094】
特定部247は、対象情報の送信対象として選択されたグループに属するユーザ端末2の数を特定する。生成部248は、特定されたユーザ端末2の数に基づいて要約方式を選択する。例えば、生成部248は、対象情報の送信対象となるグループに属するユーザ端末2の数と、対象情報を他のユーザ端末2に送信したユーザ端末2の数とに基づいて、複数のユーザ端末2のそれぞれの操作割合を算出する。
【0095】
また、特定部247は、複数のユーザ端末2による対象情報の更新回数と、複数のユーザ端末2のそれぞれの対象情報の更新回数とを特定してもよい。そして、生成部248は、これらの更新回数に基づいて、複数のユーザ端末2のそれぞれの操作割合を算出し、当該操作割合に基づいて要約方式を選択してもよい。
【0096】
また、特定部247は、対象情報の送信対象となるユーザ端末2のうち、要約情報を生成するタイミングから所定時間内に所定状態となっているユーザ端末2の数を特定してもよい。そして、生成部248は、当該ユーザ端末2の数に基づいて要約方式を選択してもよい。
【0097】
ここで、所定状態は、第1実施形態と同様にアクティブ状態であるものとする。例えば、対象情報送信部242は、ユーザ端末2の表示状態を定期的に監視し、アクティブ状態であると判定すると、アクティブ状態であることを示し、ユーザ識別情報を含む状態情報を他のユーザ端末2に送信する。
【0098】
記憶制御部246は、状態情報を受信すると、当該状態情報と、状態情報を受信した時刻とを関連付けて記憶する。特定部247は、当該状態情報に基づいて、要約情報を生成するタイミングから所定時間内にアクティブ状態となっているユーザ端末2の数を特定する。生成部248は、要約情報を生成するタイミングから所定時間内にアクティブ状態となっているユーザ端末2の数と、要約情報を生成するタイミングから所定時間内に対象情報を他のユーザ端末2に送信したユーザ端末2の数とに基づいて、複数のユーザ端末2のそれぞれの操作割合を算出し、当該操作割合に基づいて要約方式を選択する。
【0099】
[要約情報の表示]
要約情報受付部249は、ユーザから要約情報の表示要求を受け付ける。表示制御部241は、要約情報の表示要求が受け付けられると、記憶部23に記憶されている要約情報を表示部21に表示させる。なお、要約情報受付部249は、ユーザから要約情報の表示要求を受け付けると、他のユーザ端末2に要約情報の表示要求を送信してもよい。そして、他のユーザ端末2の表示制御部241は、要約情報受付部249が要約情報の表示要求を受信したことに応じて、記憶部23に記憶されている要約情報を表示部21に表示させてもよい。また、要約情報受付部249は、ユーザから要約情報の表示要求を受け付けると、他のユーザ端末2に要約情報を送信し、他のユーザ端末2に要約情報を表示させてもよい。このようにすることで、複数のユーザ端末2は、要約情報を同じタイミングで表示することができる。
【0100】
[第2実施形態における効果]
以上のとおり、第2実施形態に係る情報共有システムSでは、ユーザ端末2は、対象情報を共有するユーザ端末2の数を特定し、当該ユーザ端末2の数に基づいて対象情報を要約した要約情報を生成し、生成した要約情報を表示部21に表示させる。このようにすることで、ユーザ端末2のユーザは、要約情報を確認することにより、対象情報がどのように変化したのかを確認することができる。これにより、ユーザ端末2のユーザは、表示部21に表示される対象情報を注視しなくてもよい。したがって、ユーザ端末2は、第1実施形態に係る中継装置1と同様に、ユーザに与える負担を軽減することができる。
【0101】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。例えば、対象情報は、シンボルに関する情報であることとしたが、これに限らない。対象情報は、時系列に変化するものであれば、シンボルに関する情報とは異なる情報であってもよい。
【0102】
また、対象情報は、時系列に変化するものに限らず、例えば、見出し情報と、詳細情報とを含む記事情報であってもよい。この場合において、中継装置1又はユーザ端末2は、特定部が特定したユーザ端末2の数に基づいて、見出し情報を要約情報として送信するか、記事情報を要約情報として送信するかを選択するようにしてもよい。
【0103】
また、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、例えば、上述の複数の実施形態を組み合わせてもよい。また、特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。