特許第6714532号(P6714532)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6714532スループット計測方法、プログラムおよび装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6714532
(24)【登録日】2020年6月9日
(45)【発行日】2020年6月24日
(54)【発明の名称】スループット計測方法、プログラムおよび装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20200615BHJP
【FI】
   H04L12/70 100Z
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-52130(P2017-52130)
(22)【出願日】2017年3月17日
(65)【公開番号】特開2018-157355(P2018-157355A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2019年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】稗圃 泰彦
【審査官】 羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−049833(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0147758(US,A1)
【文献】 国際公開第2016/194498(WO,A1)
【文献】 特開2014−116840(JP,A)
【文献】 光パケットネットワークのための適応的フロー制御プロトコルの公平性の評価,電子情報通信学会論文誌 (J89−B) 第12号,日本,2006年12月 1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00−12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の送信元から送信先への通信フローに基づいて、注目する通信のスループットを計測するスループット計測装置において、
通信フローごとに送信元情報、送信先情報およびスループットを取得する手段と、
各通信フローを送信元情報および/または送信先情報に基づいて分類する手段と、
各分類先の通信フローを当該分類先のスループットの統計値に基づいてスクリーニングする手段と、
前記注目する通信に対応した前記スクリーニング済の通信フローのスループットに基づいてネットワークパフォーマンスを評価する手段とを具備し、
前記スループットを取得する手段は、所定期間におけるTCPコネクションの通信量を当該所定期間における構成パケット数で除したパケットサイズが所定の閾値を超えるTCPコネクションのスループットを取得することを特徴とするスループット計測装置。
【請求項2】
前記分類する手段は、各通信フローを送信元情報に基づいて分類する際に、送信元IPアドレスおよび/または送信元ポート番号に基づいて分類することを特徴とする請求項1に記載のスループット計測装置。
【請求項3】
前記分類する手段は、各通信フローを送信先情報に基づいて分類する際に、宛先IPアドレスおよび/または宛先ポート番号に基づいて分類することを特徴とする請求項1または2に記載のスループット計測装置。
【請求項4】
前記分類する手段は、各通信フローを送信先情報に基づいて分類する際に、OTTサービスの提供者に基づいて分類することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスループット計測装置。
【請求項5】
前記分類する手段は、各通信フローを送信先情報に基づいて分類する際に、宛先のサーバアドレスに基づいて分類することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスループット計測装置。
【請求項6】
前記分類する手段は、各通信フローを送信先情報に基づいて分類する際に、宛先のドメイン名に基づいて分類することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスループット計測装置。
【請求項7】
前記通信フローがTCPセッションであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のスループット計測装置。
【請求項8】
前記取得する手段から、通信特徴量としてTCPコネクションの通信開始時刻、終了時刻、通信量および構成パケット数を取得して当該TCPコネクションで送受されるパケットサイズを計算し、当該パケットサイズが所定の閾値を超えるTCPコネクションの平均スループットを求める手段を更に具備し、
前記平均スループットで当該TCPコネクションのスループットを代表することを特徴とする請求項7に記載のスループット計測装置。
【請求項9】
任意の送信元から送信先への通信フローに基づいて、注目する通信のスループットをコンピュータが計測するスループット計測方法において、
通信フローごとに送信元情報、送信先情報およびスループットを取得し、
各通信フローを送信元情報および/または送信先情報に基づいて分類し、
各分類先の通信フローを当該分類先のスループットの統計値に基づいてスクリーニングし、
前記注目する通信に対応した前記スクリーニング済の通信フローのスループットに基づいてネットワークパフォーマンスを評価し、
前記スループットを取得する際に、所定期間におけるTCPコネクションの通信量を当該所定期間における構成パケット数で除したパケットサイズが所定の閾値を超えるTCPコネクションのスループットを取得することを特徴とするスループット計測方法。
【請求項10】
任意の送信元から送信先への通信フローに基づいて、注目する通信のスループットを計測するスループット計測プログラムにおいて、
通信フローごとに送信元情報、送信先情報およびスループットを取得する手順と、
各通信フローを送信元情報および/または送信先情報に基づいて分類する手順と、
各分類先の通信フローを当該分類先のスループットの統計値に基づいてスクリーニングする手順と、
前記注目する通信に対応した前記スクリーニング済の通信フローのスループットに基づいてネットワークパフォーマンスを評価する手順と、をコンピュータに実行させ、
前記スループットを取得する手順では、所定期間におけるTCPコネクションの通信量を当該所定期間における構成パケット数で除したパケットサイズが所定の閾値を超えるTCPコネクションのスループットを取得するスループット計測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP通信ネットワークにおいて、通信を中継する装置ログやパケット分析装置にて収集されたログから当該通信のスループットを測定するスループット計測方法、プログラムおよび装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークの通信品質情報をDPI(Deep Packet Inspection)装置や装置ログから取得する技術が知られている。特許文献1には、ネットワークのスループットをアクティブ方式で計測する技術が開示されている。特許文献2には、End-to-Endでの通信品質別のグルーピングを行い、ユーザ体感スループット算出用途に合わせて対象通信グループをサンプルとして利用する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-116104
【特許文献2】特表2012-531146
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パケット観測や装置ログに頼る受動的なネットワークパフォーマンス測定では、クライアントやサーバの性能が低いことが原因で通信制限を受けている場合、期待されるスループットが得られないことがある。そのため、パフォーマンス測定結果が下振れして信頼性が低くなる。
【0005】
特許文献2では、このような技術課題を解決するために、クライアント・サーバ間の通信性能を記憶する。そして、例えば転送レートの高さでグループ分けし、ネットワークパフォーマンス計測時には高速な通信を行えたグループのみのサンプルから計測統計値を得ることで推定精度の向上を図っている。
【0006】
しかしながら、通信機器のログやDPI装置からEnd-to-Endのネットワークパフォーマンス計測をするにあたり、ふさわしくないサンプル観測値を棄却するには特許文献2の方式のみでは精度が低く、所望の推定値を得られない。
【0007】
本発明の目的は、上記の技術課題を解決し、DPI装置等から取得した通信フロー情報に基づいてスループットの推定制度を向上させることができるスループット計測方法、プログラムおよび装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、任意の送信元から送信先への通信フローに基づいて、注目する通信のスループットを計測するスループット計測装置において、以下の構成を具備した点に特徴がある。
【0009】
(1) 通信フローごとに送信元情報、送信先情報およびスループットを取得する手段と、各通信フローを送信元情報および/または送信先情報に基づいて分類する手段と、各分類先の通信フローを当該分類先のスループットの統計値に基づいてスクリーニングする手段と、注目する通信に対応した前記スクリーニング後の通信フローのスループットを計測する手段とを具備した。
【0010】
(2) 前記スクリーニングする手段は、スループットが所定のスループット閾値を超える通信フローの割合が所定の割合閾値に満たない分類先の全通信フローを排除するようにした。
【0011】
(3) 前記取得する手段から、通信特徴量としてTCPコネクションの通信開始時刻、終了時刻、通信量および構成パケット数を取得して当該TCPコネクションで送受されるパケットサイズを計算し、当該パケットサイズが所定の閾値を超えるTCPコネクションの平均スループットを求める手段を備え、前記平均スループットで当該TCPコネクションのスループットを代表するようにした。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
【0013】
(1) 通信品質の代表的な指標であるスループットは、評価対象のネットワーク品質のみならず、送信元ノード(端末)、宛先ノード(サーバ)あるいはドメイン(サービス)の能力等にも依存するところ、本発明によれば、スループット低下の要因たりうる送信元や宛先を一端とする通信フロー、あるいはループット低下の要因たりうるサービスを提供するドメインとの通信フローをスループットの評価対象から除外するので、ネットワーク品質を正確に代表できるスループット計測が可能になる。
【0014】
(2) ネットワークパフォーマンス推定の妨げとなる異常値のスクリーニングが容易に行えるようになるため、より精緻なネットワークパフォーマンス推定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るスループット計測システムの主要部の構成を示した機能ブロック図である。
図2】スループット分布のヒストグラムである。
図3】スループット分布の累積相対度数である。
図4】同一エリアにおいて通信フローが抽出される送信元(図中〇印)とスクリーニングされた通信フローの送信元とが時刻や統計処理のパラメータに応じて変化する一例を代表して示した図(その1)である。
図5】同一エリアにおいて通信フローが抽出される送信元(図中〇印)とスクリーニングされた通信フローの送信元とが時刻や統計処理のパラメータに応じて変化する一例を代表して示した図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスループット計測システムの主要部の構成を示した機能ブロック図であり、ここでは、本発明の説明に不要な構成は図示が省略されている。
【0017】
本発明は、End-to-Endでのネットワークパフォーマンスの計測を対象とし、特に、モバイル端末MNが無線基地局BSを中継してネットワークNW経由でサーバやOTTサービスにアクセスする通信フローのスループット計測を対象としている。なお、送信元はネットワークに無線接続するモバイル端末に限定されるものではなく、有線接続する固定端末であっても良い。
【0018】
このようなスループット計測システムは、汎用のコンピュータやサーバに、後述する各機能を実現するアプリケーション(プログラム)を実装することで構成できる。あるいは、アプリケーションの一部がハードウェア化またはROM化された専用機や単能機とし構成しても良い。
【0019】
スループット計測システム1において、平均スループット計算部101は、DPI装置や通信中継装置(以下、DPI装置2で代表する)から、観測スループット分布を取得して通信フローデータベース(DB)3へ蓄積するにあたり、DPI装置2が求めたスループットから、ネットワークパフォーマンスの評価に好適な平均スループットを計算する。
【0020】
本実施形態では、DPI装置2から通信フローごとに、その送信元情報として送信元IPアドレス、送信元ポート番号および基地局識別子などを取得し、送信先情報として宛先IPアドレス、宛先ポート番号および宛先ドメインなどを取得する。また、品質情報としてスループットを取得し、さらに必要に応じて通信量及びパケット数などの通信特徴量を取得する。
【0021】
インターネットに代表されるIPネットワークでは、DPI装置2においてTCPスループットを観測できるが、同一のTCPコネクションであってもコネクション確立直後はスループットが低い。このため、ネットワークパフォーマンスを計測する場合はTCPスループットのピーク値を観測して評価に用いることが望ましい。
【0022】
しかしながら、DPI装置2がピーク値を検出する機能を有しない場合は、十分な通信速度に達したと推測されるTCPコネクションの平均スループットを代わりに用いてもよい。本実施形態では、例えばTCPコネクションの通信開始時刻TCP_BEGIN、終了時刻TCP_END、通信量TCP_VOLおよび構成パケット数TCP_PKTSをDPI装置2から取得する。そして、別途に設定したパケットサイズの閾値TH_PKT_SIZEを用い、TCP_VOL/TCP_PKTS>TH_PKT_SIZEを満たすTCPコネクションについて、TCP_VOL/(TCP_END-TCP_BEGIN)*8を有効な平均スループットとして採用する。
【0023】
これは、平均パケットサイズが十分に大きいTCPコネクションは連続的な通信を行ったと想定されるため、このような平均スループットは、よりピーク値に近いスループットと推定できるからである。
【0024】
以上のようにして計算された、ピーク値に近い上り推定スループットおよびピーク値に近い下り推定スループットは、図1に示したように、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート、宛先ポート、TCPコネクションの上り通信量、TCPコネクションの下り通信量、TCPコネクションの上りパケット数、TCPコネクションの下りパケット数およびDNSによるFQDNまたはドメイン推定結果と共に前記データベース3に蓄積される。
【0025】
前記平均スループットは、端末やネットワークパフォーマンス推測の算出元データとして用いられる他、これらの推測の妨げとなるデータの棄却を行うための統計値算出にも用いられる。
【0026】
前記通信経路は、当該通信を観測したポイントから類推される中継装置やVLAN等の情報である。LTE通信であればSGWやPGWのノード情報である。サーバは、例えば宛先IPアドレスにより識別できる。
【0027】
OTTサービスは、特開2014-230139号公報に開示されているDNS通信を用いたドメイン推定により識別できる。この場合、特定のサーバだけでなく、サービスがCDN(Contents Delivery Network)上に構成された場合であっても、サービスドメインが同一であれば同一のサービスとして識別できる。発信位置は、送信元IPアドレスのジオロケーションやWHOIS登録情報、通信発生ユーザが接続する基地局の情報から識別できる。
【0028】
分類部102は、データベース3に蓄積された各通信フローのレコードを、予め設定された、または別途に指定される送信元条項および/または送信先情報などに基づいて分類する。
【0029】
送信元情報に基づく分類では、各通信フローがその送信元IPアドレス、送信元ポート番号、収容基地局の識別子等に基づいて分類される。送信元情報に基づく分類では、各通信フローがその宛先IPアドレス、宛先ポート番号、サーバ識別子、OTTサービス識別子などに基づいて分類される。
【0030】
スクリーニング部103は、前記分類先の通信フロー群ごとにスループットを指標として統計処理を実施し、スループット計測にふさわしくない分類先については、その通信フローを全て排除する。
【0031】
たとえば、通信フローが各OTTサービスを利用する通信フロー群ごとに分類されていると、図2に示したように、各OTTサービスに対応した分類先の通信フロー群ごとにスループット分布を求めてヒストグラム化する。そして、予め指定されているスクリーニング条件として、例えば図3に示したように、スループットの80%tile値が60Mbpsを満足するOTTサービス、換言すれば上位20%の通信フローのスループットが60Mbps以上のOTTサービスを提供できる分類先の通信フロー群のみを選別し、それ以外の分類先の通信フロー群は全て排除する。
【0032】
同様に、通信サービスが宛先のWebサーバごとに分類されていると、各Webサーバに対応した分類先の通信フロー群ごとにスループット分布を求めてヒストグラム化する。そして、予め指定されているスクリーニング条件を満足するWebサーバに関する分類先の通信フロー群のみを選別し、それ以外の分類先の通信フロー群は全て排除する。
【0033】
なお、分類された通信フロー数が基準数に満たない分類先に関しては、スループットの信頼性が低いので選別対象から除外しても良い。
【0034】
このようにしてスクリーニングされた後の通信フロー群は、そのスループットがOTTサービスの質や契約内容、あるいはWebサーバの能力や輻輳状態に依存せず、ネットワークパフォーマンスを正確に代表できる。
【0035】
図4,5は、同一エリアにおいて通信フローが抽出される送信元(図中〇印)の位置および数、ならびにスクリーニングされた通信フローの送信元(図中×印)の位置および数が、時刻や統計処理のパラメータに応じて変化する一例を代表して示した図である。図示のように、スループットの計測対象となり得る送信元が大きく変化しており、その選別の重要性が理解できる。
【0036】
スループット計測部104は、予め設定された、または別途に指定される送信元情報及び/または送信先情報に基づいて、前記スクリーニング済みの通信フロー群から、注目する通信フロー群を選別し、当該通信フロー群のスループットに基づいてネットワークパフォーマンスを評価する。
【0037】
例えば、あるエリアを送信元とするネットワークパフォーマンスを評価するのであれば、前記スクリーニング済みの通信フロー群をデータベース3から抽出する。そして、当該エリアを送信元とする通信フロー群を、送信元IPアドレスや基地局識別子に基づいて選別し、当該選別された通信フロー群の中でスループットの最大値を抽出すれば、これを当該エリアに関するネットワークパフォーマンスの指標値とすることができる。
【0038】
また、当該エリアに関して通信品質劣化ユーザの体感パフォーマンスを推定するのであれば、当該エリアを送信元とする通信フロー群の中でスループットの最小値を抽出すれば、これを評価値とすることができる。
【0039】
なお、前記通信品質劣化ユーザの体感パフォーマンスを推定するためにスループットの最小値を抽出する際、極端にスループットの低い一部の通信に引きずられ、実際の体感品質よりも低いスループットを推定する恐れがある。したがって、このような可能性を捨てきれない場合は統計的な手法で補正をすることが望ましい。
【0040】
例えば、基地局毎に観測スループットを集計してヒストグラムを作成し、qパーセンタイルを算出して推定値としても良い。このようにすれば、低速な方からq%(例えば、5%程度)に相当するスループット値を最小値とできるので、異常値により観測されたスループットを能動的に棄却することを意味する。
【0041】
本発明によれば、End-to-Endでのネットワークパフォーマンスの計測において、ネットワークパフォーマンスとは無関係な要因でパフォーマンスを低下させる通信スローを排除できるので、正確なスループット計測が可能になる。
【0042】
なお、各通信フローを分類基準は上記に限定されるものではなく、送信元情報として、APN(Access Point Name)や機種、OSおよびそのバージョンなどに着目し、これらを指標として分類しても良い。機種、OSおよびそのバージョンは、通信キャリアが管理されていればこれを用いることができるが、管理対象となっていない場合はHTTP UserAgentから推定できる。
【0043】
また、上記の実施形態では送信元および送信先の属性情報として、アドレスやポート番号といった各種の通信パラメータに着目して説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、さらに日付、曜日などのカレンダ情報、あるいは季節、時刻、時間帯などの時間的な属性情報を加えて分類しても良い。
【符号の説明】
【0044】
1…スループット計測システム,2…DPI装置,3…通信フローデータベース,101…平均スループット計算部,102…分類部,103…スクリーニング部,104…スループット計測部
図1
図2
図3
図4
図5