特許第6714872号(P6714872)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6714872
(24)【登録日】2020年6月10日
(45)【発行日】2020年7月1日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20200622BHJP
【FI】
   H04N1/387
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-102172(P2017-102172)
(22)【出願日】2017年5月23日
(65)【公開番号】特開2018-198377(P2018-198377A)
(43)【公開日】2018年12月13日
【審査請求日】2019年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】田垣 幸二
【審査官】 豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−055535(JP,A)
【文献】 特開平10−020712(JP,A)
【文献】 特開平03−110681(JP,A)
【文献】 特開平05−216315(JP,A)
【文献】 米国特許第06002404(US,A)
【文献】 米国特許第05436735(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
ユーザー操作を受け付ける入力装置と、
出力対象の原稿画像を前記表示装置にプレビュー表示するプレビュー処理部と、
前記原稿画像を出力する出力処理部とを備え、
前記プレビュー処理部は、(a)前記原稿画像内で所定の指定色で囲まれた領域を検出し、検出した前記領域を編集可能な状態で前記原稿画像を前記表示装置にプレビュー表示し、(b)前記ユーザー操作に従って、検出された前記領域に、前記ユーザー操作により指定されたテキストを追加し、
前記出力処理部は、前記テキストを追加した後の前記原稿画像を出力し、
互いに異なる複数の指定色が関連付けられており、前記所定の指定色は、前記複数の指定色のうちのいずれかの指定色であって、前記プレビュー処理部は、前記テキストが追加された領域を囲んでいる前記指定色に関連付けられている他の指定色により囲まれた領域に対して前記テキストと同一のテキストを追加すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記プレビュー処理部は、1つの前記指定色により囲まれた複数の領域を検出した場合、前記複数の領域のうちの1つの領域に対して追加された前記テキストを、前記複数の領域のうちの別の領域に対しても追加することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数ページの原稿から複数の原稿画像を読み取る画像読取装置をさらに備え、
前記プレビュー処理部は、前記複数の原稿画像のうち、前記指定色により囲まれた領域が検出された原稿画像のみを、後続の原稿画像の読み取りに並行して前記表示装置にプレビュー表示すること、
を特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数ページの原稿から複数の原稿画像を読み取る画像読取装置をさらに備え、
前記出力処理部は、前記複数の原稿画像のうち、前記指定色により囲まれた領域が検出されなかった原稿画像をただちに出力した後、前記複数の原稿画像のうち、前記指定色により囲まれた領域が検出された原稿画像を、前記テキストが前記領域に追加されたらただちに出力すること、
を特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プレビュー処理部は、前記指定色により囲まれた領域に文字が存在する場合、前記文字を消去してから、前記テキストを追加することを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
追加される前記テキストのフォントサイズは、前記領域のサイズおよび前記テキストの文字数に応じて自動的に決定されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記プレビュー処理部は、1つの前記指定色により囲まれた複数の領域を検出した場合、設定データに基づいて、前記複数の領域のうちの1つの領域に対して追加された前記テキストを、前記複数の領域のうちの別の領域に対しても追加するか否かを決定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記別の領域は、前記テキストが追加された前記領域とは異なるページの領域であることを特徴とする請求項2または請求項7記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像処理装置は、スキャナーで読み取られた原稿画像内のマーカー色を検出し、そのマーカー色で囲まれたエリアに対して、消去、抽出、反転などの画像処理を行っている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−220565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の画像処理装置は、マーカーにより指定されたエリアに対して、所定の画像処理しか行うことができない。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、原稿上で指定した領域に所望のテキストを追加してから画像出力を行える画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、表示装置と、ユーザー操作を受け付ける入力装置と、出力対象の原稿画像を前記表示装置にプレビュー表示するプレビュー処理部と、前記原稿画像を出力する出力処理部とを備える。そして、前記プレビュー処理部は、(a)前記原稿画像内で所定の指定色で囲まれた領域を検出し、検出した前記領域を編集可能な状態で前記原稿画像を前記表示装置にプレビュー表示し、(b)前記ユーザー操作に従って、検出された前記領域に、前記ユーザー操作により指定されたテキストを追加し、前記出力処理部は、前記テキストを追加した後の前記原稿画像を出力する。そして、互いに異なる複数の指定色が関連付けられており、前記所定の指定色は、前記複数の指定色のうちのいずれかの指定色であって、前記プレビュー処理部は、前記テキストが追加された領域を囲んでいる前記指定色に関連付けられている他の指定色により囲まれた領域に対して前記テキストと同一のテキストを追加する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、原稿上で指定した領域に所望のテキストを追加してから画像出力を行える画像形成装置が得られる。
【0008】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1における操作パネル4の一例を示す図である。
図3図3は、図2に示す操作パネル4に表示されたプレビュー画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。図1に示す画像形成装置は、画像スキャン、画像印刷などの特定処理を実行する機能を有する複合機であるが、プリンター、スキャナー、コピー機、ファクシミリ機などでもよい。
【0012】
図1に示す画像形成装置は、印刷装置1、画像読取装置2、ネットワーク通信装置3、操作パネル4、記憶装置5、およびコントローラー6を備える。
【0013】
印刷装置1は、原稿画像を印刷用紙に印刷する内部装置である。
【0014】
画像読取装置2は、原稿から原稿画像を読み取る内部装置である。例えば、画像読取装置2は、自動原稿送り器を備え、複数ページの原稿から複数の原稿画像を順番に読み取ることができる。
【0015】
ネットワーク通信装置3は、ネットワークを介して外部装置との間でデータ通信を行う内部装置である。
【0016】
操作パネル4は、当該画像形成装置の筺体に設置されたユーザーインターフェイスであって、表示装置11および入力装置12を備える。図2は、図1における操作パネル4の一例を示す図である。表示装置11は、ユーザーに対して各種情報を含む画面を表示する、液晶ディスプレイなどの装置である。入力装置12は、当該画像形成装置に指令を入力するためのユーザー操作を受け付ける、ハードキー12a、ソフトキーのためのタッチパネル12bなどの装置である。
【0017】
記憶装置5は、不揮発性の記憶装置であって、ユーザーデータなどを格納する。
【0018】
コントローラー6は、プログラムを実行するマイクロプロセッサー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを備え、マイクロプロセッサー、ASICなどで、上述の内部装置を制御するとともに、各種処理を実行する。ここでは、コントローラー6は、ジョブ管理部31、プレビュー処理部32、および出力処理部33として動作する。
【0019】
ジョブ管理部31は、画像印刷、画像スキャンなどを含む各種ジョブの要求に従って、印刷装置1、画像読取装置2、ネットワーク通信装置3などの内部装置を制御して、要求されたジョブを実行する。例えば、ジョブ管理部31は、それらの内部装置を使用して画像出力を行うコピージョブ、スキャントゥセンドジョブなどを実行する。
【0020】
プレビュー処理部32は、出力対象の原稿画像を表示装置11にプレビュー表示する。具体的には、プレビュー処理部32は、(a)原稿画像内で所定の指定色で囲まれた領域を検出し、検出した領域を編集可能な状態で原稿画像を表示装置11にプレビュー表示し、(b)ユーザー操作に従って、検出された領域に、入力装置12に対するユーザー操作により指定されたテキストを追加する。ここで、指定色は、例えば、特定の蛍光マーカーの色などの有彩色である。1または複数の指定色を示す色データ(例えばRGB値やRGB値の範囲など)が記憶装置5に予め記憶されており、プレビュー処理部32は、その色データを参照して、指定色を特定する。
【0021】
出力処理部33は、原稿画像を出力する。ここでは、出力処理部33は、上述のテキストを追加した後の原稿画像を出力する。例えば、画像出力として、出力処理部33は、印刷装置1を使用して、原稿画像を印刷する。あるいは、画像出力として、出力処理部33は、原稿画像を含む画像ファイル(PDFファイルなど)を生成し、保存したり送信したりする。
【0022】
また、プレビュー処理部32は、指定色により囲まれた複数の領域を検出した場合、その複数の領域のうちの1つの領域に対してテキストを追加していき、その領域がテキストにより満たされた場合、後続のテキストを、複数の領域のうちの別の領域に追加していくようにしてもよい。
【0023】
また、プレビュー処理部32は、複数の指定色のうちの各指定色について、その1つの指定色により囲まれた複数の領域を検出した場合、その複数の領域のうちの1つの領域に対して追加されたテキストを、複数の領域のうちの別の領域に対しても追加するようにしてもよい。
【0024】
また、プレビュー処理部32は、画像読取装置2により複数ページの原稿から読み取られた複数の原稿画像のうち、指定色により囲まれた領域が検出された原稿画像のみを、後続の原稿画像の読み取りに並行して表示装置11にプレビュー表示する。これにより、上述のプレビュー表示およびテキストの追加に起因する遅延が短くなる。
【0025】
また、出力処理部33は、画像読取装置2により複数ページの原稿から読み取られた複数の原稿画像のうち、指定色により囲まれた領域が検出されなかった原稿画像をただちに出力した後、その複数の原稿画像のうち、指定色により囲まれた領域が検出された原稿画像を、テキストが領域に追加されたらただちに出力するようにしてもよい。これにより、上述のプレビュー表示およびテキストの追加に起因する遅延が短くなる。
【0026】
また、プレビュー処理部32は、指定色により囲まれた領域に文字が存在するときには、その文字を消去してから、上述のテキストを追加するようにしてもよい。また、プレビュー処理部32は、所定の設定データが所定値を示す場合には、指定色により囲まれた領域に文字が存在するときには、その文字を消去してから、上述のテキストを追加し、その所定の設定データが所定値を示さない場合には、指定色により囲まれた領域に文字が存在しても消去せずに、上述のテキストを追加するようにしてもよい。
【0027】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
【0028】
ジョブ管理部31は、ユーザーからのジョブ要求に応じて、まず、画像読取装置2を制御して、画像読取装置2に原稿画像の読み取りを実行させ、原稿画像の画像データを画像読取装置2から取得する。
【0029】
そして、プレビュー処理部32は、その画像データに基づいて、原稿画像内に、所定の指定色で囲まれた領域があるか否かを判定する。
【0030】
原稿画像内に、所定の指定色で囲まれた領域がないと判定された場合、プレビュー処理部32は、原稿画像のプレビュー表示をせず、出力処理部33は、ただちに、原稿画像を出力する。
【0031】
一方、原稿画像内に、所定の指定色で囲まれた領域があると判定された場合、プレビュー処理部32は、原稿画像を表示装置11にプレビュー表示する。
【0032】
図3は、図2に示す操作パネル4に表示されたプレビュー画面の一例を示す図である。例えば図3に示すように、プレビュー処理部32は、プレビュー画面において、原稿画像51とともに、指定色により囲まれた領域にテキスト入力用の枠52を表示し、さらに、ソフトウェアキーボード53を表示する。なお、ソフトウェアキーボード53に対する操作は、タッチパネル12bにより検出される。そして、ユーザーがソフトウェアキーボード53を操作してテキストを入力すると、プレビュー処理部32は、そのテキストを枠52内に配置して表示する。
【0033】
その後、テキストの入力が完了すると、プレビュー処理部32は、プレビュー画面の表示を終了し、出力処理部33は、そのテキストが追加された原稿画像の出力を行う。
【0034】
以上のように、上記実施の形態によれば、プレビュー処理部32は、(a)原稿画像内で所定の指定色で囲まれた領域を検出し、検出した領域を編集可能な状態で原稿画像を表示装置11にプレビュー表示し、(b)ユーザー操作に従って、検出された領域に、ユーザー操作により指定されたテキストを追加し、出力処理部33は、そのテキストを追加した後の原稿画像を出力する。
【0035】
これにより、マーカーなどを使用して原稿上で指定した領域に所望のテキストを追加してから画像出力を行える。
【0036】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0037】
例えば、上記実施の形態において、追加されるテキストのフォントサイズは、上述の領域(枠52)のサイズおよび追加されるテキストの文字数に応じて自動的に決定されるようにしてもよい。その場合、上述の領域(枠52)のサイズが大きいほど、フォントサイズは大きくされ、追加されるテキストの文字数が多いほど、フォントサイズは小さくされる。
【0038】
また、上記実施の形態において、一連のテキストを分けて複数の領域に対して順番に追加していくか否か、および追加されたテキストを同一の指定色の他の領域に対しても追加するか否かについては、行うか否かを設定データで設定できるようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施の形態において、互いに異なる複数の指定色を関連付けておき、その複数の指定色のうちのいずれかの指定色により囲まれた領域に対してテキストが追加された場合、プレビュー処理部32は、その指定色に関連付けられている他の指定色により囲まれた領域に対しても同一のテキストを追加するようにしてもよい。
【0040】
また、上記実施の形態において、一連のテキストを分けて複数の領域に対して順番に追加していく場合、複数の領域は、互い異なるページの領域でもよい。また、上記実施の形態において、ある指定色により囲まれた領域に追加されたテキストを同一の指定色の他の領域に対しても追加する場合、他の領域は、元の領域とは異なるページの領域でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、例えば、複合機などの画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
2 画像読取装置
11 表示装置
12 入力装置
32 プレビュー処理部
33 出力処理部
図1
図2
図3