(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係るプリント回路基板及びその製造方法の実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0009】
また、本明細書で使用する、第1、第2などの用語は、同一または相応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または相応する構成要素が第1、第2などの用語により限定されない。
【0010】
また、結合とは、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0011】
<プリント回路基板>
図1は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0012】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係るプリント回路基板は、コアを含み、コアは、第1金属層110と、第2金属層120と、第3金属層130と、を含む。ここで、第2金属層120の厚さは、第3金属層130の厚さより大きい。すなわち、第1金属層110の上下に形成された金属層が互いに非対称である。
【0013】
第1金属層110は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)、またはモリブデン(Mo)などで形成することができる。また、第1金属層110は、インバー(Invar)、コバール(Kovar)のような合金であってもよい。
【0014】
第1金属層110は、コアの剛性を向上させるためにインバーで形成することができる。
【0015】
第2金属層120及び第3金属層130は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)、またはモリブデン(Mo)などで形成することができる。また、第2金属層120は、インバー(Invar)、コバール(Kovar)のような合金であってもよい。
【0016】
第2金属層120及び第3金属層130は、コアの放熱特性を向上させるために、銅で形成することができる。特に、第1金属層110がインバーである場合、第2金属層120を銅で形成すると、後述する絶縁層140との密着力が高くなる。
【0017】
第2金属層120は、複数のメッキ層で構成されることができる。すなわち、第2金属層120は、第1メッキ層と第2メッキ層とで形成されることができる。
【0018】
第1メッキ層は、第1金属層110上に形成され、第2メッキ層は、第1メッキ層上に形成される。
【0019】
第3金属層130は、金属材質のシード層上に電解メッキにより形成可能である。プリント回路基板の最終製品においては、シード層は少なくとも一部残ることになり、
図1では、シード層がSで表示されている。
【0020】
プリント回路基板は、絶縁層140をさらに含むことができる。絶縁層140は、第2 金属層120及び第3金属層130上に形成される。ここで、絶縁層140と第3金属層130との間には、シード層を介在してもよい。
【0021】
絶縁層140は、樹脂材で形成されてもよい。すなわち、絶縁層140は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリイミド(PI)等の熱可塑性樹脂を含むことができる。
【0022】
また絶縁層140は、上記樹脂に補強材をさらに含むことができる。上記補強材としては、例えば、ファブリック(fabric)補強材、無機フィラーなどを用いることができる。上記ファブリック(fabric)補強材は、ガラス繊維であってもよく、ガラス繊維が樹脂に含浸されてプリプレグ(PPG)に形成されることができる。この補強材は、絶縁層140に剛性を付与する。
【0023】
コア上には、回路150が形成され、絶縁層140は、金属材質のコアと回路150とを絶縁させる。
【0024】
コアには、開口部170を形成することができる。コアは、開口部170により第1コア100と第2コア200とに分離できる。ここで、第2コア200は、第1コア100の内側に位置し、開口部170は、第2コア200の外周面に形成される。すなわち、第2コア200は、第1コア100と離隔され、第1コア100から孤立する。
【0025】
第1コア100は、第1金属層110から第3金属層130で構成され、第2コア200も第1金属層110から第3金属層130で構成される。
【0026】
第1コア100と第2コア200との間の開口部170は、絶縁層140で充填することができる。第2コア200と第1コア100とが絶縁されているため、第2コア200はビアとして機能することができる。
【0027】
一方、第2金属層120が、第1メッキ層と第2メッキ層とで構成される場合は、
図1に示すように、第1メッキ層は、第1コア100及び第2コア200の側面をカバーすることができる。特に、第1メッキ層は、第1コア100と第2コア200とが互いに対向するそれぞれの側面をカバーすることができる。
【0028】
しかし、第2メッキ層は、第1メッキ層の側面をカバーしない。第2メッキ層は、第1メッキ層の上面にのみ形成される。この場合、第2メッキ層は、異方性メッキにより形成される。
【0029】
等方性メッキは、全ての方向にメッキ層が成長する方式を意味し、異方性メッキは、特定方向にのみメッキ層が成長する方式である。
【0030】
本発明において第2メッキ層は、プリント回路基板の側面方向には成長しないで、垂直方向にのみ成長する異方性メッキ方式により形成されることができる。
【0031】
第1コア100と第2コア200とは、互いに離隔してその間に開口部170が形成され、その開口部170の幅が小さいほどプリント回路基板のサイズが小さくなることができる。しかし、開口部170の幅が小さすぎると、第1コア100及び第2コア200の側面から成長するメッキ層により開口部170が全て充填されて第1コア100と第2コア200とが互いに融合する問題が発生することがある。第1コア100と第2コア200とが融合するとショートが発生する。
【0032】
しかし、第2メッキ層を異方性メッキ方式により形成すると、開口部170内にはメッキ層の厚さが薄いながらも第1金属層110の上面に対してはメッキ層の厚さを十分に確保することができる。
【0033】
要約すると、第2金属層120は、複数のメッキ層で構成され、少なくとも一つのメッキ層は異方性メッキ方式により形成されることができる。
【0034】
絶縁層140内には、接続ビア160を形成することができる。接続ビア160は、第2コア200に接続する。絶縁層140上には回路150が形成され、接続ビア160上にも回路の一部が位置できる。接続ビア160上に形成された回路上には、ソルダーボールが形成され、該ソルダーボールを介してプリント回路基板が外部機器に接続することができる。
【0035】
図2は、本発明の他の実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0036】
図2に示すように、本発明の他の実施例に係るプリント回路基板は、コアを含み、コアは、第1金属層110と、第2金属層120と、第3金属層130と、を含む。ここで、第2金属層120の厚さは、第3金属層130の厚さより大きい。
【0037】
本発明の一実施例と異なる点は、第2金属層120が、単一のメッキ層からなるということである。
【0038】
単一のメッキ層は、異方性メッキ方式により形成される。この場合、第1コア100及び第2コア200の側面にはメッキ層が形成されない。
【0039】
本実施例によれば、第1コア100と第2コア200との間の開口部170には、第2金属層120のメッキ層が形成されないので、開口部170の幅が十分に小さくなることができる。結果的に、プリント回路基板のサイズが小さくなることができる。
【0040】
<プリント回路基板の製造方法>
図3から
図15は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法を示す工程図である。
【0041】
図3を参照すると、キャリアは、絶縁材Pと、上記絶縁材P上に積層された二層の金属材とで構成されることができる。
図3には、二層の金属材のうちの一つのみが図示されており、図示された金属材はMと表記されている。
【0042】
キャリアの絶縁材Pは、プリプレグ(PPG)またはビルドアップフィルム(build up film)であってもよい。
【0043】
プリプレグには、ガラス繊維(glass cloth)などの補強材が含まれることができる。ビルドアップフィルムは、シリカ等のフィラー(filler)が充填された樹脂材であってもよく、ABF(Ajinomoto Build−up Film)等を用いることもできる。
【0044】
キャリアとシード層Mの全厚さは、約0.1mmであることができる。
【0045】
図4を参照すると、キャリア上に第1絶縁層140が形成される。第1絶縁層140上には、金属材質のシード層が形成されることができる。キャリアの両面には、同様の工程が行われることができ、この場合、同時に二つのプリント回路基板を製造することができる。
【0046】
図5を参照すると、シード層上にフォトレジストが形成される。フォトレジストの厚さは、約75μmであることができる。
【0047】
フォトレジストは、感光性であり、フォトリソグラフィ工程を行うために要求されるものである。フォトレジストは、キャリア全面に積層された後に、マスクを用いて部分的に露光される。フォトレジストは、露光後、現像すると、マスクに対応して残ることになる。すなわち、フォトレジストは、部分的に除去される(以下、除去された部分を除去領域と称する)。
【0048】
図6を参照すると、フォトレジストの除去領域に第3金属層130が形成される。第3金属層130は、シード層を基盤にして電解メッキされることができる。第3金属層130は、シード層からプリント回路基板の垂直方向にメッキ層が成長して形成されることができる。
【0049】
第3金属層130の厚さは、フォトレジストの厚さより小さい。
【0050】
図7を参照すると、フォトレジストの除去領域に第1金属層110を形成する。第1金属層110は、第3金属層130を基盤にして電解メッキされることができる。第1金属層110の上面は、フォトレジストの上面と一致することができる。すなわち、フォトレジストの除去領域は、第3金属層130及び第1金属層110により完全に充填される。
【0051】
図8を参照すると、第3金属層130及び第1金属層110の形成後に、残っていたフォトレジストが除去される。フォトレジストの除去は、剥離方法により除去できる。すなわち、プリント回路基板を剥離液に浸漬すると、剥離液に反応するフォトレジストが除去され得る。フォトレジストが除去されると、シード層上には第3金属層130及び第1金属層110のみ残る。
【0052】
一方、第3金属層130及び第1金属層110には、開口部170が設けられる。この開口部170は、パターニングされたフォトレジストの位置に対応する。
【0053】
第3金属層130及び第1金属層110は、二つのユニットに分離される。一つのユニットは、他のユニット内に位置し、互いに離隔され、上記一つのユニットが他の一つから孤立する。ユニットとユニットとの間には開口領域171が形成される。
【0054】
コアは、第1コア100と第2コア200とに分離されることは上述した通りである。したがって、コアを構成する第3金属層130及び第1金属層110も、第1コア100及び第2コア200に対応して二つのユニットに分離される。
【0055】
図9を参照すると、第2金属層120の第1メッキ層120'が、第1金属層110上に形成される。第1メッキ層120'は、開口領域171の一部に形成される。
【0056】
すなわち、第1メッキ層120'は、第3金属層130及び第1金属層110の側面にも形成される。特に、第1メッキ層120'は、二つのユニットの互いに対向するそれぞれの側面に形成される。これにより、第1コア100と第2コア200とが形成され、第1コア100と第2コア200との間には開口部170が設けられる。
【0057】
図10を参照すると、開口部170から露出されたシード層が除去される。第2コア200がビアとして機能するためには第1コア100と絶縁しなければならないので、不要なシード層を除去する必要がある。シード層は、エッチングにより除去される。除去される部分以外の部分をエッチングレジストで保護し、その後プリント回路基板をエッチング液に浸漬すれば、所望する部分に対してのみエッチングが行われ、所望するシード層の部分を除去できる。
【0058】
図11を参照すると、第2金属層120の第2メッキ層が第1メッキ層120'上に形成される。第1メッキ層120'が等方性メッキにより形成され、第2メッキ層が異方性メッキにより形成される。すなわち、第2メッキ層は、第1メッキ層の側面を除いた上面上にのみ形成される。
【0059】
図12を参照すると、第2絶縁層140が第2金属層120上に形成される。第2絶縁層140は、開口部170内を充填する。
【0060】
第1絶縁層140及び第2絶縁層140は、樹脂材で形成されることができる。すなわち、第1絶縁層140及び第2絶縁層140は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリイミド(PI)等の熱可塑性樹脂を含むことができる。
【0061】
また第1絶縁層140及び第2絶縁層140は、上記樹脂に補強材をさらに含むことができる。上記補強材としては、例えば、ファブリック(fabric)補強材、無機フィラー等を用いることができる。上記ファブリック(fabric)補強材は、ガラス繊維であってもよく、ガラス繊維が樹脂に含浸されてプリプレグ(PPG)に形成されることができる。この補強材は、第1絶縁層140及び第2絶縁層140に剛性を付与する。
【0062】
一方、第2絶縁層140上には金属材Mが形成される。
【0063】
図13を参照すると、キャリアがプリント回路基板から除去される。この場合、キャリアの絶縁材と一つの金属材が除去され、他の一つの金属材Mはプリント回路基板に残る。
【0064】
絶縁層140内にはビアホールVHが形成される。ビアホールVHはレーザードリル等により形成することができる。ビアホールVHは、レーザードリルにより形成される場合、
図13に示すように、テーパ状に形成されることができる。レーザードリルは、CO
2レーザーであってもよい。
【0065】
ビアホールVHは、第2コア(200)に対応して形成される。一方、ビアホールVHは、絶縁層140のみを貫通し、第2コア200は貫通しない。ビアホールVHをレーザードリルにより形成する場合、レーザーは絶縁層140のみを除去できるので、絶縁層140のみを貫通するように制御することができる。
【0066】
但し、レーザードリルを使用する前に、金属材Mをエッチングなどの方法により予め除去する必要がある。
【0067】
図14を参照すると、ビアホールVH内に伝導性物質が充填されて接続ビア160が形成される。接続ビア160は、第2コア200に接触し、第2コア200と回路150とを電気的に接続させる。接続ビア160及び第2コア200は、信号伝達のビアとして機能する。
【0068】
伝導性物質の充填は、メッキ法により行われることができる。この場合、ビアホールVH内に無電解メッキ層が先に形成され、その後に無電解メッキ層上に電解メッキ層が形成されて、ビアホールVHをフィルメッキすることができる。
【0069】
一方、接続ビア160の形成の際に、回路150を同時に形成することができる。回路150は、アディティブ(Additive)法、サブトラックティブ(Subtractive)法、セミアディティブ(Semi−Additive)法などの方法により形成可能であるが、これらの方法に限定されない。回路は、銅等の金属で形成することができる。
【0070】
第2絶縁層140上に形成された金属材は、シード層として機能することができる。ビアホールVHのメッキの際に、金属材M上の回路150もメッキにより形成することができる。
【0071】
図15を参照すると、回路150が形成された後に、不要な金属材が除去される。これは、回路150間には互いに絶縁される必要があるので、ショートを防止するために金属材を除去することである。
【0072】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の範囲内に含まれるといえよう。