(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも口と鼻の両方の領域を覆うカップ部(2)と、前記カップ部(2)に設けられ、前記カップ部(2)を装着した人に対して前記カップ部(2)から吸気を可能にする吸気部(5)と、前記カップ部(2)に存在し、水等の液体が循環する冷却用の液体路(13)と、前記液体路(13)の熱交換面積を大きくする形状に構成する液体路構成部材(8)とを備え、
前記液体路構成部材(8)は、熱伝導性の高い金属製基体(51)と、前記金属製基体(51)内に形成された前記液体路(52)と、前記金属製基体(51)に設けられた熱交換面積を増やす液体用の熱交換用凹凸部(53)とを有する循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項1に記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、前記金属製基体(51)内に形成された吸気通路(57)を設け、前記吸気通路(57)に空気用の前記熱交換用凹凸部(53)を設けることで熱交換面積を大きくする形状に構成した循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項2に記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、前記吸気通路(57)に基体側吸入口(63)を設け、マスク部(1)の吸気部(5)から吸入された空気が前記基体側吸入口(63)から前記吸気通路(57)に吸入されるように、マスク部(1)内の吸気構造を構成した循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項2〜請求項3のいずれか一つに記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、前記マスク部(1)の前記吸気通路(57)と、前記マスク部(1)の排気部(66)に連通する排気通路(58)をそれぞれ別の通路で構成し、前記吸気通路(57)を吸引される空気と前記排気通路(58)から排出される人間の排気との混在を抑制する逆止弁(59)を設けた循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項2〜請求項4のいずれか一つに記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、前記液体路(52)及び前記吸気通路(57)を有する前記液体路構成部材(8)を少なくとも一つの鋳物を含んで構成した循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項2〜請求項5のいずれか一つに記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、前記マスク部(1)の構成材料を前記金属製基体(51)の熱伝導性よりも低い材料で構成し、前記マスク部(2)の構成材料の存在によって前記金属製基体(51)が外気に直接露出しないように前記液体路構成部材(8)を前記マスク部(1)に配置した循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項2〜請求項6のいずれか一つに記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、前記金属製基体(51)内に形成された前記液体路(52)と前記吸気通路(57)は共にそれぞれの流路が一平面の裏表位置に形成された構成としてある循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
少なくとも口と鼻の両方の領域を覆うカップ部(2)と、前記カップ部(2)に設けられ、前記カップ部(2)を装着した人に対して前記カップ部(2)から吸気を可能にする吸気部(5)と、前記カップ部(2)に存在し、水等の液体が循環する冷却用の液体路(13)と、前記液体路(13)の熱交換面積を大きくする形状に構成する液体路構成部材(8)とを備え、
前記液体路構成部材(8)は、熱伝導性の高い金属製基体(51)と、前記金属製基体(51)内に形成された前記液体路(52)と、複数の吸気ユニット(35)で構成された吸気部(5)とを有し、前記液体路(13)の供給通路(36)と戻り通路(37)の関係において、少なくとも第1吸気ユニット(35a)及び第2吸気ユニット(35b)の前記液体路(13)の接続を直列にした循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
少なくとも口と鼻の両方の領域を覆うカップ部(2)と、前記カップ部(2)に設けられ、前記カップ部(2)を装着した人に対して前記カップ部(2)から吸気を可能にする吸気部(5)と、前記カップ部(2)に存在し、水等の液体が循環する冷却用の液体路(13)と、前記液体路(13)の熱交換面積を大きくする形状に構成する液体路構成部材(8)とを備え、
前記液体路構成部材(8)は、熱伝導性の高い金属製基体(51)と、前記金属製基体(51)内に形成された前記液体路(52)と、複数の吸気ユニット(35)で構成された吸気部(5)とを有し、前記液体路(13)の供給通路(36)と戻り通路(37)の関係において、前記供給通路(36)と前記戻り通路(37)のそれぞれに分岐部(39)を備え、前記分岐部(39)によって少なくとも第1吸気ユニット(35a)及び第2吸気ユニット(35b)の前記液体路(13)の接続を並列にした循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
少なくとも口と鼻の両方の領域を覆うカップ部(2)と、前記カップ部(2)に設けられ、前記カップ部(2)を装着した人に対して前記カップ部(2)から吸気を可能にする吸気部(5)と、前記カップ部(2)に存在し、水等の液体が循環する冷却用の液体路(13)と、前記液体路(13)の熱交換面積を大きくする形状に構成する液体路構成部材(8)とを備え、
前記液体路構成部材(8)は、熱伝導性の高い金属製基体(51)と、前記金属製基体(51)内に形成された前記液体路(52)と、複数の吸気ユニット(35)で構成された吸気部(5)とを有し、前記液体路(13)の供給通路(36)と戻り通路(37)の関係において、複数の吸気ユニット(35)毎に前記供給通路(36)と前記戻り通路(37)を設け、液体容器(20)からの液体をそれぞれ供給するように構成した循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項8〜請求項10のいずれか一つに記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、マスク部(1)のカップ部(2)に構成される取付部(70)と、前記金属製基体(51)と、吸気カバー部(5)とを有し、
前記吸気カバー部(5)からの外気を吸い込めるように設けられた取付部吸気開口(47)と、前記金属製基体(51)内に液体の流入及び流出を行なうための取付部液体開口(48)と、を前記取付部(70)に設けた循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項8〜請求項10のいずれか一つに記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、マスク部(1)のカップ部(2)に構成される取付部(70)と、前記取付部(70)内に収容した前記金属製基体(51)と、フィルター部(46)と、吸気カバー部(5)とを有し、前記吸気カバー部(5)が前記取付部(70)と着脱自在に構成されている循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項11〜請求項12のいずれか一つに記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、前記金属製基体(51)の最外側面と前記フィルター部(46)を離隔して配置し、前記金属製基体(51)の最外側面と前記フィルター部(46)との間に空隙が生じるように構成した循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項11〜請求項13のいずれか一つに記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、前記取付部液体開口(48)の回りにパッキン、Oリング等の取付部液体開口(48)用の気密部材(73b)を設けた循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項12〜請求項14のいずれか一つに記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、前記フィルター部(46)の外縁部を支える円形段差部(74)を設け、前記円形段差部(74)に前記フィルター部(46)用の気密部材(73a)を設けた循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項12〜請求項15のいずれか一つに記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、前記金属製基体(51)に形成された液体路(52)の部分を開口したパッキン部材(75)を前記金属製基体(51)を構成する第1金属製平板(54)と第2金属製平板(61)の間に設けた循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
請求項11〜請求項16のいずれか一つに記載の循環液体による冷却機能を備えたマスク部において、マスク部(1)のカップ部(2)に形成される取付部(70)と、前記金属製基体(51)と、フィルター部(46)とを有する吸気カバー部(5)と、前記取付部(70)に形成され、前記金属製基体(51)が嵌まり込む基体収容凹部(49)と、前記基体収容凹部(49)の内方に広がるように弾性力を有する弾性片(79)で構成された抜け防止具(77)と、を有している循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
少なくとも口と鼻の両方の領域を覆うカップ部(2)と、前記カップ部(2)に設けられ、前記カップ部(2)を装着した人に対して前記カップ部(2)から吸気を可能にする吸気部(5)と、前記カップ部(2)に存在し、水等の液体が循環する冷却用の液体路(13)と、前記液体路(13)の熱交換面積を大きくする形状に構成する液体路構成部材(8)とを備え、
前記液体路構成部材(8)は、螺旋形又は同心円形であって、弾性変形可能な素材で構成された基体(34)を有しており、前記基体34は螺旋形又は同心円形の間の隙間(30)と、前記基体(34)に設けられた液体路(13)とを有している循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
少なくとも口と鼻の両方の領域を覆うカップ部(2)と、前記カップ部(2)に設けられ、前記カップ部(2)を装着した人に対して前記カップ部(2)から吸気を可能にする吸気部(5)と、前記カップ部(2)に存在し、水等の液体が循環する冷却用の液体路(13)と、前記液体路(13)の熱交換面積を大きくする形状に構成する液体路構成部材(8)とを備え、
前記液体路構成部材(8)は、複数の前記液体路(13)が形成された扁平なシート形部材(40)と、前記液体路(13)内に固定して設けられ柔軟性を有する繊維形物(41)とを有し、前記繊維形物(41)の繊維部材が少なくともシート形部材(40)の上下方向に交差している循環液体による冷却機能を備えたマスク部。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、例えば気温40゜を超える熱帯地方や、製鉄所などの高温環境で作業する作業者が解決して欲しい課題として、高い温度の空気を吸うことによる肺へのダメージや体力の消耗があることを発見した。高い気温(例えば、40゜〜60゜)の空気を継続的に吸い続けると人間は気道や肺に耐え難い不快感を感じ、また、非常な疲れを感じるのである。場合によっては、人体に深刻なダメージや後遺症を招来することも多い。
本発明は上記従来の冷却服などの従来技術では解決できなかった高い温度の空気を吸うことによる課題を解決するためになされたものである。
このような課題の認識は従来技術では開示されていないものである。
【0005】
本発明の目的は、循環液体による冷却機能を備えたマスク部を提供することにある。
具体的な目的の一例を示すと、以下の通りである。
(A)比較的、簡単な構成でマスク部を装着した作業者等が実際に吸気する空気の温度を下げることができる冷却機能を備えたマスク部を提供する。
(B)作業者等が吸気する空気の温度を下げる場合にその冷却機能を高める工夫を有する冷却機能を備えたマスク部を提供する。
なお、上記に記載した以外の発明の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は多面的に表現できるが、例えば、代表的なものを挙げると、次のように構成したものである。なお、下記各発明において、各符号は後述する実施形態との対応関係を分かりやすくするために一例として示したものであり、本発明の各構成要素は、実施形態に記載した符号に係る構成に限定されないことは言うまでもない。
前記したように、本発明は、本発明者が高い温度の空気を吸う作業者等が有する不快感や苦痛を低減することが切望されている技術であるということを発見したことによってされたものである。さらに、本発明は、前記課題を簡単かつ安価に解決する構成はどのようなものかという継続的な探索によってなされたものである。課題の認識のないところに発明はないことは明らかである。
【0007】
上記課題を解決するための本発明が有する特徴構成について説明する。
本発明の循環液体による冷却機能を備えたマスク部1は、少なくとも口と鼻の両方の領域を覆うカップ部2と、前記カップ部2に設けられ、前記カップ部2を装着した人に対して前記カップ部2から吸気を可能にする吸気部5と、前記カップ部2に存在し、水等の液体が循環する冷却用の液体路13と、前記液体路13の熱交換面積を大きくする形状に構成する液体路構成部材8とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
なお、本発明は、前記液体路構成部材と前記カップ部を別体で構成することも、前記液体路構成部材自体によって前記カップ部を構成することも可能である。
さらに、液体路構成部材を構成する素材は合成樹脂や金属等の各種の素材を採用することができる。
【0008】
この構成であれば、水などの循環する液体を用いているので、冷却ファン等の気体の熱交換よりも多くの熱を奪って強力にカップ部内の空気を冷却することができる。また、液体路構成部材を設けることによって液体路の熱交換面積を大きくできるので液体による冷却作用を向上させることができる。さらに、循環する液体を用いて熱交換を行なうので長時間にわたって安定して冷却することができる。
また、マスク部に液体路構成部を設けているので熱交換によって外気によって暖まる前に温度の低い空気を作業者は吸うことができる。
本発明の特徴の一つとして、マスク部内を冷却する場合に、常温で液体のものを使用し、その液体を循環させる点がある。
従来の特許文献3の構成では、ドライアイス収納容器内のドライアイスを使い切った場合は、新たにドライアイスを供給する必要があり面倒であり、高コストになる課題がある。これに対して本発明では、水等の液体が循環するので、冷媒を繰り返し使用できるので、安価にマスク部内を冷却することができる。
また、特許文献3の構成をそのまま、マスク部に適用した構成では、ドライアイスが気化した後の二酸化酸素がマスク部に充満することになり、作業員が酸素不足となることから、安全性からも好ましくない。
【0009】
さらに、本質的な問題として、液体でない気体を使用した場合は、常温で液体である冷媒に比べて、気体の熱容量は著しく小さく、マスク部内を実用的レベル程度に冷却することができないことがある。例えば、高温地域において建築作業等に従事する動き回る作業員を考えた場合、作業員が装着するマスク部に外気温度に比べて低温の空気を供給する構成であれば、大重量かつ高負荷の熱交換装置(例えば、エアコンとその室外機を想定すれば理解できる)とその駆動電源を身体に装着することが必要になる。供給する流体が気体の構成であれば、作業員はその大重量の熱交換装置とその電源を身体に装着しなければならないことになり、現実には実現が不可能であることが容易に理解できるものである。
【0010】
本発明において、例えば、
図7に示すように、前記液体路構成部材8に前記液体路13を避けるように開口部12を設けて、前記液体路構成部材8を介して前記吸気部5から吸気可能に構成したことを特徴とする(請求項2)。
この構成であれば、カップ部に吸気を妨げる面や形状を有する液体路構成部材を設けた構成であっても開口部を介して作業者の鼻や口に空気を届けることが可能になる。
【0011】
本発明において、液体管13で前記液体路13を構成したことを特徴とする(請求項3)。
本発明において、例えば、
図4に示すように、前記液体路構成部材8は、装着者の顔面7側又は外方側の少なくとも一方側に複数の凹凸部11と、前記吸気部5からの吸気を可能にする開口部12とを備えており、前記複数の凹凸部11に前記液体管13を保持するように係合させることにより、前記カップ部2での前記液体管13の形状を維持するように構成したことを特徴とする(請求項3に従属の請求項4)。
【0012】
本発明において、例えば、
図6に示すように、前記液体路構成部材8と前記液体路13の構成を合成樹脂等の一体型の成型品14で構成し、前記成型品14を前記カップ部2に設けたことを特徴とする(請求項5)。
なお、前記したように、「成型品をカップ部に設ける」構成としては、成型品をカップ部内に収容する構成や、成型品自体をカップ部にする構成を含む。
この構成であれば、一体型の成型品をカップ部に設けるだけで、液体路をその熱交換面積を大きくするように配置することができ、液体管を旋回又は蛇行させて固定する等の構成に比べて、マスク部の製造が簡単になる。
【0013】
本発明において、例えば、
図8,
図9に示すように、前記カップ部2を装着した顔面7から外方に向く方向Lから見た場合に、前記液体路構成部材8を前記カップ部2の側面側に存在する側面部24で構成し、前記側面部24に前記液体路13を複数回旋回させて支持する構成とした特徴とする(請求項6)。
この構成であれば、カップ部の側面部に液体路を複数回旋回させて支持するという安価かつ簡単な構成で、液体路構成部材を構成することができる。
【0014】
本発明において、例えば、
図5に示すように、冷却用の前記液体を貯蔵する液体容器20と、前記液体路13内において前記液体を循環させるポンプ19を備えたことを特徴とする(請求項7)。
本発明において、各種のフィルター機能を備えた機能シートで前記吸気部5を構成したことを特徴とする(請求項8)。
本発明において、複数の吸気用開口28が設けられた部材で前記吸気部5を構成したことを特徴とする(請求項9)。
【0015】
本発明において、例えば、
図10に示すように、前記液体路構成部材8は、螺旋形又は同心円形であって、弾性変形可能な素材で構成された基体34を有しており、前記基体34は螺旋形又は同心円形の間の隙間30と、前記基体34に設けられた液体路13とを有していることを特徴とする(請求項10)。
本発明において、例えば、
図11に示すように、前記液体路構成部材8は、複数の前記液体路13が形成された扁平なシート形部材40と、前記液体路13内に固定して設けられ柔軟性を有する繊維形物41とを有し、前記繊維形物41の繊維部材が少なくともシート形部材40の上下方向に交差していることを特徴とする(請求項11)。
この構成であれば、扁平なシート形部材に複数の液体路を形成することで、熱交換面積を大きくできる。また、前記繊維部材が上下方向に交差している状態で液体路内に固定することでシート形部材が曲がるように変形した場合でも、繊維部材の交差によって形成される隙間を介して良好な液体の流れを確保できる液体路とすることができる。
【0016】
本発明において、例えば、
図12に示すように、前記液体路構成部材8は、熱伝導性の高い金属製基体51と、前記金属製基体51内に形成された前記液体路52と、前記金属製基体51に設けられた熱交換面積を増やす液体用の熱交換用凹凸部53とを有することを特徴とする(請求項12)。
この構成であれば、合成樹脂などの部材に比べて熱伝導性の高い金属製基体、例えば銅やアルミなどの金属を液体路構成部材として採用することで液体路構成部材全体を温度の低い状態に維持でき、冷却効率を高めることができる。
本発明において、例えば、
図16に示すように、前記金属製基体51内に形成された吸気通路57を設け、前記吸気通路57に空気用の前記縦形凹凸部(例えば、
図13に示す縦形凹凸部69など)を設けることで熱交換面積を大きくする形状に構成したことを特徴とする(請求項13)。
この構成であれば、温度の下がった金属製基体によって吸気通路を流れる空気は強力に冷却され、鼻や口から吸気される空気の温度を効率良く下げることができる。
【0017】
本発明において、例えば、
図16に示すように、前記吸気通路57に基体側吸入口63を設け、マスク部1の吸気部5から吸入された空気が前記基体側吸入口63から前記吸気通路57に吸入されるように、マスク部1内の吸気構造を構成したことを特徴とする。(請求項14)。
この構成であれば、マスク部を経て、外部の温度の高い空気を直接、口や鼻から吸引されることを著しく低減できるので、吸気される空気の温度を効率良く下げることができる。
【0018】
本発明において、例えば、
図16に示すように、前記マスク部1の前記吸気通路57と、前記マスク部1の排気部66に連通する排気通路58をそれぞれ別の通路で構成し、前記吸気通路57を吸引される空気と前記排気通路58から排出される人間の排気との混在を抑制する逆止弁59を設けたことを特徴とする。(請求項15)。
この構成であれば、逆止弁を設けることで吸気通路を吸引される空気と排気通路から排出される人間の排気とが混ざることを抑制して、暖まった人間の排気と冷却された吸気とが混ざって、冷却効率が低下することを低減することができる。
本発明において、前記液体路52及び前記吸気通路57を有する前記液体路構成部材8を少なくとも一つの鋳物を含んで構成したことを特徴とする(請求項16)。
この構成であれば、液体路構成部材を構成する場合の製造コストを低減できる。
【0019】
本発明において、前記マスク部1の構成材料を前記金属製基体51の熱伝導性よりも低い材料で構成し、前記マスク部1の構成材料の存在によって前記金属製基体51が外気に直接露出しないように前記液体路構成部材8を前記マスク部1に配置したことを特徴とする(請求項17)。
この構成であれば、熱伝導性の低い構成材料によって高い温度の外気と液体路構成部材は熱伝導の点において区画されることになり、高い温度の外気によって液体路構成部材の温度が上がることを抑制することができる。
本発明において、例えば、
図12〜
図15に示すように、前記金属製基体51内に形成された前記液体路52と前記吸気通路57は共にそれぞれの流路が一平面の裏表位置に形成された構成としてあることを特徴とする(請求項18)。
この構成であれば、冷却効率を高めることができる。
【0020】
本発明において、例えば、
図17(A)に示すように、前記液体路構成部材8は、熱伝導性の高い金属製基体51と、前記金属製基体51内に形成された前記液体路52と、複数の吸気ユニット35で構成された吸気部5とを有し、前記液体路13の供給通路36と戻り通路37の関係において、少なくとも第1吸気ユニット35a及び第2吸気ユニット35bの前記液体路13の接続を直列にしたことを特徴とする(請求項19)。
この構成であれば、例えば、
図17(B)に示すように、供給通路と戻り通路を簡単化できる。また、複数個の吸気ユニットを有しているので吸気が楽になる。
本発明において、前記液体路構成部材8は、熱伝導性の高い金属製基体51と、前記金属製基体51内に形成された前記液体路52と、複数の吸気ユニット35で構成された吸気部5とを有し、前記液体路13の供給通路36と戻り通路37の関係において、前記供給通路36と前記戻り通路37のそれぞれに分岐部39を備え、前記分岐部39によって少なくとも第1吸気ユニット35a及び第2吸気ユニット35bの前記液体路13の接続を並列にしたことを特徴とする(請求項20)。
この構成であれば、複数の第n吸気ユニット(2≦n≦5:nは自然数)をほぼ同じ条件で冷却することができる。
【0021】
本発明において、例えば、
図17(C)に示すように、前記液体路構成部材(8)は、熱伝導性の高い金属製基体(51)と、前記金属製基体(51)内に形成された前記液体路(52)と、複数の吸気ユニット(35)で構成された吸気部(5)とを有し、前記液体路(13)の供給通路(36)と戻り通路(37)の関係において、複数の吸気ユニット(35)毎に前記供給通路(36)と前記戻り通路(37)を設け、液体容器20からの液体をそれぞれ供給するように構成したことを特徴とする(請求項21)。
本発明において、例えば、
図18に示すように、マスク部1のカップ部2に構成される取付部70と、前記金属製基体51と、吸気カバー部5とを有し、
前記吸気カバー部5からの外気を吸い込めるように設けられた取付部吸気開口47と、前記金属製基体51内に液体の流入及び流出を行なうための取付部液体開口48と、を前記取付部70に設けたことを特徴とする(請求項22)。
【0022】
本発明において、マスク部1のカップ部2に構成される取付部70と、前記取付部70内に収容した前記金属製基体51と、フィルター部46と、吸気カバー部5とを有し、前記吸気カバー部5が前記取付部70と着脱自在に構成されていることを特徴としている(請求項23)。
本発明において、例えば、
図18及び
図19に示すように、前記金属製基体51の最外側面と前記フィルター部46を離隔して配置し、前記金属製基体51の最外側面と前記フィルター部46との間に空隙が生じるように構成したことを特徴とする(請求項24)。
この構成であれば、金属製基体の最外側面とフィルター部の間に空隙があるので、取付部吸気開口から離れた吸気部の面から吸い込まれた外気も良好に取付部吸気開口に吸い込まれることができる。
【0023】
本発明において、例えば、
図18に示すように、前記取付部液体開口48の回りにパッキン、Oリング等の取付部液体開口48用の気密部材73bを設けたことを特徴とする(請求項25)。
本発明において、例えば、
図18及び
図20に示すように、フィルター部46の外縁部を支える円形段差部74を設け、前記円形段差部74に前記フィルター部46用の気密部材73aを設けたことを特徴とする(請求項26)。
本発明において、前記金属製基体51に形成された液体路52の部分を開口したパッキン部材75を前記金属製基体51を構成する第1金属製平板54と第2金属製平板61の間に設けたことを特徴とする(請求項27)。
【0024】
本発明において、例えば、
図20に示すように、マスク部1のカップ部2に形成される取付部70と、前記金属製基体51と、フィルター部46とを有する吸気カバー部5と、前記取付部70に形成され、前記金属製基体51が嵌まり込む基体収容凹部49と、前記基体収容凹部49の内方に広がるように弾性力を有する弾性片79で構成された抜け防止具77と、を有していることを特徴とする(請求項28)。
本発明において、例えば、
図21に示すように、前記液体容器20にドライアイス収容部84を設け、前記ドライアイス収容部84は気化した二酸化酸素を外部に逃がす気化ガス連通部83を備え、前記気化ガス連通部83はドライアイス85の出し入れ口であり、かつ前記気化ガス連通部83は断熱部材で構成されていることを特徴とする(請求項29)。
前記断熱部材としては、熱伝導率が低い材料で構成された多孔質部材などが例示できる。
この構成であれば、液体容器内に氷を入れただけの構成に比べて、ドライアイスの気化熱によって長い時間にわたって循環液体(通常は水)を強力に冷却することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明であれば、比較的、簡単な構成でマスク部を装着した作業者等が実際に吸気する空気の温度を下げることができるマスク部を提供できた。
また、作業者等が吸気する空気の温度を下げる場合にその冷却機能を高める工夫を有するマスク部を提供できた。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1実施形態]
以下、
図1〜
図4に示す本発明に係る第1実施形態について、図面に基づき説明する。
本明細書において高次の概念に含まれる構成要件と低次の概念に含まれる構成要素を必要に応じて、共に同一の符号番号又は異なる符号番号を付けている。
この概念の包含関係については、符号の説明の欄において、どの構成要素が他の構成要素の一形態に該当するか示しているので参照されたい。
本実施形態に係る、循環液体による冷却機能を備えたマスク部1(以下、マスク部1と称する)は、
図1に示すように、少なくとも口と鼻の両方の領域を覆うカップ部2を備えている。カップ部2には、顔面7に密着する略環形の当接面部4(
図2及び
図3参照)を有している。
当接面部4は装着する人の顔面7の形状に沿って隙間が少なくなるように弾性変形する面で構成され、柔軟性や可撓性を有する材料、例えばゴム面部材等で構成してある。
このカップ部2は
図1〜
図4に示すように人の顔面7から外方(L方向)に向けて凸形状の内空間部3を備えている。
内空間部3には、水等の液体が循環する冷却用の液体路13と、液体路13をカップ部2内においてその液体路長を大きくする配置形状を維持するための液体路構成部材8が設けられている。
なお、
図2においては、簡便のためにカップ部2内の液体路13や液体路構成部材8などは省略して描いている。
【0028】
内空間部3の容積は、口と鼻から吸われる空気の温度を下げる機能を達成できる大きさを備えている。この容積は、マスク部1が想定する外気温度や設計する液体の温度、流速及び流量によって、良好な冷却が行なわれるように、適宜、設計されるものである。
具体的に言うと、外気温が高くなればなるほど内空間部3の容積は、吸う空気を冷却する時間を得るために大きく設定することが好ましく、液体の流速や流量が大きく維持できる場合は内空間部3の容積は小さく設定することが可能となる。
当接面部4を顔面7に密着させる手段としては、一般的な構成としては、耳部又は頭部に、例えば帯形の係止部材6を掛け渡すことによって行なわれる。係止部材6としては、伸縮自在のゴム等の材料や、係止部材6の長さを調整できる手段としての留め具等を備えて構成し、カップ部2を顔面7に圧接できるように構成することが好ましい。
【0029】
前記カップ部2には装着された状態で、顔面7から突出する方向Lと略直交する顔面7の広がる面方向に口と鼻の両方の領域を覆う吸気部5が設けられている。
この吸気部5には、外の高い温度の空気とカップ部2内の温度をある程度、区画して内空間部3内で低い温度を維持する機能と、外気を取り入れる機能とが必要とされる。
必要に応じて、この吸気部5は、微細な粉塵の吸入を抑制する機能を有する粉塵抑制機能シート(図示せず)や、ばい菌・ウイルスの進入を抑制する機能を有する機能シート(図示せず)で構成することもできる。
これらの構成であれば、砂の飛ぶ砂漠地帯や、粉塵が舞う高温の作業場や、熱帯地方において感染症の治療を行なう医師の業務を行なう場合などにおいて、現実の利益は大きいものとなる。その理由は、吸う空気の温度を下げることと、前記機能シートのフィルター機能による身体安全性向上機能の両方を達成できるからである。
【0030】
また、一方、単に冷却を向上させる機能と外気を取り入れる機能だけを有する吸気部5を構成することもできる。例えば、後述する
図8に示したように、小さな開口を設けたパンチングメタルのような吸気開口28を吸気部5に形成する構成である。この構成であれば、粉塵などを濾過する(フィルター)する機能は得られないが、外気とカップ部2内の温度差を維持でき、カップ部2内での吸気温度を下げるという主目的は達することができる。
カップ部2内に顔面7に対して上下方向、又は幅方向にカップ部2内において掛け渡すように一つの細い液体管13を設けた構成では、カップ部2内に吸引された空気の温度を、実用上、満足できる程度に下げることは難しい。従って、本発明の構成では
(1)カップ部2で旋回するように冷却用の液体路13を設ける、
(2)カップ部2で折り返すように液体路13を設ける、
(3)カップ部2に複数の液体路13が形成された扁平なシート形部材40を設ける(4)カップ部2に熱伝導性の高い金属製基体51と、金属製基体51内に形成された液体路52と主に外面に形成された吸気通路57と、それらの液体路52・吸気通路57に設けられた熱交換面積を増やす熱交換用凹凸部53とを有する構成、などの熱交換面積を大きくするように各種の形状が採用される。
【0031】
本実施形態では、
図3及び
図4に示すように、前記液体路構成部材8として、顔面7側又は外方側の少なくとも一方側に複数の凹凸部11を備えた液体路構成部材8をカップ部2内に設けた構成を採用している。
図4に液体路構成部材8の詳細構成を示したように、この液体路構成部材8は平板又は略球面板の一部をその基体10とし、その基体10から一方向の面に複数の棒形などの突起物を突設させる等の凹凸部11を設けた構成としてある。
【0032】
また、液体路構成部材8は例えば、突起物を設けない基体10面に、顔面側面から外方側面に貫く開口部12を設けてある。開口部12の形状は液体路構成部材8の保持機能を維持できる構成であれば、特に限定されない。通常は、基体10に設けられた突起物や液体路13を避けて、円周方向に離隔して円形又は長穴などの各種形状を備えた開口部12を基体10に形成する場合が多い。
そして、凹凸部11と隣り合う凹凸部11の間隔は、液体路13の一例としての液体管13をその間に挟み込んで保持できるように構成してある。液体路構成部材8に液体管13を取り付ける形態としては、半径方向に延びる方向に徐々に液体管13を旋回させるように取り付ける構成や、長方形・正方形などの基体10の一方向の端面から他方向の端面に延びる方向において液体管13を多数回、折り返すように液体管13を取り付ける構成が例示できる。
【0033】
この構成であれば、汎用品であるシリコンチューブなどの液体管13を液体路構成部材8の凹凸部11の凹部又は凸部に係合させて取り付けるだけで、カップ部2内で液体路13をその液体路長を大きくできる形状に安定して維持できる。液体路長を大きくできれば、熱交換面積を大きくできる。なお、
図3及び
図4に示す棒状突起物や、液体管13を収容する凹部などは、上記凹凸部11の概念に含まれるものである。
更に、
図3及び
図4に示す例では、凹凸部11としての棒状突起物は液体管13が抜けないように先端部域に抜け防止部材29を備えているので液体管13が外れることを抑制できる。
また、
図2に示すように、カップ部2側の液体路13の入口に入口側接続部15を備え、液体路13の出口に液体を供給する出口側接続部16を備えている。これらの入口側接続部15、出口側接続部16は、通常、マスク部1の側面壁などに挿通開口を設けて液体管13を外部に引き出す構成が採用される。これらの入口側接続部15、出口側接続部16にそれぞれ駆動ユニット部22側の液体流出路17、液体戻り路18を接続してある。これらの接続はそれぞれ着脱自在の接続部材27・27を設けることが好ましい。
【0034】
図2に示すように、この実施形態における駆動ユニット部22には、マスク部1の温度を下げる液体を収容する液体容器20と、液体流出路17に向けて液体を圧送するポンプ19を備えている。液体容器20は断熱構成を備えたペットボトル、魔法瓶のような金属容器などの液体容器で構成されている。液体を水で構成する場合は、氷23を液体容器20内に入れることで水の温度を下げることができる。また、液体流出路17、液体戻り路18、ポンプ19、液体容器20及び駆動手段21などを含む駆動ユニット部22を身体に装着する形態としては、リュックサックのような形態で背負う形や、腰などの身体部分に装着する形態が例示できる。なお、ポンプ19の駆動手段21としては、ポンプ19を駆動する各種電池などが例示できる。
【0035】
図5は、駆動ユニット部22をリュックサックのような形態で背負う構成を一例として示した斜視図である。
この構成では、作業者等の背中に背負うリュックサックのような背負い部材31と、背負い部材31内に収容された液体容器20及びポンプ19とを備えている。また、ポンプ19からの液体流出路17と、マスク部1からの液体戻り路18と、それぞれの液体路の接続部材27・27を備えている。
【0036】
[第2実施形態]
図6、
図7に一例として示すように、本実施形態では、液体路13を有する液体路構成部材8の構成を合成樹脂等の一体型の成型品14で構成してある。一体型の成型品14は各部材の結合や組み合わせによって構成しても良いが、製造コストを下げるために、液体路13を含めた金型に合成樹脂を流し込むことで構成するような成型品14とすることが好ましい。
図6、
図7に示す構成では、成型品14に水等の液体が流れる液体路13が螺旋形又は同心円形に配置されてある。
本実施形態の成型品14の好ましい構成であれば、合成樹脂を金型に流し込むだけで、液体路構成部材8と液体路13を共に有する構成を一工程で製造できるので、大量生産に適しており、製造コストを低減できる。
また、成型品14には、液体路13が設けられた領域を避けた領域に複数(例えば、30〜3000個)の開口部12を備えている。開口部12とは簡単に言うと、液体路構成部材8に形成された通気領域である。
図6に示すように、液体路構成部材8をカップ部2の外側の吸気部5(
図1参照)に対して、外方に突出して湾曲した形状(例えば椀形)を採用することもできる。
図7に示すように、開口部12及び液体路13を有する成型品14を平面状のシート形に形成した後、所望の形状に相当する曲面位置32に成形加工又は組立加工して例えば、椀形のような液体路構成部材8を構成してもよい。
【0037】
[第3実施形態]
図8は本実施形態に係るマスク部1を装着側から見た斜視図である。この実施形態の特徴は、液体路構成部材8をカップ部2の顔面7から外方に突出する方向Lから見た場合にカップ部2の側部側に存在する側面部24(特に
図9参照)に液体路13を複数回旋回させて支持させる構成とした特徴とする。
また、その他の特徴としては、粉塵除去などのフィルター機能を有さない構成で吸気部5を構成した点にある。
図8、
図9に示す構成では、吸気用開口28をカップ部2の吸気部5に設けて、カップ部2内のよる良好な温度低下を実現できる外気温度の隔離機能と、作業者の吸気が苦しくない程度に吸気用開口28の開口比率(吸気部5の全面積に対する吸気用開口28の面積の比率)を調整してある。なお、吸気用開口28は複数段のスリット形や、編目の開口等、いろいろな形態が採用できる。この吸気用開口28を設ける構成は、本発明の「吸気部5」の概念に含まれている。
【0038】
液体路構成部材8として、旋回された液体管13をカップ部2内に安定して維持する構成は各種考えられるが、簡便な構成としては本実施形態の
図9に示すように、カップ部2内の側面部24に液体管13を安定して維持する形状に形成することである。
図9に示す構成では、カップ部2内の側面部24を複数回旋回する液体管13を安定して保持する側面部24の形状に加えて、保持部25を設けた構成としてある。保持部25としては、液体管13がその形状や位置を安定して収容される支持帯26を設ける構成や、駕籠形の環状収容部(図示せす)を設ける構成などが例示できる。
但し、本実施形態に係る構成においては、液体管13を側面部24だけで支持する構成が最も簡単かつ安価な構成であると言える。
【0039】
[第4実施形態]
図10に示すように、この実施形態に係る液体路構成部材8は、弾性変形可能な螺旋形又は同心円形であり、かつ螺旋形又は同心円形の隙間30を有する基体34と、基体34に設けられた液体路13を有している。なお、
図10において螺旋形の太線は基体34を示している。
基体34に液体路13を設ける構成としては、螺旋形又は同心円形の基体34と一体的に液体路13や液体管13を形成する構成や、螺旋形又は同心円形の基体34を形成した後に液体管13を固定する構成が例示できる。
この構成であれば、螺旋形又は同心円形のバネのような弾性変形する部材を基体34として使用することで、カップ部2の形状に応じて、基体34を弾性変形させて、液体路13を好ましい配置することができる。また、螺旋形又は同心円形の基体34を形成する場合に、自然と形成される螺旋形又は同心円形の隙間30を液体路構成部材8の開口部12として使用できる利点がある。
なお、螺旋形又は同心円形の基体34の基準基本形状をカップ部2のL方向の曲率に沿うように最初から略円錐形に形成することもできる。
【0040】
[第5実施形態]
図11に示すように、この実施形態に係る液体路構成部材8は、複数の液体路13が形成された扁平なシート形部材40と、前記液体路13内に固定して設けられ柔軟性を有する繊維形物41と、シート形部材40に設けられた複数の開口部12を有している。
開口部12の開口比率を吸気ができ、かつ冷えるように調整することは前記実施形態と同様である。また、繊維形物41は、シート形部材40の変形があっても液体路13内の液体を効率よく流すために設けられるものであり、顔面方向(上下方向)に縦糸(又は縦帯)と横糸(又は横帯)からなる繊維部材が交差するメッシュ形状のものが示してある。但し、シート面の上下方向に繊維部材が交差する構成であれば、メッシュ以外の各種の繊維形物41を採用することができる。例えば、繊維形物41としては、合成樹脂製の線形部材が上下方向に交差する構成やなどが例示できる。
【0041】
扁平なシート形部材40に複数の液体路13を形成する方法としては、顔面方向から見て上側シート材44と下側シート材45を間に挟んだ繊維形物41ごと熱溶着する区画線を構成することが好ましい。区画線で構成される接合部43は液体路13を区画する直線、曲線で構成される場合のみならず、好ましい形状の液体路13を構成するために、十字線、三叉路を構成する線などの各種の線の結合形で構成される場合もある。
なお、マスク部内でシート形部材40を複数回、折り返して収容する構成も採用できる。10゜〜30゜程度の鋭角で折り畳むようにシート形部材40を配設しても繊維形物41に存在により上下方向に交差する繊維部材の隙間から液体を良好に流すことができる。
【0042】
[第6実施形態]
図12〜
図16に示すように、この実施形態に係る液体路構成部材8は、銅、アルミ等の熱伝導性の高い金属製基体51と、金属製基体51内に形成され、熱交換面積を大きくする形状に形成された液体路52と、金属製基体51に設けられた液体又は空気の熱交換面積を増やす熱交換用凹凸部53とを有することを特徴とする。
熱交換用凹凸部53は金属製基体51の外部に凹凸を形成することもできる。最も簡単な構成は金属製基体51自体にエンジンに設けられるような冷却用フィン等(図示せず)を設ける構成である。この構成の場合であっても、マスク部の吸気部から吸気された空気の流れを制御できるように冷却用フィン等を覆うカバー部材(図示せず)を設けることが好ましい。この場合でも、カバー部材は吸気用の開口(図示せず)を有する。このカバー部材は合成樹脂製でもよい。
【0043】
本実施形態の好ましい構成では、単純に冷却用フィン等を設ける構成に比べて吸気を下げる効率的な構成を提案する。
具体的に説明すると、第1に、金属製基体51内に液体路52に加えて吸気通路57を形成し、さらにその吸気通路57に熱交換用凹凸部53を形成している点がある。
液体路52の構成に関しては、
図12に示すように、鋳物等の第1金属製平板54に冷却用の液体入口55と液体出口56を形成し、液体入口55と液体出口56を連通する液体路52が形成してある。液体路52は熱交換面積を増やすように折り返し又は蛇行するように構成してある。
【0044】
また、金属製基体51には吸気通路57に連通する吸気側開口60が設けてある。
第2金属製平板61には第1金属製平板54に形成された液体路52とは反対側の面側に吸気通路57が形成されている。さらに、第2金属製平板61及び吸気通路蓋部材62を組み合わせた場合に形成される吸気通路57と、
図16に示すように前記カップ部2の吸気部5に連通する基体側吸入口63を連通させた構成にしてある。また、
図12に示すように、第2金属製平板61には吸気側開口60に連通する基体側連通口64が形成してある。
吸気通路57は基体側吸入口63と基体側連通口64の距離を大きくするように蛇行又は折り返し構成に形成してある。
また、吸気通路蓋部材62、第1金属製平板54及び第2金属製平板61の外縁部にはネジ孔やボルト孔など組付孔65が形成してある。各部材を重ね合わせるようにして組み付けることで金属製基体51を構成する。第1金属製平板54と第2金属製平板61間には液体が漏れることを防止するパッキン等を設けることが好ましい。
なお、
図13に示すように、この実施形態では、吸気通路蓋部材62にも
図13において表される上下方向に縦形凹凸部69を設けて吸気通路57の熱交換面積を増やすように構成してある。縦形凹凸部69は一例であり、横形凹凸部や円形凹凸部など各種の形状が採用できる。
【0045】
吸気通路蓋部材62と第2金属製平板61とを別々の金属で構成するのではなく、鋳物の一体物として構成することもできる。また、第1金属製平板54と第2金属製平板61の構成を一枚の鋳物の一面側と他面側に構成し、表側蓋部材と裏側蓋部材(図示せず)で蓋をするなどの各種の構成が採用可能である。
本実施形態の他の特徴としては、
図16の模式的なブロック図に示すように、マスク部1の吸気部5に連通する吸気通路57と、マスク部1の排気部66に連通する排気通路58とをマスク部1において別の通路で構成し、吸気通路57を吸引される空気と排気通路58から排出される人間の排気とが混ざることを抑制する逆止弁59を設けた点にある。
【0046】
逆止弁59は、
図16に示すように吸気側逆止弁59と排気側逆止弁59によって構成されることが多い。具体的には、吸気通路57から吸気を吸う方向には容易に開く構成で、かつ吸気通路57に吐く息は吸気通路57には入らない機能を備えた逆止弁59が採用される。
このような逆止弁59は、例えば、口と鼻に連通する吸気通路57と排気通路58に連通する連結部67の空間に対して、吸気通路57の連結部67に臨む連通口(図示せず)に口と鼻から空気を吸う程度の負圧状態に対応して開弁するシート部材等を設ける構成などが例示できる。同様に、排気通路58に設けられる逆止弁59としては口と鼻から空気を吐く程度の連結部67内の加圧状態に対応して、開弁するシート部材等を排気通路58や連結部67に設ける構成などが例示できる。このシート部材の例示は逆止弁59の単なる一例であり、その他の各種の吸気側逆止弁59、排気側逆止弁59を設けることが可能である。単一の部材で吸気側逆止弁59、排気側逆止弁59を構成することも可能かもしれない。
【0047】
また、
図12に示すように吸気通路57に基体側吸入口63を設け、
図16に示すようにマスク部1の吸気部5から吸入された空気の全てが基体側吸入口63から吸気通路57(
図12参照)を介して、口及び鼻から吸入されるように、マスク部1における吸気部5と吸気通路57に繋がる吸気構造を構成してある。
吸気通路57・吸気部5と排気通路58・排気部66を有するマスク構成については、各種の構成が採用できる。例えば、吸気部5を2個(又は複数個)設け、口の近くに排気通路58・排気部66を設ける構成も採用できる。
図15は吸気部5と排気部66を顔面の別の位置に設けられた構成において、2個ある一方側の吸気部5を説明したものである。
また、
図15において金属製基体51は取付部70に隙間なく固定される。つまり、取付部70はマスク部に設けられた略環形の取付基台として機能している。なお、
図15において示される矢印は吸気の流れを示したものである。
【0048】
以下、本実施形態の作用について簡単に説明する。
図16において、マスク部1の吸気部5から吸い込まれた温度の高い空気は、基体側吸入口63から金属製基体51内の吸気通路57に吸引されて、
図12に示すような蛇行した吸気通路57を通過して、基体側連通口64から吸気側開口60に吸い込まれる。吸気側開口60を含む吸気通路57又は連結部67の所定位置には、
図16に示す吸気側逆止弁59が設けられ、作業者の鼻や口からの吸引のみを可能にする。
一方、作業者から排気された温度の高い空気は、吸気通路57とは別系統の排気通路58及び排気側逆止弁59を経て、排気部66から暖まった排気のみを排出する。
また、前記したように、吸気部5から吸入した空気は、基体側吸入口63のみから吸気通路57に繋がる経路を吸引されるように吸気構造がマスク部内に形成されているので、高い温度の外気をそのまま吸うという課題を解決できる。
【0049】
一方、
図12に示すように、金属製基体51内の流体路52は液体入口55から液体出口56から常時、温度の低い液体が循環しているので、熱伝導性の良い金属製基体51は液体の循環によって短時間に金属製基体51自体が低温状態になる。
この金属製基体51の低温状態は、マスク部1のカップ部2が合成樹脂、ゴム等の熱伝導性の低い素材で構成されていることによって、外気の高い温度とは熱的に隔離され、その温度の低い状態が継続的に維持されるので、空気を安定して冷却することができる。
また、この実施形態では、液体路構成部材8としての金属製基体51に形成された液体路52と吸気通路57は共にそれぞれの流路が一平面の裏表に形成された構成になっているので、液体路52の低温状態を吸気通路57に流れる吸気に効率的に伝達することができる。この構成の利点は、例えば、3次元空間において、液体路52が広がる平面と吸気通路57が広がる平面とが、例えばT字形のように直交するように配置した構成に比べて冷却性能を向上させることができる。その理由は、液体路52と吸気通路57とを一平面の裏表に形成した構成の方が熱伝導を良くでき、吸気通路57を流れる空気を短時間で強力に冷却できるからである。
【0050】
[第7実施形態]
図17に示すようにこの実施形態では2つの特徴点を有している。
第1特徴点は、マスク部1の吸気部5を人の顔面に複数個(
図17に示す構成では2個)、即ち、吸気ユニット35a・35bで構成し、循環液体の流れる通路を2個の吸気部5で供給するようにした点である。吸気部5が複数個あることによって吸気面積が増えて、呼吸がしやすくなる。
第2特徴点は、マスク部1が使用される環境に対応して、2個の吸気部5内を流れる循環液体の流れの構成をいろいろと作り分けることができる。
即ち、液体路13において、液体容器20(
図2参照)からの液体を2個の吸気ユニット35a・35bに至る供給通路36と、2個の吸気ユニット35a・35bから液体容器20に至る戻り通路37において、吸気ユニット35a・35bの接続を異なる構成にすることができる。
例えば、供給通路36と戻り通路37の流体経路を簡単化するためには、
図17(A)に示すように、液体路13を第1吸気ユニット35aから第2吸気ユニット35bまで直列に流路を設けた構成である。この構成では、第1吸気ユニット35aと第2吸気ユニット35bを直列的に繋ぐ接続流路38がマスク部1に設けられる構成となるのが一般的である。
【0051】
他の構成としては、
図17(B)に示すように、液体容器20からの供給通路36と戻り通路37のそれぞれに液体流れを分岐又は合流させる分岐部39を設け、第1吸気ユニット35aと第2吸気ユニット35bの液体の供給と戻りにおいて、並列的に構成した点である。
この構成においては、
図17(B)に矢印で液体の流れが供給時に分岐部39において、2分割(必要に応じて複数分割)され、2個の吸気ユニットが同じ条件で冷却されることになる。なお、分岐、合流は水の流れの方向を反対に変えれば、合流、分岐になることは明らかである。つまり、
図17(B)の構成において示されている液体の流れを示す矢印を全て逆方向にした構成も同様に採用できるものである。
【0052】
また、
図17(A)及び
図17(B)に示す構成は、
図2に示す駆動ユニット部22は一つで足り、作業者が持つ重量を軽減できる。
一方、
図17(C)に示すように、第1吸気ユニット35a、第2吸気ユニット35bのそれぞれを冷却するための駆動ユニット部22(
図2参照)を2個設ける構成も採用することが可能である。この構成であれば、単位時間当たりの流量が同じであるポンプを採用した構成であれば、第1吸気ユニット35a、第2吸気ユニット35bには
図17(A)及び
図17(B)に示す構成に比べて単位時間当たり約2倍の液体が流れることになり、マスク部1から吸引される空気を強力に冷却できる。
なお、
図17においては、各吸気ユニット35内の液体は
図12に示す液体路52に沿って流れるが、簡便化して描いている。
【0053】
[第8実施形態]
図18(A)〜(E)及び
図19を参照しつつ、第8実施形態を説明する。
この実施形態は下記特徴点を有している。
第1特徴点は、マスク部1のカップ部2に形成される取付部70と、前記した液体路保持部材8の一例としての金属製基体51と、フィルター部46とを有する吸気カバー部5(吸気部5の一形態)とを有し、吸気カバー部5が取付け部70と着脱自在にする着脱構成部81・81を有していることを特徴としている。この構成によって金属製基体51による冷却効果とフィルター部46によるフィルター効果を得ることができる。また、着脱自在にする着脱構成部81・81を有していることによって、フィルター部46の構成を変えることが手軽に行え、除去できる有害成分、粉塵等を適宜、選択できる。
【0054】
例えば、
図18(D)(E)の組み合わせで構成される薄いフィルター部46aを有する吸気カバー部5aと、
図19に示す厚いフィルター部46bを有する大きな容積の吸気カバー部5bとを選択できるように構成できる。薄いフィルター部46a,厚いフィルター部46bを適宜、選択することで除去できる有害物質、粒の大きさ等も変えることができる。
吸気カバー部5a・5bを取付部70と着脱自在にする着脱構成部81・81としては、雌ネジと雄ネジとの螺合係合によって行う場合が多い。但し、インローなどの嵌合構成などの着脱構成部81・81(図示せず)も採用することもできる。
【0055】
第2特徴点は、取付部70に基体収容凹部49を設け、前記基体収容凹部49に、取付部吸気開口47と、前記金属製基体51内を流れる液体の流入及び流出するための取付部液体開口48とを有している点である。取付部吸気開口47の位置は、吸気カバー部5からの外気を吸い込む吸気側開口60(一例として
図12参照)に対応する位置に設けられている。なお、流入用の取付部液体開口48と流出用の取付部液体開口48を取付部70の離れた位置に設ける構成と、近い距離で並んだ位置に設ける構成も採用することができる。近い距離で並んだ位置の構成としては、例えば、
図12に示す液体入口55と液体出口56のような構成である。
吸気開口47を設ける位置は、基体収容凹部49の底壁に設ける構成が一般的には好ましいが、取付部70の外壁(外周壁も含む)に設けることも可能である。なお、
図18において符号50は、金属製基体51に設けられた管接続具50である。
【0056】
第3特徴点は、金属製基体51の最外側面とフィルター部46を離隔して配置し、金属製基体51の最外側面とフィルター部46との間に空隙が生じるように構成した点である。
その構成の一例として、
図18に示す構成では金属製基体51の最外側面に複数の突起部72を予め設けている。この突起は突起物を設けた他の部材を設けることでも可能である。
第4特徴点は、取付部70、金属製基体51、フィルター部46及び吸気カバー部5で構成される吸気ユニット35内に吸気の気密性を高める気密部材73を配設した点である。
【0057】
そのような気密部材73としては、液体開口48の回りにパッキン、Oリング等の液体開口48用の気密部材73bを設ける構成がある。また、取付部70及び吸気カバー部5とで構成される構成部材内でフィルター部46の気密性を向上させる気密部材73aを設ける構成がある。例えば、
図20(B)に示すようにフィルター部46の外縁部を支える円形段差部74を設け、その円形段差部74に円形のパッキンやOリング等の気密部材73aを設けた構成が示してある。
第5特徴点は、金属製基体51に形成された液体路52の部分を開口したパッキン部材75を第1金属製平板54と第2金属製平板61の間に設けた点である。具体的には、
図12(c)とぼぼ同じ形状のパッキン用のゴム体を作成した点である。
この構成であれば、パッキン部材75を第1金属製平板54と第2金属製平板61の間に設けることで、マスク部1に衝撃等が加わったときでも、金属製基体51から液体が漏れることを抑制することができる。
なお、
図18においては、金属製基体51及びフィルター部46aは側面図で示している。
【0058】
[第9実施形態]
図20に示すように、この実施形態の特徴点は、吸気ユニット35が有する取付部70に金属製基体51が嵌まり込むように収容される基体収容凹部49を設け、その基体収容凹部49の内方に広がるように弾性変形する弾性部材で構成された抜け防止具77とを有している点である。
抜け防止具77は、
図20(B)に示すように金属製基体51の側面が存在する状態では側方から圧接する方向に力がかかりつつも、金属製基体51の基体収容凹部49内への矢印で示す移動方向82を許容するように構成され、金属製基体51が基体収容凹部49内に嵌り込んで金属製基体51の側面が存在しない状態では、弾性力によって内側に広がり、前記金属製基体51の抜けを防止する抵抗部材として機能するように構成してある。
【0059】
図20(A)に示すように、抜け防止具77は基体収容凹部49の入口側に基端78を有し、弾性力によって基体収容凹部49の内方へ広がるように付勢された弾性片79を備えている。
図20(B)に示す構成では、抜け防止具77は基体収容凹部49の入口49a近く(
図20(C)参照)に設けられている。また、
図20(C)に示すように金属製基体51が基体収容凹部49内に嵌り込んだ状態では、抜け防止具77の弾性片79が、金属製基体51の後端縁51aに抑えとなって金属製基体51の基体収容凹部49からの抜け防止手段として機能する。
なお、
図20においては、金属製基体51は断面図で示している。
【0060】
[第10実施形態]
図21に示すように、この実施形態の特徴点は、液体容器20にドライアイス収容部84を設けた点にある。ドライアイス収容部84は銅等の熱伝導性の良いものが好ましい。また、そのドライアイス収容部84の気化ガス連通部83は、ドライアイス85の出し入れ口でもあり、断熱部材で構成されている点も特徴である。
図21では円筒形のドライアイス収容部84が示されているが、液体を冷やすことができるものであればその形状や配置位置等は限定されない。また、液体容器20内に氷86を入れることで安定して冷却できる。
また、液体容器20自体を、真空断熱部を備えた魔法瓶構造とし、魔法瓶の蓋に気化ガス連通部83を備えたドライアイス収容部84を設けた構成では、長時間にわたって体温を奪う熱交換器としても構成することができる。
【0061】
本発明は上記実施形態以外にも本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形を行うことが可能である。
(1)前記実施形態では液体として水を例示したが、この例示は安価かつ簡単に実施できることを重視して例示したものであり、水に熱交換を促進する物質(液体)を混合した液体や、熱交換に適した水以外の液体を採用して本発明を構成することもできる。
これらの構成であっても前記した熱交換を促進する液体は人体に有害でない構成を採用することが好ましい。
(2)本発明は、熱交換用の液体路13に液体を循環する構成は
図2に例示した構成に特に限定されず、各種の形態を採用することが可能である。
また、液体を液体管13内に循環するためにポンプ19を設けることや低い温度の液体を保持する液体容器を備えていることは公知技術であるので、本発明の目的において適宜、ポンプ19や液体容器20などの最適な構成を採用すればよい。
【0062】
(3)本発明の請求項1に係る「循環液体による冷却機能を備えたマスク部1」は循環等する水等の液体によってマスク部内の温度を下げることを目的とするものであり、その観点からマスク部分以外の構成は一切、限定しないものである。
(4)前記したように、本発明において「カップ部2」とは前記したように想定する環境において冷却する時間と空間を確保できる機能があればよく、液体路構成部材8自体をカップ部2の形に構成することも可能である。この場合は、液体路構成部材8がカップ部2を兼ねる構成になる。