特許第6715089号(P6715089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6715089
(24)【登録日】2020年6月10日
(45)【発行日】2020年7月1日
(54)【発明の名称】開閉受容装置及び収容器
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/16 20060101AFI20200622BHJP
   B65F 1/00 20060101ALI20200622BHJP
【FI】
   B65F1/16
   B65F1/00 A
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-109864(P2016-109864)
(22)【出願日】2016年6月1日
(65)【公開番号】特開2017-214200(P2017-214200A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2019年4月22日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 集会名:リースキン豊橋大会,開催場所:ロワジールホテル豊橋(愛知県豊橋市藤沢町141),開催日:平成28年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005212
【氏名又は名称】株式会社トーカイ
(73)【特許権者】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】高井 昭仁
(72)【発明者】
【氏名】清水 克彦
(72)【発明者】
【氏名】尾形 洋平
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/016529(WO,A1)
【文献】 特開平06−135501(JP,A)
【文献】 特開2004−091204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00−1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を受容するための、全体が上方に開口する開口部を有するカバー部と、前記開口部を開閉する蓋部を備えた開閉蓋体、前記開閉蓋体を駆動して前記蓋部により開口部を開閉するための駆動機構を備えてなり、
前記蓋部は、開口部を閉じた状態におけるカバー部に対する外側部分が、上方に凸の湾曲状をなし、その蓋部の内方側に位置する回転軸線を中心として回転することにより開口部を開閉し得、カバー部の上面部における開口部の外周部の高さ位置よりも低いものであることを特徴とする開閉受容装置。
【請求項2】
上記蓋部が開口部を閉じた状態において、その開口部と蓋部が上方開口の凹部を形成し、上記蓋部の外側部分が、前記凹部の底面部として、上方に凸の湾曲状をなす底面部を構成し、前記底面部は、上方に凸の湾曲状をなす頂部と、頂部よりも低い部分を有する請求項1記載の開閉受容装置。
【請求項3】
上記開口部の下方に、開口部から下方へ受容した対象物を下方の所要箇所へ導くと共に開口部が開口した状態においてカバー部の上方から開口部を通じて前記所要箇所が見えることを防ぐための案内部を有する請求項1又は2記載の開閉受容装置。
【請求項4】
上記カバー部内に上記駆動機構を備える請求項1乃至3の何れか1項に記載の開閉受容装置。
【請求項5】
所定の水平方向において、上記カバー部の幅が上記開口部の幅の1.1乃至1.8倍である請求項1乃至4の何れか1項に記載の開閉受容装置。
【請求項6】
上記蓋部が、開口部を閉じた状態における外側部分が上方に凸の円筒状湾曲面の所定中心角部分に相当する、ほぼ一定厚の湾曲板状をなす請求項1乃至5の何れか1項に記載の開閉受容装置。
【請求項7】
上記カバー部が他の部分に対し着脱可能なものであり、上記案内部は、カバー部に対し揺動可能に支持された下降傾斜案内路であり、案内部の所定箇所が所定の作用を受けることにより、傾斜角度が大きくなって下方部がカバー部の下方に突出した使用状態となり、前記所定の作用が解除されることにより、自重のバランスにより案内部の傾斜角度が小さく又は水平状となって下方部がカバー部の下方に突出しない状態となる請求項3記載の開閉受容装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の開閉受容装置と、その開閉受容装置のカバー部における開口部から下方へ受容した対象物を収容する収容部を備える収容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開閉する開口部から汚物等の対象物を受容するための開閉受容装置及びその開閉受容装置を備える収容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2005−170545号公報には、ゴミ箱本体1の上端開口縁に着脱自在に装着される枠状体2を形成し、該枠状体の内側にモータ10によって開閉動される蓋体3をヒンジし、該枠状体の前面に赤外線センサ12を設け、該センサによって物体の動きが感知されることにより前記モータが作動して該蓋体を自動的に開かせるとともに、該センサによって物体の動きが感知されない場合に該蓋体を自動的に閉じさせるゴミ箱の発明が記載されています。
【0003】
このゴミ箱は、開閉操作を要さず蓋体が自動的に開閉するものであり、衛生的に使用することができるものであるが、蓋体の上に荷物等を置いた状態でセンサからの信号によりモータが作動すると、荷物等により蓋体が開かず、モータ等に過負荷がかかって故障を引き起こし得るものであった。また、蓋体が上方へ開こうとする際に、誤って又は故意にその蓋体を上から手などで押さえることによっても、同様に故障が発生し得るものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−170545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、蓋部により開いた開口部から汚物等の対象物を下方へ受容し得ると共に、開口部付近のカバー部上に荷物等が載置されたり、誤って又は故意に蓋部の開閉が妨げられた状態で蓋部の開閉動作が行なわれて過負荷がかかることにより駆動機構の故障等が引き起こされることが防がれる開閉受容装置及びその開閉受容装置を備える収容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の開閉受容装置及び収容器は、次のように表すことができる。
【0007】
(1) 対象物を受容するための上方に開口する開口部を有するカバー部と、前記開口部を開閉する蓋部を備えた開閉蓋体を備えると共に、
前記カバー部内に、前記開閉蓋体を駆動して前記蓋部により開口部を開閉するための駆動機構を備えてなり、
前記蓋部は、開口部を閉じた状態におけるカバー部に対する外側部分が、外方に凸の湾曲状をなし、その蓋部の内方側に位置する回転軸線を中心として回転することにより開口部を開閉し得、カバー部の上面部の高さ位置よりも低いものであることを特徴とする開閉受容装置。
【0008】
対象物を受容するための上方に開口する開口部を駆動機構により駆動されて開閉する蓋部は、開口部を閉じた状態におけるカバー部に対する外側部分が、外方に凸の湾曲状をなし、カバー部の上部の高さ位置よりも低い。
【0009】
そのため、蓋部により開いた開口部から汚物等の対象物を下方へ受容し得ると共に、開口部付近のカバー部上に荷物等が載置された状態で蓋部の開閉動作が行なわれて過負荷がかかることにより駆動機構の故障等が引き起こされることを回避することができる。また、誤って又は故意に蓋部の開閉動作を妨げることによる故障発生も効果的に防がれる。
【0010】
(2) 上記開口部は、全体が上方に開口しているものである上記(1)記載の開閉受容装置。
【0011】
この場合、開口部の斜め上方から内部下方が見えにくいものとすることができる。
【0012】
(3) 上記開口部の下方に、開口部から下方へ受容した対象物を下方の所要箇所へ導くと共に開口部が開口した状態においてカバー部の上方から開口部を通じて前記所要箇所が見えることを防ぐための案内部を有する上記(1)又は(2)記載の開閉受容装置。
【0013】
この場合、案内部が、開口部から下方へ受容した対象物を下方の所要箇所へ導くと共に開口部が開口した状態においてカバー部の上方から前記所要箇所が見えることを防ぐことができる。
【0014】
(4) 上記蓋部が、カバー部の上面部における開口部の外周部の高さ位置よりも低い上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の開閉受容装置。
【0015】
(5) 所定の水平方向において、上記カバー部の幅が上記開口部の幅の1.1乃至1.8倍である上記(1)乃至(4)の何れか1項に記載の開閉受容装置。
【0016】
この場合、所定の水平方向における開閉受容装置の寸法を可及的に小さくして狭いスペースでの使用が可能となる。
【0017】
(6) 上記蓋部が、開口部を閉じた状態における外側部分が上方に凸の円筒状湾曲面の所定中心角部分に相当する、ほぼ一定厚の湾曲板状をなす上記(1)乃至(5)の何れか1項に記載の開閉受容装置。
【0018】
(7) 上記カバー部が他の部分に対し着脱可能なものであり、上記案内部は、カバー部に対し揺動可能に支持された下降傾斜案内路であり、案内部の所定箇所が所定の作用を受けることにより、傾斜角度が大きくなって下方部がカバー部の下方に突出した使用状態となり、前記所定の作用が解除されることにより、自重のバランスにより案内部の傾斜角度が小さく又は水平状となって下方部がカバー部の下方に突出しない状態となる上記(3)記載の開閉受容装置。
【0019】
この場合、例えば使用時にカバー部を他の部分に結合させることにより案内部の所定箇所が所定の作用を受け、不使用時にカバー部と他の部分の結合を解除することにより案内部の所定箇所に対する所定の作用が解除されるものとすれば、使用時にはカバー部の高さを抑制しつつ案内部の傾斜全長をできるだけ長くして、対象物を所要箇所へ確実に導くと共に下方の所要箇所がカバー部の上方から開口部を通じて所要箇所が見えることを防ぐ効果を高めると共に、不使用時には下方部がカバー部の下方に突出しない状態となってカバー部を水平面等に載置する上で支障がなくなる。
【0020】
(8) 上記(1)乃至(7)の何れか1項に記載の開閉受容装置と、その開閉受容装置のカバー部における開口部から下方へ受容した対象物を収容する収容部を備える収容器。
【発明の効果】
【0021】
本発明の開閉受容装置及び収容器によれば、蓋部により開いた開口部から汚物等の対象物を下方へ受容し得ると共に、開口部付近のカバー部上に荷物等が載置された状態で蓋部の開閉動作が行なわれて過負荷がかかることにより駆動機構の故障等が引き起こされることを回避することができる。また、誤って又は故意に蓋部の開閉動作を妨げることによる故障発生も効果的に防がれる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】収容器の斜視図である。
図2】開口部を閉じた状態の収容器の平面図である。
図3図2におけるIII−III断面図である。
図4】開口部を閉じた状態の収容器のカバー部を省略した斜視図である。
図5】開口部を半分開いた状態の収容器の平面図である。
図6】開口部を開いた状態の収容器の平面図である。
図7図6におけるVII−VII断面図である。
図8】開口部を開いた状態の収容器のカバー部を省略した斜視図である。
図9】開閉蓋体の斜視図である。
図10】シュートの斜視図である。
図11】収容器の収容部を省略した左側面図である。
図12】収容部から取り外されたカバー部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[1] 本発明の実施の形態の一例としての開閉受容装置及びその開閉受容装置を備える収容器について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(1) この収容器Aは、正面形状及び平面形状が縦長方形状をなし、全体として、高さ及び奥行に比し横幅が小さい略直方体形箱形状であって、この例においては合成樹脂を主材料とする。
【0025】
この収容器Aは、上部を構成する下方開口の箱形状のカバー部10の下端外周部の内側に、下部を構成する上方開口の箱形状の収容部20の上端外周突出部21が嵌合したものであり、嵌合を解除することによりカバー部10と収容部20に分割し得る。
【0026】
(2) この例における開閉受容装置Bは、カバー部10に開閉蓋体30と駆動機構40が設けられてなる。
【0027】
(3) カバー部10は、汚物等の対象物を受容するための、全体が上方に開口する略長方形状の開口部11を有する。
【0028】
汚物等の対象物は、カバー部10の開口部11から下方へ受容される。
【0029】
この例では、カバー部10及び収容器Aの幅(正面方向、すなわち汚物等の対象物を開口部11に投入する方向、に直交する水平方向の寸法)は、開口部11の幅(同じく正面方向に直交する水平方向の寸法)の約1.6倍である。
【0030】
(4) カバー部10には、開口部11の下方に位置して開口部11から下方へ受容した汚物等の対象物を収容部20へ導くためのシュート50(下降傾斜案内路)が案内部として設けられている。
【0031】
シュート50は、奥に向かって下降傾斜する傾斜板部51と、その傾斜板部51の上部における両側方及び手前に水平状に張り出した水平張出部52と、傾斜板部51の下方側の両側部からそれぞれ上方に張り出した上方起立板部53と、両上方起立板部53の上部に設けられた外方突出の両シュート支持軸部54からなる。傾斜板部51の上側面には、対象物品の滑落を円滑化するために傾斜方向の複数の突条51aが平行状に形成されている。
【0032】
シュート50は、両シュート支持軸部54において水平方向軸線のまわりに揺動可能な状態でカバー部10の内側に支持され、収容部20の上端外周突出部21がカバー部10の下端部に十分に嵌合した状態では、シュート50の水平張出部52が収容部20の上端外周突出部21のうち手前側の部分(図3及び図7における右端部)により押し上げられ、傾斜板部51が奥に向かって(図3及び図7における左方に向かって)下降傾斜した状態、すなわち使用時にあるべき状態となる。この状態では、図3図7及び図11に示されるように、シュート50の下部はカバー部10の下端よりも下方に位置する。また、この状態のシュート50により、開口部11が開口した状態においてカバー部10の上方から開口部11を通じて汚物等の対象物を収容した下方の収容部20が見えることが防がれる(さえぎられる)。
【0033】
カバー部10から収容部20が取り外された状態では、図12に示されるように、シュート50は、自重のバランスにより、水平張出部52が上端位置よりもやや下降し、シュート50の下部がカバー部10から下方に突出しない状態で安定する。
【0034】
(5) 開閉蓋体30は、開口部11を開閉する蓋部31を備える。
【0035】
蓋部31は、開口部11を閉じた状態において上方に凸となる円筒状湾曲面の所定中心角部分(この例においては約35度中心角)に相当するほぼ一定厚の湾曲板状をなし、その円筒状湾曲面の中心軸線に対応する横方向の水平回転軸線を中心として所定角度正回転及び逆回転することにより開口部11を開閉し得るものである。
【0036】
蓋部31の両側、すなわち回転軸線方向における両端部には、それぞれ回転軸線に直交する支持板部32が設けられている。各支持板部32には、回転軸線に沿った蓋体支持軸部33が外向きに突設され、両蓋体支持軸部33において、カバー部10に対し開閉蓋体30が回転軸線を中心として正逆回転可能に支持されている。
【0037】
蓋部31は、開口部11を開いた状態(図1図2及び図3)、閉じた状態(図6及び図7)及び開閉過程(図5)等の何れの状態においても、カバー部10の上面部10aにおける開口部11の外周部の高さ位置よりも低くなるものとされている。開口部11付近のカバー部10の上面部10a上に荷物等が載置された状態で蓋部31の開閉動作が行なわれても、過負荷がかかることにより駆動機構40の故障等が引き起こされることを回避することができるためである。また、誤って又は故意に蓋部31の開閉動作を妨げることによる故障発生を防ぐ効果も有する。
【0038】
開閉蓋体30の蓋部31が開口部11を開いた状態においてカバー部10の開口部11から汚物等の対象物を下方へ受容した場合、受容した対象物は、両支持板部32の間でシュート50により収容部20内へ案内される。
【0039】
(6) 駆動機構40は、開閉蓋体30を駆動して蓋部31により開口部11を開閉するためのものであって、カバー部10内に設けられている。
【0040】
駆動機構40は、必要な減速装置及び制御部を備えた電動機(図示せず)を動力源として有する。カバー部10の幅が大きくなることを抑える上で、駆動機構40はカバー部10内における開口部11の後方(図3及び図7における左方)に位置させている。
【0041】
カバー部10の上部には、対象物を感知するセンサSが設けられている。
【0042】
センサSが対象物等を感知することにより出力される信号に基づき電動機が所定の回転を行なうことにより、駆動機構40が開閉蓋体30を駆動して蓋部31により開口部11を開かせ、例えば所定時間経過後に、駆動機構40が開閉蓋体30を駆動して蓋部31により開口部11を閉じる。なお、具体的な制御方法は適宜に選択し得る。
【0043】
動力源と開閉蓋体30は、揺動腕40aを介して連結されている。揺動腕40aの基部は動力源の出力軸40bに同軸状に結合され、揺動腕40aの先端部は、開閉蓋体30における蓋部31の後方に形成された連結用溝部30aに連結されている。
【0044】
揺動腕40aを正方向に所定角度回動させることにより蓋部31が開き、揺動腕40aを逆方向に所定角度回動させることにより蓋部31が閉じる。動力源の出力軸40bと揺動腕40aの間には、トルクリミッタ(図示せず)を介在させて過大な負荷による損傷が防がれている。
【0045】
[2] 本発明の開閉受容装置及びその開閉受容装置を備える収容器の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0046】
(1) 本発明の開閉受容装置は、カバー部と開閉蓋体と駆動機構を備えてなる。
【0047】
(2) カバー部は、汚物等の対象物を受容するための開口部を有する。
【0048】
開口部は、上方に開口するものであり、開口部の斜め上方から内部下方が見えにくいものとする上で、全体が上方に開口していることが望ましい。
【0049】
汚物等の対象物は、カバー部の開口部から下方へ受容される。
【0050】
開口部は、例えば長方形状、又は、やや外方に凸の丸みを帯びた長方形状とすることができるが、こられに限られるものではない。
【0051】
カバー部は、例えば、汚物等の対象物を収容する収容部を有する収容器の上側部(例えば収容器全体の上側部又は収容器の一部の上側部)に位置するものとして、開口部から受容した汚物等の対象物を、開口部の下方に位置する収容部に収容し得るものとすることができるが、これに限るものではない。
【0052】
カバー部及び収容器の外殻部は、例えば合成樹脂製とすることができるが、これに限るものではない。
【0053】
所定の水平方向(好ましくは正面方向、すなわち汚物等の対象物を開口部に投入する方向、に直交する水平方向)において、カバー部の幅又は収容器の幅は、開口部の幅の1.1乃至1.8倍であることが好ましい。より好ましくは1.1乃至1.6倍である。
【0054】
なお、カバー部は、他の部分に対し着脱可能なもの(例えば、カバー部が収容器の上側部等の収容器の一部を構成し、収容器の下側部等の収容器の他の部分に対し着脱し得るもの)とすることができるが、必ずしもこれに限らない。
【0055】
カバー部又は収容器若しくはその他の物には、開口部の下方に位置して開口部から下方へ受容した汚物等の対象物を下方の収容部又はその他の所要箇所へ導くためのシュート(下降傾斜案内路)等の案内部を設けることができる。
【0056】
このようなシュート等の案内部は、開口部が開口した状態において、カバー部の上方から、汚物等の対象物を収容した収容部等の所要箇所が開口部を通じて見えることを防ぐ(さえぎる)ものとすることができる。
【0057】
なお、カバー部が他の部分に対し着脱可能なものである場合に、カバー部の高さを(例えば下方に結合する収容部等の高さをできるだけ高くして容量を大きくするために)抑制しつつシュート(下降傾斜案内路)等の案内部の傾斜全長をできるだけ長くして、対象物を所要箇所へ確実に導くと共に下方の所要箇所がカバー部の上方から開口部を通じて見えることを防ぐ効果を高める上で、案内部の下方部がカバー部の下方に突出するものとすることもできる。この場合、カバー部を他の部分に取り付けた状態では、取り付けにより所定箇所が押圧等の所定の作用を受けてシュート等の案内部の傾斜角度が大きくなり下方部がカバー部の下方に突出した使用状態となってこれが維持され、カバー部を取り外した場合は、自重のバランス等によりカバー部から下方に突出しないようにシュート等の案内部の傾斜角度が小さく(逆傾斜も含む)又は水平状となって水平面上に載置し得るような可動式とすることができる。
【0058】
(3) 開閉蓋体は、開口部を開閉する蓋部を備える。
【0059】
蓋部は、開口部を閉じた状態におけるカバー部に対する外側部分が、上方等の外方に凸の湾曲状をなし(例えば湾曲板状、特に、ほぼ一定厚の湾曲板状をなし)、その蓋部の内方側に位置する回転軸線を中心として所定角度回転(例えば所定角度正回転及び逆回転)することにより開口部を開閉し得るものである。
【0060】
蓋部は、開口部を開いた状態及び閉じた状態並びに開閉過程等の何れの状態においても、カバー部の上面部の高さ位置よりも低い(好ましくは、カバー部の上面部における開口部の外周部の高さ位置よりも低い)。開口部付近のカバー部上に荷物等が載置された状態や誤って又は故意に蓋部の開閉が妨げられた状態で蓋部の開閉動作が行なわれて過負荷がかかることにより駆動機構の故障等が引き起こされることを回避するためである。
【0061】
開口部を閉じた状態における、カバー部に対する外側部分の蓋部の形状は、例えば、外方に凸の円筒状湾曲面の所定中心角部分に相当する形状(例えば湾曲板形状)で、下方に位置する、例えばその円筒状湾曲面の中心軸線に対応する水平回転軸線を中心として蓋部が正逆回転し得るものとすることができる。或いは例えば、球面の一部に相当する形状(例えば湾曲板形状)で、下方に位置する、例えばその円筒状湾曲面の中心軸線に対応する水平回転軸線を中心として蓋部が正逆回転し得るものとすることができる。尤も、これらに限るものではない。蓋部の内方側に位置する前記回転軸線も、必ずしも水平に限らない。
【0062】
開閉蓋体は、例えば、蓋部と蓋部を回転可能に支持するための構造部分を有するものとすることができる他、蓋部自体とすることもできる。
【0063】
開閉蓋体は、蓋部が開口部を開いた状態においてカバー部の開口部から汚物等の対象物を下方へ受容した場合に、受容した対象物が収容器の収容部等の所要部へ到達することを害しないことを要する。これについては、蓋部自体が害しないこと以外に、蓋部以外の部分が害しないことを要する。例えば、開閉蓋体が、蓋部を回転軸等の回転軸線を中心とする回転支持構造に対し支持する構造部分を有する場合、そのような構造部分を、開口部の幅方向両側に支持腕や支持板等として設けることにより、カバー部の開口部から受容した対象物が収容器の収容部等の所要部へ到達することを害しないものとすることができる。
【0064】
(4) 駆動機構は、開閉蓋体を駆動して蓋部により開口部を開閉するためのものであって、カバー部内に設けられる。なお、駆動機構の全部がカバー部内に設けられることは必ずしも要しない。
【0065】
駆動機構は、動力源を備えるものとすることができる他、動力源を別にすることもできる。カバー部の幅が大きくなることを抑える上で、駆動機構(特に、動力源を備えた駆動機構)はカバー部内における開口部の後方(又は前方)に位置するものとすることが望ましい。
【0066】
動力源としては、例えば電動機及び必要な減速装置を用いることができるが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、カバー部等に設けた対象物等を感知するセンサや各種スイッチ等の信号発生部から入力した信号により所定回転角度(又は所定回転数)正回転して駆動機構を介し蓋部を開かせ、所定時間経過後に逆回転して駆動機構を介し蓋部を閉じるよう制御する制御回路を備えた各種電動機及び所要の減速装置を用いることができる。
【0067】
駆動機構の例として、動力源と開閉蓋体を直接又は揺動腕を介して連結し、揺動腕を正方向に所定角度回動させることにより蓋部を開き、逆方向に所定角度回動させることにより蓋部を閉じるものとすることができる。蓋部を一定方向に例えば90度ずつ回転させることにより、開いた状態と閉じた状態を交互に繰り返すようにすることもできる。
【0068】
なお、駆動機構には、開閉蓋体の間にトルクリミッタを介在させて過大な負荷による動力源やその他の駆動機構の損傷を防ぎ得るものとすることが好ましい。
【符号の説明】
【0069】
A 収容器
B 開閉受容装置
S センサ
10 カバー部
10a 上面部
11 開口部
20 収容部
21 上端外周突出部
30 開閉蓋体
30a 連結用溝部
31 蓋部
32 支持板部
33 蓋体支持軸部
40 駆動機構
40a 揺動腕
40b 出力軸
50 シュート
51 傾斜板部
51a 突条
52 水平張出部
53 上方起立板部
54 シュート支持軸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12