特許第6715295号(P6715295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6715295-食器洗浄装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6715295
(24)【登録日】2020年6月10日
(45)【発行日】2020年7月1日
(54)【発明の名称】食器洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/42 20060101AFI20200622BHJP
   A47L 15/46 20060101ALI20200622BHJP
   A47L 15/00 20060101ALI20200622BHJP
【FI】
   A47L15/42 D
   A47L15/42 F
   A47L15/46 A
   A47L15/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-166733(P2018-166733)
(22)【出願日】2018年9月6日
(62)【分割の表示】特願2014-200005(P2014-200005)の分割
【原出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-187496(P2018-187496A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2018年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116699
【氏名又は名称】株式会社アイホー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 富和
(72)【発明者】
【氏名】森谷 大河
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0202558(US,A1)
【文献】 特開2002−252200(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3051268(JP,U)
【文献】 特開2003−142453(JP,A)
【文献】 特開平05−245448(JP,A)
【文献】 実開平04−084358(JP,U)
【文献】 特表2012−500046(JP,A)
【文献】 特開平08−140916(JP,A)
【文献】 実開平05−085357(JP,U)
【文献】 特開2005−021220(JP,A)
【文献】 特開平05−269073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/24
A47L 15/00
A47L 15/42
A47L 15/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食器を洗浄する食器洗浄装置であって、
該食器洗浄装置の入口から出口までの搬送方向に沿って、食器を搬送するチェーンベルトを有した搬送部と、
該搬送部で搬送された食器を洗浄する第1洗浄部と、該第1洗浄部で洗浄され、前記搬送部で搬送された食器を洗浄する第2洗浄部と、を備えており、
前記第1洗浄部および前記第2洗浄部のそれぞれは、前記搬送部で搬送された食器に洗浄水を吹き付ける洗浄ノズルと、該洗浄ノズルから放出した洗浄水を回収し、回収した洗浄水を収容する収容槽と、該収容槽に収容された洗浄水を前記洗浄ノズルに圧送する圧送部とを、備えており、
前記第1洗浄部は、荒洗浄部および洗剤洗浄部を有する複数の洗浄部からなり、
該各洗浄部は、前記洗浄ノズルと、前記収容槽と、前記圧送部とを備えており、
前記第1洗浄部に位置する前記チェーンベルトの部分は、前記各洗浄部において、前記洗浄ノズルの洗浄水が吹き付けられる領域の前記搬送方向の中央にあるチェーンベルトの中央位置が、該中央位置よりも前記搬送方向の前後の位置に比べて低い位置となるように、前記中央位置から前記搬送方向の前後のチェーンベルトの部分が、水平方向に対して傾斜し
前記第2洗浄部は、すすぎ洗浄部および仕上げ洗浄部を有し、
前記すすぎ洗浄部の洗浄ノズルは、すすぎ洗浄水を吹き付けるすすぎ洗浄ノズルを有し、
前記仕上げ洗浄部の洗浄ノズルは、前記すすぎ洗浄水が吹き付けられ前記搬送部で搬送された食器に、仕上げ洗浄水として、上水を吹き付ける仕上げ洗浄ノズルを有し、
前記第2洗浄部の収容槽は、前記すすぎ洗浄ノズルから放出したすすぎ洗浄水と前記仕上げ洗浄ノズルから放出した仕上げ洗浄水を回収し、回収した洗浄水をすすぎ洗浄水として収容するすすぎ洗浄水収容槽を有し、
前記第2洗浄部の圧送部は、前記すすぎ洗浄水収容槽に収容された前記すすぎ洗浄水を前記すすぎ洗浄ノズルに圧送するすすぎ洗浄水圧送部を有し、
前記すすぎ洗浄ノズルの下流側で前記仕上げ洗浄ノズルの上流側には、前記すすぎ洗浄部で洗浄された食器に空気を吹き付け、前記食器に付着しているすすぎ洗浄水を前記すすぎ洗浄水収容槽に落下させるブロワが配置されていることを特徴とする食器洗浄装置。
【請求項2】
前記荒洗浄部および前記洗剤洗浄部において、前記チェーンベルトの傾斜している部分の下方には、前記荒洗浄部および前記洗剤洗浄部の前記収容槽に洗浄水が流れるように、前記チェーンベルトの前記中央位置に向かって下方に傾斜した傾斜板が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の食器洗浄装置。
【請求項3】
前記すすぎ洗浄水圧送部は、前記すすぎ洗浄ノズルに圧送される洗浄水を分流し、分流した洗浄水が、前記第1洗浄部の収容槽に供給されるように、前記第1洗浄部の前記荒洗浄部および前記洗剤洗浄部に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の食器洗浄装置。
【請求項4】
前記すすぎ洗浄水圧送部は、前記第1洗浄部の各収容槽に供給される洗浄水の供給量を調整する調整弁を備えることを特徴とする請求項3に記載の食器洗浄装置。
【請求項5】
前記第1洗浄部の収容槽および前記第2洗浄部の収容槽のそれぞれには、該収容槽内の洗浄水の水量を検知する水量検知センサーが配置されており、
前記食器洗浄装置は、前記第1洗浄部の前記水量検知センサーおよび前記第2洗浄部の前記水量検知センサーで検知した水量に基づいて、前記調整弁の開度を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項4に記載の食器洗浄装置。
【請求項6】
前記ブロワにより空気が吹き付けられる前記チェーンベルトの部分は、水平方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項〜5のいずれか一項に記載の食器洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器を搬送しながら洗浄水で洗浄する食器洗浄装置に係り、特に、複数の洗浄工程において、食器の洗浄に用いた洗浄水を回収し、回収した洗浄水を食器の洗浄に再利用する食器洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、大量の食器を洗浄する際に、複数の食器をコンベアなどの搬送部で搬送しながら、洗浄ノズルで食器に洗浄水を吹き付けて、食器を洗浄する食器洗浄装置が用いられている。食器洗浄装置は、たとえば、荒洗浄、洗剤洗浄、すすぎ洗浄、仕上げ洗浄など、その洗浄の目的に応じて、複数のセクションに区画されている。搬送部は、これらの区画されたセクションに食器が搬送されるように、食器洗浄装置内に配置されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、搬送部で食器を搬送しながら、主洗浄工程、すすぎ洗浄工程、仕上げ洗浄工程の順で食器を洗浄する食器洗浄装置が提案されている。食器洗浄装置には、各工程における洗浄を行うべく、洗浄水を食器に吹き付ける洗浄ノズルが配置されている。洗浄ノズルから放出された洗浄水は収容槽に回収され、回収された洗浄水は、食器洗浄に再利用すべく、洗浄ノズルに圧送される。
【0004】
食器洗浄装置全体への洗浄水(上水)の供給は、仕上げ洗浄工程の洗浄ノズルに上水を供給することにおいてなされ、主洗浄工程における収容槽への洗浄水の供給は、仕上げ洗浄工程における収容槽から主洗浄工程における収容槽へ、順次洗浄水をオーバーフローさせることによりなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−305097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の如き食器洗浄装置では、仕上げ洗浄工程における収容槽(装置の出口側の収容槽)から主洗浄工程における収容槽(装置の入口側の収容槽)へ、順次洗浄水をオーバーフローさせているが、所望量の洗浄水を主洗浄工程における収容槽に安定して供給できないことがある。特に、食器の搬送量が変化したり、食器の形状や大きさが変化したりすると、食器に付着した洗浄水は収容槽に回収されず、その工程から持ち出されることがあるため、所望の量の洗浄水をオーバーフローさせることは難しい。
【0007】
このような点を鑑みると、たとえば、出口側の収容槽から入口側の収容槽へ洗浄水が供給されるように、供給用のポンプ等をさらに設けることも考えられるが、このような付帯装置を新たに設けると、食器洗浄装置のコストが増大するばかりでなく、食器洗浄装置の大きさも大型化してしまう。
【0008】
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、食器洗浄装置を大型化することなく安価に、その出口側の洗浄水の収容槽から入口側の洗浄水の収容槽に、洗浄水を安定して供給することができる食器洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を鑑みて、本発明に係る食器洗浄装置は、食器を洗浄する食器洗浄装置であって、該食器洗浄装置の入口から出口まで食器を搬送する搬送部と、該搬送部で搬送された食器を洗浄する第1洗浄部と、該第1洗浄部で洗浄され、前記搬送部で搬送された食器を洗浄する第2洗浄部と、を備えており、前記第1洗浄部および前記第2洗浄部のそれぞれは、前記搬送部で搬送された食器に洗浄水を吹き付ける洗浄ノズルと、該洗浄ノズルから放出した洗浄水を回収し、回収した洗浄水を収容する収容槽と、該収容槽に収容された洗浄水を前記洗浄ノズルに圧送する圧送部とを、備えており、前記第2洗浄部の圧送部は、前記第2洗浄部の洗浄ノズルに圧送される洗浄水を分流し、分流した洗浄水が、前記第1洗浄部の収容槽に供給されるように、前記第1洗浄部に接続されていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、第1洗浄部および第2洗浄部のそれぞれにおいて、洗浄ノズルから食器に吹き付けられた洗浄水が収容槽に回収されて収容され、収容槽に収容された洗浄水は、再度食器の洗浄に利用すべく、圧送部で洗浄ノズルに圧送される。すなわち、第1洗浄部および第2洗浄部では、洗浄水が洗浄ノズル、収容槽、および圧送部の順に流れ、循環することになる。
【0011】
ここで、搬送部で搬送された食器は、第1洗浄部および第2洗浄部の順で洗浄されるため、第1洗浄部の洗浄水の一部は、食器や搬送部の一部に付着して第1洗浄部から持ち出される。しかしながら、本発明では、第2洗浄部の圧送部により圧送される洗浄水を分流して、分流した洗浄水を第1洗浄部の収容槽に供給するので、食器の搬送量、大きさ、または形状等に拘わらず所望の量の洗浄水を第1洗浄部の収容槽に補給することができる。また、第2洗浄部の洗浄ノズルに洗浄水を圧送するための圧送部を利用して、第1洗浄部の収容槽に洗浄水を供給するので、ポンプなどの新たな圧送装置を付加することなく、これまで通りの食器洗浄装置の大きさを確保し(大型化することなく)、安価に第1洗浄部の収容槽に洗浄水を補給することができる。
【0012】
より好ましい態様としては、前記第2洗浄部の圧送部は、前記第1洗浄部の収容槽に供給される洗浄水の供給量を調整する調整弁を備える。この態様によれば、第2洗浄部の圧送部の調整弁の開閉または開度を調整することで、第1洗浄部の収容槽に供給される洗浄水の供給量を必要に応じて調整し、適量の洗浄水を第1洗浄部の収容槽に供給(補給)することができる。
【0013】
さらに好ましい態様としては、前記第1洗浄部の収容槽および前記第2洗浄部の収容槽のそれぞれには、該収容槽内の洗浄水の水量を検知する水量検知センサーが配置されており、前記食器洗浄装置は、前記第1洗浄部の前記水量検知センサーおよび前記第2洗浄部の前記水量検知センサーで検知した水量に基づいて、前記調整弁の開度を制御する制御部を備える。
【0014】
この態様によれば、第1洗浄部の収容槽内の洗浄水の水量を水量検知センサーで監視し、その水量が少ないと判断した場合には、制御部により調整弁の開弁するまたは開度を大きくし、第1洗浄部の収容槽に、洗浄水を供給(補給)することができる。一方、第2洗浄部の収容槽の洗浄水の水量が少なくなったり、水量が急激に減少したりする場合には、制御部により調整弁を閉弁するまたは開度を小さくし、第1洗浄部の収容槽に供給される洗浄水を制限することができる。このようにして、第1洗浄部の収容槽および第2洗浄部の収容槽に収容される洗浄水の水量を水量検知センサーで監視しながら、第1洗浄部の収容槽へ供給する洗浄水の供給量の調整を自動的に行うことができる。
【0015】
より好ましい具体的な態様としては、前記第2洗浄部の洗浄ノズルは、すすぎ洗浄水を吹き付けるすすぎ洗浄ノズルと、該すすぎ洗浄水が吹き付けられ前記搬送部で搬送された食器に、仕上げ洗浄水として上水を吹き付ける仕上げ洗浄ノズルとを有し、前記第2洗浄部の収容槽は、前記すすぎ洗浄ノズルから放出したすすぎ洗浄水と前記仕上げ洗浄ノズルから放出した仕上げ洗浄水を回収し、回収した洗浄水をすすぎ洗浄水として収容するすすぎ洗浄水収容槽を有し、前記第2洗浄部の圧送部は、前記すすぎ洗浄水収容槽に収容されたすすぎ洗浄水を前記すすぎ洗浄ノズルに圧送するすすぎ洗浄水圧送部を有し、前記すすぎ洗浄水圧送部は、前記すすぎ洗浄ノズルに圧送されるすすぎ洗浄水を分流し、分流したすすぎ洗浄水が前記第1洗浄部の収容槽に供給されるように、前記第1洗浄部に接続されている。
【0016】
この態様によれば、第2洗浄部において、搬送部で搬送された食器は、すすぎ洗浄ノズルから吹き付けられたすすぎ洗浄水で洗浄された後、仕上げ洗浄ノズルから吹き付けられた仕上げ洗浄水(上水)で洗浄される。ここで、すすぎ洗浄水と仕上げ洗浄水は、すすぎ洗浄水としてすすぎ洗浄水収容槽に回収され、回収されてすすぎ洗浄槽に収容されたすすぎ洗浄水は、食器の洗浄に再利用すべく、すすぎ洗浄ノズルに圧送される。
【0017】
この際、すすぎ洗浄ノズルに圧送するためのすすぎ洗浄水圧送部を利用して、すすぎ洗浄ノズルに圧送されるすすぎ洗浄水を分流し、分流したすすぎ洗浄水を第1洗浄部の収容槽に供給することができる。
【0018】
このようにして、一旦洗浄に使用した仕上げ洗浄水を、第2洗浄部において再利用のため循環させるばかりでなく、第1洗浄部の収容槽に補給し、第1洗浄部においても再利用することができる。これにより、食器洗浄時に食器洗浄装置に外部から供給する洗浄水を、仕上げノズルで使用する上水のみとすることができ、食器洗浄装置全体としての洗浄水(上水)の使用量を抑えることができる。
【0019】
さらに好ましい態様としては、前記第1洗浄部は、前記搬送部で搬送された食器に洗剤を含有した洗剤洗浄水を吹き付ける洗剤洗浄ノズルと、該洗剤洗浄ノズルから放出した洗剤洗浄水を回収し、回収した洗剤洗浄水を収容する洗剤洗浄水収容槽と、該洗剤洗浄水収容槽に収容された洗剤洗浄水を前記洗剤洗浄ノズルに圧送する洗剤洗浄水圧送部とを、備えた洗剤洗浄部を備えており、前記すすぎ洗浄水圧送部は、分流したすすぎ洗浄水が前記洗剤洗浄水収容槽に供給されるように、前記洗剤洗浄部に接続されている。
【0020】
この態様によれば、洗剤洗浄水収容槽の収容される洗剤洗浄水は、所定の濃度の洗剤が洗浄水に添加されており、すすぎ洗浄水圧送部で分流したすすぎ洗浄水は洗剤洗浄水収容槽に所望の量が必要なときに供給されるので、洗剤洗浄水収容槽内の洗剤の濃度管理を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、食器洗浄装置を大型化することなく安価に、その出口側の洗浄水の収容槽から入口側の洗浄水の収容槽に、洗浄水を安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る食器洗浄装置の模式的概念図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施形態に係る食器洗浄装置を、図1を参照しながら説明する。
1.食器洗浄装置1の全体構造について
図1に示すように、本実施形態に係る食器洗浄装置1は、食器Pをコンベア2(搬送部)で搬送しながら、洗浄水で洗浄する装置である。食器洗浄装置1は、食器Pを荒洗浄する荒洗浄部3、荒洗浄した食器Pを洗剤洗浄する洗剤洗浄部4、洗剤洗浄した食器Pをすすぎ洗浄するすすぎ洗浄部5、および、すすぎ洗浄した食器Pを仕上げ洗浄する仕上げ洗浄部6を備えている。
【0024】
ここで、荒洗浄部3と洗剤洗浄部4とが、本発明でいう第1洗浄部に相当し、すすぎ洗浄部5と仕上げ洗浄部6とが、本発明でいう第2洗浄部に相当する。なお、図1では、洗浄水等の水が流れる管を一点鎖線で示し、電気信号を送る信号線を破線で示している。
【0025】
コンベア2は、食器Pが搬入される食器洗浄装置1の入口11から、食器Pが搬出される出口13に向かって、食器Pを搬送する装置である。食器洗浄装置1には、入口11から導入された食器Pを洗浄しながら食器Pを出口13まで搬送する搬送通路12が形成されている。搬送通路12は、上述した荒洗浄部3から仕上げ洗浄部6まで連続して食器Pを通過させる通路である。
【0026】
コンベア2は、食器洗浄装置1(具体的には搬送通路12)の入口11から出口13まで、食器Pを載置しながら移動するチェーンベルト21と、チェーンベルト21が巻き付いた従動ローラ22および駆動ローラ23と、を備えている。駆動ローラ23は、駆動ベルト24を介して駆動モータ25に連結されている。
【0027】
このように構成することで、駆動モータ25を駆動すると、駆動ベルト24を介して駆動ローラ23が回転し、駆動ローラ23に巻き付いたチェーンベルト21が、従動ローラ22を回転させながら、搬送通路12内を移動する。これにより、荒洗浄部3から仕上げ洗浄部6までの搬送通路12内において、チェーンベルト21に載置された食器Pを搬送することができる。以下、荒洗浄部3から仕上げ洗浄部6までの装置構成を詳細に説明する。
【0028】
2.荒洗浄部3について
荒洗浄部3は、食器洗浄装置1の入口11からコンベア2で搬送された使用済みの食器Pに付着した粗大な汚れなどを荒洗浄水w1で洗い流すべく、食器Pを荒洗浄するセクションである。荒洗浄部3は、コンベア2で搬送された食器Pに荒洗浄水w1を上下から吹き付ける荒洗浄ノズル31を備えている。なお、荒洗浄ノズル31とは、コンベア2を横断する方向(コンベア2のチェーンベルト21の幅方向)に、軸芯が配置されたノズルパイプ(図示せず)と、ノズルパイプの軸芯方向に沿って所定の間隔をあけて、ノズルパイプに取り付けられた複数のノズルチップ(図示せず)と、を少なくとも備えた構造をいう。
【0029】
図1に示すように、コンベア2のチェーンベルト21を挟んで、食器Pの搬送方向に沿って、上下それぞれ3つの荒洗浄ノズル31が配置されている。しかしながら、食器Pを荒洗浄水w1で荒洗浄できるのであれば、荒洗浄ノズル31の個数および配置はこれに限定されるものではない。
【0030】
荒洗浄部3は、荒洗浄ノズル31から放出した荒洗浄水w1を回収し、回収した荒洗浄水w1を収容する荒洗浄水収容槽32を、荒洗浄ノズル31の下方に備えている。荒洗浄水収容槽32の底部には、排水口32aが設けられており、その側面には、荒洗浄水w1の増加に伴い荒洗浄水w1をオーバーフローにより荒洗浄水収容槽32から排出するオーバーフロー用排水口32bが設けられている。装置運転終了時に排水口32aから排水される荒洗浄水w1、および装置運転時(すなわち洗浄時)にオーバーフロー用排水口32bから排出された荒洗浄水w1は、いずれも排水管79を介して装置外部に排水される。
【0031】
荒洗浄水収容槽32の上方には、後述するすすぎ洗浄水w3を供給する給水口36が配置されており、荒洗浄水収容槽32の内部には、収容された荒洗浄水w1の水量(収容量)を検知する水量検知センサー37が配置されている。水量検知センサー37で検出された荒洗浄水w1の水量に相当する信号は、信号線81を介して制御部8に入力される。
【0032】
荒洗浄部3は、荒洗浄水収容槽32に収容された荒洗浄水w1を荒洗浄ノズル31に圧送する圧送ポンプ33と、圧送ポンプ33で圧送された荒洗浄水w1を荒洗浄ノズル31に送水する送水管34と、を備えている。圧送ポンプ33と送水管34が、本発明でいう「第1洗浄部の圧送部」に相当する。
【0033】
さらに、荒洗浄ノズル31で荒洗浄水w1が吹き付けられる領域の搬送方向中央の(コンベア2の)チェーンベルト21の位置が、食器Pの搬送方向の前後のチェーンベルト21の位置よりも低い位置となるように、中央のチェーンベルト21の搬送方向前後のチェーンベルト21が水平方向に対して傾斜している。これにより、搬送している食器Pが、その中央に向けて低くなるように傾き、荒洗浄ノズル31から吹き付けられて食器Pに付着している荒洗浄水w1を、荒洗浄ノズル31の下方の荒洗浄水収容槽32へと落下させ、これを効率良く回収することができる。
【0034】
3.洗剤洗浄部4について
洗剤洗浄部4は、荒洗浄部3からコンベア2で搬送された、荒洗浄後の食器Pに付着した油分等の汚れを、洗剤を含有した洗剤洗浄水w2で洗い流すべく、食器Pを洗剤洗浄するセクションである。洗剤洗浄部4は、コンベア2で搬送された食器Pに洗剤洗浄水w2を上下から吹き付ける洗剤洗浄ノズル41を備えている。なお、洗剤洗浄ノズル41は、荒洗浄ノズル31と同様の構造となっている。洗剤洗浄ノズル41は、コンベア2のチェーンベルト21を挟んで、食器Pの搬送方向に沿って、上下それぞれ3つ配置されているが、食器Pを洗剤洗浄水w2で洗剤洗浄できるのであれば、洗剤洗浄ノズル41の個数および配置はこれに限定されるものではない。
【0035】
洗剤洗浄部4は、洗剤洗浄ノズル41から放出した洗剤洗浄水w2を回収し、回収した洗剤洗浄水w2を収容する洗剤洗浄水収容槽42を、洗剤洗浄ノズル41の下方に備えている。洗剤洗浄水収容槽42の底部には、排水口42aが設けられており、装置運転終了時には、排水口42aから排出された洗剤洗浄水w2は、荒洗浄水w1と同様に、排水管79を介して装置外部に排水される。
【0036】
洗剤洗浄水収容槽42の上方には、後述するすすぎ洗浄水w3を供給する給水口46が配置されている。洗剤洗浄水収容槽42の内部には、収容された洗剤洗浄水w2の水量(収容量)を検知する水量検知センサー47と、収容された洗剤洗浄水w2の洗剤濃度を測定する濃度センサー(図示せず)と、収容された洗剤洗浄水w2の温度を測定する温度センサー(図示せず)とが配置されている。水量検知センサー47で検知された洗剤洗浄水w2の水量に相当する信号は、信号線81を介して制御部8に入力される。濃度センサーおよび温度センサーの信号も、制御部8に入力される。
【0037】
さらに、洗剤洗浄水収容槽42の内部には、収容された洗剤洗浄水w2を加熱するヒーター48が配置されている。ヒーター48は、洗剤洗浄水w2が洗剤洗浄ノズル41から所定温度(たとえば70℃)で食器Pに吹き付けられるように、収容された洗剤洗浄水w2を加熱する。具体的には、上述した温度センサーで検出された温度に基づいて、制御部8が、ヒーター48の加熱温度を制御する。
【0038】
洗剤洗浄部4は、洗剤洗浄水収容槽42に収容された洗剤洗浄水w2を洗剤洗浄ノズル41に圧送する圧送ポンプ43と、圧送ポンプ43で圧送された洗剤洗浄水w2を洗剤洗浄ノズル41に送水する送水管44と、を備えている。圧送ポンプ43と送水管44が、本発明でいう「第1洗浄部の圧送部(洗剤洗浄水圧送部)」に相当する。
【0039】
洗剤洗浄部4の洗剤洗浄ノズル41と、荒洗浄部3の荒洗浄ノズル31との間には、水戻り傾斜板76が配置されている。水戻り傾斜板76は、搬送方向における板中央から一方側(荒洗浄部3側)は、荒洗浄水収容槽32のある下方に傾斜し、他方側(洗剤洗浄部4側)は、洗剤洗浄水収容槽42のある下方に傾斜している。これにより、荒洗浄ノズル31から食器Pに放出された後、食器Pに付着して食器Pから落下する荒洗浄水w1や、食器Pから飛び散った荒洗浄水w1が洗剤洗浄部4に移らないよう、荒洗浄水w1を荒洗浄水収容槽32で回収することができる。同様に、洗剤洗浄ノズル41から食器Pに放出された後、食器Pに付着して食器Pから落下する洗剤洗浄水w2や、食器Pから飛び散った洗剤洗浄水w2が荒洗浄部3に移らないように、洗剤洗浄水w2を洗剤洗浄水収容槽42に回収することができる。
【0040】
さらに、洗剤洗浄ノズル41で洗剤洗浄水w2が吹き付けられる領域の搬送方向中央の(コンベア2の)チェーンベルト21の位置が、食器Pの搬送方向の前後のチェーンベルト21の位置よりも低い位置となるように、中央のチェーンベルト21の搬送方向前後のチェーンベルト21が水平方向に対して傾斜している。これにより、搬送している食器Pが、その中央に向けて低くなるように傾き、洗剤洗浄ノズル41から吹き付けられて食器Pに付着している洗剤洗浄水w2を、洗剤洗浄ノズル41の下方の洗剤洗浄水収容槽42へと落下させ、これを効率良く回収することができる。
【0041】
4.すすぎ洗浄部5について
すすぎ洗浄部5は、洗剤洗浄部4からコンベア2で搬送された、洗剤洗浄後の食器Pに付着した洗剤等をすすぎ洗浄水w3で洗い流すべく、食器Pをすすぎ洗浄するセクションである。すすぎ洗浄部5は、コンベア2で搬送された食器Pにすすぎ洗浄水w3を上下から吹き付けるすすぎ洗浄ノズル51を備えている。なお、すすぎ洗浄ノズル51は、荒洗浄ノズル31と同様の構造となっている。すすぎ洗浄ノズル51は、コンベア2のチェーンベルト21を挟んで、上下にそれぞれ1つ配置されているが、食器Pをすすぎ洗浄水w3ですすぎ洗浄できるのであれば、すすぎ洗浄ノズル51の個数および配置はこれに限定されるものではない。
【0042】
すすぎ洗浄部5は、すすぎ洗浄ノズル51から放出したすすぎ洗浄水w3を回収し、回収したすすぎ洗浄水w3を収容するすすぎ洗浄水収容槽52を、すすぎ洗浄ノズル51の下方に備えている。すすぎ洗浄水収容槽52の底部には、排水口52aが設けられており、装置運転終了時には、排水口52aから排出されたすすぎ洗浄水w3は、他の収容槽の洗浄水と同様に、排水管79を介して装置外部に排水される。
【0043】
すすぎ洗浄水収容槽52の上方には、後述する上水w4を供給する給水口56が配置されている。すすぎ洗浄水収容槽52には、収容されたすすぎ洗浄水w3の水量(収容量)を検知する水量検知センサー57と、収容されたすすぎ洗浄水w3の温度を測定する温度センサー(図示せず)とが配置されている。水量検知センサー57で検出されたすすぎ洗浄水w3の水量に相当する信号および温度センサーの信号は、信号線81を介して制御部8に入力される。
【0044】
さらに、すすぎ洗浄水収容槽52の内部には、収容されたすすぎ洗浄水w3を加熱するヒーター58が配置されており、すすぎ洗浄水w3がすすぎ洗浄ノズル51から所定温度(たとえば80℃)で食器Pに吹き付けられるように、制御部8でヒーター58の加熱温度が制御される。
【0045】
すすぎ洗浄部5は、すすぎ洗浄水収容槽52に収容されたすすぎ洗浄水w3をすすぎ洗浄ノズル51に圧送する圧送ポンプ53と、圧送ポンプ53で圧送されたすすぎ洗浄水w3をすすぎ洗浄ノズル51に送水する送水管54と、を備えている。
【0046】
さらに、送水管54は、すすぎ洗浄ノズル51に圧送されるすすぎ洗浄水w3を分流し、分流したすすぎ洗浄水w3が、本発明の第1洗浄部に相当する荒洗浄水収容槽32、および洗剤洗浄水収容槽42のそれぞれに供給されるように、送水管54A,54Bに接続されている。
【0047】
具体的には、送水管54A,54Bのそれぞれは、荒洗浄水収容槽32および洗剤洗浄水収容槽42のそれぞれの上方に配置された給水口36,46に接続されている。各送水管54A,54Bには、荒洗浄水収容槽32および洗剤洗浄水収容槽42のそれぞれのすすぎ洗浄水w3の供給量を調整する調整弁55A,55Bが取り付けられている。圧送ポンプ53、送水管54、送水管54A,54B、および調整弁55A,55Bが、本発明でいう「第2洗浄部の圧送部(すすぎ洗浄水圧送部)」に相当する。
【0048】
荒洗浄水収容槽32へのすすぎ洗浄水w3の供給量を調整する調整弁55Aは、上述した水量検知センサー37で検知した荒洗浄水収容槽32の水量および水量検知センサー57で検知したすすぎ洗浄水収容槽52の水量に基づいて、調整弁55Aの開度の調整が可能なよう、信号線82を介して、制御部8に接続されている。一方、洗剤洗浄水収容槽42へのすすぎ洗浄水w3の供給量を調整する調整弁55Bは、上述した水量検知センサー47で検知した洗剤洗浄水収容槽42の水量、および水量検知センサー57で検知したすすぎ洗浄水収容槽52の水量、必要に応じて、洗剤洗浄水w2の洗剤濃度を測定する濃度センサーの濃度に基づいて、調整弁55Bの開度の調整が可能なよう、信号線82を介して、制御部8に接続されている。
【0049】
すすぎ洗浄部5のすすぎ洗浄ノズル51と、洗剤洗浄部4の洗剤洗浄ノズル41との間には、洗剤洗浄部4側に下方に向かって傾斜した水戻り傾斜板77が配置されている。水戻り傾斜板77を配置することにより、洗剤洗浄ノズル41から食器Pに放出された後、食器Pに付着して食器Pから落下する洗剤洗浄水w2や、食器Pから飛び散った洗剤洗浄水w2がすすぎ洗浄部5に移らないように、洗剤洗浄水w2を洗剤洗浄水収容槽42に回収することができる。この結果、洗剤洗浄部4からすすぎ洗浄部5への洗剤洗浄水w2の洗剤の持ち出しを制限し、すすぎ洗浄水w3に洗剤が混入することを低減することができる。
【0050】
さらに、すすぎ洗浄水収容槽52と洗剤洗浄水収容槽42との間の上端部は、洗剤洗浄水収容槽42と荒洗浄水収容槽32の上端部よりも高くなっている。洗剤洗浄水収容槽42に収容されている洗剤洗浄水w2が、すすぎ洗浄水w3が収容されているすすぎ洗浄水収容槽52へオーバーフローによって流れ込まないようにすることができる。これにより、食器Pに付着した洗剤等を洗い流すためのすすぎ洗浄水収容槽52内のすすぎ洗浄水w3に、洗剤洗浄水w2の洗剤が混入することを防止することができる。さらに、すすぎ洗浄水収容槽52からのすすぎ洗浄水w3が、オーバーフローにより洗剤洗浄水収容槽42に流れ込むことを防止し、洗剤洗浄水収容槽42内の洗剤洗浄水w2の洗剤濃度の低下を防止することができる。
【0051】
5.仕上げ洗浄部6について
仕上げ洗浄部6は、すすぎ洗浄部5からコンベア2で搬送された、すすぎ洗浄後の食器Pに付着したすすぎ洗浄水w3等を仕上げ洗浄水である上水w4で洗い流すべく、食器Pを仕上げ洗浄するセクションである。仕上げ洗浄部6は、コンベア2で搬送された食器Pに上水(仕上げ洗浄水)w4を上下から吹き付ける仕上げ洗浄ノズル61を備えている。なお、仕上げ洗浄ノズル61は、荒洗浄ノズル31と同様の構造となっている。仕上げ洗浄ノズル61は、コンベア2のチェーンベルト21を挟んで、上下にそれぞれ1つ配置されているが、食器Pを上水(仕上げ洗浄水)w4で仕上げ洗浄できるのであれば、仕上げ洗浄ノズル61の個数および配置はこれに限定されるものではない。本実施形態では、仕上げ洗浄ノズル61から放出した上水(仕上げ洗浄水)w4は、上述したすすぎ洗浄水収容槽52に回収され、すすぎ洗浄水w3としてすすぎ洗浄水収容槽52に収容される。
【0052】
ここで、仕上げ洗浄ノズル61に供給される上水w4は、供給口70から食器洗浄装置1に供給される。装置内の上水管71から送水された上水w4は、熱交換器72を通過して加熱される。熱交換器72は、食器洗浄装置1内の荒洗浄部3の上方に取り付けられており、上述したヒーター48、58により加熱して食器Pの洗浄に使用された洗浄水の湯気または蒸気の熱を取り込み、上水w4を加熱する装置である。
【0053】
熱交換器72に接続され、熱交換器72から放出される上水w4を送水する上水管73は、送水される上水w4が仕上げ洗浄ノズル61および給水口56に向かうように、分岐している。仕上げ洗浄ノズル61に向かう上水管73には流量調整弁74が取り付けられており、給水口56へ向かう上水管73には開閉弁75が取り付けられている。流量調整弁74の開度および開閉弁75の開閉は、信号線82を介して入力される制御信号により、制御される。
【0054】
仕上げ洗浄部6の仕上げ洗浄ノズル61と、すすぎ洗浄部5のすすぎ洗浄ノズル51との間には、すすぎ洗浄を終えた食器Pの表面に付着したすすぎ洗浄水w3の液切りを行うためのブロワ9が配置されている。ブロワ9は、チェーンベルト21で搬送された食器Pに、上方からノズルで圧縮空気Aを吹き付けるように、配置されている。さらに、ブロワ9の圧縮空気Aが吹き付けられるコンベア2のチェーンベルト21は、食器Pの搬送方向に進むにしたがって上方に傾斜している(のぼり傾斜面となっている)。
【0055】
ブロワ9からの圧縮空気Aを食器Pに吹き付けることにより、食器Pに付着したすすぎ洗浄水w3を食器Pから切り落とすので、わずかに付着しているすすぎ洗浄水w3を食器Pから洗い落すことが容易となり、仕上げ洗浄部6の仕上げ洗浄ノズル61から、食器Pに吹き付ける上水(仕上げ洗浄水)w4の吹き付け量を低減することができる。さらに、ブロワ9直下のコンベア2のチェーンベルト21を、のぼり傾斜面となるように傾斜させたので、傾いた食器Pに付着しているすすぎ洗浄水w3は、落ち易い状態にあり、仕上げ洗浄部6に持ちこまれることを低減することができる。
【0056】
6.食器洗浄装置1を用いた食器Pの洗浄方法について
6−1.食器洗浄装置1の運転準備
まず、食器洗浄装置1の運転する準備段階として、まず、供給口70から上水w4を食器洗浄装置1に供給する。供給された上水w4は、上水管71、熱交換器72、上水管73の順に流れ、制御部8の制御信号により開弁した開閉弁75を通過し、すすぎ洗浄水収容槽52に供給される。この時、流量調整弁74は、制御部8の制御信号により閉弁していてもよい。
【0057】
すすぎ洗浄水収容槽52の上水w4は、圧送ポンプ53で圧送され、制御部8の制御信号により開弁した各調整弁55A,55Bを介して、送水管54A,54Bから給水口36,46に送られる。これにより、荒洗浄水収容槽32および洗剤洗浄水収容槽42のそれぞれに、洗浄水が供給される。洗剤洗浄水収容槽42では、所望の洗剤濃度となるように、洗剤供給装置(図示せず)から洗剤が供給される。これにより、洗剤洗浄水収容槽42に洗剤洗浄水w2が収容されることになる。また、それぞれのヒーター48、58によって、洗剤洗浄水収容槽42に収容された洗剤洗浄水w2、および、すすぎ洗浄水収容槽52に収容されたすすぎ洗浄水w3は、設定された温度に加熱される。この状態で、駆動モータ25、圧送ポンプ33,43,53を駆動する。
【0058】
6−2.食器洗浄装置1による食器Pの洗浄
以下に食器Pの洗浄方法を説明する。コンベア2のチェーンベルト21に載置された食器Pは、食器洗浄装置1の入口11から搬送通路12内に搬送される。食器洗浄装置1の入口11を通過した食器Pは、荒洗浄部3に搬送される。
【0059】
荒洗浄部3では、荒洗浄水収容槽32から圧送ポンプ33で圧送され、荒洗浄ノズル31に送られた荒洗浄水w1が、荒洗浄ノズル31から放出され、食器Pに吹き付けられる。これにより、食器Pに付着した付着物が洗い流される。
【0060】
次に、荒洗浄部3により荒洗浄された食器Pは、洗剤洗浄部4に搬送される。洗剤洗浄部4では、洗剤洗浄水収容槽42内で温度調整された(たとえば70℃に温度調整された)洗剤洗浄水w2が、圧送ポンプ43で、洗剤洗浄ノズル41に圧送される。送られた洗剤洗浄水w2は、洗剤洗浄ノズル41から放出され、食器Pに吹き付けられ、食器Pに付着した油分等が洗い流される。
【0061】
次に、洗剤洗浄部4により洗剤洗浄された食器Pは、すすぎ洗浄部5に搬送される。すすぎ洗浄部5では、すすぎ洗浄水収容槽52内で温度調整された(たとえば80℃に温度調整された)すすぎ洗浄水w3が、圧送ポンプ53ですすぎ洗浄ノズル51に圧送される。送られたすすぎ洗浄水w3は、すすぎ洗浄ノズル51から放出され、食器Pに吹き付けられ、食器Pに付着した洗剤が洗い流される。
【0062】
次に、すすぎ洗浄部5によりすすぎ洗浄された食器Pは、ブロワ9の下方に搬送され、食器Pにブロワ9の圧縮空気Aが吹き付けられ、食器Pに付着したすすぎ洗浄水w3の液切りが行われる。最後に、食器Pは仕上げ洗浄部6に搬送され、食器Pにわずかに付着したすすぎ洗浄水w3を、仕上げ洗浄ノズル61からの上水(仕上げ洗浄水)w4で洗い流される。
【0063】
6−3.洗浄水の流れについて
ここで、荒洗浄部3の荒洗浄水w1は、食器Pに付着して持ち出されるとともに、オーバーフローによって排水され、また洗剤洗浄部4の洗剤洗浄水w2は、食器Pに付着して持ち出されるため、荒洗浄水収容槽32の荒洗浄水w1および洗剤洗浄水収容槽42の洗剤洗浄水w2の量は減少する。持ち出しより減少する量は、搬送される食器Pの量、食器Pの形状、食器Pの大きさ等によって、変動する。
【0064】
そこで、本実施形態では、圧送ポンプ53から、すすぎ洗浄ノズル51に圧送されるすすぎ洗浄水w3を分流し、分流したすすぎ洗浄水w3を、送水管54Aを介して給水口36から荒洗浄水収容槽32に供給する。同様に、圧送ポンプ53から、すすぎ洗浄ノズル51に圧送されるすすぎ洗浄水w3を分流し、分流したすすぎ洗浄水w3を、送水管54Bを介して給水口46から洗剤洗浄水収容槽42に供給する。これにより、新たにポンプを増設することなく、必要な時に、荒洗浄水収容槽32および洗剤洗浄水収容槽42のそれぞれに、すすぎ洗浄水w3を迅速に供給することができる。
【0065】
さらに、本実施形態では、送水管54A,54Bには、すすぎ洗浄水w3の供給量を調整する調整弁55A,55Bが取り付けられており、調整弁55A,55Bの開度は、制御部8からの制御信号により制御される。
【0066】
具体的には、荒洗浄水収容槽32へのすすぎ洗浄水w3の供給量を調整する調整弁55Aの開度は、水量検知センサー37が検知した荒洗浄水収容槽32の水量およびに水量検知センサー57が検知したすすぎ洗浄水収容槽52の水量に基づいて、調整される。より具体的には、水量検知センサー37で検知した荒洗浄水収容槽32の水量が基準値以下の場合、制御部8は、調整弁55Aの開度が大きくなる(場合によっては全開する)ように調整弁55Aを制御する。一方、水量検知センサー57が検知したすすぎ洗浄水収容槽52の水量が基準値以下、または、その水量の減少速度が基準速度以上である場合には、制御部8は、調整弁55Aの弁開度が小さくなる(場合によっては閉弁する)ように、調整弁55Aを制御する。このようにして、荒洗浄水収容槽32の荒洗浄水w1の水量およびすすぎ洗浄水収容槽52のすすぎ洗浄水w3の水量を調整することができる。
【0067】
また、水量検知センサー57が検知したすすぎ洗浄水収容槽52の水量が基準値を超えた場合には、制御部8は、調整弁55Aの開度が大きくなる(場合によっては全開する)ように調整弁55Aを制御する。これにより、荒洗浄水収容槽32へ積極的にすすぎ洗浄水w3を送り、荒洗浄水収容槽32のオーバーフロー用排水口32bからすすぎ洗浄水w3を排出する。
【0068】
一方、洗剤洗浄水収容槽42へのすすぎ洗浄水w3の供給量を調整する調整弁55Bの開度は、水量検知センサー47が検知した洗剤洗浄水収容槽42の水量、水量検知センサー57が検知したすすぎ洗浄水収容槽52の水量、必要に応じて濃度センサーにより測定された洗剤濃度に基づいて、調整される。より具体的には、水量検知センサー47で検知した洗剤洗浄水収容槽42の水量が基準値以下の場合、または、濃度センサーにより測定された洗剤濃度が基準値よりも高い場合、制御部8は、調整弁55Bの開度が大きくなる(場合によっては全開する)ように調整弁55Bを制御する。一方、水量検知センサー57が検知したすすぎ洗浄水収容槽52の水量が基準値以下、または、その水量の減少速度が基準速度以上である場合には、制御部8は、調整弁55Bの弁開度が小さくなる(場合によっては閉弁する)ように、調整弁55Bを制御する。このようにして、洗剤洗浄水収容槽42の洗剤洗浄水w2の水量とその洗剤濃度、およびすすぎ洗浄水収容槽52のすすぎ洗浄水w3の水量を調整することができる。
【0069】
また、調整弁55A,55Bを設け、制御部8でその開度を制御することにより、自動で各収容槽の水量を確保しつつ、相互に水量のバランスを保つことができる。さらに、荒洗浄水収容槽32および洗剤洗浄水収容槽42では、上述した構造および下流側の隣接する収容槽の水量を管理することにより、隣接する収容槽からの洗浄水のオーバーフローによる洗浄水の補給はされない。したがって、食器洗浄装置1に外部から供給される洗浄水は、仕上げ用洗浄水である上水w4のみで、他の洗浄水(たとえば、すすぎ洗浄水w3等)は、食器洗浄装置1内で循環して再度洗浄に用いられるので、食器洗浄装置1全体としての外部からの上水w4の使用を抑えることができる。
【0070】
また、荒洗浄水収容槽32および洗剤洗浄水収容槽42にすすぎ洗浄水w3を供給するための各送水管54A,54Bは、すすぎ洗浄ノズル51へすすぎ洗浄水w3を圧送する送水管54と接続されていることから、調整弁55A,55Bを開くだけで、すすぎ洗浄水w3を必要とする収容槽へ、所望の量すぐに供給することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【0072】
たとえば、本実施形態では、本発明の第1洗浄部として、荒洗浄部および洗剤洗浄部を設けたが、洗浄ノズル、収容槽、および圧送部を備える洗浄部であれば、洗浄部をさらに設けてもよく、荒洗浄部または洗剤洗浄部のいずれかを省略してもよい。なお、この場合、第1洗浄部における洗浄部の数に合わせて、第2洗浄部のすすぎ洗浄ノズルにすすぎ洗浄水を圧送する送水管から分流させて、それぞれ第1洗浄部の各洗浄部の収容槽に供給するように、各洗浄部に送水管を接続することは、もちろんのことである。
【0073】
また、本実施形態では、本発明の第2洗浄部として、すすぎ洗浄部と仕上げ洗浄部とを設け、仕上げ洗浄部の仕上げ洗浄水をすすぎ洗浄水収容槽に回収したが、仕上げ洗浄水を別途回収する仕上げ洗浄水収容槽を設け、回収した仕上げ洗浄水を圧送部により仕上げ洗浄ノズルに圧送し、その一部を分流して、仕上げ洗浄水を、荒洗浄部、洗剤洗浄部、またはすすぎ洗浄部の収容槽に供給してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1:食器洗浄装置、2:コンベア(搬送部)、3:荒洗浄部(第1洗浄部)、4:洗剤洗浄部(第1洗浄部)、5:すすぎ洗浄部(第2洗浄部)、6:仕上げ洗浄部(第2洗浄部)、8:制御部、9:ブロワ、21:チェーンベルト、22:従動ローラ、23:駆動ローラ、24:駆動ベルト、25:駆動モータ、31:荒洗浄ノズル、32:荒洗浄水収容槽、32a:排水口、32b:オーバーフロー用排水口、33:圧送ポンプ、34:送水管、36:給水口、37:水量検知センサー、41:洗剤洗浄ノズル、42:洗剤洗浄水収容槽、42a:排水口、43:圧送ポンプ、44:送水管、46:給水口、47:水量検知センサー、48:ヒーター、51:すすぎ洗浄ノズル、52:すすき洗浄水収容槽、52a:排水口、53:圧送ポンプ、54,54A,54B:送水管、55A,55B:調整弁、56:給水口、57:水量検知センサー、58:ヒーター、61:仕上げ洗浄ノズル、71,73:上水管、72:熱交換器、74:流量調整弁、75:開閉弁、76、77:水戻り傾斜板、79:排水管、81,82:信号線、A:圧縮空気、w1:荒洗浄水、w2:洗剤洗浄水、w3:すすぎ洗浄水、w4:上水(仕上げ洗浄水)、P:食器。
図1