(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
治療有効量の請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、多形物、若しくは互変異性体、及び薬学的に許容され得る担体を含有する、医薬組成物。
請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、多形物、若しくは互変異性体を含有する、DPP−IV阻害から恩恵を受け得る疾患及び障害を治療又は予防するための医薬組成物。
前記DPP−IV阻害から恩恵を受け得る疾患及び障害は、インスリン抵抗性、高血糖症、II型糖尿病、糖尿病性脂質異常症、耐糖能異常、空腹時血糖異常、代謝性アシドーシス、ケトーシス、食欲調節、肥満、種々の癌、神経系障害、及び免疫系障害からなる群より選ばれる、請求項8に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
以下、それぞれ開示された実施形態を全体的に理解するために、具体的な詳細を含んで説明したが、当業者は、これらの詳細の一部又は複数の部分を用いずに他の方法、部品、材料などを用いても、これらの実施形態を実現することができると理解すべきである。
【0014】
本明細書および添付の特許請求の範囲の全てにわたって、特に断らない限り、「含む/含有する(comprise)」のような用語、およびその英語の変形(例えば「comprises」や「comprising」など)は、いずれも開放(オープンエンド)式の、包含式の意味、すなわち「…を含むがこれらに限定されない」として解釈されるべきである。
【0015】
本明細書にわたって記載された「一実施形態」又は「実施形態」、あるいは「別の実施形態において」又は「いくつかの実施形態において」とは、少なくとも1つの実施形態に、当該実施形態に記載の関連する具体的な参照要素、構造、又は特徴を含むことを意味する。したがって、明細書の全体にわたって異なる位置に記載の「一実施形態において」、「実施形態において(実施形態では)」、「他の実施形態において」又は「いくつかの実施形態において」という語句は、必ずしも同じ実施形態を指すことではない。また、具体的な要素、構造又は特徴は、任意の適切な方式で1つ以上の実施形態の中に組み合せられる。
【0016】
本発明の明細書及び添付の特許請求の範囲に用いられた単数形の冠詞「一」(「1つ(の)」、「1個(の)」)(英語の「a」、「an」、及び「the」などに相当する)は、特に断らない限り、複数の対象(オブジェクト)が含まれていると理解すべきである。したがって、例えば、前記「触媒」が含まれる反応には、1種の触媒、又は2種以上の触媒が含まれている。また、用語「又は(もしくは/あるいは)」などは、特に断らない限り、通常「及び/又は」の意味を含んで用いられる。
【0017】
化学用語及び定義
本明細書で使用される用語「化合物」は、化合物の全ての立体異性体形態、幾何異性体形態、互変異性体形態、及び同位体形態を含む。
【0018】
本発明は、前記化合物は非対称であってもよく、例えば、1つ以上の立体異性体を有する。特に断らない限り、全ての立体異性体は、例えば光学異性体及びジアステレオマーのいずれも本発明の範囲内に含まれている。本発明の不斉炭素原子含有化合物は、光学活性の純粋な形態で、又はラセミ体の形態で分離することができる。光学活性の純粋な形態は、分割によりラセミ混合物から分離することができ、又は、キラル材料やキラル試薬を用いて合成することができる。
【0019】
本発明の化合物は、さらに互変異性体形態を含む。互変異性体形態は、1つのプロトンの移行を同時に伴う、1つの単結合とその隣接する二重結合との間の交換に由来する。
【0020】
また、本発明には、中間体又は最終化合物のいずれかにおいても全ての同位体の原子が含まれている。同位体の原子は、同一原子数であるが異なる質量数を有する原子を含む。例えば、水素の同位体は、三重水素と重水素とを含む。
【0021】
用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
用語「ハイドロキシ/水酸基」とは、−OHを意味する。
用語「カルボキシ」とは、−COOHを意味する。
用語「シアノ」とは、−CNを意味する。
【0022】
本明細書で使用される用語「スルホニル」とは、−SO
2−アルキル、−SO
2−シクロアルキル、及び−SO
2−アリールを意味する。
【0023】
本明細書で使用される用語「アミノ」とは、−NH
2、−NH(アルキル)、及び−N(アルキル)
2を意味し、アミノの的具体例としては、−NH
2、−NHCH
3、−NHCH(CH
3)
2、−N(CH
3)
2、−NHC
2H
5、−N(CH
3)C
2H
5等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用される用語「アルキル」とは、炭素原子及び水素原子のみから構成された直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等が挙げられる。前記特定のアルキルは、その全ての異性体の形態を含んでおり、例えば、プロピルは−CH
2CH
2CH
3及び−CH(CH
3)
2を含み、ブチルは−CH
2CH
2CH
2CH
3、−CH(CH
3)(CH
2CH
3)、−C(CH
3)
3、及び−CH
2CH(CH
3)
2を含む。用語「C
1−6アルキル」とは、1〜6個の炭素原子を有するアルキルを意味する。用語「C
1−4アルキル」とは、1〜4個の炭素原子を有するアルキルを意味する。用語「C
1−3アルキル」とは、1〜3個の炭素原子を有するアルキルを意味する。前記「アルキル」、「C
1−8アルキル」、「C
1−6アルキル」又は「C
1−3アルキル」は、置換されていなくてもよく、あるいは、ヒドロキシル、ハロゲン、及びアミノからなる群より独立して選ばれる1つ以上の置換基で置換されてもよい。
【0025】
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」とは、炭素原子及び水素原子のみから構成された全炭素の環状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、C
3−20シクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのようなC
3−6シクロアルキルが挙げられる。前記シクロアルキルは、置換されていなくてもよく、又は1つ以上の置換基で独立して置換されてもよく、前記置換基はアルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ハロゲン、スルホニル、スルフィニル、ホスホリル、及びヒドロキシルが挙げられる。
【0026】
本明細書で使用される用語「アリール」とは、完全に共役なπ電子系を有する全炭素の単環又は縮合環を意味し、それは6〜14個の炭素原子を有し、好ましくは6〜12個の炭素原子を有し、最も好ましくは6個の炭素原子を有する。アリールは、置換されていなくてもよく、あるいは1つ以上の置換基で独立して置換されてもよく、前記置換基の具体例としては、アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシル、スルホニル、スルフィニル、ホスホリル、及びヘテロ脂環式基が挙げられるが、これらに限定されない。アリール基の非制限的な例は、フェニル、ナフチル、及びアントリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書で使用される用語「アリールアルキル」とは、上記のように定義されたアリールで置換されたアルキルであり、好ましくはアリールで置換されたC
1−
6アルキルを意味する。アリールアルキルの非制限的な例は、−CH
2−フェニル、−(CH
2)
2−フェニル、−(CH
2)
3−フェニル、−CH(CH
3)−フェニル、−CH
2−CH(CH
3)−フェニル、−(CH
2)
4−フェニル、−CH
2−CH(CH
3)−CH
2−フェニル、−CH
2−CH
2−CH(CH
3)−フェニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」とは、完全に共役なπ−電子系を有する、かつ5、6、7、8、9、10、11又は12個の環原子(その中でN、O、Sからなる群より独立に選ばれる1、2、3又は4個の環原子を含有し、その他の環原子がCである)を有する環原子5〜12個の単環又は縮合環を意味する。ヘテロアリールは、置換されていなくてもよく、あるいは1つ以上の置換基で独立して置換されてもよく、前記置換基は、アルキル、アルコキシ、アリール、アラルキル、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボニル、及びヘテロ脂環式基が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリールの非制限的な例としは、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、及びトリアジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリールアルキル」とは、上記のように定義されたヘテロアリールで置換されたアルキルであり、好ましくはヘテロアリールで置換されたC
1−
6アルキルを意味する。ヘテロアリールアルキルの非制限的な例としては、−CH
2−ピラゾール基、−(CH
2)
2−ピラゾリル、−(CH
2)
3−チエニル、−CH(CH
3)−ピラジニル、−CH
2−CH(CH
3)−フリル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書で使用される用語「ヘテロ脂環」とは、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個の環原子(その中で、1個又は2個の環原子はN、O、S(O)
n(式中nは0、1又は2である)からなる群より独立して選ばれるヘテロ原子であり、その他の環原子はCである)を有する環原子3〜12個を有する単環又は縮合環を意味する。このような環は、飽和、又は不飽和(例えば、1つ以上の二重結合を有する)であってもよく、しかしながら完全に共役なπ電子系を有しない。3員の飽和ヘテロ脂環の例としては、
【化2】
が挙げられるが、これらに限定されなく、4員の飽和ヘテロ脂環の例としては、
【化3】
が挙げられるが、これらに限定されなく、5員の飽和ヘテロ脂環の例としては、
【化4】
が挙げられるが、これらに限定されなく、6員の飽和ヘテロ脂環の例としては、
【化5】
が挙げられるが、これらに限定されなく、7員の飽和ヘテロ脂環の例としては、
【化6】
が挙げられるが、これらに限定されなく、5員の不飽和ヘテロ脂環の例としては、
【化7】
が挙げられるが、これらに限定されなく、6員の不飽和ヘテロ脂環の例としては、
【化8】
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書で使用される用語「ヘテロ脂環式基」とは、「ヘテロ脂環」の分子から1個の水素原子を除去した後に残った基を意味し、ヘテロ脂環式基は置換されていなくてもよく、又はその中の水素原子は1つ以上の置換基で独立して置換されてもよく、前記置換基は、アルキル、アルコキシ、
、アリール、アラルキル、−COOH、−CN、アミノ、ハロゲン、又はヒドロキシルを含むが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容され得る塩」とは、本発明のDPP−IV阻害剤の生物学的効果及び性質を保持し、かつ生物学的に又は他の面に許容され得ないものではない塩を意味する。例えば、薬学的に許容され得る塩は、本発明の作用物質(作用剤)がDPP−IVの有益な効果を阻害することを妨げなく、それに「薬物許容され得る酸付加塩」及び「薬物許容され得る塩基付加塩」を含む。
【0033】
本明細書で使用される用語「薬物許容され得る酸付加塩」とは、遊離塩基の生物学的有効性及び性質を維持する塩を意味し、前記酸付加塩は生物学的に又はその他の面に適合であり、無機酸又は有機酸を用いて形成されたものである。
【0034】
本明細書で使用される用語「薬物許容され得る塩基付加塩」とは、遊離酸の生物学的有効性及び性質を維持する塩を意味し、前記塩基付加塩は、生物学的に又はその他の面に適合である。これらの塩は、遊離酸に無機塩基又は有機塩基を加えて調製される。
【0035】
本明細書で使用される用語「医薬組成物」とは、1種以上の本発明の化合物又はその塩、並びに、当該分野において一般的に許容され得る、生物活性化合物を有機体(例えば、ヒト)内に転送するための担体を含む製剤を意味する。医薬組成物は、本発明の化合物を有機体に投与することに有利となる目的とする。
【0036】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容され得る担体」とは、有機体(例えば、ヒト)に対して明らかな刺激効果がなく、かつ活性化合物の生物活性及び性能を阻害しない担体を意味する。また、「薬学的に許容され得る担体」とは、活性成分と一緒に投与される、活性成分の投薬に有利な不活性物質をも意味し、アメリカ食品医薬品局に許可されてヒトや動物(例えば、家畜)に用いられる任意の許容された流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防食剤、染料/着色剤、矯味補強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、崩壊剤、懸濁液、安定化剤、等張化剤、溶剤、又は乳化剤などの賦形剤が挙げられるが、これらに限定されない。前記担体の非制限的な例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、各種類の糖及び各種類の澱粉、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、並びにポリグリコールが挙げられる。
【0037】
一般式(I)の化合物
本発明の一態様では、一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【化9】
[式中、A環は、6員のアリール、並びにN、O及びS原子からなる群より選ばれる1〜2個のヘテロ原子を含む5〜6員のヘテロアリールからなる群より選ばれ、
XはO及びCH
2からなる群より選ばれ、YはN及びCHからなる群より選ばれ、かつXがCH
2である場合、YはCHではなく、
R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立してH、C
1−3アルキル、−NH
2及び−OHからなる群より選ばれ、
各R
4は、独立してハロゲン、−NH
2、−OH、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、フェノキシ、及びベンジルオキシからなる群より選ばれ、
各R
5は、独立してC
1−6アルキル、ハロゲン、−CN、−OH、−COOR
6、−NHR
7、及び−SO
2R
8からなる群より選ばれ、又は2個のR
5基とそれらに連続したA環原子と一緒に5〜7員の環を構成し、
R
6はH及びC
1−6アルキルからなる群より選ばれ、
R
7はH、C
1−6アルキル、及び−SO
2R
8からなる群より選ばれ、
各R
8は、独立して−OH、−NH
2、C
1−6アルキル、及びC
3−6シクロアルキルからなる群より選ばれ、
o及びpは、それぞれ独立して1、2、又は3であり、
m及びnは、それぞれ独立して1又は2である。]
【0038】
本発明の他の態様では、下記式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【化10】
[式中、XはOであり、
YはN及びCHからなる群より選ばれ、
R
1は−NH
2及び−OHからなる群より選ばれ、
R
2及びR
3のいずれもHであり、
R
4a及びR
4bは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I、−NH
2、及び−OHからなる群より選ばれ、
各R
5は、独立してF、Cl、Br、I、−CN、−COOR
6、−NHR
7、及び−SO
2R
8からなる群より選ばれ、
pは1又は2であり、
R
6はH、メチル、エチル、プロピル、及びブチルからなる群より選ばれ、
R
7はH、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及び−SO
2R
8からなる群より選ばれ、
各R
8は、独立して−OH、−NH
2、メチル、エチル、プロピル、ブチル、C
3シクロアルキル、C
4シクロアルキル、及びC
5シクロアルキルからなる群より選ばれる。]
【0039】
本発明の他の態様では、下記式(III)で表される化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【化11】
[式中、XはOであり、
YはN及びCHからなる群より選ばれ、
R
1は−NH
2及び−OHからなる群より選ばれ、
R
2及びR
3のいずれもHであり、
R
4a及びR
4bは、それぞれ独立してF、Cl、Br、−NH
2、及び−OHからなる群より選ばれ、
R
5a及びR
5bは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I、−CN、−COOR
6、−NHR
7、及び−SO
2R
8からなる群より選ばれ、
R
6はH、メチル、エチル、プロピル、及びブチルからなる群より選ばれ、
R
7はH、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及び−SO
2R
8からなる群より選ばれ、
各R
8は、独立して−OH、−NH
2、メチル、エチル、プロピル、ブチル、C
3シクロアルキル、C
4シクロアルキル、及びC
5シクロアルキルからなる群より選ばれる。]
【0040】
本発明の他の態様では、下記式(IV)で表される化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【化12】
[式中、XはOであり、
YはN及びCHからなる群より選ばれ、
R
1は−NH
2及び−OHからなる群より選ばれ、
R
2及びR
3のいずれもHであり、
R
4a及びR
4bは、それぞれ独立してF、Cl、Br、−NH
2、及び−OHからなる群より選ばれ、
R
5c及びR
5dは、それらに連続したピラゾール環原子と一緒に5、6又は7員の非芳香族環を形成し、前記5、6又は7員の非芳香族環は、N、O、及びSからなる群より選ばれる1、2又は3個のヘテロ原子を含むことが好ましく、かつ−SO
2−基を含むことがより好ましい。]
【0041】
また、本発明の他の態様では、下記式(V)で表される化合物又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【化13】
[式中、XはOであり、
YはN及びCHからなる群より選ばれ、
R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立してH、C
1−3アルキル、−NH
2及び−OHからなる群より選ばれ、
各R
4は、独立してハロゲン、−NH
2、−OH、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、フェノキシ、及びベンジルオキシからなる群より選ばれ、
各R
5は、独立してC
1−6アルキル、ハロゲン、−CN、−OH、−COOR
6、−NHR
7、及び−SO
2R
8からなる群より選ばれ、
R
6はH及びC
1−6アルキルからなる群より選ばれ、
R
7はH、C
1−6アルキル、及び−SO
2R
8からなる群より選ばれ、
各R
8は、独立して−OH、−NH
2、C
1−6アルキル、及びC
3−6シクロアルキルからなる群より選ばれ、
o及びpは、それぞれ独立して1、2及び3からなる群より選ばれる。]
【0042】
一実施形態において、式(V)で表される化合物のうち、R
1は−NH
2又は−OHであることが好ましい。
他の一実施形態において、式(V)で表される化合物のうち、R
2及びR
3はHであることが好ましい。
また、他の一実施形態において、式(V)で表される化合物のうち、R
4はF、Cl、Br、I、−NH
2、及び−OHからなる群より選ばれることが好ましい。
また、他の一実施形態において、式(V)で表される化合物のうち、R
5はF、Cl、Br、I、−COOR
6、−NHR
7、及び−SO
2R
8からなる群より選ばれることが好ましい。
また、他の一実施形態において、式(V)で表される化合物のうち、R
6はH、メチル、エチル、プロピル、及びブチルからなる群より選ばれることが好ましい。
また、他の一実施形態において、式(V)で表される化合物のうち、R
7はH、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及び−SO
2R
8からなる群より選ばれることが好ましい。
また、他の一実施形態において、式(V)で表される化合物のうち、R
8は−OH、−NH
2、メチル、エチル、プロピル、ブチル、C
3シクロアルキル、C
4シクロアルキル、及びC
5シクロアルキルからなる群より選ばれることが好ましい。
また、他の一実施形態において、式(V)で表される化合物のうち、oは2であることが好ましい。
また、他の一実施形態において、式(V)で表される化合物のうち、pは1又は2であることが好ましい。
【0043】
また、他の一実施形態において、式(V)で表される化合物のうち、R
4の置換位置は下記のような式(VI)で表される構造におけるR
4a及びR
4bの位置であることが好ましい。
【化14】
[式中、R
4a及びR
4bは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I、−NH
2、及び−OHからなる群より選ばれ、かつその他の基は前記式(V)中における定義と同じである。]
【0044】
また、他の一実施形態において、式(V)で表される化合物のうち、pは2であることが好ましく、かつR
5の置換位置は下記のような式(VII)で表される構造におけるR
5a及びR
5bの位置であることが好ましい。
【化15】
[式中、R
5a及びR
5bは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I、−COOR
6、−NHR
7、及び−SO
2R
8からなる群より選ばれ、かつその他の置換基は前記式(V)中における定義と同じである。]
【0045】
また、他の一実施形態において、式(V)で表される化合物のうち、pは1であることが好ましく、かつR
5の置換位置は下記のような式(VIII)で表される構造におけるR
5aの位置であることが好ましい。
【化16】
[式中、R
5aはF、Cl、Br、I、−COOR
6、−NHR
7、及び−SO
2R
8からなる群より選ばれ、かつその他の置換基は前記式(V)中における定義と同じである。]
【0046】
本発明は、下記化合物又はその薬学的に許容され得る塩であることが好ましい。
【化17】
【0047】
一般式(I)の化合物の製造方法
また、本発明のその他の態様では、次の合成スキームを含む一般式(I)で表される化合物の製造方法を提供する。
【0048】
【化18】
化合物1−6は、合成スキーム1を用いて合成することができる。ハロゲン化フェノール1−7は、ハロゲン化アルキルと、ハロゲン化ベンジル又はハロゲン化アリール(金属触媒が必要となる)とが塩基の存在下でハロゲン化アリールエーテル中間体1−1を得、中間体1−1はグリニャール試薬でメタル化された後、ワインレブアミド(Weinreb amide)と反応させてケトン中間体1−2を得、前記中間体1−2はキラル金属触媒で選択的に還元されて化合物1−3を得、前記中間体1−3は金属触媒で触媒閉環されて化合物1−4を得、中間体1−4はその二重結合が順次にヒドロホウ素化反応及び酸化反応をさせてアルコール化合物1−5を得、中間体1−5のアルコール性水酸基は、触媒酸化されて化合物1−6を得た。
【0050】
化合物2−4は、合成スキーム2(qは0、1及び2からなる群より選ばれる)を用いて合成することができる。中間体2−5は、N−ヨードスクシンイミドとを反応させてヨウ素置換の中間体2−1を得、中間体2−1はクロロアルキルスルホニルクロリドとを反応させて中間体2−2を得、中間体2−2はまず亜鉛粉末とがメタル化された後金属触媒で閉環されて中間体2−3を得、中間体2−3は酸で脱保護されて化合物2−4を得ることができる。
【0052】
化合物3−4は、合成スキーム3を用いて合成することができる。4−ブロモフタルイミド(化合物3−5)は、ボランで還元されて中間体3−1を得、中間体3−1はBoc無水物及び塩基で保護されて化合物3−2を得、中間体3−2は第一銅イオン及びプロリンの触媒下でアルキルスルフィン酸ナトリウムとを反応させてスルホン系中間体3−3を得、中間体3−3は酸で脱保護されて化合物3−4を得ることができる。
【0054】
化合物4−2は、合成スキーム4を用いて合成することができる。5−アミノ−1−オキソイソインドリン4−3は、アルキルスルホニルクロリドと反応させて中間体4−1を得、中間体4−1はボランで還元されて中間体4−2を得た。
【0056】
化合物5−4は、合成スキーム5を用いて合成することができる。5−アミノ−1−オキソイソインドリン4−3は、N−クロロスクシンイミドと反応させて中間体5−1を得、中間体5−1は、まず、ジアゾ化させ、次にヨウ化カリウムと反応させて中間体5−2を得、中間体5−2は、さらにアルキルスルフィン酸ナトリウムとを第一銅イオン及びプロリンで触媒してスルホン系中間体5−3を得、中間体5−3はボランで還元されて化合物5−4を得た。
【0057】
【化23】
化合物6−3は、合成スキーム6を用いて合成することができる。5−アミノ−1−オキソイソインドリン4−3は、先ずジアゾ化され、さらに二酸化硫黄及び塩化第一銅と反応してスルホニルクロリド中間体6−1を得、中間体6−1はアミンと反応して中間体6−2を得、さらに中間体6−2はボランで還元されて化合物6−3を得た。
【0059】
化合物7−3は、合成スキーム7を用いて合成することができる。ケトン7−4はアミン7−5とが還元的アミノ化反応を行って中間体7−1を得、さらに中間体7−1はアルキルスルホニルクロリドと反応して中間体7−2を得、中間体7−2は酸性条件下で保護基を除去して最終化合物7−3を得た。
【0060】
【化25】
化合物8−2は、合成スキーム8を用いて合成することができる。ケトン8−3はアミン8−4とが還元的アミノ化反応を行って中間体8−1を得、中間体8−1は酸性条件下で保護基を除去して最終化合物8−2を得た。
【0061】
上記のような合成スキームは、本発明における一部の化合物の製造方法のみを例示的に説明したが、当業者にとっては、かかる合成スキームに基づき同様の方法を用いて本発明における化合物をも合成することができる。
【0062】
医薬組成物
本発明の化合物又はその塩は、活性物質として単独で投与してもよく、好ましくはその医薬組成物の形で投与することである。
【0063】
本発明の他の態様では、一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、多形、代謝産物を活性成分として含み、並びに1種以上の薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。
【0064】
本発明において、化合物又はその薬学的に許容され得る塩の投与は、純粋な形で又は適切な医薬組成物の形で、類似の使用を提供する医薬の任意に許容され得る投与方式で行われてもよい。本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と適切な薬学的に許容され得る担体、希釈剤、媒体又は賦形剤と組み合わせて製造されてもよい。本発明の医薬組成物は、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、ペースト、乳剤、懸濁液、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル化剤、マイクロ球、及びエアゾール等の固体状態、半固体状態、液体状態又は気体状態の製剤を調製することができる。
【0065】
本発明の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩若しくはその医薬組成物の典型的な投与経路は、経口投与、直腸投与、経粘膜投与、経腸投与、又は局所投与、経皮投与、吸入投与、腸管外投与、舌下投与、膣内投与、鼻内投与、眼内投与、腹膜内投与、筋肉内投与、皮下投与、静脈内投与を含むが、これらに限らない。好ましい投与経路は、経口投与である。
【0066】
本発明の医薬組成物は、当業者によく知られている方法、例えば従来の混合法、溶解法、造粒法、糖衣錠製法、研磨法、乳化法、凍結乾燥法等により製造されてもよい。
【0067】
好ましい実施形態において、医薬組成物は経口投与の形である。経口投与については、活性化合物と当該技術分野で周知の薬学的に許容され得る担体とを混合して当該医薬組成物を調製してもよい。これらの担体は、本発明の化合物を、錠剤、丸剤、トローチ剤、糖衣剤、カプセル剤、液剤、ゲル化剤、シロップ剤、懸濁液等として調製されて患者の経口投与に用いられてもよい。
【0068】
固体経口投与医薬組成物は、従来の混合、充填又は打錠の方法により製造されてもよい。例えば、下記の方法により得ることができ、すなわち、前記活性化合物と固体賦形剤とを混合し、必要に応じて、得られた混合物をパンミリングし、必要とすれば他の適当な助剤を加え、そして当該混合物を顆粒に加工して錠剤や糖衣剤のコアを得る。適当な助剤は、粘着剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、甘味剤又は矯味剤等が挙げられれるが、これらに限定されない。例えば、微結晶性セルロース、グルコース溶液、アラビアゴム粘液、ゼラチン溶液、スクロース、及びデンプンペースト;タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、又はステアリン酸;ラクトース、スクロース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、又はリン酸二カルシウム;シリカ;クロスカルメロースナトリウム、アルファ化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、メチルセルロース、寒天、カルボキシメチルセルロース、架橋ポリビニルピロリドン等が挙げられる。薬務において周知の方法により、必要に応じて糖衣錠のコアに対して、特に腸溶コーティングを用いてコーティングしてもよい。
【0069】
本発明の医薬組成物は、さらに、適切な単位剤形の無菌液剤、懸濁液や凍結乾燥製品での非経口投与のために適用されてもよい。充填剤、緩衝剤や界面活性剤などのような適切な賦形剤を用いてもよい。
【0070】
治療的使用
本発明の一態様では、一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、多形、代謝産物、或いはその医薬組成物の、DPP−IV阻害から恩恵を受け得る疾患及び障害を治療又は予防するための医薬の製造における使用を提供する。
【0071】
また、本発明のその他の態様では、DPP−IV阻害から恩恵を受け得る疾患及び障害の治療方法を提供し、前記方法は、一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、多形、代謝産物、又はその医薬組成物を、必要となる個体へ投与することを含む。
【0072】
また、本発明のその他の態様では、DPP−IV阻害から恩恵を受け得る疾患及び障害を治療するための、一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、多形、代謝産物、又はその医薬組成物を提供する。
【0073】
前記DPP−IV阻害から恩恵を受け得る疾患又は障害は、インスリン抵抗性、高血糖症、II型糖尿病、糖尿病性脂質異常症、耐糖能異常(IGT)、空腹時血糖異常(IFG)、代謝性アシドーシス、ケトーシス、食欲調節、肥満、種々の癌、神経系障害、及び免疫系障害等からなる群より選ばれ、II型糖尿病又は肥満であることが好ましい。
【0074】
本発明に係る置換のアミノ六員ヘテロ脂環化合物は、優れたDPP−IV阻害活性を持っており、その活性がOmarigliptinの活性に匹敵したりより優れたりすると共に、優れた生体内代謝レベル及び非常に長い生体内半減期を有し、長時間作用型のDPP−IV阻害剤系医薬品である。
実施例
【0075】
以下、具体的な実施例に基づいて、当業者に本発明をより明確に理解させて実施することを目的とする。これらは、本発明の範囲に対して制限するものでなく、本発明の例示的な説明及び典型的な代表に過ぎないと理解されるべきである。当業者は、本発明の化合物を形成する他の合成経路もあり、以下に提供されるのが非制限的な実施例であると理解すべきである。
【0076】
容易に酸化されやすく、又は容易に加水分解されやすい原料の操作の全ては、いずれも窒素ガスの保護下で行われる。他に断らない限り、本発明に用いられる原料の全ては、市販で直接に購入されてさらなる精製なしに直接に用いられるものである。
【0077】
カラムクロマトグラフィは、青島化工有限公司に製造されたシリカゲル(200〜300メッシュ)を使用する。薄層クロマトグラフィは、E.Merck社に製造されたプレハブ板(シリカゲル60 PF
254、0.25mm)を使用する。キラル化合物分離及び鏡像体過剰率(ee)の測定には、Agilent LC 1200シリーズ(カラム:CHIRALPAK AD−H、φ4.6×250mm、5μm、30℃)を使用する。核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、核磁気共鳴分光計Varian VNMRS−400を用いて測定する。液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)は、FINNIGAN Thermo LCQ Advantage MAX、Agilent LC 1200シリーズ(カラム:Waters Symmetry C18、φ4.6×50mm、5μm、35℃)を用いてESI(+)イオンモードを採用する。
【0078】
中間体1: tert−ブチル[(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−オキソテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート
【化26】
【0079】
ステップ1: 2−(ジフェニルメチレンイミノ)メチルアセテート
グリシンメチルエステル塩酸塩(39.4g、0.314mol)をジクロロメタン300mLに溶解させ、撹拌しながら、ベンゾフェノンイミン(50.0g、0.276mol)を1回限りで加え、反応液を室温で1日間撹拌した。得られた固体を濾過により除去し、ろ液を水、炭酸ナトリウム溶液、飽和食塩水でそれぞれ洗浄し、蒸発により濃縮して油状物2−(ジフェニルメチレンイミノ)メチルアセテート(64.2g)を得、冷却した後固化し、そのまま次のステップにおける反応に用いる。収率:92%。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3):δ= 7.66 (2H, m), 7.45 (4H, m), 7.35 (2H, m), 7.17 (2H, m), 4.22 (2H, s), 3.74 (3H, s)。
【0080】
ステップ2: 2−(ジフェニルメチレンイミノ)−4−ペンチン酸メチル
撹拌しながら、2−(ジフェニルメチレンイミノ)メチルアセテート(64.2g、0.254mol)、臭化プロパルギル(27.8mL、0.322mol)、及び臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(8.66 g、26.9mmol)のメチルt−ブチルエーテル溶液(600mL)に炭酸セシウム(175.4g、0.538mol)を加えた。添加終了後、50℃で撹拌しながら2日間反応させた。得られた固体を濾過により除去し、少量のメチルt−ブチルエーテル(MTBE)でフィルターケーキを洗浄し、ろ液を300mLまで濃縮してそのまま次のステップにおける反応に用いる。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3):δ= 7.66 (2H, m), 7.45 (4H, m), 7.35 (2H, m), 7.17 (2H, m), 4.32(1H, m), 3.73 (3H, s), 2.83(2H, m), 1.95 (1H, s)。
【0081】
ステップ3: 2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−ペンチン酸
前記ステップで得られた濃縮溶液に1N塩酸280mLを加え、室温で2−(ジフェニルメチレンイミノ)−4−ペンチン酸メチルが消失することをTLCにより示したまで撹拌し、約12時間かかった。有機相を分離し、水相をメチルt−ブチルエーテルで抽出し、有機相を捨てた。水相に50%水酸化ナトリウム溶液(18.75N、0.712mol)を加え、2時間撹拌した。水50mLを加え、さらにBoc無水物(61.0 g、0.28 mol)のメチルt−ブチルエーテル溶液(200mL)を加えた。混合物を室温で6時間撹拌し、氷浴で冷却しながら10%塩酸でpH3まで酸性化した。有機相を分離し、水相をメチルt−ブチルエーテルで抽出し、有機相を合わせ、乾燥し濃縮して産物2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−ペンチン酸(38.8g)を得、2つのステップの収率が72%である。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3):δ= 7.65 (1H, brs), 5.36 (1H, d, J=8.0Hz), 4.52 (1H, m), 2.77 (2H, m), 2.08(1H, s), 1.46 (9H, s)。
【0082】
ステップ4: 2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−ペンチニルアシル−(N−メトキシ−N−メチル)アミン
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−ペンチン酸(20.22g、94.9mmol)をアセトニトリル(200mL)に溶解させ、さらに2−(7−アゾベンゾトリアゾール)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)(43.27g、113.9mmol)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(11.11g、113.9mmol)及びトリエチルアミン(46.2mL、332.2mmol)をそれぞれ加え、室温で2時間撹拌した。反応液を水1500mLに注ぎ、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合わせ、順次に1N塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥して濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5:1〜4:1)により精製して産物2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−ペンチニルアシル−(N−メトキシ−N−メチル)アミン(19.6g、収率81%)を得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3):δ= 5.45 (1H, d, J=8.0Hz), 4.82 (1H, m), 3.77(3H, s), 3.24(3H, s), 2.66 (2H, m), 2.04(1H, s), 1.45 (9H, s)。
【0083】
ステップ5: tert−ブチル[1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−オキソペンタ−4−イン−2−イル]カルバメート
2,5−ジフルオロブロモベンゼン(11.58g、60mmol)をトルエン25mLに溶解させ、−10℃〜−5℃まで冷却した。臭化リチウム(2.61g、30mmol)を加え、イソプロピルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(2M、33mL、66mmol)を、1.5時間以内に滴下し、低温で1時間撹拌した。2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−ペンチニルアシル−(N−メトキシ−N−メチル)アミン(7.68g、30mmol)をテトラヒドロフラン35mLに溶解させ、1時間以内に反応系に滴下し、室温まで徐々に昇温し、さらに室温で1時間撹拌した。反応液に3N塩酸22mLを滴下して反応をクエンチし、有機相を順次に水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥して濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)により精製して産物tert−ブチル[1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−オキソペンタ−4−イン−2−イル]カルバメート(6.07g、収率65%)を得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=7.56(1H, m), 7.26(1H, m), 7.15(1H, m), 5.68 (1H, d, J=7.6Hz), 5.24(1H, m), 2.91 (1H, m), 2.68 (1H, m), 1.99(1H, s), 1.45 (9H, s)。
【0084】
ステップ6: tert−ブチル[(1R,2S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−ヒドロキシルペンタ−4−イン−2−イル]カルバメート
tert−ブチル[1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−オキソペンタ−4−イン−2−イル]カルバメート(6.07g、19.7mmol)及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)(6.61g、59mmol)をテトラヒドロフラン70mLに溶解させ、窒素ガスを30分間通気させた。(パラシメン)((1R,2R)−N−パラトルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)ルテニウム(I)クロリド(63mg、0.1mmol)を加え、窒素ガス通気/真空引きを3回行い、窒素雰囲気下で溶液にギ酸(4.53g、98.5mmol)を滴下し、40℃で2日間撹拌した。ジクロロメタン200mLを加え、順次に5%クエン酸溶液、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥して濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=25:1〜8:1)により精製して産物tert−ブチル[(1R,2S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−ヒドロキシルペンタ−4−イン−2−イル]カルバメート(6.11g、収率100%)を得た。
【0085】
ステップ7: tert−ブチル[(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート
tert−ブチル[(1R,2S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−ヒドロキシルペンタ−4−イン−2−イル]カルバメート(6.11g、19.6mmol)を、DMF 60mLに溶解させ、窒素ガスを30分間通気させた。トリス(トリス(3−フルオロフェニル)ホスフィン)ロジウムクロリド触媒(427mg、0.393mmol)を加え、窒素ガス通気/真空引きを3回行い、窒素雰囲気下80℃で16時間撹拌した。冷却した後、水及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液をそれぞれ150mL加え、トルエンで抽出し、有機相を合わせ、水で数回洗浄し、乾燥して濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=30:1−25:1)により精製して産物tert−ブチル[(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート(4.89g、収率80%)を得た。
【0086】
ステップ8: tert−ブチル[(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート
tert−ブチル[(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート(2.81g、9.04mmol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解させ、−10℃まで冷却し、ボラン−ジメチルスルフィド錯体(2.26mL、22.6mmol)を滴下し、低温で2時間撹拌し、15℃まで昇温した。前記溶液に1N水酸化ナトリウム溶液(27.1mL、27.1mmol)を滴下し、過ホウ酸ナトリウム(4.17g、27.1mmol)を加え、一晩撹拌した。水100mLを加え、有機相を分離し、水相をジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせ、水で洗浄し、乾燥して濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=30:1〜12:1)により精製して産物tert−ブチル[(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート(2.33g、白色固体、収率78%)を得た。
【0087】
ステップ9: tert−ブチル[(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−オキソテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート
tert−ブチル[(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート(2.33g、7.08mmol)を、アセトニトリル24mLと、水4mLと、酢酸4mLとの混合溶液に溶解させ、塩化ルテニウム水和物(3.7mg、0.0142mmol)の水溶液(4mL)を加え、0℃まで冷却し、臭素酸ナトリウム(535mg、3.54mmol)を加え、原料の反応終了まで低温で約1.5時間撹拌した。溶液に水120mLを滴下し、0℃で一晩撹拌し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を水で洗浄し、乾燥して濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)により精製して中間体1のtert−ブチル[(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−オキソテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート(1.71g、白色固体、収率74%)を得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=7.22(1H, m), 7.00(1H, m), 4.82 (1H, m), 4.63 (1H, m), 4.29(1H, d, J=16.2Hz), 4.11(1H, d, J=16.4Hz), 4.05 (1H, m), 3.05(1H, m), 2.85 (1H, m), 1.30 (9H, s)。
【0088】
中間体2: 2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシドp−トルエンスルホネート
【化27】
【0089】
ステップ1: tert−ブチル[3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(2H)]カルボキシレート
tert−ブチル[4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(2H)]カルボキシレート(9.41g、45mmol)を、1,2−ジクロロエタン200mLに溶解させ、N−ヨードスクシンイミド(13.16g、58.5mmol)を加え、一晩還流した。溶剤を蒸留除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製してtert−ブチル[3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(2H)]カルボキシレート(4.66g、収率31%)を得た。MS m/z[ESI]:336.0[M+1]。
【0090】
ステップ2: tert−ブチル[2−(3−クロロプロピルスルホニル)−3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(2H)]カルボキシレート
tert−ブチル[3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(2H)]カルボキシレート(2.80g、8.36mmol)及びトリエチルアミン(1.69g、16.7mmol)を、テトラヒドロフラン(80mL)に溶解させ、−10℃まで冷却し、3−クロロプロピルスルホニルクロリド(1.77g、10mmol)を滴下し、低温で一晩撹拌した。水(100mL)を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機相を、順次にクエン酸溶液、水、塩水で洗浄し、乾燥蒸発により濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製してtert−ブチル[2−(3−クロロプロピルスルホニル)−3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(2H)]カルボキシレート(2.70g、収率68%)を得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3):δ= 4.675(2H, m), 4.35(2H, m), 3.68 (4H, m), 2.26(2H, m), 1.51 (9H, s)。
【0091】
ステップ3: 6−tert−ブトキシカルボニル−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド
tert−ブチル[2−(3−クロロプロピルスルホニル)−3−ヨード−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(2H)]カルボキシレート(230mg、0.48mmol)、亜鉛粉末(126mg、1.93mmol)、塩化亜鉛のテトラヒドロフラン溶液(0.5M、1.93mL、0.97mmol)及びテトラヒドロフラン(20mL)を、マイクロ波反応管に加え、窒素ガスを5分間通気した。窒素雰囲気下、100℃でマイクロ波加熱により1.5時間反応させた。冷却した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(56mg、0.048mmol)を加え、窒素ガスを5分間通気した。窒素雰囲気下、100℃で、マイクロ波加熱により2時間反応させた。ろ過し、ろ液を蒸発により濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離して産物6−tert−ブトキシカルボニル−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド(23mg、収率15%)を得た。MS m/z[ESI]:314.1[M+1]。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=4.36(2H, m), 4.11(2H, m), 3.70 (2H, m), 3.35 (2H, m), 2.26 (2H, m), 1.47 (9H, s)。
【0092】
ステップ4: 2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシドp−トルエンスルホネート
6−tert−ブトキシカルボニル−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド(46mg、0.15mmol)を、酢酸エチル1.5mLに溶解させ、p−トルエンスルホン酸(47mg、0.30mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。得られた固体を、ろ過して収集し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥させた後、産物2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシドp−トルエンスルホネート(48mg、収率83%)を得た。MS m/z[ESI]:214.1[M+1]。
1H−NMR (400 MHz, DMSO−d
6):δ=9.40(2H, brs), 7.48 (2H, d,J = 8.0 Hz),7.12 (2H, d,J = 8.0 Hz),4.27(2H, s), 4.08(2H, s), 3.77 (2H, t,J = 6.6 Hz), 3.45 (2H, t,J = 7.4 Hz), 2.29(3H, s), 2.16 (2H, m)。
【0093】
中間体3: 3−メチル−2,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール
【化28】
ステップ1: tert−ブチル[3−メチル−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(2H)]カルボキシレート
tert−ブチル[2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(2H)]カルボキシレート(3.0g、8.85mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(60mL)に溶解させ、−78℃まで冷却し、ブチルリチウムのテトラヒドロフラン溶液(2.4M、5.5mL、13.2mmol)を滴下し、低温で1.5時間撹拌した。ヨードメタン(1.90g、13.2mmol)を滴下し、低温で5時間撹拌した。室温まで昇温し、水(50mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥蒸発により濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製してtert−ブチル[3−メチル−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(2H)]カルボキシレート(1.5g、収率48%)を得た。MS m/z[ESI]:354.2[M+1]。
【0094】
ステップ2: 3−メチル−2,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール
tert−ブチル[3−メチル−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(2H)]カルボキシレート(1.1g、3.12mmol)を、エタノール20mLに溶解させ、1N塩酸(40mL)を加え、封管の中に90℃で3時間反応させた。冷却した後、水酸化ナトリウム溶液でpHを13に調節した。濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して産物3−メチル−2,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール(280mg、収率73%)を得た。MS m/z[ESI]:124.1[M+1]。
【0095】
中間体4: 5−メタンスルホニルイソインドリン塩酸塩
【化29】
ステップ1: 5−ブロモイソインドリン
4−ブロモフタルイミド(22.6g、100mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(250mL)に加え、ボラン−ジメチルスルフィド錯体(51mL、500mmol)を滴下し、室温で2時間撹拌し、さらに一晩還流した。冷却した後、メタノールを注意深く滴下して過剰のボランをクエンチした。蒸発により濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して5−ブロモイソインドリン(10.36g、収率52%)を得た。MS m/z[ESI]:198.0[M+1]。
【0096】
ステップ2: 5−ブロモ−2−tert−ブトキシカルボニルイソインドリン
5−ブロモイソインドリン(10.36g、52.3mmol)をジクロロメタン80mLに溶解させ、氷浴中で冷却した。Boc無水物(22.8g、104.6mmol)を滴下し、さらに炭酸ナトリウム(16.6g、156.9mmol)及び水(150mL)を加え、氷浴中で4時間撹拌した。有機相を分離し、塩水で洗浄した。濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して産物5−ブロモ−2−tert−ブトキシカルボニルイソインドリン(13.3g、収率85%)を得た。MS m/z[ESI]:298.0[M+1]。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3):δ= 7.37 (2H, m),7.11 (1H, m),4.62 (4H, m),1.51 (9H, s)
ステップ3: 5−メタンスルホニル−2−tert−ブトキシカルボニルイソインドリン
5−ブロモ−2−tert−ブトキシカルボニルイソインドリン(5.96g、20mmol)、メチルスルフィン酸ナトリウム(90%、2.94g、26mmol)、ヨウ化第一銅(762mg、4mmol)、及びL−プロリン(920mg、8mmol)を、ジメチルスルホキシド(80mL)に加え、窒素ガスを通気して空気を除去し、120℃で2日間撹拌した。冷却した後、水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥蒸発により濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して5−メタンスルホニル−2−tert−ブトキシカルボニルイソインドリン(5.46g、収率92%)を得た。MS m/z[ESI]:298.1[M+1]。
【0097】
ステップ4: 5−メタンスルホニルイソインドリン塩酸塩
5−メタンスルホニル−2−tert−ブトキシカルボニルイソインドリン(5.46g、18.4mmol)を、メタノール/ジクロロメタン(1:1、80mL)に溶解させ、塩化水素ガスを飽和まで通気し、室温で1時間撹拌した。エチルエーテル800mLに注ぎ、ろ過して沈殿を収集し、エチルエーテルで洗浄し、乾燥して産物5−メタンスルホニルイソインドリン塩酸塩(3.44g、収率80%)を得た。MS m/z[ESI]:198.0[M+1]。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3):δ= 7.82 (1H, s),7.81 (1H, d,J = 8.0 Hz),7.43 (1H, d,J = 8.0 Hz),4.31 (4H, s),3.05 (3H, s),2.30 (2H, brs)
【0098】
中間体5: 5−メチルスルホンアミドイソインドリン
【化30】
ステップ1: 1−オキソ−5−メチルスルホンアミドイソインドリン
5−アミノイソインドリン−1−ケトン(444mg、3mmol)を、ピリジン15mLに溶解させ、メタンスルホニルクロリド(378mg、3.3mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。溶剤を蒸留除去した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して1−オキソ−5−メチルスルホンアミドイソインドリン(610mg、収率90%)を得た。MS m/z[ESI]:227.0[M+1]。
【0099】
ステップ2: 5−メチルスルホンアミドイソインドリン
1−オキソ−5−メチルスルホンアミドイソインドリン(610mg、2.7mmol)を、テトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、ボランのテトラヒドロフラン溶液(1M、8.1mL、8.1mmol)を加え、室温で2時間撹拌し、さらに一晩還流した。冷却した後、メタノールを注意深く滴下して過剰のボランをクエンチした。蒸発により濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して5−メチルスルホンアミドイソインドリン(315mg、収率55%)を得た。MS m/z[ESI]:213.1[M+1]。
【0100】
中間体6: 4−クロロ−5−メタンスルホニルイソインドリン
【化31】
【0101】
ステップ1: 4−クロロ−5−アミノイソインドリン−1−ケトン
5−アミノイソインドリン−1−ケトン(2.96g、20mmol)を、クロロホルム(50mL)に加え、さらにN−クロロスクシンイミド(2.67g、20mmol)を加え、2時間還流撹拌した。蒸発により濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して4−クロロ−5−アミノイソインドリン−1−ケトン(2.58g、収率70%)を得た。MS m/z[ESI]:183.0[M+1]。
【0102】
ステップ2: 4−クロロ−5−ヨードイソインドリン−1−ケトン
4−クロロ−5−アミノイソインドリン−1−ケトン(2.58g、14mmol)を、2M硫酸15mLに加え、氷浴中で冷却した。亜硝酸ナトリウム(0.97g、28mmol)及び水(1.5mL)からなる溶液を滴下し、低温で30分間撹拌した。さらにヨウ化カリウム(11.62g、70mmol)を加え、氷浴中で2時間撹拌し、室温で2時間撹拌した。ジクロロメタンで抽出し、有機相を水で洗浄し、塩水で洗浄した。濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して産物4−クロロ−5−ヨードイソインドリン−1−ケトン(2.48g、収率60%)を得た。MS m/z[ESI]:293.9[M+1]。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3):δ= 8.01 (1H, d,J = 8.0 Hz),7.49 (1H, d,J = 8.0 Hz),4.44 (4H, m)。
【0103】
ステップ3: 4−クロロ−5−メタンスルホニルイソインドリン−1−ケトン
4−クロロ−5−ヨードイソインドリン−1−ケトン(1.76g、6mmol)、メチルスルフィン酸ナトリウム(90%、0.884g、7.8mmol)、ヨウ化第一銅(229mg、1.2mmol)、及びL−プロリン(276mg、2.4mmol)を、ジメチルスルホキシド(25mL)に加え、窒素ガスを通気して空気を除去し、110℃で2日間撹拌した。冷却した後、水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥蒸発により濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して4−クロロ−5−メタンスルホニルイソインドリン−1−ケトン(1.03g、収率70%)を得た。MS m/z[ESI]:246.0[M+1]。
【0104】
ステップ4: 4−クロロ−5−メタンスルホニルイソインドリン
4−クロロ−5−メタンスルホニルイソインドリン−1−ケトン(249mg、1mmol)を、テトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、ボランのテトラヒドロフラン溶液(1M、4mL、4mmol)を加え、室温で2時間撹拌し、さらに一晩還流した。冷却した後、メタノールを注意深く滴下して過剰のボランをクエンチした。蒸発により濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して4−クロロ−5−メタンスルホニルイソインドリン(170mg、収率73%)を得た。MS m/z[ESI]:232.0[M+1]。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3):δ= 8.08 (1H, d,J = 8.0 Hz),7.32 (1H, d,J = 8.0 Hz),4.30 (4H, m),3.32 (3H, s), 2.80(1H, brs)。
【0105】
中間体7: イソインドリン−5−スルホンアミド
【化32】
【0106】
ステップ1: 1−オキソイソインドリン−5−スルホニルクロリド
5−アミノイソインドリン−1−ケトン(5.92g、40mmol)を、濃塩酸/氷酢酸(13.3/4.0mL)の混合溶剤に加え、氷浴中で冷却した。亜硝酸ナトリウム(3.04g、28mmol)及び水(4.4mL)からなる溶液を滴下し、低温で30分間撹拌した。同時に、別のフラスコに氷酢酸を加え、二酸化硫黄を飽和まで通気し、塩化第一銅(0.99g、10mmol)を加え、固体をほとんど完全に溶解させたまで撹拌しながら二酸化硫黄を通気して続けた。前記のように得られたジアゾニウム塩溶液をゆっくりと滴下し、低温で半時間撹拌し、室温で1時間撹拌した。ジクロロメタン抽出し、水で洗浄して乾燥し、遠心脱水して1−オキソイソインドリン−5−スルホニルクロリド(8.33g、収率90%)を得た。MS m/z[ESI]:232.0[M+1]。
【0107】
ステップ2: 1−オキソイソインドリン−5−スルホンアミド
1−オキソイソインドリン−5−スルホニルクロリド(463mg、2mmol)を、アセトニトリル20mLに加えた。濃アンモニア水(1mL、12mmol)を滴下し、3時間撹拌した。6N塩酸で中性になるまで中和した。回転蒸発によりアセトニトリルを除去し、残留物に水を加えてろ過し、フィルターケーキを水、酢酸エチルで洗浄し、乾燥して産物1−オキソイソインドリン−5−スルホンアミド(288mg、収率68%)を得た。MS m/z[ESI]:213.0[M+1]。
【0108】
ステップ3: イソインドリン−5−スルホンアミド
1−オキソイソインドリン−5−スルホンアミド(288mg、1.36mmol)を、テトラヒドロフラン(15mL)に溶解させ、ボランのテトラヒドロフラン溶液(1M、6.8mL、6.8mmol)に加え、室温で2時間撹拌し、さらに一晩還流した。冷却した後、メタノールを注意深く滴下して過剰のボランをクエンチした。蒸発により濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製してイソインドリン−5−スルホンアミド(162mg、収率60%)を得た。MS m/z[ESI]:199.0[M+1]。
【0109】
中間体8: 5−シクロプロピルスルホニルイソインドリン塩酸塩
【化33】
ステップ1: 5−シクロプロピルスルホニル−2−tert−ブトキシカルボニルイソインドリン
5−ブロモ−2−tert−ブトキシカルボニルイソインドリン(2.98g、10mmol)、シクロプロピルスルフィン酸ナトリウム(90%、1.85g、13mmol)、ヨウ化第一銅(381mg、2mmol)及びL−プロリン(460mg、4mmol)を、ジメチルスルホキシド(40mL)に加え、窒素ガスを通気して空気を除去し、110℃で2日間撹拌した。冷却した後、水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥蒸発により濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して5−シクロプロピルスルホニル−2−tert−ブトキシカルボニルイソインドリン(2.30g、収率71%)を得た。MS m/z[ESI]:324.1[M+1]。
【0110】
ステップ4: 5−シクロプロピルスルホニルイソインドリン塩酸塩
5−シクロプロピルスルホニル−2−tert−ブトキシカルボニルイソインドリン(2.30g、7.1mmol)を、メタノール/ジクロロメタン(1:1、40mL)に溶解させ、塩化水素ガスを飽和まで通気し、室温で2時間撹拌した。エチルエーテル250mLに注ぎ、ろ過して沈殿を収集し、エチルエーテルで洗浄し、乾燥して産物5−シクロプロピルスルホニルイソインドリン塩酸塩(1.85g、収率100%)を得た。MS m/z[ESI]:224.1[M+1]。
【0111】
実施例1: (2R,3S,5R)−5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
【化34】
【0112】
ステップ1: tert−ブチル{(2R,3S,5R)−5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバメート
【化35】
tert−ブチル[(2R,3S)−2−(2,5−ジ−フルオロフェニル)−5−オキソテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート(48mg、0.146mmol)、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシドp−トルエンスルホネート(48mg、0.13mmol)、及びトリエチルアミン(10mg、0.1mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミド(2mL)に加え、室温で3時間撹拌した。氷浴中で冷却し、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(87mg、0.39mmol)を加え、室温まで徐々に昇温し、一晩撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥して濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製してtert−ブチル{(2R,3S,5R)−5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバメート(48mg、収率71%)を得た。MS m/z[ESI]:525.2[M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=7.20 (1H,m), 6.98 (2H,m) 4.53 (1H,m), 4.16 (4H,m), 4.02 (2H,m), 3.64 (2H,m), 3.32 (3H,m), 2.80 (2H,m), 2.56 (2H,m), 2.39 (1H,m), 1.45(1H,m), 1.26 (9H,s)。
【0113】
ステップ2: (2R,3S,5R)−5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
【化36】
tert−ブチル{5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバメート((45mg、0.086mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物(75mg、0.43mmol)を、ジクロロメタン(1mL)に加え、室温で一晩撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、乾燥まで溶剤を回転蒸発し、カラムクロマトグラフィーにより精製して(2R,3S,5R)−5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン(15mg、収率42%)を得た。MS m/z [ESI]: 425.1[M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=7.14 (1H,m), 7.01 (2H,m), 4.18 (4H,m), 4.03 (2H,m), 3.66 (2H,m), 3.32 (3H,m), 2.80 (2H,m), 2.56 (2H,m), 2.35 (1H,m), 1.38(1H,m), 1.26 (2H,brs)。
【0114】
実施例2: 5−((3R,5S,6R)−5−アミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−3−メチル−1−メタンスルホニル−1,4, 5, 6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール
【化37】
ステップ1: 5−((3R,5S,6R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−3−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール
【化38】
tert−ブチル[(2R,3S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−オキソテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート(327mg、1mmol)、3−メチル−2,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール(123mg、1mmol)、及び氷酢酸(30mg、0.5mmol)を、1,2−ジクロロエタン(10mL)に加え、室温で2時間撹拌した。氷浴中で冷却し、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(672mg、3mmol)を加え、室温まで徐々に昇温し、一晩撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥して濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して5−((3R,5S,6R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−3−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール(145mg、収率33%)を得た。MS m/z[ESI]:435.2[M+1]。
【0115】
ステップ2: 5−((3R,5S,6R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−3−メチル−1−メタンスルホニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール
【化39】
5−((3R,5S,6R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−3−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール((145mg、0.33mmol)、トリエチルアミン(53mg、0.53mmol)を、テトラヒドロフラン(10mL)に加え、氷浴中で冷却し、メタンスルホニルクロリド(49mg、0.43mmol)を加え、撹拌しながら2時間反応させた。水中に注ぎ、ジクロロメタンを加えて抽出し、有機相を乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより精製して5−((3R,5S,6R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−3−メチル−1−メタンスルホニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール(16mg、収率9.5%)を得た。MS m/z[ESI]:513.2[M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ= 7.21 (1H,m), 6.96 (2H,m), 4.52 (1H,m), 4.37−4.20 (2H,m), 4.08 (2H,m),3.75 (3H,m), 3.39 (1H,m), 3.28 (3H,s), 3.07 (1H,m), 2.48 (1H,m), 2.26 (3H,s),1.53 (1H,m), 1.27 (9H,s)。
【0116】
ステップ3: 5−((3R,5S,6R)−5−アミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−3−メチル−1−メタンスルホニル−1,4, 5, 6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール
【化40】
5−((3R,5S,6R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−3−メチル−1−メタンスルホニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール((16mg、0.031mmol)、ベンゼンスルホン酸(20mg、0.125mmol)を、ジクロロメタン(0.7mL)に加え、室温で一晩撹拌した。トリエチルアミン(23mg、0.228mmol)を加え、乾燥まで溶剤を回転蒸発し、カラムクロマトグラフィーにより精製して5−((3R,5S,6R)−5−アミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−3−メチル−1−メタンスルホニル−1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール(1.7 mg、収率13%)を得た。MS m/z [ESI]: 413.2[M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=7.16 (1H,m), 7.01 (2H,m), 4.30 (1H,m), 4.22(1H,m), 4.10 (1H,m), 3.90−3.70 (3H,m), 3.42 (1H,m), 3.27 (3H,s), 3.02(2H,m), 2.48 (2H,m), 2.26 (3H,s), 2.00 (1H,m),1.60 (1H,m)。
【0117】
実施例3: 5−((3R,5S,6R)−5−アミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピロール−2−カルボン酸
【化41】
ステップ1: 5−((3R,5S,6R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)− 5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピロール−2−カルボン酸
【化42】
実施例1におけるステップ1の方法を参照し、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシドp−トルエンスルホネートの代わりに、5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピロール−2−カルボン酸塩酸塩(市販)を用いて目的化合物(収率44%)を得た。MS m/z[ESI]:481.1[M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=9.22(1H,s), 7.56 (1H,s), 7.11 (1H,m), 6.96 (2H,m), 4.55 (1H,m), 4.30 (2H,m), 4.12 (2H,m), 3.96(2H,m), 3.80 (1H,m), 3.47 (1H,m), 3.05 (1H,m), 2.52 (1H,m), 1.58 (1H,m), 1.26 (9H,s)。
【0118】
ステップ2: 5−((3R,5S,6R)−5−アミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピロール−2−カルボン酸
【化43】
実施例1におけるステップ2の方法を参照し、tert−ブチル{5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバメートの代わりに、5−((3R,5S,6R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピロール−2−カルボン酸を用いて目的化合物(収率61%)を得た。MS m/z [ESI]: 381.1[M+1] 。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6):δ=7.35−7.10 (3H,m), 7.06 (1H,s), 4.12(2H,m), 3.90(2H,m), 3.76 (2H,m), 3.23 (1H,m), 2.82 (2H,m), 2.28 (1H,m), 1.37 (1H,m)。
【0119】
実施例4: (2R,3S,5R)−5−(5−メタンスルホニルイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
【化44】
ステップ1: tert−ブチル[(2R,3S,5R)−5−(5−メタンスルホニルイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート
【化45】
実施例1におけるステップ1の方法を参照し、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシドp−トルエンスルホネートの代わりに、5−メタンスルホニルイソインドリン塩酸塩を用いて目的化合物(収率54%)を得た。MS m/z[ESI]:509.2[M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=7.83 (1H,d,J=8.0Hz), 7.82 (1H,s), 7.42 (1H,d,J=8.0Hz), 7.24 (1H,m), 6.97 (2H,m), 4.50 (1H,m), 4.32 (2H,m), 4.08 (4H,m), 3.80 (1H,m), 3.43 (1H,t,J=10.6Hz), 3.04 (3H,s), 2.95 (1H,m), 2.54 (1H,m), 1.54 (1H,m), 1.28 (9H,s)。
【0120】
ステップ2: (2R,3S,5R)−5−(5−メタンスルホニルイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
【化46】
実施例1におけるステップ2の方法を参照し、tert−ブチル{5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバメートの代わりに、tert−ブチル[(2R,3S,5R)−5−(5−メタンスルホニルイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメートを用いて目的化合物(収率68%)を得た。MS m/z [ESI]: 409.1[M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=7.83 (1H,d,J=8.0Hz), 7.82 (1H,s), 7.42 (1H,d,J=8.0Hz), 7.17 (1H,m), 7.02 (2H,m), 4.28 (1H,m), 4.24 (2H,d,J=9.6Hz), 4.09 (4H,m), 3.45 (1H,m), 3.04 (3H,s), 2.92 (2H,m), 2.49 (1H,m), 1.47 (1H,m),1.30 (2H,brs)。
【0121】
実施例5: (2R,3S,5R)−5−(5−メチルスルホンアミドイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
【化47】
ステップ1: tert−ブチル[(2R,3S,5R)−5−(5−メチルスルホンアミドイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート
【化48】
実施例1におけるステップ1の方法を参照し、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシドp−トルエンスルホネート代わりに、5−メチルスルホンアミドイソインドリンを用いる(収率50%)。MS m/z[ESI]:524.2[M+1]。
【0122】
ステップ2: (2R,3S,5R)−5−(5−メチルスルホンアミドイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
【化49】
実施例1におけるステップ2の方法を参照し、tert−ブチル{5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバメートの代わりに、tert−ブチル[(2R,3S,5R)−5−(5−メチルスルホンアミドイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメートを用いて目的化合物(収率57%)を得た。MS m/z [ESI]: 424.1[M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=7.24 (1H,m), 7.17 (1H,m), 7.07−6.90 (4H,m), 5.35(1H,s), 4.35−4.20 (2H,m), 4.08 (4H,m), 3.65 (2H,m), 3.00 (3H,s), 2.82 (1H,m), 2.32(1H,m), 1.47 (1H,m),1.25 (2H,brs)。
【0123】
実施例6: (2R,3S,5R)−5−(5−ブロモイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
【化50】
ステップ1: tert−ブチル[(2R,3S,5R)−5−(5−ブロモイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート
【化51】
実施例1におけるステップ1の方法を参照し、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシドp−トルエンスルホネートの代わりに、5−ブロモイソインドリンを用いて目的化合物(収率62%)を得た。MS m/z[ESI]:509.1[M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=7.36 (1H,s),7.34 (1H,d,J=8.0Hz), 7.23 (1H,m), 7.09 (1H,d,J=8.0Hz), 6.97 (2H,m), 4.49 (1H,m), 4.30 (2H,m), 3.94 (4H,m), 3.79 (1H,m),3.42 (1H,t,J=10.8Hz), 2.92 (1H,m), 2.52 (1H,d,J=10.8Hz), 1.54 (1H,m), 1.27 (9H,s)。
【0124】
ステップ2: (2R,3S,5R)−5−(5−ブロモイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
【化52】
実施例1におけるステップ2の方法を参照し、tert−ブチル{5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバメートの代わりに、tert−ブチル[(2R,3S,5R)−5−(5−ブロモイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメートを用いて目的化合物(収率69%)を得た。MS m/z [ESI]: 409.1[M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=7.37 (1H,s),7.34 (1H,d,J=8.0Hz), 7.15 (1H,m), 7.10 (1H,d,J=8.0Hz), 7.02 (2H,m), 4.27 (1H,m), 4.22 (1H,d,J=9.2Hz), 3.99 (4H,m), 3.79 (1H,m),3.42 (1H,t,J=10.8Hz), 2.87 (2H,m), 2.47 (1H,d,J=10.8Hz), 1.48 (1H,m),1.32 (2H,brs)。
【0125】
実施例7: (2R,3S,5R)−5−(4−クロロ−5−メタンスルホニルイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
【化53】
ステップ1: tert−ブチル[(2R,3S,5R)−5−(4−クロロ−5−メタンスルホニルイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート
【化54】
実施例1におけるステップ1の方法を参照し、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシドp−トルエンスルホネートの代わりに、4−クロロ−5−メタンスルホニルイソインドリンを用いて目的化合物(収率56%)を得た。MS m/z[ESI]:543.1[M+1]。
【0126】
ステップ2: (2R,3S,5R)−5−(4−クロロ−5−メタンスルホニルイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
【化55】
実施例1におけるステップ2の方法を参照し、tert−ブチル{5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバメートの代わりに、tert−ブチル[(2R,3S,5R)−5−(4−クロロ−5−メタンスルホニルイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメートを用いて目的化合物(収率47%)を得た。MS m/z [ESI]: 443.1[M+1] 。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=8.06 (1H,d,J=7.6Hz), 7.33 (1H,d,J=7.6Hz), 7.19 (1H,m), 6.99 (2H,m), 4.69 (1H,m), 4.22 (4H,m), 3.71 (1H,m), 3.33(1H,m), 3.27 (3H,s), 2.91 (1H,m), 2.61 (2H,m), 1.52 (1H,m),1.32 (2H,brs)。
【0127】
実施例8: 2−((3R,5S,6R)−5−アミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)イソインドリン−5−スルホンアミド
【化56】
ステップ1: 2−((3R,5S,6R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)イソインドリン−5−スルホンアミド
【化57】
実施例1におけるステップ1の方法を参照し、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシドp−トルエンスルホネートの代わりに、イソインドリン−5−スルホンアミド塩酸塩を用いて目的化合物(収率46%)を得た。MS m/z[ESI]:510.2[M+1]。
【0128】
ステップ2: 2−((3R,5S,6R)−5−アミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)イソインドリン−5−スルホンアミド
【化58】
実施例1におけるステップ2の方法を参照し、tert−ブチル{5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバメートの代わりに、2−((3R,5S,6R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)イソインドリン−5−スルホンアミドを用いて目的化合物(収率37%)を得た。MS m/z [ESI]: 410.1[M+1] 。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=7.81 (1H,d,J=7.6Hz), 7.80 (1H,s), 7.37 (1H,d,J=7.6Hz), 7.17 (1H,m), 7.02 (2H,m), 4.79(2H,brs), 4.28 (1H,d,J=9.6Hz), 4.23 (1H,d,J=9.6Hz), 4.07 (4H,m), 3.43 (1H,t,J=10.8Hz), 2.90 (2H,m), 2.49 (1H,m), 1.49 (1H,m),1.31 (2H,brs)。
【0129】
実施例9: (2R,3S,5R)−5−(5−シクロプロピルスルホニルイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
【化59】
ステップ1: tert−ブチル[(2R,3S,5R)−5−(5−シクロプロピルスルホニルイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメート
【化60】
実施例1におけるステップ1の方法を参照し、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシドp−トルエンスルホネートの代わりに、5−シクロプロピルスルホニルイソインドリン塩酸塩を用いて目的化合物(収率53%)を得た。MS m/z[ESI]:535.2[M+1]。
【0130】
ステップ2: (2R,3S,5R)−5−(5−シクロプロピルスルホニルイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−アミン
【化61】
実施例1におけるステップ2の方法を参照し、tert−ブチル{5−(2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3′,4′:3,4]ピラゾロ[1,5−b][1,2]チアジン−1,1−ジオキシド−6−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバメートの代わりに、tert−ブチル[(2R,3S,5R)−5−(5−シクロプロピルスルホニルイソインドリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバメートを用いて目的化合物(収率80%)を得た。MS m/z [ESI]: 435.2[M+1] 。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ=7.77 (1H,d,J=8.0Hz), 7.76 (1H,s), 7.42 (1H,d,J=8.0Hz), 7.17 (1H,m), 7.02 (2H,m), 4.30 (2H,m), 4.10 (4H,m), 3.54 (1H,t,J=10.8Hz), 3.24(1H,m),2.95 (2H,m), 2.45 (1H,m), 1.52 (1H,m),1.28 (2H,brs),1.05 (2H,m),0.87 (2H,m)。
【0131】
生物学的実験例1: DPP−IV阻害活性の測定
本発明の化合物の血漿におけるDPP−IVに対する阻害活性を下記方法で測定し、当該阻害活性はIC
50値で示され、IC
50はDPP−IVの活性が50%阻害された際の化合物の濃度である。
【0132】
材料及び方法:
材料:
a. 白色384ウェルプレート (Perkin Elmer、Catalog No.607290/99)
b. HEPES緩衝液: 1MのHEPES緩衝液(Invitrogen,Catalog No.15630−080)を用いて0.5MのHEPES緩衝液50mLを調製し、すなわち、1MのHEPES緩衝液25mLを取ってddH
2O(再蒸留水)の適量を加え、NaOHでpHを7.8に調節し、最後に50mLになるまでddH
2Oを加える。
c. ラット血漿: ラットの目縁から採血し、抗凝固のためにヘパリンを加え、4000 rpmで10分間遠心し、上澄みの血漿を取ってDPP−IVの酵素源とする。
d. DPP−IV酵素反応基質H−Gly−Pro−AMC(グリシン−プロリン−7−アミノ−4−メチルクマリン): 本発明の発明人らにより合成され、DMSOに溶解されて母液100mMを形成する。
e. 1M MgCl
2
f. 1.5M NaCl
g. 10% BAS
h. DMSO
i. ddH
2O
j. 被検化合物:陽性対照化合物Omarigliptin及び一部の本発明実施例の化合物
【0133】
下記のような操作ステップによって行う。
1. DPP−IV酵素反応緩衝液の調製: 50mMのHEPES(pH=7.8)、80mMのMgCl
2、150mMのNaCl、1%のBSAを、氷上に置いて用意し、
2. DMSOで被検化合物を10mMから1mM(最終濃度の100倍)に希釈し、その後、96ウェルプレートに3倍段階希釈し、合計で11個の濃度にし、第12ウェルにDMSOを加えて空白対照とし、そして酵素反応緩衝液で25倍希釈して最終濃度の4倍で用意し、
3. DPP−IV酵素反応基質H−Gly−Pro−AMCを解凍し、酵素反応緩衝液で160μM(4倍の最終濃度)に希釈し、そして氷上に置いて用意し、
4. ラット血漿を解凍し、酵素反応緩衝液で100倍(2倍の最終濃度)希釈し、そして氷上に置いて用意し、
5. 384ウェルプレート中に被検化合物(4倍の最終濃度)5μLを加え、その後、ラット血漿(2倍の最終濃度)10μLを加え、遠心分離して均一に混合し、
6. 酵素反応基質H−Gly−Pro−AMC(4倍の最終濃度)5μLを加え、遠心分離して均一に混合し、シーリングフィルムで384ウェルプレートを封止し、
7. インキュベータ(22〜23℃)において1時間インキュベートし、
8. FlexStationI3 (Molecular devices)マイクロプレートリーダーによる反応の蛍光信号の読み取り: 380 nmで励起し、460 nm波長の発光スペクトルを読み取り、
9. 化合物のDPP−IVを阻害するIC
50の生成: GraFit6ソフトウェアで化合物のIC
50値を計算する。
【0135】
生物学的実験例2: 薬物動態学的パラメータの測定
本発明に係る化合物の薬物動態学的パラメータは、下記方法により測定される。
【0136】
当該研究には、7〜9週齢の健常な雄性成体ラットが用いられる。各群の動物(3匹の雄ラット)に、用量5mg/kgで単回胃内投与し、胃内投与群の動物を実験前に一晩絶食させ、絶食時間は投与前10時間〜投与後4時間である。
【0137】
投与後0.25、0.5、1、2、4、6、8及び24時間で採血した。小動物麻酔機を用いてイソフルランで麻酔した後、眼底静脈叢により全血0.3mLを取り、ヘパリン抗凝固管に入れ、サンプルを4℃、4000rpmで5分間遠心し、血漿を遠心管へ移動し、そして−80℃に置いて分析までに保存した。
【0138】
血漿サンプルの分析には、検証された液体クロマトグラフ/タンデム型質量分析法(LC−MS/MS)を用いられた。個体の動物の血漿濃度−時間データは、WinNonlin(プロフェッショナル版、バージョン6.3、Pharsight社)ソフトウェアで分析された。ノンコンパートメントモデルは、濃度分析に用いられた。化合物の薬物動態学的パラメータを計算し、データを下記表2に示した。
【0140】
生物学的実験例3: CYP酵素系の阻害IC
50の測定
本発明の化合物のCYP酵素系を阻害するIC
50は、下記方法により測定された。
【0141】
冷蔵庫において−80℃で凍結されたヒト肝ミクロソームを氷上に置いて解凍し、解凍直後に、直ちに100μLを取って60℃、100rpmの恒温発振器に置いて(1時間)インキュベートし、残りの肝ミクロソームを直ちに冷蔵庫において−80℃で凍結させた。1時間後、不活性化された肝ミクロソーム100μLを取ってリン酸塩緩衝液400μLを加えて4mg/mLの不活性化された肝ミクロソーム溶液になるように均一に混合し、また、冷蔵庫において−80℃で凍結されたヒト肝ミクロソームを氷上に置いて解凍させ、解凍直後に100μLを取ってリン酸塩緩衝液400μLを加えて4mg/mLの肝ミクロソーム溶液になるように均一に混合し、下記表3に基づいて陽性対照及び被検物(被検化合物)、並びに陰性対照のインキュベーション混合液を並列に調製した。
【0142】
【表3】
混合液を37℃、100rpmの恒温発振器に置いて5分間インキュベートした。
【0143】
被検物又は陽性対照ワーキング溶液(陰性対照に被検物ワーキング溶液を加えた)2.5μLを取って、インキュベーション混合液91.5μL、NADPH溶液6μLを加え、ボルテックス(Vortex)して反応を開始し、溶液を37℃、100rpmの恒温発振器に置いてインキュベートし、インキュベーション時間は、下記表4に示した。
【0144】
【表4】
相応の時間でインキュベートした後、内部標準液(CYP2C19の内部標準液は100ng/mLクロラムフェニコールのアセトニトリル溶液であり、残りの内部標準液は250ng/mLワルファリン、500ng/mLプロプラノロールのアセトニトリル溶液である)200μLを加えて反応を終止させ、反応終止のサンプルを12000rpmで10分間遠心し、上澄み液を取って検出した。
【0145】
データの処理は、Analyst1.4.2又はそれと同等のソフトウェアを用いる。積分を検出して全てのピークが適当に積分することを確保し、必要に応じて積分パラメータを調整する。
【0146】
分析物の定量は、分析物のピーク面積と内部標準のピーク面積との比として定義される。液体クロマトグラフ/タンデム型質量分析法(LC−MS/MS)により分析する。Graphpad Prism(バージョン5.03)ソフトウェアでIC
50等のパラメータを計算し、結果は下記表5に示した。
【0148】
生物学的実験例4: 肝ミクロソーム代謝安定性
本発明の化合物の肝ミクロソーム代謝安定性は、下記方法により測定された。
【0149】
ヒト肝ミクロソーム8μL(20mg/mL)、NADPH 20μL、0.1Mのリン酸塩緩衝液368μLを取って混合し、37℃において5分間プレインキュベートした。それぞれ、分析ワーキング溶液(被検物又は陽性対照)4μLを加え、37℃で0、10、20、30、45及び60分間プレインキュベートし、各時間点において、インキュベーション溶液50μLを取って、内部標準液(0.25Mワルファリン)含有アセトニトリル150μLを加え、ラット肝ミクロソーム(20mg/mL)、NADPH 10μL、0.1Mのリン酸塩緩衝液184μLを取って混合し、37℃で5分間プレインキュベートした。それぞれ、分析ワーキング溶液(被検物又は陽性対照)2μLを加え、37℃で0、10、20、30、45及び60分間プレインキュベートし、各時間点において、インキュベーション溶液20μLを取って、内部標準液(0.25Mワルファリン)含有アセトニトリル180μLを加えた。全てのサンプルをボルテックスした後、4000rpmで15分間遠心し、そして上澄み液150μLを取って96ウェルプレートに加えた。5μLを取ってLC/MS/MSシステムに入れて検出した。分析クロマトグラフィーカラムはC18 1.7μm 2.1×50mm (Waters)である。三連四重極型質量分析計(API4000、AB社)を用いて検出した。陽イオンモードでCT−1225のピーク面積と内部標準のピーク面積との比値を検出した。半減期値は被検物/内部標準のピーク面積と時間との比値である。結果のデータは下記表6に示した。
【0151】
生物学的実験例5: ob/obマウス血清のDPP−IV活性に対する単回投与の阻害作用
雌ob/obマウス36匹は、ランダムに6匹づつ、それぞれモデル対照群、実施例4の化合物1mg/kg群、実施例4の化合物3mg/kg群、実施例4の化合物10mg/kg群、実施例4の化合物30mg/kg群、及び陽性対照Omarigliptin30mg/kg群という6群に分けられた。各群のマウスに、異なる用量の実施例4の化合物又はOmarigliptinを経口投与し、モデル対照群に0.25% CMC−Naを経口投与し、投与前にも、投与後の2、4、10、24、34、48、58、72及び96h時間点にも採血し、血清を分離して血清DPP−IVの活性を測定した。
【0152】
血清DPP−IV活性の測定方法:血清サンプル5μLを取って、80mMのMgCl
2緩衝液45μLを加え、均一に混合し、室温で5分間プレインキュベートし、0.1mMの反応基質Gly−Pro−7−AMC 10μL及び緩衝液40μLを加え、遮光下で均一混合した後、3分間おきに蛍光測定(励起波380nm/発光波460nm)を1回行い、18分間まで合計6回測定し、測定結果により空白の背景をマイナスした後、時間−蛍光値曲線を作り、傾きを得て活性値とし、投与前0hの時の血清DPP−IV活性値を100%とし、下記式によって投与後の各時間点での血清DPP−IVの比活性値(specific activity)を計算し、比活性値(%)=投与後の活性値/投与前の活性値×100%である。
【0153】
試験結果:異なる用量の実施例4の化合物をob/obマウスに単回経口投与した後、血清DPP−IV活性が有意に阻害され、用量・時間依存性を示した。実施例4の化合物1mg/kgを投与した後、10h以内でマウス血清DPP−IV活性の阻害率が70%より高く、実施例4の化合物3mg/kgを投与した後、24h以内で血清DPP−IV活性の阻害率が70%より高く、実施例4の化合物10mg/kgを投与した後、34h以内で血清DPP−IV活性の阻害率が70%より高く、かつ、実施例4の化合物30mg/kgを投与した後、72h以内で血清DPP−IV活性の阻害率がいずれも70%以上に維持された。陽性対照Omarigliptin30mg/kg群のマウスは、投与後の34h以内で血清DPP−IV活性の阻害率が70%より高くなった。