(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
TSV(Through-Silicon Via)による三次元積層をWafer On Waferで行う場合、ウェーハ全体の反り(平面からの変形)は大きな問題となる。特に、はんだ接続のためにリフロー炉で加熱するため、熱による変形挙動を知ることはさらに重要であり、計測装置の実現が急務となっている。
【0003】
ウェーハをはじめとする半導体製品で使用される平面基板の反りは、三次元的な変形であり、いわゆる三次元計測が必要である。三次元計測の手法は数多く存在するが、大型の基板を計測する必要があることから高速性も必要であり三次元計測の中でも非接触計測法に限られる。
【0004】
平面の変形を計測するのに適した手法として市販装置に適用されている手法は、大きく分けて
(1)点計測器をXYに走査する方法
(2)干渉計測法
(3)モアレ計測法
の3つである。
【0005】
点計測器をXYに走査する方法は、点計測器である光学式あるいは静電容量式の変位計や、対象物の各点での面傾きを計測する角度計を、XYステージに搭載して走査することによって対象基板全面の三次元形状を計測(変形計測)する手法である。対象物がどんなに大きくても、点計測器自体の大きさは変える必要がないので、大型の基板計測装置としては小型に製作できる利点を有している。一方で、2次元的な走査が必要であることから他手法と比較すると大幅に計測時間がかかる欠点がある。
【0006】
リフロー時の熱による変形挙動を解析することを考えると、リフロー時の温度変化過程(温度プロファイル)の中の様々な温度で変形計測する必要があるが、一回の変形計測に時間がかかるとリフロー時の温度プロファイルが維持できなくなる(異なる温度プロファイルとなってしまう)ことから、この手法を採用することはできない。
【0007】
干渉計測法は、ウェーハの反りを高精度かつ高速に計測する手法として広く用いられている。干渉計測法では、計測対象平面以上のサイズのレンズや参照面を用いたフィゾー干渉計あるいは大型のアブラムソンプリズムを用いた斜入射干渉計が用いられる。しかし、基本的に光の波面(平面波)が対象物で反射したときの、波面の変形を計測する手法であることから、対象物表面が光の波面を維持して反射できるような平滑面(鏡面)である必要があり、汎用性に乏しい。ウェーハ計測においてもベアウェーハであれば計測できるが、パターン付きウェーハやウェーハの裏面計測には適していない。
【0008】
モアレ方式は、計測対象基板に近接して格子を配置し、上方からの撮像および斜め上方から照明を行い、計測対象物に投影された格子の影と格子とにより発生する幾何学的な干渉縞(モアレ縞)を解析して計測対象基板の変形を計測する手法である。通常は、中心投影方式の一般的な結像レンズを用いて実現されるため、視野(XY方向の計測範囲)を計測対象物のサイズに合わせて変えられる自由度を持ち、かつ比較的廉価に実現できる利点を有する。
【0009】
中心投影方式の一般的な結像レンズを使用する場合、視野の各点での光線の向きに違いが出ることから、計測対象物の表面が拡散面でない場合(通常拡散面ではない)均一な縞を得ることができない。従来、この問題を解消する手法として、計測対象物に塗装をして強制的に拡散面にすることで汎用性を確保する手法がある。
【0010】
この手法は、熱変形の計測装置としても広く利用されているが、やはり非破壊検査ではなく塗装が必要なこと、格子が計測対象物に近接してされるため格子方向からの加熱ができず計測対象物に温度ムラができること、格子が汚れやすいことなど問題点が多い。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本発明を具体的に実施するにあたり最良と思われる実施形態について述べる。
【0021】
まず、本発明を具現化した実施形態の例を、
図1〜
図3を参照して説明する。
【0022】
本発明の一実施形態に係る基板形状計測装置は、基板の変形を計測する三次元計測器100と、基板を加熱する加熱器200と、加熱器200からの熱が三次元計測器100に届くのを妨げる断熱機構300から構成される。それぞれについて以下に説明する。
【0023】
三次元計測器100は、計測対象の基板101の像を得るための両側テレセントリックな撮像レンズ102と、その撮像レンズ102によって得られる像を電気信号化するカメラ103と、カメラ103からの画像を保存し、デジタル的に解析して基板101の変形を演算する画像解析装置104と、基板101に対し縞パターンを投影する両側テレセントリックな投影レンズ105と、縞パターンの原板となる格子106と、縞パターンの位相を変化させるための位相シフト機構107と、格子106を照明する照明ユニット108とから構成される。
【0024】
ここで、投影レンズ105と撮像レンズ102は、基板101の法線に対して角度的に対称に配置される。これは照明光が基板101でスネルの法則に基づき反射する、いわゆる正反射光を受光する光学配置を意味している。
【0025】
投影レンズ105と撮像レンズ102はどちらもテレセントリックレンズである。このため、基板101に投影される光線も、撮像レンズ102が受光する光線も、その主光線は視野全域にわたって光軸に平行である。したがって、撮像レンズ102は、視野全域にわたって正反射光を受光できる。そのため、基板101がたとえ鏡面であったとしても、特別な塗装を施すことなく、視野全域にわたって一様に受光可能である。もちろん、基板101が拡散面であっても、視野全域にわたって一様に受光できる。
【0026】
一方、従来技術のモアレ方式は、投影レンズも撮像レンズもどちらもテレセントリックではない一般的な中心投影型のレンズであり、かつ、そもそも基板101の法線に対して角度的に対称な配置ではないつまり正反射受光配置ではないことから、正反射光を受光することができない。仮に、正反射受光配置となっていたとしても、中心投影型レンズでは、光線の角度が一様ではなくレンズを通過する位置に応じて異なることから、視野全域にわたって正反射光を受光することはできない。
【0027】
このため、従来技術のモアレ方式では、基板101が完全拡散面でない場合には、視野全域での一様な受光ができない。基板101を強制的に完全拡散面とするために塗装が必要となる理由がここにある。本発明では、正反射光も拡散光もどちらも受光可能で、光線の条件が視野全域に一様であることから塗装の必要はない。
【0028】
このような正反射受光配置の光学系とした場合、
図1からもわかるように撮像レンズ102から基板101までの距離は視野内で一様とはならない。投影レンズ105も同様である。テレセントリックレンズであることからレンズから対象物までの距離が変化しても結像倍率は変わらない。つまり画像が歪むことはない。しかしながら、距離が変化すれば結像位置(焦点位置)は変わってしまう。
【0029】
結像位置が変わってしまうことに対する対策としてカメラ103の像面(受光素子配置面)および格子106をアオリ配置とする。つまりレンズ光軸に対して傾けて配置する。カメラ103の像面を傾けて配置することで、カメラ103は基板101が視野内ですべて焦点が合った画像を得ることができる。縞パターンも同様である。
【0030】
カメラ103の像面あるいは格子106をレンズ光軸に対して傾けて配置する場合、もし撮像レンズ102あるいは投影レンズ105が物体側のみテレセントリックであった場合は、結像倍率が一様とならない。歪んだ画像が得られることになってしまう。そのため、両側がテレセントリックであることが撮像レンズ102および投影レンズ105にとって必須である。
【0031】
両側テレセントリックレンズにおいて、物体面の傾き角度θ(光軸と直交する面と物体面のなす角、基板の法線と光軸とのなす角(入反射角))と像面の傾きθ´とは、レンズの倍率をMとして数1のような単純な関係がある。この式に従って、カメラ103の像面および格子106の傾きを決定すればよい。
【0032】
[数1]
tanθ´= M・tanθ
【0033】
ここでは、正反射受光配置として基板101の法線に対して角度的に対称に配置する場合の例について説明するが、これは厳密な角度を意味しない。投影レンズ105も撮像レンズ102もどちらもゼロではないNA(開口数)を有することから、厳密に対称配置となっていなくても正反射光の受光は可能である。逆に基板101の品種が限られているのであれば、正反射成分を若干弱めるような配置の方がより良い画像を得ることができる場合もありうる。対称配置から大きく外れておらず、正反射光の受光が可能な位置関係であれば本発明の範疇である。
【0034】
本発明の光学系においてもう一つ重要な点は、視野サイズが基板101上の計測対象領域より大きいということである。例えば、基板101が12インチウェーハであり、ウェーハ全面の反りを計測したい場合、視野サイズは12インチウェーハ全面が少なくとも入るように構成するという点である。
【0035】
熱変形計測において、リフロー時の熱変形挙動を正しく計測するために、加熱の温度プロファイルを乱すことなく計測することが重要であることはすでに述べた。これは、計測のために特別な時間を設けることができないということであり、非常に短時間で計測できることが必要となる。瞬時あるいは、せいぜい数秒以内での計測が必要である。
【0036】
これを達成するためには、計測対象領域を複数に分けて計測するよりも、一視野で計測することが好ましい。そのため、例えば基板101が12インチウェーハであると仮定すれば、テレセントリックレンズは視野より大きい口径のレンズが必要であるから、12インチを超える径の大型の投影レンズ105および撮像レンズ102が必要となる。
【0037】
最近のCCDやCMOSのような固体撮像カメラの素子サイズは対角で数mmから数十mm程度である。12インチ(300mm)の視野を考えると倍率としては1/10倍レベルとなる。レンズ光軸と基板101との法線とのなす角度θが30度であるとすると、式1のθが30度でありM=1/10でθ´はたったの3.3度である。カメラ103の像面を大きく傾けると光の画素への入射角が傾くわけなので画素サイズが実質的に減るあるいは画素への光の入射効率が著しく悪化するなど問題点が多い。しかし、本実施形態に係る基板形状計測装置のように大視野高縮小倍率のレンズであれば、(さらに像側テレセントリックであれば)このような問題から免れることができる。
【0038】
ここでは、一視野だけで計測することに絞っているが、これは本発明にとって必須ではない。例えば2視野で計測できるような対象であれば、瞬時の計測は不可能であっても数秒以内の計測は不可能ではない。本発明にとって広視野すなわち高縮小倍率であることは必要であるが、必ずしも一視野である必要はない。
【0039】
画像解析装置104は、たとえばパーソナルコンピュータやワークステーションなどにより構成され、カメラ103からの画像を保存する記憶媒体と、画像をデジタル的に解析して演算により基板101の形状を計測するプロセッサとを少なくとも備える。計測は、いわゆる格子パターン投影法といわれる手法で計測される。縞を対象物に投影し、投影した方向とは別の方向から観察すると、対象物の起伏に応じて縞が歪んで観測される。この歪みに対象物の起伏情報が含まれていることから、演算により対象物の三次元形状情報を得ることができる。
【0040】
縞の歪み情報から三次元形状情報を演算する手法は各種提案されており、適切なものを選んで演算すればよい。縞解析の手法に関する文献としては、武田、「サブフリンジ干渉計測基礎論」、光学、55頁、Vol.13(1984)などが挙げられる。
【0041】
例えば汎用性・信頼性の高い演算手法として位相シフト法がある。格子106を格子周期の数分の1ずつ複数回ずらして(すなわち位相シフトして)3枚以上の縞の位相がずれた画像を得ることで、カメラ103の画素ごとに縞の初期位相を求めることができ、初期位相とレンズ配置の幾何学的な関係から三次元形状情報を求めることができる。
【0042】
格子106を位相シフトする機構である位相シフト機構107も様々な機構を考えることができる。一軸の移動機構(直動機構)によって格子を直接移動させることが一般的であるが、格子を透過型あるいは反射型の液晶ディスプレー素子を用いて構成し、表示をシフトさせることで機械的に移動させることなく位相シフトを実現できる手法もある。液晶素子の代わりにデジタルミラーデバイスのようなMEMSディスプレー素子を用いることも考えられる。
【0043】
ディスプレー素子を用いて縞パターン投影を実施する場合には、格子の周期も自由に変えることができることから、複数の周期の異なる縞パターンを投影することで、高さ方向の計測範囲を大きく広げることも可能である。
【0044】
位相シフト法のように時間的に取得タイミングの異なる複数枚の画像を使用すると、計測対象物が動いている場合、例えば熱で急激に基板101の形状変化が起こっている場合には正しい結果が得られない可能性がある。このような場合のためにより瞬時的に計測できる、つまり1枚の縞画像から三次元形状が演算できる手法も数多く提案されている。代表的な手法としてフーリエ変換法がある。フーリエ変換法の文献としては、Takeda他、「Fourier transform profilometry for the automatic measurement of 3-D object shapes」、Appl. Opt.、3977頁、Vol.22,(1983)などが挙げられる。
【0045】
フーリエ変換法によれば、一枚の画像から位相シフト法と同様にすべての画素において初期位相を求めることができ三次元形状が演算できる。XY方向の実質的な分解能は位相シフト法に劣ることになるが、非常にロバストで高精度な計測が可能である。データの取得時間は瞬時であり、熱変形の時間解析に向いているといえる。
【0046】
以上が、本発明における三次元計測器100の実施例である。ここでは、三次元計測器100を一セットだけしか使用していないが、例えば二セット用いてそれぞれをX方向Y方向に配置することでより信頼性の高い計測が可能となる。このような場合も本発明の範疇である。
【0047】
基板形状計測装置は、三次元計測器100に加え、
図1に示すような加熱器200および断熱機構300をさらに備えると、基板の熱変形を計測することができるため、より好ましい。そこで、次に、加熱器200について述べる。加熱器200は、基板101を均一に任意の温度に加熱するための装置である。加熱炉201とそれを制御する温度制御装置202から構成される。例えば、温度制御装置202と画像解析装置104とが通信を行い、同期をとることで、基板101の温度が10度変わる毎に基板101の変形を計測するというような自動計測の実現も可能である。
【0048】
基板101を加熱する手法は、伝熱の三態のどれを利用するかにより大きく分ければ3種類が考えられる。熱伝導で加熱するホットプレートを使う方法、あるいは赤外線ランプにより熱輻射を利用して加熱する方法、さらに空気を加熱して基板101に吹き付ける対流熱伝達による方法の3つである。
【0049】
熱輻射による方法は、基板101がウェーハのような金属である場合、金属反射により直接的には加熱ができない(間接的には、黒塗りのプレートを熱輻射で加熱し、そのプレートとウェーハを接触させて熱伝導させることが可能。これは熱伝導による手法に含める)。
【0050】
また、熱伝導による方法は、加熱により基板101が反ってきたときにホットプレートと接触している部分と、反って離れた部分とで温度差ができ、その温度差により変形が発生する問題が考えられる。
【0051】
本発明は、加熱方法を限定しないが、対流熱伝達による加熱が最も優れていると考えられる。リフロー炉も対流熱伝達による加熱であることから、よりよいシミュレーションとなるという意味でも対流熱伝達が優れている。ここでは、対流熱伝達による加熱を実施例として
図2を用いて解説する。
【0052】
加熱炉201は、加熱対象物を置く空間を断熱材203が覆っている構造となっている。上面は三次元計測器100が計測できるように、三次元計測器100の光学系の光路を妨げないように、三次元計測器100側に開口が設けられる。開口には、光を透過する部材を配置するとよい。三次元計測器100が光透過部材を透過した光を用いて基板101を計測することから、照明光および結像光波面に収差が発生しないように、光透過部材は高い透過波面精度を有している必要がある。また、光透過部材を通して放熱することをできるだけ防ぐために、断熱対策として複数枚の光透過部材を用いて、内部に空気等のガスあるいは真空空間を設けるように構成するとよい。
図2には、光透過部材として、ニ枚の平行平板型の透明ガラス204を互いに平行かつ離間するように、開口に稠密に設け、その離間した空間を空気とする場合の例を示した。
【0053】
加熱炉201は、工場エアーを取り込んで、そのエアーがコイルヒータ205内を通過する時に温度制御装置202で制御される温度に昇温され、その熱風が炉内に送り込まれる。炉内を流れた熱風は排気口206から排気ダクト207を通して工場外部に放出される。
【0054】
炉内の空間温度は温度計208にてモニタリングされており、温度計208からの温度情報を温度制御装置202にフィードバックすることで正確な炉内温度制御が可能となる。
【0055】
ここでは、対流熱伝達による加熱のため加熱炉201の上部部分(三次元計測器100側の部分)の開口に透明ガラス204が稠密に設けられる場合の例について説明したが、空気の流れを制御する必要がないホットプレート加熱や赤外線ランプ加熱の場合は必ずしも透明ガラス204は必要ではない。開口は、三次元計測器100の計測光線が通過できればよく、たとえば透明ガラス204なしで空間が空いたままとされてもよい。
【0056】
次に、断熱機構300について説明する。加熱器200は、上面に透明ガラス204がない場合はもちろんのこと、透明ガラス204があるとしても透明ガラス204の温度上昇に伴い透明ガラス204周辺の空気が温められ、上昇し対流を形成して三次元計測器100に伝熱する。また、対流以外にも加熱された基板101あるいは温められた透明ガラス204から輻射熱が発せられ三次元計測器100に伝熱してしまう。
【0057】
三次元計測器100は、精密光学系から構成されているため、加熱されると色々な形で誤差を発生する。例えば、投影レンズ105もしくは撮像レンズ102はそれぞれ多数枚の単レンズから構成されているが、温度が変化すると熱膨張により単レンズ間の距離や、単レンズそのものの曲率や厚さが変化し、結像性能が変化してしまう。カメラ103は熱によりノイズが多くなるという問題もある。
【0058】
さらに、空気の屈折率は温度によって変化することから前記上昇対流により空間の温度一様性が乱されると、屈折率が一様でなくなりいわゆる揺らぎが発生し、計測誤差が大きくなる。これらの問題に対処するために、断熱機構300を設けることが好ましい。以下では
図3を主に参照して断熱機構300について説明する。
【0059】
対流による揺らぎは、対流する空間の距離が大きいほど影響が大きい。そのため、対流できる距離を制限することが有効である。そこで、できるだけ加熱器200上面に近い位置で、対流を遮る障壁301を設ける。三次元計測器100が計測できる必要があるので、障壁301のうち、三次元計測器100の光束が通過する部分は1または複数の光を透過する部材を用いて構成する。
図3には、障壁301の一部を構成する光透過部材として、ガラスのような透明体302、303を用いる場合の例を示した。
【0060】
障壁301は、対流により加熱されるため三次元計測器100の光学系に伝熱しないように断熱する必要が生じる。透明体302,303ではない部分は、例えば熱伝導の良い銅などの材料で障壁301を構成し、障壁301内部に冷水を流すことで材料内を熱が下から上に伝導する途中で熱を奪い取り、障壁301上面に熱が伝熱しないようにすることができる。奪い取った熱はチラー304を用いて放熱し、再度冷水を生成して循環させるようにするとよい。
【0061】
光透過部材の部分は冷水を使うことができないので、光透過部材を互いに離間するように設けられた複数枚構成、たとえば
図1、
図3に示すような透明体302、303の上下二枚構成とし、その間にエアーを流すようにする。下の透明体302は加熱され温度上昇するが、常温のエアーが常にながれることで上の透明体303に熱伝達することを妨げることができ、上の透明体303は温度上昇を免れる。
【0062】
熱輻射の対策としては、加熱器200側の透明体302に対象となる放射光を反射させるように薄膜を施すことも考えられるが、200〜300℃程度の物体から射出される放射光のピーク波長は5〜6μm程度であり、通常のガラス材料をこの波長は透過できないことから、特に対策する必要はないと考えられる。
【0063】
以上説明した実施形態に係る基板形状計測装置の三次元計測器100によれば、基板が粗面であっても鏡面であっても塗装をすることなく、非常に高速に基板形状を計測することができる。また、基板形状計測装置が加熱器200および断熱機構300を有する場合は、さらに、リフロー温度プロファイル通りに対象となる基板101を加熱することができ、その加熱の影響が三次元計測器100に影響せず、かつそのリフロー温度プロファイルに影響を与えない計測速度で熱変形計測が可能で、基板101が粗面であっても鏡面であっても塗装をする必要がない基板形状計測装置が実現できる。