(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6715903
(24)【登録日】2020年6月11日
(45)【発行日】2020年7月1日
(54)【発明の名称】ヒューズへの負荷電流による障害を最小化しつつ充電する蓄電装置付き自己発電式電子ヒューズ
(51)【国際特許分類】
H02H 3/08 20060101AFI20200622BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20200622BHJP
【FI】
H02H3/08 L
H02J7/02 B
【請求項の数】22
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-190974(P2018-190974)
(22)【出願日】2018年10月9日
(65)【公開番号】特開2019-71774(P2019-71774A)
(43)【公開日】2019年5月9日
【審査請求日】2018年12月25日
(31)【優先権主張番号】15/729,575
(32)【優先日】2017年10月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518270252
【氏名又は名称】イクシス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】IXYS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100206140
【弁理士】
【氏名又は名称】大釜 典子
(72)【発明者】
【氏名】レオニード・エイ・ネイマン
【審査官】
杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−128353(JP,A)
【文献】
特開2001−345686(JP,A)
【文献】
特開2014−149388(JP,A)
【文献】
特開2014−153520(JP,A)
【文献】
特開2019−71608(JP,A)
【文献】
特表2004−535123(JP,A)
【文献】
特表2008−541381(JP,A)
【文献】
特表2009−506481(JP,A)
【文献】
特表2019−505156(JP,A)
【文献】
米国特許第5239255(US,A)
【文献】
米国特許第5736795(US,A)
【文献】
米国特許第5903139(US,A)
【文献】
米国特許第6288458(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0270982(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0254662(US,A1)
【文献】
国際公開第00/077915(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/190752(WO,A1)
【文献】
国際公開第2017/127012(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/08
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己発電式ヒューズ装置に関する方法であって、前記方法は、
(a)交流(AC)電流を前記自己発電式ヒューズ装置に伝導させることであって、前記自己発電式ヒューズ装置は第一ヒューズ装置パッケージ端子、第二ヒューズ装置パッケージ端子、第一スイッチ、第二スイッチ、及び蓄電装置を含み、前記AC電流が前記第一ヒューズ装置パッケージ端子を経由して前記自己発電式ヒューズ装置に流れ、前記第二ヒューズ装置パッケージ端子を経由して前記自己発電式ヒューズ装置の外に流れ出す、伝導させることと;
(b)前記AC電流の半周期の第一部分で前記第一スイッチ及び前記第二スイッチをON状態に保つことと;
(c)前記AC電流の前記半周期の第二部分で前記第一スイッチ及び前記第二スイッチをOFF状態に保つことと;
(d)前記半周期の前記第一部分の間では充電させないが、前記半周期の前記第二部分の間で蓄電装置を充電させることと、を含む方法であって、
(a)〜(d)が前記自己発電式ヒューズ装置によって行われており、
更に、
前記自己発電式ヒューズ装置を流れるAC電流を示す電流検出信号を生成することと;
前記第一スイッチ及び前記第二スイッチを前記ON状態から前記OFF状態にいつ切り替えるかを少なくとも部分的に前記電流検出信号に基づいて判定することとを含む、方法。
【請求項2】
前記半周期の前記第二部分が前記AC電流の前記半周期の15パーセント未満の持続時間である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電流検出信号は、前記AC電流が電流閾値を下回ったかどうかを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(e)前記蓄電装置の電圧が電圧閾値に達したことを検出することと;
(f)(e)の前記検出することに反応して前記第一スイッチ及び前記第二スイッチがONになることであって、前記第一スイッチ及び前記第二スイッチがONになることにより前記蓄電装置の前記充電させることを停止させる、ONになることとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(e)前記AC電流の連続する2つの半周期に前記蓄電装置を再充電するように、前記蓄電装置を再充電することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(e)(d)の充電させることの後、前記第一スイッチ及び前記第二スイッチを前記ON状態にし、(e)において一旦前記第一スイッチ及び前記第二スイッチが前記ON状態になると:1)前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れるAC電流が過負荷電流閾値を超えない、及び、2)前記蓄電装置の電圧が電圧閾値未満に低下しないという両方が条件とされた状態において、前記第一スイッチ及び前記第二スイッチをON状態に保つことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第一ヒューズ装置パッケージ端子および前記第二ヒューズ装置パッケージ端子は、前記自己発電式ヒューズ装置の外側からアクセスできる前記自己発電式ヒューズ装置の唯一の電気端子である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記自己発電式ヒューズ装置がさらに一定量の回路を含み、前記自己発電式ヒューズ装置がバッテリーを含まず、(d)の充電させることにより前記蓄電装置に蓄積される電力をもたらす、請求項1に記載の方法であって、
前記方法は、前記一定量の回路に電力を供給するように前記蓄電装置に蓄積された電力を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記半周期の前記第一部分の間に前記自己発電式ヒューズを通って流れる瞬時AC交流電流の絶対量が、前記半周期の第二部分の間に前記自己発電式ヒューズを通って流れる瞬時AC交流電流の絶対量よりも常に大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第一部分は、比較的大きいAC電流が前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れる期間であって、前記第二部分は、比較的小さいAC電流が前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れる期間である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
自己発電式ヒューズ装置に関する方法であって、前記自己発電式ヒューズ装置が第一ヒューズ装置パッケージ端子、第二ヒューズ装置パッケージ端子、第一スイッチ、第二スイッチ、蓄電装置、及び一定量の回路を含み、前記第一ヒューズ装置パッケージ端子及び前記第二ヒューズ装置パッケージ端子が前記自己発電式ヒューズ装置の外側からアクセスできる前記自己発電式ヒューズ装置の唯一の電気端子であり、前記自己発電式ヒューズ装置がバッテリーを含まない、自己発電式ヒューズ装置に関する方法であって、前記方法は、;
定期的に前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをOFFにし、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチが両方ともOFFになっているときに、前記蓄電装置を再充電することであって、前記再充電することによって前記蓄電装置に蓄積される電力をもたらす、再充電することと;
前記一定量の回路に電力を供給するように前記蓄電装置に蓄積された電力を使用することと;
前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをONにし、それによって、電流が前記第一ヒューズ装置パッケージ端子を経由して前記自己発電式ヒューズ装置に流れ、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチを通って、前記第二ヒューズ装置パッケージ端子を経由して前記自己発電式ヒューズ装置の外に流れ出すことを可能にすることと;
前記自己発電式ヒューズ装置を流れる電流が電流閾値未満に低下したことを検出することと;
いつ前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをOFFにして前記蓄電装置の再充電を開始すべきかを、前記電流が前記電流閾値未満に低下したことを検出することに少なくとも部分的に基づいて判定することと、を含む方法。
【請求項12】
自己発電式ヒューズ装置に関する方法であって、前記自己発電式ヒューズ装置が第一ヒューズ装置パッケージ端子、第二ヒューズ装置パッケージ端子、第一スイッチ、第二スイッチ、蓄電装置、及び一定量の回路を含み、前記第一ヒューズ装置パッケージ端子及び前記第二ヒューズ装置パッケージ端子が前記自己発電式ヒューズ装置の外側からアクセスできる前記自己発電式ヒューズ装置の唯一の電気端子であり、前記自己発電式ヒューズ装置がバッテリーを含まない、自己発電式ヒューズ装置に関する方法であって、前記方法は、;
定期的に前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをOFFにし、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチが両方ともOFFになっているときに、前記蓄電装置を再充電することであって、前記再充電することによって前記蓄電装置に蓄積される電力をもたらす、再充電することと;
前記一定量の回路に電力を供給するように前記蓄電装置に蓄積された電力を使用することと;
前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをONにし、それによって、電流が前記第一ヒューズ装置パッケージ端子を経由して前記自己発電式ヒューズ装置に流れ、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチを通って、前記第二ヒューズ装置パッケージ端子を経由して前記自己発電式ヒューズ装置の外に流れ出すことを可能にすることと;
1)前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れる電流が所定の電流未満に低下し、2)前記蓄電装置の電圧が所定の電圧より小さい、という両方の条件が当てはまると直ちに、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをOFFにし、前記蓄電装置の再充電を開始することと、を含む方法。
【請求項13】
前記第一スイッチおよび前記第二スイッチがONになっているときは常に前記蓄電装置が充電されない、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
1)前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れる電流が所定の電流未満に低下し、2)前記蓄電装置の電圧が所定の電圧より小さい、という両方の条件が当てはまると直ちに、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをOFFにし、前記蓄電装置の再充電を開始することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第一スイッチが第一トランジスタであり、前記第二スイッチが第二トランジスタであり、前記自己発電式ヒューズ装置が、前記第一トランジスタを通って流れる電流を反映しそれによって第一検出電流を生成する、第一電流ミラーをさらに含み、前記自己発電式ヒューズ装置が、第二トランジスタを通る電流を反映しそれによって第二検出電流を生成する、第二電流ミラーをさらに含み、前記自己発電式ヒューズ装置が第一検知抵抗器、第一コンパレータ、第二検知抵抗器、第二コンパレータ、およびデジタル論理回路をさらに含む請求項12または14に記載の方法であって、前記方法が:
前記第一検出電流を前記第一検知抵抗器に通し、それによって第一検知電圧を生成することと;
前記第一検知電圧を、前記第一コンパレータの第一入力リードに供給することと;
基準電圧を、前記第一コンパレータの第二入力リードに供給することと;
前記第二検出電流を前記第二検知抵抗器に通し、それによって第二検知電圧を生成することと;
前記第二検知電圧を、前記第二コンパレータの第一入力リードに供給することと;
基準電圧を、前記第二コンパレータの第二入力リードに供給することと;
前記第一コンパレータによる信号出力を、前記デジタル論理回路の第一入力リードに供給し、前記デジタル論理回路が電流検出信号を出力するように、前記第二コンパレータによる信号出力を前記デジタル論理回路の第二入力リードに供給することと、をさらに含む、請求項12または14に記載の方法。
【請求項16】
前記電流検出信号は、前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れる電流が前記電流閾値未満に低下したかどうかを示す、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第一スイッチおよび前記第二スイッチがONとなることに起因して前記自己発電式ヒューズ装置に流れることができる前記電流は正弦波AC電流であり、前記正弦波AC電流は半周期を有し、前記蓄電装置は蓄電器再充電期間に再充電され、各蓄電器再充電期間は前記正弦波AC電流の各半周期の15パーセント未満の持続時間を有する、請求項11または12に記載の方法。
【請求項18】
前記第一スイッチおよび前記第二スイッチがONとなることに起因して前記自己発電式ヒューズ装置に流れることができる前記電流は正弦波AC電流であり、前記正弦波AC電流は半周期を有し、前記正弦波AC電流の各半周期の15パーセント未満の間、蓄電装置の再充電のために前記第一スイッチおよび前記第二スイッチがOFFになる、請求項11または12に記載の方法。
【請求項19】
1)前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れる電流が過負荷電流閾値を超えない、かつ、2)前記蓄電装置の電圧が電圧閾値未満に低下しない、の両方が条件とされた状態において、一旦前記第一スイッチおよび前記第二スイッチがONになると、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをON状態に保つことをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記一定量の回路が順次論理素子を含み、前記自己発電式ヒューズ装置がさらに押しボタンを含む、請求項11または12に記載の方法であって、前記方法は:
前記押しボタンが押されたことに反応して前記順次論理素子をリセットすることと;
過負荷状態が検出されたことに反応して前記順次論理素子を設定することとをさらに含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項21】
前記一定量の回路が順次論理素子を含む請求項11または12に記載の方法であって、前記方法は:
過負荷状態の検出に反応して前記順次論理素子を設定することをさらに含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項22】
自己発電式ヒューズ装置に関する方法であって、前記自己発電式ヒューズ装置が第一ヒューズ装置パッケージ端子、第二ヒューズ装置パッケージ端子、第一スイッチ、第二スイッチ、蓄電装置、及び一定量の回路を含む、自己発電式ヒューズに関する方法であって、前記方法は:
定期的に前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをOFFにし、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチが両方ともOFFであるときに、前記蓄電装置を再充電することであって、前記再充電することによって前記蓄電装置に蓄積される電力をもたらす、再充電することと;
前記一定量の回路に電力を供給するように前記蓄電装置に蓄積された電力を使用することと;
前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをONにし、それによって電流が低抵抗電流経路内の前記自己発電式ヒューズ装置を流れることを可能にすることであって、前記低抵抗電流経路は100ミリオーム未満の抵抗を有し、前記低抵抗電流経路が第一ヒューズ装置パッケージ端子から、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチを通って、前記第二ヒューズ装置パッケージ端子を経由して、前記自己発電式ヒューズ装置から出て延長している、可能にすることと;
前記自己発電式ヒューズ装置を流れる電流が電流閾値未満に低下したことを検出することと;
いつ前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをOFFにして前記蓄電装置の再充電を開始すべきかを、前記電流が前記電流閾値未満に低下したことを検出することに少なくとも部分的に基づいて判定することと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載した実施例は電子ヒューズ、及び関連する構造と方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヒューズは通常、保護すべき電気回路への電流経路に配置される保護装置である。装置にとって危険な状態(例えば電気回路による大電流引き込み)が発生する前に、ヒューズが溶断または作動または開放する。通常、大電流がヒューズを通ると、何らかの方法でヒューズが溶解する。その結果、ヒューズの二端子間の電気的接続が切断される。ヒューズが切れることにより、ヒューズから電子回路への電流が停止する。ヒューズは、溶断または作動することがなければ、完全な電子回路への電流経路の低抵抗部として機能する。ヒューズには様々な種類がある。ヒューズは様々な条件で溶断または作動するように設計される。溶断または作動時に破壊される種類のヒューズの場合、回路を再び動作させるためには、通常、溶断したヒューズを回路から取り除き新しいヒューズと交換する必要がある。そのため、ヒューズの交換費用が高くなる可能性がある。一般的に電子ヒューズ(または「eヒューズ)と呼ばれるヒューズは、(あらかじめ設定した潜在的な危険状態になるため)作動しても破壊されない種類のヒューズである。逆に、電子ヒューズが作動しても、再び導通するようにリセットすることができる。改善されたeヒューズが望まれる。
【発明の概要】
【0003】
第一の新規な特徴として、2個の電気端子を備え、且つそれら2個の電気端子が外側からアクセス可能な唯一の電気端子である電子ヒューズ装置が、自己発電式となっている。自己発電式電子ヒューズ装置は、第一ヒューズ装置パッケージ端子、第二ヒューズ装置パッケージ端子、第一スイッチ、第二スイッチ、第一ダイオード、第二ダイオード、第三ダイオード、第四ダイオード、蓄電装置、及びスイッチ制御回路を含む。第一スイッチに第一端子、第二端子、第三端子がある。第一スイッチの第一端子は、第一ヒューズ装置パッケージ端子に連結されている。第一ダイオードにアノードとカソードがある。第一ダイオードのカソードは、第一スイッチの第一端子に連結されている。第一ダイオードのアノードは、第一スイッチの第二端子に連結されている。第二スイッチに第一端子、第二端子、第三端子がある。第二スイッチの第一端子は、第二ヒューズ装置パッケージ端子に連結されている。第二スイッチの第二端子は、第一スイッチの第二端子に第二ノードで連結されている。第二ダイオードにアノードとカソードがある。第二ダイオードのカソードは、第二スイッチの第一端子に連結されている。第二ダイオードのアノードは、第二スイッチの第二端子に連結されている。第三ダイオードにアノードとカソードがある。第三ダイオードのアノードは、第一ダイオードのカソードに連結されている。第四ダイオードにアノードとカソードがある。第四ダイオードのアノードは、第二ダイオードのカソードに連結されている。第四ダイオードのカソードは、第三ダイオードのカソードに第一ノードで連結されている。蓄電装置は、充電電流経路の第一ノードと第二ノードの間に連結されている。第一及び第二スイッチの第三端子に連結されているスイッチ制御回路は、蓄電装置に蓄電された電力によって電力が供給されている。第一スイッチ、第二スイッチ、第一ダイオード、第二ダイオード、第三ダイオード、第四ダイオード、蓄電装置、及びスイッチ制御回路がハウジングに収納されており、自己発電式電子ヒューズ装置の外側からアクセス可能な自己発電式電子ヒューズ装置の電気端子は、第一及び第二ヒューズ装置パッケージ端子のみである。
【0004】
一例では、第一スイッチが第一NFET、第一ダイオードが第一NFETのボディダイオードとなる。同様に、第二スイッチが第二NFET、第二ダイオードが第二NFETのボディダイオードとなる。蓄電装置が充電されておらず、過負荷状態でなければ、AC電流が自己発電式電子ヒューズ装置を通して導通するように第一及び第二スイッチが閉じている。AC電流(正または負)は、第一ヒューズ装置パッケージ端子から、第一スイッチを通り、第二スイッチを通って流れ、第二ヒューズ装置パッケージ端子を経由して自己発電式電子ヒューズ装置から出る。
【0005】
蓄電装置を充電するために、第一及び第二スイッチが開く。第一及び第二スイッチが開いていると、AC電流の最初の半周期に、第一電流経路の電流によって蓄電装置が充電される場合がある。第一の電流経路は、第一ヒューズ装置パッケージ端子から、第三ダイオードを通って第一ノードに行き、蓄電装置を通って第二ノードへ行き、第二ダイオードを通って第二ヒューズ装置パッケージ端子に繋がっている。また、第一及び第二スイッチが開いていると、AC電流の二番目の半周期に、第二電流経路の電流によって蓄電装置が充電される場合がある。第二の電流経路は、第二ヒューズ装置パッケージ端子から、第四ダイオードを通って第一ノードに行き、蓄電装置を通って第二ノードへ行き、第一ダイオードを通って第一ヒューズ装置パッケージ端子につながる。蓄電装置に充電の必要がなく、半周期に過負荷状態がなければ、第一及び第二スイッチが半周期の間ずっと閉じたままになり、半周期の間蓄電装置への充電はない。
【0006】
自己発電式電子ヒューズ装置の一例として、第一ノードから第二ノードに流れる充電電流が、電流制限回路を流れる。電流制限回路はデプリーションモードのNFETを含む。電流制限回路の抵抗器が、電流制限回路を通ることのできる最大充電電流を設定する。そのため、蓄電装置を充電できる最大充電電流も決まる。電流制限回路のツェナーダイオードが、蓄電装置を充電することのできる最大電圧を設定する。
【0007】
第二の新規な特徴として、AC電流を自己発電式電子ヒューズ装置を通って導通させる方法をとっている。定常状態の動作条件では、蓄電装置の電圧は12ボルトの電圧閾値未満になるが、電流検出信号は自己発電式ヒューズ装置を流れる電流が50ミリアンペアの電流閾値を下回っていないことを示す。自己発電式電子ヒューズ装置の第一及び第二スイッチはONで、導電している。この方法では、電流検出信号が電流が50ミリアンペアの電流閾値を下回ったことを示すまで待機する。電流が50ミリアンペアの電流閾値を下回ったことを示す電流検出信号に反応して、第一及び第二スイッチがOFFになる。その時点で、蓄電装置の充電が開始される。充電電流が蓄電装置を通過して流れると、蓄電装置の電圧が上昇して12ボルトを超える。蓄電装置の充電は、第一及び第二スイッチがOFFの状態のまま引き続き行われる。蓄電装置が15ボルトまで充電されると、第一及び第二スイッチが閉じる。通常、第一及び第二スイッチが閉じている期間に自己発電式電子ヒューズ装置を流れる瞬時交流電流の絶対量は、第一及び第二スイッチが開き蓄電装置が充電されている期間に自己発電式電子ヒューズ装置を流れる瞬時交流電流の絶対量よりも大きい。AC負荷電流が低いとき(例えば50ミリアンペア未満)に、この蓄電器に充電するために第一及び第二スイッチを開くだけで、負荷への入力電流としてヒューズを流れるAC負荷電流による障害が最小化される。蓄電装置が15ボルトまで充電され、第一及び第二スイッチが閉じると、過電流状態が検出されるか、蓄電装置の電圧が12ボルトの電圧閾値未満に下がるまで、第一及び第二スイッチが閉じたままになる。
【0008】
蓄電装置が12ボルトの電圧閾値未満の電圧まで放電すると、AC負荷電流が低いとき(例えば50ミリアンペア未満)に第一及び第二スイッチが蓄電器の充電のために開く。自己発電式電子ヒューズ装置を通る電流が蓄電器を充電するのに充分ではない場合、両方のスイッチが開いたままになり、負荷は蓄電器の充電回路を通してAC電源に接続されたままになる。負荷電流は蓄電器充電回路を流れることができる。蓄電装置が(例えば15ボルトまで)充電されると、自己発電式電子ヒューズ装置がスイッチを閉じる。そうでない場合はスイッチが開いたままになる。
【0009】
その他の詳細及び実施例及び方法は、以下の詳細記述に記載する。この要旨では発明の定義を目的としない。発明は請求項で定義する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面は、数字が部品を示し、発明の実施例を示している。
【
図1】
図1は、一つの新規な特徴についての自己発電式電子ヒューズ装置の透視図である。
【
図2】
図2は、
図1の自己発電式電子ヒューズ装置の底面を示す透視図である。
【
図3】
図3は、
図1の自己発電式電子ヒューズ装置の回路図である。
【
図4】
図4は、
図1の自己発電式電子ヒューズ装置の蓄電装置が、第一ヒューズ装置パッケージ端子T1の電圧V
T1が第二ヒューズ装置パッケージ端子T2の電圧V
T2よりも高い場合にどのように充電されるかを示す図である。
【
図5】
図5は、
図1の自己発電式電子ヒューズ装置の蓄電装置が、第一ヒューズ装置パッケージ端子T1の電圧V
T1が第二ヒューズ装置パッケージ端子T2の電圧V
T2よりも低い場合にどのように充電されるかを示す図である。
【
図6】
図6は、
図1の自己発電式電子ヒューズ装置の電流制限回路の動作を示す図である。
【
図7】
図7は、
図1の自己発電式電子ヒューズ装置の蓄電装置の充電を示す図である。
【
図8】
図8は、、第一及び第二スイッチが閉じている時と、蓄電装置を充電できるように第一及び第二スイッチが開いている時を示した波形図である。
【
図9】
図9は、、AC電源を含むシステムで動作している
図1の自己発電式電子ヒューズ装置を示す図である。
【
図11】
図11は、一つの新規な特徴についての方法のフローチャートである。
【
図12】
図12は、自己発電式電子ヒューズ装置のもう一つの実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図に例示した、発明のいくつかの実施例について詳細に説明する。以下の説明で、「開いている」スイッチは「OFF状態」とし、「閉じている」スイッチは「ON状態」として記載する。スイッチを「ONにする」、またはスイッチを「入れる」、またはスイッチを「閉じる」という表現は、スイッチを「ON状態」にすることを意味する。スイッチを「OFFにする」、またはスイッチを「切る」、またはスイッチを「開く」という表現は、スイッチを「OFF状態」にすることを意味する。
【0012】
図1は一つの新規な特徴についての自己発電式電子ヒューズ装置1の透視図である。「電子ヒューズ」装置は「eヒューズ」とも呼ぶ。自己発電式電子ヒューズ装置1は、第一ヒューズ装置パッケージ端子2、第二ヒューズ装置パッケージ端子3、及び絶縁性ハウジング4で構成される。一つの例では、ハウジング4は一つまたはそれ以上の射出成形プラスチック部品で、電子回路をハウジング内に密閉し収納するために一緒に取り付けられる。ハウジング4内の空間となる箇所を埋めるために注封材料が提供される。第一及び第二ヒューズ装置パッケージ端子2及び3は、ハウジングから延びるプレス加工された金属シートである。それらは、自己発電式ヒューズ装置の外側からアクセスできる自己発電式ヒューズ装置1の唯一の電気端子である。自己発電式電子ヒューズ装置1の形状とサイズは、ヒューズレセプタクルに押し込むことのできる形状とサイズである。自己発電式電子ヒューズ装置1は、従来の標準的なヒューズを含め、ヒューズに適したどのような形状及びサイズでも構わない。
図1に示した自己発電式電子ヒューズ装置1の特有の形状とサイズは、可能性のある形状とサイズの一つを示したに過ぎない。
【0013】
図2は自己発電式電子ヒューズ装置1の底面を示す透視図である。
【0014】
図3は自己発電式電子ヒューズ装置1の回路図である。自己発電式電子ヒューズ装置1は、第一ヒューズ装置パッケージ端子T1 2、第二ヒューズ装置パッケージ端子T2 3、ハウジング4、第一スイッチSW1 5、第二スイッチSW2 6、第一ダイオードD1 7、第二ダイオードD2 8、第三ダイオードD3 9、第4ダイオードD4 10、蓄電装置C1 11、電流制限回路12、及びスイッチ制御回路13で構成される。これらの端子及び電子部品は、プリント基板に搭載してもよい。回路には、VRECTノードN1 14、仮想接地ノードN2 15、第一端子ノードN3 16、第二端子ノードN4 17、及びVSUP+ノードN5 18が含まれる。一般的には、自己発電式電子ヒューズ装置1を通る大電流による過負荷電流状態がない場合は、自己発電式電子ヒューズ装置1は低抵抗電気導体またはショートとして機能する。そのため、第一ヒューズ装置パッケージ端子T1と第二ヒューズ装置パッケージ端子T2の間のヒューズを通る低抵抗(<100ミリオーム)の電流経路が存在するために、スイッチSW1及びSW2はONで導通しているべきである。しかし、過負荷電流状態が発生し、その時自己発電式電子ヒューズ装置に電流が通らないように自己発電式電子ヒューズ装置が「作動」する。そのため、スイッチSW1及びSW2はOFFとなり導電しなくなる。
図3の例では、過負荷電流状態で、40アンペア以上が自己発電式電子ヒューズ装置を通過する状態である。スイッチ制御回路13は、蓄電装置11に保存された電力から電力を供給されている。
【0015】
図4は、第一ヒューズ装置パッケージ端子T1 2の電圧V
T1が第二ヒューズ装置パッケージ端子T2 3の電圧V
T2よりも高い場合に、どのように蓄電装置11が充電されるかを示したものである。蓄電装置11を充電するために、第一及び第二スイッチSW1及びSW2が開く。電流は、点線と矢印19で示した第一電流経路を流れる。電流制限回路12は、蓄電装置11の電圧が特定の電圧閾値(この場合では19ボルト)まで充電できるように電流が流れることを可能にする。しかし、電流制限回路12は、蓄電装置11の電圧が特定の電圧閾値を超えないように電流を制限または停止する。
【0016】
図5は、第一ヒューズ装置パッケージ端子T1 2の電圧V
T1が第二ヒューズ装置パッケージ端子T2 3の電圧V
T2よりも低い場合に、どのように蓄電装置11が充電されるかを示したものである。再び、蓄電装置11を充電するために、第一及び第二スイッチSW1及びSW2が開く。電流は、点線と矢印20で示した第二電流経路を流れる。
図4の電流の場合と同様、電流制限回路12は、蓄電装置11の電圧が電圧閾値(19ボルト)まで充電できるように電流が流れるのを可能にする。しかし、電流制限回路12は、蓄電装置11の電圧が電圧閾値を超えないように電流を制限または停止する。
【0017】
自己発電式電子ヒューズ装置が正弦波AC電流経路になる場合には、スイッチSW1及びSW2がOFFになっていると、
図5の矢印20の電流はAC電流の半周期だけ流れる可能性がある。
図4の矢印19で示した電流は、スイッチSW1及びSW2がOFFになっているとAC電流の残りの半周期に流れる可能性のある電流である。
【0018】
図6は電流制限回路12の一例を示した図である。この例では、電流制限回路12に3個の入出力接続ノードまたはポイントがある。これらの入出力接続ノードまたはポイントは参照番号21〜23で示している。これら3個のポイント21〜23は
図3で示した21〜23と同じポイントである。電流制限回路12は、デプレッション型Nチャネル電界効果トランジスタ(NFET)24、ツェナーダイオード25、及び2個の抵抗器26及び27で構成される。接地ノードGNDは、
図3の仮想接地ノードN2 15である。ノードN1は、
図3のVRECTノードN1 14である。
【0019】
蓄電装置C1 11が放電し、電圧が12ボルト未満になったとする。N1ノードの電圧がN2ノードの電圧よりも高い場合、電流がINポイント21を経由して電流制限回路12に流れることができる。デプレッション型NFET24が導通する。電流がドレイン28から流れ、デプレッション型NFET24を通り、ソース29を経由してデプレッション型NFET24から出る。電流はOUTポイント22から、蓄電装置11を通り、ノードN2に流れる。矢印36はこの充電電流の経路を示している。充電電流の振幅は抵抗器26によって制限される。デプレッション型NFET24の閾値電圧はおよそマイナス4ボルトである。NFET24のゲート30の電圧が低下し、NFET24のソースの電圧より4ボルト以上低くなると、NFET24がOFFになる。抵抗器26と27の接続により、NFET24を通る電流が充分に高く、抵抗器26全体の電圧降下が4ボルトに近づくと、NFET24がOFFになり始める。電流量の減少により、抵抗器26全体の電圧降下が減り、デプレッション型NFETのゲート30の電圧がソースの電圧に対してネガティブではなくなる。その結果、デプレッション型NFET24により電流が、抵抗器26によって設定されるピーク充電電流に制限される。ツェナーダイオード25が、蓄電装置11を充電することのできる最大電圧を設定する。充電電流により蓄電装置11が充電されるにつれて、蓄電装置11の電圧が増加する。しかし、ツェナーダイオード25が、デプレッション型トランジスタ24のゲート30の電圧が15ボルトを超えるのを防ぐため、蓄電装置11の電圧はおよそ19ボルト超過する。蓄電装置11全体の電圧が19ボルトに近づくと、デプレッション型NFET24のソース29の電圧も19ボルトに近づく。V
GSがV
GS閾値電圧のマイナス4ボルトに近づく。そのため、デプレッション型NFET24がOFFになり始める。デプレッション型NFET24は、19ボルト以上の蓄電器電圧に対してONになることができず、導通することができない。
【0020】
図7は、蓄電装置11の完全に放電した状態からの充電を示している。点線の波形31は、蓄電装置の電圧を表している。それよりも薄い実線の波形32は、50ヘルツ、240ボルトRMS、AC電源の正弦波AC電圧を示している。自己発電式電子ヒューズ装置1は、はじめ正弦波AC電源の電流経路にはない。時間t1は、正弦波AC電圧のゼロクロス時を表す。この時、この図の例では、自己発電式電子ヒューズ装置1はまだAC電流経路にはない。正弦波AC電圧の電圧がゼロボルトから増加する。この特定の図の例では、自己発電式電子ヒューズ装置1はまず、時間t2にAC電流経路につながる。そのため、この時にAC電圧がヒューズ全体に存在しないことを示すために、AC電圧波形32を時間t2の前に点線で示している。時間t2以降、正弦波AC電圧の電圧がヒューズ装置パッケージ端子T1とT2の間の自己発電式電子ヒューズ装置1全体に存在する。そのため、蓄電装置11はゼロボルトから充電を開始する。充電電流は電流制限回路12の抵抗器26によって一定で固定されている。そのため、波形31で表された蓄電装置11の電圧は非常に直線的に増加する。デプレッション型NFET24のゲートの電圧は15ボルトで固定され、蓄電装置11の電圧が時間t3におよそ+19ボルトに達した時、蓄電器の充電が時間t3で停止する。蓄電装置11が電流制限回路12の抵抗器26によって設定された最大速度で充電した場合、最初に蓄電器が完全に放電してゼロボルトになった状態から蓄電器が+19ボルトまで充電された状態まで蓄電装置11が充電するのにおよそ0.6ミリ秒かかる。10ミリ秒が50ヘルツAC電圧正弦波の半周期である。つまり、蓄電装置11は50ヘルツAC電圧正弦波の半周期のたった6%の期間しか完全に充電できない。時間t2とt3の間の充電時間はそれほど短いのである。
【0021】
図7の例で、自己発電式電子ヒューズ装置1は、AC電圧波形の電圧が増加している時間t2に、最初にAC電流経路に連結されている。そのため、蓄電装置11の電圧は増加し、AC電圧も増加する。また、必ずしもこれと同じケースばかりではない。別の例の自己発電式電子ヒューズ装置1は、AC電圧波形が減少している時に、最初にAC電流経路に連結されている。そのような場合、AC波形の電圧が減少している時に蓄電装置11の電圧は増加する。蓄電装置の充電がいつ始まるかに関わらず、最大充電電流は電流制限回路12の抵抗器26によって制限され設定される。
【0022】
蓄電装置11が完全に放電した状態から初めて充電されると、
図7に示したように19ボルトまで充電される。その後、蓄電装置11に蓄えられた電力が自己発電式電子ヒューズ装置の回路に電力を供給するために使用される。そのため、蓄電装置11の電圧は減少し、最終的に再充電が必要になる。しかし、再充電動作では、蓄電装置11は最大の19ボルトまでは再充電されない。それどころか、以下に詳細を説明するとおり、コンパレータ回路が蓄電装置11の電圧を監視する。コンパレータ回路が蓄電装置11の電圧が15ボルトの電圧閾値を超えたと判定すると、コンパレータ回路が蓄電装置11のそれ以降の充電を停止する。充電の停止はスイッチSW1及びSW2を閉じることで行われる。従って、最初の蓄電器の充電後の再充電動作では、蓄電装置11は15ボルトの電圧閾値まで充電される。
【0023】
図8は、いくつかの「スイッチが開いた期間」、すなわち第一及び第二スイッチが開き蓄電装置11を再充電可能なCT1、CT2、CT3を示した単純化した波形図である。これらの期間は、自己発電式電子ヒューズ装置1を流れる正弦波AC電流100に関連して示している。ここに示した特定の例では、第一及び第二スイッチの開放期間CT1及びCT2が、AC電流の連続した半周期に発生する。次の半周期にはスイッチが開く期間はない。第三のスイッチ開放期間CT3は、次の半周期に発生する。そのように、AC電流の特定の半周期ごとにスイッチ開放期間と開放していない期間がある。AC電流の特定の半周期にスイッチの開放期間があるかどうかは、蓄電装置に再充電の必要があるかどうかによって左右される。図示した例、及び全ての例で、各「スイッチ開放期間」は常に1ミリ秒より短くなる。50ヘルツ正弦波AC電流の半周期は10ミリ秒である。参照値103は、そのような半周期の一つを示している。60ヘルツ正弦波AC電流の半周期はおよそ8.3ミリ秒である。そのため、50Hz及び60HzAC電流では、各スイッチの開放期間は常に自己発電式電子ヒューズ装置を通る正弦波AC電流の半周期の15%未満となる。例えば、半周期103の前半部101は、スイッチSW1及びSW2が閉じていて、蓄電装置は再充電していない。半周期103の後半部102(CT2)の期間、SW1及びSW2は開いている。蓄電装置が充電されるのは、この後半部102(CT2)の間である。この後半部102で、蓄電装置が一定時間充電され、ゼロクロス時周辺で充電が短時間停止し、蓄電器の充電が再開する場合があるが、後半部102の間中、スイッチSW1及びSW2は開いている。
【0024】
図9は、システム33で動作中の自己発電式電子ヒューズ1を示している。システム33には、240ボルトAC電源37、負荷35、自己発電式電子ヒューズ1が含まれる。自己発電式電子ヒューズ1を流れる電流が40アンペアの過負荷電流を超えると、自己発電式電子ヒューズ1が作動する。その中のスイッチSW1及びSW2が開き、電流は自己発電式電子ヒューズ1を流れることができなくなる。自己発電式電子ヒューズ1は、以下のいずれかにならない限り、この開放(作動)状態のままになる:1)リセット押しボタン34が押される、または2)自己発電式電子ヒューズ1が何らかの理由でAC電源から切断される。自己発電式電子ヒューズ1は、ヒューズレセプタクルからヒューズを取り外すことにより、AC電源から切断することができる。また、自己発電式電子ヒューズ1は、AC電源37をOFFにすることによっても、AC電源から切断することができる。
【0025】
図10は自己発電式電子ヒューズ装置1の詳細な回路図である。第一スイッチSW1 5は第一電源NFETで、第二スイッチSW2 6は第二電源NFETである。第一ダイオードD1 7は、第一電源NFET5のボディダイオードである。第一電源NFETと第一ダイオードは、同じ半導体チップの部品である。第二ダイオードD2 8は、第一電源NFET6のボディダイオードである。これらのトランジスタに加え、第一電流ミラーNFET40及び第二電流ミラーNFET41がある。第一電流検知抵抗器42は、第一電流ミラーNFET40のソース43と仮想接地ノードN2 15の間に連結される。第一電流ミラーNFET40のドレイン44は、第一電源NFET5のドレイン45に連結される。電圧VS1は、第一検知抵抗器42全体の電圧降下である。第一電流ミラーNFET40のゲート46は、第一電源NFET5のゲート47に連結される。第一電流ミラーNFET40を通る電流は、第一電源NFET5を流れる電流の1/100である。第二電流検知抵抗器48は、第二電流ミラーNFET41のソース49と仮想接地ノードN2 15の間に連結される。第二電流ミラーNFET41のドレイン50は、第二電源NFET6のドレイン51に連結される。電圧VS2は、第二検知抵抗器48全体の電圧降下である。第二電流ミラーNFET41のゲート52は、第二電源NFET6のゲート53に連結される。第二電流ミラーNFET41を通る電流は、第二電源NFET14を流れる電流の1/100である。第一電源NFET5のソース54は、仮想接地ノードN2 15で第二電源NFET6のソース55に連結される。電圧降下VS1は、第一スイッチSW1を流れる電流を示している。電圧降下VS2は、第二スイッチSW2を流れる電流を示している。第一電源NFETと第一電流ミラーNFETと第一ダイオードは、同じ第一半導体チップの部品である。第二電源NFETと第二電流ミラーNFETと第二ダイオードは、同じ第二半導体チップの部品である。電流ミラーNFET40及び41の電流検知回路、及び電流検知抵抗器42及び48は、
図3のスイッチ制御回路13の一部だと考えられる。重要なことは、第一ヒューズ装置パッケージ端子T1から第一スイッチSW1を通り、第二スイッチSW2を通り、第二ヒューズ装置パッケージ端子T2までの主要電流経路には、電流検知回路または検知抵抗器がないということである。
【0026】
自己発電式電子ヒューズ装置1が、最初に負荷35とともに直列でAC電源37と接続されているとき(
図9参照)、第一及び第二スイッチ両方がOFF状態になる。蓄電装置11はゼロボルトである。蓄電装置11は、ダイオードD3またはD4、デプレッション型NFET24、抵抗器26、及び、電源NFET5及び6のうち一つのボディダイオードを通して充電を開始する。電圧閾値は、抵抗器56及び57を構成する抵抗器電圧分割器によって設定される。この電圧閾値は15ボルトである。通常の再充電動作では、蓄電装置11がこの15ボルトの電圧閾値を超えるとすぐに、コンパレータ58がLowからHighに遷移し、それによってヒューズ回路がスイッチSW1及びSW2をONにすることを可能にする。上記の通りスイッチSW1及びSW2をONにすることで、再充電サイクルが終了し、蓄電装置11が15ボルトになる。ただし、スイッチSW1及びSW2をONにすることによって、負荷がAC電源37に連結される。スイッチSW1及びSW2が最初にONになった時に自己発電式電子ヒューズ装置1を通る初期サージ電流を最小化するために、最初にSW1及びSW2のスイッチが入るタイミングは、AC入力電圧が電圧閾値未満に下がるまで遅延される。この電圧閾値は20ボルトで、抵抗器59及び60を含む抵抗器電圧分割器によって設定される。AC入力電圧は、仮想接地ノードN2 15の電圧と比較すると、整流された状態でVRECTノード14の電圧である。スイッチSW1及びSW2のスイッチが入るタイミングが遅延するため、この最初の充電動作の間の蓄電装置11の電圧が15ボルトを超え、最大の19ボルトに達する。この遅延の後、電圧閾値が20ボルト未満に低下すると、コンパレータ61がLowからHighに遷移する。これによってORゲート62の出力がLowからHighに遷移する。この時点で、2入力ANDゲート63の両方の入力がデジタル論理High電圧のため、ANDゲート63はデジタル論理High値をNANDゲート64のLower入力リードに出力する。デジタル論理Highは、NANDゲート64のもう一方の入力リードにも存在する。そのため、NANDゲート64はNFET65のゲートにデジタル論理Low信号を出力する。NFET65のゲートのデジタル論理Low信号により、NFET65がOFFになる。NFET65のドレインの電圧が、プルアップ抵抗66により、High論理レベルに引き上げられる。ドレインは、ゲートドライバ集積回路67のINA及びINB端子に連結される。ゲートドライバ集積回路67には、2個の非反転ローサイドゲートドライバが含まれる。INA端子は第一ゲートドライバの入力に連結され、OUTA端子は第一ゲートドライバの出力に連結される。INB端子は第二ゲートドライバの入力に連結され、OUTB端子は第二ゲートドライバの出力に連結される。両方のゲートドライバが、この時点で+19ボルトのノードN5の電圧によって供給されているイネーブル入力端子ENA及びENBの仮想によって有効になる。結果的に、ゲートドライバは+19ボルトの電圧を第一及び第二スイッチSW1及びSW2で駆動する。これにより、第一及び第二スイッチSW1及びSW2がONになる。
【0027】
図6に関連して上記で説明したとおり、トランジスタ24はデプレッション型NFETである。AC入力電圧が蓄電装置の電圧よりも高い時にもAC入力電圧の瞬間値に関係なく、一定の電流で蓄電装置11を充電するために使用される。充電電流の振幅は、抵抗器26全体の電圧降下によって設定される。蓄電装置11の電圧がツェナーダイオード25の15ボルトの電圧閾値を超えると、デプレッション型NFET24のゲート30がこの+15ボルトのツェナーダイオードの電圧で固定される。しかし、デプレッション型NFET24のソース29の電圧は上昇し続ける。ソース29の電圧がゲート30の電圧をマイナス4ボルト超えると(つまりデプレッション型NFETのマイナス4ボルトのV
GS閾値よりもマイナスになると)、デプレッション型NFET24がOFFになる。これによって、蓄電装置11の過充電と消費電力の増加を防ぐ。その結果、最初の充電動作の最後に蓄電装置11の電圧が+19になる。
【0028】
負荷電流が40アンペアの過負荷電流を超えると、過負荷電流状態として検出される。電流検知抵抗器42及び48のうち一つの電圧降下が、対応するコンパレータ68及び70の電圧閾値の基準電圧を超過する。この基準電圧、抵抗器71及び72を含む抵抗器電圧分割器によって設定される。コンパレータ68及び70のうち一つが作動し、デジタル論理Low信号を出力する。そのため、NANDゲート73がデジタル論理High信号を出力する。これにより、第一RSラッチが設定される。この第一RSラッチがNORゲート74及び75で構成される。このRSラッチの設定により、ラッチがデジタル論理Low信号をノード及び導体76に出力する。導体76のデジタル論理Low信号のため、ANDゲート63がデジタル論理Low信号を出力する。NANDゲート64の入力のデジタル論理Low信号が存在することにより、NANDゲート64がデジタル論理High信号を出力する。それによってNFET65がONになり、デジタル論理Lowレベル信号をゲートドライバ67のINA及びINB入力に出力する。そのため、ゲートドライバ67は、第一及び第二スイッチのゲート電圧をゼロボルトにし、第一及び第二スイッチSW1及びSW2がOFFになる。過負荷電流の状態では、第一及び第二スイッチSW1及びSW2をOFFにすることが望まれる。
【0029】
抵抗器77及び蓄電器78を構成するRCネットワークは、高周波数ACノイズがある場合に、誤った過負荷電流ヒューズ作動(過負荷電流状態を検出しスイッチSW1及びSW2をOFFにすること)を防止する。抵抗器81と蓄電器82によって設定される時定数が、ヒューズ回路の最初の起動から過負荷状態が初めて検出される可能性のある瞬間までの最小時間を設定する。過負荷状態の後、以下場合、自己発電式電子ヒューズ装置はOFF状態(スイッチSW1及びSW2がOFF)を保つ:1)ヒューズへのAC電源が取り除かれず、蓄電装置11が完全に放電する、または2)押しボタン34が押されない。押しボタン34を押すと、第一RSラッチがリセットされる。
【0030】
NORゲート74及び75を含む第一RSラッチに加え、第二RSラッチがある。この第二RSラッチはNORゲート79及び80で構成される。第二RSラッチは、蓄電装置が完全に放電していて、AC電圧が20ボルトより高い場合に、スイッチSW1及びSW2が最初の起動後にONになるのを防ぐために使用される。AC電圧が20ボルトより高い時に最初の電源投入時にスイッチSW1及びSW2がONになるのを防ぐことにより、高電圧状態で負荷が接続されることによるサージ電流を防止する。ヒューズ回路への電源投入時、第二RSラッチがリセットされる。第二RSラッチのリセット状態は、NORゲート80がデジタル論理Low信号を出力する状態である。
【0031】
第一及び第二スイッチSW1及びSW2両方がONで導通している時、T1及びT2端子間のヒューズ全体の電圧降下V
FUSEは、負荷電流とSW1及びSW2スイッチのR
DC(ON)抵抗によって決まる。そのため、ヒューズ全体の電圧降下V
FUSEは、およそ2R
DC(ON)xI
LOADに等しい。通常の状態では、この電圧はヒューズ動作に必要とされる蓄電装置の最小電圧を超えないため、スイッチSW1及びSW2がONの時は蓄電装置が放電する。そのため、蓄電装置が放電し定期的な再充電が必要になる。
【0032】
再充電プロセスは、以下の条件が両方とも当てはまる時に開始する:1)蓄電装置11の電圧が12ボルト未満、かつ2)負荷電流が50ミリアンペア電流閾値未満。コンパレータ58は蓄電装置11の電圧が12ボルト未満になったことを検出する。抵抗器99によりヒステリシスが加わる。蓄電装置の電圧が12ボルト未満に低下すると、コンパレータ58がデジタル論理Low信号の出力を開始する。すると、蓄電装置の電圧が増加し、コンパレータ58は蓄電装置の電圧が15ボルトより高くなるまでデジタル論理High信号の出力を開始しない。ヒューズの回路が蓄電装置の電力を消費し、蓄電装置の電圧が12ボルト未満に低下すると、コンパレータ58がデジタル論理Low信号の出力を開始する。このデジタル論理Low信号は、ORゲート83の一つの入力リードに供給される。デジタル論理Low信号は、ORゲート83を通過することができない。しかし、ORゲート83のその他の入力リードのデジタル信号がデジタル論理High値の場合は通過する。第一及び第二スイッチSW1及びSW2は、ヒューズを流れる負荷電流がゼロに近い小さな電流の場合だけ、再充電動作のために開く。ヒューズを流れる負荷電流が大きい場合は、回路は再充電のための第一及び第二スイッチSW1及びSW2の開放を待機する。そのように、コンパレータ84及び85が、抵抗器86及び87の抵抗器ドライバによって確立された50ミリアンペアの電流閾値未満ではない負荷電流を検出している場合、NANDゲート88がデジタル論理Highを出力する。それにより、ORゲート83のその他の入力リードのデジタル論理Low信号によるORゲート83の通過が効果的にブロックされる。ヒューズを通過するAC電流の強度が減少するにつれ、ヒューズを通過する電流が徐々に抵抗器86及び87の抵抗器ドライバによって確立された50ミリアンペアの電流閾値未満に低下する。この時点で検知抵抗器42及び48両方の電圧降下は、抵抗器電圧分割器の中央ノード89の電圧未満である。コンパレータ84及び85の両方がデジタル論理High信号を出力する。そのため、NANDゲート88がデジタル論理Low信号を出力する。ORゲート83のふたつの入力リード両方の信号がデジタル論理Lowレベルになっているため、ORゲート83がデジタル論理Low信号を出力する。それによって、NANDゲート64がデジタル論理Highを出力し、NFET65がONになり、デジタル論理Low信号がゲートドライバ67のINA及びINB入力に出力され、ゲートドライバがSW1及びSW2スイッチのゲートの電圧を接地レベルにする。これにより、蓄電装置11の再充電の準備のためにスイッチSW1及びSW2がOFFになる。重要なことは、スイッチSW1及びSW2は、ヒューズを流れる負荷電流が低レベル(50ミリアンペア未満)の時に蓄電器を再充電するためだけにOFFになるということである。それにより、ヒューズを流れる負荷電流を負荷が受けとるときの障害が最小化される。スイッチSW1及びSW2が開放されることで、上記の蓄電装置の再充電プロセスが進行可能になる。
【0033】
再充電プロセスの最後で、蓄電装置11の電圧が抵抗器56及び57を含む抵抗器電圧分割器の中央タップ90の電圧よりも高くなった時に、第一及び第二スイッチSW1及びSW2を再びONにすることができる。ORゲート62の入力リード91の信号の影響を無視すると、AC電圧が、抵抗器59及び60の抵抗器電圧分割器によって設定される20ボルトの電圧閾値より低い場合にのみ、スイッチSW1及びSW2を再びONにすることができる。負荷が誘導性の場合、ヒューズを流れる負荷電流とヒューズ全体のAC電圧の間で大きな位相偏移が起こる可能性がある。抵抗器59及び60の抵抗器ドライバによって設定される電圧閾値よりもAC電圧が高くなると、この位相偏移が大きいため、ヒューズがONになることができなくなる(蓄電装置がすでに完全に充電されているにもかかわらず)。これを防ぐために、負荷が初めてONになる時だけ、(SW1及びSW2をONにするタイミングを設定するために)コンパレータ61から出力される出力信号が使用される。それ以降の再充電動作後にスイッチSW1及びSW2をONにする時に、50ミリアンペアを超える負荷電流が検出された場合、NANDゲート88からの信号がHighに遷移し、NORゲート79及び80の第二RSラッチを設定する。第二RSラッチの設定により、デジタル論理High信号がORゲート62の入力リード91に出力される。これにより、コンパレータ61が出力するデジタル論理Low信号のORゲート62の通過が効果的にブロックされ、スイッチSW1及びSW2がOFF状態に保たれる。スイッチSW1及びSW2をONにすることは、コンパレータ61の出力信号によってブロックすることはできないため、スイッチはコンパレータ58の信号出力の値によってONにできるかどうかが決まる。蓄電装置が15ボルトより大きい電圧になるまで充電されると、コンパレータ58がデジタル論理High信号を出力し、このHigh信号がORゲート83を通過して、デジタル論理High信号がNANDゲート64の上位入力に存在することになる。NANDゲート64の下位入力の信号は、ANDゲート63がデジタル論理High信号を出力しているため、デジタル論理Highである。そのため、NANDゲート64は、蓄電器が15ボルトまで充電されると、デジタル論理Low信号を出力する。その結果NFET65がOFFになり、ゲートドライバのINA及びINBリードの電圧がHigh電圧なので、ゲートドライバがスイッチSW1及びSW2をONにする。そのようにして、コンパレータ58が蓄電装置11が15ボルト以上になったことを検出した時に、再充電プロセスが終了する。
【0034】
NORゲート79及び80の第二RSラッチの初期状態が、抵抗器81及び蓄電器82を含むRCネットワークによって設定される。電源投入時、蓄電器82はまだ充電されていないので、デジタル論理High信号は最初ノード及び導体92に存在する。これによって第二ラッチがリセットされ、ORゲート80がデジタル論理Lowレベル信号を出力する。このリセット状態では、第二ラッチはコンパレータ61が信号を出力してもブロックしない。しかし、いったん第二ラッチが設定されると(抵抗器81及び蓄電器82のRC時定数による遅延後、及び50ミリアンペアを超える負荷電流の検出後)、第二ラッチはコンパレータ61が出力する信号をブロックする。
【0035】
ツェナーダイオード93及び蓄電器94は、AC電圧スパイク時にコンパレータ61の破損を防ぐために提供されている。低ドロップアウト(LDO)電圧レギュレータ95が、蓄電装置11及びノードN5 18の供給電圧から電力を供給される。LDO電圧レギュレータ95は3.3ボルト供給電圧を+3.3ボルトノード96に出力する。+3.3ボルト供給電圧は、ヒューズの全てのコンパレータ及び全てのデジタル論理回路に電力を供給する。自己発電式電子ヒューズ装置の回路は、殆どの時間利用されていない。+3.3供給電圧からの予測平均消費電流は、0.5ミリアンペア未満である。LDO電圧レギュレータ97は、+3.3供給電圧から電力を供給され、+1.8ボルトの供給電圧+1.8ボルトノード98に出力する。+1.8ボルト供給電圧からの平均消費電流は50マイクロアンペア未満である。一例として、所在地1590BuckeyeDrive,Milpitas,CaliforniaのIXYSCorporation社が提供するIXDN602またはIXDN604などのゲートドライバ集積回路67は、ローサイドゲートドライバ集積回路である。NFET65は、ゲートドライバの入力電圧を蓄電装置のレベルに変換し、それによって定常状態のゲートドライバの消費電流を最小化しおよそ10マイクロアンペアにするために提供される。このレベル変換がなければ、定常状態のゲートドライバ集積回路67の消費電流はおよそ3ミリアンペアとなる。負荷が接続されていなければ、ヒューズは電力を消費しない。蓄電装置11が完全に放電した後、ヒューズは再び初期状態になる。そして、ヒューズは負荷が接続されるまで待機する。負荷の接続後、電流はヒューズを通って流れ、ヒューズはスイッチSW1とSW2を初期化して閉じ、それによって負荷35がAC電源34に接続される。スイッチSW1及びSW2を閉じる動作は、AC電源信号の周期の半分の最大遅延(負荷が最初に接続してからスイッチが閉じるまで)とともに行われる。
【0036】
図11は、過負荷状態がない時の自己発電式ヒューズ装置1が関わる方法200のフローチャートである。最初、蓄電装置は完全に放電した状態である。次に、第一及び第二スイッチSW1及びSW2がOFF(開放)の時に、
図10の自己発電式電子ヒューズ装置を通ってAC電流が導通する(ステップ201)。それによって蓄電装置が充電される。ヒューズ回路は、蓄電装置の電圧が第一電圧閾値(15ボルト)になるまで待機する(ステップ202)。ヒューズ回路は、ヒューズ全体のAC電圧がAC電圧閾値未満(20ボルト)になるまで待機する(ステップ203)。第一及び第二スイッチがONになる(ステップ204)。この時点で、蓄電装置が初めて少なくとも15ボルトまで充電されている。ヒューズ回路がヒューズを流れるAC電流が電流閾値(50ミリアンペア)を超えていることを検知し(ステプ205)、それに反応して第二ラッチを設定する。この第二ラッチの設定(ステップ206)により、AC電圧検出信号がスイッチをONにするのを防ぐ動作がブロックされる。ヒューズ回路は、蓄電装置の電圧及び電流検出信号を監視する(ステップ207)。蓄電装置の電圧が第二電圧閾値(12ボルト)より低いと判定され(ステップ208)、AC電流が電流閾値(50ミリアンペア)未満だと判定されると(ステップ209)、スイッチがOFFになる(ステップ210)。スイッチをOFFにすると、蓄電装置が再充電を開始することが可能になる。蓄電装置の電圧が増加する。蓄電装置の電圧が第一電圧閾値(15ボルト)未満ではなくなると、スイッチがONになる(ステップ211)。スイッチがONになると、蓄電装置の再充電が停止する。
【0037】
フローチャート右側のステップ207〜211は、自己発電式ヒューズ装置が定常状態の動作をしている時のステップを示している。蓄電装置の電圧が第二電圧閾値(12ボルト)未満になったことが検出されると、AC電流が電源閾値(50ミリアンペア)未満に低下した時にスイッチがOFF(開放)になる。それによって、蓄電器の再充電動作が開始する。蓄電装置の電圧が第一電圧閾値(15ボルト)になると、スイッチがON(閉)になる。蓄電器の再充電は、スイッチがOFF(開放)になっている「スイッチ開放期間」に起こる。そのような3つのスイッチ開放期間CT1、CT2、及びCT3については、
図8を参照。
【0038】
フローチャート左側のステップ201〜206は、ヒューズ回路の最初の起動中に発生するステップを示している。
【0039】
図12は、2端子自己発電式電子ヒューズ装置のもう一つの実施例110を示した図である。
図10のNFET5、ダイオードD1、及び電流ミラーNFET40は、単一チップ上で露出している。このチップは
図12でQ1のラベルがついている。
図10のNFET14、ダイオードD2、及び電流ミラーNFET41は、単一チップ上で露出している。このチップは
図12でQ2のラベルがついている。これら2つのチップの例として、所在地1590Buckeye Drive, Milpitas, CaliforniaのIXYS Corporation社が提供するデバイスMMIXT132N50P3がある。デプレッション型NFET24は、第三の別個の半導体チップである。デプレッション型NFET24の例として、所在地1590BuckeyeDrive,Milpitas,CaliforniaのIXYSCorporation社が提供するデバイスIXTA3N50D2がある。
図10のダイオードD3は、
図12でD3のラベルがつけられた第四の個別半導体チップである。
図10のダイオードD4は、
図12でD4のラベルがつけられた第五の個別半導体チップである。これらのダイオードの例として、Sangdest Microelectronic Co., Ltd(SMC)社が提供するデバイスS1JTRがある。抵抗器、蓄電器、押しボタン、パッケージ端子以外の
図10の回路の残りの部分は、単一の集積回路チップ104に集積された形で提供されている。これらの集積回路チップ(Q1、Q2、24、D3、D4、104)は、DCB(ダイレクトボンド銅)基板105に表面実装されている。DCB105は射出成形集積回路パッケージ106のチップ搭載基板である。この集積回路パッケージ106には、密閉型の本体部分と多数の金属パッケージ端子が含まれる。それら金属パッケージ端子の一つが
図12の参照値107で識別される。集積回路パッケージ106はプリント回路基板(PCB)108に実装される。
図10の抵抗器及び蓄電器は、PCB上の個別の表面実装部品として提供される。これらの個別表面実装部品の一つが
図12の参照値109で識別される。大きな表面実装部品11は
図10の蓄電装置11である。集積回路パッケージ106の左上の5つの金属パッケージ端子は、PCBの導体によって第一金属端子T1 2に並列で連結される。集積回路パッケージ106の右上の5つの金属パッケージ端子は、PCBの胴体によって第二金属端子T2 3に並列で連結される。PCBのその他の導体(図示なし)は、表面実装抵抗器及び蓄電器を、集積回路パッケージ106の様々なその他の端子と連結する。一例として、第一及び第二端子T1及びT2は、金属シートのプレス加工された部品である。これらの金属シートのプレス加工された部品がPCBにはんだ付けまたは溶接される。別の例として、第一及び第二端子T1及びT2は、PCBの金属化した延長部分である。PCB107は、その上に実装された部品とともに、絶縁性ハウジング4に入っている。
図10の押しボタン34(図示なし)は、PCB108の底側に表面実装されている。押しボタン34は、自己発電式電子ヒューズ装置の外側から操作できるように、ハウジング4から出るように作られている。
【0040】
図13は、
図12の実施例110の例を示す図である。この例では、押しボタン34は提供されていない。
【0041】
本発明について説明のために特定の実施例と関連付けて記述しているが、本発明はそれに限定されるものではない。ダイオードD1及びD2は、NFETのボディダイオードの可能性もあり、ボディダイオードではなく個別のダイオードの可能性もある。スイッチSW1及びSW2は電気的に起動する機械的スイッチでもよい。実施例では電流ミラーをAC電流を検知するために使用すると記載しているが、別の例では電流ミラーはなく、1個以上の電流検知抵抗器が第一及び第二スイッチと直列でメインAC電流経路に配置されている。電流ミラーを使用する場合は、第一NFETのソースを第二NFETのソースに直接連結することができる。あるいは、検知抵抗器をAC電流の振幅を検知するために使用する場合、第一NFETのソースを検知抵抗器を経由して第二NFETのソースに連結することができる。何れの場合でも、第一NFETのソースは第二NFETのソースに連結されるといわれる。
図10の例では、第一ラッチ及び第二ラッチそれぞれが公差結合RSラッチだが、他の実施例では、フリップフロップなどの別の種類の順次論理素子でもよい。上記では、押しボタンが自己発電式電子ヒューズ装置をリセットする機構として記述されているが、別の実施例ではその他の機構が使用される。例えば、自己発電式電子ヒューズ装置にリモート制御光結合素子またはRF制御スイッチを搭載することができる。リモート制御で閉じるように作られていれば、自己発電式電子ヒューズ装置をリセットする際に押しボタンと同じ機能を提供する。そのように、特許請求の範囲に規定した本発明の範囲から離れることなく、記述した実施例の様々な修正、改作、様々な機能の組み合わせを行うことができる。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様1)
自己発電式ヒューズ装置に関する方法であって、前記方法は、
(a)交流(AC)電流を前記自己発電式ヒューズ装置に伝導させることであって、前記自己発電式ヒューズ装置は第一ヒューズ装置パッケージ端子、第二ヒューズ装置パッケージ端子、第一スイッチ、第二スイッチ、及び蓄電装置を含み、前記AC電流が前記第一ヒューズ装置パッケージ端子を経由して前記自己発電式ヒューズ装置に流れ、前記第二ヒューズ装置パッケージ端子を経由して前記自己発電式ヒューズ装置の外に流れ出す、伝導させることと;
(b)前記AC電流の半周期の第一部分で前記第一スイッチ及び前記第二スイッチをON状態に保つことと;
(c)前記AC電流の前記半周期の第二部分で前記第一スイッチ及び前記第二スイッチをOFF状態に保つことと;
(d)前記半周期の前記第一部分の間では充電させないが、前記半周期の前記第二部分の間で蓄電装置を充電させることと、を含む方法であって、(a)〜(d)が前記自己発電式ヒューズ装置によって行われる、方法。
(態様2)
前記半周期の前記第二部分が前記AC電流の前記半周期の15パーセント未満の持続時間である、態様1に記載の方法。
(態様3)
前記自己発電式ヒューズ装置を流れるAC電流を示す電流検出信号を生成することと;
前記第一スイッチ及び前記第二スイッチを前記ON状態から前記OFF状態にいつ切り替えるかを少なくとも部分的に前記電流検出信号に基づいて判定することとを更に含む、態様1に記載の方法。
(態様4)
前記電流検出信号は、前記AC電流が電流閾値を下回ったかどうかを示す、態様3に記載の方法。
(態様5)
(e)前記蓄電装置の電圧が電圧閾値に達したことを検出することと;
(f)(e)の前記検出することに反応して前記第一スイッチ及び前記第二スイッチがONになることであって、前記第一スイッチ及び前記第二スイッチがONになることにより前記蓄電装置の前記充電させることを停止させる、ONになることとを更に含む、態様1に記載の方法。
(態様6)
(e)前記AC電流の連続する2つの半周期に前記蓄電装置を再充電するように、前記蓄電装置を再充電することを更に含む、態様1に記載の方法。
(態様7)
(e)(d)の充電させることの後、前記第一スイッチ及び前記第二スイッチを前記ON状態にし、(e)において一旦前記第一スイッチ及び前記第二スイッチが前記ON状態になると:1)前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れるAC電流が過負荷電流閾値を超えない、及び、2)前記蓄電装置の電圧が電圧閾値未満に低下しないという両方が条件とされた状態において、前記第一スイッチ及び前記第二スイッチをON状態に保つことを更に含む、態様1に記載の方法。
(態様8)
前記第一ヒューズ装置パッケージ端子および前記第二ヒューズ装置パッケージ端子は、前記自己発電式ヒューズ装置の外側からアクセスできる前記自己発電式ヒューズ装置の唯一の電気端子である、態様1に記載の方法。
(態様9)
前記自己発電式ヒューズ装置がさらに一定量の回路を含み、前記自己発電式ヒューズ装置がバッテリーを含まず、(d)の充電させることにより前記蓄電装置に蓄積される電力をもたらす、態様1に記載の方法であって、
前記方法は、前記一定量の回路に電力を供給するように前記蓄電装置に蓄積された電力を使用することを含む、態様1に記載の方法。
(態様10)
前記半周期の前記第一部分の間に前記自己発電式ヒューズを通って流れる瞬時AC交流電流の絶対量が、前記半周期の第二部分の間に前記自己発電式ヒューズを通って流れる瞬時AC交流電流の絶対量よりも常に大きい、態様1に記載の方法。
(態様11)
前記第一部分は、比較的大きいAC電流が前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れる期間であって、前記第二部分は、比較的小さいAC電流が前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れる期間である、態様1に記載の方法。
(態様12)
自己発電式ヒューズ装置に関する方法であって、前記自己発電式ヒューズ装置が第一ヒューズ装置パッケージ端子、第二ヒューズ装置パッケージ端子、第一スイッチ、第二スイッチ、蓄電装置、及び一定量の回路を含み、前記第一ヒューズ装置パッケージ端子及び前記第二ヒューズ装置パッケージ端子が前記自己発電式ヒューズ装置の外側からアクセスできる前記自己発電式ヒューズ装置の唯一の電気端子であり、前記自己発電式ヒューズ装置がバッテリーを含まない、自己発電式ヒューズ装置に関する方法であって、前記方法は、;
定期的に前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをOFFにし、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチが両方ともOFFになっているときに、前記蓄電装置を再充電することであって、前記再充電することによって前記蓄電装置に蓄積される電力をもたらす、再充電することと;
前記一定量の回路に電力を供給するように前記蓄電装置に蓄積された電力を使用することと;
前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをONにし、それによって、電流が前記第一ヒューズ装置パッケージ端子を経由して前記自己発電式ヒューズ装置に流れ、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチを通って、前記第二ヒューズ装置パッケージ端子を経由して前記自己発電式ヒューズ装置の外に流れ出すことを可能にすることと、を含む方法。
(態様13)
前記第一スイッチおよび前記第二スイッチがONになっているときは常に前記蓄電装置が充電されない、態様12に記載の方法。
(態様14)
1)前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れる電流が所定の電流未満に低下し、2)前記蓄電装置の電圧が所定の電圧より小さい、という両方の条件が当てはまると直ちに、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをOFFにし、前記蓄電装置の再充電を開始することをさらに含む、態様12に記載の方法。
(態様15)
前記自己発電式ヒューズ装置を流れる電流が電流閾値未満に低下したことを検出することと;いつ前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをOFFにして前記蓄電装置の再充電を開始すべきかを、前記電流が前記電流閾値未満に低下したことを検出することに少なくとも部分的に基づいて判定することと、をさらに含む、態様12に記載の方法。
(態様16)
前記第一スイッチが第一トランジスタであり、前記第二スイッチが第二トランジスタであり、前記自己発電式ヒューズ装置が、前記第一トランジスタを通って流れる電流を反映しそれによって第一検出電流を生成する、第一電流ミラーをさらに含み、前記自己発電式ヒューズ装置が、第二トランジスタを通る電流を反映しそれによって第二検出電流を生成する、第二電流ミラーをさらに含み、前記自己発電式ヒューズ装置が第一検知抵抗器、第一コンパレータ、第二検知抵抗器、第二コンパレータ、およびデジタル論理回路をさらに含む態様14に記載の方法であって、前記方法が:
前記第一検出電流を前記第一検知抵抗器に通し、それによって第一検知電圧を生成することと;
前記第一検知電圧を、前記第一コンパレータの第一入力リードに供給することと;
基準電圧を、前記第一コンパレータの第二入力リードに供給することと;
前記第二検出電流を前記第二検知抵抗器に通し、それによって第二検知電圧を生成することと;
前記第二検知電圧を、前記第二コンパレータの第一入力リードに供給することと;
基準電圧を、前記第二コンパレータの第二入力リードに供給することと;
前記第一コンパレータによる信号出力を、前記デジタル論理回路の第一入力リードに供給し、前記デジタル論理回路が電流検出信号を出力するように、前記第二コンパレータによる信号出力を前記デジタル論理回路の第二入力リードに供給することと、をさらに含む、態様14に記載の方法。
(態様17)
前記電流検出信号は、前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れる電流が前記電流閾値未満に低下したかどうかを示す、態様16に記載の方法。
(態様18)
前記第一スイッチおよび前記第二スイッチがONとなることに起因して前記自己発電式ヒューズ装置に流れることができる前記電流は正弦波AC電流であり、前記正弦波AC電流は半周期を有し、前記蓄電装置は蓄電器再充電期間に再充電され、各蓄電器再充電期間は前記正弦波AC電流の各半周期の15パーセント未満の持続時間を有する、態様12に記載の方法。
(態様19)
前記第一スイッチおよび前記第二スイッチがONとなることに起因して前記自己発電式ヒューズ装置に流れることができる前記電流は正弦波AC電流であり、前記正弦波AC電流は半周期を有し、前記正弦波AC電流の各半周期の15パーセント未満の間、蓄電装置の再充電のために前記第一スイッチおよび前記第二スイッチがOFFになる、態様12に記載の方法。
(態様20)
1)前記自己発電式ヒューズ装置を通って流れる電流が過負荷電流閾値を超えない、かつ、2)前記蓄電装置の電圧が電圧閾値未満に低下しない、の両方が条件とされた状態において、一旦前記第一スイッチおよび前記第二スイッチがONになると、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをON状態に保つことをさらに含む、態様19に記載の方法。
(態様21)
前記一定量の回路が順次論理素子を含み、前記自己発電式ヒューズ装置がさらに押しボタンを含む、態様12に記載の方法であって、前記方法は:
前記押しボタンが押されたことに反応して前記順次論理素子をリセットすることと;
過負荷状態が検出されたことに反応して前記順次論理素子を設定することとをさらに含む、態様12に記載の方法。
(態様22)
前記一定量の回路が順次論理素子を含む態様12に記載の方法であって、前記方法は:
過負荷状態の検出に反応して前記順次論理素子を設定することをさらに含む、態様12に記載の方法。
(態様23)
自己発電式ヒューズ装置に関する方法であって、前記自己発電式ヒューズ装置が第一ヒューズ装置パッケージ端子、第二ヒューズ装置パッケージ端子、第一スイッチ、第二スイッチ、蓄電装置、及び一定量の回路を含む、自己発電式ヒューズに関する方法であって、前記方法は:
定期的に前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをOFFにし、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチが両方ともOFFであるときに、前記蓄電装置を再充電することであって、前記再充電することによって前記蓄電装置に蓄積される電力をもたらす、再充電することと;
前記一定量の回路に電力を供給するように前記蓄電装置に蓄積された電力を使用することと;
前記第一スイッチおよび前記第二スイッチをONにし、それによって電流が低抵抗電流経路内の前記自己発電式ヒューズ装置を流れることを可能にすることであって、前記低抵抗電流経路は100ミリオーム未満の抵抗を有し、前記低抵抗電流経路が第一ヒューズ装置パッケージ端子から、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチを通って、前記第二ヒューズ装置パッケージ端子を経由して、前記自己発電式ヒューズ装置から出て延長している、可能にすることとを含む方法。