【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [展示会名] 第1回 国際コインランドリーEXPO2016 [主催者名] 国際コインランドリーEXPO 実行委員会 [開催日] 平成28年12月2日−4日 [開催場所] 特許ビックサイト 東4・5ホール(千葉県千葉市美浜区中瀬2−1) [公開者] 旭精工株式会社
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の「ランドリー機器稼働状況監視システム」では、ランドリー機器の稼働状況がランドリー機器の電源がONまたはOFFとなる電圧およびランドリー機器の運転特性(以下、機器特性という。)によって判断されている。一般に、ランドリー機器は、複数のメーカーから多様な機種および型式のランドリー機器が提供されていて、メーカー、機種および型式の違いによって機器特性が異なる。そのため、各種ランドリー機器の機器特性を解析して、各種ランドリー機器の特徴を詳細に把握する必要があり、多大な解析労力および時間が必要となるという問題がある。
【0007】
特許文献2の「機器稼働監視装置」では、機器のプラグ付き電源コードを検出部を介して商用電源のACコンセントに接続し、機器を動作させた時に増加する利用電力を検出部で検出することで、機器の稼働状況を判断している。そのため、特許文献1の「ランドリー機器稼働状況監視システム」と同様に、機器特性を解析して、各種機器の特徴を詳細に把握する必要があり、多大な解析労力および時間が必要となるという問題がある。
【0008】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、機器特性の解析および把握にかかる多大な解析労力および時間を要することなく、機器の稼働状況を容易かつ簡便に管理することができる機器稼働状況管理システムおよび機器稼働状況管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、本発明は以下のように構成される。
【0010】
本発明の第1の機器稼働状況管理システムは、支払われる料金に応じた所定時間の稼働を可能とする複数の機器のそれぞれに対応して配置された複数の端末装置と、前記複数の端末装置のそれぞれに対して通信可能な上位装置と、を備え、前記複数の端末装置のそれぞれは、前記料金を収受したときに料金の収受を示す料金収受情報を
前記上位装置へ出力する料金収受情報出力部を有し、
前記複数の端末装置のそれぞれは、対応する前記機器へ収受した前記料金に応じた信号を送信し、前記信号を受信した前記機器は、前記機器の稼働を開始し、稼働している前記機器は、前記料金に応じた前記所定時間が経過すると稼働を停止し、前記上位装置は、前記料金収受情報が入力された時点からの経過時間を前記機器の稼働時間として計時する経過時間計時部と、前記経過時間が前記所定時間に達するまでの間は前記機器が稼働中であると
前記機器の実際の稼働状況によらずに判定する稼働状況判定部と、を有し、前記稼働状況判定部の判定結果に基づき
稼働状況情報を生成し、前記複数の機器のそれぞれについての
前記稼働状況情報を外部装置へ送信し、稼働状況を管理する機器稼働状況管理システムである。
【0011】
本発明の第1の機器稼働状況管理システムでは、複数の機器のそれぞれが支払われる料金に応じて所定時間稼働される。複数の端末装置は、複数の機器にそれぞれ対応して配置されており、上位装置との通信が可能である。複数の端末装置のそれぞれは料金収受情報出力部を有しており、料金収受情報出力部は料金を収受したときに料金の収受を示す料金収受情報を
上位装置へ出力する。
複数の端末装置のそれぞれは、対応する機器へ収受した料金に応じた信号を送信する。信号を受信した機器は、機器の稼働を開始する。稼働している機器は、料金に応じた所定時間が経過すると稼働を停止する。料金収受情報が入力された上位装置において、経過時間計時部が、料金収受情報の入力時点からの経過時間を機器の稼働時間として計時する。上位装置の稼働状況判定部は、経過時間計時部による計時の開始から経過時間が所定時間に達するまでの間は機器が稼働中であると判定する。
この判定は機器の実際の稼働状況によらずに判定される。そして、上位装置において、稼働状況判定部の判定結果に基づき
稼働状況情報を生成し、複数の機器のそれぞれについての稼働状況が管理される。換言すれば、複数の機器のそれぞれが支払われる料金に応じて所定時間稼働され、上位装置が複数の機器のそれぞれに対応する端末装置における料金の収受の時点から所定時間に達するまでの経過時間を計時することにより、複数の機器の稼働状況が管理される。
稼働状況情報は外部装置へ送信される。そのため、特許文献1および特許文献2に開示された従来技術のように機器特性を把握する必要がない。したがって、機器特性の解析および把握にかかる多大な解析労力および時間を要することなく、機器の稼働状況を容易かつ簡便に管理することができる。
【0012】
本発明の第2の機器稼働状況管理システムは、支払われる料金に応じた所定時間の稼働を可能とする複数の機器のそれぞれに対応して配置された複数の端末装置と、前記複数の端末装置のそれぞれに対して通信可能な上位装置と、を備え、前記複数の端末装置のそれぞれは、前記料金を収受したときに収受した料金額および当該端末装置を特定可能な端末識別情報を含む料金収受情報を出力する料金収受情報出力部を有し、前記上位装置は、前記料金収受情報が入力された時点からの経過時間を前記機器の稼働時間として計時する経過時間計時部と、前記複数の機器のそれぞれにおける料金額および当該料金額に応じて設定された稼働可能時間を含む前記複数の機器毎の稼働条件を前記端末識別情報に関連付けて記憶する記憶装置と、前記料金収受情報における端末識別情報および料金額と前記記憶装置に記憶された端末識別情報および料金額とを対比して前記記憶装置に記憶された前記稼働可能時間を特定する稼働可能時間特定部と、前記稼働可能時間特定部で特定された前記稼働可能時間を前記所定時間として前記経過時間が前記所定時間に達するまでの間は前記機器が稼働中であると判定する稼働状況判定部と、を有し、前記稼働状況判定部の判定結果に基づき、前記複数の機器のそれぞれについての稼働状況を管理する機器稼働状況管理システムである。
【0013】
本発明の第2の機器稼働状況管理システムでは、複数の機器のそれぞれが支払われた料金に応じて所定時間稼働される。複数の端末装置は、複数の機器にそれぞれ対応して配置されており、上位装置との通信が可能である。複数の端末装置のそれぞれは料金収受情報出力部を有しており、料金収受情報出力部は料金を収受したときに収受した料金額および当該端末装置を特定可能な端末識別情報を含む料金収受情報を出力する。料金収受情報が入力された上位装置において、経過時間計時部が、料金収受情報の入力時点からの経過時間を機器の稼働時間として計時する。上位装置の記憶装置には、複数の機器のそれぞれの稼働条件が対応する端末識別情報に関連付けられて記憶されている。機器の稼働条件は、複数の機器のそれぞれにおける料金額および当該料金額に対応して設定された機器の稼働可能時間を含んでいる。上位装置の稼働状況判定部は、経過時間計時部による計時の開始から計時時間が所定時間に達するまでの間は機器が稼働中であると判定する。その際、上位装置の稼働可能時間特定部は、料金収受情報の端末識別情報および料金額と、上位装置の記憶装置に記憶された端末識別情報および料金額とを対比して、上位装置の記憶装置に記憶された稼働可能時間を特定する。上位装置の稼働状況判定部は、稼働可能時間特定部により特定された稼働可能時間を所定時間として機器が稼働中であるかを判定する。そして、上位装置において、稼働状況判定部の判定結果に基づき複数の機器のそれぞれについての稼働状況が管理される。換言すれば、複数の機器のそれぞれが支払われる料金に応じて所定時間稼働され、上位装置が複数の機器のそれぞれに対応する端末装置における料金の収受の時点から所定時間に達するまでの経過時間を計時することにより、複数の機器の稼働状況が管理される。そのため、特許文献1および特許文献2に開示された従来技術のように機器特性を把握する必要がない。したがって、機器特性の解析および把握にかかる多大な解析労力および時間を要することなく、機器の稼働状況を容易かつ簡便に管理することができる。また、上位装置の記憶装置に記憶された機器の稼働条件から機器の稼働可能時間が特定され、当該特定された機器の稼働可能時間を所定時間として機器が稼働中であるかを判定している。そのため、複数の機器に互いに異なる稼働条件を設定する場合であっても、複数の機器のそれぞれについて稼働条件毎に稼働状況を管理することが可能となる。
【0014】
本発明の第1の機器稼働状況管理方法は、支払われる料金に応じた所定時間の稼働を可能とする複数の機器のそれぞれの稼働状況を管理する機器稼働状況管理方法であって、前記複数の機器のそれぞれに対応して配置された複数の端末装置において前記料金が収受されたか否かをそれぞれ判定する行程と、前記複数の端末装置の少なくとも一の端末装置において前記料金が収受されたと判定されたときに当該端末装置が前記料金の収受を示す料金収受情報を出力する行程と、前記複数の端末装置のそれぞれと通信可能な上位装置において前記料金収受情報の入力された時点からの経過時間を前記機器の稼働時間として計時する行程と、
前記複数の端末装置のそれぞれにおいて対応する前記機器へ収受した前記料金に応じた信号を送信する行程と、前記信号を受信した前記機器にいて前記機器の稼働を開始する行程と、稼働している前記機器において前記料金に応じた前記所定時間が経過すると稼働を停止する行程と、前記上位装置において
前記料金収受情報が入力された時点から前記経過時間が前記所定時間に達するまでの間は前記機器が稼働中であると
前記機器の実際の稼働状況によらずに判定する行程と、
前記上位装置において該判定結果に基づき稼働状況情報を生成し、前記複数の機器のそれぞれについての前記稼働状況情報を外部装置へ送信する工程と、を備える機器稼働状況管理方法である。
【0015】
本発明の第1の機器稼働状況管理方法では、複数の機器のそれぞれが支払われる料金に応じて所定時間稼働される。複数の機器のそれぞれに対応して配置された複数の端末装置のそれぞれでは、料金が収受されたか否かが判定される。複数の端末装置の少なくとも一の端末装置において料金が収受されたと判定されたときには、当該端末装置が料金の収受を示す料金収受情報を出力する。複数の端末装置のそれぞれと通信可能な上位装置では、料金収受情報の入力された時点からの経過時間を機器の稼働時間として計時される。
複数の端末装置のそれぞれにおいて対応する機器へ収受した料金に応じた信号を送信する。信号を受信した機器にいて機器の稼働を開始する。稼働している機器において料金に応じた所定時間が経過すると稼働を停止する。さらに、上位装置では、
料金収受情報が入力された時点から経過時間が所定時間に達するまでの間は機器が稼働中であると判定される。
この判定は機器の実際の稼働状況によらずに判定する。上位装置において、稼働状況判定部の判定結果に基づき稼働状況情報を生成し、複数の機器のそれぞれについての稼働状況が管理される。換言すれば、複数の機器のそれぞれが支払われる料金に応じて所定時間稼働され、上位装置が複数の機器のそれぞれに対応する端末装置における料金の収受の時点から所定時間に達するまでの経過時間を計時することにより、複数の機器の稼働状況が管理される。
稼働状況情報は外部装置へ送信される。そのため、特許文献1および特許文献2に開示された従来技術のように機器特性を把握する必要がない。したがって、機器特性の解析および把握にかかる多大な解析労力および時間を要することなく、機器の稼働状況を容易かつ簡便に管理することができる。
【0016】
本発明の第2の機器稼働状況管理方法は、支払われる料金に応じた所定時間の稼働を可能とする複数の機器のそれぞれの稼働状況を管理する機器稼働状況管理方法であって、前記複数の機器のそれぞれに対応して配置された複数の端末装置において前記料金が収受されたか否かを判定する行程と、前記複数の端末装置の少なくとも一の端末装置において前記料金が収受されたと判定されたときに当該端末装置が収受した料金額および当該端末装置を特定可能な端末識別情報を含む料金収受情報を出力する行程と、前記複数の端末装置のそれぞれと通信可能な上位装置において、前記料金収受情報が入力されたときに、当該料金収受情報の前記端末識別情報に基づき前記複数の機器の一を特定すると共に当該料金収受情報の前記料金額に基づき当該特定された機器の稼働可能時間を特定し、当該特定された稼働可能時間を当該特定された機器の前記所定時間に設定し、且つ、前記料金収受情報の入力された時点からの経過時間を前記特定された機器の稼働時間として計時する行程と、前記上位装置において、前記経過時間が前記所定時間に達するまでの間は前記特定された機器が稼働中であると判定する行程と、を備える機器稼働状況管理方法である。
【0017】
本発明の第2の機器稼働状況管理方法では、複数の機器のそれぞれが支払われる料金に応じて所定時間稼働される。複数の機器のそれぞれに対応して配置された複数の端末装置では、料金が収受されたか否かをそれぞれ判定する。複数の端末装置の少なくとも一の端末装置において料金が収受されたと判定されたときには、当該端末装置が収受した料金額および当該端末装置を特定可能な端末識別情報を含む料金収受情報を出力する。複数の端末装置のそれぞれと通信可能な上位装置では、料金収受情報が入力されたときに、当該料金収受情報の端末識別情報に基づき複数の機器の一を特定すると共に当該料金収受情報の料金額に基づき当該特定された機器の稼働可能時間を特定する。当該特定された稼働可能時間が当該特定された機器の所定時間に設定される。また、上位装置では、料金収受情報の入力された時点からの経過時間が特定された機器の稼働時間として計時される。さらに、上位装置では、経過時間が所定時間に達するまでの間は特定された機器が稼働中であると判定される。換言すれば、複数の機器のそれぞれが支払われる料金に応じて所定時間稼働され、上位装置が複数の機器のそれぞれに対応する端末装置における料金の収受の時点から所定時間に達するまでの経過時間を計時することにより、複数の機器の稼働状況が管理される。そのため、特許文献1および特許文献2に開示された従来技術のように機器特性を把握する必要がない。したがって、機器特性の解析および把握にかかる多大な解析労力および時間を要することなく、機器の稼働状況を容易かつ簡便に管理することができる。また、料金収受情報の端末識別情報により複数の機器の一が特定されると共に、料金収受情報の料金額により当該特定された機器の稼働可能時間が特定され、当該特定された機器の稼働可能時間を所定時間として機器が稼働中であるかを判定している。そのため、複数の機器に互いに異なる稼働条件(料金額および稼働可能な所定時間)を設定する場合であっても、複数の機器のそれぞれについて稼働条件毎に稼働状況を管理することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の機器稼働状況管理システムおよび機器稼働状況管理方法では、機器特性の解析および把握にかかる多大な解析労力および時間を要することなく、機器の稼働状況を容易かつ簡便に管理することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0021】
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態の機器稼働状況管理システム1を示す。この機器稼働状況管理システム1は、コインランドリー店舗30に設置されたコインランドリー用機器2の稼働状況を管理するためのものである。機器稼働状況管理システム1は、支払料金に応じて所定時間稼働する複数の機器2と、それら複数の機器2のそれぞれに対応して配置された複数の端末装置4と、複数の端末装置4のそれぞれに対して通信可能であると共に公衆ネットワーク12に接続された上位装置5と、公衆ネットワーク12に接続されたサーバ装置8と、を含んでいる。なお、実際には複数のコインランドリー店舗30を含んで構成されるが、ここでは説明を簡略化するため1つのコインランドリー店舗30のみがあるものとする。また、本実施形態では、上位装置5として、ICカード発行チャージ・両替機6としての機能を併せ持つ複合装置7が使用されるものとして説明する。
【0022】
他方、公衆ネットワーク12には、機器稼働状況管理システム1を管理する遠隔管理装置10と、機器稼働状況管理システム1によって公衆ネットワーク12上に公開された後述の機器稼働状況公開情報MOPを閲覧可能な固定端末14および移動体端末15と、が接続される。遠隔管理装置10および固定端末14は、CPU、メモリ、ハードディスクドライブおよび表示装置等を有するパーソナルコンピュータである。移動体端末15は、CPU、メモリ、ソリッドステートドライブおよび表示装置等を有する携帯端末である。
【0023】
(機器)
まず、
図1〜
図3を参照しながら、コインランドリー店舗30に設置される機器2について説明する。機器2としては、自動洗濯乾燥機2a、2d、自動洗濯機2b、2eおよび自動乾燥機2cが設置されている。ここでは、機器2の一例として、自動乾燥機2cについて説明する。
【0024】
図2に示すように、自動乾燥機2cは、前板103を有する箱形の筐体102を備えている。前板103の中央部には、衣類等の乾燥対象物を出し入れ可能な円形の開口104が形成されると共に、開口104を覆う円形の扉106が開閉可能に取り付けられている。筐体102の内部には箱形の乾燥室112が形成されており、乾燥室112の内部には乾燥対象物が投入される円筒状のドラム114が配置されている。ドラム114は横倒し状態で配置され、筐体102の開口104と同心且つ相対する開口114aを有している。ドラム114の周壁114bには複数の貫通孔(図示せず)が形成されており、それら複数の貫通孔を介してドラム114の内部空間と乾燥室112の内部空間とが連通している。ドラム114の背面側は後壁114cにより閉鎖されており、後壁114cの中央部には外方(換言すれば、筐体102の背面側)へ向けて突出する円柱状の回転軸115が設けられている。
【0025】
筐体102の下部には、自動乾燥機2cの駆動部44が配置されている。駆動部44は、ドラム用モータ116、送風機117および加熱器120を含んでいる。モータ116の出力軸116aとドラム114の回転軸115との間にはベルト119が張設されており、モータ116の回転駆動力がベルト119を介してドラム114に伝達される。送風機117は、送風機用モータ118によって駆動され、加熱器120に向けて気流を排出する。加熱器120は、送風機117から排出された気流を加熱し、加熱された気流を乾燥室112に導入する。自動乾燥機2cの作動時には、モータ116によってドラム114が回転され、送風機117および加熱器120によって乾燥室112の内部に加熱された気流が送り込まれる。加熱された気流はドラム114の周壁114aに形成された貫通孔を介してドラム114の内部に導入され、ドラム114に収納された乾燥対象物が温められて乾燥される。
【0026】
筐体102の前板103の上部には、表示装置108、操作ボタン110および硬貨選別装置3が配置されている。表示装置108には支払料金額や自動乾燥機2cの作動状態などが表示され、操作ボタン110を押下することにより自動乾燥機2cの作動が開始される。硬貨選別装置3は、硬貨投入口122に投入された硬貨CNの真偽および金種を判別し、偽貨を硬貨返却口126に返却し、正貨を筐体102内に配置された金庫128に保留する。硬貨選別装置3は返却レバー124を有しており、返却レバー124を操作することにより投入された硬貨CNが硬貨返却口126に返却される。また、硬貨選別装置3は、
図3に示すように、投入された正貨に対応する第1硬貨信号Sc1を出力する硬貨受入信号発生部232を有している。硬貨選別装置3は、硬貨投入口122に投入された硬貨CNを受け付けると共に、受け付けた硬貨CNに対応する第1硬貨信号Sc1を出力する硬貨受付装置3Aとして機能する。
【0027】
筐体102内の左上部には、自動乾燥機2cの動作を制御する機器制御装置40が配置されている。機器制御装置40は、
図3に示すように、主制御部202、記憶装置204、駆動制御部206、入出力制御部208および料金収受部210を含んでいる。主制御部202は、自動乾燥機2cの動作を実行可能とするため、記憶装置204に記憶された稼働条件OCに従って、駆動制御部206を制御する。稼働条件OCには、支払われる料金額毎に予め設定された稼働可能な時間(以下、稼働可能時間Teoという)が含まれる。
【0028】
駆動制御部206は、主制御部202の指令に従って、ドラム用モータ116の回転のオン/オフを制御すると共に、送風機用モータ118の回転のオン/オフを制御する。また、駆動制御部206は、加熱器120のオン/オフを制御し、乾燥室112の内部温度が所定値に保持されるようにする。入出力制御部208は、主制御部202の指令に従って表示装置108に所定の情報を表示すると共に、操作ボタン110の操作に応じた操作情報を主制御部202に対して出力する。
【0029】
料金収受部210は、後述する端末装置4の硬貨信号出力部245から出力された第1硬貨信号Sc1または第2硬貨信号Sc2が入力されたときに、第1硬貨信号Sc1または第2硬貨信号Sc2に基づいて支払料金額を確定し、当該料金額を含む料金収受情報Dcrを主制御部202に出力する。料金収受情報Dcrが入力された主制御部202は、記憶装置204に記憶された稼働条件OCに従って駆動制御部206を制御する。すなわち、機器制御装置40は、操作ボタン110が操作された時点で自動乾燥機2cの稼働を開始し、料金収受情報Dcrの料金額に対応する稼働可能時間Teoが経過した時点で自動乾燥機2cの稼働を終了するよう駆動部44を制御する。
【0030】
自動洗濯乾燥機2a、2dおよび自動洗濯機2b、2eは、自動乾燥機2cと同様に、硬貨選別装置3、操作ボタン110、表示装置108、機器制御装置40および駆動部44を含んで構成される。換言すれば、コインランドリー店舗30に設置された複数の機器2のそれぞれは、少なくとも硬貨選別装置3、操作ボタン110、表示装置108、機器制御装置40および駆動部44を含んで構成される。
【0031】
(端末装置)
次に、
図1、
図2および
図4を参照しながら、端末装置4について説明する。端末装置4は、複数の機器2のそれぞれに対応して配置され、ICカードCDを用いた所謂電子マネーでの機器2への支払いを可能とする。本実施形態では、ICカードCDとして非接触型のICカードが使用される。ICカードCDには、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性メモリを含む半導体集積回路(Integrated Circuit、以下、ICという)16が内蔵されている。IC16には、少なくとも前払いした金額に関するチャージ金額CVが記憶される。
【0032】
図2に示すように、端末装置4は、正面視矩形の箱形の筐体130と、筐体130の正面に配置された表示装置134および操作ボタン136と、を有している。また、
図4に示すように、端末装置4は、筐体130の内部にそれぞれ配置された、カード読取書込装置132、端末制御装置240、硬貨信号出力部245、硬貨信号入力部246および無線通信装置260をさらに有している。
【0033】
表示装置134は、発光ダイオード、蛍光表示管、液晶パネル等を用いたセグメント型またはドット型の表示装置で構成される。表示装置134は、操作ボタン136の操作により設定される機器2の料金額やエラー等の情報を表示する。
【0034】
操作ボタン136は、機器2で支払う料金の金額(以下、料金額CRという)を設定するために使用される。具体的には、端末制御装置240の記憶部244には予め設定された複数の料金額CRが記憶されており、操作ボタン136を押下する毎に複数の料金額CRのうちの一つが表示装置134に順次表示される。例えば、自動乾燥機2cの場合、100円、200円および300円の料金額CRが記憶部244に記憶されており、操作ボタン136を押下する度に「100」、「200」および「300」の順で表示が切り替わり、さらに操作ボタン136を押下することにより「100」の表示に戻り、以後同様の表示の切り替えがなされる。
【0035】
カード読取書込装置132は、ICカードCDに対して電波を送受信することにより、ICカードCDのIC16に対し情報の読み取りまたは書き込みを実行する。すなわち、カード読取書込装置132は、ICカードCDに記憶されたチャージ金額CVを読み取る。また、カード読取書込装置132は、端末制御装置240の料金演算部256により演算されたチャージ金額CVを書き込む。
【0036】
端末制御装置240は、
図4に示すように、主制御部242、記憶部244、表示制御部248、入力制御部250、読取書込制御部252、料金収受可否判定部254、料金演算部256および料金収受情報出力部258を含んで構成される。主制御部242は、記憶部244に対して各種情報の入出力を実行すると共に、端末装置4の所定の機能を実現するために表示制御部248、入力制御部250、読取書込制御部252、料金収受可否判定部254、料金演算部256、料金収受情報出力部258、硬貨信号出力部245および硬貨信号入力部246を動作させる。
【0037】
記憶部244は、少なくとも、端末装置4を特定可能な端末識別情報TIDと、操作ボタン136の操作に応じて設定可能な複数の料金額CRと、を記憶する。端末識別情報TIDは、複数の機器2に対応する複数の端末装置4のいずれか一つを特定可能な情報であって、例えば、端末識別番号などが使用される。
【0038】
表示制御部248は、主制御部242から出力された表示情報に基づいて表示装置134を制御し、表示装置134に各種情報を表示させる。すなわち、記憶部244に記憶された複数の料金額CRのうちのいずれか一つが主制御部242から表示制御部248に出力され、表示制御部248が当該料金額CRを表示装置134に表示する。また、後述の料金収受可否判定部254により料金収受が不可と判定された場合には、チャージ金額CVの残高不足を示す情報が主制御部242から表示制御部248に出力され、表示制御部248が当該残高不足を示す情報を表示装置134に表示する。
【0039】
入力制御部250は、操作ボタン136の操作に応じた入力情報を主制御部242に出力する。すなわち、前述の通り、表示装置134には記憶部244に記憶された複数の料金額CRのうちのいずれか一つが表示される。操作ボタン136が押下される毎に、入力制御部250が入力情報を主制御部242に出力する。入力情報が入力される毎に、主制御部242が表示制御部248を制御することにより、表示装置134に表示される料金額CRが順次変更される。
【0040】
読取書込制御部252は、カード読取書込装置132を制御して、ICカードCDからチャージ金額CVを読み出して主制御部242に出力すると共に、料金演算部256における演算後のチャージ金額CVが主制御部242から出力された場合に当該チャージ金額CVをカード読取書込装置132に出力する。また、読取書込制御部252は、ICカードCDからチャージ金額CVを読み取ったタイミングで、表示装置134に表示された料金額CRを確定させる料金額確定情報を主制御部242に出力する。料金確定情報が入力された主制御部242は、その時点で主制御部242から表示制御部248に出力された料金額CRを支払料金として確定させると共に、当該料金額CRおよび読み取られたチャージ金額CVを料金収受可否判定部254に出力する。
【0041】
料金収受可否判定部254は、主制御部242から料金額CRおよびチャージ金額CVが出力された場合に、料金額CRとチャージ金額CVとを対比して料金収受の可否を判定する。すなわち、チャージ金額CVが料金額CR以上(CV≧CR)の場合に料金収受可否判定部254により料金収受が可能と判定され、チャージ金額CVが料金額CR未満(CV<CR)の場合に料金収受可否判定部254により料金収受が不可と判定される。料金収受可否判定部254は、当該判定結果を主制御部242に出力する。
【0042】
料金収受が可能との判定結果が主制御部242に入力された場合、主制御部242は、上記支払料金として確定された料金額CRおよび読み取られたチャージ金額CVを料金演算部256に出力すると共に、確定された料金額CRおよび記憶部244に記憶された端末識別情報TIDを料金収受情報出力部258に出力する。また、主制御部242は、硬貨信号出力部245に対して、確定された料金額に対応する第2硬貨信号Sc2の出力を指令する。他方、料金収受が不可との判定結果が主制御部242に入力された場合、主制御部はチャージ金額CVの残高不足を示す情報を表示制御部248に出力する。これにより、表示装置134が残高不足を示す情報を表示する。この場合、主制御部242の料金収受情報出力部258に対する出力は実行されない。
【0043】
料金演算部256は、料金額CRおよびチャージ金額CVが出力された場合に、チャージ金額CVから料金額CRを減算し、当該減算結果を新たなチャージ金額CV(換言すれば、更新されたチャージ金額CV)として主制御部242に出力する。更新されたチャージ金額CVは、主制御部242から読取書込制御部252に出力され、カード読取書込装置132によってICカードCDに書き込まれる。
【0044】
料金収受情報出力部258は、主制御部242から端末識別情報TIDおよび料金額CRが出力された場合に、当該端末識別情報TIDおよび料金額CRを含む料金収受情報CRIを無線通信装置260に出力する。
【0045】
硬貨信号出力部245は、主制御部242の指令に基づいて、硬貨選別装置3の硬貨受入信号発生部232が出力する第1硬貨信号Sc1に相当する第2硬貨信号Sc2を生成し、対応する機器2に出力する。すなわち、主制御部242から第2硬貨信号Sc2の出力指令が硬貨信号出力部245に入力された場合、硬貨信号出力部245は当該出力指令に含まれる料金額CRに対応する第2硬貨信号Sc2を出力する。なお、「第1硬貨信号Sc1に相当する第2硬貨信号Sc2」とは、端末装置4に対応する機器2の料金収受部210が第1硬貨信号Sc1および第2硬貨信号Sc2の双方を硬貨信号と認識できる程度に類似することを意味し、波形、振幅または信号幅が必ずしも同一である必要はない。
【0046】
硬貨信号入力部246は、機器2の硬貨選別装置3の硬貨受入信号発生部232から出力される第1硬貨信号Sc1の入力を検出して検出信号DSを主制御部242に出力する。主制御部242が入力された検出信号DSを計数することにより、硬貨選別装置3に投入された硬貨CNの金種および枚数を確認することができる。換言すれば、主制御部242は、検出信号DSに基づいて硬貨選別装置3において支払われる料金額CRを取得する。取得された料金額CRは、上述したICカードCDによる料金の支払い(換言すれば、電子マネーによる料金支払い)の場合と同様に、端末識別情報TIDと共に主制御部242から料金収受情報出力部258に出力される。すなわち、主制御部242は、検出信号DSに基づき取得された料金額CRと記憶部244に記憶された複数の料金額CRとを対比し、支払われた料金額CRを確定し、確定された料金額CRおよび記憶部244に記憶された端末識別情報TIDを料金収受情報出力部258に出力する。換言すれば、検出信号DSに基づき取得された料金額CRが記憶部244に記憶された複数の料金額CRのいずれかと一致した場合にのみ主制御部242が料金額CRおよび端末識別情報TIDを出力し、一致しない場合には主制御部242は料金額CRおよび端末識別情報TIDを出力しない。
【0047】
また、硬貨信号入力部246は、主制御部242の制御の下で、入力された第1硬貨信号Sc1を硬貨信号出力部245に出力することができる。すなわち、硬貨信号出力部245が第2硬貨信号Sc2を出力しないときには、第1硬貨信号Sc1を硬貨信号出力部245に出力する。第1硬貨信号Sc1が硬貨信号出力部245に入力された場合、硬貨信号出力部245が第1硬貨信号Sc1を対応する機器2に出力する。他方、硬貨信号出力部245が第2硬貨信号Sc2を出力する場合、硬貨信号入力部246が第1硬貨信号Sc1の出力を停止する。第1硬貨信号Sc1の出力が停止される期間に第1硬貨信号Sc1が硬貨信号入力部246に入力された場合、硬貨信号入力部246から出力された検出信号DSに基づく計数値が記憶部244に記憶される。そして、第1硬貨信号Sc1の出力の停止が解除されたとき(換言すれば、硬貨信号出力部245が第2硬貨信号Sc2を出力しないとき)に、記憶部244に記憶された計数値に基づき硬貨信号出力部245が第2硬貨信号Sc2を出力する。この一連の動作は、硬貨信号出力部245および硬貨信号入力部246に対する主制御部242の制御によってもたらされる。これにより、硬貨選別装置3から出力される第1硬貨信号Sc1と硬貨信号出力部245で生成される第2硬貨信号Sc2とが同時に機器2の料金収受部210に入力されるのを防止でき、硬貨選別装置3を有する機器2に端末装置4を付加する場合であっても互換性を保つことができる。
【0048】
図3および
図4に示すように、機器2の硬貨選別装置3から出力される第1硬貨信号Sc1は、端末装置4を介して機器2の料金収受部210に入力される。また、端末装置4において生成された第2硬貨信号Sc2も機器2の機器制御装置40の料金収受部210に入力される。このように硬貨選別装置3と機器制御装置40との間に端末装置4を介在させることで、既存の機器2への端末装置4の設置が容易となる。すなわち、既存の機器2では硬貨選別装置3の出力が機器制御装置40の入力に電気的に接続される構成であるが、当該構成において硬貨選別装置3の出力を端末装置4の硬貨信号入力部246に電気的に接続し、端末装置4の硬貨信号出力部245の出力を機器制御装置40の入力に電気的に接続すればよい。
【0049】
無線通信装置260は、上位装置5との間で通信可能に接続される。換言すれば、無線通信装置260は、上位装置5に対してデータを送受信する機能を有している。無線通信装置260は、主制御部242からの送信指令に基づき、料金収受情報出力部258から出力された料金収受情報CRIを上位装置5に送信する。
【0050】
(複合装置)
次に、
図5および
図6を参照しながら、複合装置7について説明する。上記の通り、複合装置7は、上位装置5およびICカード発行チャージ・両替機6のそれぞれの機能を併せ持つ。
【0051】
まず、ICカード発行チャージ・両替機6について説明する。ICカード発行チャージ・両替機6は、ICカードCDの発行と、発行されたICカードCDに対する電子マネーのチャージと、紙幣または高額硬貨(500円硬貨)から低額硬貨(100円硬貨)への両替と、を実行する。
【0052】
複合装置7は、
図5に示すように、箱形の筐体140、液晶パネル等により構成された表示装置141、表示装置141と共に入力装置142を構成するタッチパネル143、硬貨選別装置146、硬貨払出装置147、紙幣入金装置150、カード処理装置152および制御ユニット154を含んで構成される。
【0053】
表示装置141は、横長矩形の形状を有し、筐体140の前面側の上部に配置されている。表示装置141には、各種情報が表示されると共に、適宜に操作ボタン162が表示される。例えば、「カード発行」、「チャージ」、「残高確認」および「両替」の選択ボタン163が表示される。表示装置141の表面にはタッチパネル143が重ね合わされており、操作ボタン162の表示に伴い、表示装置141およびタッチパネル143により入力装置142が構成される。操作ボタン162として選択ボタン163が表示された場合、利用者が選択ボタン163を操作することにより、ICカード発行チャージ・両替機6における所定の動作を指定することができる。
【0054】
硬貨選別装置146は、筐体140の前面側の左中央部に配置されている。硬貨選別装置146は、縦長スリット状の硬貨投入口164と、矩形の硬貨返却口165と、利用者の操作により硬貨を硬貨返却口165に返却する返却レバー166と、を有している。硬貨選別装置146は、硬貨投入口164に投入された硬貨の真偽および金種を判別し、偽貨を硬貨返却口165に返却し、正貨を筐体140内に配置された硬貨金庫167に貯留する。硬貨選別装置146は、硬貨投入口164に投入された硬貨が正貨の場合に、判別された金種に応じた硬貨信号を出力する。
【0055】
硬貨払出装置147は、貯留容器(図示せず)にバラ積み状態で貯留された硬貨を一つずつ分離して硬貨払出口148に払い出す。本実施形態では、硬貨払出装置147は100円硬貨を両替硬貨として払い出す。
【0056】
紙幣入金装置150は、筐体140の前面側の中央部に配置されている。紙幣入金装置150は、横長スリット状の紙幣投入口167と、紙幣投入口167の近傍に位置する紙幣識別部168と、紙幣投入口167の下方に位置する紙幣貯留部169と、を有している。紙幣入金装置150は、紙幣投入口167に投入された紙幣の真偽および金種を紙幣識別部168により判別し、偽券を紙幣投入口167に返却し、真券を紙幣貯留部169に貯留する。紙幣入金装置150は、紙幣投入口167に投入された紙幣が真券である場合に、紙幣信号を出力する。
【0057】
カード処理装置152は、筐体140の前面側の左中央部に配置されている。カード処理装置152は、横長スリット状のカード入出口170と、カード入出口170の近傍に位置するカード読取書込部171と、カード入出口170の後方に位置するカード貯留部172と、を有している。カード処理装置152は、カード貯留部172に貯留されたICカードCDをカード入出口170に払い出すと共に、当該払い出されるICカードCDおよびカード入出口170に投入されたICカードCDに対して情報の読み取りおよび書き込みを実行する。当該情報の読み取りおよび書き込みは、カード読取書込部171により実行される。
【0058】
制御ユニット154は、
図6に示すように、主制御部271、表示制御部272、入力制御部273、紙幣入金制御部274、カード読取・書込・払出制御部276、硬貨入金計数部278、硬貨払出制御部280、無線通信装置282、記憶装置284、経過時間計時部286、稼働状況判定部288および有線通信装置290を含んで構成される。主制御部271および記憶装置284は、上位装置5およびICカード発行チャージ・両替機6のそれぞれの機能を実現するために使用される。表示制御部272、入力制御部273、紙幣入金制御部274、カード読取・書込・払出制御部276、硬貨入金計数部278および硬貨払出制御部280は、ICカード発行チャージ・両替機6の機能を実現するために使用される。無線通信装置282、経過時間計時部286、稼働状況判定部288および有線通信装置290は、上位装置5としての機能を実現するために使用される。
【0059】
(ICカード発行チャージ・両替機)
まず、ICカード発行チャージ・両替機6について説明する。主制御部271は、記憶装置284に対して各種情報の入出力を実行すると共に、ICカード発行チャージ・両替機6の所定の機能を実現するために表示制御部272、入力制御部273、紙幣入金制御部274、カード読取・書込・払出制御部276、硬貨入金計数部278および硬貨払出制御部280を動作させる。
【0060】
表示制御部272は、主制御部271から出力される表示情報に基づいて表示装置を制御し、表示装置141に各種情報および操作ボタン162を表示させる。主制御部271は、記憶装置284に記憶された情報に基づき、表示情報を出力する。操作ボタン162としては、例えば、上述した「カード発行」、「チャージ」、「残高確認」および「両替」の選択ボタン163が表示される。
【0061】
入力制御部273は、入力装置142に入力された情報を主制御部271に出力する。操作ボタン162として「カード発行」、「チャージ」、「残高確認」および「両替」の選択ボタン163が表示装置141に表示された場合、選択された操作ボタン162に応じた操作情報が主制御部271に入力される。
【0062】
紙幣入金制御部274は、紙幣入金装置150の動作を制御し、紙幣入金装置150に入金された紙幣入金情報を主制御部271に出力する。紙幣入金情報が入力された主制御部271は、入力制御部273から入力された操作情報に応じてカード読取・書込・払出制御部276または硬貨払出制御部280に対して所定の動作指令を出力する。すなわち、「カード発行」、「チャージ」または「残高確認」が選択された場合にはカード読取・書込・払出制御部276に動作指令を出力し、「両替」が選択された場合には硬貨払出制御装部280に動作指令を出力する。
【0063】
カード読取・書込・払出制御部276は、主制御部271から出力された動作指令に基づき、カード処理装置152を動作させる。すなわち、主制御部271は、新たなICカードCDを発行するカード発行指令、カード入出口170に投入されたICカードCDにチャージ金額を更新して書き込むためのカード更新書込指令およびカード入出口170に投入されたICカードCDからチャージ金額を読み取るカード読取指令のいずれか一つが出力される。カード発行指令が出力された場合、カード読取・書込・払出制御部276は、カード処理装置152のカード貯留部172に貯留されたICカードCDをカード入出口170から払い出すようカード処理装置152を制御する。この場合、カード払出指令には紙幣入金情報が含まれており、カード読取・書込・払出制御部276は、当該紙幣入金情報に応じたチャージ金額の書込を実行するようカード処理装置152を制御する。カード処理装置152は、カード読取書込部171を動作させてICカードCDへのチャージ金額の書込を実行する。こうして、チャージ金額が書き込まれた新たなICカードCDの払い出しが行われる。カード更新書込指令が出力された場合、カード読取・書込・払出制御部276は、カード更新書込指令に含まれる紙幣入金情報に応じたチャージ金額と既存のチャージ金額との合計額を新たなチャージ金額として書込を実行する。すなわち、カード読取・書込・払出制御部276は、カード入出口170に投入されたICカードCDからチャージ金額を読み取るようカード処理装置152を制御する。カード処理装置152は、カード読取書込部171を動作させてICカードCDに記憶された既存のチャージ金額(以下、既存チャージ金額という)を読み取り、読み取った既存チャージ金額をカード読取・書込・払出制御部276に出力する。既存チャージ金額が入力されたカード読取・書込・払出制御部276は、既存チャージ金額を主制御部271に出力すると共に、既存チャージ金額にカード更新書込指令のチャージ金額を加算した値を新たなチャージ金額として更新し(以下、更新チャージ金額という)、更新チャージ金額の書込を実行するようカード処理装置152を制御する。そして、カード処理装置152が更新チャージ金額の書込を実行する。カード読取指令が出力された場合、カード読取・書込・払出制御部276は、チャージ金額の読取を実行するようカード処理装置152を制御する。カード処理装置152は、カード読取書込部171を動作させてICカードCDに記憶された既存チャージ金額の読取を実行し、読み取られた既存チャージ金額をカード読取・書込・払出制御部276に出力する。既存チャージ金額が入力されたカード読取・書込・払出制御部276は、当該既存チャージ金額を主制御部271に出力する。
【0064】
硬貨入金計数部278は、硬貨選別装置146から出力される硬貨信号を計数し、計数結果を主制御部271に出力する。換言すれば、硬貨入金計数部278は、硬貨選別装置146に投入された正貨の金額情報を主制御部271に出力する。
【0065】
硬貨払出制御部280は、主制御部271から出力された硬貨払出指令に基づき、硬貨払出装置147の動作を制御する。硬貨払出指令には硬貨払出枚数が含まれており、硬貨払出装置147は当該硬貨払出枚数の硬貨を硬貨払出口148に払い出す。
【0066】
(ICカード発行チャージ・両替機の動作)
次に、
図7を参照しながら、ICカード発行チャージ・両替機6の動作について説明する。まず、ステップST1では、選択ボタン163が操作されたか否かが判定される。すなわち、操作ボタン162として「カード発行」、「チャージ」、「残高確認」および「両替」の選択ボタン163が表示装置141に表示された状態でそれらの選択ボタン163のいずれか一つが操作されたか否かが判定される。選択ボタン163が操作されたと判定された場合、次のステップST2に進む。選択ボタン163が操作されていないと判定された場合、ステップST1が繰り返し実行され、選択ボタン163の操作待ちの状態が維持される。
【0067】
次のステップST2では、ステップST1で操作された選択ボタン163が「カード発行」であるか否かが判定される。「カード発行」であると判定された場合にはステップST3に進み、それ以外の選択ボタン163の場合にはステップST7に進む。
【0068】
ステップST3では、チャージ金額が確定したか否かが判定される。すなわち、入力制御部273からカード発行選択情報が主制御部271に入力される。この場合、主制御部271が表示制御部272に金額選択情報を出力し、表示制御部272が表示装置141に複数の金額選択ボタン163が操作ボタン162として表示される。例えば、「1000円」、「2000円」、「3000円」および「5000円」の選択ボタン163が表示される。この状態で、複数の金額選択ボタン163のうちのいずれか一つが操作されたときに、チャージ金額が確定したと判定され、次のステップST4に進む。金額選択ボタン163が操作されるまでは、ステップST3が繰り返し実行される。換言すれば、金額選択ボタン163の操作待ちの状態が維持される。
【0069】
次のステップST4では、入金が完了したか否かが判定される。すなわち、ステップST3で確定したチャージ金額に相当する料金が紙幣入金装置150において支払われたか否かが判定される。主制御部271は、紙幣入金制御部274から出力される紙幣入金情報と確定されたチャージ金額とを対比することにより、入金の完了を判定する。入金が完了したと判定された場合には次のステップST5に進み、入金が完了していないと判定された場合にはステップST4が繰り返し実行される。換言すれば、入金が完了するまでは入金待ちの状態が維持される。
【0070】
次のステップST5では、新たなICカードCDへのチャージ金額の書込および当該ICカードCDの払出が実行される。すなわち、主制御部271がカード読取・書込・払出制御部276に対してカード発行指令を出力する。カード発行指令が入力されたカード読取・書込・払出制御部276は、カード処理装置152のカード貯留部172に貯留されたICカードCDをカード入出口170から払い出すようカード処理装置152を制御すると共に、払い出されるICカードCDにステップST3で確定されたチャージ金額を書き込むようカード処理装置152を制御する。カード処理装置152は、チャージ金額を新たなICカードCDに書き込み、カード入出口170から払い出す。
【0071】
次のステップST6では、処理が完了したことを示す情報が表示装置141に表示される。すなわち、主制御部271が処理終了情報を表示制御部272に出力し、表示制御部272が処理終了情報に基づく表示を表示装置141に表示させる。例えば、チャージ金額および新規カードの発行を示す情報が表示装置141に表示される。ステップST6の実行後、ステップST1に戻る。
【0072】
ステップST2において「カード発行」でないと判定された場合に実行されるステップST7では、ステップST1で操作された選択ボタン163が「チャージ」であるか否かが判定される。「チャージ」であると判定された場合にはステップST8に進み、「チャージ」でないと判定された場合にはステップST12に進む。換言すれば、「残高確認」および「両替」の選択ボタン163が選択された場合には、ステップST12に進む。
【0073】
ステップST8では、ステップST3の場合と同様に、チャージ金額が確定したか否かが判定される。チャージ金額が確定したと判定された場合にはステップST9に進み、チャージ金額が確定していないと判定された場合にはステップST8が繰り返し実行される。
【0074】
次のステップST9では、ステップST4の場合と同様に、入金が完了したか否かが判定される。入金が完了したと判定された場合にはステップST10に進み、入金が完了していないと判定された場合にはステップST9が繰り返し実行される。
【0075】
次のステップST10では、ICカードCDからの既存のチャージ金額の読取とステップST8で確定されたチャージ金額に基づく更新チャージ金額の書込とが実行される。すなわち、主制御部271がカード読取・書込・払出制御部276に対してカード更新書込指令を出力する。カード更新書込指令が入力されたカード読取・書込・払出制御部276は、カード入出口170に投入されたICカードCDから既存のチャージ金額を読み取るようカード処理装置152を制御すると共に、読み取られた既存のチャージ金額にステップST7のチャージ金額を加算して得られる更新チャージ金額を書き込むよう制御する。カード処理装置152は、更新チャージ金額をICカードCDに書き込んだ後、ICカードCDをカード入出口170から払い出す。
【0076】
次のステップST11では、ステップST6の場合と同様に、処理が完了したことを示す情報が表示装置141に表示される。例えば、既存のチャージ金額、追加チャージ金額および更新チャージ金額を示す情報が表示装置141に表示される。ステップST11の実行後、ステップST1に戻る。
【0077】
ステップST7において「チャージ」でないと判定された場合に実行されるステップST12では、「残高確認」であるか否かが判定される。「残高確認」であると判定された場合にはステップST13に進み、「残高確認」でないと判定された場合にはステップST15に進む。換言すれば、「両替」の選択ボタン163が選択された場合には、ステップST15に進む。
【0078】
ステップST13では、ICカードCDに記憶された既存チャージ金額の読取が実行される。すなわち、主制御部271がカード読取・書込・払出制御部276に対してカード読取指令を出力する。カード読取指令が入力されたカード読取・書込・払出制御部276は、チャージ金額の読取を実行するようカード処理装置152を制御する。カード処理装置152は、カード読取書込部171を動作させてICカードCDに記憶された既存チャージ金額の読取を実行し、読み取られた既存チャージ金額をカード読取・書込・払出制御部276に出力する。既存チャージ金額が入力されたカード読取・書込・払出制御部276は、当該既存チャージ金額を主制御部271に出力する。
【0079】
次のステップST14では、既存チャージ金額に基づきチャージ残高表示が実行される。すなわち、主制御部271が既存チャージ金額に基づく残高表示情報を表示制御部272に出力し、表示制御部272が残高表示情報に基づく表示を表示装置141に表示させる。ステップST14の実行後、ステップST1に戻る。
【0080】
ステップST11において「残高確認」でないと判定された場合は、ステップST1において「両替」の選択ボタン163が選択された場合である。この場合には、ステップST15において入金が完了したか否かが判定される。すなわち、紙幣入金装置150への紙幣の投入または硬貨選別装置146への高額硬貨の投入がなされたときに、主制御部271が紙幣入金制御部274から出力される紙幣入金情報または硬貨入金計数部278から出力される計数結果に基づき入金の完了を判定する。入金が完了したと判定された場合にはステップST16に進み、入金が完了していないと判定された場合にはステップST15が繰り返し実行される。
【0081】
次のステップST16では、硬貨の払出が実行される。すなわち、主制御部271は、紙幣入金制御部274から出力される紙幣入金情報または硬貨入金計数部278から出力される計数結果に基づき硬貨払出指令を硬貨払出制御部280に出力する。硬貨払出指令が入力された硬貨払出制御部280は、硬貨払出指令に含まれる硬貨払出数に基づいて硬貨払出装置147を動作させる。こうして、硬貨払出装置147が当該硬貨払出数の硬貨を払い出す。
【0082】
次のステップST17では、ステップST6の場合と同様に、処理が完了したことを示す情報が表示装置141に表示される。例えば、硬貨払出装置147が払い出した硬貨の枚数および両替金額が表示される。ステップST17の実行後、ステップST1に戻る。
【0083】
上記の通り、ICカード発行チャージ・両替機6では、ST1で「カード発行」、「チャージ」、「残高確認」および「両替」のいずれか一つの処理が選択され、選択された処理に応じてステップST2〜ST6、ステップST7〜ST11またはステップST12〜ST14が選択的に実行される。これにより、ICカード発行チャージ・両替機6としての機能が実現される。
【0084】
(上位装置)
次に、
図6を参照しながら、上位装置5について説明する。上位装置5は、制御ユニット154の主制御部271、無線通信装置282、記憶装置284、経過時間計時部286、稼働状況判定部288および有線通信装置290を含んで構成される。
【0085】
主制御部271は、記憶装置284に対して各種情報の入出力を実行すると共に、上位装置5の所定の機能を実現させるために無線通信装置282、経過時間計時部286、稼働状況判定部288および有線通信装置290を動作させる。
【0086】
無線通信装置282は、複数の端末装置4のそれぞれとの間で通信可能に接続される。換言すれば、複数の端末装置4のそれぞれに対してデータを送受信する機能を有している。無線通信装置260は、複数の端末装置4から送信された料金収受情報CRIを受信したときに、当該料金収受情報CRIを主制御部271に出力する。主制御部271は、無線通信装置260から料金収受情報CRIが入力されたときに、計時開始指令を経過時間計時部286に出力すると共に、稼働状況判定指令を稼働状況判定部288に出力する。計時開始指令および稼働状況判定指令は、複数の端末装置4のそれぞれに対応して出力される。換言すれば、複数の端末装置4毎に、計時開始指令および稼働状況判定指令が主制御部271から出力される。
【0087】
上述した通り、複数の端末装置4から送信される料金収受情報CRIには、送信元の端末装置4を特定可能な端末識別情報TIDおよび当該端末装置4において収受された料金額CRが含まれている。記憶装置284には、
図8に示すように、端末識別情報TID毎に関連付けられた料金額CRおよび稼働可能時間Teoがそれぞれの機器4の稼働条件OCとして記憶されている。上述した通り、複数の機器2のそれぞれの記憶装置204にも稼働条件OCが記憶されている。端末識別情報TIDにより特定される端末装置4に対応する機器2において、記憶装置204に記憶された稼働条件OCと記憶装置284に記憶された稼働条件OCとは一致している。主制御部271は、入力された料金収受情報CRIに含まれる端末識別情報TIDおよび料金額CRと記憶装置284に記憶された端末識別情報TIDおよび料金額CRとを対比し、記憶装置284に記憶された稼働可能時間Teoを特定する。例えば、料金収受情報CRIの端末識別情報TIDが「0001」であり、料金収受情報CRIの料金額「300円」の場合、稼働可能時間Teoが「30分」であると特定する。換言すれば、主制御部271が稼働可能時間Teoを特定する稼働可能時間特定部291として機能する。主制御部271は、特定された稼働可能時間Teoを含む稼働状況判定指令を稼働状況判定部288に出力する。
【0088】
経過時間計時部286は、主制御部271から出力される計時開始指令に従い経過時間Teを計時する。換言すれば、経過時間計時部286は、主制御部271に料金収受情報CRIが入力された時点からの経過時間Teを計時する。計時された経過時間Teは、経過時間計時部286から稼働状況判定部288に出力される。経過時間計時部286は、複数の端末装置4のそれぞれに対応する計時開始指令毎に経過時間Teを計時する。換言すれば、経過時間計時部286は、複数の経過時間Teを並行して計時可能に構成される。
【0089】
稼働状況判定部288は、主制御部271から出力される稼働状況判定指令に従い複数の機器2のそれぞれの稼働状況を判定する。上記の通り、稼働状況判定指令には、稼働可能時間Teoが含まれている。稼働状況判定部288は、経過時間計時部286から出力された経過時間Teと稼働可能時間Teoとを対比し、経過時間Teが稼働可能時間Teoに達するまでは機器2が稼働中であると判定し、経過時間Teが稼働可能時間に達した時点で機器2の稼働が終了したと判定する。稼働状況判定部288は、稼働状況判定結果(すなわち、機器2が「稼働中」または「停止中」のいずれの状態であるか)を主制御部271に出力する。さらに、稼働状況判定部288は、稼働可能時間Teoから経過時間Teを減算した値を稼働残時間Trとして主制御部271に出力する。稼働状況判定部288は、複数の端末装置4のそれぞれに対する稼働状況判定指令毎に稼働状況を判定する。換言すれば、稼働状況判定部288は、複数の機器2の稼働状況を並行して判定可能に構成される。これにより、主制御部271は、端末識別情報TIDに関連付けられた複数の機器2のそれぞれについて、「稼働中」または「停止中」の状態と、複数の機器2が「稼働中」である場合の稼働残時間Trと、を管理することができる。こうして管理された複数の機器2の「稼働中」または「停止中」の状態と「稼働中」の機器2の稼働残時間Trとを含む稼働状況情報OSIが、主制御部271から出力される。
【0090】
有線通信装置290は、公衆ネットワーク12に接続されている。有線通信装置290により、上位装置5が公衆ネットワーク12を介してサーバ装置8および遠隔管理装置10のそれぞれに通信可能に接続される。有線通信装置290には、主制御部271から出力される稼働状況情報OSIが入力される。有線通信装置290は、入力された稼働状況情報OSIを公衆ネットワーク12を介してサーバ装置8に送信する。また、有線通信装置290には、遠隔管理装置10から機器2の稼働条件OCが送信される。有線通信装置290は、受信した稼働条件OCを主制御部271に出力する。主制御部271は、入力された機器2の稼働条件OCを記憶装置284に出力して記憶させる。そのため、ランドリー店舗30の管理者は、遠隔管理装置290を使用して機器2の稼働条件を設定することができる。
【0091】
(サーバ装置)
次に、
図7を参照しながら、サーバ装置8について説明する。サーバ装置8は、通信装置302、記憶装置304および公開装置306を含んで構成されている。
【0092】
通信装置302は、公衆ネットワーク12に接続されている。通信装置302により、サーバ装置8が公衆ネットワーク12を介して上位装置5、複数の固定端末14および複数の移動体端末15に通信可能に接続される。通信装置302は、上位装置5から送信される稼働状況情報OSIを受信し、受信した稼働状況情報OSIを記憶装置304に出力する。また、通信装置302は、公開装置306から出力された機器稼働状況公開情報MOPが入力される。
【0093】
記憶装置304は、通信装置302から出力された稼働状況情報OSIを記憶する。記憶された稼働状況情報OSIは、公開装置306の出力指令に従い公開装置306に出力される。
【0094】
公開装置306は、記憶装置304に記憶された稼働状況情報OSIに基づき機器稼働状況公開情報MOPを作成する。機器稼働状況公開情報MOPとしては、
図10に示すように、複数の機器2の「機器番号」に関連付けられた「稼働状況」および「残り時間」である。「機器番号」は、端末識別情報TIDに関連付けられている。公開装置306は、作成された機器稼働状況公開情報MOPを通信装置302を介して公衆ネットワーク12上に公開する。これにより、上述した固定端末14および移動体端末15での機器稼働状況公開情報MOPの閲覧が可能となる。
【0095】
(機器稼働状況管理システムの動作)
次に、
図11〜
図15を参照しながら、機器稼働状況管理システム1の動作について説明する。最初に、
図11を参照して、機器2の動作について説明する。
【0096】
まず、ステップS11では、機器2において料金が収受されたか否かが判定される。すなわち、対応する端末装置4から出力される第1硬貨信号Sc1または第2硬貨信号Sc2に基づき、料金収受部210が所定料金の支払いを判定する。所定料金が支払われた場合、料金収受部210が料金を収受したと判定し、授受した料金額CRを含む料金収受情報Dcrを主制御部202に出力した後、次のステップS12に進む。所定料金が支払われていない場合、料金収受部210が料金を収受していないと判定し、ステップS11が繰り返し実行される。換言すれば、料金収受部210により料金の収受が判定されるまでは、待機状態となる。
【0097】
次のステップS12では、主制御部202が機器2の稼働条件OCを設定する。上述した通り、機器2の記憶装置204には稼働条件OCが記憶されている。主制御部202は、入力された料金収受情報Dcrの料金額CRと記憶装置204に記憶された稼働条件OCとに基づき、機器2の稼働可能時間Teoを設定する。
【0098】
次のステップS13では、機器2の稼働が開始される。すなわち、主制御部202が駆動制御部206に対して駆動開始指令を出力することにより、駆動制御部206が駆動部44を動作させる。
【0099】
次のステップS14では、主制御部202により機器2の稼働時間Toが稼働可能時間Teo未満であるか否かが判定される。稼働時間Toが稼働可能時間Teo未満の場合、機器2の稼働が継続され、ステップS14が繰り返し実行される。稼働時間Toが稼働可能時間Teo以上の場合、ステップS15に進み、機器2の稼働が終了される。すなわち、主制御部202が駆動制御部206に対して駆動停止指令を出力することにより、駆動制御部206が駆動部44の動作を停止させる。その後、ステップS11に戻り、ステップS11〜S15の処理が繰り返し実行される。
【0100】
次に、
図12を参照しながら、端末装置4の動作について説明する。まず、ステップS21では、料金が収受されたか否かが判定される。すなわち、主制御部242が、料金収受可否判定部254による判定結果または硬貨信号入力部246からの検出信号DSに基づき、料金の収受を判定する。検出信号DSに基づく判定の場合には、検出信号DSを計数することにより支払金額を確定し、当該支払金額と記憶部244に記憶された料金額CRと対比することによって判定される。料金が収受されたと判定された場合、ステップS22に進む。料金が収受されていないと判定された場合、ステップS21が繰り返し実行される。換言すれば、料金が収受されるまでは、待機状態となる。
【0101】
次のステップS22では、料金の支払いが電子マネー(換言すれば、ICカードCDを使用した支払い)であるか否かが判定される。電子マネーによる支払いの場合にはステップS23に進み、電子マネーによらない支払い(すなわち、硬貨CNによる支払い)の場合にはステップS24に進む。
【0102】
ステップS23では、第2硬貨信号Sc2が硬貨信号出力部245から出力された後、ステップS25に進む。ステップS24では、第1硬貨信号Sc1が硬貨信号出力部245から出力された後、ステップS24に進む。硬貨信号出力部245から出力された第1硬貨信号Sc1および第2硬貨信号Sc2は、機器2の料金収受部210に入力される。
【0103】
次のステップS25では、料金収受情報CRIが無線通信装置260から送信される。送信された料金収受情報CRIは、上位装置5で受信される。ステップS25の実行後はステップS21に戻り、ステップS21〜S25の処理が繰り返し実行される。
【0104】
次に、
図13を参照しながら、上位装置5の動作について説明する。まず、ステップS31では、料金収受情報CRIが無線通信装置282によって受信されたか否かが判定される。すなわち、無線通信装置282から主制御部271に料金収受情報CRIが出力された場合には、主制御部271が料金収受情報CRIを受信したと判定し、ステップS32に進む。無線通信装置282から主制御部271に料金収受情報CRIが出力されない場合には、主制御部271が料金収受情報CRIを受信していないと判定し、ステップS31が繰り返し実行される。換言すれば、料金収受情報CRIが受信されるまでは、待機状態となる。
【0105】
次のステップS32では、機器2の稼働可能時間Teoが特定される。すなわち、料金収受情報CRIが入力された主制御部271は、料金収受情報CRIに含まれる端末識別情報TIDおよび料金額CRと記憶装置284に稼働条件OCとして記憶された端末識別情報TIDおよび料金額CRとを対比し、端末識別情報TIDおよび料金額CRが一致する稼働可能時間Teoを特定する。
【0106】
次のステップS33では、経過時間Teの計時が開始される。すなわち、主制御部271が経過時間計時部286に対して計時開始指令を出力し、経過時間計時部286が計時を開始する。計時された経過時間Teは、稼働状況判定部288に出力される。
【0107】
次のステップS34では、経過時間Teが稼働可能時間未満か否かが判定される。すなわち、主制御部271が稼働状況判定部288に対して稼働状況判定指令が出力され、稼働状況判定部288が稼働状況判定指令に含まれる稼働可能時間Teoと経過時間計時部286から出力される経過時間Teとを対比し、経過時間Teが稼働可能時間Teo未満であるかを判定する。経過時間Teが稼働可能時間Teo未満(Te<Teo)であると判定された場合にはステップS35に進み、経過時間Teが稼働可能時間Teo以上(Te≧Teo)であると判定された場合にはステップS38に進む。
【0108】
ステップS35では、稼働状況判定部288により「稼働中」と判定され、当該判定結果が稼働状況判定部288から主制御部271に出力される。次のステップS36では、稼働状況判定部288により稼働残時間Trが算出され、当該稼働残時間Trが稼働状況判定部288から主制御部271に出力される。さらに、ステップS37では、稼働状況情報OSIが有線通信装置290から送信される。すなわち、主制御部271が稼働状況判定部288から出力された判定結果(「稼働中」)および稼働残時間Trを端末識別情報TIDに関連付けてなる稼働状況情報OSIを有線通信装置290に出力し、有線通信装置290が稼働状況情報OSIを公衆ネットワーク12を介してサーバ装置8に送信する。ステップS36の実行後はステップS34に戻り、ステップS34において経過時間Teが稼働可能時間Teo以上と判定されるまではステップS34〜S37が繰り返し実行される。これにより、稼働状況情報OSIが更新される。
【0109】
ステップS34において経過時間Teが稼働可能時間Teo以上と判定された場合に実行されるステップS38では、機器2の稼働が終了したと判定される。換言すれば、稼働状況が「停止中」であると判定され、当該判定結果が稼働状況判定部288から主制御部271に出力される。次のステップS39では、経過時間の計時が終了される。すなわち、主制御部271が経過時間計時部286に対して計時停止指令を出力し、経過時間計時部286による計時が終了される。この際、経過時間計時部286の経過時間Teはリセット(Te=0)される。次のステップS40では、稼働状況情報OSIが有線通信装置290から送信される。すなわち、主制御部271が稼働状況判定部288から出力された判定結果(「停止中」)および稼働残時間Tr(Tr=0)を端末識別情報TIDに関連付けてなる稼働状況情報OSIを有線通信装置290に出力し、有線通信装置290が稼働状況情報OSIを公衆ネットワーク12を介してサーバ装置8に送信する。ステップS40の実行後はステップS31に戻り、ステップS31〜S40の処理が繰り返し実行される。
【0110】
次に、
図14を参照しながら、サーバ装置8の動作について説明する。まず、ステップS51では、通信装置302において稼働状況情報OSIを受信したか否かが判定される。稼働状況情報OSIを受信したと判定された場合、ステップS52に進む。稼働状況情報OSIを受信していないと判定された場合、ステップS51が繰り返し実行される。換言すれば、稼働状況情報OSIを受信するまでは待機状態となる。
【0111】
次のステップS52では、機器稼働状況公開情報MOPが作成される。すなわち、公開装置306が記憶装置304に記憶された稼働状況情報OSIに基づき、機器稼働状況公開情報MOPを作成する。次のステップS53では、ステップS52で作成された機器稼働状況公開情報MOPが公開される。すなわち、公開装置306が機器稼働状況公開情報MOPを通信装置302に出力し、通信装置302が公衆ネットワーク12上に機器稼働状況公開情報MOPを公開する。公開された機器稼働状況公開情報MOPは、
図1に示す固定端末14および移動体端末15により閲覧可能となる。ステップS53の実行後はステップS51に戻り、ステップS51〜S53の処理が繰り返し実行される。これにより、機器稼働状況公開情報MOPが更新される。
【0112】
次に、
図15を参照しながら、機器2、端末装置4、上位装置5およびサーバ装置8の相互作用について説明する。まず、ステップS101では、端末装置4において機器2を使用するための料金が収受される。次のステップS102では、端末装置4が第1硬貨信号Sc1または第2硬貨信号Sc2を対応する機器2に対して出力する。続くステップS103では、端末装置4が料金収受情報CRIを上位装置5に送信する。
【0113】
ステップS104では、第1硬貨信号Sc1または第2硬貨信号Sc2が入力された機器2が稼働を開始する。他方、ステップS105では、上位装置5が経過時間Teの計時を開始する。上位装置5におけるステップS106では、上位装置5が稼働状況情報OSIをサーバ装置8に送信する。サーバ装置8は、ステップS107において、受信した稼働状況情報OSIに基づいて機器稼働状況公開情報MOPを公衆ネットワーク12上に公開する。この時点で、機器2が「稼働中」であることが公開される。
【0114】
ステップS108では、機器2が所定時間の稼働を終了する。ステップS110では、機器2の稼働終了とほぼ同時に、上位装置5における経過時間Teの計時が終了する。計時を終了した上位装置5は、ステップS111において、稼働状況情報OSIをサーバ装置8に送信する。ステップS112では、サーバ装置8が受信した稼働状況情報OSIに基づいて機器稼働状況公開情報MOPを公衆ネットワーク12上に公開する。この時点で、機器2が「停止中」であることが公開される。
【0115】
以上述べた通り、本発明の一実施形態の機器稼働状況管理システム1では、複数の機器2のそれぞれに対応して配置された複数の端末装置4と、複数の端末装置4のそれぞれに対して通信可能な上位装置5と、を備えている。複数の機器2のそれぞれは、支払われた料金に応じて所定時間稼働される。複数の端末装置4のそれぞれは料金収受情報出力部258を有しており、料金収受情報出力部258は料金を収受したときに収受した料金額CRおよび当該端末装置4を特定可能な端末識別情報TIDを含む料金収受情報CRIを出力する。料金収受情報CRIが入力された上位装置5において、経過時間計時部286が、料金収受情報CRIの入力時点からの経過時間Teを機器2の稼働時間として計時する。上位装置5の記憶装置284には、複数の機器のそれぞれの稼働条件OCが対応する端末識別情報TIDに関連付けられて記憶されている。機器2の稼働条件OCは、複数の機器2のそれぞれにおける料金額CRおよび当該料金額CRに対応して設定された機器2の稼働可能時間Teoを含んでいる。上位装置5の稼働状況判定部288は、経過時間計時部286による計時の開始から計時時間Teが所定時間に達するまでの間は機器2が稼働中であると判定する。その際、上位装置5の主制御部271は、稼働可能時間特定部291として機能し、料金収受情報CRIの端末識別情報TIDおよび料金額CRと、上位装置5の記憶装置284に記憶された端末識別情報TIDおよび料金額CRとを対比して、上位装置5の記憶装置284に記憶された稼働可能時間Teoを特定する。上位装置5の稼働状況判定部288は、稼働可能時間特定部291により特定された稼働可能時間Teoを所定時間として機器2が稼働中であるかを判定する。そして、上位装置5において、稼働状況判定部288の判定結果に基づき複数の機器2のそれぞれについての稼働状況が管理される。換言すれば、複数の機器2のそれぞれが支払われる料金に応じて所定時間稼働され、上位装置5が複数の機器2のそれぞれに対応する端末装置4における料金の収受の時点から所定時間に達するまでの経過時間Teを計時することにより、複数の機器2の稼働状況が管理される。そのため、上述した従来技術のように機器特性を把握する必要がない。したがって、機器特性の解析および把握にかかる多大な解析労力および時間を要することなく、機器2の稼働状況を容易かつ簡便に管理することができる。また、上位装置5の記憶装置284に記憶された機器2の稼働条件OCから機器2の稼働可能時間Teoが特定され、当該特定された機器2の稼働可能時間Teoを所定時間として機器2が稼働中であるかを判定している。そのため、複数の機器2に互いに異なる稼働条件OCを設定する場合であっても、複数の機器2のそれぞれについて稼働条件OC毎に稼働状況を管理することが可能となる。
(変形例)
【0116】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、ICカード発行チャージ・両替機6の機能を有する複合装置7に上位装置5としての機能を持たせているが、上位装置5はコンピュータにより実現可能である。その場合、CPUが経過時間計時部286、稼働状況判定部288および稼働可能時間特定部291としての機能を持つようソフトウェアを構成することにより実現することができる。また、複数の端末装置4および上位装置5の通信を有線通信とすることも勿論可能である。