(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
第1の実施形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
【0020】
(筐体12、前扉14)
第1の実施形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0021】
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0022】
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このリール駆動モータ65は、メイン制御手段200から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。さらに、リールユニット60には、回転リール62上の図柄61を照らすためのバックランプ67が設けられている。
【0023】
(クレジット表示器87、払出枚数表示器88)
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、例えば2個の7セグメントLEDで構成されており、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
【0024】
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
【0025】
第1の実施形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0026】
(メダルセレクタ17)
前扉14の裏側であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。
【0027】
なお、前扉14の裏側には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口28から払い出される。
【0028】
(精算スイッチ36)
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0029】
(ストップスイッチ50)
前記操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0030】
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0031】
(ベットスイッチ32)
このスタートスイッチ40の上方には、ベットスイッチ32として、貯留されたクレジットメダルから投入されたメダル数(クレジットされたメダル数)から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0032】
(演出用ボタンスイッチ42)
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている(
図2参照)。
【0033】
(扉開閉用スイッチ19)
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
【0034】
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
【0035】
(設定表示器89)
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、大当り確率の設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
【0036】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(
図2参照)。
【0037】
(ホッパーユニット24)
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0038】
(電源ユニット43)
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0039】
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0040】
(遊技の流れの説明)
第1の実施形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0041】
この有効ライン86は、具体的には3個の回転リール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各回転リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数の回転リール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって第1の実施形態では3)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。第1の実施形態の有効ライン86は、左回転リール64と中回転リール66と右回転リール68との中段とを結んだ1本のみからなるものである。
【0042】
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78、表示装置84とを備えている。
【0043】
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0044】
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82と、クレジット表示器87と払出枚数表示器88との間に配置された払出ランプ90とを備えている。この払出ランプ90は、メダルの払出時に点灯するものである。これらの演出用ランプ78は、フルカラーで発光可能なフルカラーLEDが用いられている。
【0045】
(表示装置84)
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
【0046】
(制御装置100)
図2に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御手段500とを備えている。
【0047】
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段500との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段500への一方向の通信により行われ、サブ制御手段500からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、ベットスイッチ32、精算スイッチ36等の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及びホッパーユニット24等の作動を制御する。サブ制御手段500は、メイン制御手段200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段500の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0048】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段500を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段500は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0049】
メイン制御手段200及びサブ制御手段500は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0050】
第1の実施形態に係る遊技機10では、通常に行われるノーマル遊技が設けられている。このノーマル遊技よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)遊技が設けられている。さらに、メイン制御手段200では、ボーナス移行役に入賞することにより実行されるボーナス遊技が設けられている(
図8参照)。これらの遊技は、メイン制御手段200により制御される。
【0051】
また、演出状態としてストップスイッチ50の押し順や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態が設けられている(
図9参照)。
【0052】
また、演出状態として、通常状態と、通常状態より有利なATチャンスゾーンとが設けられている。ここで、「ATチャンスゾーン」は、本発明における「有利状態」に相当する。
【0053】
なお、通常状態とATチャンスゾーンとは状態は異なるが、表示装置84に表示される演出等については、後述する示唆情報以外は共通の演出が行われるため、遊技者は、示唆情報が報知されなければ、通常状態なのかATチャンスゾーンなのかを認識できない。
このATチャンスゾーンでは、所謂、ミッション遊技が行われ、ATチャンスゾーンに対応した達成条件が定められており、達成条件が成立した場合に、遊技者に特典が付与される。
【0054】
また、「達成条件」とは、実行されるミッション遊技に対応して予め設定され、ミッション遊技中に成立することにより特典が付与される条件である。
第1の実施形態では、ミッション遊技の達成条件は、「15ゲーム以内に10枚のメダルを払い出すこと」とされている。なお、「達成条件」は、前記した定義に該当すれば上述のものには限られない。この「ATチャンスゾーン」の詳細については後述する。
【0055】
(外部集中端子板18)
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
【0056】
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ表示器)やホールコンピュータに接続されている。
【0057】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、
図3に示すように、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技状態制御手段250、演出状態制御手段260、移行抽選手段270、特典付与手段280、送信手段290の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0058】
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、第1の実施形態における遊技について説明する。
【0059】
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、第1の実施形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、ベットスイッチ32を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(第1の実施形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0060】
第1の実施形態では、役として、大別すると、ベル役、チェリー役、スイカ役、チャンス役などの小役(メダルの払い出しを伴う役や、演出状態の移行の契機となる役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
【0061】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(第1の実施形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0062】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
【0063】
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。第1の実施形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0064】
役抽選の当選確率は、複数段階、第1の実施形態では、6段階(設定1〜設定6)設定されており、設定1が最も低く、設定6が最も高くなるように設定されている。
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0065】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。すなわち、役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類としてノーマル遊技用、RT遊技(RT2)用、ボーナス内部中用、ボーナス遊技用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
【0066】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。
【0067】
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
【0068】
(払出制御手段240)
払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
【0069】
(遊技状態制御手段250)
遊技状態制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技状態制御手段250は、
図5に示すように、ノーマル遊技制御手段251、RT制御手段252及びボーナス遊技制御手段253の各手段を有する。
【0070】
(ノーマル遊技制御手段251)
ノーマル遊技制御手段251は、「ノーマル遊技」の進行を制御するものである。ここで、「ノーマル遊技」は、後述するRT制御手段252による「RT遊技」(リプレイタイム遊技)や、ボーナス遊技制御手段253によるボーナス遊技以外の遊技状態をいい、
図8を用いて後述する「RT0」及び「RT1」を含む。
【0071】
(RT制御手段252)
RT制御手段252は、「RT遊技」の進行を制御するものである。ここで、「RT遊技」は、
図8を用いて後述する「RT2」及び「ボーナス内部中」を含む。
【0072】
(ボーナス遊技制御手段253)
ボーナス遊技制御手段253は、
図8を用いて後述する「ボーナス遊技」を制御するものである。
「ボーナス遊技」は、「ボーナス内部中」にボーナス移行役の図柄を揃えることで移行し、いわゆる「RB」が連続作動し、所定の枚数、第1の実施形態では、「RBB1」、「RBB2」の場合は280枚、「RBB3」〜「RBB5」の場合は60枚を超えるメダルの払い出しで終了し、「RT0」に移行する。
【0073】
(演出状態制御手段260)
演出状態制御手段260は、演出状態を制御するためのものである。
具体的には、演出状態制御手段260は、
図6に示すように、通常遊技制御手段261、ATチャンスゾーン遊技制御手段262、ART遊技制御手段263及び上乗せ遊技制御手段264の各手段を有する。
【0074】
(通常遊技制御手段261)
通常遊技制御手段261は、通常状態で行われている遊技である通常遊技(非AT)を制御するものである。
【0075】
ここで、「非AT」は、「AT」の非作動状態を意味する。「AT」は、いわゆる「アシストタイム」の略語であり、「AT」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払出される。また、「AT」は、第1の実施形態では、メイン制御手段200で制御され、このとき、メイン制御手段200のRT遊技制御手段252で制御される「RT状態」に移行すると、「ART」状態となる。「ART」状態は、「RT」で、かつ「AT」の状態をいう。
【0076】
このとき、第1の実施形態におけるベル役は、当選したベル役の押し順が合致しないと入賞しないAT役となっている。
そのため、「AT」が作動すると、上述のように、ベル役の当選時に、当該当選したベル役に対応する押し順が報知される。そして、遊技者は、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当該当選したベル役を入賞させることができるため、「AT」が作動すると、「非AT」のときに比して、遊技者に有利となる。
【0077】
(ATチャンスゾーン遊技制御手段262)
ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、上述したミッション遊技を制御するものである。
【0078】
このATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ミッション遊技に対応した示唆条件を記憶するとともに、示唆条件の成立の判定を行っている。この示唆条件は、当該ミッション遊技に対応した達成条件に関連する示唆情報を示唆するために必要な条件である。そして、この示唆条件が成立したことに基づいて、後述する示唆手段522により、当該成立した示唆条件に対応する示唆情報が示唆されることとなっている。
【0079】
第1の実施形態における示唆条件とは、「ATチャンスゾーン中にメダルの払い出しが行われること」とされている。
そして、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、示唆条件が成立したと判定されると、後述する送信手段290により、後述する受信手段510に対して、示唆条件が成立したことを示す情報(以下、「示唆条件成立情報」とする)が送信されることとなっている。
【0080】
なお、通常遊技制御手段261で制御される通常遊技と、ATチャンスゾーン遊技制御手段262で制御されるミッション遊技とは、表示装置84に表示される演出等については、後述する示唆情報以外は共通の演出が行われるため、遊技者は、示唆情報が報知されなければ、通常遊技が行われている通常状態なのかミッション遊技が行われているATチャンスゾーンなのかを認識できない。
【0081】
(ART遊技制御手段263)
ART遊技制御手段263は、ART状態で行われている遊技であるART遊技を制御するものである。
【0082】
(上乗せ遊技制御手段264)
上乗せ遊技制御手段264は、上乗せ特化ゾーンで行われている遊技である上乗せ遊技を制御するものである。
【0083】
(移行抽選手段270)
移行抽選手段270は、各演出状態へ移行するか否かを決定する抽選を行うものである。この移行抽選手段270は、
図7に示すように、通常状態においてATチャンスゾーンへ移行するか否かの抽選(以下、「ATチャンスゾーン移行抽選」とする)を行うATチャンスゾーン移行抽選手段271と、通常状態においてAT状態へ移行するか否かの抽選(以下、「AT抽選」とする)を行うAT移行抽選手段272と、ART通常状態において上乗せチャンスゾーンへ移行するか否かの抽選(以下、「上乗せチャンスゾーン移行抽選」とする)を行う上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273と、ART状態において上乗せ特化ゾーンへ移行するか否かの抽選(以下、「特化ゾーン移行抽選」とする)を行う特化ゾーン移行抽選手段274とを備えている。なお、移行抽選手段270が行う抽選は上記のものには限られない。
【0084】
(ATチャンスゾーン移行抽選手段271)
ATチャンスゾーン移行抽選手段271は、通常状態においてATチャンスゾーン移行抽選を行うものである。このATチャンスゾーン移行抽選手段271が行うATチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。第1の実施形態では、ATチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。なお、ATチャンスゾーン移行抽選の抽選契機となる役抽選の当選役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。また、ATチャンスゾーン移行抽選の抽選契機は、役抽選の当選役に基づかずに、たとえば、所定のゲーム数を消化したことに基づいて行ってもよい。また、ATチャンスゾーンは、ATチャンスゾーン移行抽選の当選後、所定ゲーム数が経過した後や抽選により決定したゲーム数を経過した後に開始するようにしてもよい。
【0085】
(AT移行抽選手段272)
AT移行抽選手段272は、通常状態においてAT抽選を行うものである。このAT移行抽選手段272が行うAT抽選は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。第1の実施形態では、通常状態において行われるAT抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。
【0086】
なお、通常状態において行われるAT抽選の抽選契機となる役抽選の当選役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。また、通常状態において行われるAT抽選の抽選契機は、役抽選の当選役に基づかずに、たとえば、所定のゲーム数を消化したことに基づいて行ってもよい。また、AT移行抽選手段272が行うAT抽選は、通常状態において行われるものに限らず、たとえば、通常状態に加えてATチャンスゾーンにおいて行うこととしてもよい。すなわち、ATチャンスゾーンにおけるミッション遊技の結果にかかわらず、別途AT状態へ移行するルートをATチャンスゾーンに設けることとしてもよい。
【0087】
(上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273)
上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273は、ART通常状態において上乗せチャンスゾーン移行抽選を行うものである。この上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273が行う上乗せチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。第1の実施形態では、上乗せチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。なお、上乗せチャンスゾーン移行抽選の抽選契機となる役抽選の当選役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。また、上乗せチャンスゾーン移行抽選は、役抽選の当選役に基づかずに、たとえば、所定のゲーム数を消化したことに基づいて行ってもよい。
【0088】
(特化ゾーン移行抽選手段274)
特化ゾーン移行抽選手段274は、ART状態において特化ゾーン移行抽選を行うものである。この特化ゾーン移行抽選手段274が行う特化ゾーン移行抽選は、ART通常状態においては、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。第1の実施形態では、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。なお、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選の抽選契機となる役抽選の当選役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。また、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選の抽選契機は、役抽選の当選役に基づかずに、たとえば、所定のゲーム数を消化したことに基づいて行ってもよい。
【0089】
一方、特化ゾーン移行抽選手段274が行う特化ゾーン移行抽選は、上乗せチャンスゾーンにおいては、上乗せチャンスゾーンの各遊技で行われる。そして、上乗せチャンスゾーンにおいて行われる特化ゾーン移行抽選は、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選に比べて、その当選確率が高くなっている。なお、上乗せチャンスゾーンにおいて行われる特化ゾーン移行抽選の抽選契機は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行ってもよいし、所定のゲーム数を消化したことに基づいて行ってもよい。
【0090】
(特典付与手段280)
特典付与手段280は、ATチャンスゾーンにおけるミッション遊技において、達成条件が成立した場合に、遊技者にとって有利な特典の付与を行うものである。
ここで、第1の実施形態における特典とは、「ATの付与」である。
第1の実施形態では、達成条件が成立、すなわち、ミッション遊技を達成した場合、特典として、AT状態への移行が確定される。なお、「特典」は前記のものに限られず、遊技者にとって有利となり得るものであればよい。たとえば、ATの付与に代え、又はこれに加えて、ART状態中にも、ATチャンスゾーンのようなミッション遊技を行うチャンスゾーンを設け、「特化ゾーンの付与」や「ART状態の継続確率の向上」としてもよい。
【0091】
(送信手段290)
送信手段290は、サブ制御手段500へ種々の信号を送信するためのものである。
第1の実施形態では、送信手段290は、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により示唆条件が成立したと判定されると、受信手段510に対して、示唆条件が成立したことを示す示唆条件成立情報を送信する。
【0092】
(サブ制御手段500)
サブ制御手段500は、
図4に示すように、受信手段510、演出実行制御手段520を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、サブ制御手段500は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
【0093】
具体的には、サブ制御手段500は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0094】
(受信手段510)
受信手段510は、送信手段290からの信号を受信するものである。
【0095】
(演出実行制御手段520)
演出実行制御手段520は、演出装置70により行われる演出を実行するためのものである。
演出実行制御手段520は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出や、ノーマル遊技、RT遊技、ボーナス遊技等の各遊技状態に応じた演出や、押し順を報知するための演出等を行う。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、演出実行制御手段520は、抽選により所定の演出を選択するとともに選択した演出を演出装置70を介して実行する。また、演出実行制御手段520には、演出装置70により行われる演出を実行すべく、第1の実施形態では、示唆手段522と、報知手段524とが含まれている。
【0096】
(示唆手段522)
示唆手段522は、達成条件に関連する示唆情報を記憶し、ミッション遊技の実行中に、当該ミッション遊技に対応した示唆条件が成立したことに基づき示唆情報を示唆するものである。
そして、示唆手段522は、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により示唆条件が成立したと判定されたことに基づき送信手段290により送信された示唆条件成立情報を受信手段510が受信したことに基づいて、実行中のミッション遊技に関連する示唆情報を示唆する。具体的には、示唆手段522は、示唆条件成立情報を受信手段510が受信したことに基づいて、実行中のミッション遊技に対応した達成条件に関連する示唆情報を示唆することとなっている。
【0097】
ここで、「示唆情報」とは、達成条件に関連する情報をいうが、この情報の中には、ATチャンスゾーンの終了条件についての情報は含まれない。後述のように、第1の実施形態におけるATチャンスゾーンの終了条件としての遊技期間は、「15ゲーム」に設定されているが、この「示唆情報」には、ATチャンスゾーンの遊技期間が「15ゲーム」という情報は含まれていない。すなわち、「示唆情報」には、ATチャンスゾーンの遊技期間についての情報は含まれていない。なお、これに限らず、「示唆情報」には、ATチャンスゾーンの遊技期間についての情報を含むこととしてもよい。
【0098】
そして、「示唆情報」とは、あくまで「示唆」を目的とした黙示的な情報であって、その情報が達成条件にどのように関連しているのかを明示的に示すものではない。
第1の実施形態における「黙示的」と「明示的」との区別としては、たとえば、以下の通りである。
第1の実施形態の達成条件は、上述のように、「15ゲーム中に10枚のメダルを払い出すこと」であり、達成条件に関連する示唆情報は、「メダルの払出時に払出ランプ90に違和感を生じさせること」としている。
【0099】
この示唆情報には、払出ランプ90を「青色」で点灯させるための情報が含まれている。第1の実施形態では、ミッション遊技が行われていない場合のメダルの払出時においては、後述する報知手段524により、払出ランプ90が「赤色」で点灯されることとなっている。一方、ミッション遊技が行われている場合のメダルの払出時(示唆条件成立)においては、示唆手段522により、払出ランプ90が「青色」で点灯されることとなっている。すなわち、示唆条件の成立の前後で払出ランプ90の発光色を変化させることを「メダルの払出時に払出ランプ90に違和感を生じさせること」としている。これにより、達成条件が成立するためにメダルが関連することを遊技者に「黙示的」に示しているといえる。これに対し、たとえば、示唆情報として、表示装置84に「メダル10枚を払い出したらミッション達成!」等と表示させた場合には、達成条件が成立するためにメダルが関連することを遊技者に「明示的」に示しているといえる。
【0100】
なお、「メダルの払出時に払出ランプ90に違和感を生じさせること」は、「示唆情報」の定義に該当するものであれば、上記のものには限られない。たとえば、示唆条件の成立の前後で払出ランプ90の発光時間を変化させることを「メダルの払出時に払出ランプ90に違和感を生じさせること」としてもよい。また、払出ランプ90を備えずに、たとえば、払出枚数表示器88の表示態様を示唆条件の成立の前後で変化(ドットの点灯/消灯の切替等)させることやメダルの払出時にフリーズを発生させることを「示唆情報」としてもよい。さらに、示唆条件が成立した最初の遊技のみ払出ランプ90に違和感を生じさせることとしてもよい。
【0101】
第1の実施形態では、示唆条件は、上述のように「ATチャンスゾーン中にメダルの払い出しが行われること」とされている。
そして、ATチャンスゾーン中にメダルの払い出しが行われ、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により示唆条件が成立したと判定されると、送信手段290により、受信手段510に対して、示唆条件成立情報が送信される。この示唆条件成立情報を受信手段510が受信したことに基づいて、示唆手段522は、次の払出時から払出ランプ90を「青色」で点灯させる。
【0102】
また、「ミッション遊技に関連する示唆情報」とは、遊技者にとって、有益となり得る情報(以下、「有益情報」とする)であることを指す。
すなわち、上述のように、第1の実施形態では、達成条件は、「15ゲーム以内に10枚のメダルを払い出すこと」であり、示唆情報は、「メダルの払出時に払出ランプ90に違和感を生じさせること」である。これら2つの情報には、「メダル」という共通のキーワードが含まれているため、遊技者に「メダルに関連するミッション遊技が行われているのではないか?」という予想をさせることができる。
【0103】
したがって、遊技者は、メダルに関連する動作(たとえば、「投入枚数の増減」や「払出枚数」)に注意を払って遊技を行うことができるため、達成条件の成立に関し、示唆情報が示唆されない場合に比して、有利にATチャンスゾーンを進めることができる。
【0104】
なお、第1の実施形態では、「ミッション遊技に関連する示唆情報」とは、有益情報であることとしたが、この他に、遊技者にとって、不利益となり得る情報を含めることとしてもよい。すなわち、示唆情報は、示唆情報が示唆されることで、達成条件の成立に関し、示唆情報が示唆されない場合よりも、ATチャンスゾーンを進めるにあたり不利となり得る情報(以下、「ガセ情報」とする)を含んでもよい。この場合には、示唆手段522は、示唆情報として、「有益情報」と「ガセ情報」との双方を記憶することとなっている。
【0105】
なお、第1の実施形態では、示唆条件が成立した場合、示唆情報を示唆するようにしているが、示唆条件が成立した場合、抽選により示唆情報を示唆するようにしてもよいし、示唆条件が成立しなくても、抽選により示唆情報を示唆するようにしてもよい。
さらに、示唆手段522をメイン制御手段200に設け、後述する報知手段524を制御するようにしてもよい。
【0106】
(報知手段524)
報知手段524は、液晶表示装置を有する表示装置84、スピーカー72及び演出用ランプ78からなる演出装置70を制御し、種々の情報を外部へ報知するものである。
この報知手段524は、上述のように、示唆条件が成立する前のメダルの払出時においては、払出ランプ90を「赤色」で点灯させている。
【0107】
また、報知手段524は、ATチャンスゾーンの終了時に、当該実行されたミッション遊技の結果を報知することとなっている。
具体的には、報知手段524は、ATチャンスゾーンで行われるミッション遊技が達成された場合、
図11(A)に示すように、表示装置84にミッション遊技を達成したことを示す内容を報知する。
【0108】
一方、報知手段524は、ATチャンスゾーンで行われるミッション遊技が達成されなかった場合、
図11(B)に示すように、表示装置84にミッション遊技が失敗したことを示す内容を報知する。この場合、報知手段524は、当該失敗したミッション遊技の達成に不足していた閾値(
図11(B)における「5枚」)を併せて報知することとなっている。これにより、遊技者は、当該失敗したミッション遊技の内容を認識することができる。
なお、報知手段524は、ミッション遊技が達成した場合のみミッション遊技の結果を報知するようにしてもよい。
【0109】
(
図8を用いた遊技状態の説明)
次に、
図8を用いて「遊技状態」について説明する。
「遊技状態」は、メイン制御手段200により管理され、
図8に示すように、大別すると、「ノーマル遊技」、「RT遊技」及び「ボーナス遊技」がある。「RT」は、いわゆる「リプレイタイム」の略語であり、「RT遊技」に移行すると、再遊技役に当選する抽選確率、すなわち再遊技確率が高くなる。
【0110】
なお、各遊技における再遊技役への当選確率は、「ノーマル遊技」においては「1/7.3」に設定されており、「RT遊技」では「ノーマル遊技」よりも高く、「ボーナス遊技」では「ノーマル遊技」よりも低く(RBB1,2)又は高く(RBB3〜5)設定されている。
【0111】
「ノーマル遊技」は、ノーマル遊技制御手段251により制御され、「RT0」と、「RT1」とがある。
「RT0」から「RT1」には、AT役こぼし図柄を停止表示させた時に移行する。ここで「AT役こぼし図柄」とは、図示しないが、例えば、左第一停止が不正解のベル役に当選し、押し順不正解(ストップスイッチ50を左第一停止で操作)した際に停止表示される図柄である。「RT0」では押し順ナビが実行されず、遊技者はストップスイッチ50を左第一停止で操作している。そのため、例えば「左第一不正解」の役当選時にはAT役こぼし図柄が停止表示され、「RT1」に移行する。
【0112】
「RT遊技」は、RT制御手段252により制御され、「ノーマル遊技」より再遊技役への当選確率の高い「RT2」と、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する「ボーナス内部中」(RBB1,2当選時のRT3とRBB3〜5当選時のRT4)とがある。
【0113】
ここで、「ノーマル遊技」から「RT遊技」、具体的には、「RT1」から「RT2」には、RT2移行図柄を停止表示させた時に移行する。例えば、図示しないが押し順リプレイ役の押し順「正解」時に、RT2移行図柄が停止表示され移行する。
【0114】
また、「RT2」においてAT役こぼし図柄や転落リプレイ図柄を停止表示させると「RT1」に移行する。ここで「AT役こぼし図柄」とは、上述したとおり、例えば、左第一停止が不正解の役に当選し、押し順不正解(ストップスイッチ50を左第一停止で操作)した際に停止表示される図柄である。例えば、「RT2」において演出状態が
図9のAT状態であれば、押し順が報知されるが、AT状態が終了すると、押し順が報知されず、遊技者は通常の押し順すなわち、ストップスイッチ50を左第一停止で操作するため、左第一停止が不正解の役に当選してもAT役こぼし図柄が停止表示され、「RT1」に移行する。
【0115】
「ボーナス内部中」は、ボーナス内部中制御手段253により制御され、ボーナス移行役に当選すると、移行する。
「ボーナス遊技」は、ボーナス遊技制御手段254により制御され、「ボーナス内部中」に「ボーナス図柄」を揃えることで移行する。
【0116】
「ボーナス遊技」には、「RBB1」〜「RBB5」がある。ここで、「RBB1」「RBB2」はいわゆる「RB」が連続作動し、所定の枚数、例えば239枚を超えるメダルの払い出しで終了する。また、「RBB3」「RBB4」「RBB5」はいわゆる「RB」が連続作動し、所定の枚数、例えば85枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
そして、「ボーナス遊技」終了後、「RT0」に移行する。
【0117】
(
図9を用いた演出状態の説明)
図9に示すように、演出状態は、「通常状態」と、「ATチャンスゾーン」と、「AT状態」とがある。
【0118】
(通常状態)
「通常状態」は、後述する「ATチャンスゾーン」及び「AT状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
【0119】
(ATチャンスゾーン)
「ATチャンスゾーン」は、「通常状態」よりも「AT状態」に移行しやすいように設定された状態である。また、第1の実施形態におけるATチャンスゾーンの遊技期間は、「15ゲーム」に設定されている。なお、ATチャンスゾーンの遊技期間は、「15ゲーム」に限らず、これより多くても少なくてもよい。
なお、ATチャンスゾーンの演出は、通常状態と共通(同様)の演出が行われ、遊技者は、通常状態なのかATチャンスゾーンなのかを認識することは困難となっている。
【0120】
「通常状態」から「ATチャンスゾーン」へは、通常状態において、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づきATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われるATチャンスゾーン移行抽選に当選した場合に移行する。
【0121】
「ATチャンスゾーン」では、当該ATチャンスゾーンへ移行するとミッション遊技が開始され、当該ミッション遊技に対応する達成条件が成立した場合は、後述する「AT状態」に移行する。
一方、ATチャンスゾーン中に、当該ミッション遊技に対応する達成条件が成立しなかった場合は、ATチャンスゾーンの遊技期間を消化した後、「通常状態」に戻る。
【0122】
(AT状態)
「AT状態」は、「通常状態」及び「ATチャンスゾーン」より遊技者に有利な状態である。当該「AT状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役や再遊技役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0123】
「AT状態」としては、「ART状態」と、「上乗せ特化ゾーン」とがある。なお、「AT状態」の種類や数は、前述したものに限られない。
【0124】
(ART状態)
「ART状態」は、「通常状態」及び「ATチャンスゾーン」より遊技者に有利な状態である。当該「ART状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技であるAT遊技と、RT2とが開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0125】
「通常状態」から「ART状態」へは、通常状態において、AT移行抽選手段272により行われるAT抽選に当選した場合に移行する。
「ATチャンスゾーン」から「ART状態」へは、ミッション遊技に対応する達成条件が成立した場合に移行する。
【0126】
「ART状態」は、第1の実施形態では、50ゲームの遊技が可能に設定されており、50ゲームを消化した後に、ART中のAT遊技を終了して「通常状態」へ戻る。すなわち、50ゲームを消化した場合は、ART(AT+RT)のうち、AT遊技が終了するように設定されているため、ストップスイッチ50の押し順の報知が終了され、これに伴い、AT役こぼし目や転落リプレイ図柄の表示を回避するストップスイッチ50の押し順が報知されなくなり、結果として、AT役こぼし目や転落リプレイ図柄が停止表示され、「ノーマル遊技(RT1)」へ戻る。すなわち、AT役こぼし目や転落リプレイ図柄は、ストップスイッチ50を左第一停止で操作した際に停止表示される図柄61である。AT遊技が終了しているため押し順の報知が行われず、遊技者はストップスイッチ50を左第一停止で操作するため、転落リプレイが図柄停止表示され、「ノーマル遊技(RT1)」に移行する。
【0127】
また、「ART状態」は、後述する「上乗せ特化ゾーン」等の特殊な状態を除いた状態であり、「ART状態」の演出状態としては、「ART通常状態」、「上乗せチャンスゾーン」を備える。
【0128】
(ART通常状態)
「ART通常状態」は、後述する「上乗せチャンスゾーン」等の特殊な状態を除いた状態である。この「ART通常状態」では、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて、上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273により上乗せチャンスゾーン移行抽選が行われる。また、「ART通常状態」では、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて、特化ゾーン移行抽選手段274により特化ゾーン移行抽選が行われる。なお、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選の当選確率は、上乗せチャンスゾーンにおいて行われる特化ゾーン移行抽選の当選確率に比べて、低く設定されている。
【0129】
(上乗せチャンスゾーン)
「上乗せチャンスゾーン」は、「ART通常状態」よりも特化ゾーン移行抽選手段274が行う特化ゾーン移行抽選の当選確率を高く設定することで、「上乗せ特化ゾーン」に移行しやすいように設定された状態である。
【0130】
「ART通常状態」から「上乗せチャンスゾーン」へは、ART通常状態において、上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273により行われる上乗せチャンスゾーン移行抽選に当選した場合に移行する。
【0131】
この「上乗せチャンスゾーン」では、各遊技で、特化ゾーン移行抽選手段274により特化ゾーン移行抽選が行われる。また、上乗せチャンスゾーンにおいて行われる特化ゾーン移行抽選の当選確率は、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選の当選確率に比べて、高く設定されている。
【0132】
そして、上乗せチャンスゾーンに滞在中に特化ゾーン移行抽選に当選しなかった場合には、上乗せチャンスゾーンの所定のゲーム数を消化した後、「ART通常状態」に戻る。
【0133】
(上乗せ特化ゾーン)
「上乗せ特化ゾーン」は、所定のゲーム数、上乗せ遊技制御手段264によりART遊技の遊技区間、第1の実施形態では、ART遊技のゲーム数に上乗せするか否か、及び上乗せする場合の上乗せゲーム数を抽選により決定する演出状態である。
【0134】
「ART状態」から「上乗せ特化ゾーン」へは、ART状態において、特化ゾーン移行抽選手段274により行われる特化ゾーン移行抽選に当選した場合に移行する。
そして、上乗せ特化ゾーンの所定のゲーム数消化後、「ART通常状態」に戻る。
【0135】
(第1の実施形態におけるATチャンスゾーンにおける遊技の流れ)
以下、
図10を参照して、第1の実施形態におけるATチャンスゾーンにおける遊技の流れについて説明する。
【0136】
第1の実施形態では、上述のように、通常状態において、ATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われるATチャンスゾーン移行抽選に当選した場合に、「通常状態」から「ATチャンスゾーン」へ移行する。
なお、ATチャンスゾーンの演出は、通常状態と共通(同様)の演出が行われ、遊技者は、通常状態なのかATチャンスゾーンなのかを認識することは困難となっている。
以下、ATチャンスゾーン中に行われたミッション遊技について説明する。なお、以下の説明では、ミッション遊技が開始されるための前提として、演出状態が「通常状態」にある状態から遊技が開始されたものとする。
【0137】
まず、
図10に示すように、演出状態が通常状態にある場合、示唆手段522による示唆情報の示唆が行われないが、報知手段524により実行される演出が、通常状態とATチャンスゾーン(ミッション遊技)とでは、共通(同様)の演出が行われるため、遊技者は、示唆情報が報知されるまで、通常状態であるのかATチャンスゾーン(ミッション遊技)であるのか認識することは困難であるが、ATチャンスゾーン(ミッション遊技)が行われているかもという期待を抱くことは可能である。
【0138】
その後、通常状態において、ATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われるATチャンスゾーン移行抽選に当選して、演出状態が「通常状態」から「ATチャンスゾーン」へと移行され、ミッション遊技が開始される。
【0139】
このとき、第1の実施形態では、演出状態が「通常状態」から「ATチャンスゾーン」へ移行された場合においても、演出装置70では、報知手段524により通常状態と共通(同様)の演出が実行されている。これにより、遊技者は、現在の演出状態が通常状態なのかATチャンスゾーンなのかを認識することは困難であるが、ATチャンスゾーン(ミッション遊技)が行われているかもという期待を抱くことは可能となっている。
【0140】
さらに、ATチャンスゾーンへの移行に伴って、ミッション遊技が開始されたが、ATチャンスゾーン中にメダルの払い出しが行われるまでは示唆条件が成立しないため、示唆手段522による示唆情報の示唆が行われない。そのため、遊技者は示唆条件が成立するまでは、現在の演出状態であるATチャンスゾーンにおいてミッション遊技が行われているのかを認識することは困難であるが、ATチャンスゾーン(ミッション遊技)が行われているかもという期待を抱くことは可能となっている。
【0141】
そして、ATチャンスゾーン中にメダルの払い出しが行われると、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により示唆条件が成立したと判定され、送信手段290により示唆条件成立情報が受信手段510に送信される。
その後、示唆手段522は、受信手段510が示唆条件成立情報を受信したことに基づいて、示唆情報を示唆、具体的には、これ以降のATチャンスゾーン中のメダルの払出時において、払出ランプ90を「青色」で点灯する。
【0142】
これにより、第1の実施形態によれば、遊技者に、現在の演出状態であるATチャンスゾーンにおいてミッション遊技が行われているかもしれないとの認識を抱かせることができる。すなわち、第1の実施形態によれば、示唆手段522により示唆情報が示唆されることで、示唆情報の示唆の前後における演出装置70を用いた演出の違和感を遊技者に与えることができる。そのため、第1の実施形態によれば、この遊技者が感じた違和感に基づいて、遊技者に「ミッションが行われているのではないか?」、「終了条件は払出枚数?」、「ATチャンスゾーン(ミッション遊技)はいつ始まったのだろう?いつ終わるのだろう?」との予想をさせながら遊技を行わせることができる。
【0143】
そして、ATチャンスゾーンの遊技期間である15ゲームを消化すると、ATチャンスゾーンが終了する。このとき、ATチャンスゾーン中に当該ミッション遊技に対応する達成条件が成立していた場合には、特典付与手段280により、特典としてAT状態への移行が確定され、次ゲームからAT状態に移行する。一方、ATチャンスゾーン中に当該ミッション遊技に対応する達成条件が成立していない場合には、次ゲームから通常状態に移行する。
【0144】
また、ATチャンスゾーンの遊技期間を15ゲーム消化すると、ATチャンスゾーンが終了し、
図11に示すように、報知手段524によりミッション遊技の結果が報知される(
図11(A)及び(B)参照)。
なお、ミッション遊技の結果が報知されないようにしてもよい。
【0145】
(第1の実施形態の作用効果)
第1の実施形態によれば、示唆手段522により示唆情報が示唆される前までは、遊技者にミッション遊技が開始されたことを認識させないことができ、ATチャンスゾーン(ミッション遊技)が行われているかもという期待を抱きながら、注意深く違和感を探りながら遊技を行わせることができる。そして、示唆手段522により示唆情報が示唆された後においては、示唆情報に基づいて、遊技者に「ミッション遊技が行われているのではないか?」、「終了条件は払出枚数?」、「ATチャンスゾーン(ミッション遊技)はいつ始まったのだろう?いつ終わるのだろう?」との予想をさせながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0146】
また、第1の実施形態によれば、示唆手段522により示唆情報が示唆された場合であっても、ATチャンスゾーンの終了条件としての遊技期間を遊技者に認識させないことができる。そのため、第1の実施形態によれば、示唆情報が示唆された場合であっても、ATチャンスゾーンの終了条件としての遊技期間を遊技者に認識させないことにより、緊張感を持った状態で遊技をさせることができる。
【0147】
また、第1の実施形態によれば、示唆手段522により示唆情報を示唆することにより、遊技者に達成条件に関連する情報を黙示的に示すことができる。そのため、第1の実施形態によれば、達成条件が明示的に示されないことにより、遊技が進んでも、遊技者に対して「達成できないのではないか?」といった喪失感を与えることがない。
【0148】
また、第1の実施形態によれば、遊技者は、ATチャンスゾーンの終了時に当該実行されたミッション遊技の結果を認識することができる。そのため、第1の実施形態によれば、遊技者は、当該実行されたミッション遊技に対応する示唆情報を認識することができるので、次回、同様の示唆情報が示唆された場合に、ミッション遊技が実行中であるとの遊技者の認識可能性を高めることができ、遊技者を興奮させ、遊技の興趣を高めることができる。
【0149】
なお、以上で説明した第1の実施形態では、本発明における「有利状態」を「ATチャンスゾーン」として説明したがこれには限られない。たとえば、
図9に示す「ART通常状態」中に実行される一部の遊技や「上乗せチャンスゾーン」を本発明における「有利状態」とし、これらの「ART通常状態」中に実行される一部の遊技や「上乗せチャンスゾーン」にてミッション遊技を行って、以上で説明した構成を採用してもよい。「ART通常状態」中に実行される一部の遊技を本発明における「有利状態」とした場合には、ART通常状態をセット管理とし(たとえば、1セット 30ゲーム)、当該セット内でミッション遊技を行い、当該ミッション遊技に対応した達成条件の成立の有無により、当該ART通常状態の継続確率を調整してもよい。
【0150】
また、第1の実施形態では、達成条件を「15ゲーム中に10枚の払出」、示唆情報を「メダルの払出時に払出ランプ90に違和感を生じさせること」としたが、達成条件、示唆情報はこれには限られない。たとえば、達成条件を「特定役(例えば、スイカ役)当選、示唆情報を「特定役(例えば、スイカ役)当選時の演出変化に違和感を生じさせること」として、ミッション遊技が行われている場合の特定役(例えば、スイカ役)当選時の演出と、ミッション遊技が行われていない場合の特定役(例えば、スイカ役)当選時の演出とを異ならせてもよい。また、達成条件を「リプレイ役4回連続当選」、示唆情報を「いわゆるリプ3連を達成した際の演出変化に違和感を生じさせること」として、ミッション遊技が行われている場合にリプ3連を達成した演出と、ミッション遊技が行われていない場合にリプ3連を達成した演出とを異ならせてもよい。さらに、達成条件を「転落抽選に当選することなく、所定ゲーム数消化」、示唆情報を「回転リール62の回転停止動作に違和感を生じさせること」として、ミッション遊技が行われている場合には、回転リール62の回転が停止する瞬間に、上下に図柄61がバウンドするように回転リール62が僅かに正回転及び逆回転を繰り返して停止するバウンドストップを発生させることとしてもよい。
【0151】
また、第1の実施形態では、ATチャンスゾーンを1種類のみ備えることとしたが、これに限らず、ATチャンスゾーンを複数種類備え、これら複数種類の中から一のATチャンスゾーンを選択して一のミッション遊技が行われることとしてもよい。
また、第1の実施形態では、達成条件を「15ゲーム中に10枚の払出」、示唆情報を「メダルの払出時に払出ランプ90に違和感を生じさせること」としたが、達成条件のゲーム数、枚数の異なるATチャンスゾーン(ミッション遊技)を複数設けるが、示唆情報は同じにするようにしてもよい。
【0152】
また、示唆条件が成立した場合、必ず示唆情報を示唆することとしたが、示唆条件が成立した場合、抽選により示唆情報を示唆するようにしてもよいし、達成条件に近づくほど示唆情報を示唆するようにしてもよいし、ATチャンスゾーンの残りゲーム数が少ないほど示唆しやすいようにしてもよい。
また、1種類のATチャンスゾーン(ミッション遊技)をシームレスに接続し、達成するまで、若しくは所定回数、実行するようにしてもよいし、複数種類のATチャンスゾーン(ミッション遊技)を備え、一のATチャンスゾーンを選択して実行するようにするが、異なるATチャンスゾーン(ミッション遊技)をシームレスに接続し、達成するまで、若しくは所定回数、実行するようにしてもよい。
【0153】
さらに、有利度の異なるATチャンスゾーン(ミッション遊技)を備え、達成状況や抽選等により、達成条件が成立しやすいATチャンスゾーン(ミッション遊技)に昇格するようにしてもよい。
【0154】
(第2の実施形態)
以下、本実施の形態の第2の実施形態を第1の実施形態と重複する部分は説明を省略して説明する。
第2の実施形態は、達成条件の異なる複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)を備えている。そして、第2の実施形態では、複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)が並行して実行可能な点で、一のATチャンスゾーン(ミッション遊技)が実行される第1の実施形態と異なっている。
【0155】
第2の実施形態では、複数のATチャンスゾーン(複数のミッション遊技)として、「第1ミッション遊技」と「第2ミッション遊技」とが実行可能とされている。なお、ミッション遊技の数は、上記の2種類に限らず、これより多くてもよい。
【0156】
ここで、第2の実施形態においては、第1ミッション遊技及び第2ミッション遊技(以下、「各ミッション遊技」とする)は、同時に開始される。なお、これに限らず、各ミッション遊技が並行して実行される場合には、「第1ミッション遊技」と「第2ミッション遊技」とで開始契機を異ならせることとしてもよい。
【0157】
第2の実施形態では、第1ミッション遊技の達成条件(以下、「第1達成条件」とする)は、第1の実施形態の達成条件と同様に、「15ゲーム中に10枚のメダルを払い出すこと」とされている。また、第2ミッション遊技の達成条件(以下、「第2達成条件」とする)は、「10ゲーム中にチェリー役に当選すること」とされている。
【0158】
(ATチャンスゾーン遊技制御手段262)
第2の実施形態におけるATチャンスゾーン遊技制御手段262は、第1ミッション遊技に対応した示唆条件(以下、「第1示唆条件」とする)と、第2ミッション遊技に対応した示唆条件(以下、「第2示唆条件」とする)とを記憶している。
【0159】
この第1示唆条件とは、第1の実施形態の示唆条件と同様に、「ATチャンスゾーン中にメダルの払い出しが行われること」とされている。また、第2示唆条件とは、「ATチャンスゾーン中に特定役(例えば、スイカ役)に当選すること」とされている。
【0160】
(送信手段290)
第2の実施形態における送信手段290は、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により第1示唆条件が成立したと判定されると、受信手段510に対して、第1示唆条件が成立したことを示す示唆条件成立情報(以下、「第1示唆条件成立情報」とする)を送信する。
また、送信手段290は、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により第2示唆条件が成立したと判定されると、受信手段510に対して、第2示唆条件が成立したことを示す示唆条件成立情報(以下、「第2示唆条件成立情報」とする)を送信する。
【0161】
(示唆手段522)
第2の実施形態における第1達成条件は、上述のように、「15ゲーム中に10枚のメダルを払い出すこと」であり、第1達成条件に関連する示唆情報(以下、「第1示唆情報」とする)は、第1の実施形態の示唆情報と同様に、「メダルの払出時に払出ランプ90に違和感を生じさせること」としている。なお、示唆手段522が記憶する第1示唆情報は、第1の実施形態の示唆情報と同様であるため、その他の説明については省略する。
【0162】
また、第2の実施形態における第2達成条件は、上述のように、「10ゲーム中にチェリー役に当選すること」であり、第2達成条件に関連する示唆情報(以下、「第2示唆情報」とする)は、「特定役当選時の演出変化に違和感を生じさせること」としている。
【0163】
この第2示唆情報には、特定役(例えば、スイカ役)の当選時に、表示装置84に「キャラクターB」を表示させるための情報が含まれている。第2の実施形態では、第2ミッション遊技が行われていない場合に、特定役(例えば、スイカ役)役に当選すると、報知手段524により、表示装置84に「キャラクターA」が表示されることとなっている。一方、第2ミッション遊技が行われている場合に、特定役(例えば、スイカ役)に当選(第2示唆条件成立)すると、示唆手段522により、表示装置84に「キャラクターB」が表示されることとなっている。すなわち、第2示唆条件の成立時の表示装置84に表示されるキャラクターを変化させることを「特定役(例えば、スイカ役)当選時の演出変化に違和感を生じさせること」としている。これにより、第2達成条件が成立するために、いわゆるレア役が関連することを遊技者に「黙示的」に示しているといえる。これに対し、たとえば、第2示唆情報として、表示装置84に「チェリー役に当選したらミッション達成!」等と表示させた場合には、第2達成条件が成立するために所謂、レア役が関連することを遊技者に「明示的」に示しているといえる。
【0164】
なお、「特定役(例えば、スイカ役)当選時の演出変化に違和感を生じさせること」は、「示唆情報」の定義に該当するものであれば、上記のものには限られない。たとえば、第2示唆条件の成立時の演出用ランプ78の発光色を変化させることを「特定役(例えば、スイカ役)当選時の演出変化に違和感を生じさせること」としてもよい。
【0165】
また、第2の実施形態では、第2示唆条件は、上述のように、「ATチャンスゾーン中に特定役(例えば、スイカ役)に当選すること」とされている。そして、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により第2示唆条件が成立したと判定されると、送信手段290により、受信手段510に対して、第2示唆条件成立情報が送信される。この第2示唆条件成立情報を受信手段510が受信したことに基づいて、示唆手段522は、表示装置84に「キャラクターB」を表示させる。
【0166】
また、第2の実施形態における「ミッション遊技に関連する示唆情報」は、第1の実施形態と同様に「有益情報」である。
このとき、第2達成条件は、「10ゲーム中にチェリー役に当選すること」であり、第2示唆情報は、「特定役(例えば、スイカ役)当選時の演出変化に違和感を生じさせること」である。これら2つの情報には、いわゆる「レア役」という共通のキーワードが含まれているため、遊技者に「レア役に関連するミッション遊技が行われているのではないか?」という予想をさせることができる。したがって、遊技者は、レア役に関連する動作として、たとえば、「取りこぼさないように目押しに集中する」ことができるため、第2示唆情報が示唆されない場合に比して、有利にATチャンスゾーンを進めることができる。
【0167】
(報知手段524)
第2の実施形態における報知手段524は、上述のように、第1示唆条件が成立する前のメダルの払出時においては、払出ランプ90を「赤色」で点灯させ、第2示唆条件が成立する前の特定役(例えば、スイカ役)の当選時においては、表示装置84に「キャラクターA」を表示させている。
【0168】
(第2の実施形態におけるATチャンスゾーンにおける遊技の流れ)
以下、
図12を参照して、第2の実施形態におけるATチャンスゾーンにおける遊技の流れについて説明する。
【0169】
第2の実施形態では、上述のように、通常状態において、ATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われるATチャンスゾーン移行抽選に当選した場合に、「通常状態」から「ATチャンスゾーン」へ移行する。
なお、ATチャンスゾーンの演出は、通常状態と共通(同様)の演出が行われ、遊技者は、通常状態なのかATチャンスゾーンなのかを認識することは困難となっている。
以下、ATチャンスゾーン中に行われた各ミッション遊技について説明する。なお、以下の説明では、各ミッション遊技が開始されるための前提として、演出状態が「通常状態」にある状態から遊技が開始されたものとする。
【0170】
まず、
図12に示すように、演出状態が通常状態にある場合、示唆手段522による示唆情報の示唆が行われないが、報知手段524により実行される演出が、通常状態とATチャンスゾーン(ミッション遊技)とでは、共通(同様)の演出が行われるため、遊技者は、示唆情報が報知されるまで、通常状態であるのかATチャンスゾーン(ミッション遊技)であるのか認識することは困難であるが、ATチャンスゾーン(ミッション遊技)が行われているかもという期待を抱くことは可能である。
【0171】
その後、通常状態において、ATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われるATチャンスゾーン移行抽選に当選して、演出状態が「通常状態」から「ATチャンスゾーン」へと移行され、ミッション遊技が開始される。
【0172】
このとき、第2の実施形態では、演出状態が「通常状態」から「ATチャンスゾーン」へ移行された場合においても、演出装置70では、報知手段524により通常状態と共通(同様)の演出が実行されている。これにより、遊技者は、現在の演出状態が通常状態なのかATチャンスゾーンなのかを認識することは困難であるが、ATチャンスゾーン(ミッション遊技)が行われているかもという期待を抱くことは可能となっている。
【0173】
さらに、ATチャンスゾーンへの移行に伴って、各ミッション遊技が開始されたが、ATチャンスゾーン中にメダルの払い出しが行われるまでは第1示唆条件が成立しないため、示唆手段522による第1示唆情報の示唆が行われない。そのため、遊技者は第1示唆条件が成立するまでは、第1ミッション遊技が行われているのかを認識することは困難であるが、ミッション遊技が行われているかもという期待を抱くことは可能となっている。
【0174】
また、ATチャンスゾーンへの移行に伴って、各ミッション遊技が開始されたが、特定役(例えば、スイカ役)に当選するまでは第2示唆条件が成立しないため、示唆手段522による第2示唆情報の示唆が行われない。そのため、遊技者は第2示唆条件が成立するまでは、第2ミッション遊技が行われているのかを認識することは困難であるが、ミッション遊技が行われているかもという期待を抱くことは可能となっている。
【0175】
その後、ATチャンスゾーン中にメダルの払い出しが行われると、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により第1示唆条件が成立したと判定され、送信手段290により第1示唆条件成立情報が受信手段510に送信される。
【0176】
そして、示唆手段522は、受信手段510が第1示唆条件成立情報を受信したことに基づいて、第1示唆情報を示唆、具体的には、これ以降のATチャンスゾーン中のメダルの払出時において、払出ランプ90を「青色」で点灯する。これにより、これ以降のATチャンスゾーン中のメダルの払出時において、遊技者に、現在の演出状態であるATチャンスゾーンにおいて第1ミッション遊技が行われているかもしれないとの認識を抱かせることができる。
【0177】
また、ATチャンスゾーン中に特定役(例えば、スイカ役)に当選すると、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により第2示唆条件が成立したと判定され、送信手段290により第2示唆条件成立情報が受信手段510に送信される。
【0178】
そして、示唆手段522は、受信手段510が第2示唆条件成立情報を受信したことに基づいて、第2示唆情報を示唆、具体的には、表示装置84に「キャラクターB」を表示させる。これにより、遊技者に現在の演出状態であるATチャンスゾーンにおいて第2ミッション遊技が行われているかもしれないとの認識を抱かせることができる。
【0179】
以上のように、第2の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と異なり、複数の示唆情報を示唆することができる。そのため、第2の実施形態によれば、ATチャンスゾーン中に示唆される示唆情報が1種類のみの構成に比して、ATチャンスゾーンにおいて何らかのミッションが行われているのではないかという遊技者の認識可能性を高めることができる。
【0180】
そして、ATチャンスゾーンの遊技期間を15ゲーム消化すると、ATチャンスゾーンが終了する。このとき、ATチャンスゾーン中に各ミッション遊技に対応して定められた達成条件のうち、少なくともいずれか1つが成立していた場合には、特典付与手段280により特典としてAT状態への移行が確定され、次ゲームからAT状態に移行する。一方、ATチャンスゾーン中に各ミッション遊技に対応して定められた達成条件が1つも成立していない場合には、次ゲームから通常状態に移行する。
【0181】
(第2の実施形態の作用効果)
第2の実施形態によれば、複数のミッション遊技を備えることにより、ミッション遊技が1つの構成と異なり、示唆情報を複数種類備えることができる。そのため、第2の実施形態によれば、複数種類の中から示唆された示唆情報に基づいて、遊技者に何れのミッション遊技が実行されているのかを予想させながら遊技を行わせることができ、ミッション遊技が1つの構成に比べて、遊技者に多様な予想をさせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0182】
また、第2の実施形態によれば、複数のミッション遊技が並行して行われることがあるため、複数の示唆情報が示唆されることとなる。そのため、第2の実施形態によれば、示唆される示唆情報が1種類のみの構成に比して、何らかのミッションが行われているのではないかという遊技者の認識可能性を高めることができ、遊技進行に一喜一憂させ、遊技の興趣を高めることができる。
【0183】
また、第2の実施形態によれば、第1ミッション遊技と第2ミッション遊技との開始契機が同じ場合には、遊技者に複数のミッション遊技のうちいずれか1つの達成条件を成立させることで特典を獲得できるとの期待感を生じさせることができ、遊技者を興奮させ、興趣を増すことができる。また、第2の実施形態によれば、第1ミッション遊技と第2ミッション遊技との開始契機が異なる場合には、たとえば、第1ミッション遊技が達成できなくとも第2ミッション遊技は達成できるかもしれないとの期待感を維持させることができるため、遊技が進んでも、遊技者に対して「達成できないのではないか?」といった喪失感を与えることがない。
【0184】
なお、第2の実施形態では、複数のミッション遊技として、「メダルの払出枚数」又は「レア役の当選」が達成条件となるミッション遊技を行い、それぞれの達成条件の種類を異ならせることとしたがこれには限られない。たとえば、「10ゲーム中に演出用ボタンスイッチ42を3回操作すること」を第1達成条件とする第1ミッション遊技と、「15ゲーム中に演出用ボタンスイッチ42を5回操作すること」を第2達成条件とする第2ミッション遊技とを、「複数のミッション遊技」としてもよい。また、「ミッション遊技中に10枚のメダルを払い出すこと」を第1達成条件とする第1ミッション遊技と、「ミッション遊技中に15枚のメダルを払い出すこと」を第2達成条件とする第2ミッション遊技とを、「複数のミッション遊技」としてもよい。さらに、「ミッション遊技中にチェリー役に2回当選すること」を第1達成条件とする第1ミッション遊技と、「ミッション遊技中にチェリー役に3回当選すること」を第2達成条件とする第2ミッション遊技とを、「複数のミッション遊技」としてもよい。
【0185】
なお、第2の実施形態では、同一の契機で複数のATチャンスゾーンが開始されているが、ATチャンスゾーン(ミッション遊技)中にも、ATチャンスゾーン移行抽選を行い、異なる契機で複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)が開始され、複数のATチャンスゾーンが並行して実行されるようにしてもよい。
【0186】
(第3の実施形態)
以下、本実施の形態の第3の実施形態を第1及び第2の実施形態と重複する部分は説明を省略して説明する。なお、第3の実施形態においては、第2の実施形態と同様に達成条件の異なる複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)を備えている。そして、第3の実施形態におけるATチャンスゾーンでは、第2の実施形態と同様に複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)が並行して実行可能となっている。
【0187】
第3の実施形態は、
図15に示すように、メダルの払い出しを伴う小役の押し順の報知が許容されない「一般区間」と、メダルの払い出しを伴う小役の押し順の報知が許容される「特別区間」とを備えている点で、第1及び第2の実施形態と異なっている。
【0188】
(第3の実施形態に係る遊技機10の外部構造)
(区間報知ランプ93)
第3の実施形態に係る遊技機10においては、
図13に示すように、前扉14のうちクレジット表示器87の右側に、現在の演出状態が「特別区間」であることを報知する区間報知ランプ93が設けられている。
【0189】
この区間報知ランプ93は、演出状態が「一般区間」から「特別区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200により点灯され、演出状態が「特別区間」である間は常時点灯されている。そして、区間報知ランプ93は、演出状態が「特別区間」から「一般区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200により消灯される。
なお、第3の実施形態においては、
図14に示すように、第1及び第2の実施形態の構成に加え、メイン制御手段200の出力側に区間報知ランプ93が接続されている。
【0190】
(
図15を用いた演出状態の説明)
図15に示すように、第3の実施形態における演出状態は、上述のように、「一般区間」と、「特別区間」とがある。
【0191】
(一般区間)
「一般区間」は、後述する「特別区間」を除いた区間であって、メダルの払い出しを伴う小役の押し順の報知が許容されない区間である。「一般区間」としては、「通常状態」がある。なお、「一般区間」の種類や数は、上述したものに限られない。
(通常状態)
「通常状態」は、後述する「特別区間」における「ATチャンスゾーン」及び「AT状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
【0192】
(特別区間)
「特別区間」は、「一般区間」より遊技者に有利な区間であって、メダルの払い出しを伴う小役の押し順の報知が許容される区間である。
【0193】
この「特別区間」においては、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示がされることとなっている。たとえば、最大払出枚数に係る小役が「ベルA」である場合には、特別区間中において、少なくとも1回「ベルA」の押し順が報知されることとなっている。
「特別区間」としては、「ATチャンスゾーン」と、「AT状態」とがある。なお、「特別区間」の種類や数は、上述したものに限られない。
【0194】
(ATチャンスゾーン)
「ATチャンスゾーン」は、複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)のうち、実行されている少なくともいずれか1つの達成条件が成立した場合に、特典としてAT状態への移行が確定されるように設定された状態である。なお、ATチャンスゾーンの演出は、一般区間(通常状態)と共通(同様)の演出が行われる。第3の実施形態では、一般区間である通常状態から、特別区間であるATチャンスゾーンに移行したことを契機に区間報知ランプ93が点灯されるが、通常状態と共通(同様)の演出が行われることにより、遊技者はミッション遊技が行われているのかを認識することは困難となっている。
【0195】
「一般区間」から「特別区間」、具体的には、「通常状態」から「ATチャンスゾーン」には、通常状態において、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づきATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われるATチャンスゾーン移行抽選に当選したことに基づいて移行する。このATチャンスゾーン移行抽選に当選した場合には、ATチャンスゾーン移行抽選手段271により、移行先のATチャンスゾーンを決定する移行先決定抽選が行われ、当該移行するATチャンスゾーンが決定される。
なお、ATチャンスゾーン移行抽選手段271で行われるATチャンスゾーン移行抽選は、言い換えれば、一般区間において特別区間へ移行するか否かを決定する抽選である。
【0196】
なお、移行先のATチャンスゾーンを決定することについては、2段階抽選に限定されず、ATチャンスゾーン移行抽選(特別区間移行抽選)の契機となる役それぞれに予め特定の割合で移行先を予め決めておいてもよい。
【0197】
また、第3の実施形態におけるATチャンスゾーンでは、ATチャンスゾーン中の各遊技で、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、実行中のミッション遊技とは異なる他のミッション遊技を開始するためのミッション開始抽選が行われる。そのため、このATチャンスゾーン遊技制御手段262により行われるミッション開始抽選に当選した場合には、複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)が並行して実行されることとなる。これにより、第3の実施形態では各ミッション遊技の開始契機が異なることとされている。なお、これに限らず、第3の実施形態では、各ミッション遊技の開始契機が同一となるパターンを備えてもよい。
【0198】
また、第3の実施形態におけるATチャンスゾーンでは、ミッション遊技が行われることとしているが、これには限られない。たとえば、ATチャンスゾーンでは、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示をするのみでミッション遊技を行わないこととし、いわゆるガセ的な「特別区間」としてもよい。この場合には、ATチャンスゾーンの他に、一般区間(通常状態)から移行可能な演出状態を特別区間に設けた上で、ATチャンスゾーンに代えて、「ART通常状態」又は「上乗せチャンスゾーン」においてミッション遊技を行うこととしてもよい。
【0199】
(AT状態)
「AT状態」は、「ATチャンスゾーン」より遊技者に有利な状態である。当該「AT状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役や再遊技役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0200】
「特別区間」から「一般区間」、具体的には、「ATチャンスゾーン」から「通常状態」には、ATチャンスゾーンにおいて、各ミッション遊技に対応する達成条件が1つも成立せずに、ATチャンスゾーンの遊技期間を消化した後に移行する。また、「特別区間」から「一般区間」、具体的には、「AT状態」から「通常状態」には、AT状態においてAT状態の遊技期間を消化した後に移行する。ただし、「ATチャンスゾーン」から「通常状態」、「AT状態」から「通常状態」への移行条件が成立するための前提として、当該特別区間において、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示がされていることが条件となる。
【0201】
さらに、「特別区間」から「一般区間」には、上述の「ATチャンスゾーン」から「通常状態」、「AT状態」から「通常状態」への移行条件の成立、又は、特別区間の遊技期間を「1500ゲーム」消化した場合に移行する。
【0202】
(第3の実施形態の作用効果)
第3の実施形態では、複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)が並行して実行された場合、遊技者は区間報知ランプ93の点灯によりミッション遊技の開始を認識できたとしても、複数のミッション遊技の中から何れのミッション遊技が開始されたのかを認識することができない。そのため、第3の実施形態によれば、複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)が並行して実行された場合、示唆手段522により示唆される示唆情報に基づいて、遊技者に実行されているミッション遊技の種類を予想させながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0203】
なお、第3の実施形態では、複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)が並行して実行されるが、これに限定されず、一のATチャンスゾーン(ミッション遊技)のみ実行されるようにしてもよい。
また、複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)を並行して実行するのではなく、一のATチャンスゾーンを選択して実行するようにするが、異なるATチャンスゾーン(ミッション遊技)をシームレスに接続し、達成するまで、若しくは所定回数、実行するようにしてもよいし、並行、シームレスを組み合わせてもよい。
【0204】
(第4の実施形態)
以下、本実施の形態の第4の実施形態を第1、第2及び第3の実施形態と重複する部分は説明を省略して説明する。
第4の実施形態は、
図16に示すように、メダルの払い出しを伴う小役の押し順の報知が許容されない「一般区間」と、メダルの払い出しを伴う小役の押し順の報知が許容される「特別区間」とを備えている点で、第3の実施形態と共通する。ただし、第4の実施形態では、第3の実施形態において「一般区間」である通常状態が「特別区間」に設けられている点で、第3の実施形態と異なっている。
【0205】
(
図16を用いた演出状態の説明)
図16に示すように、第4の実施形態における演出状態は、上述のように、「一般区間」と、「特別区間」とがある。
(一般区間)
第4の実施形態における「一般区間」としては、「一般状態」がある。
(一般状態)
「一般状態」は、後述する「特別区間」における「通常状態」、「ATチャンスゾーン」及び「AT状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
【0206】
(特別区間)
第4の実施形態における「特別区間」としては、「通常状態」と、「ATチャンスゾーン」と、「AT状態」とがある。
【0207】
(通常状態)
「通常状態」は、「ATチャンスゾーン」及び「AT状態」等の特殊な状態を除いた状態である。また、第4の実施形態における通常状態の遊技期間は、「20ゲーム」に設定されている。なお、通常状態の遊技期間は、「20ゲーム」に限らず、これより多くても少なくてもよい。
「一般区間」から「特別区間」、具体的には、「一般状態」から「通常状態」には、一般状態において、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づき移行抽選手段270により行われる特別区間移行抽選に当選した場合に移行する。
【0208】
(ATチャンスゾーン)
「ATチャンスゾーン」は、「通常状態」よりも「AT状態」に移行しやすいように設定された状態である。
「ATチャンスゾーン」では、複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)のうち、実行されている少なくともいずれか1つの達成条件が成立した場合に、特典としてAT状態への移行が確定され、「AT状態」に移行する。
【0209】
一方、当該ミッション遊技に対応する達成条件が成立しなかった場合は、ATチャンスゾーンの遊技期間を消化した後、「通常状態」に戻る。なお、ATチャンスゾーンにおいて、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示をしたことを契機に「一般状態」に戻ることとしてもよい。
【0210】
なお、ATチャンスゾーンの演出は、少なくとも特別区間の通常状態と共通(同様)の演出が行われることにより、遊技者はATチャンスゾーン(ミッション遊技)が行われているのかを認識することは困難となっている。さらに、ATチャンスゾーンの演出を、特別区間の通常状態、一般区間の一般状態と共通(同様)にしてもよい。
【0211】
(AT状態)
「AT状態」は、「通常状態」及び「ATチャンスゾーン」より遊技者に有利な状態である。
「通常状態」から「AT状態」へは、通常状態において、AT移行抽選手段272により行われるAT抽選に当選した場合に移行する。
【0212】
「ATチャンスゾーン」から「AT状態」へは、ATチャンスゾーン中に、複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)のうち、実行されている少なくともいずれか1つの達成条件が成立した場合に移行する。
「AT状態」は、第4の実施形態では、50ゲームの遊技が可能に設定されており、50ゲームを消化した後に、ART中のAT遊技を終了し、かつ、AT役こぼし目(転落リプレイ)を表示した場合に「通常状態」へ戻る。なお、AT状態において、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示をしたことを契機に「一般状態」に戻ることとしてもよい。
【0213】
ここで、第4の実施形態では、「特別区間」から「一般区間」、具体的には、「通常状態」から「一般状態」には、通常状態において、ATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われるATチャンスゾーン移行抽選に当選せずに、通常状態の遊技期間を消化した後に移行する。
また、「特別区間」から「一般区間」には、上述の「通常状態」から「一般状態」への移行条件の成立、又は、特別区間の遊技期間を「1500ゲーム」消化した場合に移行する。
【0214】
なお、第4の実施形態では、「一般区間」から「特別区間」へは、「一般状態」から「通常状態」に移行することにより移行することとしたが、これには限られない。たとえば、一般状態において、上述した特別区間移行抽選に加え(一般状態→通常状態)、ATチャンスゾーン移行抽選手段271によるATチャンスゾーン移行抽選を行い、当該ATチャンスゾーン移行抽選に当選した場合に「一般区間」から「特別区間」、具体的には、「一般状態」から「ATチャンスゾーン」に移行することとしてもよい。この場合には、通常状態において、ATチャンスゾーン移行抽選及びAT抽選を行ってもよいし、ATチャンスゾーン移行抽選及びAT抽選を行わないこととしてもよい。すなわち、この場合における通常状態を遊技者に有利となり得ない、いわゆるガセ的な「特別区間」としてもよい。
【0215】
(第4の実施形態の作用効果)
第4の実施形態によれば、第3の実施形態と同様に、複数のATチャンスゾーン(ミッション遊技)が並行して実行された場合、示唆手段522により示唆される示唆情報に基づいて、遊技者に実行されているミッション遊技の種類を予想させながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、各実施の形態を適宜組合せて構成してもよい。