(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カートリッジポート(11〜14)が収容部ポート(45〜48)とシールされた液体連通状態になるように、前記カートリッジポート(11〜14)の少なくとも1つを含む前記接続ヘッド(9)の少なくとも一部を収容するための少なくとも1つの空洞を含む収容部(6)と、
前記第1のポート(62〜65)とそれぞれの前記収容部ポート(45〜48)との間の液体の流れを遮断するための、前記液体処理カートリッジ(2)によって動作可能な少なくとも1つの弁機構と
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
前記可動操作部(90、106)が、(i)前記第1のポート(62〜65)および(ii)前記第2のポート(99、111)の少なくとも一方を通して誘導される液体が前記可動操作部(90、106)の中央部分を通して導かれるように構成されている、
請求項10に記載の装置。
前記少なくとも1つの可動調整部(91、107)が、前記第1のポート(62〜65)にシールされて配置される表面(97)を有し、かつその中にアパーチャ(98)を有する調整部(91、107)を含み、前記アパーチャ(98)が、前記第1のポート(62〜65)と重なる度合いが様々な位置および前記第1のポート(62〜65)のいずれとも重ならない少なくとも1つの位置に移動可能である、
請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
前記調整部(91、107)が、前記可動操作部(90、106)と共に移動するように結合されるか、前記可動操作部(90、106)に含まれるかのいずれかである、請求項12または13および請求項9から11のいずれか一項に記載の装置。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、カートリッジを取り外す必要なく、下流の機器または器具の保守を可能にする、最初の段落で上述した種類の装置および機器を提供することである。
【0006】
この目的は、第1の態様に従って、本発明による装置であって、比設定弁が、接続ヘッドが挿入されて、そのカートリッジポートが第1のポートと液体連通しているかどうかに関係なく、閉鎖配置に配置可能であることを特徴する装置によって達成される。
【0007】
比設定弁は、本明細書では混合弁とも呼ばれる。比設定弁が、接続ヘッドが挿入されて、そのカートリッジポートが第1のポートと液体連通しているかどうかに関係なく、閉鎖配置に配置可能であるため、また、少なくとも1つの可動調整部が、第1の流れおよび第2の流れの両方が閉鎖配置で遮断されるように配置されるため、装置およびカートリッジのアセンブリによって下流のアセンブリまたは器具に供給される液体の流れを遮断するためにカートリッジを操作する必要はない。比設定弁がこの機能を果たすため、別個の弁を設ける必要がない。これは、液体処理による圧力降下を比較的低く保つのに役立つ。さらに、それぞれの交換可能な液体処理カートリッジを挿入した場合に液体処理機器を形成するいくつかの装置を1つのマルチヘッド装置に統合して、アセンブリ間の液体の流れを遮断することが可能である。
【0008】
装置は、カートリッジの内部と液体連通する少なくとも3つのカートリッジポート(このうちの少なくとも2つは接続ヘッドに設けられる)を備えた液体処理カートリッジと共に使用するのに適している。
【0009】
このようなカートリッジの1つは、少なくとも1つの特定の液体処理部を含む。それは、特定の液体処理部に、液体の処理される第1の部分を誘導し、特定の液体処理部をバイパスする流路に沿って第2の部分を誘導するように構成される。比設定弁は、例えば、カートリッジの上流に配置されてもよい。それが液体処理カートリッジの上流に配置される場合、第1のポートは、カートリッジ入口ポートと液体連通する。第1のカートリッジ入口ポートを通ってカートリッジに入る液体は、特定の液体処理部を通過する。第2のカートリッジ入口ポートを通ってカートリッジに入る液体は、特定の液体処理部をバイパスする。2つの流れは、例えば、少なくとも1つのカートリッジ出口ポートを通して混合物を供給するためにカートリッジ内で組み合わされてもよい。特定の液体処理部に誘導される液体と、特定の液体処理部をバイパスする液体との比は、比設定弁によって設定することができる。
【0010】
別のそのようなカートリッジは、膜モジュールを含む。それは、入口として機能する少なくとも1つのカートリッジポートと、出口として機能する少なくとも2つのカートリッジポートとを有する。一方の出口は、濾過液を供給する。他方の出口は、保持液(retentate)を供給する。例としては、精密濾過、ナノ濾過、または逆浸透用のカートリッジが挙げられる。特に、カートリッジが逆浸透カートリッジである場合、飲用目的のために純粋な濾過液を提供するのではなく、目的の用途に応じて総溶解固形分(TDS:total dissolved solids)の濃度を調整することが望ましい場合がある。比設定弁が液体処理カートリッジの下流に配置される場合、第1のポートは、出口として機能するカートリッジポートと液体連通する。一定量の保持液を濾過液に混合することができる。少なくとも1つの可動調整部の位置によって決定される比で比設定弁により混合が行われる。
【0011】
閉鎖配置では、液体は、カートリッジに到達することができないか、または、カートリッジからの処理された液体は、比設定弁を越えて流れることができない。これは、接続ヘッドのカートリッジポートが依然として第1のポートとシールされた液体連通状態にある場合にも当てはまる。したがって、装置および交換可能な液体処理カートリッジを備える液体処理機器を再び動作状態にするには、比設定弁の配置を変更すれば十分である。この装置は、接続ヘッドが挿入されて、そのカートリッジポートが第1のポートと液体連通するカートリッジの存在下で、弁を閉鎖配置の内外に移動させるための、カートリッジとは独立した装置を含む。
【0012】
装置の実施形態は、
カートリッジポートが収容部ポートとシールされた液体連通状態になるように、カートリッジポートの少なくとも1つを含む接続ヘッドの少なくとも一部を収容するための少なくとも1つの空洞を含む収容部と、
第1のポートとそれぞれの収容部ポートとの間の液体の流れを遮断するための、液体処理カートリッジによって動作可能な少なくとも1つの弁機構と
をさらに含む。
【0013】
この実施形態は、接続ヘッドが正しく挿入されていないか、まったく挿入されていないときに液体が装置から漏れるのを防止する。弁機構が、接続ヘッドの抜去を可能にするために液体の流れがカートリッジの移動によって遮断されるように液体処理カートリッジによって動作可能であるため、カートリッジを取り外す前に比設定弁を閉鎖配置にするために作業者を頼る必要がない。カートリッジポートは、接続ヘッドを形成する突出部に設けられてもよく、各突出部は、それぞれの空洞に収容される。代替的には、カートリッジポートが設けられ、単一の空洞に収容される1つの凹状の接続ヘッドがあってもよく、その場合、接続ヘッドの各カートリッジポートは、それぞれの収容部ポートとシールされた液体連通状態にされる。シールは、カートリッジポートを通る液体の流れを互いに分離し、空洞の口を通る漏れを防止する。
【0014】
変形例では、少なくとも1つの弁機構が、比設定弁に追加される。
【0015】
これにより、カートリッジを取り外すことによって、または比設定弁を閉鎖配置にすることによって、カートリッジへのまたはからの液体の流れを遮断することが可能である。後者の選択肢は、カートリッジが、装置と係合するその動作位置にある場合にも利用可能である。接続ヘッドの取り外しまたは挿入が比設定弁を動作させる変形例と比較して、この実施形態では、比設定弁の複雑度を低くすることができる。例えば、液体処理カートリッジの存在の機械的検知を可能にするために、電気機械アクチュエータおよびセンサを設ける必要もないし、収容部の近くに比設定弁を設ける必要もない。
【0016】
装置が、カートリッジポートが収容部ポートとシールされた液体連通状態になるように、カートリッジポートの少なくとも1つを含む接続ヘッドの少なくとも一部を収容するための少なくとも1つの空洞を含む収容部と、第1のポートとそれぞれの収容部ポートとの間の液体の流れを遮断するための、液体処理カートリッジによって動作可能な少なくとも1つの弁機構とをさらに含む実施形態では、装置は、接続ヘッドが装置、例えば収容部の空洞に挿入されたときに液体処理カートリッジと係合する部分、例えば収容部を含み、液体処理カートリッジが、接続ヘッドが挿入されている間に装置の主要部に対して第1の位置と第2の位置との間で係合部と共に移動可能であり、主要部に対する係合部の位置が、弁機構の状態を決定し、第1のポートが、第1の位置および第2の位置のうちの第2の位置でのみ収容部ポートと液体連通する。
【0017】
これにより、弁機構は、液体処理カートリッジによって機械的に動作される。液体処理カートリッジの検出に応答して弁機構を動作させるためにセンサおよび電気機械アクチュエータを有するシステムを用意する必要はない。収容部が係合部分である場合、係合部によって係合され得る別個の機構をカートリッジまたは接続ヘッドに設ける必要はない。これにより、カートリッジポート用のスペースが広くなる。
【0018】
この実施形態の変形例では、収容部は、収容部ポートと少なくとも液体連通する、収容部の少なくとも2つ(例えば、すべて)の弁機構ポートが、第2の位置では、第1のポートと少なくとも液体連通する、主要部のそれぞれの弁機構ポートに位置合わせされ、第2の位置で位置合わせされる収容部および主要部の少なくとも一方の弁機構ポートが、第1の位置では、収容部および主要部の他方のそれぞれの壁部分によって遮断されるように、弁機構の可動弁部材として機能するよう構成される。
【0019】
収容部ポートと少なくとも液体連通する、収容部のポートは、先に述べた収容部分ポートに対応してもよいし、収容部の通路または他の導管を介してそれらと液体連絡してもよい。一実施形態では、それらが対応し、空洞を画定する収容部のそれぞれの側壁部分に設けられる。その結果、収容部は比較的コンパクトにすることができる。同様に、第1のポートと少なくとも液体連通する、主要部のポートは、第1のポートに対応してもよいし、主要部の通路または他の導管を介してそれらと液体連通してもよい。この実施形態の弁機構は、スライディングゲート弁(sliding gate valve)のように機能する。それは、可動弁部材がシートに収容された弁に比べて比較的コンパクトである。さらに、それは、移動の軌跡に沿って移動するように軸支され、移動平面を定める収容部に適している。なぜなら、移動平面は、第1の位置でポートを遮断する壁部分と本質的に平行であり得るからである。これにより、比較的複雑な移動の軌跡が可能になる。また、弁機構ポートを、並べて配置することができる。第2の位置に近いが、これに完全には対応しない位置では、弁機構ポートの周りのシールが、液体の減少した移動はあるものの空洞への漏れがないことを保証することができる。
【0020】
装置が、
カートリッジポートが収容部ポートとシールされた液体連通状態になるように、カートリッジポートの少なくとも1つを含む接続ヘッドの少なくとも一部を収容するための少なくとも1つの空洞を含む収容部と、
第1のポートとそれぞれの収容部ポートとの間の液体の流れを遮断するための、液体処理カートリッジによって動作可能な少なくとも1つの弁機構と
をさらに含む実施形態では、
装置が、液体用の少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含み、
第2のポートが、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口の一方と液体連通するように配置可能であり、
弁機構が、第1のポートとそれぞれの収容部ポートとの間の液体の流れが遮断されたときに少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口の他方と液体連通するように第1のポートを配置するよう構成される。
【0021】
これにより、液体処理カートリッジがない場合でも、液体を装置に流すことが可能となる。これは、異なる種類のカートリッジで異なる種類の処理を行うためにいくつかの装置が直列に配置されるマルチヘッド機器において特に有用である。要求が変わった場合、特定の種類の処理を行うためにカートリッジを収容する装置を外す必要なく、この種類の処理を省略することができる。
【0022】
上記の2つの実施形態を組み合わせた実施形態では、少なくとも1つの通路が収容部に形成され、通路は、少なくとも第1の位置では、第2の位置で収容部のそれぞれの弁機構ポートと位置合わせされる、主要部の弁機構ポートの少なくとも1つを、第2の位置で収容部のそれぞれの弁機構ポートと位置合わせされる、主要部の弁機構ポートの少なくとも1つの他の弁機構ポートとシールされた液体連通状態に配置するように構成される。
【0023】
これは、比較的コンパクトであり、実施形態を実施するのが簡単である。通路は、液体処理カートリッジの接続ヘッドが収容される空洞をバイパスして収容部を通過する。
【0024】
装置の実施形態は、カートリッジポートが収容部ポートとシールされた液体連通状態になるように、カートリッジポートの少なくとも1つを含む接続ヘッドの少なくとも一部を収容するための少なくとも1つの空洞を含む収容部を含み、その場合、収容部は、接続ヘッドが挿入されている間に主要部に対して第1の位置と第2の位置との間で移動するように軸支され、第1の位置と第2の位置との間の移動の軌跡は、この軌跡によって定められる単一の平面内にある。
【0025】
軌跡が平面を定める場合、それは、直線とは異なり、円またはより複雑な形状であり得る。移動が直線である装置と比較して、主要部、特に、収容部が移動するように軸支されるハウジングをよりコンパクトにすることができる。この種類の液体処理機器では、液体処理カートリッジは、一般に、液体処理カートリッジの動作位置で装置から吊り下げられる。直線移動は、液体処理カートリッジの挿入および抜去を可能にするために地面からの余分な間隙を必要とすることから望ましくない。さらに、直線移動によってカートリッジを収容する装置にカートリッジが接続される大抵の種類の液体処理機器は、バヨネット式またはねじ式のロックを使用して、液体処理カートリッジを所定の位置に保持する。両方とも、移動線の周り(一般にはカートリッジの長手方向軸線の周り)の回転を必要とする。これは、比較的大きな力を必要とする。収容部が、接続ヘッドが挿入されている間に装置の主要部に対して第1の位置と第2の位置との間で移動するように軸支され、第1の位置と第2の位置との間の移動の軌跡が、この軌跡によって定められる単一の平面内にある場合、それをレバーとして機能させることができる、液体処理カートリッジの揺動型の運動が可能である。
【0026】
この実施形態の変形例では、第1の位置と第2の位置との間での収容部の移動は、収容部の内部回転と変位との組み合わせである。
【0027】
接続ヘッドが挿入された状態での内部回転は、平面に垂直な回転軸線の周りの液体処理カートリッジの揺動運動に対応する。これにより、カートリッジをレバーとして機能させることができる。回転が収容部の変位と組み合わされるため、大きな回転角度に頼らなくても、装置から遠くのカートリッジの端部を、例えば、装置が取り付けられた壁から遠くに、より大きな距離にわたって移動させることができる。収容部が弁機構に含まれる場合、比較的大きな弁機構ポートを使用することが可能であり、収容部のものが第1の位置で主要部のものと重ならないことを保証することも可能である。
【0028】
装置の実施形態は、カートリッジポートが収容部ポートとシールされた液体連通状態になるように、カートリッジポートの少なくとも1つを含む接続ヘッドの少なくとも一部を収容するための少なくとも1つの空洞を含む収容部を含み、その場合、収容部は、接続ヘッドが挿入されている間に装置の主要部に対して第1の位置と第2の位置との間で移動するように軸支され、装置(例えば、主要部)は、第1の位置および第2の位置のうちの第1の位置でのみ接続ヘッドが挿入可能および抜去可能となるように液体処理カートリッジを装置に保持するための保持部を含む。
【0029】
これにより、接続ヘッドが挿入された状態での第1の位置から第2の位置への収容部の移動は、カートリッジを装置にロックする。第2の位置から第1の位置への移動は、それをロック解除する。主要部が保持部を含み、カートリッジがカートリッジの動作位置で装置から吊り下げられる場合、移動するように収容部を軸支する部分は、液体処理カートリッジの全重量を支持しないので、それほど堅牢である必要はない。
【0030】
装置の一実施形態では、装置が、液体用の少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口と、少なくとも2つの比設定弁とを備え、第1の比設定弁の第2のポートが、少なくとも1つの入口と液体連通するように少なくとも配置可能であり、第2の比設定弁の第2のポートが、少なくとも1つの出口と液体連通するように少なくとも配置可能である。
【0031】
したがって、第1の比設定弁は、入口と液体連通してもよいし、1つ以上の弁を介して入口と液体連通してもよく、したがって、弁を適切に設定することによって入口と液体連通するように配置可能であってもよい。この実施形態では、入口が出口となるように流れの方向を逆にすることが可能であり、逆もまた同様である。これは、装置を壁に取り付ける場合に有用である。なぜなら、装置は、壁に沿った特定の流れ方向に限定されないからである。例えば、下流の比設定弁を、単に1:1の比に設定して、同一組成の2つの流れを1つに組み合わせることができる。
【0032】
装置の実施形態は、複数の、例えば少なくとも3つまたは少なくとも4つの収容部ポートを備える空洞を含む収容部であって、複数の収容部ポートが、空洞への接続ヘッドの挿入時にそれぞれのカートリッジポートとシールされた液体連通状態になるように配置可能である収容部を含む。
【0033】
3つのポートがある場合、内部バイパスを有し、接続ヘッドに(すなわち、液体処理カートリッジの一端に)すべてのポートを有する液体処理カートリッジを使用することが可能である。代替的には、カートリッジの一端にすべてのポート(1つの入口ポート、濾過液用の出口ポート、および保持液用の出口ポート)を有する、濾過液および残留物を生成するクロスフローモードで動作される膜モジュールを含むカートリッジを使用することが可能である。4つのポートがある場合、内部バイパス、またはクロスフローモードで動作される膜モジュールを有する液体処理カートリッジを実施するために3つだけが必要とされる場合であっても、バランスのとれた数の入口および出口を有する高スループットのカートリッジを使用することが可能である。さらに、4つのポートを有する実施形態は、状況に応じて流れの方向を選択することができる上述の実施形態と効果的に組み合わせることができる。
【0034】
装置の実施形態は、比設定弁を閉鎖配置の内外に少なくとも配置するための可動操作部を含む。
【0035】
操作部は、使用者による操作のためのものであり、したがって、外部から到達可能である。それは、ツール用のソケット(例えば、アレンキー用のソケットなど)を備えてもよい。この実施形態は、流量比の設定または閉鎖配置の内外への比設定弁の配置を行うために、電動アクチュエータおよび制御パネルまたは制御ボタンを別個に必要としない。
【0036】
この実施形態の変形例では、可動操作部は、作業者によって把持可能である。
【0037】
これにより、ツールが不要になる。可動操作部は手で操作することができる。
【0038】
比設定弁を閉鎖配置の内外に少なくとも配置するための可動操作部を含む実施形態では、可動操作部は、装置に対して固定された軸線の周りを回転するように軸支される。
【0039】
これにより、装置を比較的コンパクトにすることができ、さらに、操作部を比較的広い範囲にわたって移動させることができる。その結果、可動調整部または複数の可動調整部を、歯車式伝達機構を必要とせずに比較的広い範囲にわたって移動させることができる。
【0040】
この実施形態の変形例では、可動操作部が、(i)第1のポートおよび(ii)第2のポートの少なくとも一方を通して誘導される液体が可動操作部の中央部分を通して導かれるように構成される。
【0041】
この実施形態では、弁は、比較的コンパクトである。調整部または複数の調整部は、可動操作部の回転運動に連動された回転運動を行うことができ、その場合、第1のポートと第2のポートとの間の流れの方向は本質的に回転平面を通る。弁ハウジング内の弁室を形成する空きスペースを比較的小さくすることができる。可動操作部は、弁ハウジングの一部を形成してもよい。
【0042】
この実施形態の変形例では、第2のポートが、可動操作部に形成される。
【0043】
単一の第2のポートを有すれば十分であり、これに対しては、少なくとも2つの第1のポートが必要である。単一の第2のポートは、可動操作部の回転軸線に中心を合わせてもよい。後者は、本質的に環状であってもよい。比較的大きい(例えば、円形の)第2のポートと、比較的小さな可動操作部とを組み合わせることが可能である。
【0044】
一実施形態では、少なくとも1つの可動調整部が、第1のポートにシールされて配置される表面を有し、かつその中にアパーチャを有する調整部を含み、アパーチャが、第1のポートと重なる度合いが様々な位置および第1のポートのいずれとも重ならない少なくとも1つの位置に移動可能である。
【0045】
これは、比設定弁を実施する比較的簡単でコンパクトな方法である。ポートは、丸くてもよい(例えば、本質的に円形である)が、それでも比は、アパーチャに適切な形状を与えることによって少なくとも可動調整部の位置と共に直線的に変更される。
【0046】
この実施形態の変形例では、調整部は、回転可能であり、位置は、回転位置に対応する。
【0047】
これは、弁を比較的コンパクトに保つのにも役立つ。第1のポートは、可動調整部を大きな距離にわたって変位させる必要なしに完全に覆うこともできるし、覆わなくすることもできる。
【0048】
比設定弁を閉鎖配置の内外に少なくとも配置するための可動操作部を含む装置の実施形態では、少なくとも1つの可動調整部が、第1のポートにシールされて配置される表面を有し、かつその中にアパーチャを有する調整部を含み、アパーチャが、第1のポートと重なる度合いが様々な位置および第1のポートのいずれとも重ならない少なくとも1つの位置に移動可能であり、調整部が、可動操作部と共に移動するように結合されるか、可動操作部に含まれるかのいずれかである。
【0049】
これにより、複雑なリンケージが不要になる。調整部が、可動操作部と一体ではなく可動操作部と共に移動するように結合される場合、可動操作部の製造はより容易である。それは、複雑な形状を有する通路または通路アパーチャを備える必要がない。
【0050】
装置の一実施形態では、第1のポートは、装置のハウジング部のアパーチャに挿入される遮蔽部に設けられる。
【0051】
これにより、製造業者は、同じハウジング部を使用してモジュール式の装置を実施することができる。比設定弁が不要な場合は、ポート数を減らすことができる。このためには、異なる遮蔽部のみが必要である。
【0052】
装置の実施形態は、
液体処理機器の不具合(例えば、漏れ)を検出するための少なくとも1つの装置、および
不具合の検出時に比設定弁を閉鎖配置にするためのアクチュエータ
をさらに含む。
【0053】
アクチュエータは、電気モータ(例えば、リニアモータまたはステッパモータ)であってもよい。一実施形態では、電気モータは、処理された液体および処理されていない液体の少なくとも一方の特性を測定するための少なくとも1つの測定信号に応じて体積流量比を設定するシステムの一部である。
【0054】
別の態様によれば、本発明による液体処理機器は、本発明による少なくとも1つの装置を含むヘッド部と、少なくとも1つの交換可能な液体処理カートリッジとを含む。
【0055】
ヘッド部は、複数のカートリッジで液体処理を連続的または並列的に行うために複数の装置を含んでもよい。
【0056】
液体処理機器の実施形態では、液体処理カートリッジの内部と液体連通する少なくとも3つの、例えば少なくとも4つのカートリッジポートが、接続ヘッドに設けられる。
【0057】
少なくとも3つのカートリッジポートの場合、液体処理カートリッジは、特定の液体処理部を通る内部バイパスを有し、さらには、接続ヘッドに(すなわち、液体処理カートリッジの一端に)すべてのカートリッジポートを有するカートリッジであってもよい。代替的には、それは、クロスフロー膜モジュールを備え、接続ヘッドにすべてのカートリッジポートを有してもよい。したがって、カートリッジの他端でカートリッジポートと液体連通するさらなる装置を配置する必要はない。少なくとも4つのカートリッジポートの場合、カートリッジは、バランスのとれた数の入口および出口カートリッジポートを有する高スループットカートリッジであってもよい。これらは、それらの1つが液体処理カートリッジを通る流れの流量を制限することなく、同じサイズおよび形状にされてもよい。
【0058】
液体処理機器の一実施形態では、液体処理カートリッジは、接続ヘッドの挿入方向と本質的に位置合わせされるカートリッジ軸線を有し、接続ヘッドに設けられる少なくとも1つ(例えば、すべて)のカートリッジポートは、カートリッジ軸線に対してある角度(例えば、45°より大きい角度)をなす方向を向いたそれぞれの表面部分に設けられる。
【0059】
したがって、液体処理カートリッジの長手方向端部に、長手方向を向いた同心ポートを配置する必要はない。むしろ、カートリッジポートは、接続ヘッドの側面部分に配置される。これはまた、カートリッジポートと装置のポートとの間の液体連通がシールされることを確実にするのを容易にする。
【0060】
機器の一実施形態では、液体処理カートリッジは、接続ヘッドの挿入方向と本質的に位置合わせされる中心軸線を有し、液体処理カートリッジは、装置のそれぞれの支持面によって支持される少なくとも1つの横方向突出部を含む。
【0061】
これにより、液体処理カートリッジを、液体処理カートリッジの動作位置でヘッド部から吊り下げることができる。液体処理カートリッジの下には支持面は必要ない。これは、例えば、ヘッド部が、異なる長さの液体処理カートリッジと共に使用するのに適している場合に望ましくあり得る。また、それは、ヘッド部が固定されている(例えば、壁に固定されている)場合であっても、液体処理カートリッジの容易な交換を可能にする。
【0062】
この実施形態の変形例では、支持面に接触するように配置された少なくとも1つの横方向突出部の少なくとも一部分は丸くされる。
【0063】
この実施形態では、カートリッジは、ヘッド部の装置の主要部、および接続ヘッドが挿入されている間に主要部に対して移動するように軸支された収容部に挿入されるように構成された接続ヘッドによって支持され得る。主要部は、この移動の間、この配置が大きな移動の抵抗量を生じさせないようにカートリッジを支持する。
【0064】
液体処理機器の一実施形態では、液体処理カートリッジは、
液体処理カートリッジの内部と液体連通する少なくとも3つのカートリッジポート(このうちの少なくとも2つは接続ヘッドに設けられる)を備え、
少なくとも1つの特定の液体処理部を含み、
2つのカートリッジポートのうちの第1のカートリッジポートを介して誘導される液体を特定の液体処理部に誘導し、2つのカートリッジポートのうちの第2のカートリッジポートを介して誘導される液体を、特定の液体処理部の少なくとも一部をバイパスする、液体処理カートリッジを通る流路に沿って誘導するように構成される。
【0065】
したがって、これは、別々にまたは異なる程度に処理された液体の混合物を提供するのに適した、内部バイパスを有する液体処理カートリッジであり、その場合、混合物の成分の比は、比設定弁の設定によって決定される。
【0066】
特定の変形例では、少なくとも1つの特定の液体処理部は、イオン交換によって水性液体を処理するための液体処理媒体(例えば、少なくとも1種類の陽イオン交換樹脂(例えば、少なくとも水素形態の陽イオン交換樹脂))を含む。
【0067】
これにより、機器は、イオン交換によって別々にまたは異なる程度に成分が処理された液体(例えば、水性液体)の混合物を提供することができる。混合物の、例えば硬度誘発ミネラル(hardness−inducing mineral)の濃度、酸度、またはアルカリ度を、比設定弁の設定によって決定される値に設定することができる。
【0068】
本発明は、添付の図面を参照してさらに詳細に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下では、飲料水などの水性液体を処理するための液体処理機器(
図1)について説明する。液体処理機器は、ヘッド部1および交換可能な液体処理カートリッジ2を含む。この実施形態のヘッド部1は、単一の液体処理カートリッジ2を収容するためのものである。別の実施形態では、それは、多数の液体処理カートリッジを収容するためのマルチヘッド装置であってもよい。ヘッド部1は、ハウジングを形成するために互いに接合される左ハウジング部3および右ハウジング部4を備えるハウジングを含む。取付プレート5(
図2)は、ヘッド部1を壁に取り付けることができるようにする。左ハウジング部3および右ハウジング部4によって形成されるハウジングは、本明細書ではヘッド部の主要部とも呼ばれる。収容部6は、ヘッド部1のハウジング内に移動可能に軸支される。
【0071】
液体処理カートリッジ2は、2015年1月7日付けの国際特許出願第PCT/EP2015/050155号により完全に記載されている種類のものである。なお、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。それは、一端がキャップ形状部7によって閉鎖された、キャップ形状部7(
図3〜
図6)および容器8(
図7)によって形成されたハウジングを有する。
【0072】
キャップ形状部7は、一体的な接続ヘッド9を含む。接続ヘッド9は、ヘッド部1のハウジングに対して収容部6が第1の位置にある場合に収容部6の空洞に挿入可能である。
【0073】
本明細書でカートリッジ軸線10と呼ばれる基準軸線(
図4および
図5)は、容器8の閉鎖端から、接続ヘッド9が設けられた、カートリッジ2の端部へ延びる軸線である。図示の実施形態では、カートリッジ2は、細長い形状を有し、カートリッジ軸線10は、カートリッジ2の長手方向軸線に対応する。
【0074】
接続ヘッド9には、カートリッジ2の内部と液体連通する4つのカートリッジポート11〜14が設けられている。第1のポート11および第2のポート12は、接続ヘッド9が、接続ヘッド9が設けられた、カートリッジ2の軸方向端部に向かって先細になるように、カートリッジ軸線10に対してある角度をなす方向を向いた第1の表面部分15(
図4)に設けられている。第3のカートリッジポート13および第4のカートリッジポート14は、接続ヘッド9が、接続ヘッド9が設けられた、カートリッジ2の軸方向端部に向かって先細になるように、カートリッジ軸線10に対してある角度を向いた第2の表面部分16(
図5)に設けられている。テーパを達成するために、角度は、45°よりも大きいが、90°よりは小さい。第1の表面部分15および第2の表面部分16は、(カートリッジ軸線2を基準として横方向成分が互いに逆向きの方向を向いている。したがって、接続ヘッド9の両側面のそれぞれには、1対のカートリッジポート11〜14がある。これらの対のうちの一方は、液体用の入口として機能するように構成され、これらの対のうちの他方は、液体用の出口として機能するように構成されている。第1のカートリッジポート11および第2のカートリッジポート12は、第3のカートリッジポート13および第4のカートリッジポート14と同様に、カートリッジ軸線10に平行な列に配置されている。さらに、第1のカートリッジポート11は、第3のカートリッジポート13と位置合わせされ、第2のカートリッジポート12は、第4のカートリッジポートと位置合わせされている。ただし、正確な位置合わせは必要ない。カートリッジポート11〜14の周りにシールリング(図示せず)を取り付けるための溝が設けられている。第1の表面部分15および第2の表面部分16は、本質的に平面状であり、このため、シール要素は、カートリッジポート11〜14の周りにシールを形成するために協働面に押し当てられるときに比較的均一に圧縮される。先細なため、シール要素は、接続ヘッド9が収容部6の空洞に完全に挿入される寸前にのみ圧縮される。これは、挿入中のシール要素の磨耗またはずれの防止に役立つ。
【0075】
カートリッジポート11〜14はそれぞれ、接続ヘッド9を通るそれぞれの通路17〜20の端部に設けられている(
図6)。少なくとも中央の3つの通路17〜19の端部分は、カートリッジ軸線10を中心に同心円状に配置されている。それらは、本質的に軸方向にカートリッジハウジングの内部へ向けられている。第1〜第3の通路17〜19の端部はそれぞれ、これらの内部端部が他の通路18〜20の少なくとも1つの内部に設けられるようにそれぞれの異なる軸方向位置で終端している。液体は、別個の流れ誘導部によって分流されない限り、これらの端部で混合することができる。
【0076】
これは実は、本明細書で使用される例の場合であり、その場合、流れ誘導部は、第1の通路17および第2の通路18の端部に差し込まれる。
【0077】
これらの1つは、この例ではカートリッジ2の反対側の軸方向端部の近くまで延在する落下管21(
図7)である。それは、その端部に配置された流れ分配装置22を貫通する。流れ分配装置22は、粒状液体処理媒体の第1のベッド23に隣接している。液体処理媒体は、特に、イオン交換樹脂(例えば、陽イオン交換樹脂)を含んでもよい。比較的高い体積を有する陽イオン交換樹脂は、弱酸性陽イオン交換樹脂である。その種類にかかわらず、少なくとも最初は、陽イオン交換樹脂の大部分は、単位体積当たりの官能基の数により、水素形態であってもよい。この媒体は、これに接触する水の炭酸塩硬度を低下させるのに適している。陽イオン交換樹脂の一部分は、緩衝目的のためにアルカリ金属(例えば、カリウムまたはナトリウム)を含んでもよい。活性炭などの他の吸着剤が、第1のベッド23の液体処理媒体に含まれてもよい。液体透過性仕切り部24は、第1のベッド23とは組成の異なる粒状液体処理媒体の第2のベッド25から第1のベッド23を分離している。一例では、第2のベッド25は、イオン交換によって液体を処理するための液体処理媒体以外の液体処理媒体(例えば、活性炭などの吸着剤)のみを含む。別の例では、陽イオン交換材料以外の液体処理媒体のみ(例えば、少なくとも陰イオン樹脂)を含む。同心の流れ誘導器26は、接続ヘッド9から近くの落下管21の軸方向部分の周りに配置されており、第2の通路18の端部分に差し込まれる。その他端は、第2のベッド25で終端している。したがって、第2のカートリッジポート12を通ってカートリッジ2に入る液体は、第1のベッド23をバイパスし、一方、第1のカートリッジポート11を通って入る液体は、第1のベッド23を通って誘導される。2つの流れは、第2のベッド25で混合される。液体の混合物は、第3のカートリッジポート13および第4のカートリッジポート14を通ってカートリッジから同時に出ることができる。液体透過性スクリーン27は、第2のベッド25の材料を保持する。
【0078】
第1のカートリッジポート11、12を通ってカートリッジに入る液体の流れの体積流量比は、以下でさらに説明するように、ヘッド部1の比設定弁によって設定することができる。
【0079】
接続ヘッド9の外観(
図3〜
図5)に戻すと、第1の位置合わせリッジ28および第2の位置合わせリッジ29は、それぞれ、第1のカートリッジポート11および第2のカートリッジポート12の近傍と、第3のカートリッジポート13および第4のカートリッジポート14の近傍とに設けられている。位置合わせリッジ28、29は、カートリッジ軸線10と本質的に平行な方向に延在する。接続ヘッド9が設けられている、カートリッジ2の軸方向端部から遠くの軸方向端部30、31は丸みを帯びている。
【0080】
位置合わせリッジ28、29は、この例では曲面部分32、33に設けられている。これらの表面部分32、33は、接続ヘッド9が、接続ヘッド9が設けられた、カートリッジ2の軸方向端部に向かって軸方向に先細になるように、カートリッジ軸線10に対してある角度をなす方向を向いている。位置合わせリッジ28、29の各々は、接続ヘッド9が設けられている、カートリッジ2の軸方向端部から遠くの端部まで延在する第1の部分34、35を有する。位置合わせリッジ28、29の各々は、接続ヘッド9が設けられている、カートリッジ2の軸方向端部から近くの端部まで延在する第2の部分36、37を有する。第1の部分34、35と第2の部分36、37との間には階段状の移行部がある。階段状の移行部は、曲面部分32、33に対する高さが第1の部分34、35から第2の部分36、37へ段階的に減少するようなものとなっている。さらに、第2の部分36、37が設けられた曲面部分32、33に対する第2の部分36、37の高さは、接続ヘッド9が設けられている、カートリッジ2の軸方向端部に向かって軸方向に増加している。これは、接続ヘッド9のテーパを補償する。曲面部分32、33は、その湾曲に起因して正確に反対方向を向いていないが、位置合わせリッジ28、29は反対方向に突出していることに留意されたい。これらの方向は、カートリッジ軸線10が位置する基準平面に対して垂直であり、この平面は、収容部6に挿入される間の接続ヘッド9の移動の軌跡と平行であるか、またはこれを含む。これは、作業者によってカートリッジ2に加えられる力を、カートリッジ2および収容部6の移動に変換するのを助ける。
【0081】
収容部6(
図8〜
図13)は、本体と、この例では第1〜第6のシール要素38〜43とを含む。本体は、接続ヘッド9を収容するための空洞を画成している。空洞は、接続ヘッド9の形状に対応する形状を有する。したがって、それは、空洞の口から遠くの端部に向かって軸方向に先細になっている。
【0082】
接続ヘッド9を空洞に挿入するときにカートリッジ軸線10に位置合わせされる基準軸線44(
図12)を定めることが可能である。したがって、この基準軸線44は、空洞の口に対して本質的に垂直である。基準軸線44は、ハウジング部3、4によって形成されるハウジングに対して収容部6が第1の位置と第2の位置との間で移動する平面に位置する。
【0083】
液体透過性ポート45〜48は、互いに逆向きの第1の収容部側壁部分49および第2の収容部側壁部分50に、これらを貫通して設けられている。第1のポート45および第2のポート46は、第1の側壁部分49に設けられている。第3のポート47および第4のポート48は、第2の側壁部分50に設けられている。側壁部分49、50の各々は、空洞が口から遠くの端部に向かって先細になるように基準軸線44に対してある角度をなしている。
【0084】
図示の例では、側壁部分49、50の各々は、カートリッジポート11〜14の周りに設けられるシール要素を圧縮できるように本質的に平面状である。
【0085】
接続ヘッド9が空洞内に完全に挿入されると、カートリッジポート11〜14の各々は、収容部ポート45〜48の1つとシールされた直接液体連通状態になる。シールは、カートリッジポート11〜14および収容部ポート45〜48を通る液体の流れを互いに、また空洞から隔離する。
【0086】
位置合わせ溝51、52(
図9〜
図11)は、少なくとも空洞に通じており、この例では、空洞の口の近傍の軸方向端部にも通じている。これらの位置合わせ溝51、52は、カートリッジ2の接続ヘッド9上の第1の位置合わせリッジ28および第2の位置合わせリッジ29を収容するためのものである。それらは、空洞の対向面にあり、互いに向かい合っている。第1の(下方)部分53、54は、収容部6の側壁部分を通って延在しており、そこでは、それらは、これらの側壁部分を通るスリットを形成するように設けられている。これらの部分53、54は、空洞の口から近くの軸方向端部に設けられている。第2の(上方)位置合わせ溝部分55、56は、スロットとして形作られている。第2の位置合わせ溝部分55、56の各々の深さは、空洞の口から遠くの、空洞の端部に向かって軸方向に増加しており、これにより、空洞のテーパを補償している。第1の位置合わせリッジ部分34、35は、この例では、曲面部分32、33であって、そこから第1の位置合わせリッジ部分34、35が突出している曲面部分32、33を基準とした高さを有し、この高さは、第1の位置合わせ溝部分53、54が設けられた壁の厚さを超えている。位置合わせリッジ28、29の軸方向端部30、31(この例では、丸みを帯びている)も、接続ヘッド9が空洞内に完全に挿入されたとき、溝51、52の軸方向端部から突出する。これは、それらが、収容部6が第1の位置から第2の位置に移動する間におよび第2の位置で、左ハウジング部3および右ハウジング部4の内部のレッジ59、60によって形作られた支持面57、58に接触することを可能にする。
【0087】
また、収容部ポート45〜48は、収容部6の側壁部分49、50を貫通しているため、外部から到達可能である。これは、それらが、スライディングゲート弁機構と同様の弁機構の一部を形成することを可能にする。なお、その中で、収容部6は、可動弁部材を形成する。
【0088】
第1〜第4の収容部シール要素38〜41はそれぞれ、収容部ポート45〜48のうちの1つの外側を取り囲んでいる(
図9、
図10、
図12、および
図13)。第5の収容部シール要素42および第6の収容部シール要素43は、それぞれ、第1の収容部ポート45および第2の収容部ポート46と、第3の収容部ポート47および第4の収容部ポート48とを取り囲んでいる。それらはそれぞれ、収容部6の本体を貫通するバイパス通路61の両側の開口の一方も取り囲んでいる。したがって、バイパス通路61は、入口開口として機能するポートが設けられた収容部6の側面から、出口開口として機能するポートが設けられた収容部6の側面まで延在している。これらは、ヘッド部1の主要部に対する第1の位置と第2の位置との間での収容部6の移動の中央平面に関して両側にある。
【0089】
ヘッド部1の主要部には、比設定弁の第1のポート62〜65が画成されている(
図15、
図22、および
図33)。これらの第1のポート62〜65もまた、収容部の第2の位置で収容部ポート45〜48と位置合わせされ、これらとシールされた直接液体連通状態になることから、収容部6を備える弁機構の一部である。第5の収容部シール要素42および第6の収容部シール要素43は、第1の位置、第2の位置、およびすべての中間位置でこれらの第1のポート62〜65を取り囲むため、液体が、収容部とハウジング部3、4との間で漏れ出ることは不可能である。これはまた、液体が、収容部ポート45〜48が第1のポート62〜65と完全に位置合わせされていないときに(すなわち、第2の位置以外の位置(特に、第1の位置)で)、収容部6の一方の側の第1のポート62、63から、収容部6の反対側の第1のポート64、65に通過することができることを保証する。
【0090】
第1のポート62〜65は、収容部6を向いた本質的に平面状の表面66、67を有する壁部分に設けられることに留意されたい。これは、第1の位置と第2の位置との間の移動が平面状表面66、67と平行な平面内の軌跡に沿う場合、第1の位置と第2の位置との間の各位置で収容部シール要素38〜41の均一な圧縮を可能にする。
【0091】
収容部6は、収容部6上のガイド突起68〜71と、ガイド突起68〜71を受け入れるために左ハウジング部3および右ハウジング部4の内部に形作られたガイド72〜75とによって、第1の位置と第2の位置との間を移動するように軸支されている。この移動は、収容部6の変位と、(例えば、ヘッド部1が取り付けられた壁への/からの方向に)カートリッジ2を揺動させて変位させる内部回転との組み合わせである。この移動の間、支持面57、58は、丸みを帯びた端部30、31でカートリッジ2を支持する。
【0092】
レッジ59、60は、第2の位置、および第1の位置に至るまでのすべての他の位置での接続ヘッド9の抜去を防止する。これは、それらが位置合わせリッジ28、29の第1の部分34、35の通過を妨げるからである。レッジ59、60に隣接する隙間76、77(
図20〜
図22、
図33、および
図34)は、第1の位置では位置合わせ溝51、52と位置合わせされ、これにより、その位置では接続ヘッド9を挿入および抜去することができるようになる。
【0093】
収容部6のこの位置は、接続ヘッド9が抜去された後、交換カートリッジ2の接続ヘッド9を挿入できるようにし、さらには、バイパス通路61の端部が第1のポート62〜65と完全に位置合わせされた状態を保つために保持されるべきである。このためには、ラッチ装置78(
図14)が用意される。
【0094】
図示の実施形態では、ラッチ装置78は、単一の弾性の、本質的にU字形のインサートであって、そのアーム81、82のそれぞれの自由端に爪79、80を有するインサートである。収容部6の一部は、第1の位置ではアーム81、82間に受け入れられる。その位置では、爪79、80は、第1の位置合わせリッジ部分34、35によって占有されていないとき、位置合わせ溝51、52の第1の部分53、54と係合する。
【0095】
収容部6は、第1の位置に移動されるとき、アーム81、82を押し離す。次に、カートリッジ2が抜去されると、爪79、80が所定の位置にはまり込む。交換カートリッジ2の接続ヘッド9が、収容部6の空洞に挿入されると、第1の位置合わせリッジ部分34、35は、第1の位置合わせ溝部分53、54によって形成されたスリットから爪79、80を押し出す。これにより、収容部6は解放され、その結果、収容部6を、第1の位置から第2の位置へ移動させることができるようになる。第1の位置合わせリッジ部分34、35が爪79、80と係合し、第1の部分34、35と第2の部分36、37との間に階段状の移行部があることから、接続ヘッド9が完全に挿入され、さらには、レッジ59、60を通り過ぎることができるようになったとき、収容部6のみが解放される。
【0096】
係合を容易にするために、爪79、80には、ファセット83〜86が設けられている。下向きのファセット83、84は、第1の位置合わせリッジ部分34、35と係合するためのものである。それらは、部分的に、接続ヘッド9の挿入方向とは反対の方向を向いており、部分的に互いに向かい合っている。収容部と係合するためのファセット85、86は、部分的に、収容部6の第1の位置からの移動方向を向いており、部分的に互いに向かい合っている。収容部6と係合するファセット85、86の反対側の爪79、80の表面は、第1の溝部分53、54と協働して比較的強い形状ロックを提供するために、隣接するアーム部分に対して本質的に直角である。これにより、収容部6は第1の位置に保持される。
【0097】
収容部6を第2の位置に保持し、第2の位置に到達したことを知らせる手段も設けられる。この手段は、支持面57、58に戻り止め87、88(
図15、
図20〜
図22、
図33〜34)を備える。支持面57、58によって支持された、位置合わせリッジ28、29の端部30、31は、第2の位置で戻り止め87、88と係合する。カートリッジ2の重量により、端部30、31は、戻り止め87、88に保持される。それらは、使用者がカートリッジ2を引っ張ると持ち上げられる。
【0098】
上記の説明から、第1のポート62〜65が、挿入された接続ヘッド9と共に収容部6を第2の位置に配置することによって、カートリッジポート11〜14とシールされた液体連通状態になるように配置可能であることは明らかであろう。そのとき、収容部6を備える弁機構は開放配置にある。左右の比設定弁は、カートリッジ2から/への液体の流れを中断するために、第2の位置で閉鎖配置にすることもできる。
【0099】
左比設定弁は、左遮蔽部89と、左操作部90と、左可動調整部91と、左弁シール要素92〜94とを含む。
【0100】
左比設定弁の第1のポート62、63は、左遮蔽部89と一体の弁ハウジング部95に画成されており(
図23〜
図25)、弁ハウジング部95は、左ハウジング部アパーチャ96(
図19〜
図21)が第1のポート62、63を除いて閉鎖されるように左ハウジング部アパーチャ96に挿入される。実際、この実施形態では、左遮蔽部89は、収容部6が第1の位置と第2の位置との間で移動されるように配置されるハウジング空洞の側壁のかなりの部分を覆う。すべての実施形態で、こうである必要はない。
【0101】
可動調整部91(
図29〜
図31)は、本質的に円盤状である。それは、左弁ハウジング部95内に回転するように配置される。この弁ハウジング部95は、本質的に円筒形の弁室を画成している。可動調整部91の平面状表面97(
図31)は、第1のポート62、63に面し、第1の第1のポート62および第2の第1のポート63をそれぞれ取り囲む第1の左弁シール要素92および第2の左弁シール要素93に押し当てられる。
【0102】
アパーチャ98は、可動調整部91を貫通して形成されている。アパーチャ98は、可動調整部91の回転位置を変化させることによって、第1のポート62、63と重なる度合いが様々な位置に移動可能である。少なくとも1つの回転位置では、アパーチャ98は、第1のポート62、63が平面状表面97によって覆われるように、第1のポート62、63のいずれとも重ならない位置に置かれる。この位置は、左比設定弁の閉鎖配置に対応する。
【0103】
左弁室は、第3の左弁シール要素94を支持するように配置される可動操作部90(
図26〜
図28)によって閉鎖される。このシール要素94は、可動調整部91に押し当てられ、可動操作部90に形成された第2のポート99を取り囲む。したがって、可動操作部90は、左ハウジング部3に固定された軸線を中心として第2のポート99の周りで回転するように軸支される。可動操作部90の歯100、101は、可動操作部90に面する可動調整部91の円形リッジ104の隙間102、103と係合する。これにより、可動調整部91は、可動操作部90と回動するように結合される。可動操作部90は、左ハウジング部3と左遮蔽部89との間に配置されるその周縁で所定の位置に保持される。
【0104】
流れの方向に応じて、第2のポート99は、ヘッド部1の入口または出口として機能する。導管(図示せず)を、例えば欧州特許出願公開第0890774号に記載されているようなインサートによって第2のポート99に接続することができる。導管は、例えば可撓性導管であってもよい。
【0105】
第2のポート99が入口を形成すると仮定すると、流入する液体の流れは、比設定弁で2つの部分流に分割される。比設定弁が閉鎖配置にない場合、2つの部分流の体積流量比は、可動調整部91および可動操作部90の回転位置によって決定される。使用者は、導管が接続されていたとしても、手で可動操作部90を把持して回すことによってこの位置を設定することができる。この比は、カートリッジ2の第2のベッド25で形成される液体混合物の組成を決定する。使用者は、液体の供給が完全に遮断される位置に可動操作部を移動させることもできる。
【0106】
ヘッド部1が取り付けられる壁に沿って特定の流れ方向に縛られることなく、左比設定弁の第2のポート99は、出口を形成することもできる。その場合、液体の部分流は、左比設定弁で合流される。弁は、例えば、1:1の比に設定することができる。別々に処理された液体の部分流の混合は既に第2のベッド25で行われているため、次に第1のポート62、63を通過する2つの部分流は、同じ組成を有する。
【0107】
しかしながら、カートリッジ2が、クロスフロー濾過用の膜モジュール(図示せず)を含む場合、左比設定弁は、第1のポート62、63の一方を介し受け入れられた一定量の保持液を、第1のポート62、63の他方を介して受け入れられた濾過液に加えるために混合弁として使用することができる。
【0108】
流れ方向の可逆性を考慮すると、右比設定弁は、本質的に左比設定弁の鏡像である。すなわち、それは、右遮蔽部105と、右操作部106と、右可動調整部107と、右弁シール要素108〜110とを含む(
図32〜
図38)。第2のポート111(
図32)は、可動弁操作部106に形成されている。
【0109】
右比設定弁の第1のポート64、65は、右遮蔽部105に画成されており、右遮蔽部105は、右ハウジング部アパーチャ112が第1のポート64、65を除いて閉鎖されるように右ハウジング部アパーチャ112に挿入される。左右の遮蔽部89、105は互いの鏡像である。したがって、右遮蔽部105は、可動操作部106によって閉鎖される本質的に円筒形の弁室を画成する一体の弁ハウジング部113を含む。
【0110】
調整部91、107および操作部90、106は同一である。
【0111】
第2のポート111が出口を形成する場合、右比設定弁は、カートリッジ2がその動作位置にある間、左比設定弁に加えてまたはその代わりに、液体処理機器を通る液体の流れを遮断するために使用することができる。
【0112】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内で変更することができる。例えば、第1のポート62〜65が左ハウジング部3および右ハウジング部4に形成される非モジュール式の実施形態も考えられる。その場合、弁ハウジング部95、113は、ハウジング部3、4に形成される。
【0113】
代替実施形態では、可動調整部91、107は、電気機械システムに含まれるアクチュエータによって駆動される。アクチュエータは、例えば、電気モータを含んでもよい。このようなシステムは、例えば1つ以上のセンサからの信号の値に基づいて、体積流量比を自動的に設定するように構成されてもよい。システムは、代替的にまたは追加的に、漏れなどの液体処理機器の不具合を検出するための1つ以上のセンサを備えてもよく、不具合の検出時に比設定弁を閉鎖配置にするように構成されてもよい。