(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハウジングが円筒状近位部材と円筒状遠位部材とを含み、前記円筒状近位部材が、前記陽圧ガス源からキャリアガスを受け入れるための前記キャリアガス接続ポートを有する、請求項1に記載のアダプタ。
前記陽圧ガス源から前記キャリアガスを受け入れるための前記キャリアガス接続ポートが、前記キャリアガスを受け入れるための少なくとも1つのガス入口ポートを含み、前記少なくとも1つのガス入口ポートがキャリアガスの流れを前記複数のキャリアガス出口ポートの少なくとも一つに導く、請求項1に記載のアダプタ。
前記少なくとも1つのガス入口ポートが、少なくとも3つのガス入口ポートと、前記少なくとも3つのガス入口ポートにそれぞれ対応する前記複数のキャリアガス出口ポートのうちの少なくとも3つとを備える、請求項5に記載のアダプタ。
前記複数のキャリアガス出口ポートのそれぞれが、直径が1〜10mmであり、前記エアロゾルが前記移行アダプタの前記ハウジングに入る中央の軸方向に延在するエアロゾル通路から3〜20mmの半径のところに位置する、請求項1に記載のアダプタ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
エアロゾルは、薬物送達で有用である。たとえば、吸入されて患者の肺へと送達される液体および/もしくは固体、たとえば粉末、薬剤などの分散微粒子のエアロゾルスプレーを用いて呼吸疾患を治療すること、または液体および/または固体によって薬物を送達することが望ましい場合が多い。エアロゾルは、加熱キャピラリーエアロゾル発生器(CAG:capillary aerosol generator)により、液剤が少なくとも部分的に揮発されるように十分にキャピラリーを加熱しながら液剤を加熱キャピラリーチューブまたは通路(本明細書では「加熱キャピラリー」と呼ばれる)に送り込むことによって、生成することができ、したがって、加熱キャピラリーからの排出時に液剤はエアロゾルの形をとる。キャピラリーの長さは、さまざまな要因の中でもとりわけ、生成されるべきエアロゾルの組成によって要求される熱の要件に依存することができる。
【0008】
本明細書で使用するとき、「エアロゾル」という用語は、ガス中に懸濁されている液体粒子または固体粒子を指す。本明細書で言及される「エアロゾル」または「エアロゾル化剤」は、上記で言及されたように、活性剤のうち1つまたは複数を含む。
【0009】
本明細書で使用する「換気」または「呼吸換気」という用語は、患者の呼吸の機械的または人工的な補助を指す。機械的換気の全体的な目的は、人工呼吸器により誘発される肺損傷を最小限に抑えながら、ガス交換、患者の呼吸の努力、および患者の快適さを最適化することである。機械的換気は、陽圧呼吸または陰圧呼吸を介して送達することができる。さらに、陽圧呼吸は、非侵襲的または侵襲的に送達することができる。非侵襲的換気療法(NIMV:noninvasive mechanical ventilation)とは、一般に、マスクまたは鼻プロングを使用して、患者の鼻および/または口を通る人工呼吸器による補助を提供することを指す。非侵襲的陽圧換気のために最も一般的に使用されるインタフェースは、鼻プロング、鼻咽頭チューブ、マスク、または鼻マスクである。NIMVは、患者の上気道を人工気道(気管内チューブ、喉頭マスク気道、または気管切開チューブ)により迂回するそれらの侵襲的な機械的人工呼吸器技法から区別することができる。NIMVは、2レベルプレッシャーサポート(いわゆる「BI−PAP」)または持続陽圧気道圧(CPAP)のどちらかによって提供可能である。
【0010】
当業者には理解されるように、機械的換気の採用は、侵襲的であれ非侵襲的であれ、さまざまな呼吸ガスの使用を伴う。呼吸ガスは、本明細書では、「CPAPガス」、「換気ガス」、「換気空気」、「吸気流」、「呼気流」、または単に「空気」と呼ばれることがある。本明細書で使用するとき、「換気ガス」、「空気」、「酸素」、「薬用ガス」、および「ガス」という用語は、換気ガスまたは流れによって動かれる酸素/空気を指すために互換的に使用され、一般に呼吸療法に使用される任意の種類のガスを含む。本明細書で言及される「人工呼吸器」という用語は、加圧酸素と空気が混和されて換気ガス源になるので、酸素/空気混和ドライバとも記載することができる。キャリアガスは、呼吸療法を施行する際にエアロゾル化薬物を搬送するために使用される。「キャリアガス」という用語は、本明細書において「同伴(entrainment)ガス」という用語と互換的に使用することができ、上記で開示したような一般に呼吸療法に使用される任意の種類のガスを含む。
【0011】
陽圧換気を行うための換気回路は、マスク、鼻プロング、または気管内チューブなどの患者インタフェースに管によって接続された陽圧発生器または呼気終末陽圧源(PEEP弁または水柱)と、吐出されたガスの、たとえば一定流量CPAPなどの人工呼吸器への、または「バブル」CPAPに関する水中容器への排出を可能にする管などの呼気経路とを含む。吸気性チューブおよび呼気チューブは「Y字」コネクタまたはエアロゾル送達コネクタを介して患者インタフェースに接続することができ、コネクタは、たとえば、WO2009/117422A2に開示されているように、吸気チューブおよび呼気チューブのそれぞれを取り付けるポートと、ならびにエアロゾルのためのポートと、患者インタフェースと、圧力センサを取り付けるためのポートとを含む。
【0012】
キャピラリーまたは他の手段によって生成されるエアロゾルは、患者に運ぶためのキャリアガスまたはシースガスと混和されることが知られている。移行アダプタ内でエアロゾルと加熱されたシースガスを混ぜることが、たとえば参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第2008/0110458号に開示されており、この公報では、シースガスが約125℃〜145℃に加熱され、(米国特許公開第2008/0110458号の
図16に示される)移行アダプタに入るエアロゾル流れの主な方向に垂直な空洞を介して移行アダプタに導入される。混ぜられたガスとエアロゾルは、エアロゾルがエアロゾルチューブに連行される前に移行アダプタの球面に衝突する。このエアロゾル衝突により、大きなエアロゾル粒子がエアロゾルストリームから除去されるので、失われた薬物が流体トラップに導かれる。本開示は、はるかに乱れの弱いパターンでキャリアガスがエアロゾルを囲み、エアロゾルと混合されるので薬物損失を最小限に抑えるような、より低い温度におけるエアロゾル流れの主な方向と平行なキャリアガスの導入を提供する。移行アダプタの内部空洞の外形は、加熱キャピラリーを出るエアロゾルプルーム(plume)の外形に類似しており、円錐形と円筒形とを含み、内部空洞の遠位端では、円錐形の直径はエアロゾルプルームの最も広い部分の直径よりも大きく、したがって、エアロゾルの衝突は最小限に抑えられる。
【0013】
例示的な実施形態によれば、キャリアガス流の移行アダプタの乱れの弱いパターンは、エアロゾル発生器によって生成された後で移行アダプタに入るエアロゾルの流れの主な方向と平行かつ同一方向に(co−directionally)移行アダプタの円錐に入る複数のキャリアガスストリームへのキャリアガスの分割から生じる。例示的な実施形態によれば、キャリアガス源は、肺治療および肺治療薬の送達に適した任意のガス源であってよい。
例示的な実施形態では、キャリアガス源は人工呼吸器であり、エアロゾル化薬物を投与された患者に人工呼吸器による補助を提供するために使用される。たとえば、例示的な実施形態では、人工呼吸器の呼気ガスの流れは、少なくとも1つの副流れが引き続きたとえばCPAP換気において呼気終末陽圧(PEEP)を提供するなどの換気目的で使用されるように、スプリッタを使用して複数の副流れに分割され、少なくとも1つの副流れは、患者にエアロゾルを送達するためのキャリアガスとして使用される。
【0014】
次に、移行アダプタについて、移行アダプタの例示的な実施形態を表す
図1〜
図6Cおよび
図9A〜
図12Eを参照しながら、より詳細に開示する。
図1は、例示的な実施形態によるエアロゾル移行アダプタ100の斜視図である。
図1に示されるように、移行アダプタ100は、近位端120と遠位端130とを有するハウジング110を含む。近位端120は、エアロゾル発生器230(
図7A〜
図7B参照)の加熱キャピラリー232(
図7A〜
図7B参照)によって生成されたエアロゾル234を受け入れるためのエアロゾル通路140を有する。エアロゾル通路140は、好ましくは、加熱キャピラリー232の遠位端(
図7A〜
図7B参照)への接続を含む結合ポート142を含む。エアロゾル234は、エアロゾル234がキャリアガス316の平行ストリームによって少なくとも部分的に取り囲まれて前方に搬送されるエアロゾル通路140を通って移行アダプタ100内部の内部空洞170(
図3参照)に入り、キャリアガス316の平行ストリームは、ガス源または人工呼吸器300から生じ、少なくとも1つのガス入口ポート154または別法として複数のガス入口ポート154(
図3および
図6参照)を通って移行アダプタに導入され、エアロゾル234とキャリアガス316の混合物である連行エアロゾル240(
図7A〜
図7B参照)を形成する。例示的な実施形態によれば、ガス源300(
図7A〜
図7B参照)は、持続陽圧気道圧(CPAP)人工呼吸器であり、CPAP人工呼吸器は吸気流302を発生させ、濾過された呼気流362(
図7A〜
図7B参照)を受け入れる。
【0015】
図1に示されるように、エアロゾル通路140は結合ポート142を有し、結合ポート142は、エアロゾル発生器230の加熱キャピラリー232の遠位端を受け入れ、ハウジング110の近位端120上の卵形空洞144の中に配置される。例示的な実施形態によれば、空洞144(任意の形状、たとえば卵形、円形、長方形、または正方形を有することができる。
図1では、卵形の形状のみが示されている)は、好ましくは、エアロゾル通路140の結合ポート142にエアロゾル発生器230の遠位端を結合する安全な方法を提供するように構成された、端壁146と側壁148とを有する。エアロゾル通路140は、移行アダプタ100の内部空洞170(
図3参照)と連通する。
【0016】
ハウジング110は、好ましくは、略円筒状近位部分112と、円筒状遠位部分114と、近位端120に垂直に延在し、キャリアガス316(
図7A〜
図7B参照)のストリームを人工呼吸器300から移行アダプタ100に運ぶキャリアガスライン314(
図7A〜
図7B参照)を受け入れるように構成されたキャリアガス接続ポート150(
図3参照)とを含む。
図2は、例示的な実施形態による、
図1に示されている移行アダプタ100の側面図である。
図2に示されるように、移行アダプタ100のハウジング110は、ハウジング110の近位端120から遠位端130まで延在する、円筒状近位部分112と円筒状遠位部分114とを有する。例示的な実施形態によれば、円筒状近位部分112の外径は、円筒状遠位部分114の外径よりも小さい。
【0017】
図3は、
図1に示されている移行アダプタ100の、
図2の線A−Aに沿った断面図である。
図3に示されるように、移行アダプタ100のハウジング110は円筒状本体116を含み、本体116は、人工呼吸器300(
図7A〜
図7B)からキャリアガスライン314を介してキャリアガス316を受け入れるためのキャリアガス接続ポート150を含む。キャリアガス接続ポート150は、通路158を介して複数のガス入口ポート154および複数の対応するガス出口ポート156と連通する円筒状断面152を有する。ガス出口ポート156のそれぞれは、移行アダプタ100の内部空洞170にキャリアガス316のストリームを送達する。
【0018】
図12A〜
図12Eに示される別の例示的な実施形態によれば、ガス源300は、単一のガス入口ポート154および単一のガス通路158を介して内部空洞170に導入することができる。例示的な実施形態によれば、ガスストリーム300を空洞170に導入するための複数の通路またはコンジット158ではなく、内部空洞170へのガスストリーム300の分離は、円錐形切断面180に沿って複数の開口または出口ポート156を通って実行することができる。
図3に示されるように、エアロゾル通路140は、加熱キャピラリー232からのエアロゾル234と複数のガス出口ポート156からのキャリアガス316のストリームを受け入れてキャリアガス316のストリームをエアロゾル234の流れの主な方向と平行に流れるように導く内部空洞170と連通する。キャリアガスストリーム316は、内部空洞内部のエアロゾル流路を少なくとも部分的に取り囲み、エアロゾル234を遠位端130の方へ搬送し、したがって、連行エアロゾル240が内部空洞の内部で作製される。連行エアロゾルは、遠位端130で出口ポート160を通って移行アダプタ100を出て、エアロゾルチューブ318(
図7A〜
図7B参照)に流れ込む。
【0019】
図3に示されるように、内部空洞170は、エアロゾル通路140からハウジング110の遠位端130の方へ外側に延在する円錐形切断面180を有する近位部分172を有する。例示的な実施形態によれば、内部空洞170の近位部分172の円錐形切断面180の壁は、約45度〜約75度の角度を形成する(たとえば、約60度の円錐)。例示的な実施形態によれば、内部空洞170の遠位部分174は、ややテーパの施された内径を有することができる。例示的な実施形態によれば、複数の対応するガス出口ポート156は、内部空洞170の近位部分172の中で円錐形切断面180に沿って配置される。
【0020】
例示的な実施形態によれば、人工呼吸器300からキャリアガス316を受け入れるための複数のガス入口ポート154は、少なくとも2つの入口ポート154(
図6C)、好ましくは少なくとも3つの入口ポート154(
図6A)またはそれ以上(たとえば
図6B参照)を有し、それによって、キャリアガスを複数のキャリアガスストリームに分割する。入口ポート154のそれぞれから、キャリアガスのストリームは、内部空洞170の円錐形切断面180の中に位置する、対応する数のガス出口ポート156にさらに導かれる。例示的な実施形態によれば、ガス出口ポート156のそれぞれは、キャリアガスの複数のストリームがエアロゾル通路140から送達されたエアロゾル234の主な流れを少なくとも部分的に取り囲み、エアロゾル234の主な流れと平行に流れるように、キャリアガスの複数のストリームを送達する。エアロゾルは、主な方向から移行アダプタから出口の方へ曲がるスプレーを持つプルームを有してよいので、「エアロゾルの主な流れ」という用語は、キャリアガス316が流れる方向を示すために使用される。例示的な実施形態によれば、複数のガス出口ポート156は、エアロゾルが円錐形切断面180に入ってガス出口ポート156を通過した後で複数のキャリアガスストリームがエアロゾル234の流れを少なくとも部分的に取り囲むことを可能にするパターンで、エアロゾル通路140からある距離のところに置かれる。たとえば、数が3つである複数の出口ポート156の場合、3つの出口ポート156のそれぞれは、エアロゾル通路140のまわりで互いから約120度隔てられている。
【0021】
例示的な実施形態によれば、複数の出口ポート156のそれぞれは直径が約1〜10ミリメートルであり、エアロゾル234が移行アダプタ100のハウジング110に入る中央の軸方向に延在するエアロゾル通路143から約3〜20ミリメートルの半径のところに位置する。移行アダプタ100の遠位端174における出口ポート160は、たとえば約22mm〜50mmの内径176を有する流れチャネルを形成する。
図4は、例示的な実施形態による、
図1に示されている移行アダプタ100の近位端120の端面図である。
図4に示されるように、移行アダプタ100の近位端120は、エアロゾル発生器230の中に収容された加熱キャピラリー232の遠位端を受け入れるために円形、卵形、または他の適切な形状を有する空洞144の中に収容されるエアロゾル通路140を含む。
【0022】
図5Aは、例示的な実施形態による、ガス接続ポート150を示す、
図1に示されている移行アダプタ100の側面図である。
図5Aに示されるように、キャリアガス接続ポート150は、人工呼吸器300からキャリアガスライン314を受け入れるように構成される。キャリアガス接続ポート150は、円筒状断面152と、それぞれが対応する出口ポート156と連通する複数のガス入口ポート154とを有する。出口ポート156のそれぞれは、移行アダプタ100の内部空洞170にキャリアガスのストリームを送達する。たとえば、
図5Aに示されるように、複数のガス入口ポート154は数が3とすることができ、キャリアガス接続ポート150の中で垂直な線または直線の形で互いに対して位置することができる。
【0023】
図5Bは、
図5Aに示されている移行アダプタ100の、線B−Bに沿った断面図である。
図5Bに示されるように、複数のガス入口ポート154のそれぞれは、通路158を介して、対応する出口ポート156と連通する。通路158は、ガス入口ポート154から対応するガス出口ポート156まで延在する。例示的な実施形態によれば、通路158は円筒状であり、キャリアガス接続ポート150から内側に延在する。例示的な実施形態によれば、3つの出口ポート156のうち2つは、対応する通路158の遠位端からわずかに(たとえば、約0.06インチ)オフセットされている。エアロゾル通路140は移行アダプタ100の内部空洞170に入るので、3つの出口ポート156のうち2つがオフセットされていることによって、出口ポート156をエアロゾル通路140のまわりに等間隔に離間させることができる。さらに、複数のガス出口ポート156は、内部空洞170の近位部分の中でエアロゾル通路140から等距離に配置することができる。
【0024】
図5Cは、
図5Aに示されている移行アダプタ100の、線C−Cに沿った断面図である。
図5Cに示されるように、通路158のそれぞれは、キャリアガス接続ポート150からエアロゾル通路140の方へ内側に延在することができ、次いで、通路158のそれぞれの移行部は、内部空洞170の方へ内側に延在することができる。通路158のそれぞれは、入口ポート154から移行部まで延在する近位部分と、移行部から出口ポート156まで延在する遠位部分とを有する。近位部分から遠位部分までの通路158の移行部は互いに直角であることができ、または別法として、移行部は丸くてもよいし、それに対する湾曲を有してもよい。
【0025】
図5Cに示されるように、内部空洞170は、エアロゾル通路140からハウジング110の遠位端130の方へ外側に延在する円錐形切断面を有する近位部分172を有する。例示的な実施形態によれば、内部空洞170の遠位部分174は、ややテーパの施された内径を有する。例示的な実施形態によれば、複数の対応するガス出口ポート156は、内部空洞170の近位部分172の中に配置される。
図5Dは、
図5Aに示されている移行アダプタの、線A−Aに沿った断面図である。
図5D示されるように、通路158は、キャリアガス接続ポート150からエアロゾル通路140の方へ内側に延在することができ、次いで、移行部は、内部空洞170の方へ内側に延在することができる。
【0026】
図6A、
図6B、および
図6Cは、
図1に示される移行アダプタ100の遠位端130の端面図である。
図6Aに示されるように、移行アダプタ100の遠位端130は、均一な内径176を有する(
図3も参照されたい)。例示的な実施形態によれば、複数の出口ポート156は、内部空洞170の近位部分172の中で円錐形部分180に沿って配置される。例示的な実施形態によれば、人工呼吸器300からキャリアガス316のストリームを受け入れるための複数のガス入口ポート154は、少なくとも3つの入口ポート154を有し、少なくとも3つの入口ポート154のそれぞれは、ガス316のストリームを、内部空洞170の円錐形部分180の中に位置する対応するガス出口ポート156に導く。例示的な実施形態によれば、複数のガス出口ポート156は、内部空洞170の近位部分の中でエアロゾル通路から等距離に配置される。
図6Bは、3つ以上のガス出口ポート156を有する移行アダプタ100の別の実施形態を示す。
図6Bに示されるように、複数のガス出口ポート156は、エアロゾル通路140のまわりで外側リングを形成する複数の出口ポート156を含むことができる。
図6Cは、複数の出口ポート156が2つの出口ポート156を含む例示的な実施形態を示し、これらの出口ポート156は、それに対して2つ以上の切断面を有する外側リングを形成する。2つ以上の切断面のそれぞれは、エアロゾル通路140を囲む外側リングの一部分を形成する。
【0027】
例示的な実施形態によれば、エアロゾル送達システム200(
図7A〜
図7B)の内部で、この例は、換気ガス流317とキャリアガス流316が分割された後の換気ガス流317とキャリアガス流316のきわどいバランスがあり得ることを示す。スプリッタ312から、換気ガス317は、換気ガスチューブ315を通って、換気ポート332でエアロゾル送達コネクタ330に流れ込み、エアロゾル342は、患者ポート336でエアロゾル送達コネクタ330を出て、直接的に、または任意選択の管もしくはコンジット344を通って患者インタフェース340に入る。キャリアガス316は、スプリッタ312からキャリアガスチューブ314を通って移行アダプタ100に流れ込む。移行アダプタ100の内部で、キャリアガス316が出口ポート156を通過して平行な経路すなわち流れ(たとえば、数は3から最大50に及ぶ)の形で内部空洞170に入るとき、キャリアガス316が分割され、移行アダプタ100の長さに沿ってエアロゾルを搬送し、それによって連行エアロゾル240を形成する。この連行エアロゾルは移行アダプタ100を出て、連行エアロゾルチューブ318に入ってから、エアロゾルポート334でエアロゾル送達コネクタ330に入る。例示的な実施形態によれば、キャリアガス316の流れに対する抵抗は、移行アダプタ100の中でのより小さな流れへの分割および平行な流れのサイズの選択(出口ポート156のサイズによって引き起こされる)によって、移行アダプタ100の中で形成されることができる。たとえば、より大きな直径の平行な流れまたはより多数の流れを選択することによって、単一の流れまたはより小さな直径を持つ複数の流れと比較すると、より小さな抵抗を提供することができる。例示的な実施形態では、1つの重要な特徴は、出口ポートの外形がキャリアガス流内での抵抗の増加に大きく寄与せず、最適なエアロゾル同伴を保証することである。人工呼吸器の吸気流304は、ある範囲の圧力たとえば約5から50cmH
2Oの間で動作される。移行アダプタ100内でのキャリアガス316の流れ抵抗の増加は、吸気流304ガス圧に影響を与え、したがって患者の換気を妨げることがある。
【0028】
例示的な実施形態によれば、吸気流304が別個の副流れに分割され、したがって1つの副流れがエアロゾルのためのキャリアガス316として使用され、移行アダプタ100内へと導かれ、別の副流れが換気ガス317として使用される人工呼吸器エアロゾル送達システム200が開示されている。たとえば、現在では、一般的な人工呼吸器エアロゾル送達システムは、人工呼吸器によって生成されるガスの体積が機械的換気を受けている患者に伝わって人工呼吸器に戻る閉鎖型換気システムである。別個の源からこの閉鎖型換気システムにガス(肺の薬を投与するためのキャリアガスなど)を導入することは、吸気流が増加し、それによって閉鎖型換気システム内での流れの不均衡を形成するので、望ましくないことがある。したがって、人工呼吸器300から生じ吸気流304を分割し、吸気流304の一部分をキャリアガス316として使用することが望ましいはずである。本明細書で開示される人工呼吸器エアロゾル送達システム200は、バブルCPAP(
図7B参照)などの開放型換気回路でも使用することができる。
【0029】
図7Aは、例示的な実施形態によるエアロゾル送達システム200のブロック図である。エアロゾル送達システム200は、エアロゾル発生器230と、エアロゾル発生器230を通って流れる液体材料または液剤212の源と、移行アダプタ100と、人工呼吸器300と、エアロゾル送達コネクタ330と、患者インタフェース340とを含む。例示的な実施形態によれば、
図7Aに示されるエアロゾル送達システム200は、人工呼吸器300から吸気リム302を介して吸気流304を送達する。さらに、エアロゾル発生器230によって生成されるエアロゾルの熱を加減する(account for)ために、システム200は、移行アダプタ100からエアロゾル送達コネクタ330に連行エアロゾル240を送達する連行エアロゾルチューブ318の長さを最適化することによって、連行エアロゾル240の温度を制限することができる。
【0030】
この開示によれば、人工呼吸器の回路の吸気リム302を介した吸気流304の送達によって、人工呼吸器300が吸気流レベルを制御することができる。たとえば、例示的な実施形態によれば、換気ガス317の毎分約3リットル(LPM)の流れは、たとえばT字型フィッティングまたはY字型(「Wye」)フィッティングの形をしたスプリッタ312を使用して、人工呼吸器300からの毎分約6リットル(LPM)の吸気流304から分離することができる。スプリッタ312によって分割されるガスの体積は、人工呼吸器300によって生成されるガスの初期体積に対して同量であってもよいし、同量でなくてもよい。吸気流304の一部を分流させ、それを使用して、連行エアロゾル240を患者に送達することによって、連行エアロゾル240の流量が毎分約6リットルから毎分約3リットルに減少し、乱れの弱いパターンを提供する。
【0031】
例示的な実施形態では、スプリッタ312は使用されず、
図7Cに示されるように、必要な体積の換気ガス317とキャリアガス316は別個の源によって提供されている。言い換えれば、酸素および空気の毎分約6リットルの最初の流れは、2つの別個の人工呼吸器によって供給される2つの別個の酸素源ラインおよび空気源ラインに分割される。換気ガス317の毎分約3リットル(LPM)の流れは人工呼吸器300によって個別に生成され、第2の人工呼吸器300は毎分約3リットル(LPM)の吸気流304を生成する。例示的な実施形態によれば、移行アダプタ100内での乱れの弱いパターンとの衝突が減少するので、エアロゾルの損失は最小限に抑えられる。たとえば、患者インタフェースにおいて毎分約3リットルの流量でより集中した連行エアロゾル240流れは、患者によって生成される予想ピーク吸気流に近く、したがって、より多くの薬物が患者に導かれる。例示的な実施形態によれば、現在の標準治療に従って、エアロゾルは、予想ピーク吸気流を超える毎分約6リットルの吸気流に追加されている。したがって、患者に導かれる単位体積あたりのエアロゾル化薬物の量は、本開示で説明する量よりも少ない。キャリアガス316は移行アダプタ100内でエアロゾルと混合し、その結果得られる連行エアロゾル240は、エアロゾル送達コネクタ330のエアロゾルポート336を介して患者インタフェース340に導かれる。他の毎分約3リットル(LPM)の吸気流304は、換気ガス流317である。例示的な実施形態では、換気ガス流は、最初に人工呼吸器300によって生成され、患者の吸気に利用可能である、毎分約6リットル(LPM)の全流量のために、換気ポート332でエアロゾル送達コネクタに入る。さらに、人工呼吸器300からの吸気流の全出力を加減することによって、システム200は、呼気時に人工呼吸器300に戻るガスの加減されていないおよび/または過剰な流れにより鳴ることができるアラームをトリガすることを回避する。吸気流、キャリアガス流、換気ガス流、および連行エアロゾル流れの値は、本明細書では例示として与えられており、特定の患者またはシステムに対応するために必要に応じて変更し割り当てることができることを理解されたい。
【0032】
図7Aに示される例示的な実施形態によれば、エアロゾル234は、たとえばDiscovery Laboratories,Incによって市販されているSurfaxin(登録商標)(ルシナクタント)肺サーファクタントなどの液剤212を含む薬物送達容器210から生成される。たとえば、液剤212は、未成年者の肺へのエアロゾルとしての送達に適合された肺サーファクタントもしくは他の任意の薬物製剤、または未成年者における呼吸促迫症候群(RDS)もしくは小児および成人における他の任意の疾患を治療するための薬剤を含むことができる。液剤212は、たとえば事前に分割可能なシリンジなどの用量容器の中に含有されてよい。
【0033】
例示的な実施形態によれば、液剤212は、最初に熱板/撹拌器上で用量容器を加熱して、エアロゾル発生器230への送達に望ましい粘度に製剤を液化することによって調製される。エアロゾル送達システム200は、エアロゾル発生器230の加熱キャピラリー232に一定かつ継続的な速度で用量容器から液剤212を供給するように構成され、液剤212は少なくとも部分的に揮発する。あるいは、液剤212は、たとえば水、緩衝液、または食塩水などの薬学的に許容できる適切な担体により固形剤(たとえば、凍結乾燥された医薬品製剤)を戻し、任意選択で加熱することによって調製される。あるいは、異なる薬物を含む複数の液剤212または薬物以外の補助物質たとえば複数のラインと共に薬学的に許容できる担体を含むリザーバは、必要に応じて設けることができる。
【0034】
液剤212は、フィルタの形をした流れライン220および高圧管配置222を介して、エアロゾル発生器230の加熱キャピラリー232の取り入れ口に送達される。あるいは、フィルタの形をしたフィードライン220および高圧管配置222は削除することができ、液剤212は、エアロゾル発生器230と直接接続することができる。
【0035】
エアロゾル発生器230は、電源から加熱器に電力を伝導する1対の電気導線(図示せず)を含むことができ、加熱器は、エアロゾル発生器230の加熱キャピラリー232に熱を伝達し、加熱キャピラリー232に導入された液剤212を少なくとも部分的に揮発させるのに十分な温度まで加熱キャピラリー232を加熱する。たとえば、少なくとも部分的に揮発された液剤212は、液体材料または製剤212を原子化するために制限具(restrictor)を介して動くことができる。液体材料は、好ましくは、液体材料源に接続された加熱キャピラリー232の取り入れ口を介して加熱キャピラリー232に導入される。少なくとも部分的に揮発した材料すなわちエアロゾル234は、加熱キャピラリーの排出口を通って加熱キャピラリー232から動かされ、たとえば、液剤212の源からの液体の背圧によって液体が排出口から排出される。あるいは、システム200は、加熱キャピラリー232と熱的に接触する加熱器ブロックを含むことができる。この加熱器ブロックは、たとえば参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第2008/0110458号に開示されているように、上部アセンブリと、エアロゾル234を生成するために加熱キャピラリー232を入れる下部アセンブリとを含むことができる。
【0036】
例示的な実施形態によれば、加熱キャピラリーは、その内容が参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,500,479号に開示されているチップ付きキャピラリーである。たとえば、米国特許第7,500,479号に開示されているように、加熱キャピラリーは、ドーム型(非開放的な)キャピラリー端または形成されたチップの形をした狭窄部を流通路の排出口すなわち遠位端に含むことができる。エアロゾル発生器230は、米国特許第5,743,251号および第7,040,314号に開示されているようなソフトミスト発生器であってよい。あるいは、エアロゾル発生器230は、超音波ネブライザまたは振動膜ネブライザまたは振動篩ネブライザであってよい。一実施形態では、エアロゾル発生器230は、Aeroneb(登録商標)業務用ネブライザ(Aerogen Inc.、Mountain View、Calif.、USA)である。あるいは、エアロゾル発生器230は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第2012/0003318号に開示されているように、定量噴霧式吸入器、液体用量点滴注入デバイス、または乾燥粉末吸入器であってよい。また、1つまたは複数のエアロゾル発生器230を使用することができる。
【0037】
図7Aに示されるように、エアロゾル234は、加熱キャピラリー232から出て移行アダプタ100に入る。移行アダプタ100は、エアロゾル234を受け入れることに加えて、キャリアガス316も受け入れ、キャリアガス316は、エアロゾル234の主な流れと平行に流れるキャリアガス316の複数の別個のストリームとして導入される。キャリアガス316の複数の別個のストリームは、移行アダプタ100の中のエアロゾル234を、連行エアロゾル240の形で移行アダプタ100から搬送する。
【0038】
上記で開示されたように、移行アダプタ100は、ハウジング110と、キャリアガス316の複数のストリームを受け入れるための複数の入口ポート154とを含み、キャリアガス316の複数のストリームは、対応する出口ポート156を通って、生成されたエアロゾルの主な方向と平行に出て、連行エアロゾル240を生成する。少なくとも(i)移行アダプタ100の外形と、(ii)移行アダプタ100の中のエアロゾル234およびキャリアガスの複数のストリームのためのポート254、256の配置とを含む移行アダプタ100の構成により、エアロゾル流れ234の主な方向と平行に流れるキャリアガス316の2つ以上のストリームは、エアロゾル流れ234を少なくとも部分的に取り囲み、このようにして形成された連行エアロゾル240を、移行アダプタ100を通って移行アダプタ100から連行エアロゾルチューブ318へと搬送する。移行アダプタ100のそのような構成は、移行アダプタ100の側壁上での、および接続エアロゾル送達構成要素または連行エアロゾル管318上での、エアロゾル234の衝突の量を最小限に抑える。
【0039】
一実施形態によれば、人工呼吸器300は、吸気ライン302と呼気ライン360と患者インタフェース340と呼気終末陽圧源(PEEP弁または水柱)とからなる、呼吸補助に使用される一定流量CPAP/人工呼吸器回路である。一例として、人工呼吸器300は、ガスの吸気ストリーム304を、ラインまたは吸気リム302を介してスプリッタ312に送達する。スプリッタ312は、換気ガス302の吸気ストリームの流れを2つのライン314および315に分割し、ライン314および315はそれぞれ、キャリアガス316および換気ガス317を含む。例示的な実施形態によれば、スプリッタ312は、人工呼吸器の吸気リム302を2つのライン314および315に分割する「Y字型」(Wye)フィッティングまたは「T字型」フィッティングである。別の例示的な実施形態では、換気ガス317の毎分約3リットル(LPM)の流れとキャリアガス316の毎分約3リットル(LPM)の流れは両方とも、2つの人工呼吸器によって個別に生成することができる。キャリアガス316はキャリアガスライン314を介して移行アダプタ100に送達され、換気ガス317は換気ガスライン315を介してエアロゾル送達コネクタ330に送達される。キャリアガス316は、エアロゾル234を冷却し、層流パターンで連行しながら、移行アダプタ100を通過する。連行エアロゾル240は、エアロゾル送達コネクタ330に効率的に搬送され、乱れが最小限に抑えられるので衝突により潜在的に損失される可能性があるエアロゾルの量を減少させる。この実施形態で生成されるエアロゾルの相対温度は、加熱キャピラリー232を出たエアロゾル234が移行アダプタ100の中でキャリアガス316(ほぼ40℃+/−5℃に加熱された)と合流するところで約40℃〜80℃、好ましくは40℃〜60℃であるので、キャリアガス316は、濃縮により潜在的に損失する可能性があるエアロゾル234の量を減少させる。連行エアロゾルチューブ318は、移行アダプタ100の出口で20℃〜25℃の初期温度を有する。エアロゾル234の温度は60℃よりも高くすることができること、およびキャリアガス316の温度は、エアロゾル234の最適な濃度を維持するために上方に調整することができることを理解されたい。
【0040】
例示的な実施形態では、換気ガス317は、エアロゾル送達コネクタ330に入る前に約38℃に加湿される。エアロゾル送達コネクタ330に入る連行エアロゾル240の温度およびエアロゾル送達コネクタ330を出る連行エアロゾル240の温度は、約35℃〜40℃の範囲内で維持される。例示的な実施形態では、人工呼吸器の吸気流304が加湿される。例示的な実施形態では、加湿されていない換気ガスを使用することができる。
【0041】
たとえば、新生児の用途では、合計毎分約6リットル(LPM)という呼気ガスの流量は、キャリアガス316に対する毎分約3リットル(LPM)と、換気ガス317に対する毎分約3リットル(LPM)に分割される。図示のように、Y字型フィッティングまたはT字型フィッティング312の1つのリムは、キャリアガスチューブ314を介して移行アダプタ100に接続される。他方のリムすなわちY字型フィッティング312からの換気ガス317は加湿され、換気ガスチューブ315を通ってエアロゾル送達コネクタ330の換気ポート332に伝わる。成人の用途では、Y字型フィッティング312は、毎分約10〜120リットル(LPM)の流量を、約5〜100LPMと約115〜20LPMの2つのリムに分割する。
【0042】
例示的な実施形態によれば、キャリアガスライン314は移行アダプタ100に接続され、約3ミリメートル〜12ミリメートルの直径を有する。換気ガスチューブ315は、たとえば、約10または12ミリメートルの直径を有し、約15ミリメートルの円錐端コネクタを持つ波形の管である。
連行エアロゾル240は、移行アダプタ100の出口ポート170からエアロゾル管318へと導かれ、エアロゾル管318は流体トラップ320を通る妨害されていない流れを提供し、流れの薄層状パターンを維持し、連行エアロゾル240の衝突を減少させる。たとえば、流体トラップ320をエアロゾル送達コネクタ330に接続する連行エアロゾル管318は、直径が約10mm〜15mmであってよく、好ましくは波状であってよい。例示的な実施形態によれば、連行エアロゾル管318の長さは約40cm〜約100cmである。たとえば、流体トラップ320は少なくとも60ミリリットルの容量を有してよく、気道は直径が約15〜22ミリメートルの流体トラップ320を通る。
【0043】
図7Aに示されるように、流体トラップ320は、移行アダプタ100とエアロゾル送達コネクタ330の間に位置し、濃縮液体または連行エアロゾル240からの液体を閉じ込めるように構成される。例示的な実施形態によれば、連行エアロゾルチューブ318からエアロゾル送達コネクタ330および患者インタフェース340に入る連行エアロゾル240は、約35℃〜39℃の温度を有する。流体トラップ320の気道の妨害は最小限であり、流体トラップ320の出口に接続された連行エアロゾルチューブ318は、層流を維持し衝突を減少させる、エアロゾル送達コネクタ330への妨害されていない経路を提供する。
【0044】
たとえば、例示的な実施形態によれば、連行エアロゾルチューブ318の長さは、暖かいエアロゾル234を所望のまたは好ましい患者インタフェースエアロゾル温度に冷却するように選択される。さらに、エアロゾル送達コネクタ330に入る、換気ガスライン315の中を流れる加湿空気も、好ましくは、加湿デバイス350によって約35℃〜40℃に制御される。例示的な実施形態によれば、加湿デバイス350は、コネクタ312(たとえば、Wyeフィッティング)とエアロゾル送達コネクタ330の間に置くことができる。
例示的な実施形態によれば、移行アダプタ100は、キャリアガス316によって搬送されるエアロゾル240の、流体トラップ320を通って連行エアロゾル管318へのスムーズな移行部を提供し、これによって、生成されたエアロゾル234の移行アダプタ100および関連する管の壁上での衝突が最小限に抑えられる。さらに、エアロゾルストリーム234内のより少数の大きな粒子は、移行アダプタ100の内側表面および管壁に衝突し、この結果、エアロゾル化薬物のための、直径が約1.5μm〜3.5μmの連行エアロゾル240の平均粒径が得られる。
【0045】
例示的な実施形態によれば、吸気流304の分割は、毎分約6リットル(LPM)の源流量に対するキャリアガス316の毎分約3リットル(LPM)および換気ガス317の毎分約3リットル(LPM)(たとえば、3/3の分割)から、キャリアガスチューブ314を通って移行アダプタ100に流れる毎分約4リットル(LPM)の流れと換気ガスチューブ315および加湿器350を通過する毎分約2リットルによる4/2の分割に変化してよい。さらに、この分割比は、エアロゾル濃度および粒子/液滴密度に応じて、4/2または5/1の比に変更されてよい。たとえば、3/3〜5/1の比の範囲を使用することができ、呼気ガス(または「酸素/空気」)の毎分約3〜5リットル(LPM)がキャリアガスチューブ314を通過して移行アダプタ100まで通る。移行アダプタ100を通過する、より高いレベルのキャリアガスでは、移行アダプタ100内のガス出口ポート156の数は増加することができ、かつ/またはガス入口ポート154および/もしくはガス出口ポート156の直径は、より多い流量に対応するように増加することができる。たとえば、成人の治療用途で人工呼吸器300からの吸気流304を増加させるとき、キャリアガス316のより大きい流量が、連行エアロゾル240のより大きな層流を提供することができる。
【0046】
エアロゾル送達コネクタ330は、連行エアロゾル240を送達するように構成され、換気ガス317は、呼気終末陽圧(PEEP)を、付随する陽圧換気を備えた患者インタフェース340にエアロゾル化活性剤として提供する。たとえば、コネクタ330は、その全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第2011/0011395号に開示されているようなものであってよい。
図7Aに示されるように、換気ガス317は、換気ガスチューブ315を通り、加湿器350を通過して、エアロゾル送達コネクタ330の換気ポート332に伝わる。さらに、連行エアロゾル240は、連行エアロゾルチューブ318を通って、エアロゾル送達コネクタ330のエアロゾルポート334に伝わる。流れ317および240は、患者の吸気流が連行エアロゾル240の流れを超えたとき互いと混和され、患者ポート336を介して、患者インタフェース340を通って、患者に送達される。患者の吸気流が連行エアロゾル240の流れ以下である場合、換気流317は、連行エアロゾル240と混和されず、呼気終末陽圧(PEEP)を提供する目的でエアロゾル送達コネクタ330を通って流れる。
【0047】
例示的な実施形態によれば、エアロゾル送達コネクタ330は、呼気流362がフィルタ(図示せず)を通過した後で呼気流362を人工呼吸器300に戻す呼気チューブ360と接続された呼気ポート338も含む。たとえば、毎分約6リットル(LPM)の吸気流304では、呼気流362は毎分約6リットル(LPM)とすることができる。
別の実施形態では、
図7Bおよび
図7Cに示されるように、バブルCPAPにおいて、呼気流362は人工呼吸器300に戻されず、水浴またはリザーバ370などの背圧源に導かれる。
【0048】
エアロゾル化薬物による治療法が完了するとき、エアロゾル発生器230は一時停止またはオフにすることができ、換気ガス療法は、連行エアロゾルライン318(キャリアガスのみで満たされていた)および/または換気ガスライン315の2つのラインのどちらか、または両方を使用して、エアロゾル送達コネクタ330を通って引き続き存在することができる。例示的な実施形態によれば、
図8に示されるように、スプリッタは閉鎖具372によってキャップが被され、エアロゾル送達コネクタは閉鎖具374によってキャップが被され、閉鎖具374は、回路から連行エアロゾルチューブおよびキャリアガスチューブを除去し、換気ガスライン315は、呼気ガスの全容量を患者に送達するために使用される。
図8では、バブルCPAPが示されているが、吐出ガスが人工呼吸器または他の任意の換気回路に戻す閉鎖型回路CPAPガスを使用することができることを理解されたい。2つの人工呼吸器300(たとえば、
図7Cに示されるような)を有する別の例示的な例では、チューブ内でのエアロゾルの流れは、単にエアロゾルチューブをエアロゾル送達コネクタ330から取り除き、エアロゾル送達コネクタにキャップを施すことによって一時停止することができる。
【0049】
患者インタフェース340は、行われるべき人工呼吸器補助の種類に対応するように選択される。たとえば、制御された、支援された、または間欠的な換気などの侵襲的用途は、気管内チューブまたは気管切開チューブを患者インタフェース340として利用する。CPAPまたはBI−PAPなどの非侵襲的用途は、鼻プロングもしくは鼻咽頭チューブ、または患者インタフェース340として鼻もしくは鼻と口の両方を覆うマスクを利用してよい。一実施形態によれば、患者インタフェース340は、コネクタ330に直接接続される。他の実施形態では、管またはコンジット344のある長さは、コネクタ330の患者ポート336と患者インタフェース340の間に導入されてよい。
【0050】
図9Aは、対応する通路158の遠位端に出口ポート156が配置される例示的な実施形態による、ガス接続ポート150を示す、
図1に示されている移行アダプタ100の側面図である。
図9Aに示されるように、キャリアガス接続ポート150は、人工呼吸器300からキャリアガスライン314を受け入れるように構成される。キャリアガス接続ポート150は、円筒状断面152と、それぞれが対応する出口ポート156と連通する複数のガス入口ポート154とを有する。出口ポート156のそれぞれは、移行アダプタ100の内部空洞170にキャリアガスのストリームを送達する。たとえば、
図9Aに示されるように、複数のガス入口ポート154は数が3とすることができ、垂直な線または直線の形で互いに対して配置することができる。
【0051】
図9Bは、例示的な実施形態による、
図9Aに示されている移行アダプタ100の端面図である。
図9Bに示されるように、移行アダプタ100の遠位端130は、均一な内径176を有することができる。例示的な実施形態によれば、複数の出口ポート156は、内部空洞170の近位部分172の中で円錐部分180に沿って配置することができる。人工呼吸器300からキャリアガス316のストリームを受け入れるための複数のガス入口ポート154は、少なくとも3つの入口ポート154を有することができ、少なくとも3つの入口ポート154のそれぞれは、ガス316のストリームを、内部空洞170の円錐形部分180の中に位置する対応するガス出口ポート156に導く。ガス出口ポート156は、通路158の遠位端に配置され、キャリアガス接続ポート140の中に位置するガス入口ポート154から延在する。例示的な実施形態によれば、通路158の遠位端におけるガス出口ポート156の配置にオフセットがない場合、3つのガス出口ポート156は、その製造に対応するために、エアロゾル通路140のまわりで互いに対して約100度〜140度まで変化することができる。たとえば、
図9Bに示されるように、3つの出口ポート156のうち2つは、互いに対して約138度である。
【0052】
図9Cは、
図9Aに示されている移行アダプタ100の、線B−Bに沿った断面図である。
図9Cに示されるように、複数のガス入口ポート154はそれぞれ、複数の通路158を介して、対応する出口ポート156と連通する。通路158は、ガス入口ポート154から対応するガス出口ポート156まで延在する。例示的な実施形態によれば、通路158は円筒状である。本実施形態によれば、3つの出口ポート156のそれぞれは、対応する通路158の遠位端に位置するかまたは配置される。
【0053】
図9Dは、
図9Dに示されている移行アダプタ100の、線C−Cに沿った断面図である。
図9Dに示されるように、通路158のそれぞれは、キャリアガス接続ポート150からエアロゾル通路140の方へ内側に延在することができ、次いで、移行部は、内部空洞170の方へ内側に延在することができる。通路158のそれぞれは、入口ポート154から移行部まで延在する近位部分と、移行部から出口ポート156まで延在する遠位部分とを有する。近位部分から遠位部分までの通路158の移行部は互いに直角であることができ、または別法として、移行部は丸くてもよいし、それに対する湾曲を有してもよい。
図9Dに示されるように、内部空洞170は、エアロゾル通路140からハウジング110の遠位端130の方へ外側に延在する円錐形切断面を有する近位部分172を有する。例示的な実施形態によれば、内部空洞170の遠位部分174は、ややテーパの施された内径を有することができる。例示的な実施形態によれば、複数の対応するガス出口ポート156は、内部空洞170の近位部分172の中に配置される。
図9Eは、
図9Aに示されている移行アダプタの、線A−Aに沿った断面図である。
図9Eに示されるように、通路158は、キャリアガス接続ポート150からエアロゾル通路140の方へ内側に延在することができ、次いで、移行部は、内部空洞170の方へ内側に延在することができる。
【0054】
図10Aは、別尾例示的な実施形態による移行アダプタ400の斜視図である。
図10Aに示されるように、移行アダプタ400は、近位端420と遠位端430とを有するハウジング410を含む。近位端420は、エアロゾル発生器230(
図7A〜
図7B)の加熱キャピラリー232(
図7A〜
図7B)によって生成されたエアロゾル234を受け入れるためのエアロゾル通路440を有する。エアロゾル通路440は、好ましくは、加熱キャピラリー232の遠位端(
図7A〜
図7B)への接続を含む結合ポート442を含む。エアロゾル234は、エアロゾル234がキャリアガス316の平行ストリームによって少なくとも部分的に取り囲まれて前方に搬送されるエアロゾル通路440を通って移行アダプタ400内部の内部空洞470(
図10Bおよび
図10C)に入り、キャリアガス316の平行ストリームは、ガス源または人工呼吸器300から生じ、複数のガス入口ポート454(
図10C)を通って移行アダプタに導入され、エアロゾル234とキャリアガス316の混合物である連行エアロゾル240(
図7A〜
図7B)を形成する。例示的な実施形態によれば、ガス源300(
図7A〜
図7B参照)は、持続陽圧気道圧(CPAP)人工呼吸器であり、CPAP人工呼吸器は吸気流302を発生させ、濾過された呼気流362(
図7A〜
図7B)を受け入れる。
【0055】
図10Aに示されるように、エアロゾル通路440は結合ポート442を有し、結合ポート442は、エアロゾル発生器230の加熱キャピラリー232の遠位端を受け入れ、ハウジング410の近位端420上の空洞444の中に配置される。例示的な実施形態によれば、空洞444は、エアロゾル結合端壁446と、1対の端側壁447とを含むことができる。例示的な実施形態によれば、エアロゾル結合端壁446は1対の端側壁447と比較してくぼんでおり、これによって、圧縮リングシールまたはOリングシール(図示せず)を空洞444の凹部部分の中に配置することが可能になる。この圧縮リングシールまたはOリングシールは、エアロゾル発生器230によって生成されたエアロゾル234をエアロゾル通路440内に導く。例示的な実施形態によれば、エアロゾル端壁446は、その幅よりも大きい高さを有する略長方形である。エアロゾル端壁446の高さは側端壁447のそれぞれの高さよりもやや大きく、これによって、空洞444の中に第2の空洞445が形成される。第2の空洞445は、圧縮リングシールまたはOリングシールを受け入れるのに十分な深さを持つ略長方形の形状を有する。
【0056】
例示的な実施形態によれば、側端壁447のそれぞれは、エアロゾル発生器230の遠位端を移行アダプタ400に固着する1つまたは複数の開口または穴449を含むことができる。空洞444は、エアロゾル結合端壁446の外縁および側端壁448から外側に延在して略長方形空洞444を形成する複数の側壁448も含む。例示的な実施形態によれば、空洞444は、エアロゾル発生器230の遠位端をエアロゾル通路440の結合ポート442に結合する安全な方法を提供するように構成される。エアロゾル通路440は、移行アダプタ400の内部空洞470(
図10Bおよび
図10C)と連通する。
【0057】
例示的な実施形態によれば、ハウジング410の近位端420はフランジ412を含む。フランジ412は、エアロゾル発生器230の遠位部分に取り付け可能であるように構成できる1つまたは複数の開口または穴414を含むことができる。ハウジング410はキャリアガス接続ポート450も含み、キャリアガス接続ポート450は、フランジ412の面に垂直に延在することができ、キャリアガスライン314(
図7A〜
図7B)を受け入れるように構成される。ガスライン314は、キャリアガス316(
図7A〜
図7B)のストリームを人工呼吸器300から移行アダプタ400に運ぶ。
図10Bは、例示的な実施形態による、
図10Aに示されている移行アダプタの別の斜視図である。
図10Bに示されるように、移行アダプタ400のハウジング410は円筒状本体416を含み、本体116は、人工呼吸器300(
図7A〜
図7B)からキャリアガスライン314を介してキャリアガス316を受け入れるためのキャリアガス接続ポート450を含む。キャリアガス接続ポート450は、通路458を介して複数のガス入口ポート454および複数の対応するガス出口ポート456と連通する円筒状断面452を有する(
図10C)。ガス出口ポート456のそれぞれは、移行アダプタ400の内部空洞470にキャリアガス316のストリームを送達する。
【0058】
図10Cは、例示的な実施形態による、
図10Aおよび
図10Bに示されている移行アダプタの部分切欠図である。
図10Cに示されるように、エアロゾル通路440は、加熱キャピラリー232からのエアロゾル234と複数のガス出口ポート456からのキャリアガス316のストリームを受け入れてキャリアガス316のストリームをエアロゾル234の流れの主な方向と平行に流れるように導く内部空洞470と連通する。キャリアガス316のストリームは、内部空洞内部のエアロゾル流路を少なくとも部分的に取り囲み、エアロゾル234を遠位端430の方へ搬送し、したがって、連行エアロゾル240が内部空洞470の内部で作製される。連行エアロゾル240は、遠位端430で出口ポート460を通って移行アダプタ400を出て、エアロゾルチューブ318(
図7A〜
図7B)に流れ込む。
【0059】
図10Cに示されるように、内部空洞470は、エアロゾル通路440からハウジング410の遠位端430の方へ外側に延在する円錐形切断面480を有する近位部分472を有する。例示的な実施形態によれば、内部空洞470の近位部分472の円錐形切断面480の壁は、約45度〜約75度の角度を形成する(たとえば、約60度の円錐)。内部空洞470の遠位部分474は、ややテーパの施された内径も有することができる。例示的な実施形態によれば、複数の対応するガス出口ポート456は、内部空洞470の近位部分472の中で円錐形切断面480に沿って配置される。
【0060】
例示的な実施形態によれば、人工呼吸器300からキャリアガス316を受け入れるための複数のガス入口ポート454は、少なくとも2つの入口ポート454、好ましくは少なくとも3つの入口ポート454またはそれ以上を有し、それによって、キャリアガスを複数のキャリアガスストリームに分割する。入口ポート454のそれぞれから、キャリアガス316のストリームは、内部空洞470の円錐形切断面480の中にある、対応する数のガス出口ポート456にさらに導かれる。例示的な実施形態によれば、ガス出口ポート456は、キャリアガス316のストリームがエアロゾル通路440から送達されたエアロゾル234の主な流れを少なくとも部分的に取り囲み、エアロゾル234の主な流れと平行に流れるように、キャリアガス316の複数のストリームを送達する。エアロゾル234は、主な方向から移行アダプタ400から出口の方へ曲がるスプレーを持つプルームを有してよいので、「エアロゾルの主な流れ」という用語は、キャリアガス316が流れる方向を示すために使用される。例示的な実施形態によれば、複数のガス出口ポート456は、エアロゾルが円錐形切断面480に入ってガス出口ポート456を出た後で複数のキャリアガスストリーム316がエアロゾル234の流れを少なくとも部分的に取り囲むパターンで、エアロゾル通路440からある距離のところに置かれる。
【0061】
例示的な実施形態によれば、複数の出口ポート456のそれぞれは直径が約1〜10ミリメートルであり、エアロゾル234が移行アダプタ400のハウジング410に入る中央の軸方向に延在するエアロゾル通路443から約3〜20ミリメートルの半径のところにある。移行アダプタ400の遠位端474にある出口ポート460は、たとえば約22mm〜50mmの内径476を有する流れチャネルを形成する。
図11Aは、別の例示的な実施形態による移行アダプタ500の斜視図である。
図11Aに示されるように、移行アダプタ500は、近位端520と遠位端530とを有するハウジング510を含む(
図11B〜
図11D)。近位端520は、エアロゾル発生器230(
図7A〜
図7B)の加熱キャピラリー232(
図7A〜
図7B)によって生成されたエアロゾル234を受け入れるためのエアロゾル通路540を有する。エアロゾル通路540は、好ましくは、加熱キャピラリー232の遠位端(
図7A〜
図7B)への接続を含む結合ポート542を含む。エアロゾル234は、エアロゾル234がキャリアガス316の平行ストリームによって少なくとも部分的に取り囲まれて前方に搬送されるエアロゾル通路540を通って移行アダプタ500内部の内部空洞570に入り、キャリアガス316の平行ストリームは、ガス源または人工呼吸器300から生じ、複数のガス入口ポート554(
図11C)を通って移行アダプタに導入され、エアロゾル234とキャリアガス316の混合物である連行エアロゾル240(
図7A〜
図7B)を形成する。
【0062】
図11Bは、例示的な実施形態による、
図11Aに示されている移行アダプタの端面図である。
図11Bに示されるように、移行アダプタ500のハウジング510は、人工呼吸器300(
図7A〜
図7B)からキャリアガスライン314を介してキャリアガス316を受け入れるためのキャリアガス接続ポート550を含む。キャリアガス接続ポート550は、少なくとも通路558を介して複数のガス入口ポート554および複数の対応するガス出口ポート556と連通する円筒状断面552を有する(
図11C)。ガス出口ポート556のそれぞれは、移行アダプタ500の内部空洞570にキャリアガス316のストリームを送達する。
【0063】
図11Cは、例示的な実施形態による、
図11Aおよび
図11Bに示されている移行アダプタの断面図である。
図11Cに示されるように、エアロゾル通路540は結合ポート542を有し、結合ポート542は、エアロゾル発生器230の加熱キャピラリー232の遠位端を受け入れ、ハウジング500の近位端520上のフランジまたはエアロゾルハウジング512の中に配置される。フランジまたはエアロゾルハウジング512は、エアロゾル発生器230を受け入れるように構成された内部部分すなわち空洞514を有する。例示的な実施形態によれば、フランジまたはエアロゾルハウジング512の内部部分すなわち空洞514は、たとえば、任意の適切な幾何学的形状、好ましくは長方形断面、円筒状断面、または三角形断面を有する形状を有することができる。例示的な実施形態によれば、フランジまたはエアロゾルハウジング512の内部部分514は、圧縮リングシールまたはOリングシール(図示せず)をフランジまたはハウジング512の凹部部分の中に配置することを可能にするように構成される。この圧縮リングシールまたはOリングシールは、エアロゾル発生器230によって生成されたエアロゾル234をエアロゾル通路540内に導く。空洞514の内部部分すなわち空洞514は、エアロゾル発生器230の遠位端をエアロゾル通路542の結合ポート540に結合する安全な方法を提供するように構成される。エアロゾル通路540は、移行アダプタ500の内部空洞570(
図11C)と連通する。
【0064】
図11Cに示されるように、エアロゾル通路540は、加熱キャピラリー232からのエアロゾル234と複数のガス出口ポート556からのキャリアガス316のストリームを受け入れてキャリアガス316のストリームをエアロゾル234の流れの主な方向と平行に流れるように導く内部空洞570と連通する。キャリアガスストリーム316は、内部空洞内部のエアロゾル流路を少なくとも部分的に取り囲み、エアロゾル234を遠位端530の方へ搬送し、したがって、連行エアロゾル240が内部空洞570の内部で作製される。連行エアロゾル240は、遠位端530で出口ポート560を通って移行アダプタ500を出て、エアロゾルチューブ318(
図7A〜
図7B)に流れ込む。
【0065】
内部空洞570は、エアロゾル通路540からハウジング510の遠位端530の方へ外側に延在する円錐形切断面580を有する近位部分572を有する。例示的な実施形態によれば、内部空洞570の近位部分572の円錐形切断面580の壁は、約45度〜約75度の角度を形成する(たとえば、約60度の円錐)。内部空洞570の遠位部分574は、ややテーパの施された内径も有することができる。例示的な実施形態によれば、複数の対応するガス出口ポート556は、内部空洞570の近位部分572の中で円錐形切断面580に沿って配置される。
【0066】
例示的な実施形態によれば、ガス出口ポート556は、キャリアガスの複数のストリームがエアロゾル通路540から送達されたエアロゾル234の主な流れを少なくとも部分的に取り囲み、エアロゾル234の主な流れと平行に流れるように、キャリアガスの複数のストリームを送達する。エアロゾルは、主な方向から移行アダプタから出口の方へ曲がるスプレーを持つプルームを有してよいので、「エアロゾルの主な流れ」という用語は、キャリアガス316が流れる方向を示すために使用される。例示的な実施形態によれば、複数のガス出口ポート556は、エアロゾルが円錐形切断面580に入ってガス出口ポート556を出た後で複数のキャリアガスストリーム316がエアロゾル234の流れを少なくとも部分的に取り囲むパターンで、エアロゾル通路540からある距離のところに置かれる。
【0067】
図11Dに示されるように、人工呼吸器300からキャリアガス316を受け入れるための複数のガス入口ポート554は、少なくとも2つの入口ポート554、好ましくは少なくとも3つの入口ポート554またはそれ以上を有し、それによって、キャリアガス316を複数のキャリアガスストリームに分割する。入口ポート554から、キャリアガスのストリームは、内部空洞570の円錐形切断面580の中にある、対応する数のガス出口ポート556にさらに導かれる。
例示的な実施形態によれば、複数の出口ポート556のそれぞれは直径が約1〜10ミリメートルであり、エアロゾル234が移行アダプタ500のハウジング510に入る中央の軸方向に延在するエアロゾル通路543から約3〜20ミリメートルの半径のところにある。移行アダプタ500の遠位端574にある出口ポート560は、たとえば約22mm〜50mmの内径576を有する流れチャネルを形成する。
【0068】
図12Aは、別の例示的な実施形態による移行アダプタ600の斜視図である。
図12Aに示されるように、移行アダプタ600は、近位端620と遠位端630とを有するハウジング610を含む。近位端620は、エアロゾル発生器230(
図7A〜
図7B)の加熱キャピラリー232(
図7A〜
図7B)によって生成されたエアロゾル234を受け入れるためのエアロゾル通路640(
図12D)を有する。エアロゾル通路640は、好ましくは、加熱キャピラリー232の遠位端(
図7A〜
図7B)への接続を含む結合ポート642を含む。エアロゾル234は、エアロゾル234がキャリアガス316の平行ストリームによって少なくとも部分的に取り囲まれて前方に搬送されるエアロゾル通路640を通って移行アダプタ600内部の内部空洞670に入り、キャリアガス316の平行ストリームは、ガス源または人工呼吸器300から生じ、複数のガス入口ポート656(
図12B)を通って移行アダプタに導入され、エアロゾル234とキャリアガス316の混合物である連行エアロゾル240(
図7A〜
図7B)を形成する。
【0069】
図12Bは、例示的な実施形態による、
図12Aに示されている移行アダプタ600の端面図である。
図12Bに示されるように、移行アダプタ600の遠位端630は、内部空洞670を有する。内部空洞670は、エアロゾル通路640からハウジング610の遠位端630の方へ外側に延在する円錐形切断面680を有する近位部分672を有する。ガス源または人工呼吸器300は、連行エアロゾル240を形成するためにエアロゾルポート640を囲む複数のガス出口ポート656を通って、内部空洞670に導入される。
図12Cは、例示的な実施形態による移行アダプタ600の側面図である。
図12Cに示されるように、移行アダプタ600のハウジング610は、人工呼吸器300(
図7A〜
図7B)からキャリアガスライン314を介してキャリアガス316を受け入れるためのキャリアガス接続ポート650を含む。
【0070】
図12Dは、
図12Cに示されている移行アダプタの、線A−Aに沿った断面図である。
図1に示されるように、エアロゾル通路640は結合ポート642を有し、結合ポート142は、エアロゾル発生器230の加熱キャピラリー232の遠位端を受け入れ、移行アダプタ600の近位端620上のエアロゾルハウジング612の中に配置される。エアロゾルハウジング612は、エアロゾル発生器230を受け入れるように構成された内部部分すなわち空洞614を有する。例示的な実施形態によれば、エアロゾルハウジング614の内部部分すなわち空洞612は、たとえば、任意の適切な幾何学的形状、好ましくは長方形断面、円筒状断面、または三角形断面を有する形状を有することができる。例示的な実施形態によれば、フランジまたはエアロゾルハウジング612の内部部分614は、圧縮リングシールまたはOリングシール(図示せず)をフランジまたはハウジング612の凹部部分の中に配置することを可能にするように構成される。この圧縮リングシールまたはOリングシールは、エアロゾル発生器によって生成されたエアロゾルをエアロゾル通路640内に導く。内部部分または空洞614は、エアロゾル発生器230の遠位端をエアロゾル通路640の結合ポート642に結合する安全な方法を提供するように構成される。エアロゾル通路640は、移行アダプタ600の内部空洞670と連通する。
【0071】
図12Dに示されるように、キャリアガス接続ポート650は、ガス源300と連通する円筒状断面652を有し、円筒状断面652は、単一のガス入口ポート654を介して内部空洞670に導入することができる。単一のガス入口ポート654は、内部空洞670の円錐形切断面680に沿って複数の開口または出口ポート656と連通する単一のガス通路658と連通する。例示的な実施形態によれば、内部空洞670の近位部分672の円錐形切断面680の壁は、約45度〜約75度の角度を形成する(たとえば、約60度の円錐)。内部空洞670の遠位部分674は、ややテーパの施された内径も有することができる。例示的な実施形態によれば、複数の対応するガス出口ポート656は、内部空洞670の近位部分672の中で円錐形切断面680に沿って配置される。
【0072】
図12Eは、
図12Cに示されている移行アダプタ600の、線B−Bに沿った断面図である。
図12Eに示されるように、キャリアガス接続ポート650は、ガス源300と連通する円筒状断面652を有し、円筒状断面652は、単一のガス入口ポート654を介して内部空洞670に導入することができる。単一のガス入口ポート654は、円錐形切断面680に沿って複数の開口または出口ポート656と連通する単一のガス通路658と連通する。
【0073】
例示的な実施形態によれば、移行アダプタ100、400、500、600内部のキャリアガス通路158、458、558、658のそれぞれの長さは、キャリアガスの速度および体積の均一性を保証するためにほぼ同じように選択される。
さまざまな実施形態を開示してきたが、当業者には明らかであるように、変形形態および変更形態を用いてよいことを理解されたい。特に、移行アダプタの外部形状は、内部構造に影響を与えることなく修正することができる。そのような変形形態および変更形態は、本明細書に添付の特許請求の範囲に含まれると考えるべきである。