(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1、2の閉鎖弁取付部材は、ケーシングを前方から見た際に、全体として水平に延びる直線状をなしている。ここで、ケーシング内における閉鎖弁の配置は、ケーシング内に引き込まれて接続される冷媒連絡管の長さや曲げ形状等を考慮した位置に設定されており、これに伴い、閉鎖弁取付部材の上下方向位置も閉鎖弁の支持に適した上下方向位置に設定されている。
【0005】
このような閉鎖弁取付部材では、圧縮機の前側を横切る部分が電気接続用のターミナルや配管接続用の吐出ノズル等の圧縮機の付属部品に重なる場合があり、圧縮機の前方からターミナルへの電気接続や吐出ノズルへの配管接続(圧縮機に対する各種作業)を行う際に、圧縮機の前側を横切る部分が邪魔になって作業空間を確保することができず、室外ユニットの組み立て時や点検時の作業性を損なうおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、ケーシング内に圧縮機及び閉鎖弁が配置されており、ケーシングを所定方向から見た際に圧縮機の前方を横切るように配置されるとともに閉鎖弁を支持する閉鎖弁取付部材が設けられた室外ユニットにおいて、圧縮機の前方からの作業空間を確保できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点にかかる室外ユニットは、ケーシング内に圧縮機及び閉鎖弁が配置されており、ケーシングを所定方向から見た際に圧縮機の前方を横切るように配置されるとともに閉鎖弁を支持する閉鎖弁取付部材が設けられた室外ユニットである。閉鎖弁取付部材は、ケーシングを前方から見た際に圧縮機の前側を横切る圧縮機対向部と、閉鎖弁を支持する閉鎖弁支持部と、圧縮機対向部と閉鎖弁支持部との間に上下方向の段差が形成されるように圧縮機対向部と閉鎖弁支持部との間を繋ぐ接続部と、を有している。
【0008】
ここでは、上記のような接続部によって、圧縮機に対する各種作業を行う際に、圧縮機の前側を横切る圧縮機対向部を作業の邪魔にならない上下方向位置になるように配置することができる。
【0009】
これにより、ここでは、ケーシング内に圧縮機及び閉鎖弁が配置されており、ケーシングを所定方向から見た際に圧縮機の前方を横切るように配置されるとともに閉鎖弁を支持する閉鎖弁取付部材が設けられた室外ユニットにおいて、圧縮機の前方からの作業空間を確保することができる。
【0010】
尚、このとき、閉鎖弁支持部の上下方向位置も圧縮機対向部と同じ上下方向位置にすることで、従来と同様の段差のない形状(水平に延びる直線状)にすることも考えられる。しかし、このようにすると、閉鎖弁の上下方向位置も変える必要があるため、ケーシング内に引き込まれて接続される冷媒連絡管の長さや曲げ形状等を従来と異なるものとなり、室外ユニットの更新時に、冷媒連絡管をそのまま流用することができず、冷媒連絡管の形状や長さを調整する作業が必要になる等の手間が発生することになる。これに対して、ここでは、上記のような接続部を採用することによって、閉鎖弁支持部、ひいては閉鎖弁の上下方向位置を従来と同じ位置に維持することができ、上記のような不都合が発生しないようにできる。
【0011】
第2の観点にかかる室外ユニットは、第1の観点にかかる室外ユニットにおいて、接続部は、圧縮機対向部の上下方向位置を閉鎖弁支持部の上下方向位置よりも低くする上下方向の段差を形成している。
【0012】
ここでは、圧縮機対向部の上側に作業空間が形成されるような段差を形成することができるため、圧縮機の作業対象部分に対して斜め上方からアクセスすることができるようになり、作業性を向上させることができる。
【0013】
第3の観点にかかる室外ユニットは、第1又は第2の観点にかかる室外ユニットにおいて、閉鎖弁取付部材は、圧縮機対向部、閉鎖弁支持部、及び、接続部が一体に形成された部材である。
【0014】
ここでは、上記のように、閉鎖弁取付部材が3つの部分(圧縮機対向部、閉鎖弁支持部、及び、接続部)が一体に形成された部材であるため、部品点数を削減することができ、また、各部同士の取り付けが不要になる。
【0015】
これにより、ここでは、閉鎖弁取付部材を室外ユニットに取り付ける際の作業性を向上させることができる。
【0016】
第4の観点にかかる室外ユニットは、第1〜第3の観点のいずれかにかかる室外ユニットにおいて、接続部は、閉鎖弁取付部材の全体形状をS字形状にする上下方向の段差を形成している。
【0017】
ここでは、上記のように、閉鎖弁取付部材の全体形状をS字形状にしているため、閉鎖弁取付部材を板状の素材から製造する際に、金型での展開面積を小さくして量産しやすいものにすることができる。
【0018】
第5の観点にかかる室外ユニットは、第1〜第4の観点のいずれかにかかる室外ユニットにおいて、圧縮機は、電気接続用のターミナルを有しており、接続部は、ケーシングを前方から見た際に圧縮機対向部がターミナルに重ならないようにする上下方向の段差を形成している。
【0019】
ここでは、上記のような接続部によって、ターミナルへの電気接続作業を行う際に、圧縮機の前側を横切る圧縮機対向部を作業の邪魔にならない上下方向位置になるように配置することができる。
【0020】
第6の観点にかかる室外ユニットは、第1〜第4の観点のいずれかにかかる室外ユニットにおいて、圧縮機は、配管接続用の吐出ノズルを有しており、接続部は、ケーシングを前方から見た際に圧縮機対向部が吐出ノズルに重ならないようにする上下方向の段差を形成している。
【0021】
ここでは、上記のような接続部によって、吐出ノズルへの配管接続作業を行う際に、圧縮機の前側を横切る圧縮機対向部を作業の邪魔にならない上下方向位置になるように配置することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、ケーシング内に圧縮機及び閉鎖弁が配置されており、ケーシングを所定方向から見た際に圧縮機の前方を横切るように配置されるとともに閉鎖弁を支持する閉鎖弁取付部材が設けられた室外ユニットにおいて、圧縮機の前方からの作業空間を確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明にかかる室外ユニットの実施形態及びその変形例について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる室外ユニットの具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0025】
(1)空気調和装置の構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる室外ユニット2が採用された空気調和装置1の概略構成図である。
【0026】
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、建物等の室内の冷房や暖房を行うことが可能な装置である。空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と、室内ユニット3とが接続されることによって構成されている。ここで、室外ユニット2と室内ユニット3とは、液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5を介して接続されている。すなわち、空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路6は、室外ユニット2と、室内ユニット3とが冷媒連絡管4、5を介して接続されることによって構成されている。また、この冷媒回路6には、R32等の冷媒が封入されている。
【0027】
室外ユニット2は、室外に設置されており、冷媒回路6の一部を構成している。室外ユニット2は、主として、圧縮機7と、四路切換弁10と、室外熱交換器11と、膨張弁12と、液側閉鎖弁13と、ガス側閉鎖弁14と、室外ファン15と、を有している。
【0028】
室内ユニット3は、室内に設置されており、冷媒回路6の一部を構成している。室内ユニット3は、主として、室内熱交換器19を有している。
【0029】
冷媒連絡管4、5は、空気調和装置1を建物等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管である。液冷媒連絡管4の一端は、室外ユニット2の液側閉鎖弁13に接続され、液冷媒連絡管4の他端は、室内ユニット3の室内熱交換器19の液側端に接続されている。ガス冷媒連絡管5の一端は、室外ユニット2のガス側閉鎖弁14に接続され、ガス冷媒連絡管5の他端は、室内ユニット3の室内熱交換器19のガス側端に接続されている。
【0030】
(2)室外ユニットの構成
<全体>
図2は、室外ユニット2の外観斜視図である。
図3は、室外ユニット2の平面図(天板42と、圧縮機7、室外熱交換器11及び閉鎖弁13、14以外の冷媒回路構成部品と、を取り除いて図示)である。
図4は、室外ユニット2の前面図(左右前板43、44と、圧縮機7、室外熱交換器11及び閉鎖弁13、14以外の冷媒回路構成部品と、を取り除いて図示)である。
【0031】
室外ユニット2は、略直方体箱状のケーシング40の内部が鉛直に延びる仕切板48により送風機室S1と機械室S2とに分割されたトランク型の構造と呼ばれるものである。室外ユニット2は、主として、略直方体箱状のケーシング40と、室外ファン15と、圧縮機7や室外熱交換器11等の機器、液側閉鎖弁13やガス側閉鎖弁14等の弁及び冷媒管等を含み冷媒回路6の一部を構成する冷媒回路構成部品と、を有している。尚、以下の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「前面」、「背面」は、特にことわりのない限り、
図2に示される室外ユニット2を前方から見た場合の方向を意味している。
【0032】
<ケーシング>
ケーシング40は、主として、底フレーム41と、天板42と、左前板43と、右前板44と、右側板45と、を有している。
【0033】
底フレーム41は、ケーシング40の底面部分を構成する横長の略長方形状の板状部材である。底フレーム41の下面には、現地設置面に固定される2つの固定脚46が設けられている。
【0034】
天板42は、ケーシング40の天面部分を構成する横長の略長方形状の板状部材である。
【0035】
左前板43は、主として、ケーシング40の左前面部分及び左側面部分を構成する板状部材であり、その下部が底フレーム41にネジ等により固定されている。左前板43には、室外ファン15によってケーシング40内に吸入される空気の吸入口43aが形成されている。また、左前板43には、室外ファン15によってケーシング40の背面側及び左側面側から内部に取り込まれた空気を外部に吹き出すための吹出口43bが設けられている。吹出口43bは、ここでは、上下2つ形成されており、それぞれにファングリル47が設けられている。
【0036】
右前板44は、主として、ケーシング40の右前面部分及び右側面の前部を構成する板状部材であり、その下部が底フレーム41にネジ等により固定されている。また、右前板44は、その左端部が左前板43の右端部にネジ等により固定されている。
【0037】
右側板45は、主として、ケーシング40の右側面の後部及び右背面部分を構成する板状部材であり、その下部が底フレーム41にネジ等により固定されている。そして、左前板43の後端部と右側板45の背面側端部と左右方向間には、室外ファン15によってケーシング40内に吸入される空気の吸入口43cが形成されている。
【0038】
また、ケーシング40内には、仕切板48が設けられている。仕切板48は、底フレーム41上に配置される鉛直に延びる板状部材であり、ケーシング40の内部を左右2つの空間に仕切るように配置されている。仕切板48は、ケーシング40を上方から見た際に、左前板43の右端部から背面側に向かって延びており、ケーシング40の左側面から背面に沿うように配置された略L字形状の室外熱交換器11の右端面まで達している。左前板43の右端部は、仕切板48の前端部にネジ等により固定されている。
【0039】
このように、ケーシング40は、その内部が仕切板48により送風機室S1と機械室S2とに分割されている。より具体的には、送風機室S1は、底フレーム41と、天板42と、左前板43と、仕切板48とによって囲まれた空間であり、主として、室外ファン15や室外熱交換器11が配置されている。機械室S2は、底フレーム41と、天板42と、右前板44と、右側板45と、仕切板48とによって囲まれた空間であり、主として、室外熱交換器11以外の冷媒回路構成部品が配置されている。そして、ケーシング40では、右前板44を取り外すことによって、機械室S2の内部が見えるようになっており、室外ユニット2の機械室S2内に収容された冷媒回路構成部品のメンテナンスや閉鎖弁13、14への冷媒連絡管4、5の配管接続等の作業を行えるようになっている。
【0040】
<室外ファン>
室外ファン15は、プロペラファンであり、送風機室S1内の室外熱交換器11の前側に配置されている。ここでは、室外ファン15は、吹出口43bに対向するように、送風機室S1内に上下2つ配置されている。
【0041】
<冷媒回路構成部品>
圧縮機7は、ハウジング内に冷媒を圧縮するための圧縮機構及び圧縮機構を回転駆動するためのモータが収容された密閉型圧縮機であり、機械室S2内に配置されている。ここでは、圧縮機7は、縦型の略円筒形状であり、底フレーム41上に設けられている。より具体的には、圧縮機7は、ケーシング40を上方から見た際に、機械室S2の仕切板48寄りに配置されている。また、圧縮機7の頂部には、電気接続用のターミナル71及び配管接続用の吐出ノズル72が設けられている。
【0042】
室外熱交換器11は、送風機室S1内に配置されており、室外ファン15によってケーシング40内に取り込まれた空気との間で熱交換を行う。室外熱交換器11は、ケーシング40を上方から見た際に、略L字形状を有し、ケーシング40の左側面から背面に沿うように配置されている。
【0043】
ケーシング40内には、冷媒連絡管4、5が接続される液側閉鎖弁13及びガス側閉鎖弁14が配置されている。より具体的には、液側閉鎖弁13及びガス側閉鎖弁14は、ケーシング40を上方から見た際に、機械室S2の右側面寄りに配置されており、機械室S2の前部の右前板44に略対向している。液側閉鎖弁13及びガス側閉鎖弁14は、ケーシング40内に設けられた閉鎖弁取付部材50によって支持されている。
【0044】
閉鎖弁取付部材50は、ケーシング40を所定方向(ここでは、前面側)から見た際に圧縮機7の前方を横切るように配置されており、閉鎖弁13、14を支持している。閉鎖弁取付部材50は、左前板43の右端部と右側板45の前端部との間に掛け渡されるように設けられている。
【0045】
(3)閉鎖弁及び閉鎖弁取付部材の構成
次に、閉鎖弁13、14と閉鎖弁取付部材50の構成について、
図3〜
図6を用いて説明する。ここで、
図5は、
図4の圧縮機7、閉鎖弁13、14及び閉鎖弁取付部材50付近を示す拡大図である。
図6は、閉鎖弁取付部材50の斜視図である。
【0046】
液側閉鎖弁13は、機械室S2内に配置された状態において、その内部に上方、前方、下方及び後方に延びる略十字形状の内部流路が形成されている。液側閉鎖弁13の上端には、冷媒の封入や真空引き等を行うためのサービスポート13aが形成されている。液側閉鎖弁の13の下端には、ケーシング40内に引き込まれた液冷媒連絡管4に接続される接続ポート13bが形成されている。また、液側閉鎖弁13には、左方及び右方に向かって突出する鍔部13cが形成されており、閉鎖弁取付部材50にネジ止め等によって固定されている。ここで、液側閉鎖弁13は、ケーシング40を前方から見た際に、ターミナル71や吐出ノズル72が設けられた圧縮機7の頂部と同じ高さ位置に配置されている。
【0047】
ガス側閉鎖弁14は、液側閉鎖弁13と同様に、機械室S2内に配置された状態において、その内部に上方、前方、下方及び後方に延びる略十字形状の内部流路が形成されている。ガス側閉鎖弁14の上端には、冷媒の封入や真空引き等を行うためのサービスポート14aが形成されている。ガス側閉鎖弁の14の下端には、ケーシング40内に引き込まれたガス冷媒連絡管5に接続される接続ポート14bが形成されている。また、ガス側閉鎖弁14には、左方及び右方に向かって突出する鍔部14cが形成されており、閉鎖弁取付部材50にネジ止め等によって固定されている。ここで、ガス側閉鎖弁14は、液側閉鎖弁13と同様に、ケーシング40を前方から見た際に、ターミナル71や吐出ノズル72が設けられた圧縮機7の頂部と同じ高さ位置に配置されている。
【0048】
閉鎖弁取付部材50は、主として、ケーシング40を前方から見た際に圧縮機7の前側を横切る圧縮機対向部51と、閉鎖弁13、14を支持する閉鎖弁支持部52と、圧縮機対向部51と閉鎖弁支持部52との間に上下方向の段差が形成されるように圧縮機対向部51と閉鎖弁支持部52との間を繋ぐ接続部53と、を有している。また、閉鎖弁取付部材50は、左前板43の右端部や仕切板48の前端部にネジ止め等によって固定される第1固定部54と、右側板45の前端部にネジ止め等によって固定される第2固定部55と、を有している。そして、ここでは、閉鎖弁取付部材50は、これらの各部51〜55が一体に形成された金属製の板状部材である。
【0049】
圧縮機対向部51は、閉鎖弁取付部材50が機械室S2内に配置された状態において、左前板43の右端部や仕切板48の前端部から右方に向かって水平に延びる部分である。ここで、圧縮機対向部51は、ケーシング40を前方から見た際に、ターミナル71や吐出ノズル72が設けられた圧縮機7の頂部よりも下側の部分を横切るように配置されている。
【0050】
第1固定部54は、閉鎖弁取付部材50が機械室S2内に配置された状態において、圧縮機対向部51の左端部から左方に突出する部分である。第1固定部54には、左前板43の右端部や仕切板48の前端部にネジ止めするためのネジ孔54aが形成されている。
【0051】
接続部53は、閉鎖弁取付部材50が機械室S2内に配置された状態において、圧縮機対向部51の右端部から右上方に向かって延びる部分である。ここで、接続部53は、ケーシング40を前方から見た際に、ターミナル71や吐出ノズル72が設けられた圧縮機7の頂部よりも下側の高さ位置から閉鎖弁13、14と同じ高さ位置に達するまで右上方に延びている。
【0052】
閉鎖弁支持部52は、閉鎖弁取付部材50が機械室S2内に配置された状態において、接続部53の右端部から右側板45の前端部まで右方に向かって水平に延びる部分である。すなわち、閉鎖弁支持部52は、ケーシング40を前方から見た際に、ターミナル71や吐出ノズル72が設けられた圧縮機7の頂部と同じ高さ位置を水平に延びる部分である。閉鎖弁支持部52には、横方に並んで形成された2つの切り欠き部52a、52bが形成されており、液側閉鎖弁13及びガス側閉鎖弁14を横方に並べて配置できるようになっている。また、切り欠き部52a、52bの左右両側には、それぞれ、閉鎖弁13、14の鍔部13c、14cを閉鎖弁支持部52にネジ止めするためのネジ孔52c、52dが形成されている。
【0053】
第2固定部55は、閉鎖弁取付部材50が機械室S2内に配置された状態において、閉鎖弁支持部52の右端部に形成された部分である。第2固定部55には、右前板45の前端部にネジ止めするためのネジ孔55aが形成されている。
【0054】
このように、閉鎖弁取付部材50は、接続部53によって、圧縮機対向部51と閉鎖弁支持部52との間に上下方向の段差が形成された形状を有している。ここでは、接続部53は、圧縮機対向部51の上下方向位置を閉鎖弁支持部52の上下方向位置よりも低くする上下方向の段差を形成している。これにより、圧縮機対向部51は、ケーシング40を前方から見た際に、ターミナル71や吐出ノズル72が設けられた圧縮機7の頂部よりも下側の高さ位置を横切っている。そして、圧縮機対向部51は、ケーシング40を前方から見た際に、ターミナル71や吐出ノズル72に重ならないようになっている。また、ここでは、接続部53によって、閉鎖弁取付部材50の全体形状がS字形状をなしている。
【0055】
(4)室外ユニットの特徴
本実施形態の閉鎖弁取付部材50が設けられた室外ユニット2には、以下のような特徴がある。
【0056】
<A>
ここでは、上記のように、閉鎖弁取付部材50が、ケーシング40を前方から見た際に圧縮機7の前側を横切る圧縮機対向部51と、閉鎖弁13、14を支持する閉鎖弁支持部52と、圧縮機対向部51と閉鎖弁支持部52との間に上下方向の段差が形成されるように圧縮機対向部51と閉鎖弁支持部52との間を繋ぐ接続部53と、を有している。
【0057】
このため、ここでは、接続部53によって、圧縮機7に対する各種作業(圧縮機7の前方からターミナル71への電気接続や吐出ノズル72への配管接続を行う際に、圧縮機7の前側を横切る圧縮機対向部51を作業の邪魔にならない上下方向位置になるように配置することができる。具体的には、接続部53が、ケーシング40を前方から見た際に圧縮機対向部51が電気接続用のターミナル71や配管接続用の吐出ノズル72に重ならないようにする上下方向の段差を形成している。
【0058】
これにより、ここでは、ケーシング40内に圧縮機7及び閉鎖弁13、14が配置されており、ケーシング50を所定方向(ここでは、前側)から見た際に圧縮機7の前方を横切るように配置されるとともに閉鎖弁13、14を支持する閉鎖弁取付部材50が設けられた室外ユニット2において、圧縮機7の前方からの作業空間を確保することができる。すなわち、ターミナル71への電気接続作業や吐出ノズル72への配管接続作業を行う際に、圧縮機7の前側を横切る圧縮機対向部51を作業の邪魔にならない上下方向位置になるように配置することができる。
【0059】
尚、このとき、閉鎖弁支持部52の上下方向位置も圧縮機対向部51と同じ上下方向位置にすることで、従来と同様の段差のない形状(水平に延びる直線状)にすることも考えられる。しかし、このようにすると、閉鎖弁13、14の上下方向位置も変える必要があるため、ケーシング40内に引き込まれて接続される冷媒連絡管4、5の長さや曲げ形状等を従来と異なるものとなり、室外ユニット2の更新時に、冷媒連絡管4、5をそのまま流用することができず、冷媒連絡管4、5の形状や長さを調整する作業が必要になる等の手間が発生することになる。これに対して、ここでは、上記のような接続部53を採用することによって、閉鎖弁支持部52、ひいては閉鎖弁13、14の上下方向位置を従来と同じ位置に維持することができ、上記のような不都合が発生しないようにできる。
【0060】
<B>
ここでは、上記のように、接続部53が、圧縮機対向部51の上下方向位置を閉鎖弁支持部52の上下方向位置よりも低くする上下方向の段差を形成している。
【0061】
このため、ここでは、圧縮機対向部51の上側に作業空間が形成されるような段差を形成することができるため、圧縮機7の作業対象部分に対して斜め上方からアクセスすることができるようになり、作業性を向上させることができる。
【0062】
<C>
ここでは、上記のように、閉鎖弁取付部材50が、3つの部分(圧縮機対向部51、閉鎖弁支持部52、及び、接続部53)が一体に形成された部材である。
【0063】
このため、ここでは、閉鎖弁13、14の支持構造に必要な部品点数を削減することができ、また、各部同士の取り付けが不要になり、閉鎖弁取付部材50を室外ユニット2に取り付ける際の作業性を向上させることができる。
【0064】
<D>
ここでは、上記のように、接続部53が、閉鎖弁取付部材50の全体形状をS字形状にする上下方向の段差を形成している。
【0065】
このため、ここでは、
図7に示すように、板状の素材から閉鎖弁取付部材50を金型で型取りする際に、
図7のハッチングで示した部分を除いて、素材をできるだけ無駄にすることなく、複数の閉鎖弁取付部材50を型取りすることができる。
【0066】
これにより、閉鎖弁取付部材50を板状の素材から製造する際に、金型での展開面積を小さくして量産しやすいものにすることができる。
【0067】
(5)変形例
<A>
上記実施形態においては、電気接続用のターミナル71や配管接続用の吐出ノズル72が圧縮機7の頂部に設けられた構成に対して、圧縮機対向部51の上下方向位置を閉鎖弁支持部52の上下方向位置よりも低くする上下方向の段差を形成する接続部53を有する閉鎖弁取付部材50を採用しているが、これに限定されるものではない。
【0068】
例えば、
図8に示すように、吐出ノズル72が圧縮機7の頂部よりも下側に設けられている場合にも、上記実施形態と同様の閉鎖弁取付部材50、すなわち、圧縮機対向部51の上下方向位置を閉鎖弁支持部52の上下方向位置よりも低くする上下方向の段差を形成させる接続部53を有する閉鎖弁取付部材50を採用してもよい。この場合においても、ケーシング40を前方から見た際に圧縮機対向部51が配管接続用の吐出ノズル72に重ならないようにすることができる。
【0069】
また、
図9に示すように、上記実施形態とは逆に、圧縮機対向部51の上下方向位置を閉鎖弁支持部52の上下方向位置よりも高くする上下方向の段差を形成させる接続部53を有する閉鎖弁取付部材50を採用してもよい。この場合においても、ケーシング40を前方から見た際に圧縮機対向部51が配管接続用の吐出ノズル72に重ならないようにすることができる。
【0070】
<B>
上記実施形態では、トランク型構造の室外ユニット2に本発明を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。
【0071】
例えば、室外ファンがケーシングの天面側に配置された上吹き型構造等の他の形式の室外ユニットにおいても、ケーシング内に圧縮機及び閉鎖弁が配置されており、ケーシングを所定方向から見た際に圧縮機の前方を横切るように配置されるとともに閉鎖弁を支持する閉鎖弁取付部材が設けられた構造であれば、本発明を適用することが可能である。