特許第6717078号(P6717078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6717078
(24)【登録日】2020年6月15日
(45)【発行日】2020年7月1日
(54)【発明の名称】身体清拭シート
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/00 20060101AFI20200622BHJP
   D06M 15/11 20060101ALI20200622BHJP
   D06M 15/263 20060101ALI20200622BHJP
【FI】
   A47K7/00 Z
   D06M15/11
   D06M15/263
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-128808(P2016-128808)
(22)【出願日】2016年6月29日
(65)【公開番号】特開2018-360(P2018-360A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2018年5月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 瑞江
(72)【発明者】
【氏名】小田 麻実
(72)【発明者】
【氏名】高橋 亜矢子
(72)【発明者】
【氏名】三宅 喜之
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−250714(JP,A)
【文献】 特開平07−236591(JP,A)
【文献】 特開2006−333877(JP,A)
【文献】 特開2010−284458(JP,A)
【文献】 特開2010−029609(JP,A)
【文献】 特開2003−039585(JP,A)
【文献】 特開2009−297297(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3176772(JP,U)
【文献】 特開平07−308265(JP,A)
【文献】 特開2004−313557(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/089611(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 7/00
D06M 15/11
D06M 15/263
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの表面層と、2つの表面層の間に配置され、吸水性ポリマーを含有する吸水性ポリマー層とを備えた本体部と、
本体部から延びる延出部と
を備えた身体清拭シートであって、
本体部の前記吸水性ポリマー層と前記表面層を部分的に一体化することにより、前記吸水性ポリマー層が複数の小区画に仕切られている、身体清拭シート(ただし、水性洗浄剤を含有する身体清拭シートを除く)
【請求項2】
前記本体部が略矩形であり、前記延出部は本体部から延びる2つの延出部であり、前記2つの延出部の配置は、前記本体部の中心を通り前記本体部の長手方向に垂直な軸線に対し線対称であるか、及び/又は前記本体部の中心に対し点対称であるに本体部から延びる2つの延出部である請求項1に記載の身体清拭シート。
【請求項3】
前記本体部が略矩形であり、前記延出部が前記本体部の長手方向における両端からそれぞれ延びる2つの延出部である請求項1又は2に記載の身体清拭シート。
【請求項4】
前記延出部が前記本体部の上に折り重ね可能である請求項1〜3のいずれかに記載の身体清拭シート。
【請求項5】
前記延出部が、前記2つの表面層のうちの一方を前記本体部から延出させた延出部である請求項1〜4のいずれか一項に記載の身体清拭シート。
【請求項6】
前記延出部が前記本体部から分離可能である請求項1〜5のいずれか一項に記載の身体清拭シート。
【請求項7】
水を含ませて使用される乾式シートである請求項1〜6のいずれかに記載の身体清拭シート。
【請求項8】
前記吸水性ポリマー層が、身体清拭シートの幅方向の中心位置を長手方向に沿って略直線状に延びる凹部により2つの部分に分離されている、請求項1〜7のいずれかに記載の身体清拭シート。
【請求項9】
前記本体部の幅方向の中心を通って前記本体部の長手方向に延びる中心線における前記本体部の長手方向の中心位置から等距離の位置から、前記本体部の長辺までの間を、前記本体部の長手方向に沿って互いに離れるように延びる仮想線上に延びる2つのガイド線をさらに備える請求項1〜8のいずれかに記載の身体清拭シート。
【請求項10】
前記2つの表面層のうちの一つの角部に取り付けられ、該2つの表面層のうちの一つとの間に前記身体清拭シートを収容するためのポケットを区画形成する小片をさらに備える請求項1〜9のいずれかに記載の身体清拭シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体清拭シートに関し、特には乾式の身体清拭シートに関する。
【背景技術】
【0002】
保湿性を有する身体用の清拭シートが知られており、例えば特許文献1,2には、吸水性ポリマー及び水性洗浄剤を含む湿式の身体用清拭シートが開示されている。また、特許文献3には布タオルの間に吸水樹脂を挟んだ蒸しタオルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−313557
【特許文献2】特開2003−250714
【特許文献3】特開平9−252994
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2の清拭シート及び特許文献3の蒸しタオルは全長が短く、使用者が自身の身体の背面まで清拭するのに適した構成とはなっていない。
【0005】
また、特許文献1,2の清拭シートは湿式のシートであるため、使用前に乾いた状態で保管できない。さらには、特許文献1,2の清拭シートには、アレルギー体質の人や皮膚疾患を有する人に適用する場合、身体に接触することが好ましくない場合もある。
【0006】
他方、特許文献3の蒸しタオルの場合、繰り返し用いると雑菌の繁殖の恐れがあるが、衛生的に用いるには布タオルを吸水樹脂から外して洗濯する必要があり、使用者にとって煩雑である。
【0007】
本発明の目的は、使用者自身による、身体の背面を含む身体の清拭が容易な身体清拭シートを提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、使用者自身による、身体の背面を含む身体の清拭が容易で、かつ使用前に乾いた状態で保管できる身体清拭シートを提供することにある。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、使用者自身による、身体の背面を含む身体の清拭が容易で、かつ使い捨て可能な身体清拭シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、2つの表面層とその間に配置された吸水性ポリマー層とを備えた身体清拭シートから延びる延出部を設けることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明の一態様によれば、2つの表面層と、2つの表面層の間に配置され、吸水性ポリマーを含有する吸水性ポリマー層とを備えた本体部と、本体部から延びる延出部とを備えた身体清拭シートが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、清拭を必要とする者が、自身の身体の前面だけでなく、背中を含めた自身の身体の背面も自分で容易に清拭することができる。身体清拭シートは使用前に乾いた状態で保管でき、使用後には身体清拭シートを使い捨てることができて衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態の身体清拭シートの平面図。
図2図1のII−II線における断面図。
図3図2の別例の断面図。
図4】本発明の第2実施形態の身体清拭シートの平面図。
図5】本発明の第3実施形態の身体清拭シートの平面図。
図6】本発明の第4実施形態の身体清拭シートの平面図。
図7】本発明の第5実施形態の身体清拭シートの平面図。
図8】本発明の第6実施形態の身体清拭シートの平面図。
図9】本発明の第7実施形態の身体清拭シートの平面図。
図10】本発明の第8実施形態の身体清拭シートの部分平面図。
図11】本発明の第9実施形態の身体清拭シートの部分平面図。
図12】本発明の第10実施形態の身体清拭シートの部分平面図。
図13】本発明の第11実施形態の身体清拭シートの部分平面図。
図14図13のXIV−XIV線における断面図。
図15】本発明の第12実施形態の身体清拭シートの部分平面図。
図16図15の身体清拭シートの使用状態の略図。
図17】本発明の第13実施形態の身体清拭シートの平面図。
図18図17の身体清拭シートが折り畳まれた状態を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を身体清拭シートに具体化した第1〜第13実施形態について図1〜18を参照しながら説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態の身体清拭シート1は、不織布から構成された2つの表面層2,3と、2つの表面層2,3の間に配置され、吸水性ポリマーを含有する1つまたは複数の吸水性ポリマー層4とを備えた本体部14と、本体部14から延びる、不織布から形成された延出部15,16とを備えている。
【0016】
清拭は主に本体部14の面で行うことができるが、本体部の表面層2,3のいずれの面でも行うことができるが、延出部15,16でも行え、延出部15,16の各々の両面で行うことができる。
【0017】
本実施形態では、本体部14、延出部15,16はいずれも略矩形であり、本体部14の長手方向における両端から延出部15,16がそれぞれ延びている。身体清拭シート1の長さXは、本体部14の長さX1、延出部15の長さX2、及び延出部16の長さX3を合計したものであり、特に限定されないが、ハンドタオルやバスタオルと同程度の長さであると使用感が良好であり、例えば50cm〜200cm程度である。
【0018】
身体清拭シート1の使用時には、延出部15及び延出部16の各々を矢印の方向に折り返し、本体部14の上に折り重ねたコンパクトな状態で使用できる。また、延出部15及び延出部16の各々は本体部14のどちらの面(図面の紙面の表側及び裏側)に折り畳んでもよい。
【0019】
使用者が自身の背中等、背面を清拭したい場合には、延出部15及び延出部16を図示したように本体部14に対し開いた状態にする。そして、使用者が延出部15及び延出部16を両手のそれぞれで把持し、身体清拭シート1を背面に沿って適用すれば、使用者は自分で身体の背面も清拭することができる。このように、本実施形態によれば、清拭を必要とする人が、他者の支援がなくとも清拭を行える点で有利である。
【0020】
延出部15の長さX2及び延出部16の長さX3は、本体部14の長さX1と同じであってもよいし、本体部14の長さX1よりも長くてもよいし、本体部14の長さX1よりも短くてもよい。延出部15の長さX2及び延出部16の長さX3が本体部14の長さX1よりも長い場合、延出部15及び延出部16は可撓性を有するため、延出部15及び延出部16の各々を矢印の方向に折り返し、さらに本体部14の上に納まるように延出部15及び延出部16の各々を折り返すことで、本体部14の面積内にコンパクトに折り畳んで収容することができる。延出部15の長さX2及び延出部16の長さX3が本体部14の長さX1と同一かそれよりも短い場合、延出部15及び延出部16を矢印の方向に折り返せば本体部14の面積内に折り畳んで収容することができる。延出部15の長さX2及び延出部16の長さX3は、本体部14の長さX1の半分よりも長く本体部14の長さX1以下であると、延出部15及び延出部16を本体部1の上に折り畳んだときに、使用者からは延出部15又は延出部16のいずれかの自由端(つまり身体清拭シート1の長手方向における両端のいずれか)が本体部14と接続のみが本体部14の上に視認されるため、延出部15及び延出部16を本体部14に対する開閉が円滑に行えて好ましい。
【0021】
本実施形態における延出部15及び延出部16の配置は、本体部14の中心O1を通る本体部14の長手方向に垂直な軸線L1に対し線対称であるとともに、本体部14の中心O1に対し点対称でもある。
【0022】
図2に示すように、吸水性ポリマー層4の端部が2つの表面層2,3により封止されている。具体的には、吸水性ポリマー層4の幅が2つの表面層2,3の幅よりも短く、また吸水性ポリマー層4の長さが2つの表面層2,3の長さよりも短くなっており、吸水性ポリマー層4が2つの表面層2,3により囲繞され、吸水性ポリマー層4の周端部が2つの表面層2,3により封止されている。封止は、例えば表面層2,3の2層の超音波融着並びに熱融着等の溶着、接着剤による接着、糸による縫い合わせ、エンボス加工による接合、溶断機による溶断、溶接機による溶接等により行うことができる。吸水性ポリマー層4を2つの表面層2,3により封止することで、吸水性ポリマー層4の身体清拭シート1からの脱落が防止される。また、吸水性ポリマー層4を2つの表面層2,3により画成される空間内に閉じ込めて、吸水性ポリマーが身体清拭シート1の外に漏出するのを防止することができる。
【0023】
また、本実施形態では、表面層3の長さが表面層2よりも長く、表面層3が表面層2の長手方向における両端部よりもさらに延出しており、これらの延出部が延出部15及び延出部16を構成する。このため、表面層3、延出部15及び延出部16を一枚の不織布シートから構成できるため、表面層3と、延出部15及び延出部16とを別の部材から構成した場合に比べ、製造が容易で、かつ表面層3と延出部15及び延出部16との継ぎ目が滑らかであり、表面層3、延出部15及び延出部16の面を清拭に使用した場合の使用感も良好である。
【0024】
本実施形態の身体清拭シート1は、水を含ませて使用される乾式シートである。このため、衛生的に長期間保管することができる。また、乾式で軽量であるため、多数量の運搬及び輸送にも適している。
【0025】
身体清拭シート1は、使用時に水を含ませることで、水に濡らした身体清拭シート1を身体の清拭に使用することができる。
【0026】
また、吸水性ポリマー層4の吸水性ポリマーが水を保持するため、身体清拭シート1を、身体清拭シート1を適用した身体部位の冷却又は加温に使用することができる。冷却用の身体清拭シート1は、例えば乾燥した身体清拭シート1を氷水、冷却水、又は水道水等に浸したり、水で濡らした身体清拭シート1を冷蔵庫又は冷蔵庫に保存することにより準備でき、加温用の身体清拭シート1は、例えば乾燥した身体清拭シート1を温水に浸したり、水又は湯で濡らした身体清拭シート1を電子レンジで加熱したり、保温庫又は清拭車に入れることにより準備することができる。
【0027】
さらには、身体清拭シート1に水を含ませることで、吸水性ポリマー層4の吸水性ポリマーが膨張するため身体清拭シート1の厚みが増大すると共にクッション性も増大するため、不織布のみから構成したシートと比較して、清拭されている人は身体をしっかりと「拭かれている」感覚を得ることができる。
【0028】
また、本実施形態の身体清拭シート1の表面層2,3と吸水性ポリマー層4に適量の水を保持させると、肌への水残りがなく清拭を行うことができ、清拭されている人が感じる局所的な寒さ又は冷感を回避又は低減することができる。
【0029】
また、本実施形態の身体清拭シート1は、使い捨ての物品である。このため、衛生的に使用することができる。特に、身体清拭シート1を温めるときは雑菌が繁殖しやすいが、使い捨てであるため毎回交換することができて衛生的である。
【0030】
さらに、本実施形態の身体清拭シート1は、水性洗浄剤を含有しない。水性洗浄剤は水を媒体とし洗浄成分を含有するものであり、界面活性剤が挙げられる。このため、身体に直接接触するときの水性洗浄剤の影響が排除される。水性洗浄剤については特開2003−250714及び特開2004−313557にも記載されている。
【0031】
次に、身体清拭シート1を構成する各層について詳しく説明する。
【0032】
表面層2,3は不織布から構成されており、不織布を構成する繊維材料は天然繊維であっても合成繊維であってもよい。天然繊維としてはパルプ、羊毛、コットン等の天然繊維が挙げられる。合成繊維としては、レーヨン及びキュプラ等の再生セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維及びポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維、及びポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維等の合成繊維並びにこれらを親水化処理したもの等が挙げられる。繊維材料は1種又は2 種以上を用いることができる。好ましくは、表面層2,3には熱融着に適した繊維材料が使用される。
【0033】
表面層2,3を構成する繊維シートは、例えば湿式抄造法や、スパンレース法及びエアレイド法等の不織布製造法により製造することができる。表面層2,3を構成する繊維シートの坪量は、身体清拭シート1全体の坪量にもよるが、それぞれ例えば20〜100g/m であり、30〜70g/m であることが好ましい。尚、表面層2と表面層3は、同一のものであってもよいし、或いは異なる種類のものであってもよい。
【0034】
表面層2及び表面層3はそれぞれ一枚に限定されず、例えば1つの身体清拭シート1中に複数の表面層2、複数の表面層3、又はこれらの組み合わせを積層させて使用してもよい。複数の表面層2を使用する場合、異種繊維から形成された2層以上の表面層2を重ね合わせてもよいし、同種の繊維から形成された2層以上の表面層2を重ね合わせてもよい。また、複数の表面層2を重ね合わせる部分は、表面層2の全体に限られず、一部の区画のみであってもよい。複数の表面層3の場合も複数の表面層2を使用する場合と同様である。
【0035】
吸水性ポリマー層4は、吸水性ポリマー及び繊維材料の少なくとも一方から構成される。 吸水性ポリマー層4は、繊維材料中に吸水性ポリマーを含有させたシート、繊維材料の上に吸水性ポリマーを分散して固めたシート、又は繊維状に加工された吸水性ポリマーを含むシートであり得る。
【0036】
吸水性ポリマー層4に使用される吸水性ポリマーとしては、液体を吸収及び保持できる任意の吸水性ポリマーを使用することができ、具体例としては、デンプンや架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体を挙げることができる。
【0037】
吸水性ポリマー層4に使用される繊維材料は天然繊維であっても合成繊維であってもよい。天然繊維としてはパルプ、羊毛、コットン等の天然繊維が挙げられる。合成繊維としては、レーヨン及びキュプラ等の再生セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維及びポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維、及びポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維等の合成繊維並びにこれらを親水化処理したもの等が挙げられる。繊維材料は1種又は2 種以上を用いることができる。
【0038】
吸水性ポリマー層4を構成する繊維シートは、例えば湿式抄造法や、スパンレース法及びエアレイド法等の不織布製造法により製造することができる。吸水性ポリマー層4を構成する繊維シートの坪量は、身体清拭シート1全体の坪量にもよるが、それぞれ例えば20〜100g/m であり、30〜70g/m であることが好ましい。
【0039】
吸水性ポリマー層4の数は一枚に限定されない。例えば1つの身体清拭シート1中に複数の吸水性ポリマー層4を積層させて使用してもよい。複数の吸水性ポリマー層4を使用する場合、異種繊維から形成された2層以上の表面層2を重ね合わせてもよいし、同種の繊維をから形成された2層以上の吸水性ポリマー層4を重ね合わせてもよい。また、複数の吸水性ポリマー層4を重ね合わせる部分は、吸水性ポリマー層4の全体に限られず、一部の区画のみであってもよい。
【0040】
好ましくは、吸水性ポリマー層4中の吸水性ポリマーの量は、吸水性ポリマーが膨潤するのに十分な時間水に浸した身体清拭シート1を60℃に加熱した後、20〜25℃、湿度40〜80%の環境下で10分保存した後の身体清拭シート1の温度を30℃以上に保持し得る量である。より好ましくは、吸水性ポリマー層4中の吸水性ポリマーの量は、吸水性ポリマーが膨潤するのに十分な時間水に浸した身体清拭シート1を60℃に加熱した後、20〜25℃、湿度40〜80%の環境下で20分保存した後の身体清拭シート1の温度を25℃以上に保持し得る量である。
【0041】
延出部15,16は不織布から構成されており、不織布を構成する繊維材料は天然繊維であっても合成繊維であってもよい。天然繊維としてはパルプ、羊毛、コットン等の天然繊維が挙げられる。合成繊維としては、レーヨン及びキュプラ等の再生セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維及びポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維、及びポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維等の合成繊維並びにこれらを親水化処理したもの等が挙げられる。繊維材料は1種又は2 種以上を用いることができる。
【0042】
延出部15,16を構成する繊維シートは、例えば湿式抄造法や、スパンレース法及びエアレイド法等の不織布製造法により製造することができる。延出部15,16を構成する繊維シートの坪量は、身体清拭シート1全体の坪量にもよるが、それぞれ例えば20〜100g/m であり、30〜70g/m であることが好ましい。尚、延出部15,16は、それぞれ同一のものであってもよいし、或いは異なる種類のものであってもよいし、表面層2及び表面層3と同一のものであってもよいし、或いは異なる種類のものであってもよい。
【0043】
図3に示すように、身体清拭シート1は、表面層2、表面層3、及び吸水性ポリマー層4に加えて、1または2層以上の追加の層5を備えていてもよい。例えば追加の層5は、表面層3と吸水性ポリマー層4の間に積層された、表面層2と表面層3、並びに表面層3と吸水性ポリマー層4の接着を支援するための熱融着層であってもよい。かかる熱融着層は、例えば熱融着性繊維から構成される。熱融着性繊維としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂等、並びにこれらの組み合わせが用いられる。
【0044】
身体清拭シート1は、香料、保湿剤、抗菌剤、抗炎症剤、虫除け剤、及び清涼パウダーから選択される1つ又は2つ以上の成分をさらに含有してもよい。これらの成分は表面層2、表面層3、吸水性ポリマー層4、延出部15、延出部16及びその他の層のいずれに含有されてもよい。
【0045】
香料は、天然香料でも合成香料でもよく、特に限定されないが、香木、精油、樹脂、ムスク、シベット、カストリウム、アンバーグリス、メントール、レモン、グレープフルーツ、ライム、オレンジ、ベルガモット、バラ、ジャスミン、スズラン、ライラック、バニリン、ヘリオトロピン、クマリン;ベンゾイン、乳香、没薬等が挙げられる。
【0046】
抗菌剤としては、特に限定されないが、メチルパラベン等が挙げられる。
【0047】
保湿剤は、軟膏、クリーム、ローション等のいずれの剤形の保湿剤であってもよく、特に限定されないが、軟膏としては、例えば白色ワセリン、亜鉛華軟膏、セラミド、アズノール軟膏、ザーネ軟膏、クリームとしては、例えばウレパール、ケラチナミン、パスタロン(ソフト)、ワイドコール、ヒルドイドクリーム、ローションとしては、例えばヒルドイドローションが挙げられる。
【0048】
抗炎症剤としては、特に限定されないが、プレドニゾロン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、リン酸デキサメタゾンナトリウム等のステロイド系抗炎症薬、並びにアスピリン、メフェナム酸、イブプロフェン、ナプロキセン、チアプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、スリンダク、ピロキシカム等の非ステロイド系抗炎症薬が挙げられる。
【0049】
虫除け剤としては、特に限定されないが、N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド(DEET)、p−メンタン−3,8−ジオール、ユーカリオイルを初めとするアロマオイル等が挙げられる。
【0050】
清涼パウダーは、特に限定されないが、水と反応して吸熱反応を起こす冷却物質を含む粉体であり、冷却物質としては糖類、アミノ酸、尿素、無機塩などが挙げられ、粉末としてはタルク、カオリン、雲母、炭酸金属塩、ケイ酸金属塩、クレイ、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、シリカビーズ、プラスチックビーズ、プラスチックパウダー、コーンスターチを初めとする食用粉末等が挙げられる。
【0051】
ここまで、本発明を第1実施形態を例にとって説明してきたが、本発明はこれに限られず、以下のような種々の変形が可能である。以下の第2〜12実施形態において、同じ符号は第1実施形態におけるのと同じ部材を示し、説明は省略する。
【0052】
図4に示す本発明の第2実施形態の身体清拭シート1では、延出部15,16は図1に示した第1実施形態と同様に、本体部14の長手方向における両端からそれぞれ延びているが、延出部15,16の幅が本体部14の幅よりも小さい。このような構成によると、使用者は延出部15,16を把持し易く、自身で清拭を行うことができる。なお、第2実施形態における延出部15及び延出部16の配置は、本体部14の中心O2を通る本体部14の長手方向に垂直な軸線L2に対し線対称であるとともに、本体部14の中心O2に対し点対称でもある。これは第1実施形態の身体清拭シート1と同様である。
【0053】
図5に示す本発明の第3実施形態の身体清拭シート1でも、延出部15,16は図1に示した第1実施形態と同様に、本体部14の長手方向における両端からそれぞれ延びている。本体部14との境界における延出部15,16のそれぞれ基端は、本体部14と同じ幅であるが、身体清拭シート1の両端に向かって本体部14の幅よりも小さくなり、延出部15,16の先端は丸められている。このような構成でも、使用者は延出部15,16を把持し易く、自身で清拭を行うことができる。なお、第3実施形態における延出部15及び延出部16の配置は、本体部14の中心O3を通る本体部14の長手方向に垂直な軸線L2に対し線対称であるとともに、本体部14の中心O3に対し点対称でもある。これは第1実施形態の身体清拭シート1と同様である。
【0054】
図6に示す本発明の第4実施形態の身体清拭シート1でも、延出部15,16は図1に示した第1実施形態と同様に、本体部14の長手方向における両端からそれぞれ延びている。本体部14との境界における延出部15,16のそれぞれ基端は、本体部14と同じ幅であるが、延出部15,16の各々は略直角三角形の形をしており、身体清拭シート1の両端に向かって本体部14の幅よりも小さくなり、延出部15,16の先端は丸められている。このような構成でも、使用者は延出部15,16を把持し易く、自身で清拭を行うことができる。なお、第3実施形態における延出部15及び延出部16の配置は、本体部14の中心Oに対し点対称である。
【0055】
図7に示す本発明の第5実施形態の身体清拭シート1では、延出部15,16が本体部14の長手方向の両端の対角から対角線上にそれぞれ延びている。延出部15,16の幅は本体部14の幅よりも小さく、全長に沿って一様に図示されているが、全長に沿って幅が変化してもよい。このような構成でも、使用者は延出部15,16を把持し易く、自身で清拭を行うことができる。なお、第4実施形態における延出部15及び延出部16の配置は、本体部14の中心O5に対し点対称である。
【0056】
図8に示す本発明の第5実施形態の身体清拭シート1では、第1実施形態の身体清拭シート1と比較して、本体部14の長手方向の一方の端部から延出部15が延びている構成である。このような構成でも、使用者は延出部15,16を把持し易く、自身で清拭を行うことができる。
【0057】
図9に示す本発明の第6実施形態の身体清拭シート1では、第1実施形態の身体清拭シート1と比較して、2つの表面層2,3と吸水性ポリマー層4との3層が複数の小区画20を構成するよう小区画20を仕切る略直線状の結合部21にて結合されている。このため、吸水性ポリマー層4の吸水性ポリマーが各区画20内に閉じ込められ、吸水性ポリマー層4の吸水性ポリマーの移動が各区画20内で規制される。よって、吸水性ポリマー層4の吸水性ポリマーの、2つの表面層2,3と吸水性ポリマー層4との間の空間内での移動によるズレや偏在が防止される。
【0058】
また、2つの表面層2,3と吸水性ポリマー層4との3層が結合部21にて結合されているため、表面層2,3と吸水性ポリマー層4との互いの位置のズレも防止される。このため、清拭時に表面層2,3と吸水性ポリマー層4がほぼ一体化した感覚で使用者は身体清拭シート1を使用することができる。
【0059】
身体清拭シート1の面積中の結合部21が存在する面積の占める割合は、10〜90%であることが好ましく、50%〜90%であることがより好ましい。
【0060】
結合部21を構成する部材は、2つの表面層2,3と吸水性ポリマー層4とを結合するものであれば特に限定されないが、例えば超音波融着並びに熱融着等の溶着、接着剤による接着、糸による縫い合わせ等が挙げられる。好ましくは、結合部21は溶着により構成される。2つの表面層2,3と吸水性ポリマー層4を糸で結合することで、身体清拭シート1はキルティング又は凹凸のあるタオルのような風合い又は外観を有することができる。
【0061】
小区画20の一つの面積は特に限定されないが、例えば1〜9cm2、好ましくは2〜6cm2である。このような面積とすることで、身体清拭シート1の表面のキルティング又は凹凸のあるタオルのような風合いを残しつつ、吸水性ポリマー層4中の吸水性ポリマーを身体清拭シート1中により均等に分散させることができる。また、このような面積とすることで、使用者の指先が小区画20に触れた状態で身体清拭シート1を使用したときに、2つの表面層2,3と吸水性ポリマー層4との間のズレが知覚され難いという効果を有する。
【0062】
小区画20の形状は特に限定されないが、本実施形態では略三角形である。身体清拭シート1を繰り返し使用すると、略三角形の中央の清拭面を中心に、各小区画20の略三角形の3つの角へと吸収性ポリマーが均等に分散され易い。また、小区画20とその隣の小区画20は食い違いに配置されることで、吸収性ポリマーが線状に凝集することが防止又は低減される。
【0063】
図10に示す本発明の第7実施形態の身体清拭シート1では、小区画20の形状が略矩形、具体的には菱形の形状である。このような構成でも、第6実施形態と同様、小区画20を設けたことによる効果が得られる。
【0064】
図11に示す本発明の第8実施形態の身体清拭シート1では、小区画20の形状が互い違いに配置された略矩形の形状である。このような構成でも、第6実施形態と同様、小区画20を設けたことによる効果が得られる。
【0065】
図12に示す本発明の第9実施形態の身体清拭シート1では、小区画20の形状が略円形である。このような構成でも、第6実施形態と同様、小区画20を設けたことによる効果が得られる。
【0066】
図13に示すように、本発明の第10実施形態の身体清拭シート1は、本体部14において身体清拭シート1の幅方向の中心位置を長手方向に沿って略直線状に延びる凹部6を備え、凹部6により吸収性ポリマー層4が2つの部分4aに分離されている。かかる凹部6を備えることで、矢印の方向に折り返すと、身体清拭シート1を容易に二つに折り畳むことができ、拭いた面を閉じて身体清拭シート1を衛生的に処分することができる。
【0067】
なお、本実施形態では、図14に示すように、表面層2及び表面層3の2層が接合した部分が、凹部6の底面を区画形成し、表面層2、表面層3、及び吸収性ポリマー層4の3層の部分よりも厚みが小さくなることで凹部6が画成されているが、凹部6の位置で凹部6の身体清拭シート1の幅方向における両側の部分よりも相対的に厚みが小さくなっていれば、身体清拭シート1の各層の図示された構成に限定されない。
【0068】
図15に示すように、本発明の第11実施形態の身体清拭シート1は、第10実施形態で示した凹部6に加えて、それぞれ一対の本体部14にガイド線7a並びにガイド線7b、及びガイド線7c並びにガイド線7dを備えている。ガイド線7a並びにガイド線7bは、身体清拭シート1の幅方向の中心を通って身体清拭シート1の長手方向に延びる線Xにおける身体清拭シート1の長手方向の中心位置Cから等距離の位置から、身体清拭シート1の長辺1aまでの間を、身体清拭シート1の長手方向に沿って互いに離れるように延びる仮想線Y1,Y2に沿ってそれぞれ延びている。ガイド線7c並びにガイド線7dは、身体清拭シート1の幅方向の中心を通って身体清拭シート1の長手方向に延びる線Xにおける身体清拭シート1の長手方向の中心位置Cから等距離の位置から、身体清拭シート1の長辺1bまでの間を、前記身体清拭シートの長手方向に沿って互いに離れるように延びる仮想線Y3,Y4に沿ってそれぞれ延びている。仮想線Y1,Y2及び仮想線Y3,Y4は、エンボス加工等により施された凹部、互いに離間して設けられた複数の孔、糸による縫い目、マーカー、テープ等であってよい。仮想線Y1,Y2及び仮想線Y3,Y4は身体清拭シート1の片面または両面に設けられてもよく、好ましくは両面に設けられる。好ましくは仮想線Y1,Y2及び仮想線Y3,Y4は身体清拭シート1の厚み方向を貫通して設けられた糸による縫い目である。なお「仮想線に沿って」とは、仮想線上である場合と、仮想線と平行な場合とを含む。
【0069】
この構成によれば、図15において、(1)の矢印のように身体清拭シート1を線Xの位置で二つに折り畳み、(2)の矢印のように折り重なった一端部を内方に折り返し、(3)の矢印のように折り重なった他方の端部を内方に折り返すことにより、図16に示すように、ミトンの形状に身体清拭シート1が折りたたまれる。ミトンの空間8に親指以外の4指を入れ、ミトンの長手方向の端部の折れ重なった部分を親指をミトンの外側から押さえることにより、使用者、つまり身体清拭シート1の着用者は手の操作を細かい反映しつつ清拭することができる。
【0070】
図17に示すように、本発明の第12実施形態の身体清拭シート1では、本体部14の表面層2または表面層3の角部に、小片10が取り付けられている。小片10を構成する材料は限定されず、例えば表面層3と同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。小片10の形状は限定されないが、例えば三角形であり、その二辺11,12が角部を形成する表面層3の二辺と接着されている。接着としては、超音波融着並びに熱融着等の溶着、接着剤による接着、糸による縫い合わせ、エンボス加工による接合、溶断機による溶断、溶接機による溶接等により行うことができる。小片10は、表面層3との間に身体清拭シート1を収容するためのポケット13を画成する。
【0071】
このため、図17で矢印に示すように、身体清拭シート1をポケット13に向かって折り返し、図18に示すように身体清拭シート1をポケット13に収容することができる。このため、コンパクトに畳んで拭くことができ、また、使用後の身体清拭シート1をコンパクトに折り畳んで処分することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
・延出部15及び延出部16は、不織布に限定されず、織布から形成されてもよいし、合成樹脂製の可撓性フィルム等であってもよい。
・延出部15及び延出部16は、本体部14に対し分離可能な構成となっていてもよい。つまり、本体部14と延出部15及び延出部16との間に、分離用の複数の孔を直線状に設けたり、延出部15及び延出部16の各々の繊維を、本体部14と延出部15及び延出部16の各々との境界付近で外力により裂けやすい繊維の方向に構成したりしてもよい。このような構成によれば、使用者が本体部14と延出部15及び延出部16の各々のそれぞれを両手で把持し、互いにねじるように引き裂くことで、本体部14と延出部15及び延出部16の各々とを容易に分離することができる。
・第1〜4実施形態において、表面層2、表面層3、及び吸水性ポリマー層4の数は一枚に限定されない。例えば1つの身体清拭シート1中に複数の表面層2、複数の表面層3、複数の吸水性ポリマー層4、又はこれらの組み合わせを積層させて使用してもよい。
・第1〜4実施形態において、吸水性ポリマー層4の長さが2つの表面層2,3の長さよりも短く、吸水性ポリマー層4が2つの表面層2,3により囲繞されていなくても、吸水性ポリマー層4中の吸水性ポリマーが身体清拭シート1の外に漏出するのを防止する程度に、吸水性ポリマー層4の周端部が表面層2、表面層3と一体化されていればよい。一体化は、表面層2,3及び吸水性ポリマー層4の3層の超音波融着並びに熱融着等の溶着、接着剤による接着、糸による縫い合わせ、エンボス加工による接合、溶断機による溶断、溶接機による溶接等により行うことができる。
・第3実施形態において、仮想線Y3,Y4を省略し、仮想線Y1,Y2のみとしてもよい。
【0073】
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料及び数値などは、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
・小区画20の形状は図9〜12に示した第6〜9実施形態のものに限定されず、楕円形、花や動物等を模した形としたり、他の任意の形状としてもよい。
【0074】
上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料及び数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料及び数値などを用いてもよい。
【0075】
また、本発明は以下の構成を採用することもできる。
[1]2つの表面層と、2つの表面層の間に配置され、吸水性ポリマーを含有する吸水性ポリマー層とを備えた本体部と、本体部から延びる延出部とを備えた身体清拭シート。
[2]前記本体部が略矩形であり、前記延出部は本体部から延びる2つの延出部であり、前記2つの延出部の配置は、前記本体部の中心を通り前記本体部の長手方向に垂直な軸線に対し線対称であるか、及び/又は前記本体部の中心に対し点対称であるに本体部から延びる2つの延出部である[1]に記載の身体清拭シート。
[3]前記本体部が略矩形であり、前記延出部が前記本体部の長手方向における両端からそれぞれ延びる2つの延出部である[1]又は[2]に記載の身体清拭シート。
[4]前記延出部が前記本体部の上に折り重ね可能である[1]〜[3]のいずれかに記載の身体清拭シート。
[5]前記延出部が、前記2つの表面層のうちの一方を前記本体部から延出させた延出部である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の身体清拭シート。
[6]前記延出部が前記本体部から分離可能である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の身体清拭シート。
[7]本体部の前記吸水性ポリマー層と前記表面層を部分的に一体化することにより、前記吸水性ポリマー層が複数の小区画に仕切られている[1]〜[6]のいずれか一項に記載の身体清拭シート。
[8]水を含ませて使用される乾式シートである[1]〜[7]のいずれかに記載の身体清拭シート。
[9]前記吸水性ポリマー層が、身体清拭シートの幅方向の中心位置を長手方向に沿って略直線状に延びる凹部により2つの部分に分離されている、[1]〜[8]のいずれかに記載の身体清拭シート。
[10]前記本体部の幅方向の中心を通って前記本体部の長手方向に延びる中心線における前記本体部の長手方向の中心位置から等距離の位置から、前記本体部の長辺までの間を、前記本体部の長手方向に沿って互いに離れるように延びる仮想線上に延びる2つのガイド線をさらに備える[1]〜[9]のいずれかに記載の身体清拭シート。
[11]前記2つの表面層のうちの一つの角部に取り付けられ、該2つの表面層のうちの一つとの間に前記身体清拭シートを収容するためのポケットを区画形成する小片をさらに備える[1]〜[10]のいずれかに記載の身体清拭シート。
[12]延長部の長さが本体部の長さの半分よりも長い[1]〜[11]のいずれかに記載の身体清拭シート。
[13]延長部の長さが本体部の長さ以下である[1]〜[12]のいずれかに記載の身体清拭シート。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の身体清拭シートは、家庭、病院等の医療施設、老人福祉施設、介護施設、総合商業施設、スポーツ施設等の様々な場所で、清拭を必要とする人に他者が清拭をしたり、清拭を必要とする人が自ら清拭をするために使用することができる。
【符号の説明】
【0077】
1・・・身体清拭シート、1a,1b…身体清拭シートの長辺、2,3…表面層、4…吸水性ポリマー層、4a…吸水性ポリマー層の2つの部分、6…凹部、7a,7b,7c,7d…ガイド線、10…小片、13…ポケット、14…本体部、15,16…延出部、X…身体清拭シートの幅方向の中心を通って身体清拭シートの長手方向に延びる線、Y1,Y2,Y3,Y4…仮想線、C…身体清拭シートの幅方向の中心を通って身体清拭シートの長手方向に延びる線における身体清拭シートの長手方向の中心位置。
図1
図2
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