(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態>
〔画像形成装置1及び端末2の全体のシステム構成〕
まず、
図1を参照して、画像形成装置1及び端末2のシステム構成について説明する。
画像形成装置1は、MFP等の情報処理装置である。
端末2は、PC(Personal Computer)やスマートフォン等の情報処理装置である。
本実施形態において、画像形成装置1と端末2とは、ネットワーク5で接続されていてもよい。
【0012】
(画像形成装置1の構成)
画像形成装置1は、画像処理部11、原稿読取部12、原稿給送部13、給紙部14、ネットワーク送受信部15、操作パネル部16、画像形成部17(画像形成手段)、FAX送受信部18、及び記憶部19等を含む。各部は、制御部10に接続され、制御部10によって動作制御される。
【0013】
制御部10は、GPP(General Purpose Processor)、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等を含む情報処理手段である。
制御部10は、記憶部19のROMやHDDに記憶されている制御プログラムを読み出して、この制御プログラムをRAMに展開させて実行することで、後述する各機能部として動作させられる。また、制御部10は、図示しない外部の端末や操作パネル部16から入力された所定の指示情報に応じて、装置全体の制御を行う。
【0014】
画像処理部11は、DSP(Digital Signal Processor)やGPU(Graphics Processing Unit)等の制御演算手段である。画像処理部11は、画像データに対して所定の画像処理を行う手段であり、例えば、拡大縮小、濃度調整、階調調整、画像改善等の各種画像処理を行う。
画像処理部11は、原稿読取部12で読み取られた画像データを、記憶部19に文書データ300(
図2)として格納する。この際、画像処理部11は、画像データをビットマップデータのまま格納したり、PDF等のフォーマットのファイル単位に変換して格納したりしてもよい。
また、画像処理部11は、画像データの光学文字認識(Optical Character Recognition、以下、「OCR」という。)する機能を備えていてもよい。
【0015】
原稿読取部12は、セットされた原稿を読み取る(スキャン)手段である。また、原稿読取部12は、画像形成装置1の本体部の上部に配設される。
原稿読取部12は、スキャナーと、プラテンガラスと、原稿読取スリットとを備えている。原稿読取部12は、プラテンガラスに載置された原稿を読み取る場合には、スキャナーをプラテンガラスに対向する位置に移動させ、プラテンガラスに載置された原稿を走査しながら読み取って画像データを取得し、取得した画像データを制御部10に出力する。
【0016】
また、原稿読取部12は、原稿給送部13から給送された原稿を読み取る場合には、スキャナーを、原稿読取スリットと対向する位置に移動させる。そして、原稿読取部12は、原稿読取スリットを介し、原稿給送部13による原稿の搬送動作と同期して原稿を読み取って、画像データを取得する。原稿読取部12は、取得した画像データを、制御部10に出力する。
【0017】
原稿給送部13は、原稿読取部12で読み取られる原稿を搬送する手段である。原稿給送部13は、原稿読取部12の上部に配設されている。
原稿給送部13は、原稿載置部と、原稿搬送機構とを備えている。原稿給送部13は、原稿載置部に載置された原稿を、原稿搬送機構によって1枚ずつ順に繰り出して、原稿読取部12に給送する。
【0018】
給紙部14は、記録紙を1枚ずつ画像形成部17に向けて繰り出す手段である。給紙部14は、本体部に備えられている。
【0019】
ネットワーク送受信部15は、LAN、無線LAN、WAN、携帯電話網等のネットワーク5に接続するためのLANボードや無線送受信機等を含むネットワーク接続手段である。
ネットワーク送受信部15は、データ通信用の回線ではデータを送受信し、音声電話回線では音声信号を送受信する。
【0020】
操作パネル部16は、画像形成装置1のフロント側に配設されている。
また、操作パネル部16は、入力部61と、表示部62とを備えている。
【0021】
入力部61は、ユーザーによる画像形成装置1への指示を取得するボタンやタッチパネル等の入力手段である。このボタンは、テンキー、スタート、キャンセル、動作モードの切り換え、ジョブの実行に係る指示を行うボタンであってもよい。この動作モードとしては、コピー、プリンタ、スキャナー、FAX送信等の種類のモードを含んでいてもよい。また、ジョブは、選択された文書の印刷、送信、保存、及び記録等を含んでいる。
また、入力部61は、本実施形態において、入力部61から、後述する文書のブロック500(
図2)を選択させることが可能である。
なお、入力部61から取得したユーザーの指示により、各ユーザーの情報を入力、変更することも可能である。
【0022】
表示部62は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ等である。表示部62は、GUI(Graphical User Interface)の各種操作画面を表示することが可能である。
【0023】
なお、外部記録媒体の入力部61と表示部62とは、タッチパネル付きディスプレイ等のように一体的に構成されていてもよい。
また、操作パネル部16は、フラッシュメモリーカードやUSB機器等の外部記録媒体を接続する接続部を備えていてもよい。
【0024】
画像形成部17は、ユーザーの出力指示により、記憶部19に記憶され、原稿読取部12で読み取られ、又は外部の端末から取得されたデータから記録紙への画像形成を行わせる手段である。
画像形成部17は、感光体ドラム、露光部、現像部、転写部、及び定着部等を備えている。画像形成部17は、帯電、露光、現像、転写、定着からなる画像形成プロセスを実行することで記録紙にトナー像を記録する。
【0025】
FAX送受信部18は、ファクシミリの送受信を行う手段である。FAX送受信部18は、音声回線等により、他のFAX装置(図示せず)からファクシミリ受信して、記憶部19に保存し、画像形成部17で画像形成させることが可能である。また、FAX送受信部18は、原稿読取部12で読み取られた原稿や外部の端末から送信されたネットワークFAXのデータを画像データに変換して、他のFAX装置へ音声回線等でファクシミリ送信することが可能である。
【0026】
記憶部19は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリーやHDD(Hard Disk Drive)等の一時的でない記録媒体を用いた記憶手段である。
記憶部19のROMやHDDには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。これに加えて、記憶部19は、ユーザーのアカウント設定も記憶している。また、記憶部19には、ユーザー毎の保存フォルダーや共有フォルダー(文書ボックス)の領域が含まれていてもよい。
【0027】
なお、画像形成装置1において、制御部10及び画像処理部11は、GPU内蔵CPU等やチップ・オン・モジュールパッケージのように、一体的に形成されていてもよい。
また、制御部10及び画像処理部11は、RAMやROMやフラッシュメモリー等を内蔵していてもよい。
【0028】
(端末2の構成)
次に、端末2は、制御部20、入力部21、表示部22、ネットワーク送受信部25、及び記憶部29を含んでいる。
【0029】
制御部20は、CPU、MPU、DSP、GPU、ASIC等を含む情報処理手段である。
制御部20は、記憶部29に記憶されている制御プログラムを読み出して、この制御プログラムを展開させて実行することで、後述する各機能部として動作させられる。
【0030】
入力部21は、ユーザーによる各種指示を取得するためのタッチパネルやスイッチ(ボタン)等である。
【0031】
表示部22は、LCD、有機ELディスプレイ、FED(Field Emission Display)、蛍光表示管等の平面ディスプレイパネル、プロジェクター、ステータス表示用LED(Light Emitting Diode)等である。表示部は、GUIに関連する各種操作画面を表示することが可能である。
【0032】
ネットワーク送受信部25は、ネットワーク5に接続するためのLANボードや無線送受信機等を含むネットワーク接続手段である。
【0033】
記憶部29は、一時的でない記録媒体を用いた記憶手段である。記憶部29は、主記憶部として、RAM等を含んでいてもよい。また、記憶部29は、補助記憶部として、ROM、eMMC、SSD、及びHDD等含んでいてもよい。
また、記憶部29には、ユーザー毎の保存フォルダーや共有フォルダー(文書ボックス)の領域が含まれていてもよい。
また、記憶部29は、各種フラッシュメモリーや光学記録媒体等の外部記憶媒体を含んでいてもよい。
【0034】
なお、制御部20は、RAMやROMやフラッシュメモリー等を内蔵していてもよい。
【0035】
〔画像形成装置1の機能構成〕
ここで、
図2を参照し、画像形成装置1及び端末2の機能構成について説明する。
画像形成装置1は、操作パネル部16、原稿読取部12、制御部10、及び記憶部19を主に用いて、本実施形態において要約データ320を作成する情報処理装置(要約データ作成装置)としての機能を実現する。また、画像形成装置1の制御部10は、文書データ取得部100、構造情報取得部110、ブロック選択部120、及びブロック取得部130を備えている。また、画像形成装置1の記憶部19は、文書データ300、構造情報310、及び要約データ320を格納する。
また、端末2は、制御部20及び記憶部29を主に用いて、要約データ320を画像形成装置1で作成させるための文書データ300を作成することが可能な情報処理装置(文書データ作成装置)としての機能を実現する。また、端末2の制御部20は、コード画像作成部200、コード画像付加部210、及び文書データ出力部220を備えている。また、端末2の記憶部29は、文書データ300を格納する。
【0036】
操作パネル部16は、本実施形態においては、ユーザーの指示を取得し、原稿読取部12に原稿の読み取りを開始させ、文書データ300からの要約データ320の作成を開始させる。また、操作パネル部16は、ブロック選択部120により描画された文書データ300のブロック500について、ユーザーによる選択結果を取得する。また、操作パネル部16に接続された外部記録媒体から、文書データ300を取得することも可能である。
【0037】
原稿読取部12は、操作パネル部16の入力部61のタッチパネルやボタン等の指示により、原稿を読み取る。この原稿には、後述するように文書のブロック500単位の構造情報310がコード化されたコード画像400が記載されている。このため、このコード画像400も画像データとして原稿から読み取り、記憶部19に格納する。
【0038】
文書データ取得部100は、文書のブロック500単位の構造情報310がコード化されたコード画像400を含む文書データ300を取得する。具体的には、文書データ取得部100は、原稿読取部12又はFAX送受信部18等により読み取られた文書データ300にコード画像400が記載されているか否かを判断する。また、文書データ取得部100は、端末2の文書データ出力部220から出力された文書データ300を取得することも可能である。
【0039】
構造情報取得部110は、原稿読取部により読み取られた文書データ300のコード画像400を解析して構造情報310を取得する。
また、構造情報取得部110は、文書データ取得部100により取得された文書データ300内のコード画像400を解析して構造情報310を取得することも可能である。
【0040】
ブロック選択部120は、構造情報取得部110により取得された構造情報310により、文書のブロック500を選択する。
また、ブロック選択部120は、構造情報310を表示部62に表示させ、文書データ300のブロック500の選択の確認をさせる。
【0041】
ブロック取得部130は、ブロック選択部120により選択された文書のブロック500を取得し、要約データ320を出力する。この際、ブロック取得部130は、取得したブロック500をページ単位でまとめたページデータ412を作成して出力する。
【0042】
コード画像作成部200は、文書データ300のブロック500単位の構造情報310を解析し、該構造情報310をコード化したコード画像400を作成する。このため、コード画像作成部200は、画像形成装置1への印刷データ等を画像形成装置1へ送信前に取得してもよい。
【0043】
コード画像付加部210は、コード画像作成部200により作成されたコード画像400を文書データ300に付加する。この際、コード画像付加部210は、コード画像400を文書データ300の最初のページに付加してもよい。
【0044】
文書データ出力部220は、コード画像付加部210によりコード画像400が付加された文書データ300を、画像形成装置1へ送信する。
【0045】
文書データ300は、原稿読取部12で読み取られた原稿のビットマップ画像等の画像データ群、端末2により作成されたPDL(Page Description Language)やPS(Post Script、登録商標)やPDF(Portable Document Format)等の電子文書のファイル、XML(Extensible Markup Language)やHTML(HyperText Markup Language)の構造化文書ファイル、端末2用又は画像形成装置1用のワードプロセッサーや表計算ソフトウェアやプレゼンテーションソフトウェア等の各種アプリケーションソフトウェア(Application Software、以下、単に「アプリ」という。)のファイル、プレーンテキストファイル(Plain Text)ファイル等である。
また、文書データ300は、カット紙等の記録紙に対応したページ、及び、文章の段落や章や挿絵やコラム等の特定のまとまりの部分(以下、「段落等」という。)に対応したデータの構造をもっている。
【0046】
また、文書データ300は、コード画像400、及びページデータ410を含んでいる。
【0047】
コード画像400は、QRコード(登録商標)等の二次元バーコード、一次元バーコード(群)、カラーコード、複数の点の集まり等であるドットコード等の各種情報が符号化された画像を含むデータである。本実施形態においては、コード画像400は、文書データ300の冒頭のページとして付加されるものの、これに限られない。たとえば、ページデータ410内にコード画像400を含ませるような構成であってもよい。また、冒頭ページではなく、各ページや特定のページにコード画像400が含まれていてもよい。
また、コード画像400で符号化されるデータは、下記で説明する構造情報310の少なくとも一部である。
【0048】
ページデータ410は、カット紙等の記録紙のページに対応した画像、文字、図形、及びこの属性等のデータである。ページデータ410は、文書データ300が原稿読取部12で読み取られたFAX送受信部18で受信した原稿のデータ等であった場合、ビットマップ画像等の画像データであってもよい。また、この画像データは圧縮されていてもよい。また、ページデータ410は、端末2で作成されたり、外部記録媒体から取得されたりした文書データ300の場合、例えば、一ページとして表示や出力される単位の文字、画像、図形、及びこの属性等を含んでいてもよい。
なお、ページデータ410は、一ページに限らない特定のまとまりをもったデータであってもよい。また、ページデータ410は、記録紙の出力には反映されないメタデータを含んでいてもよい。このメタデータは、文書の各ページの大きさ、記録される向き、文字描画の向き、フォント、解像度、出力の品質、作成ユーザー等の各種データを含んでいてもよい。
【0049】
ブロック500は、文書データ300のページデータ410内で特定のまとまりをもった箇所のデータ等である。ブロック500は、ページデータ410がビットマップ画像等の画像データである場合、文章の段落等の画像データであってもよい。このブロック500の画像データは、例えば、ページデータ410内の画像データ内で矩形の座標で示されてもよい。また、ブロック500は、たとえば、文書データ300がPDLやPSやXMLやHTMLの文書の場合は、構造記述子やタグ等で示される特定の範囲の文字データや数値データ等であってもよい。また、表計算ソフトウェアの場合は、一枚のシートや表の特定範囲、プレゼンテーションソフトウェアの場合は、一枚のスライドや枠内の図や文字等であってもよい。
【0050】
構造情報310は、文書データ300内のページデータ410のブロック500を示すデータである。このブロック500を示すデータは、例えば、ページ番号、ページデータ410の内の矩形の座標、文字データや数値データの特定の範囲等のデータであってもよい。
また、構造情報310は、要約データ320が作成される際に選択されるブロック500を示すデータも含んでいる。
【0051】
要約データ320は、文書データ300が要約されたデータである。要約データ320は、例えば、文書データ300のブロック500が構造情報310に対応してページデータ412としてまとめられたデータであってもよい。また、要約データ320は、PDFやPS等の文書データ300であってもよく、文書データ300とはファイル形式が異なっていてもよい。また、要約データ320は、OCR等により文字データが付加されていてもよい。
【0052】
ここで、画像形成装置1の制御部10は、記憶部19に記憶された制御プログラムを実行することで、文書データ取得部100、構造情報取得部110、ブロック選択部120、及びブロック取得部130として機能させられる。また、端末2の制御部20は、記憶部29に記憶された制御プログラムを実行することで、コード画像作成部200、コード画像付加部210、及び文書データ出力部220として機能させられる。
また、上述の画像形成装置1及び端末2の各部は、本発明の画像形成方法を実行するハードウェア資源となる。
なお、これら各部は、一部又は全てをICやプログラマブルロジック等により回路的に構成してもよい。
【0053】
〔画像形成装置1による要約作成出力処理〕
次に、
図3〜
図5を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1による要約作成出力処理の説明を行う。
本発明の実施の形態に係る要約作成出力処理は、情報処理装置である画像形成装置1により実行される情報処理方法の処理である。この処理においては、文書データ300のブロック500単位の構造情報310がコード化されたコード画像400を原稿から読み取る。そして、読み取られたコード画像400を解析して構造情報310を取得する。また、取得された構造情報310により、選択された文書データ300のブロック500を取得する。取得されたブロック500は、ページ単位でまとめられた要約データ320として出力される。この要約データ320は、画像形成部17で記録紙に記録されてもよい。
本実施形態の要約作成出力処理は、主に制御部10が、記憶部19に記憶されたプログラムを、各部と協働し、ハードウェア資源を用いて実行する。
以下で、まず、
図3のフローチャートを参照して、要約作成出力処理の詳細をステップ毎に説明する。
【0054】
(ステップS101)
まず、文書データ取得部100が、原稿読取文書データ取得処理を行う。
文書データ取得部100は、操作パネル部16の入力部61によるユーザーの指示を取得すると、文書データ300を取得し、記憶部19に格納する。
文書データ取得部100は、例えば、原稿読取部12により載置された原稿の画像データを文書データ300として取得させてもよい。この場合、文書データ取得部100は、操作パネル部16のコピー、プリンタ、スキャナー、FAX送信等の動作モードで、ジョブの開始の指示を取得してもよい。
また、文書データ取得部100は、FAX送受信部18で受信されたファクシミリの画像データを文書データ300として取得させてもよい。また、文書データ取得部100は、端末2の文書データ出力部220からネットワーク5経由で文書データ300を取得して記憶部19に格納してもよい。また、文書データ取得部100は、操作パネル部16に接続された外部記録媒体、記憶部19や端末2の記憶部29の文書ボックス等から文書データ300を取得してもよい。これらの場合、文書データ取得部100は、操作パネル部16にて、文書の選択と印刷や出力等のそれぞれの指示を取得してもよい。
また、文書データ取得部100は、これらの文書データ300の取得の際に、要約データ320を作成又は出力するか否かの指示も取得してもよい。
【0055】
(ステップS102)
次に、文書データ取得部100が、ユーザーが要約データ320の作成を指示し、文書データ300にコード画像400が含まれているか否かを判断する。文書データ取得部100は、例えば、文書データ300内を検索し、例えば、ユーザーが要約データ320の作成又は出力を指示し、最初のページにコード画像400が含まれている場合に、Yesと判断する。文書データ取得部100は、それ以外の場合には、Noと判断する。加えて、文書データ取得部100は、そもそもユーザーが要約データ320の作成を指示していなかった場合には、Noと判断する。
Yesの場合、文書データ取得部100は、処理をステップS103に進める。
Noの場合、文書データ取得部100は、要約作成出力処理を終了する。
【0056】
(ステップS103)
要約を作成し文書データ300にコード画像400が含まれている場合、構造情報取得部110が、構造情報取得処理を行う。
構造情報取得部110は、文書データ300のコード画像400を解析して構造情報310を取得する。具体的には、構造情報取得部110は、コード画像400を復号し、構造情報310が含まれている場合、この構造情報310を記憶部19に格納する。
【0057】
(ステップS104)
次に、構造情報取得部110が、構造情報310を取得できたか否かを判断する。
Yes、すなわち、コード画像400に構造情報310が含まれていて取得できた場合、構造情報取得部110は、処理をステップS105に進める。
Noの場合、すなわち、コード画像400に構造情報310が含まれておらず取得できなかった場合、構造情報取得部110は、要約作成出力処理を終了する。
【0058】
(ステップS105)
構造情報310を取得できた場合、ブロック選択部120が、ブロック選択処理を行う。
ブロック選択部120は、構造情報310により、要約に必要な文書のブロック500を選択する。
図4(a)(b)によると、ブロック選択部120は、構造情報310に含まれる、要約データ320が作成される際に選択されるブロック500を示すデータを参照して、表示部62に表示させ、文書データ300のブロック500の選択の確認をさせる。
この例では、
図4(a)の表示部62に表示されたブロック500を示すボックスが「段落〜」としてページ毎に並べられて表示されている。この図においては、各「段落〜」の枠が太く記載され、右横にチェックがついているブロック500が要約データ320へ出力されるよう選択されている。ユーザーは、入力部61のボタンやタッチパネル等により、この選択を確認したり、解除したり、追加したりすることも可能である。
また、ブロック選択部120は、選択されたブロック500の箇所を表示部62に表示してプレビュー等のように閲覧させることも可能である。
図4(b)は、この場合の文書データ300の各ページP2〜P4のページデータ410において、選択されるブロック500を太枠で示している。なお、この例では、P1は、コード画像400のみが含まれている。
【0059】
(ステップS106)
次に、ブロック取得部130が、ブロック取得処理を行う。
ブロック取得部130は、ブロック選択部120により選択された文書のブロック500を取得し、要約データ320を出力する。
図4の例では、ブロック取得部130は、
図4(a)(b)で示すように選択された、太枠で示している「段落〜」のブロック500をページPP1、PP2のページデータ412にまとめた要約データ320を作成している。
このブロック取得処理の詳細については、下記で説明する。
以上により、本発明の実施の形態に係る要約作成出力処理を終了する。
【0060】
次に、
図5により、ステップS106のブロック取得処理の詳細について、ステップ毎に説明する。
【0061】
(ステップS201)
まず、ブロック取得部130が、ページ読み込み処理を行う。
ブロック取得部130は、文書データ300の各ページデータ410を読み込む。なお、ブロック取得部130は、原稿読取部12で原稿が読み取られている場合、文書データ300全体のスキャン完了を待たず、ページデータ410の画像データが一面分取得された段階で、下記の処理を進めてもよい。
【0062】
(ステップS202)
次に、ブロック取得部130が、構造情報310を参照し、選択されたブロック500が読み込まれたページ内にあるか否かを判断する。
図4の例では、文書データ300のP2、P3、P4のいずれも、選択されたブロック500を含んでいる。
Yesの場合、ブロック取得部130は、処理をステップS203に進める。
Noの場合、ブロック取得部130は、処理をステップS201に戻して、ページの読み込みの処理を続ける。
【0063】
(ステップS203)
選択されたブロック500が読み込まれたページ内にあった場合、ブロック取得部130が、ブロック書き出し処理を行う。
ブロック取得部130は、ページデータ410中の選択されたブロック500を、ページデータ412に書き出す。ブロック取得部130は、文書の各ページの大きさ、記録される向き、文字描画の向き等に対応して、順次、ブロック500をページデータ412に追加する。
図4(c)の例では、上から下になるように、
図4(b)の文書データ300中の太枠で示す「段落〜」のブロック500のみをページデータ412として書き出していく。
【0064】
(ステップS204)
次に、ブロック取得部130が、書き出されたデータが一ページに到達したか否かを判断する。ブロック取得部130は、書き出されたブロック500がページデータ412の一ページ分に到達した場合に、Yesと判断する。ブロック取得部130は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、ブロック取得部130は、処理をステップS205に進める。
Noの場合、ブロック取得部130は、処理をステップS206に進める。
【0065】
(ステップS205)
一ページに到達した場合、ブロック取得部130が、ページ出力処理を行う。
ブロック取得部130は、ブロック500を書き出したページデータ412を要約データ320に追加する。ブロック取得部130は、この際に、ブロック500が余る、すなわち、一ページの領域よりはみ出た場合には、そのブロック500を削除して、次のページに回してもよい。また、ブロック取得部130は、文字が記載されている行間や文字間の空白を認識して、次のページに残りを書き出してもよい。
また、ブロック取得部130は、各ページデータ412をそのまま出力してもよい。ブロック取得部130は、例えば、動作モードが「コピー」「プリンタ」の場合、要約データ320のページデータ412を画像形成部17により記録紙に画像形成させてもよい。また、ブロック取得部130は、動作モードが「スキャナー」の場合、記憶部19にそのまま要約データ320を一旦、格納する。この場合、要約データ320は、指定された送信先の文書ボックスやメールアドレス等にFTP(File Transfer Protocol)や電子メール等で送信されてもよい。また、「FAX」の動作モードの場合、ブロック取得部130は、指定された送信先へ要約データ320の当該ページデータ412をファクシミリ送信してもよい。
【0066】
(ステップS206)
次に、ブロック取得部130が、全てのページを読み込んだか否かを判断する。ブロック取得部130は、文書データ300の全てのページデータ410について読み込み終了した場合に、Yesと判断する。ブロック取得部130は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、ブロック取得部130は、処理をステップS207に進める。
Noの場合、ブロック取得部130は、処理をステップS201に戻して、ページの読み込みの処理を続ける。
【0067】
(ステップS207)
全てのページを読み込んだ場合、ブロック取得部130が、残り出力処理を行う。
ブロック取得部130は、まだ一ページ分の書き出しがされていないページデータ412が残っていた場合、残りを空白のまま等として、文書データ300に追加する。この上で、ブロック取得部130は、このページデータ412も各動作モードに従って出力してもよい。
以上により、本発明の実施の形態に係るブロック取得処理を終了する。
【0068】
〔端末2による文書データ作成処理〕
次に、
図6を参照して、本発明の実施の形態に係る端末2による文書データ作成処理の説明を行う。
本発明の実施の形態に係る文書データ作成処理は、情報処理装置である端末2により実行される情報処理方法の処理である。この処理においては、画像形成装置1用の制御プログラムであるデバイスドライバー等を実行する際において、ユーザーにより要約データ320を作成可能な文書データ300を作成する指示があった場合に、文書データ300を作成する。具体的には、文書データ300のブロック500単位の構造情報310を解析し、該構造情報310をコード化したコード画像400を作成する。また、作成された前記コード画像400を前記文書データ300に付加する。この文書データ300は、画像形成装置1に送信され、画像形成されて出力されてもよい。
本実施形態の文書データ作成処理は、主に端末2の制御部20が、記憶部29に記憶されたプログラムを、各部と協働し、ハードウェア資源を用いて実行する。
以下で、
図6のフローチャートを参照して、文書データ作成処理の詳細をステップ毎に説明する。
【0069】
(ステップS300)
まず、コード画像作成部200が、文書データスプール処理を行う。
コード画像作成部200は、アプリから印刷等の指示を受けた際に画像形成装置1への印刷データ等がスプールされた際に、そのデータを画像形成装置1へ送信される前に取得する。
【0070】
(ステップS301)
次に、コード画像作成部200が、コード画像作成処理を行う。
コード画像作成部200は、文書データ300のブロック500単位の構造情報310を解析する。具体的には、スプールされた印刷データから、ページデータ410を探索する。また、コード画像作成部200は、探索されたページデータ410から、段落等のまとまりを検索する。そして、コード画像作成部200は、この段落等のページデータ410の座標上の位置を算出して、これをブロック500として一時的に記憶部29に格納していく。そして、コード画像作成部200は、ブロック500のページ番号、ページデータ410の内の矩形の座標、文字データや数値データの特定の範囲等の構造情報をコード化したコード画像400を作成する。
なお、このコード画像作成の際に、コード画像作成部200は、端末2の表示部22に、
図4(a)の画像形成装置1の表示部62に表示されたような画像と同様の画像を表示させ、ユーザーに、要約データ320で必要な段落を確認させ、選択させてもよい。
【0071】
(ステップS302)
次に、コード画像付加部210が、コード画像付加処理を行う。
コード画像付加部210は、コード画像作成部200により作成されたコード画像400を文書データ300に付加する。この際、コード画像付加部210は、コード画像400を文書データ300の最初のページに、コード画像400を付加してもよい。
なお、このコード画像400を含む最初のページには、コード画像400の他に、文書のタイトル、ファイル名、ユーザー名、作成年月日等の管理情報が含まれていてもよい。
【0072】
(ステップS303)
次に、文書データ出力部220が、文書データ送信処理を行う。
文書データ出力部220は、コード画像付加部210によりコード画像400が付加された文書データ300を、画像形成装置1へ送信する。
ここで、画像形成装置1は、この文書データ300を取得して、記憶部19に格納する。
なお、画像形成装置1は、この文書データ300を、上述の要約作成出力処理を行わず、そのまま画像形成させてもよい。また、この文書データ300は、画像形成装置1や端末2のユーザーや外部のサーバーの文書ボックスに格納されてもよく、外部記録媒体に格納されてもよい。また、文書データ300は、他の画像形成装置で出力されてもよい。
以上により、本発明の実施の形態に係る文書データ作成処理を終了する。
【0073】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
従来、スキャナー機能で画像読取部から原稿を読み取ったり複写したりして出力する際に、読み取るページを指定したり、白紙をスキップするという機能は存在した。しかしながら、文書データ300から要約を作成しようとした場合、ユーザーがいちいちこの文書データ300を閲覧して、ページを指定する必要があり、出力されたものをハサミで切り貼りするといった作業が必要となっていた。
また、特許文献1の技術は、このような用途に用いることはできなかった。
【0074】
これに対して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、文書データ300のブロック500単位の構造情報310がコード化されたコード画像400を原稿から読み取る原稿読取部12と、原稿読取部12により読み取られたコード画像400を解析して構造情報310を取得する構造情報取得部110と、構造情報取得部110により取得された構造情報310により、文書のブロック500を選択するブロック選択部120と、ブロック選択部120により選択された文書データ300のブロック500を取得するブロック取得部130とを備える情報処理装置であることを特徴とする。
【0075】
また、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、文書データ300のブロック500単位の構造情報310がコード化されたコード画像400を含む文書のデータを取得する文書データ取得部100と、文書データ取得部100により取得された文書データ300内のコード画像400を解析して構造情報310を取得する構造情報取得部110と、構造情報取得部110により取得された構造情報310により、文書データ300のブロック500を選択するブロック選択部120と、ブロック選択部120により選択された文書のブロック500を取得するブロック取得部130とを備える情報処理装置であることを特徴としてもよい。
【0076】
また、本実施形態の画像形成装置1は、ブロック取得部130により取得された文書のブロック500を画像形成する画像形成部17を備えていてもよい。
【0077】
このように構成することで、必要部分だけに絞ったスキャンや複写やファクシミリ送信等を行える。このため、文書データ300に含まれる元の情報を加工せずに必要な段落等のブロック500のみ取得して、自動的に要約を作成することができる。つまり、記録紙や文書データ300として、ユーザーが必要な情報にまとめることが可能となる。これにより、ユーザーの手間を減らすことができる。
【0078】
また、例えば、打ち合わせをする際に使う資料等の文書データは、必ずしもページデータが順序通りに並んでいるわけではなかった。しかしながら、文書データには、段落等は設定されている場合が多かった。
これに対して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1を用いることで、必要な段落等の部分だけを対象にして目的に応じた必要最低限の資料を紙や文書データ化させることが可能となる。
また、要約データ320は文書データ300の単なる抜粋になるため、要約する際に文書を加工されることによる問題を抑えることができる。すなわち、同じ内容で少しずつ加工された資料等が点在しにくくなる。また、文書データ300の元の情報を加工してしまうと著作権や著作者人格権等で問題になるようなケースにも対応可能である。
【0079】
また、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、ブロック選択部120は、構造情報310を表示して、文書データ300のブロック500の選択の確認をさせることを特徴とする。
このように構成することで、文書データ300のブロック500をユーザーが確認した上で要約データ320を作成可能となるため、よりユーザーの意図に沿った要約データ320を作成可能となる。
【0080】
また、本発明の実施の形態に係る端末2は、文書データ300のブロック500単位の構造情報310を解析し、該構造情報310をコード化したコード画像400を作成するコード画像作成部200と、コード画像作成部200により作成されたコード画像400を文書データ300に付加するコード画像付加部210とを備える情報処理装置であることを特徴とする。
このように構成することで、上述のような画像形成装置1で要約データ320を作成可能な文書データ300を容易に作成することが可能となる。
【0081】
〔他の実施の形態〕
なお、本発明の実施の形態においては、文書データ300に、最初のページとしてコード画像400を別途付加(挿入)する例について説明した。
しかしながら、コード画像400は、文書データ300の元々の最初のページの枠外に含ませてもよく、任意のページの欄外に含ませてもよい。また、コード画像400は、各ページ内にドットコード等としてコードされていてもよい。
このように構成することで、コード画像400用のページを別途用意する必要がなくなり、印刷コスト等を低減することができる。
【0082】
また、上述の実施の形態では、段落等の単位でブロック500を構成する例について説明した。
しかしながら、ブロック500は、段落等ではなくページ単位、行単位、文字単位、スライド単位等であってもよい。また、ブロック500は、表や図形等の要素の集合であってもよい。
このように構成することで、柔軟に必要なブロック500を取得した要約データ320を作成可能となり、ユーザーの使い勝手がよくなる。
【0083】
また、上述の実施の形態では、文書データ300から取得されたブロック500をそのまま要約データ320のページデータ412に含ませるような構成について記載した。
しかしながら、取得されたブロック500を必要に応じて増やしたり加工したりして要約データ320に付加してもよい。また、ブロック500単位で記憶部19に格納しておき、別の文書データ300のブロック500をまとめた要約データ320を作成するような構成も可能である。
このように構成することで、ユーザーの意図にあった要約データ320を容易に作成することができる。
【0084】
また、上述の実施の形態では、文書データ300の画像データとして含まれるコード画像400を解析する例について説明した。
しかしながら、原稿読取部12により紙の原稿が読み取られた場合ではなく、文書データ300を直接取得したような場合には、文書データ300に含まれるメタデータにより、要約データ320を作成してもよい。
このように構成することで、コード画像400の解析に必要な処理の手間や時間等のコストを削減することができる。
なお、一旦、解析した構造情報310のメタデータを文書データ300に付加するような構成も可能である。
【0085】
なお、上述の実施の形態では、文書データ300を要約データ320として記憶部19に格納しておく例について説明した。
しかしながら、複写やファクシミリ送信等の動作モードの場合には、文書データ300の全てや要約データ320の全て等を記憶部19に格納しないで、一時的にページデータ410、412のみ格納した上で出力のみしてもよい。
これにより、記憶部19の記憶領域を削減し、HDD等を内蔵していない画像形成装置1でも要約を出力可能となる。また、セキュリティリスクを削減することもできる。
なお、要約データ320を一旦、記憶部19に作成してから、特定期間で削除するような構成も可能である。
【0086】
また、上述の実施の形態では、端末2により、コード画像400を付加した文書データ300を作成する例について記載した。
しかしながら、端末2ではなく、画像形成装置1自身で、文書データ300を読み取ってコード画像400を付加するような構成であってもよい。
また、逆に、コード画像400が付加された文書の記録紙のコード画像400を端末のカメラ等で読み取って、端末データで要約を作成したり、別のサーバーや画像形成装置(図示せず)で要約データ320を作成したりするような構成も可能である。この場合、元の文書データ300は、画像形成装置1や端末2や別のサーバーや別の画像形成装置の文書ボックスに格納されていてもよい。
このように構成することで、システムの構成にかかわらず、柔軟に要約データ320を作成することが可能となり、ユーザーの使い勝手がよくなる。
【0087】
また、本発明は、画像形成装置以外の情報処理装置にも適用できる。つまり、ネットワークスキャナー、スキャナーをUSB等で別途接続したサーバー等を用いる構成であってもよい。
【0088】
また、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。