(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記画像情報取得部が前記第2の画像を取得する際に、前記ディスプレイ板を非表示に切り替える、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術においては、出力される前に完成画像のレイアウトを確認することができないという課題がある。そのため、出力された画像が期待したレイアウトと異なる場合には原稿の再読み取りを行う必要がある。また領域指定前と領域指定後の上記画像原稿の画像の読み取り、および背景原稿の画像の読み取りという、少なくとも3回の画像読み取りが必要である。またタッチペンなどによる領域を指定する操作も必要である。したがって合成画像を形成するための手続きも煩雑である。
【0006】
この発明の目的は、合成画像が出力される前でも完成画像のレイアウトが把握しやすく、簡易な操作で複数の原稿に基づく合成画像が形成できる画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明においては、画像処理装置は、透過型のディスプレイ板と、
検知部と、読み取り要求受け付け部と、画像情報取得部と、メモリと、表示制御部と、画像合成部と、出力部と、を備える。ディスプレイ板は、その上に原稿を載置可能であり、その表面に画像を表示可能である。検知部は、
ディスプレイ板上に原稿が載置されたことを検知する。読み取り要求受け付け部は、検知部が原稿の載置を検知した状態で原稿の画像の読み取り要求が行われると、その要求を受け付ける。画像情報取得部は、読み取り要求受け付け部が要求を受け付けると、ディスプレイ板上に載置された原稿の画像と、画像が配置された位置に関する座標としての画像の位置情報と、を取得する。メモリは、画像情報取得部により取得された画像および画像の位置情報を一時的に保存する。表示制御部は、メモリに保存された
画像をディスプレイ板に
左右反転した像として表示するよう制御する。画像合成部は、
合成画像を形成する。出力部は、画像合成部が取得した合成画像を媒体に出力する。
画像情報取得部は、読み取り要求受け付け部が要求を受け付けると、ディスプレイ板上に載置された第1の原稿の画像である第1の画像のデータと、第1の画像が配置された位置に関する座標としての第1の画像の位置情報と、を取得する。表示制御部は、メモリに保存された第1の画像を第1の画像の位置情報に基づいてディスプレイ板に左右反転した像として表示するよう制御する。画像情報取得部は、ディスプレイ板に第1の画像が左右反転した像として表示された後に読み取り要求受け付け部が要求を受け付けると、第1の画像を除いて、ディスプレイ板上に載置された第2の原稿の画像である第2の画像と、第2の画像が配置された位置に関する座標としての第2の画像の位置情報と、を取得する。画像合成部は、第1の画像および第2の画像を、位置情報に基づいて配置することにより、第1の画像および第2の画像を含む合成画像を形成する。
【0008】
この発明に係る画像処理装置においては、透過型のディスプレイ板上に第1の画像が表示された状態でその第1の画像の表示領域と重畳するように、第2の画像を含む原稿を載置することができる。そのように第2の画像を含む原稿が載置されたまま画像の読み取り要求が行われると、画像情報取得部は、第1の画像を除いて、原稿が載置された位置に関する位置情報と、第2の画像とを取得する。第2の画像をその位置情報に基づいて配置することにより、第1の画像および第2の画像の合成画像が形成される。透過型のディスプレイ板上に載置された第2の画像を含む原稿の位置は、合成後の完成画像における第2の画像の配置位置にそのまま反映される。そのため、合成画像を出力しなくても、第2の画像を含む原稿を載置する時点でユーザーが合成画像のレイアウトを確認することができる。このようにして合成画像が出力される前でも完成画像のレイアウトが把握しやすく、簡易な操作で複数の原稿に基づく合成画像が形成できる画像処理装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
画像処理装置によれば、合成画像が出力される前でも完成画像のレイアウトが把握しやすく、簡易な操作で複数の原稿に基づく合成画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】この発明の一実施形態に係る画像処理装置を複合機に適用した場合のその複合機の外観を示す概略図である。
【
図2】この発明の一実施形態に係る画像処理装置を複合機に適用した場合のその複合機の構成を示すブロック図である。
【
図3】複合機の制御部の構成を示すブロック図である。
【
図4】この発明の一実施形態に係る画像処理装置を用いて合成画像を形成する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】この発明の一実施形態において、合成画像を形成するためのプロセスの一例を示す図である。
【
図6】この発明の一実施形態において、合成画像を形成するためのプロセスの一例を示す図である。
【
図7】この発明の一実施形態において、合成画像を形成するためのプロセスの一例を示す図である。
【
図8】この発明の一実施形態において、合成画像を形成するためのプロセスの一例を示す図である。
【
図9】この発明の一実施形態において、合成画像を形成するためのプロセスの一例を示す図である。
【
図10】この発明の一実施形態において、合成画像を形成するためのプロセスの一例を示す図である。
【
図11】この発明の一実施形態において、合成画像を形成するためのプロセスの一例を示す図である。
【
図12】用紙に印刷された完成画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置を複合機に適用した場合のその複合機の外観を示す概略図である。
図2は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置を複合機に適用した場合のその複合機の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1〜
図2を参照して、この発明の一実施形態に係る画像処理装置としての複合機11は、制御部12と、表示操作部13と、画像読み取り部14と、出力部15と、ハードディスク16と、メモリ18と、透過型のディスプレイ板としての透過型ディスプレイ20と、本体部43と、蓋部45とを備える。
【0013】
制御部12は、複合機11全体の制御を行う。なお、制御部12は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されている。表示操作部13は、複合機11側から発信する情報やユーザーの入力内容を表示する表示パネル21を含む。表示操作部13は、印刷部数や階調性等の画像形成の条件や電源のオンまたはオフを入力させる。画像読み取り部14は、透過型ディスプレイ20上に載置された原稿の画像を読み取るスキャナ22を含む。スキャナ22により読み取られ、取得された画像のデータはメモリ18に一時的に記憶される。出力部15は、画像形成部17と、記録部19とを含む。
【0014】
画像形成部17は、トナーを用いて現像を行う現像装置23を含む。画像形成部17は、画像形成要求に応じ、用紙上に合成画像を形成する。画像形成部17により画像を形成された用紙は、印刷物として排出トレイ30に排出される。記録部19は、コンピューター読み取り可能な記録媒体にデータを書き込むデータ書込装置25を含む。ハードディスク16は、取得した画像データや入力された画像処理条件等の格納を行う。
【0015】
メモリ18は、取得した画像データなどのデータを一時的に記憶する。メモリ18は、画像記憶メモリ26と、位置情報記憶メモリ27とを備える。画像記憶メモリ26は取得した画像の情報を記憶する。位置情報記憶メモリ27は、透過型ディスプレイ20上に載置される原稿の配置位置に関する情報を記憶する。透過型ディスプレイ20は、その上に原稿が載置可能な載置台(プラテン)としての役割を果たす。また、表面に画像を表示可能なディスプレイとしての役割をも果たす。透過型ディスプレイ20は、例えば有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイなどの、光透過型のディスプレイ(透明ディスプレイ)からなる。また透過型ディスプレイ20は、タッチパネル式操作部29を有する。タッチパネル式操作部29の操作により、透過型ディスプレイ20に表示される画像を確認しながら、透過型ディスプレイ20上でその画像を編集することが可能である。
【0016】
本体部43は、上記各要素を収容する。蓋部45は原稿カバー47を備える。蓋部45を閉じた状態においては透過型ディスプレイ20の全表示領域が覆われ、原稿カバー47により、透過型ディスプレイ20上に載置された原稿が移動しないように押さえられる。蓋部45を閉じることで、透過型ディスプレイ20上に載置された原稿をスキャナ22が読み取る際に外光を遮蔽し、原稿の画像を読み取りやすくする。
【0017】
なお、複合機11は、画像データの書き出しや読み出しを行うDRAM(Dynamic Random Access Memory)や現像剤によって形成された可視化像を転写する用紙を搬送する用紙搬送部等を備えるが、これらについては、図示および説明を省略する。また、
図2中の矢印は、制御信号や制御、画像に関するデータの流れを示している。
【0018】
なお複合機11は、画像読み取り部14により読み取られた原稿を用いて画像形成部17において画像を形成し、用紙に印刷することにより、複写機として作動する。また、複合機11は、ネットワーク(図示しない)に接続された端末から送信された画像データを用いて、画像形成部17において画像を形成し、用紙に印刷することにより、プリンターとして作動する。また、複合機11は外部回線に接続されることによりファクシミリ装置としても作動する。すなわち、複合機11は、画像処理に関し、複写機能、プリンター機能、ファクシミリ機能等、複数の機能を有する。さらに、各機能に対しても、詳細に設定可能な機能を有する。
【0019】
次に、上記した制御部12の構成について説明する。
図3は、制御部12の構成を示すブロック図である。
図3を参照して、制御部12は、表示制御部40と、読み取り要求受け付け部42と、画像情報取得部44と、画像合成部46と、画像編集要求受け付け部48と、検知部50とを備える。
【0020】
表示制御部40は、メモリ18に保存された画像をディスプレイ板としての透過型ディスプレイ20に表示するよう制御する。表示される画像としては、画像読み取り部14によって取得された画像の他に、画像合成部46によって形成される合成画像、複合機11がネットワークや外部メモリなどを通じて複合機11の外部から取得した画像などが含まれる。読み取り要求受け付け部42は、透過型ディスプレイ20上に載置された原稿の画像の読み取り要求を受け付ける。画像情報取得部44は、読み取り要求受け付け部42が要求を受け付けると、透過型ディスプレイ20上に載置された原稿の画像である第2の画像と、第2の画像が配置された位置に関する位置情報とを取得する。画像情報取得部44は、透過型ディスプレイ20に表示された画像(第1の画像)を除いて、透過型ディスプレイ20上に載置された原稿の画像(第2の画像)のみを取得する。
【0021】
画像合成部46は、第1の画像、および画像情報取得部44が取得した第2の画像を、位置情報に基づいて配置することにより、第1の画像および第2の画像を含む合成画像を形成する。画像編集要求受け付け部48は、透過型ディスプレイ20のタッチパネル式操作部29を通じて入力される、透過型ディスプレイ20に表示される第1の画像、第2の画像、または合成画像の編集要求を受け付ける。検知部50は、透過型ディスプレイ20上に原稿が載置されたことを検知する。特に透過型ディスプレイ20に第1の画像が表示されている場合には、検知部50は第1の画像の表示領域上に原稿が載置されたことを検知する。
【0022】
次に、この発明に係る画像処理装置としての複合機11を用いて画像処理装置を用いて合成画像を形成する場合について、図面を参照しながら説明する。
図4は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置を用いて合成画像を形成する場合の処理の流れを示すフローチャートである。(
図4における、ステップS11〜S21)(以下、「ステップ」を省略する)。また
図5〜
図11は、本実施形態において、合成画像を形成するためのプロセスの一例を示す図である。また
図12は用紙に印刷された完成画像の一例を示す図である。
【0023】
図1、
図4および
図5を参照して、まずユーザーは、背景となる第1の原稿60を準備する。第1の原稿60はオモテ面60Aとウラ面60Bとを有し、オモテ面60Aには2匹のペンギンからなる第1の画像62が示されている。次に
図1および
図6を参照して、ユーザーは、オモテ面60Aが透過型ディスプレイ20と対向するように、第1の原稿60を透過型ディスプレイ20上の所定の位置に載置する。このとき検知部50は透過型ディスプレイ20上に第1の原稿60が載置されたことを検知する。その後、ユーザーは蓋部45を閉じ、原稿カバー47で第1の原稿60を覆うことによって透過型ディスプレイ20に入射する外光を遮蔽する。
【0024】
検知部50が第1の原稿60の載置を検知した状態で、ユーザーは、表示操作部13を通じて第1の原稿60の第1の画像62の読み取り要求を行う。読み取り要求受け付け部42は、その読み取り要求を受け付ける。読み取り要求受け付け部42がその読み取り要求を受け付けると、スキャナ22が方向Dに移動して、第1の原稿60の第1の画像62を読み取る(S11)。画像情報取得部44は、スキャナ22により読み取られた第1の画像62を取得する。加えて画像情報取得部44は、第1の画像62が配置された位置の位置情報を、座標として取得する。
【0025】
読み取られた第1の画像62のデータは、メモリ18の画像記憶メモリ26に一時的に保存される。また第1の画像62に関する位置情報が位置情報記憶メモリ27に一時的に保存される(S12)。
図7を参照して、画像記憶メモリ26に一時的に保存された第1の画像62は、位置情報記憶メモリ27に記憶された位置情報に基づいて、透過型ディスプレイ20の第1表示領域70内に、第1の表示画像72として表示される(S13)。第1の表示画像72は、第1の原稿60の第1の画像62を左右反転した像として表示される。
【0026】
ここで第1の表示画像72の大きさや向きなどを変更したい場合には、透過型ディスプレイ20の表面に設けられたタッチパネル式操作部29を操作することにより第1の表示画像72を編集することも可能である。画像編集要求受け付け部48は、タッチパネル式操作部29を通じて入力される編集要求を受け付ける。表示制御部40は画像編集要求受け付け部48によって受け付けられた編集要求に応じて透過型ディスプレイ20上に表示される第1の表示画像72を変更する。第1の表示画像72を変更した場合、画像記憶メモリ26に一時的に保存された第1の画像62、および位置情報記憶メモリ27に記憶された位置情報も更新される。
【0027】
次に
図8及び
図9を参照して、透過型ディスプレイ20の第1表示領域70内に、第1の表示画像72が表示された状態で第2の原稿80を透過型ディスプレイ20上に載置する(S14)。第2の原稿80は、オモテ面80Aとウラ面80Bとを有し、オモテ面80Aには一本の木からなる第2の画像82が示されている。ユーザーは、第1の表示画像72を見ながら、ユーザーは、オモテ面80Aが透過型ディスプレイ20と対向するように、透過型ディスプレイ20上の第1表示領域70内の所望の位置に第2の原稿80を載置する。このとき、第1の表示画像72に対する透過型ディスプレイ20上に載置された第2の画像82を含む第2の原稿80の位置は、合成後の完成画像における、第1の画像62に対する第2の画像82の配置位置に反映される。したがって、ユーザーは第2の原稿80を載置する時点で完成画像のレイアウトを確認でき、合成画像が出力される前でも完成画像のレイアウトが把握しやすい、という利点がある。また完成画像を媒体に出力する前に完成画像のレイアウトが確認できることから、出力の無駄や操作のやり直し等を抑制することができる。
【0028】
検知部50は透過型ディスプレイ20上に第2の原稿80が載置されたことを検知する。その後、ユーザーは蓋部45を閉じ、原稿カバー47で第2の原稿80を覆うことによって透過型ディスプレイ20に入射する外光を遮蔽する。また蓋部45を閉じると、第2の画像82の読み取り影響を与えないように、表示制御部40は透過型ディスプレイ20を非表示に切り替える(S15)。
図10を参照して、検知部50が第2の原稿80の載置を検知した状態で、ユーザーは表示操作部13を通じて第2の原稿80の第2の画像82の読み取り要求を行う(S16)。読み取り要求受け付け部42はこの読み取り要求を受け付ける。すなわち、第1の表示画像72は表示されていない状態で、スキャナ22が方向Dに移動して、第2の原稿80の第2の画像82を読み取る(S17)。
【0029】
画像情報取得部44は、スキャナ22により読み取られた第2の画像82を取得する。加えて画像情報取得部44は、第2の画像82が配置された位置の位置情報を、座標として取得する。読み取られた第2の画像82のデータは、メモリ18の画像記憶メモリ26に一時的に保存される。また第2の画像82に関する位置情報が位置情報記憶メモリ27に一時的に保存される(S18)。
図11を参照して、画像合成部46は、画像記憶メモリ26に一時的に保存された第1の画像62および第2の画像82を、位置情報記憶メモリ27に記憶された位置情報に基づいて配置することにより、第1の画像62および第2の画像82を含む合成画像100を形成する。形成された合成画像100は透過型ディスプレイ20に表示される(S19)。合成画像100の第1表示領域70内には第1の表示画像72が示されている。また第1表示領域70内の、第2表示領域90には第2の表示画像92が示されている。
【0030】
第1の表示画像72および第2の表示画像92の大きさや向き等を変更したい場合には、透過型ディスプレイ20の表面に設けられたタッチパネル式操作部29を操作することによりそれぞれの表示画像を編集することも可能である。画像編集要求受け付け部48は、タッチパネル式操作部29を通じて入力される編集要求を受け付ける。表示制御部40は画像編集要求受け付け部48によって受け付けられた編集要求に応じて透過型ディスプレイ20上に表示される第1の表示画像72および第2の表示画像92を変更する。合成画像100を変更した場合、画像記憶メモリ26に一時的に保存された第1の画像62および第2の画像82、並びに位置情報記憶メモリ27に記憶されたそれぞれの画像の位置情報も更新される。
【0031】
合成画像100は、印刷物として用紙に出力することができる。
図12は、用紙に印刷された完成画像の一例を示す図である。
図1、
図2および
図12を参照して、例えば、表示操作部13からユーザーが印刷要求(出力要求)を行うと(S20)、画像形成部17の現像装置23はその命令に応じて、用紙112に完成画像110を形成する。完成画像110は、合成画像100を左右反転した像である。完成画像110が印刷された用紙112は排出トレイ30上に印刷物として出力される(S21)。
【0032】
以上が一連の流れである。ただし、上記実施形態は例示であって、上述のステップおよび構造の一部は省略することもできる。例えば上記実施形態においては、第2の原稿80の第2の画像82を読み取る際に透過型ディスプレイ20を非表示としたが、非表示とするステップは省略が可能である。例えば、透過型ディスプレイ20に表示された映像としての画像と、第2の原稿80上の画像とを選択的に区別する読み取り装置を用いることにより、第1の表示画像72を除いて、透過型ディスプレイ20上に載置された第2の原稿80の画像である第2の画像82と、第2の画像82が配置された位置に関する位置情報とを取得することも可能である。
【0033】
また上記実施形態においては、透過型ディスプレイ20に表示される第1の表示画像72および第2の表示画像92を編集する機能を有していたが、この編集機能については省略が可能である。すなわち、透過型ディスプレイ20が備えるタッチパネル式操作部29、および画像編集要求受け付け部48については省略が可能である。
【0034】
この発明の画像処理装置は画像形成部17および記録部19のうち一方を省略することも可能である。例えば専ら合成画像100をデータとして出力する場合には画像形成部17を省略することが可能である。その逆に、専ら合成画像100を印刷物として出力する場合には記録部19は省略が可能である。
【0035】
また上記実施形態は種々の改変及び改良を行うこともできる。例えば上記実施形態においては、完成画像110は、透過型ディスプレイ20に表示される合成画像100を左右反転した像であったが、透過型ディスプレイ20上で合成画像100を左右反転させて実際の完成画像110の像を透過型ディスプレイ20に表示させることも可能である。左右反転した像では完成画像110のイメージが把握しづらい場合には、実際の完成画像110の像を透過型ディスプレイ20に表示させることが好ましい。なお、透過型ディスプレイ20に左右反転させて表示する操作は、表示操作部13やタッチパネル式操作部29からの入力により行うことができる。
【0036】
上記実施形態においては、第1の原稿60の第1の画像62をスキャナ22に読み取らせることにより第1の画像62を取得したが、第1の画像62の情報源は特に限定されない。例えば、予めハードディスク16やメモリ18に保存しておいたが像を第1の画像62とすることもできる。また複合機11がネットワークと接続されている場合には、ネットワークを介して送信される画像を第1の画像62とすることもできる。
【0037】
また上記実施形態においては合成画像100を用紙112に出力したが、用紙112に代えて、コンピューター読み取り可能な記録媒体に合成画像100の画像データとして出力することができる。例えば
図1および
図2を参照して、例えばメモリーカードスロット51にメモリーカードを挿入し、表示操作部13からユーザーが出力要求を行うと(S20)、記録部19のデータ書込装置25はその要求に応じてメモリーカードに合成画像100の画像データを出力することができる(S21)。またメモリーカードの代わりにUSBメモリに合成画像100の画像データを出力することもできる。この場合、USBポート53にUSBメモリを差し込み、表示操作部13からユーザーが出力要求を行う。この要求に応じて、記録部19のデータ書込装置25はUSBメモリに合成画像100の画像データを出力する。さらにメモリーカードやUSBメモリなどの外部メモリに代えて、複合機11が備えるハードディスク16に出力し、合成画像100の画像データを保存することもできる。なおメモリーカードスロット51、USBポート53等については省略することも可能である。またコンピューター読み取り可能な記録媒体はメモリーカードやUSBメモリに限定されず、磁気ディスク、光学ディスク、外部接続されるハードディスクなどの種々の記録媒体に置き換え可能である。
【0038】
画像処理装置としての複合機11は、他のコンピューターやサーバーなどの機器と通信可能に接続されていてもよい。またファクシミリ機能等の他の機能を備えていてもよい。
【0039】
このように、上記画像処理装置によれば、合成画像が出力される前でも完成画像のレイアウトが把握しやすく、簡易な操作で複数の原稿に基づく合成画像が形成できる。
【0040】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。