(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の技術では、機密部分を塗りつぶす際に、サーバーから塗りつぶす箇所の座標を取得しなければならなかった。すなわち、(1)サーバーを設け、(2)座標を保存し、(3)印刷時に座標を取得するという3つの手間がかかっていた。
【0008】
また、特許文献2の技術でも、(1)サーバーを設け、(2)サーバーに配布先となるグループに関する情報を登録しておく、という手間がかかっていた。
【0009】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、少ない手間とリソースで隠蔽文書を印刷することが出来る画像形成装置および画像形成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置は、入力データである文書内に一意に識別可能なマークが付与された前記入力データから前記マークの位置を読み取る読取部と、前記入力データから前記マークが含まれる特定の領域を抽出する領域抽出部と、前記特定の領域の少なくとも一部を隠蔽する領域として設定する処理領域設定部と、前記設定された隠蔽する領域に対し、隠蔽処理を行う隠蔽処理部とを備える。
【0011】
そのため、少ない手間とリソースで隠蔽文書を印刷することが出来る。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置では、前記処理領域設定部は、前記特定の領域内に前記マークが1つあるとき、前記マークが含まれる前記特定の領域の全体を前記隠蔽する領域として設定する構成でもよい。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置では、前記処理領域設定部は、前記特定の領域内に前記マークが複数あるとき、前記複数のマークを起点とした領域を前記隠蔽する領域として設定する構成でもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置では、前記処理領域設定部は、前記特定の領域内に前記マークが2つあるとき、前記2つのマークを結んだ直線を対角線とする矩形を前記隠蔽する領域として設定する構成でもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置では、前記処理領域設定部は、前記特定の領域内に前記マークが2つあるとき、前記2つのマークを結んだ直線を直径とする円を前記隠蔽する領域として設定する構成でもよい。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置では、前記処理領域設定部は、前記特定の領域内に前記マークが3つ以上あるとき、前記3つ以上のマークを結んだ直線を辺とする図形を前記隠蔽する領域として設定する構成でもよい。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置では、前記領域抽出部は、前記マークが含まれる画像を前記特定の領域として抽出する構成でもよい。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置では、前記領域抽出部は、境界で囲まれた前記マークが含まれる閉じた領域を前記特定の領域として抽出する構成でもよい。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置では、前記読取部は、読み取った前記マークのうち、同一の固有識別子を含む複数のマークを組にし、前記領域抽出部は、前記組になった複数のマークを起点とした領域を特定の領域として抽出し、前記処理領域設定部は、前記特定の領域の全体を前記隠蔽する領域として設定する構成でもよい。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置では、前記処理領域設定部は、前記マークが含まれない領域に隠蔽処理をするか否か、および隠蔽処理を行う場合は隠蔽する領域についてユーザーに問い合わせる構成でもよい。
【0021】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置では、前記マークは、バーコードであってもよい。
【0022】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置では、前記隠蔽処理された入力データを出力する出力部をさらに備え、前記マークには、セキュリティレベルに関する情報が含まれており、前記隠蔽処理部は、前記マークに含まれる前記セキュリティレベルの情報と、前記隠蔽処理された入力データを出力するユーザーのセキュリティレベルとに応じて、前記設定された隠蔽する領域に対し、前記隠蔽処理を行うか否かを決定する構成でもよい。
【0023】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成プログラムは、入力データである文書内に一意に識別可能なマークが付与された前記入力データから前記マークの位置を読み取る読取部、前記入力データから前記マークが含まれる特定の領域を抽出する領域抽出部、前記特定の領域の少なくとも一部を隠蔽する領域を設定する処理領域設定部、および前記設定された隠蔽する領域に対し、隠蔽処理を行う隠蔽処理部として画像形成装置を機能させる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明によれば、少ない手間とリソースで隠蔽文書を印刷することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0027】
[概要]
最初に、概要について説明する。
図1から
図3は、概要について説明するための図である。本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、コピーまたは印刷時に機密にしたい画像を黒く塗りつぶすことにより、隠蔽文書を作成するものである。
【0028】
図1に示すように、ユーザーは、文書P1内の各画像(Image)に対し、バーコード(マーク)BCを付与しておく。バーコードBCに持たせる情報については後述する。文書P1は紙媒体に印刷された文書をスキャナーで読み取ったビットマップデータであってもよいし、ワードプロセッサーで作成された電子文書であってもよい。
【0029】
文書P1を本発明の一実施形態に係る画像形成装置でコピーまたは印刷する際に、各画像の境界線抽出により画像が抽出されると共に、バーコードBCが読み取られる。そして機密とすべき画像は黒く塗りつぶされ、文書P2に示すような機密画像部分が黒塗りされた文書が出力される。ここで、機密画像とは、隠蔽する領域を設定するための特定の領域の一形態である。詳細は後述するが、特定の領域の一部または全部が隠蔽する領域として設定される。
【0030】
なお、元となる機密画像内にバーコードBCが埋め込まれた文書P1は、ユーザーが画像処理ソフトウェアなどにより手動で作成しても、専用の装置で作成されてもよい。ここでは、文書P1の作成方法については言及しない。
【0031】
また、
図2に示すように、機密画像内でバーコードを付与する位置は画像内ならばどこでもよい。例えば、機密画像I1では左上隅にバーコードBCが付与され、機密画像I3では左下の領域にバーコードBCが付与されている。機密画像I2およびI3では、画像の四辺から離れた位置にバーコードBCが付与されている。これらの機密画像に塗りつぶし処理が行われると、機密画像I5のように、画像全体が黒く塗りつぶされ隠蔽処理が行われる。
【0032】
また、
図3に示すように、機密画像内に2つのバーコードBC1およびBC2が付与された場合、それら2つのバーコードを結ぶ直線を対角線とする長方形の領域を塗りつぶし領域として設定する。そのため、機密画像I6のようにバーコードBC1およびBC2が配置された場合でも、機密画像I7のようにバーコードBC1およびBC2が配置された場合でも、コピーまたは印刷処理後は、機密画像I8のように、画像の上半分が黒く塗りつぶされた画像が生成される。
【0034】
[セキュリティレベルについて]
次に、上述したバーコードに付与されるセキュリティレベルについて説明する。
図4は、バーコードに付与されるセキュリティレベルについて説明するための図である。
【0035】
図左側の文書P3には、例えば、上から3つの機密画像が含まれており、それらのセキュリティレベルは、画像に付与されたバーコードの情報に基づいて、機密画像I8が高(H)、機密画像I9が中(M)、機密画像I10が低(L)であるものとする。
【0036】
その場合、文書を印刷する権限としてのセキュリティレベルが高(H)の人が文書P3を印刷またはコピーすると、文書P4に示すように、全ての機密画像は塗りつぶされることなくコピーまたは印刷される。
【0037】
これに対し、セキュリティレベルが低(L)の人が文書P3をコピーまたは印刷すると、文書P5に示すように、セキュリティレベルが高(H)および中(M)の画像は黒く塗りつぶされるが、セキュリティレベルが低(L)の機密画像I10は塗りつぶされることなく、印刷またはコピーされる。
【0038】
このように、本発明の一実施形態に係る画像形成装置では、機密画像内のバーコードに付与されたセキュリティレベルと文書を印刷またはコピーする人の権限としてのセキュリティレベルに基づいて、隠蔽処理を行う画像を制御している。
【0039】
以上、バーコードに付与されるセキュリティレベルについて説明した。
【0040】
[画像形成装置の構成]
次に、画像形成装置の構成について説明する。
図5は画像形成装置20の構成を概略的に示す構成図である。
【0041】
画像形成装置20は、制御部21を備える。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、および専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置20の全体的な動作制御を司る。
【0042】
制御部21は、原稿読取部22、画像処理部23、画像メモリー24、画像形成部25、操作部26、表示部26a、ファクシミリ通信部27、通信部28、記憶部29等と接続されている。制御部21は、接続されている上記各部の動作制御や、各部との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0043】
制御部21は、ユーザーから、操作部26またはネッワーク接続されたPC等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、印刷機能、コピー機能、およびファクシミリ送受信機能などの各機能についての動作制御を実行するために必要な機構の駆動及び処理を制御する。
【0044】
また、制御部21は、バーコード読取部21a(読取部)、画像抽出部(領域抽出部の一形態)21b、処理領域設定部21c、塗りつぶし部21d(隠蔽処理部)、および印刷部(出力部の一形態)21eを有している。バーコード読取部21a、画像抽出部21b、処理領域設定部21c、塗りつぶし部21d、および印刷部21eは、ROMなどからRAMにロードされたプログラムがCPUにより実行されることで実現される機能ブロックである。
【0045】
バーコード読取部21aは、入力データに含まれるバーコードを抽出し、抽出したバーコードに含まれる情報を読み取る。また、バーコード読取部21aは、バーコードが付与されている位置の座標を読み取る。
【0046】
画像抽出部21bは、入力データに含まれる画像(機密画像)およびその位置を、境界線抽出により入力データから抽出する。
【0047】
処理領域設定部21cは、入力データに含まれる個々の機密画像に対して、隠蔽する領域、本実施形態では黒塗りする領域を設定する。設定は、機密画像内に、バーコードが2つある場合、バーコードが1つある場合、そしてバーコードが無い場合に分けて行われる。
【0048】
処理領域設定部21cは、バーコードが2つある場合は、
図3についての上記の説明に従って、それら2つのバーコードの位置を結ぶ直線を対角線とする長方形を黒塗りする領域として設定する。バーコードが1つある場合は、
図2についての上記の説明に従って、そのバーコードを含む機密画像全体を黒塗りする領域として設定する。バーコードが無い場合は、黒塗りするか否か、そして黒塗りする場合はどの領域を塗るかについてユーザーに問い合わせる。
【0049】
塗りつぶし部21dは、設定された領域を黒く塗りつぶす。なお、設定された領域を隠蔽する方法は、黒塗りに限らず、隠蔽できるものであればどのような方法であってもよい。なお、塗りつぶし部21dは、上述したように、バーコードに含まれるセキュリティレベルと印刷を実行するユーザーのセキュリティレベルに応じて、塗りつぶし処理を行うか否かを決めてもよい。
【0050】
印刷部21eは、設定された領域が黒く塗りつぶされた文書を印刷する。
【0051】
原稿読取部22は、原稿から画像を読み取る。
【0052】
画像処理部23は、原稿読取部22で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部23は、原稿読取部22により読み取られた画像が画像形成された後の品質を向上させるために、シェーディング補正等の画像処理を行う。
【0053】
画像メモリー24は、原稿読取部22による読み取りで得られた原稿画像のデータを一時的に記憶したり、画像形成部25での印刷対象となるデータを一時的に記憶したりする領域である。
【0054】
画像形成部25は、原稿読取部22で読み取られた画像データ等の画像形成を行う。
【0055】
操作部26は、画像形成装置20が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部および操作キー部を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部26aを備えている。
【0056】
ファクシミリ通信部27は、図示しない符号化/復号化部、変復調部、およびNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行う。
【0057】
通信部28は、LANボード等の通信モジュールから構成され、通信部28に接続されたLAN等を介して、ネットワーク上の装置(PC等)と種々のデータの送受信を行う。
【0058】
記憶部29は、原稿読取部22によって読み取られた原稿画像などを記憶する。記憶部29は、HDDなどの大容量の記憶装置である。
【0059】
以上、画像形成装置20の構成について説明した。
【0060】
[処理の流れ]
次に、画像形成装置20における処理の流れについて説明する。
図6は、画像形成装置20における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【0061】
まず、バーコード読取部21aが、入力データを読み込む(ステップS1)。読み込みは、紙媒体に印刷された文書をスキャナーで読み込んでもよいし、ワードプロセッサーで作成された電子文書をネットワーク経由で読み込んでもよい。
【0062】
次に、バーコード読取部21aが、入力データ内のバーコードの位置と内容を読み取る(ステップS2)。
【0063】
次に、画像抽出部21bが、入力データから境界抽出により、画像部分を抽出する(ステップS3)。画像抽出部21bは、入力データから画像オブジェクトを画像部分として抽出してもよい。また、画像抽出部21bは、バーコードの位置に基づいて、抽出した画像の中からバーコードが含まれる機密画像を抽出する。
【0064】
次に、処理領域設定部21cが、抽出された画像の1つを処理対象として、処理対象の画像の中にバーコードが2つ付与されているか否かを判断する(ステップS4)。
【0065】
処理対象の画像内にバーコードが2つ付与されている場合(ステップS4のY)、処理対象の画像は機密画像であるので、処理領域設定部21cは、
図3についての上記の説明に従って、2つのバーコードの位置を結んだ直線を対角線とする長方形を塗りつぶし領域として設定し、ステップS9に進む(ステップS5)。言い換えると、処理領域設定部21cは、隠蔽する領域を設定するための特定の領域として抽出された機密画像内にバーコードが2つあるとき、2つのバーコードを結んだ直線を対角線とする矩形を隠蔽する領域として設定し、ステップS9に進む。
【0066】
処理対象の画像内にバーコードが2つ付与されていない場合(ステップS4のN)、処理領域設定部21cは、次に、処理対象の画像の中にバーコードが1つ付与されているか否かを判断する(ステップS6)。
【0067】
処理対象の画像内にバーコードが1つ付与されている場合(ステップS6のY)、処理対象の画像は機密画像であるので、処理領域設定部21cは、
図2についての上記の説明に従って、処理対象とする画像(すなわち、機密画像)全体を塗りつぶし領域として設定しステップS9に進む(ステップS7)。言い換えると、処理領域設定部21cは、隠蔽する領域を設定するための特定の領域として抽出された機密画像内にバーコードが1つあるとき、バーコードが含まれる機密画像全体を隠蔽する領域として設定し、ステップS9に進む。
【0068】
処理対象の画像内にバーコードが1つも付与されていない場合(ステップS6のN)、処理領域設定部21cは、処理対象とする画像について塗りつぶし処理を行うか否か、また塗りつぶす場合、どの領域を塗りつぶすかについてユーザーに問い合わせて、塗りつぶし領域を設定する(ステップS8)。言い換えると、処理領域設定部21cは、バーコードを含まない画像(領域)に隠蔽する処理を行うか否か、また隠蔽する場合、どの領域を隠蔽するかについてユーザーに問い合わせる。処理領域設定部21cは、問い合わせに対するユーザーの回答に従って、隠蔽する領域を設定する。
【0069】
次に、処理領域設定部21cは、抽出された全ての機密画像について塗りつぶし領域の設定処理が行われたか否かを判断する(ステップS9)。
【0070】
まだ処理が行われていない機密画像がある場合(ステップS9のN)は、ステップS4に戻り処理を継続する。
【0071】
全ての機密画像について塗りつぶし処理が完了した場合(ステップS9のY)は、塗りつぶし部21dが、
図4についての上記の説明に従って、塗りつぶす領域として設定された箇所に対しそれぞれの機密画像に設定されたセキュリティレベルに基づき、塗りつぶし処理を行う(ステップS10)。
【0072】
最後に、印刷部21eが、塗りつぶし処理の完了した文書を画像形成部25経由で印刷する(ステップS11)。
【0073】
以上、画像形成装置20における処理の流れについて説明した。
【0074】
<変形例1>
上記の説明では、塗りつぶし領域を指定するためにバーコードを用いたが、バーコードを用いる代わりに、一意に識別可能なマークを用いてもよい。1つの機密画像内にマークが1つあれば、画像全体が黒塗りされ、2つあれば上記同様に指定された位置に矩形領域で黒塗りがなされる。また、例えば、セキュリティレベルが3段階であれば、それら3段階に合わせた3種類のマークを用いれば同様にセキュリティレベルに基づく隠蔽制御を行うことが出来る。
【0075】
<変形例2>
上記の説明では、黒塗りして隠蔽する領域を画像部分に限定したが、この構成に限らず、画像以外の部分である例えば文章部分にもバーコードを付与して隠蔽処理を行ってもよい。
【0076】
例えば、
図7に示す文書P6内に、バーコードBC6、BC7、BC8、およびBC9を付与し、バーコードBC6およびバーコードBC7には、それらのバーコードが組であることが分かるように、同一の固有ID(Identification)(固有識別子)を設定しておき、バーコードBC8およびBC9についてもBC6のものとは異なる同一の固有IDを設定しておく。
【0077】
その場合、バーコード読取部21aは、入力データからバーコードの位置および内容を読み取って、同一の固有IDを含む複数のバーコードを組にする。処理領域設定部21cは、組になった複数のバーコードを起点とした領域を、隠蔽する領域を設定するための特定の領域として抽出し、特定の領域の全体を隠蔽する領域として設定する。具体的には、複数のバーコードが2つとした場合、処理領域設定部21cは、例えば、組となる2つのバーコードの位置を結ぶ直線を対角線とする長方形の領域を、隠蔽する領域R1およびR2として指定することが出来る。なお、変形例2では、処理領域設定部21cは、特定の領域を抽出する領域抽出部を兼ねる。
【0078】
<変形例3>
上記の説明では、黒塗りして隠蔽する領域を画像部分に限定したが、この構成に限らず、画像以外の領域にもバーコードを付与して隠蔽処理を行ってもよい。
【0079】
例えば、
図6に示すステップS3において、領域抽出部は、境界で囲まれる閉じた領域を抽出する。ここで、境界に囲まれる閉じた領域とは、例えば、枠線で囲まれた領域である。領域抽出部は、バーコードの位置に基づいて、抽出した閉じた領域の中から、境界で囲まれるバーコードを含む閉じた領域を前記特定の領域として抽出する。処理領域設定部21cは、処理対象の画像に代えて境界で囲まれる閉じた領域、特定の領域として機密画像に代えて境界で囲まれるバーコードを含む閉じた領域を用いて、
図6に示すステップS4以降の処理を実行する。
【0080】
<変形例4>
上記の説明では、2つのマークを結んだ直線を対角線とする矩形を隠蔽する領域として設定したが、この構成に限らず、上記実施形態において機密画像内にバーコードが複数ある場合、変形例2において同一の固有IDを含むバーコードが複数ある場合、または変形例3において閉じた領域内にバーコードが複数ある場合に複数のバーコードを結ぶ直線に基づいて隠蔽する領域を設定してもよい。すなわち、処理領域設定部21cは、複数のマークを起点とした領域を隠蔽する領域として設定する。例えば、バーコードが2つの場合、処理領域設定部21cは、2つのバーコードを結んだ直線を直径とする円を隠蔽する領域として設定してもよい。また、例えば、バーコードが3つ以上の場合、処理領域設定部21cは、3つ以上のマークを結んだ直線を辺とする図形を隠蔽する領域として設定してもよい。ここで、隠蔽する領域は、抽出された特定の領域内に限定してもよい。
【0081】
<変形例5>
処理領域設定部21cは、上記実施形態の機密画像または変形例3のバーコードを含む閉じた領域、すなわち隠蔽する領域を設定するための特定の領域のみを対象として、
図6に示すステップS4からS5およびS6からS7の処理を実行してもよい。この場合、処理領域設定部21cは、上記実施形態の機密画像を除く画像または変形例3のバーコードを含まない閉じた領域を対象として、ステップS8の処理を行わずステップS9の処理へ進んでもよい。
【0082】
[補足事項]
以上のように、本発明に係る画像形成装置20は、入力データである文書内に一意に識別可能なマークが付与された前記入力データから前記マークの位置を読み取る読取部21aと、前記入力データから前記マークが含まれる特定の領域を抽出する領域抽出部21bと、前記特定の領域の少なくとも一部を隠蔽する領域として設定する処理領域設定部21cと、前記設定された隠蔽する領域に対し、隠蔽処理を行う隠蔽処理部21dとを備える。
【0083】
そのため、少ない手間とリソースで隠蔽文書を印刷することが出来る。
【0084】
その他、本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。