特許第6717257号(P6717257)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6717257
(24)【登録日】2020年6月15日
(45)【発行日】2020年7月1日
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20200622BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20200622BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20200622BHJP
   G06F 1/32 20190101ALI20200622BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   G03G21/00 396
   B41J29/38
   G06F1/32
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-95101(P2017-95101)
(22)【出願日】2017年5月11日
(65)【公開番号】特開2018-191262(P2018-191262A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2019年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115831
【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】江藤 公二
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−021153(JP,A)
【文献】 特開2012−114604(JP,A)
【文献】 特開2013−150169(JP,A)
【文献】 特開2012−085042(JP,A)
【文献】 特開平09−162912(JP,A)
【文献】 特開2016−192668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを受信する通信インターフェイス部と、
原稿の画像を読み取って画像データを生成する画像読取部と、
前記印刷ジョブから生成された画像データに基づいて印刷媒体に画像を形成する第1の作動モードと、前記画像読取部によって生成された画像データに基づいて印刷媒体に画像を形成する第2の作動モードとを有する画像形成部と、
を備え、
前記通信インターフェイス部は、受信回路と送信回路とを有し、前記受信回路を作動させる一方、未送信の送信パケットが存在するときに前記送信回路を作動させ
前記通信インターフェイス部は、ネットワークを介して前記印刷ジョブを受信し、FLP信号を受信する前記受信回路を含む複数の受信回路を制御するメディアアクセス制御部を有し、
前記メディアアクセス制御部は、オートネゴシエーション処理を実行し、前記複数の受信回路のうち前記オートネゴシエーション処理で選択された伝送方式の信号を受信する受信回路と、前記FLP信号を受信する受信回路とを作動させ、前記複数の受信回路のうち他の受信回路を停止させる画像形成装置。
【請求項2】
請求項記載の画像形成装置であって、
前記メディアアクセス制御部は、送信先のMACアドレスを使用してパケットを生成し、前記MACアドレスに紐づけられている送信回路を起動し、前記起動された送信回路を使用して前記生成されたパケットを送信し、前記送信の完了に応じて前記MACアドレスに紐づけられている送信回路を停止する画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置であって、
前記メディアアクセス制御部は、パケットの受信に応じて、前記パケットに含まれているMACアドレスに紐づけられている送信回路を起動する画像形成装置。
【請求項4】
印刷ジョブを受信する通信インターフェイス工程と、
原稿の画像を読み取って画像データを生成する画像読取工程と、
前記印刷ジョブから生成された画像データに基づいて印刷媒体に画像を形成する第1の作動モードと、前記画像読取工程によって生成された画像データに基づいて印刷媒体に画像を形成する第2の作動モードとを有する画像形成工程と、
を備え、
前記通信インターフェイス工程は、受信回路と送信回路とを用い、前記受信回路を作動させる一方、未送信の送信パケットが存在するときに前記送信回路を作動させ
前記通信インターフェイス工程は、ネットワークを介して前記印刷ジョブを受信し、FLP信号を受信する前記受信回路を含む複数の受信回路を制御するメディアアクセス制御工程を有し、
前記メディアアクセス制御工程は、オートネゴシエーション処理を実行し、前記複数の受信回路のうち前記オートネゴシエーション処理で選択された伝送方式の信号を受信する受信回路と、前記FLP信号を受信する受信回路とを作動させ、前記複数の受信回路のうち他の受信回路を停止させる画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関し、特にネットワークに接続可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、一般にネットワークを介して複数のコンピュータにネットワーク接続された状態で利用されている。ネットワーク接続では、画像形成装置は、OSI参照モデルの物理層を構成するモジュラー式コネクター(RJ−45)を介してイーサネット(登録商標)に接続される。物理層には、ネットワークインターフェースとしての送信回路(TX回路とも呼ばれる。)と受信回路(RX回路とも呼ばれる。)とが画像形成装置に装備されている。画像形成装置は、常時ネットワークに接続され、受信待ちの状態にあるので消費電力が大きく、ネットワーク接続のための消費電力を低減させるための技術が提案されている。たとえば特許文献1は、通信するデータに応じて個別にアクセス制御部との間のクロックを制御することで、消費電力を低減させる技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−66678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、画像形成装置は、有線ネットワークに接続されることなく、無線LANで接続されることもある。さらに、画像形成装置は、スタンドアロンで使用されることもある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、スタンドアロンを含む多様な接続状態で使用されることを想定して消費電力を低減させるための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、印刷ジョブを受信する通信インターフェイス部と、原稿の画像を読み取って画像データを生成する画像読取部と、前記印刷ジョブから生成された画像データに基づいて印刷媒体に画像を形成する第1の作動モードと、前記画像読取部によって生成された画像データに基づいて印刷媒体に画像を形成する第2の作動モードとを有する画像形成部とを備え、前記通信インターフェイス部は、受信回路と送信回路とを有し、前記受信回路を作動させる一方、未送信の送信パケットが存在するときに前記送信回路を作動させる。
【0007】
本発明の画像形成方法は、印刷ジョブを受信する通信インターフェイス工程と、原稿の画像を読み取って画像データを生成する画像読取工程と、前記印刷ジョブから生成された画像データに基づいて印刷媒体に画像を形成する第1の作動モードと、前記画像読取工程によって生成された画像データに基づいて印刷媒体に画像を形成する第2の作動モードとを有する画像形成工程とを備え、前記通信インターフェイス工程は、受信回路と送信回路とを用い、前記受信回路を作動させる一方、未送信の送信パケットが存在するときに前記送信回路を作動させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スタンドアロンを含む多様な接続状態で使用されることを想定して消費電力を低減させるための技術を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の機能構成を示すブロックダイアグラムである。
図2】一実施形態に係る通信回路設定処理の手順を示すフローチャートである。
図3】一実施形態に係るオートネゴシエーション処理の内容を示す説明図である。
図4】一実施形態に係る通信処理の内容を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の機能構成を示すブロックダイアグラムである。この例では、3台の画像形成装置100は、ルーター30を介してパーソナルコンピュータ200と、インターネット20とに接続されている。
【0012】
画像形成装置100は、制御部110と、画像形成部120と、操作表示部130と、記憶部140と、通信インターフェイス部150と、画像読取部160とを備えている。画像形成部120は、通信インターフェイス部150を介して受信した印刷ジョブから生成された画像データに基づいて印刷を行うことができる(第1の作動モード)。画像読取部160は、原稿から画像を読み取ってスキャンデータを生成する。画像形成部120は、スキャンデータとしての画像データに基づいて印刷媒体上に印刷(複写)を行うこともできる(第2の作動モード:複写)。
【0013】
操作表示部130は、タッチパネルとして機能し、様々なメニューを入力画面として表示する。操作表示部130は、各種ボタンやスイッチ(図示せず)からユーザーの操作入力を受け付ける。操作表示部130は、たとえば画像形成装置100がスタンドアロンとして複写機として作動する場合にも使用される。
【0014】
制御部110は、RAMやROM等の主記憶手段、及びMPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部110は、各種I/O、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、バス、その他ハードウェア等のインターフェイスに関連するコントローラ機能を備え、画像形成装置100全体を制御する。
【0015】
記憶部140は、非一時的な記録媒体であるハードディスクドライブやフラッシュメモリー等からなる記憶装置で、制御部110が実行する処理の制御プログラムやデータを記憶する。
【0016】
通信インターフェイス部150は、モジュラー式コネクター(RJ−45とも呼ばれる。)151と、10Base通信回路152と、100Base通信回路153と、1000Base通信回路154と、メディアアクセス制御部155とを備えている。10Base通信回路152は、受信回路(RX回路とも呼ばれる。)152Rと、送信回路(TX回路とも呼ばれる。)152Tとを有している。100Base通信回路153は、受信回路153Rと、送信回路153Tとを有している。1000Base通信回路154は、受信回路154Rと、送信回路154Tとを有している。
【0017】
受信回路152R及び送信回路152Tは、10メガビット・イーサネット(登録商標)の規格の信号を送受信できるように構成されている。10メガビット・イーサネット(登録商標)は、10Mbpsの転送速度に対応したイーサネット(登録商標)である。受信回路153R及び送信回路153Tは、100メガビット・イーサネット(登録商標)の規格の信号を送受信できるように構成されている。100メガビット・イーサネット(登録商標)は、100Mbpsの転送速度に対応したイーサネット(登録商標)である。受信回路154R及び送信回路154Tは、1000メガビット・イーサネット(登録商標)の規格の信号を送受信できるように構成されている。1000メガビット・イーサネット(登録商標)は、1000Mbpsの転送速度に対応したイーサネット(登録商標)である。
【0018】
メディアアクセス制御部155は、メディアアクセス制御を実行する。メディアアクセス制御とは、OSI参照モデルの第2層にあたるデータリンク層において物理層側の副層を構成する通信プロトコルである。メディアアクセス制御は、複数の機器が互いを識別し、信号の衝突などを回避して滞りなく通信できるようにすることが主な役割である。具体的には、メディアアクセス制御は、機器を識別するアドレス(MACアドレス)の割り当て、信号の送信タイミングの制御(衝突検知や衝突回避)、宛先アドレスなどの制御データを付加したフレームの生成(送信時)や分解(受信時)を行うことができる。
【0019】
モジュラー式コネクター151は、10Base通信回路152、100Base通信回路153及び1000Base通信回路154に並列に接続されている。メディアアクセス制御部155は、10Base通信回路152、100Base通信回路153及び1000Base通信回路154に並列に接続されている。これにより、メディアアクセス制御部155は、10Base通信回路152、100Base通信回路153及び1000Base通信回路154に接続され、モジュラー式コネクター151を介して外部と通信することができる。
【0020】
図2は、一実施形態に係る通信接続処理の手順を示すフローチャートである。ステップS110では、ユーザーは、操作表示部130を操作して画像形成装置100の主電源をオンとする。
【0021】
ステップS120では、制御部110は、初期設定処理を実行する。初期設定処理では、制御部110は、10Base通信回路152の受信回路152R及び送信回路152Tを起動する。これにより、通信インターフェイス部150は、10メガビット・イーサネット(登録商標)の規格で送信される信号の送受信が可能となる。
【0022】
ステップS130では、通信インターフェイス部150は、FLPバースト送信処理を実行する。FLPバースト送信処理では、送信回路152Tは、FLPバーストを送信する。FLPバーストは、10メガビット・イーサネット(登録商標)の規格(10Base−T)で送信される信号である。FLPバーストは、FLP信号とも呼ばれる。
【0023】
FLPバーストは、33個のパルスによって構成されている。奇数番目のパルスは、パルスのタイミングをとるためのクロック・パルスである。偶数番目のパルスは、データ・パルスである。データ・パルスは、自分の機器(この例では通信インターフェイス部150)がサポートしている伝送方式を表している。伝送方式は、伝送速度と伝送モード(全二重又は半二重)の組合せである。全二重は、双方向通信において、同時に双方からデータを送受信可能な通信方式である。半二重は、双方向通信において、同時に一方向のみのデータの送受信が可能であり、時分割で双方向からの送受信を可能とする通信方式である。
【0024】
具体的には、データ・パルスは、たとえば10メガビット・イーサネット(登録商標)の規格と伝送モードの組合せ、100メガビット・イーサネット(登録商標)の規格と伝送モードの組合せ及び1000メガビット・イーサネット(登録商標)の規格と伝送モードの組合せに対応している場合に、その対応する番目(偶数番目)の位置パルスのビットが1(パルスあり)となる。これにより、FLPバーストは、その送信元がサポートしている伝送方式を相手側の機器に伝えることができる。
【0025】
ステップS140では、通信インターフェイス部150のモジュラー式コネクター(RJ−45)151が物理的にネットワーク(この例ではルーター30)に接続されていると判断された場合には、処理がステップS150に進められ、物理的にネットワークに接続されていないと判断された場合には、処理がステップS180に進められる。
【0026】
メディアアクセス制御部155は、FLPバーストの返信があった場合には、モジュラー式コネクター151が物理的にネットワークに接続されていると判断する。一方、メディアアクセス制御部155は、予め設定された時間内にFLPバーストの返信がなかった場合には、モジュラー式コネクター151が物理的にネットワークに接続されていないと判断する。
【0027】
ステップS150では、受信回路152Rは、受信回路152Rを使用してFLPバーストの返信を受信する。ステップS160では、通信インターフェイス部150は、オートネゴシエーション処理を開始する。オートネゴシエーション処理では、メディアアクセス制御部155は、FLPバーストの送信元と通信インターフェイス部150の双方がサポートしている伝送方式のうちで最も優先度の高い方式を自動的に選択する。
【0028】
図3は、一実施形態に係るオートネゴシエーション処理の内容を示す説明図である。図3(a)は、通信インターフェイス部150が受信したFLPバーストの内容を示している。優先順位は、小さい数字が高い優先度を示し、1000BASE−T(全二重)が最も優先度が高く、10BASE−T(半二重)が最も優先度が低い伝送方式である。この例では、FLPバーストは、100BASE−T(全二重)から10BASE−T(半二重)の伝送方式をサポートしている機器から送信されたことを示している。
【0029】
図3(b)は、通信インターフェイス部150の仕様を示している。通信インターフェイス部150は、1000BASE−T(全二重)から10BASE−T(半二重)の全ての伝送方式をサポートしているものとする。オートネゴシエーション処理は、前述のようにFLPバーストで示される送信元がサポートしている伝送方式と、受信先である通信インターフェイス部150がサポートしている伝送方式とで共通にサポートされている伝送方式のうち最も優先度の高い伝送方式を選択する。この例では、オートネゴシエーション処理の結果として伝送方式に100BASE−T(全二重)が両者で選択されることになる。
【0030】
ステップS170では、メディアアクセス制御部155は、受信回路設定処理を実行する。受信回路設定処理では、メディアアクセス制御部155は、10Base通信回路152の受信回路152Rと、100Base通信回路153の受信回路153Rとを作動させる一方、1000Base通信回路154の受信回路154Rを停止したままとする。
【0031】
このように、メディアアクセス制御部155は、ネットワークへの新規機器の接続に備えて、FLPバーストを受信可能な受信回路152Rの作動を継続させる。メディアアクセス制御部155は、さらに、オートネゴシエーション処理の結果として選択された伝送方式(100BASE−T(全二重))の信号を受信するために100Base通信回路153の受信回路153Rを作動させる。
【0032】
一方、メディアアクセス制御部155は、パケットの受信が想定されていない受信回路154Rを停止させる。メディアアクセス制御部155は、FLPバーストの送信元のMACアドレスの取得の際に、送信回路153Tと紐づけて記憶する。
【0033】
ステップS180では、メディアアクセス制御部155は、送信回路停止処理を実行する。送信回路停止処理では、メディアアクセス制御部155は、全ての送信回路152T〜154Tを停止する。
【0034】
なお、ステップS140において、モジュラー式コネクター151が物理的にネットワークに接続されていないと判断された場合には、メディアアクセス制御部155は、10Base通信回路152の受信回路152Rのみを作動させる一方、受信回路153Rと受信回路154Rと、全ての送信回路152T〜154Tとを停止したままとする。
【0035】
ステップS190では、メディアアクセス制御部155は、たとえばクロックをカウントして一定時間の経過を待って、10Base通信回路152の送信回路152Tを起動し、処理をステップS130に戻す。ステップS130では、メディアアクセス制御部155は、FLPバーストをアイドル信号として送信する。
【0036】
これにより、メディアアクセス制御部155は、ネットワークの接続状態を定期的に監視することができる。この結果、メディアアクセス制御部155は、ネットワークへの新規機器(たとえばパーソナルコンピュータ200の起動)の新規接続にも適切に対応することができる。さらに、メディアアクセス制御部155は、モジュラー式コネクター151が物理的にネットワークから切り離された場合には、初期状態、すなわち受信回路153Rを停止して受信回路152Rのみを作動させる状態に戻すことができる。
【0037】
図4は、一実施形態に係る通信処理の内容を示す説明図である。ステップS210では、メディアアクセス制御部155は、パケット生成処理を実行する。メディアアクセス制御部155は、MACアドレスを使用して送信パケット(フレーム)を生成するので、未送信の送信パケットの発生を検知することができる。
【0038】
パケット生成処理は、たとえば(1)画像読取部160が原稿から画像を読み取って生成したスキャンデータを、ネットワークを経由して送信する場合や(2)画像形成装置100を管理するサーバー(図示せず)への機器情報データを送信する場合に実行される。
【0039】
ステップS220では、メディアアクセス制御部155は、送信回路選択処理を実行する。送信回路選択処理では、メディアアクセス制御部155は、パケット生成処理で使用される送信先のMACアドレスに紐づけられている送信回路(この例では、送信回路153T)を選択する。ステップS230では、メディアアクセス制御部155は、選択された送信回路153Tを起動する。
【0040】
ステップS240では、メディアアクセス制御部155は、パケットの送信を開始する。メディアアクセス制御部155は、送信パケットを全て送信し、未送信の送信パケットが存在しなくなると(送信完了)、処理をステップS260に進める(ステップS250)。ステップS260では、メディアアクセス制御部155は、送信回路153Tを停止する。
【0041】
このように、本実施形態に係る画像形成装置100は、ルーター30やハブ(図示せず)といった有線ネットワークに物理的に接続されていない状態では、FLPバーストを受信可能な受信回路152Rが起動されている。これにより、画像形成装置100は、ネットワークを介した指示に対して迅速に対応することができる。一方、他の受信回路153R,154R及び全てのび送信回路152T〜154Tは、停止されているので、消費電力を低減させることができる。
【0042】
画像形成装置100は、有線ネットワークに物理的に接続されている状態では、FLPバーストを受信可能な受信回路152Rと、オートネゴシエーション処理で選択された伝送方式の信号を受信する受信回路とを起動させている。これにより、パケットの受信が想定されている受信回路のみを作動させて即応性を維持しつつ消費電力を低減させることができる。
【0043】
一般に、ネットワークに接続可能な電子機器は、ネットワークに接続された状態で使用されるが、画像形成装置100は、ネットワークに接続されることなく、スタンドアロンや無線LANで使用されることもある。本実施形態に係る画像形成装置100は、スタンドアロン等で使用されることも想定して消費電力を低減させることができる。
【0044】
本発明は、上記各実施形態だけでなく、以下のような変形例でも実施することができる。
【0045】
変形例1:上記実施形態では、10メガビット・イーサネット(登録商標)の規格の信号の送受信回路と、100メガビット・イーサネット(登録商標)の規格の信号の送受信回路と、100メガビット・イーサネット(登録商標)の規格の信号の送受信回路とが使用されているが、複数の規格の信号の送受信が可能な送受信回路を有する画像形成装置にも適用することができる。本発明は、個別に起動可能な送信回路と受信回路とを有する画像形成装置に適用することができる。
【0046】
変形例2:上記実施形態のメディアアクセス制御部155は、パケットの生成に応じて送信回路を起動されているが、このような方法に限られず、パケットの受信に応じてパケットに含まれているMACアドレスに紐づけられている送信回路を起動するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
20 インターネット
30 ルーター
100 画像形成装置
110 制御部
120 画像形成部
130 操作表示部
140 記憶部
150 通信インターフェイス部
151 モジュラー式コネクター(RJ−45)
152 10Base通信回路
152R,153R,154R 受信回路
152T,153T,154T 送信回路
153 100Base通信回路
154 1000Base通信回路
155 メディアアクセス制御部
160 画像読取部
200 パーソナルコンピュータ

図1
図2
図3
図4