特許第6717466号(P6717466)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6717466
(24)【登録日】2020年6月15日
(45)【発行日】2020年7月1日
(54)【発明の名称】飲料容器セット
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/22 20060101AFI20200622BHJP
   A47G 19/00 20060101ALI20200622BHJP
【FI】
   A47G19/22 Z
   A47G19/00 H
   A47G19/00 N
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-1854(P2019-1854)
(22)【出願日】2019年1月9日
【審査請求日】2020年1月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
(72)【発明者】
【氏名】岡 雄一郎
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 実開平6−46574(JP,U)
【文献】 実開昭58−91987(JP,U)
【文献】 特開平9−295663(JP,A)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2009−0003994(KR,U)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0022069(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0280903(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G19/00−19/24
B65D21/00−21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器AとBとの組み合せからなる飲料容器セットであって、
飲料容器Aは、飲み口部側が拡径した外形が円錐台形状の本体部(11)と、当該本体部の底部側に内装部(12)を有し、
飲料容器Bは、飲み口部側が縮径した外形が円錐台形状の本体部(21)と、当該本体部の底部側に内装部(22)とを有し、
前記飲料容器Aの内装部(12)は前記飲料容器Bの飲み口部に内装可能であり、
前記飲料容器Bの内装部(22)は前記飲料容器Aの飲み口部に内装可能であることを特徴とする飲料容器セット。
【請求項2】
飲料容器Aと飲料容器Bとは、共に飲み口の方向を合せ相互に側面が直線状又は曲線状に接触可能であり、
前記相互に接触可能な状態で前記飲料容器Aの中心線と前記飲料容器Bの中心線とが平行になることを特徴とする請求項1記載の飲料容器セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の異なる形状からなる飲料容器セットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、一枚のソーサによって複数のカップをスタッキングすることができる容器セットを開示する。
しかし、同公報に開示する容器セットは、カップ同士をスタッキングできるものではない。
例えば特許文献2には、側部に設けた平面同士を連結可能にした連結カップを開示する。
しかし、これもカップ同士をスタッキングすることができないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3065801号公報
【特許文献2】実用新案登録第3041356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、相互にスタッキング可能で収納性及びデザイン性に優れた飲料容器セットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る飲料容器セットは、飲料容器AとBとの組み合せからなる飲料容器セットであって、飲料容器Aは、飲み口部側が拡径した外形が円錐台形状の本体部(11)と、当該本体部の底部側に内装部(12)を有し、飲料容器Bは、飲み口部側が縮径した外形が円錐台形状の本体部(21)と、当該本体部の底部側に内装部(22)とを有し、前記飲料容器Aの内装部(12)は前記飲料容器Bの飲み口部に内装可能であり、前記飲料容器Bの内装部(22)は前記飲料容器Aの飲み口部に内装可能であることを特徴とする。
ここで内装可能とは、内装部が他方の飲料容器の飲み口部の内側に挿入してスタッキングできることをいう。
このようにすると、飲料容器AとBは交互に複数の段にスタッキング可能となる。
本発明において、外形が円錐台形状とは平面視で外形が概ね円形状であり、側面視で概ね台形形状であることをいい、表面になだらかな凹凸面があったり、いろいろな模様やスリットがあってもよい。
【0006】
ここで、飲料容器Aと飲料容器Bとは、共に飲み口の方向を合せ相互に側面が直線状又は曲線状に接触可能であり、前記相互に接触可能な状態で前記飲料容器Aの中心線と前記飲料容器Bの中心線とが平行になるのが好ましい。
ここで、側面が直線状又は曲線状に接触するとは、飲料容器A,Bの本体部同士が直線状に接触する態様のみならず、側面がなだらかな曲面になっている場合には、その曲面に沿って接触することをいう。
このようにすると、飲料容器AとBとの本体部の接触部に隙間が無くなり、収納スペースが小さくなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る飲料容器セットは、飲料容器A,Bを相互に2段あるいは3段以上にスタッキングし、それらの飲み口の方向を合せ、隣同士の飲料容器の側面が相互に重なるように立てて収納した場合であっても、横に寝かすように収納する場合にあっても、収納スペースの省スペース化が可能であり、相互に側面同士が干渉し、容器が収納箱から飛び出すのを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る飲料容器AとBとの構成例を示し、(a)は飲料容器A,Bの側面図を示し、(b),(c)は飲み口部側から見た斜視図、(d)は内装部側から見た斜視図を示す。
図2】(a),(b)は収納箱に飲料容器A,Bを収納した状態を示す。
図3】(a),(b)は飲料容器AとBとスタッキングした状態を示す。
図4】飲料容器を3段にスタッキングし、箱詰めした状態を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に飲料容器AとBとの構造例を示す。
飲料容器Aはタンブラー型のコップ形状の例であり、本体部11とその底部側の内装部12とからなる。
本体部11は、飲み口部13側の内径dが内側底部11bの内径よりも大きい飲み口部13側が拡径した外形円錐台形状の外周壁11aとなっている。
また、この外周壁11aは飲み口部13側の外径dが飲料容器Bの段差部22aの外径とほぼ同じになっている。
コップ形状の本体部11の底部側には、後述する飲料容器Bの飲み口部23の内側に挿入できる内装部12を有する。
内装部12はスタッキング高さが定まるように、この内装部12の根元側に拡径した段差部12aを有する。
【0010】
飲料容器Bは本体部21とその底部側の内装部22とからなる。
飲料容器Bは飲料容器Aとは逆に、本体部21の飲み口部23の外径dよりも底部側の外径よりも小さく縮径した円錐台形状になった外周壁21aとなっているとともに、内装部22が飲料容器Aの飲み口部の内径dの内側に内装(挿入)できるように、この内装部22の根元径dが飲み口部の内径dとほぼ同じか、やや小さく設定した円錐台になっている。
内装部22の先端径dは飲料容器Aの飲み口部の内側に納まるように根元径dより、やや小さくなっている。
また、スタッキング高さが定まるように内装部22の根元側に拡径した段差部22aを有する。
【0011】
このように飲料容器AとBとは、本体部の拡径方向が相互に逆方向になっていることで、図1(a)〜(d)に示すように飲み口部13,23の方向を合せた状態で本体部11と21の側面が直線で重なるように並べることができる。
この本体部の外周壁11aと21aとの傾斜角は必ずしも上下対称にする必要はないが、図2に示すように飲料容器Aの中心部Oと飲料容器Bの中心線Oとが平行になるように設定すると、箱1に収納しやすく、従来のタンブラー型コップを収納するのに比較して、横方向の収納スペースが小さくなる。
また、図3に示すように飲料容器AとBとは、いずれを下側にしてもスタッキングすることが可能であるとともに、スタッキング方法を相互に逆にすることで、本体部の外周壁が重なるように立てたり、横に寝かせて並べることができる。
図4には飲料容器を、それぞれ交互に3段にスタッキングし、隣同士の本体部11,21とが接触するように箱1に箱詰めした例を示す。
飲料容器AとBでは、本体部の縮径(拡径)方向が逆になっているので、収納スペースが小さくなるだけでなく、相互に箱から飛び出すのを防ぐ。
また、使用の際に飲み口の方向が全て同じなので、箱から取り出して水等ですすぐのが容易である。
【0012】
本発明に係る飲料容器A,Bを製作する材料に制限はない。
例えば、黄銅合金で製作すると、本体部同士を軽くぶつけるように打ちつけるだけで共鳴音がなり、乾杯容器として楽しむこともできる。
【符号の説明】
【0013】
11 本体部
12 内装部
12a 段差部
13 飲み口部
21 本体部
22 内装部
22a 段差部
23 飲み口部
【要約】      (修正有)
【課題】相互にスタッキング可能で収納性及びデザイン性に優れた飲料容器セットを提供する。
【解決手段】飲料容器AとBとの組み合せからなる飲料容器セットであって、飲料容器Aは、飲み口部13側が拡径した外形が円錐台形状の本体部11と、本体部11の底部11b側に内装部12を有し、飲料容器Bは、飲み口部23側が縮径した外形が円錐台形状の本体部21と、本体部21の底部21b側に内装部22とを有し、飲料容器Aの内装部12は飲料容器Bの飲み口部23に内装可能であり、飲料容器Bの内装部22は飲料容器Aの飲み口部13に内装可能であることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4